2012年オホーツク流氷旅行記4

流氷ノロッコ号は、5両中4両の客車が展望車になっていて、うち3両が指定席。
指定席は団体客で一杯だ。自由席の1号車は普通の客車になっていて、展望車と違い近代的な内装の車両だけは不人気で空きボックスの方が多い。

1号車の空いているボックス席に座ったが、この客車、外側はノロッコ仕様に塗装されているが、車内は50系51型客車そのままだ。今から20年前の80〜90年代にかけて、函館本線札幌圏の普通列車に頻繁に使われていた。

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 往時の50系51型客車原型そのまま。

動き出すと、うーん懐かしい。ガタン、ゴトンと硬いながらも規則正しく刻むレールのジョイントの音も心地よい。この50系客車往時の乗り心地を体験できるのは全国でもここだけではないか。
この客車に乗るためだけにまた来ても良いとも思った。 

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 妙に懐かしい。

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 50系51型客車から見た流氷。

北浜は9分停車。賑やかだった指定席の団体客はここで一斉に下車する。入れ替わりに別の団体さんがまた乗ってきた。
駅前には2台の大型バスが停まっていて、列車から降りた人たちが次々と乗り込んでいった。

車内の人たちも車内から出てきて、ホームはしばしごった返す。
展望台からは、流氷は岸から離れてしまっているが晴れているので知床連山が良く見えた。

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 北浜駅では団体客が一斉に下車。2台の観光バスに乗り移っていった。

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 北浜駅の展望台から。流氷の向こうに知床の山々が連なる。

下から拡声器で「発車2分前で〜す」と聞こえたので、車内に戻る。 

北浜で降りた人が多いようで、展望車の自由席も空席があった。ストーブの前の席が空いていたのでそこに座らせてもらう。

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 ダルマストーブが燃える展望車車内。

石炭ストーブは小さいながらも火力があるようで、熱がじわじわ伝わってくる。昔は、ストーブ前の座席は熱いので、乗客同士で交代して座っていたという。

ストーブの脇には石炭の詰まった紙袋や文化タキツケが無造作に置かれている。石炭は袋詰めの釧路の太平洋炭だった。

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 ストーブの横に置かれている石炭、スコップ、デレッキ。

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 ストーブに石炭をくべる車掌さん。

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 展望車の窓から流氷を見る。路面電車の窓みたい。

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 3羽の白鳥が列車と平行に飛んでいた。

鱒浦駅を過ぎると列車はトンネルに入る。ウッディな車内は電球に照らされて一転して炉端居酒屋のような雰囲気になった。ダルマストーブもいい味を出している。

夜に運転して居酒屋ノロッコ号なんて走らせたらいいと思った。 

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 トンネル内では炉端居酒屋のような雰囲気になる。こっちのほうが趣がある。

流氷ノロッコ4号は知床斜里から56分かかって、12:53に網走に着いた。駅舎側の1番線には13:29発のオホーツク6号札幌行きが入線していた。
帰りは行きと同じ『オホーツクの風』の指定席を持っていたが、きのうの事故で代車のボローツク号になったので、1本早いこの6号で帰ろうとも思ったが、持っている『特割きっぷ』で6号に乗ることはできなかった。

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 釧網線80周年ヘッドマークを掲げた機関車。ホームでの機関車撮影は網走駅でのみ可能。

1時間半ほどの乗換時間があるので昼食でもと思ったが、駅周辺は何もないところだ。立ち食いそば屋もあるが今日は閉まっている。

商店街のある中心部までは歩いて10分程だが、寒いし歩き疲れたので行きたくない。駅前にすき家とヴィクトリアステーションがあったが、網走まで来てそこに入る気はしなかった。 

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 オホーツク6号発車後もオホーツクの風号を待つ人で待合室は一杯。


オホーツク6号がガラ空きのまま発車すると、入れ替わりにオホーツクの風号が入線してきた。

改札口の横には、6日までオホーツクの風号は代車で運転する旨の張り紙があった。一晩で修理できるものではないようだ。待合室には、遠軽駅積み込みのかにめしは当面販売休止との張り紙もあった。列車に関してはがっかりなことばかりだ。

待合室にキッチンモリヤという喫茶店が併設されていて、入口では駅弁も売っている。駅弁を買うと店内で食べることもできる。
ここの駅弁屋は最近の駅弁屋にはないオーラというか駅売りのこだわりのような感じが漂っていて好感が持てる。
主人らしい人が睨むように店番をしていると、何となく近づき難い雰囲気になるのもユニークに見える。

