2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 5

池田駅のホームには古い『のりば案内』の表示機がまだ稼働している。

20年くらい前は、ホームに行先と発車時刻が表示される機械があったのは、札幌と函館くらいしかなかった。主要駅のホームにはこのようなアナログの表示機がぶら下がっていた。ふるさと銀河線が廃止されれば必要なくなるだろう。

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 アナログ表示な『のりば案内』。昔は道内主要駅でも見られた。

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 池田駅跨線橋にあるふるさと銀河線の案内。

1両の北見行快速『銀河』号となった車内はすでに満席で立つ人もいる。

ほとんどが廃止になるので乗車しに来たというような鉄道ファンや旅行客ばかりだ。
まあ、自分もその一人であるので文句を言う筋合いは無いが。

しょうがないので1番先頭の運転席横に立って、前面展望を楽しむことにする。

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 左手に根室本線が別れて行く。

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 一直線に伸びる線路。

池田駅のホームを離れると、左側へ根室本線の立派な線路が過ぎ去って行く。線路は地平線の彼方まで一直線。軌道の状態は良くなく、車端部ということもあってかなり揺れる。

黄色を表示する信号機が見えてくると最初の停車駅は高島である。なかなか良い味わいの木造駅舎に見える。

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 高島駅が近づく。

反対側の線路には、さっき池田駅で見た999イエロー号が停まっている。陸別まで行き、折り返してきた列車である。
むこうの車内からもこちらにカメラを向けている。こっちからも何人かが反対側の列車を撮影していた。

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 高島で交換する726Dは『999イエロー号』。

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 ホームだけの大森駅を通過。

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 本別駅に到着。

本別では、十数人ほどが下車して、車内もだいぶ余裕が出来てきた。

足寄駅がだんだん見えてくる。線路を跨いで駅舎があるので、札幌市内の通勤駅と変わらない。ここでは降りる人もいるが乗ってくる人も多くて車内は混雑したままだ。

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 足寄駅が近づく。道の駅あしょろ銀河ホール21の建物が駅に覆いかぶさる。

だだっ広い十勝平野の中を走ってきたが、足寄からは次第に山が近づいて来る。

ときおり、ホームだけの駅を通過する。ほとんどが国鉄時代に仮乗降場として設けられたもの。

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 西一線駅を通過。

上利別駅は昔からの木造駅舎が建っている。
正面はイラストが描かれてカラフルだが、列車で近づいて行くとなかなか風情ある駅舎だ。

駅舎と反対側ホームの脇は貯木場になっていて、山のように木材が積んであった。

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 上利別駅に到着。

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 上利別駅の材木の山。

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 大誉地駅に到着。S字カーブは広い構内だった名残。

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 陸別駅が近づく。

陸別では池田行の列車が1両この列車の到着を待っていた。相変わらず前面からはこの列車にカメラを向けた人が多い。
999ホワイト号が現れたので撮影する人も嬉しそうな表情をしている。

こちらは一応快速列車ということで、線内では優等列車ということになっている。そのために、交換駅では普通列車の方が先に到着して快速を待つダイヤになっている。

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 池田行716Dと交換。

陸別からは平地はほとんどなくなり、山間に分け入って行く。もうほとんど人家は無い。それでも、時たま無人のホームが現れて、後ろに過ぎ去って行く。木材の切り出しでにぎわった頃はあんな駅でも利用者がたくさんいたのだろう。

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 日本一寒い駅として知られる小利別駅。

十勝側最後の停車駅、小利別で旅行客が数人乗り降りする。

ここからは釧北峠越え、上り勾配になる。
列車はエンジンをめい一杯唸らせるが、スピードはなかなか上がらない。

峠越えと言ってもふるさと銀河線にはトンネルはなく、地形的には石北線よりもずっと穏やかである。

一時期、銀河線を高速化させて振り子特急を走らせ、札幌・北見間の時間短縮をすると言う話があったらしいが、遠回りになるが案外実現していたかもしれない気がする。

北見への高速道路は池田・陸別経由で建設されている。

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 車内の運賃表示器。

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 運転席の戸も開けっ放し。バスに近い。

ずっと沿線には、新しい通信線と古い通信線が平行して走っている。
新しい方は1997年にCTC(自動信号)化されたときに建てられたものだが、古い方を撤去するまでの予算はなかったのだろう。

ニス塗りの木製電柱の横木に白いガイシがいくつも並ぶ電柱は、風景にもとけ込んで良い味を出している。この電柱は、独特の形から鉄道用語では『ハエタタキ』とも呼ばれている。

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 線路に沿って昔使われていた電柱がそのまま建っている。

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 釧北峠からは下り坂になる。大正から昭和初期にかけて釧北信号場があったところ。

置戸駅が見えてきた。ここからまた乗ってくるようだ。後ろを見ると、座席はいくつか空いている。
池田からずっと立ちっぱなしでいい加減に疲れてきた。空いている席に座らせてもらう。

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 置戸駅を発車。北見行753Dとなる2両編成が停車している。

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 名残客で盛況の車内。

外はだんだん薄暗くなってきた。置戸からは北見盆地の雪原を快調に走る。

天井の網棚の上に、「メーテル」と「鉄郎」のイラストがあって、松本零士さんのメッセージが書いてある。

「夢をだいて走る宇宙」夢は終着駅へかならず着く

この列車はもうすぐ終着駅北見に着く。ちほく高原鉄道ふるさと銀河線はGWを待たずして2006年4月20日が最終日になる。
たぶん置戸発で北見駅に23:02に到着するのが、この鉄道最後の列車になるのだろう。

いままで沿線の人たちに支えられて走り続けてきたのだが、地味で、観光客も寄り付かず、道民でさえ知らない人が多いこの鉄道。雪がすっかり消えた頃には、この線路に列車は走ることは無い。平日の深夜にひっそりと終着駅に着き、終焉を迎えるのが似合っているのかもしれない。

『999号』はいつまでも人々の心の中を走っていることだろう。さらば、ふるさと銀河線999ホワイト号。

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 『夢をだいて走る宇宙』夢は終着駅へ必ず着く。

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 終点北見に到着。降りるのは1番前から。

ふるさと銀河線内の運賃は、終点北見駅でも下車時に運賃箱に入れることになっている。
このため、バスの終点のように降車客の列ができる。

運転士から清算済証明書を受け取って、駅の改札口でこれを渡す仕組みになっている。
これは池田駅でも同じ。

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 再び北見に戻ってくる。999ホワイト号は陸別行として折り返す。

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 跨線橋から。もう心の中でしか走ることはない。さようなら。

〜6へつづく

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2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 4

 ◆ 北見 9:20 【快速銀河】 12:29 帯広
   池田〜帯広

10両編成の特急が発着するホームのはるか彼方に、ふるさと銀河線専用ホームがあって、陸別行の列車が発車を待っていた。

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 連結された列車。

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 ホーム上にあるのりば案内。

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 1番線に釧路行『おおぞら3号』が到着。

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 陸別行『999イエロー号』と昔のままの駅名標。

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 はるか遠くにある銀河線専用ホーム。列車は陸別行。

陸別行の車両は『999イエロー号』で、ラッピング列車のもう1両の方である。ちょうど999号が2両そろった格好になるが、2つの列車はあまりにも離れた場所に停まっているので、2両そろった写真を取ることは出来なかった。

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 池田からは高規格の根室本線を行く。

池田からは滝川行普通列車と名前を変えた列車は、池田駅を今度は反対方向に動き出す。
2両編成になったので車内はだいぶ余裕が出来た。高規格化された根室本線は池田までと違い、ほとんど揺れない。

札内からは帯広の住宅地がつづく。札内川を渡って高架橋の上を走れば間もなく帯広である。12:29、高架になった帯広駅の2番線に到着した。この列車は滝川行だが、ふるさと銀河線からの車両は、ここ帯広で切り離される。

その滝川行も帯広では27分停車。のんびりとしたものだ。

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 帯広に到着。


 ◆ 帯広にて

帯広駅は、まだ地平駅時代だった頃に何回か降りたことはあるが、高架になって新しくなってからは初めて降りる。ホームからエスカレーターで降りると、自動改札機が並んでいる。持っている切符は自動改札は通れないので窓口で切符を見せると半券をもぎ取られる。 

昔、オベリベリと呼ばれていた帯広の地に、依田勉三が晩成社社員を引き連れて入植したのは明治時代のこと。
今や人口17万人、十勝地方の中心都市である。

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 新しくなった帯広駅正面。

外に出ると、さすが帯広。豚丼の匂いが漂っている。駅前広場は整備されて広々としている。

前の駅やホームの反対側に高架線が建設されるので、駅が新しくなると街からは遠ざかってしまうのはどこも同じ。広場の片隅に昔の駅舎の正面にあったモニュメントがひっそりと立っていた。

昼近くなのでそろそろ食事をしようと思うのだが、帯広と言えばやはり豚丼。と言いたいが、しかし豚丼は今ではすっかりメジャーになり、札幌でもあちこちで食べられるので、また今度の機会と言うことで…。