駅弁を買って車内で食べることにした。網走駅モリヤのかにめしもおいしい。奮発して1200円の『漁師のかにめし』というのを買った。最後の1個だったようで、商品を受け取ると売り子さんが値札を下げた。 

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 代替車両によるオホーツクの風ならぬボローツクの風号となった。

上り『流氷特急オホーツクの風』号は本日6両編成で運転される。前から2両目の増1号車グリーン車は、3号車ラウンジカーの代替としてフリースペースとの由。売店は同じく増1号車の売店設備にて行うとの案内があった。

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 方向幕の表示は『臨時』のみ。なんかさみしい。

オホーツクの風号は14:17に先の6号と同じくらいガラ空きで網走を発車した。

発車後さっき買った『漁師のかにめし』を開く。ご飯の上にずわいガニのほぐし身とタラバガニの脚の肉がこれでもかというほど載っていた。具材はカニの身のみ。ご飯もカニ風味に味付けされてカニの身にぴったり。薄味だが余計な味付けはなく、カニの風味が最大限に生かされている。
さすが1200円だけのことはある。

旅行で、網走でカニを食べそこなっても、この駅弁を買うといいかもしれない。 

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 網走駅で買った駅弁『漁師のかにめし』。

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 『漁師のかにめし』の具材は蟹の身のみ、直球勝負!漢のかにめしと呼びたいほどだ。

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 『オホーツクの風』を待っていた彼が一番がっかりした人かもしれない。

食べ終わってから増1号車の売店に行ってみる。売店のあるグリーン車はラウンジカーとして使用されているが、初めから陣取っている人もいる。売店で缶ビールを買い、1人掛けの席がいくつか空いていたので座った。

さすがにグリーン車の座席で、座ってみると楽だ。普通車からこっちに引っ越すことにした。

北見でたくさん乗ってきたが、オホーツクの風より座席数自体は多いので、空いている。こっちのグリーン車に乗ってくる人はいない。ラウンジカーとする旨の張り紙があるわけではないし、出入口上のところには『指定席』と表示してあるので、途中から乗った人は普通のグリーン車だと思っているのだろう。

観光疲れなのか、車内の多くの人はただひたすら眠っている。グリーン車とはいえ、だんだん退屈になってきたので、札幌で昨日買っておいた文庫本を読んだ。
たまに売店に行く人が行き来するくらいで、車内は静か。ただ、大いびきのおっさんには参った。行きの階下ラウンジカーのような賑わいは全くない。

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 増結1号車はラウンジカーという名の自由席状態。

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 グリーン車はやっぱり快適。

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 雪景色の山間部を行く。

遠軽を出たあたりで、客室乗務員たちが乗客に何やら配り始めた。車両が一般車両になってしまったことのお詫びとしてお土産を持たしてくれるという。
中を開けてみるとチーズケーキ2個入りの箱だった。丁寧に保温袋に保冷剤も入っていた。至れり尽くせりだ。

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 一般車両となってしまったお詫びのチーズケーキ。持って帰って大変美味しく頂いた。

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 峠を下ると日が暮れてゆく。

旭川の手前あたりでまた売店に行き、弁当とビールを買った。
買ったのは『オホーツクサーモンザンギ丼』、リゾート車両で運転していたら早々に売り切れていたかもしれない。

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 売店で買った『オホーツクサーモンザンギ丼』。

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 蓋を開けた状態。ご飯の上にからふと鱒の唐揚げが載る。

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 水菜、とろろ、山わさびを全部のっけた状態。箱が深いので少々食べにくいのが欠点。

旭川で降りる人が多く、グリーン車も空席の方が多くなった。途中からの乗ってくる人も無く、車内は寂しくなってきた。

旭川を発車したあたりから、売店に買物しにグリーン車を通り抜ける客もぽつらぽつら現れるようになった。売店は19時5分で営業を終了するとの案内があった。 

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 札幌に到着。

今回の旅行はがっかりすることもあったが、結果的に得をさせてもらった旅行だった。
札幌に着いても、斜里で見た大流氷原が頭から離れず、しばらく時差ぼけのように頭がボーっとしていた。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