帯広の食べ物は豚丼以外には何があるか調べてきたら、『インデアン』というカレー屋の存在を知った。
「インデアン」は帯広を中心に十勝地方のみに展開するカレー屋さんである。

カレー自体は別に珍しくもなんともないが、道内にはカレー屋(スープカレー除く)が少ないので、これは行ってみなくては。 

場所も調べてきた。早速、駅の南側にある長崎屋の2階へと向かう。

あった。ファーストフードコーナーの一角にインデアンを見つける。

メニューは、本当に純粋なカレー屋で、インデアン(普通のカレー)、カツカレー、野菜カレーなど。

値段も安くてインデアンが399円。ルーのみの販売もしているらしい。今流行のスープカレーが無いのも気に入った。(自分はスープカレーが嫌い)

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 帯広限定のカレー店は、カレーショップ インデアン。

セルフサービス方式でレジで注文してお金を払う。カレーはさらにご飯を盛ってカレーをかけるだけだからすぐに出てくる。カレーが出るまでの待ち時間が長いほど、味は落ちると思っている。 

さてお味はと。一口目の印象はかなり甘口。ルー自体も妙にねっとりとしている。甘いけど辛さはちょうど良い。肉もゴロンと入っていて、おいしいですよ、これは。

帯広に行ったら豚丼もいいけど、インデアンのカレーもぜひおすすめします。

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 インデアンカレー(399円)。

次の北見行きは13:54発でまだたっぷり時間がある。駅の中を通り抜けて今度は北側の町中心部のほうへ歩いてみる。駅前にある豚丼の有名店では昼時の日曜ということもあってか、外まで行列が出来ている。

さすがに帯広は雪が少ない。これでも例年よりは多いのかもしれないが、さっき列車の窓から見たら、あちこち地面の露出しているところもあった。天気が良く気温も上がって雪が解け、まるで春のような陽気に思える。 

駅の正面から伸びる道路を歩いて行く。藤丸デパートの前まで来た。駅からここまでが繁華街になっているようだ。

十勝地方の中心都市で日曜なのだが、道を歩く人は少ない。地方都市の中心部の現状はこんなものだ。

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 帯広の中心部も人影まばらで寂しい。

駅の近くをうろうろと歩き回り、再び帯広駅に戻る。街中は人影が少なかったが、駅の中は人が多い。
駅の中にはテナントが多数入っていて、エスタという名前がついている。豚丼屋もあった。

さっきインデアンでカレーを食べたが、なんか物足りない。北見までまた3時間の旅で、しかも途中で食べ物を入手する機会はまず無いであろう。帯広で何か買ってから列車に乗ろうと駅弁屋やキヨスクをのぞいてみる。 

駅の中にパン屋があったので、そこでパンを買うことにした。ボヌールマスヤという店で、ここも帯広に何店舗かある店らしい。ピーナツクリームパンとあんパンが90円と白スパサンドが125円。安い、しかもパンが普通のパン屋のより一回り大きい。

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 帯広駅はホーム別に改札がある。


 ◆ 帯広 13:54 【快速銀河】 17:01 北見
   帯広〜池田

北見行の改札が始まったので、改札口に向かう。

改札が変わった作りになっていて、ホームごとに改札が別になっている。隣のホームに移るためには一旦改札を出なければならない。札幌の地下鉄でもこのような構造になっている駅がある。ワンマン列車対策だろうか。 

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 ホームの池田・北見行の表示。

ホームに出ると銀河線の列車がすでに停まっている。

2両編成で、先頭の車両が池田行となっている。銀河線の車内は混んでいて、前の池田行の車両に乗る。こっちは空いているので、池田に着いたら後ろの車両に乗り移ればよい。

車内は各ボックスに1人埋まる程度。青いボックスが並び、天井からJNRのマークのついた扇風機がぶら下がる。

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 キハ40に比べ、銀河線の車体の小ささが目立つ。

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 青いボックスの並ぶ池田行の車内。

さっき買ったマスヤのパンを食べてみる。

白スパサンドは、スパゲテイを細かく刻んだサラダがたっぷりと挟んであってずっしりとしている。軽い昼食ならばこれ1つで物足りそうだ。
ピーナツクリームパンのほうは、ピーナツ風味のカスタードクリームがこれもたくさん入っている。ピーナツ風味というより、池田の「バナナ饅頭」と風味が似ているような気がするが、私だけでしょうか。

おいしくてあんパンも食べてしまう。

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 帯広駅のボヌールマスヤで買ったパン。

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 ボリュームがある白スパサンド。

すっかりおなか一杯になってしまった。おいしい食べ物がイッパイあって、帯広はなんて素敵な町。

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 池田でJRの車両は切り離す。

池田駅の3番線に14:23、列車は到着した。

帯広から2両で来た北見行の列車は、池田で前の1両を切り離し、後ろの1両のみで北見まで走る。
池田行の車両に乗っていたので、ここで後ろの車両に乗り移らなければならない。

発車は14:42なので時間があるので、跨線橋を渡り改札を出してもらう。ちょうど札幌からの特急が到着するところで、改札口の前には列車を出迎える人が何人か立っていた。

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 池田駅はふるさと銀河線の起点駅。

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 池田駅の改札案内。ふるさと銀河線北見行の改札中。

待合室にはキヨスクがあって、のぞいてみる。駅弁は置いていない。置いてあってもさすがにもう食べる気はしないが。
池田駅名物のバナナ饅頭はいつでも置いているようだ。ワイン羊羹というのを1つ買い、改札を通ってさっきのホームに戻る。

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2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 3

 ◆ 北見 9:20 【快速銀河】 12:29 帯広
   北見〜池田

北見駅はふるさと銀河線が分岐している。北見運転所や貨物ターミナルもあって、石北本線の主要駅である。

駅舎は1980年代、まだ国鉄だった頃に新築されたもので、外観は新しいが、コンコースと仕切られた広い待合室やボックスの並んだ改札口など、昔ながらの北海道の国鉄駅が色濃く残っている。

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 三角屋根が目立つ北見駅正面。

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 北見駅の横にちほく高原鉄道の本社がある。

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 『北海道ちほく高原鉄道株式会社』の社名。

北見から乗る『ふるさと銀河線』とは池田から北見までを結ぶ路線で、かつては池北線といってJRの路線であった。全通したのが1911(明治44)年で、石北線の開通よりも早い。

1980年代に廃止候補の路線にあげられ、道内の多くの路線がバス転換されたのに対し、池北線は地元の熱意で第3セクター方式として鉄道を存続させることが決まった。1989年のことである。

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 コンコースにあるふるさと銀河線の券売機。

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 ふるさと銀河線の運賃表。

みどりの窓口で帯広までの『銀河GOGO往復割引きっぷ』というのを買う。

北見から帯広への往復割引きっぷで、値段は6500円。機械発券ではなくて、引出しからこの券を取り出してきた。
北見から帯広へ列車で往復する人は少ないだろうから、あまり売れていないようだ。

真ん中にミシン目が入った軟券。地紋はちほく高原鉄道のもの。
券番のとこに赤鉛筆の印があるのは、今日初めて売れたということである。

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 銀河GO! GO! 往復割引きっぷ。池田までの単純往復よりも安い。

私がこの路線に乗車するのはJR池北線時代に2回、第3セクター転換後に3回あり、今回で6回目の乗車になる。いずれも通しで乗り、乗ること自体が目的であり、用事があって乗ったことは1度も無い。

延長140kmのこの路線は乗車時間も長く、沿線にこれといった観光地も無い。車窓も格別の見所があるわけでもない。本当に地元の生活路線である。

道内のフリーきっぷ等では乗れず、鉄道ファンでも無い限り、この路線にわざわざ乗りにくる旅行者は少ない。
反面、観光客や鉄道ファンがほとんどいないので、静かな路線だった。地元の人に混じってのんびりとした列車に揺られるのが好きだった。もう何年も前から廃止の噂が流れていたが、Xデーはまだ先のことだと思っていた。 

一時期、札幌からの特急を、高規格化した「ふるさと銀河線」経由にして高速化する構想があった。また、CTC導入や、SL列車運転など明るい話題もあったが、鉄道存続への打開策にはならなかったようだ。

乗客は増える見込みも全くなし。高速道路は年々延伸される。鉄道が存続しなければならない理由はもはや無くなってしまった。そして昨年3月についにXデーが決定した。 

2006年4月20日を最後に、1911(明治43)年以来走り続けてきた、北見・池田間の鉄道は96年の歴史に幕を下ろす。

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 北見駅2番線で発車を待つ。

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 次の駅を石北本線とふるさと銀河線の両方表示。

帯広行快速『銀河』号は、松本零士の『銀河鉄道999』のイラストが描かれたラッピング列車だった。

ラッピング列車は2両あって、この列車は『999ホワイト号』。メーテルの髪が白いのである。もう1両は「999イエロー号」で、どこを走っているのだろうか。 

ふるさと銀河線の列車は基本的に1両で走る。この列車も1両のみで帯広まで行く。

車内は旅行客や鉄道ファンがほとんどで、各ボックスに2〜3人くらい乗っている。本州方面からの人が多いようだ。乗客の年齢層はやや高め。学校が春休みになれば、最後の乗車にやってくる人も増えてさらに混雑するだろう。