旅行日:2012/3/3〜4
〜おわり〜

2012年オホーツク流氷旅行記3

きのうは流氷観光船おーろら号に乗ったので、今日は釧網線を走るノロッコ号で流氷見物をしよう。

ホテルからまっすぐ駅へは行かず、市内の高台にある『しおさい公園』へ行く。普通の住宅地の中にある公園なのだが、公園の中に小さな展望台があって、ここからの眺めが素晴らしい。
能取岬方向の海岸は青い海面が見えていたが、反対の知床方向は水平線の果てまでびっしり流氷原だった。

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 しおさい公園から能取岬方向を望む。

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 びっしりと押し寄せた流氷。網走港南防波堤方向。

まだ開店前の商店街を通って駅まで歩いた。網走駅に着くとちょうど札幌行きオホーツク4号の改札をしていた。快速しれとこ号はそのあとの改札となる。

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 もと網走監獄正門だった永専寺山門。

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 アーケードの網走市中心部商店街。駅からは離れている。

流氷ノロッコ号は網走駅10:25発なのだが、10:01発の快速しれとこ号で先に出発する。
車両はローカル線にしては長い3両編成。うち後ろの1両は締め切りで、知床斜里までの回送車となる。

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 昔ながらの網走駅改札口。

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 網走監獄の撮影ポイント。

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 知床斜里までの回送1両含め3両編成の快速「しれとこ」。網走駅。

この列車は本来ならば1両のみで運転されるのだが、今日はもう1両増結されている。しかし、車内は1両で十分と思えるほどの乗車率だった。途中の川湯駅や摩周駅から乗ってくるのかもしれない。

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 釧網本線の定期看板列車らしくヘッドマークもつく。

ノロッコ号の1本前の列車に乗ったのは、途中の北浜駅あたりで下車して、海岸で流氷を見てからノロッコ号に乗ろうと思ったのだ。車内での会話から同じことを考える人が何人もいるものだわかる。彼らは北浜や浜小清水で降りて行った。

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 キハ54の前面展望は最高。止別〜知床斜里間にて。

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 左に流氷、正面に海別岳を望む前面展望。

北浜で見えた流氷は、岸からは離れてしまっている。止別を過ぎたあたりの海岸には流氷が接岸していた。
結局、途中で降りずに知床斜里まで行くことにした。

10:41に知床斜里駅に着いた。この列車は知床斜里駅で15分ほど停車する。降客と入れ替わりに、車内販売のおじさんが商品の詰まった箱を持って車内に入って行った。

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 知床斜里駅に到着。

次の折り返し『流氷ノロッコ4号』は11:57なので1時間以上時間がある。駅から歩いて海岸まで行ってみることにした。

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 斜里岳を後ろに控えた知床斜里駅。

10分ほど歩いた斜里川の河口近くの砂浜には、びっしりと流氷が接岸していた。さっきの列車を途中で降りなくて正解だった。

遥か水平線まで流氷原が続いている。海は流氷で波音も消え去り、音は雪に吸い込まれて物音一つしない静寂の世界だった。

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 流氷が接岸し、静まり返った斜里海岸。雪を踏む音だけが鳴り響く。

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 打ち寄せられた流氷は砂浜の砂で汚れているので岩場みたいになっている。

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 水平線の彼方まで流氷原が広がる。

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 雪原を歩いて行けばロシアまで行けそう。やっちゃだめだけど。

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 打ち上げられた流氷が重なって波打ち際は断崖になっている。正面の山は海別岳。

浜辺で流氷を見ていたら、あっという間に時間が過ぎた。急いで駅に引き返す。発車15分前だが、すでにホームにノロッコ号が停車していて、改札も行っていた。

駅舎はすっかり新しくなっている。中には売店や観光案内所があり、トイレもすっかり綺麗になって立派な観光駅と化している。待合室にはゴマフアザラシのはく製も置いてあった。

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 新しくなった知床斜里駅。

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 流氷の上に現れることもあるというゴマフアザラシのはく製。

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 駅舎は新しいが古びた改札案内板。

客車5両編成で網走側に機関車がつく。ホームがぎりぎり5両分しかないので、列車のヘッドマークを撮影することはできない。客が勝手に線路に降りないように、列車の前後には係員が立っている。
ホームではビールサーバーを担いだ売り子さんが生ビールを販売していた。

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 流氷ノロッコ号が停車する知床斜里駅のホーム。

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 石炭を焚くダルマストーブの煙突から煙が上るノロッコ号の客車。