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 快速「銀河」号は、「999ホワイト号」だった。

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 快速銀河のサボと車番。

9:20になり、北見駅を発車する。5分ほどで北見市内の住宅地は途切れ、北見盆地の雪原の中を80q/hで力走する。

最初に停まる駅が上常呂で、駅前に大きな団地が建つ。次が訓子府で、ここでは北見行の列車と交換する。単線なので駅構内の複線部分で上下の列車がすれ違う。

北見近郊区間は乗客もそこそこあって、坦々とした風景の中を走る様は、富良野線とそっくりだと思う。 

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 999ホワイト号の車内。

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 車窓は白い北見平野。

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 訓子府で北見行と交換する。

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 昔ながらの駅舎の境野駅。

置戸で数人乗ってきて、車内は立つ人も出てきた。

置戸を出ると釧北峠越えるため、列車は山の中に分け入って行く。エンジンを唸らせて40〜50km/hの速度で急勾配を登る。
平行する242号線の車に追い抜かれる。車を停めて列車を撮影してる人もちらほらと見られる。

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 使われなくなった古い電柱が立つ風景。

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 無人の山間部をひたすら行く。

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 凍りついた利別川。

釧北峠を通過すると今度は下り勾配を駆け下りる。人家が見えてくると小利別に着く。置戸から15.9kmを18分で走って来たのだが、この間人家は全く無い。ここでも旅行客が数人乗ってくる。

このあたりは最低気温が−20度台まで下がるのはいつものことだが、今日はプラスまで気温が上がる見込みである。

6年前の2月に北見発の朝一の列車に乗った時、窓ガラスは全て真っ白になって凍りついていた。削ってもすぐに霜が降りる。暖房もさっぱり効かず冷え切った車内で窓ガラスの霜を削り落としながら外を見ていた記憶がある。その日はおそらく気温は−20度台であったのだろう。 

陸別を過ぎると、何度も利別川の鉄橋を渡る。川面は氷結して白くなっている。

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 保線基地と木造の機関庫が残る陸別駅。

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 木造駅舎にイラストが描かれた上利別駅。

大誉地は木造駅舎が残っている。ここで旅行客10人ほどが降りて行った。

足寄で池田から来た北見行と交換する。あちらは増結して2両編成になっている。足寄で帯広まで行くらしい地元客が乗ってきて、車内はほぼ満席になる。

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 足寄で北見行と交換。こちらが先に発車。

多くの駅には、近くに木材工場があり、丸太が山のように積んであったりする。木材輸送でにぎわった時代もあったのだろう。現在ふるさと銀河線は貨物輸送をしていない。

本別でもさらに乗ってきて立ち客も何人か出てきた。この快速「銀河」は、数少ない帯広直通列車なので地元の人の利用も多い。

「いっつもこのくらい混んでいれば、良かったんだけどね」
と本別から乗ってきた乗客がつぶやいた。

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 池田駅に到着。

根室本線の立派な線路が寄りそってきて11:42、池田駅の3番線に到着した。北見を出てから2時間22分である。

池田で降りる人は半分くらい。残りは帯広まで乗り通す人である。池田で降りる人は前ドアで運賃を払って精算券を受け取る。

このまま乗る人はどうなるのかというと、後ろのドアから別の係員が乗ってきて、車内をまわる。池田までの運賃はここで支払って精算券を受け取り、池田から帯広までのJR運賃は帯広で払ってくださいと説明している。

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 入れ替え中に車内を回る係員。

首から鞄を提げた係員が車内をまわっている間に、この車両は一旦ホームを離れて駅構内のはじまで移動する。

この列車は浦幌から来る列車の後ろに連結しなければならないので、一旦本線から避けなければならないのだ。
ふるさと銀河線から直通する列車はこのような面倒な入替え作業が必要となる。

朝の足寄発の直通列車だけはJRの車両が使われるのでそのまま直通する。

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 池田駅での入替え作業。

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 滝川行の後ろに連結する。

11:49に浦幌から来た普通列車が3番線に到着。
こちらの車両も再び3番線に入る。

連結作業が終わる再びドアが開く。
発車は12:00なのでまだ少し時間があるので、ホームを歩いてくる。


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2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 2

 2006年2月19日

眼が覚めると、外はもうだいぶ明るくなっていた。どこを走っているのかとカーテンをめくって外を見ると、わりと大きな町が見える。北見だと思っていたら美幌に停車した。 

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 夜明けを迎えた寝台車。

あと30分ほどで終点網走に着くので、起きて支度をする。寝台車では北見で降りた人は少なかったようで、ほとんどの寝台はふさがったままだ。

女満別を出ると網走湖が見えてくる。列車は湖畔を走るが、湖は完全に氷結して真っ白。白い湖面の所々にワカサギ釣りの小屋が見える。

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 まだ薄暗い網走湖畔が見えると終点は近い。

6:15に列車は定刻で網走駅の3番線に到着した。列車を降りた人は次々に階段を昇って改札口に向かう。ホームには接続の釧網本線に乗り継ぐ人が残った。

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 終点網走駅到着。

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 極寒の中、夜通し走り続けた車両。

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 屋根のないホーム先端は雪がうず高く積もる。


 ◆ 網走 6:41 【4725D】 6:57 北浜

次の釧路行は6:41発で向かい側の2番線から発車するのだが、まだ入ってきていない。反対側の駅舎側、1番線ホームには、札幌行『オホーツク2号』が発車を待っている。

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 反対側1番線で発車を待つ札幌行オホーツク2号。

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 方向幕はオホーツク札幌行の表示になった。

跨線橋を渡って1番ホームに行くと、ホームのそば屋がすでに営業していて、オホーツクから降りた人たちが数人いる。かけそばは1杯270円。
稚内駅でも早朝からそば屋が開いていて夜行の客を待ちうけているが、夜行で着いて、食事にありつけるのは大変ありがたく、そば屋さんの温かみが感じられる。 

札幌駅など大都会の駅でありながら、早朝に着いても何ひとつやっておらず、駅前のコンビニへ行くしかないではないか。

札幌行『オホーツク』はこちらは各車両に数人といった状態。北見から大勢乗にちがいないが、日曜の早朝なのでこんなものだろう。6:23に札幌へ向けて発車していった。 

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 ホームのそば屋は早朝から営業。

立ち食いそば屋は今は使われていない改札口の横にあって、ホーム側と外(町)側の両方にカウンターがある。何を食べようか迷うが『月見そば』にする。寒い中で食べるそばは、何よりもうまいのだ。

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 ホーム立ち食いの月見そば。

6:41発の釧路行は1両のみ。車内は中央に向かって固定されたリクライニングシートが並ぶ。どの列もすでに埋まっていて、車端のロングシートに座る。普段は休日ならばがら空きの列車だが、この日は観光客や鉄道ファンで結構乗せて発車する。

次の桂台が網走の中心部に近い駅である。どこへ行くのか観光客らしい2人連れが降りていった。

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 網走から乗換える釧路行普通列車。

トンネルを抜けると左側にオホーツク海が見えてくる。残念ながら流氷は接岸していない。鱒浦で地元高校生が2人乗ってくる。藻琴でも地味に乗り降りがある。藻琴を発車すると海岸沿いに出る。 

オホーツク海は、波もなくどんよりとした暗い海が黒々と広がっている。山の稜線が、線路の彼方にうっすらと見えているのは知床半島だろう。

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 オホーツク海岸沿いにレールは延びる。

オホーツク海を間近に見ながら、列車は北浜へ。今回はここで降りる。
ワンマン列車なので1番前の扉しか開かない。

札幌からのきっぷと網走からの運賃260円を運転士に渡して降りる。ここ北浜で降りた人は10人ほど。「オホーツク海に一番近い駅」として、そこそこ有名な駅でもある。

いつの間にか駅の横に展望台が建っていて、そこに登る。さっき乗ってきた1両の列車は、雪原に向かって走り去った。

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 北浜駅の展望台から。この日は流氷はなかった。

北浜駅の前は国道244号線だが、たまに車が通るだけで、海も町も静まり返っている。ホームに立ってオホーツク海を眺めていると、カムチャツカ半島から流れ着いた人が歩いてそうな、そんな想像をしてしまう。暗い海でも、日本海や太平洋とはぜんぜん違う、この空しいような空気は。

ところでオホーツク海側は、なぜか人の質も違うような気がする。この地方出身の人は、おおらかと言うか、荒っぽい人が多いように思えるのだが。

オホーツク海岸の流氷は、アムール河口からサハリンの北側をまわって、はるばるやってくるという。

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 北浜駅正面。現在は『停車場』という喫茶店になっている。

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 長年風雪さらされた駅名板。

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 北浜駅待合室には定期券が壁いっぱいに貼られている。

北浜の駅舎は『停車場』という喫茶店になっていて、結構有名のようだ。この時間はまだ営業はしていない。待合室には、壁といい窓といい定期券や名刺がびっしりと貼ってある。 