発車までまだ時間のあるノロッコ号の車内は、ストーブで焼いているスルメの匂いが充満し、団体旅行の朝から呑んでいる人たちで賑やかだ。
3号車にある販売カウンターでは、ストーブの上で焼く干物やジャガイモなどを売っている。

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 発車前から一杯やっているグループもあり車内は賑やか。

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 展望車内のダルマストーブとスルメ。

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 3号車にある販売カウンターのメニュー。

2012年オホーツク流氷旅行記2

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 網走駅前は階段とモヨロ人の像と縦書きの駅名看板が特徴。

網走着はだいぶ遅れたが、流氷観光船には間に合いそうだ。

流氷観光船ターミナルは駅から歩いて20分ほどの所にある。流氷はきているかなと海のほうを見ると、海は真っ白。びっしりと流氷が接岸していた。

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 おーろら号乗り場は道の駅『流氷街道網走』に併設されている。

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 防波堤の外側には真っ白な流氷が見えた。

流氷観光船ターミナルである道の駅『流氷街道網走』に着くと、ちょうど15:30発の便がびっしりとデッキに乗客を乗せて出港していった。

次の便は16:30の便で『サンセットクルーズ』とある。流氷の無い場合は運航しないとある。
HPなどには「おーろら号は要予約」とあるが直接ターミナルでもチケットは買える。今回は予約しなくて正解だった。
出港まで1時間ほどあるが、土産物屋が充実しているので退屈はしなかった。

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 出航して行くおーろら号。

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 2階はレストラン、1階は土産物屋があって充実している。

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 おーろら号のきっぷ売り場。

16:15に乗船開始となる。さっき見送った便はデッキは鈴なりの人だったので早々にデッキの良い場所を確保したが、そんな必要は無かった。
先行の便は観光バスからの団体客でびっしりだったが、こちらの便は団体客がいないようで余裕がある。

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 西日を浴びるおーろら2号。

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 NHKお天気カメラが搭載されている。

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 15:00発のおーろら1号が戻ってきた。

出航時刻近くになると、15:30出航の便が帰ってきた。ターミナルの駐車場には大型観光バスが何台も停まっている。大勢の団体客に揉まれながらでは落ち着かないので、こっちの方が良かった。

いよいよこちらが出航、船は180度方向転回すると、すでに薄暗くなった流氷原に進んで行く。

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 いよいよ出港。

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 港外はすぐに流氷原。

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 港外はびっしりと流氷が押し寄せていた。

おーろら号は、船首の底が丸っこくなっており、流氷の上に乗り上げて氷を割って進むという世界標準の砕氷船で、後部1階デッキでは船底をゴーンゴーンと流氷をこする音が鳴り響く。

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 1階デッキからは流氷が間近に。氷を押し割りながら進む大迫力。

オホーツク海の流氷は、ロシアと中国の国境を流れる、アムール川の水が間宮海峡に注がれ、薄くなった海水が凍り、サハリン北部を回っておりてきた氷である。かつて、ハバロフスクで見たアムール川の水が、流れ流れて凍ったものが網走で見ることができたと思うと感慨深いものがある。

ずっとデッキにいたのだが、だんだん冷えてきた。曇り空なのでサンセットは拝められず、白い流氷原はだんだん暗くなってきた。

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 デッキは吹きさらしだが、船内は暖房が効いて暖かい。

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 船内は売店もある。入出港時には売り子さんも甲板員に変身する。

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 日の丸も誇らしげに暗い流氷原を行く。

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 流氷の上にオオワシがいた。

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 暗くなった流氷を二色のサーチライトが照らす。

港外の沖合を一回りして、ちょうど1時間で網走港に戻ってきた。下船してターミナルの外に出るともうすっかり暗くなっていた。

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 網走港へ戻ってきたおーろら2号。

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 ベーシックは網走市内のスーパー。

予約していたホテルは道の駅と駅とのほぼ中間くらいのところにある。ホテルに行く途中で、橋を渡ったところにあるスーパーで夕食を買った。ベーシックといって、網走市内に店舗を構える。海産物や惣菜の品ぞろえが非常に良い。

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 昭和の古びた雰囲気漂うホテルの和室。

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 ベーシックで買ってきた惣菜と酒を並べてみる。

今日の宿は3300円の宿。風呂・トイレ共同で、かなり古びているが、値段相応だ。出張ではないので1円でも安いところがいい。

部屋は和室なのがうれしい。ビジネスホテルでスーパーの総菜を広げた時のわびしさといったら・・・