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 ホーム側から見た北浜駅舎。


 ◆ 北浜 7:16 【4725D】 8:49 北見

北見行の列車が時間通りに現れる。20分の滞在時間が意外に長く感じられた。

この列車も1両のみワンマン運転で、北浜は無人駅なので、乗る時に整理券を取る。バスとおんなじだ。車内の乗客は地元の人が数人のみ。さっきの列車を降りた人たちもほとんどこの列車で降り返す。

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 北見行普通列車が到着。

乗る時に取った整理券を見ると、なぜか「原生花園」と表示してある。どうやら1つずつずれているようだ。

網走では12分停車するので、改札口で原生花園の整理券を見せて「北浜から乗ったのだが」と言って北見までの乗車券を買う。そう言えばさっき網走から乗った釧路行列車の運賃表示も1駅ずれていた。おおらかというか、もうちょっとしっかりやってくれと思うのだが。

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 網走駅1番線ホーム。

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 北浜から北見までの乗車券

あれ、ポケットに特割きっぷの札幌市内→網走の券が入っている。するとさっき北浜で降りるとき渡したのは…? アチャー、あれは札幌→網走の寝台券だった。何をやっているんだ俺は。

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 知床斜里〜北見のサボ。

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 呼人駅。

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 北見付近の高架線からは北見平野が一望できる。

発車まぎわに北見へ行くらしい人たちが乗ってきて、7:43に網走を発車した。女満別で眠ってしまい、目覚めたら北見の1つ手前の柏陽であった。柏陽駅の前後は高架になっていて、また高い建物がないので北見盆地に拡がる町がよく見える。

網走発車時点では空いていた車内も、いつの間にかそこそこ乗っている。客層は北見へ遊びに買物に行くといった高校生や年配者など。8:49に北見駅のガランとしたホームに到着する。列車から降りた人は皆改札口へと向かう。

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 北見に到着。

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 乗継ぎ時間があるので改札の外へ。


posted by pupupukaya at 18/03/17 | Comment(0) | 2006年の旅行記(リメイク版)

2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 1

今春(2006年)、道内から消えるものがある。それは『ちほく高原鉄道ふるさと銀河線』という鉄道、夜行特急『オホーツク』『利尻』という列車である。

北海道旅行で何度もお世話になった人も多かろう、この夜行特急『オホーツク』『利尻』両列車も、2006年3月17日をもって最後になる。

『ふるさと銀河線』は、もう何年も前から経営難により存続の危機を向かえていた。誰もが近い将来エックスデーが来ると予測していたのだが、ついにその日が決定してしまった。2006年4月20日が最終日となる。 

なくなる前にもう一度乗っておこうと2月の半ばに道東へ向けて旅立つことにした。

仕事先近くの小樽駅みどりの窓口で、網走までの特割きっぷを買った。
オホーツクの列車限定の往復きっぷである。
もちろん、夜行オホーツクにも使える。

それに寝台利用券。B寝台料金と同じ6300円だが、これを追加すればB寝台車にも乗れる。
寝台は嬉しいことに下段が取れた。

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 小樽駅みどりの窓口で買った特割きっぷと寝台料金券。

 2006年2月18日

 ◆ 札幌 22:25 【特急オホーツク9号】 6:15 網走

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 土曜でも夜遅くまで賑わう札幌駅。

夜9時過ぎ小雪がちらつく雪明かりの中、電車で札幌駅へ向かう。

札幌駅に着くと、時刻は10時近くだがまだ大勢の人が歩いている。改札口の発車案内にはすでに『特急オホーツク9号』の表示が出ていた。居場所もないので少し早いが自動改札機を通ってホームに行く。 

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 西改札口の発車案内。オホーツク9号の表示が見られるのもあとわずか。

オホーツクの発車する8番線には岩見沢行の普通列車が停車していて、この列車が発車した後に『オホーツク9号』が入ってくる。すでにキヨスクも立ち食いそばも閉まっている。ホームは相変わらず寒い。

自由席の方はすでに並んでいるようだが、今回は寝台券を買っておいたので、コンコースに降りる。ロッテリアは10時で閉店。キヨスクが1箇所のみと駅弁の売店がまだ開いていた。

コンコースの中央に椅子が並んでいる待合スペースがあって、いつからかストーブが設置されて、赤々と燃えている。寒いコンコースの中でストーブの周りだけが唯一温かい。椅子もストーブを囲むようにして並べられている。大画面のテレビも設置してあって、ここは1日中列車を待つ人が身を寄せ合っている。 

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 夜行オホーツクは6番線から。閉店するロッテリア。

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 ストーブ前で列車を待つ人々。

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 ごうごうと燃える灯油ストーブ。それでも寒い。

22:10、岩見沢行が出たようなので、キヨスクでビールを買い、8番線ホームへと上がる。

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 オホーツクの自由席は長蛇の列。

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 夜行オホーツクの発車するホームの風景。

寒いホームには駅弁の立売りが出ていた。

ホームでの駅弁の立売はもう見ることは少なくなったが、札幌駅ではまだ健在である。
ワゴンをのぞいてみると、数は少ないが数種類の弁当がある。夕食は済ませてあるのだが、駅弁売りのおじさんに敬意を表して『氷下魚めし』というのを1つ買う。こんな時間でもポツリポツリと売れている。

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 夜遅くまでがんばる駅弁屋さんの立売。

3月17日の夜行「オホーツク」「利尻」廃止後は、同時間の列車は旭川行「スーパーホワイトアロー」が増発されるが、駅弁の立売は続いてゆくのだろうか。

 「2006年3月18日ダイヤ改正」 
 「増発でもっと便利に、快適に、JRはさらにパワーアップ!」   
   〜コンコースのポスターより

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 車両は昼間のオホーツクと同じ。

自由席の方は長い列が出来ているが、ほとんどが旭川までに降りてしまうはずだ。

入線してきたオホーツク9号は2〜3両増結されて、ずいぶん長い編成に見える。うちB台車は1両だけ。

本当は金曜日発の寝台を希望していたのだが、金曜分はすでに売切れだったので、今回は土曜日出発となってしまった。

今時期で満席なのは流氷観光シーズンのためだろう。それでも土曜なので指定席の方は結構余裕があるようだ。

金曜日の札幌発は、通路までびっしり立ち客があふれて大混雑することがある。
そのほとんどの客は旭川までに降りてしまう。
特急『利尻』もそうだが、旭川までの最終特急といった役割のほうが主だ。

ふだんは旭川から先は各車両に数人のみ。全車の乗客を合わせてもバス1台で十分という状況であった。

札幌から稚内・北見・網走へは夜行バスも走っており、すでに列車の使命は果たしたということか。

それにしても、週末に夜行列車で道北・道東方面に旅立つことが出来なくなるのはたいへんに残念なことだ。
3月の“ダイヤ改正”では、釧路行『まりも』は存続されるが、今後はどうなるのだろう。

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 オホーツクのB寝台車入口と乗車口案内板。

車内に入ると、寝台はすでにセットされている。シーツを敷いてカーテンを閉めれば、明日の朝まで一応プライベートな空間になる。

乗客は地元の人と観光客が半々くらい、上段寝台が数席空いている程度乗っている。

この客車はすでに30年以上走り続けている車両で、リニューアルされてはいるが、車内のあちこちに年季を感じさせる。

もう10年以上前に『北海道フリーきっぷ』のグリーン車用で、夜行列車の寝台車を毎日宿代わりにして道内旅行をしたことがあった。当時はまだ急行列車で『大雪』と言う列車名であった。そのとき以来ではないか、この列車の寝台車に乗るのは。

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 オホーツクのB寝台に乗りこむ。

あの頃はまだ車内は新しい印象があったが、今回はずいぶん古びていると感じる。

洗面所は取り替えられて完全に新しくなっている。寝台車には2つあったトイレは、片方がつぶされて自動販売機が設置してある。

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 寝台車通路。どこか懐かしいような…。

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 10番の座席表示。

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 カーテンはセットされているが、シーツと布団はセルフサービス。JR柄の浴衣も付く。

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 リニューアルされた洗面所。 

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 トイレは1箇所撤去して自販機を設置。

22:25になり、列車は札幌駅のホームを離れる。苗穂を通過して豊平川を渡る。

通路の折り畳み式腰かけに座り、ビールを開ける。通路の窓越しに映る夜景や通過する駅を眺めると、見慣れた景色も、いつもと違って旅情があるように思える。

発車後ほとんどの人が早々に寝台に入りカーテンを閉めてしまうので車内は静か。
3人ほど通路に腰かけて外を見ている。

車内は暖房が効き過ぎて暑い。腰掛の下のダクトからも熱が伝わってくる。ビールがうまい。 

さっきホームで買ってきた駅弁を開く。『氷下魚めし』と言い、わっぱ風の経木の箱に炊き込みご飯が詰めてあって、上に氷下魚(こまい)の甘露煮が載っている。
氷下魚というと乾物になった姿しか知らなかったので、初めて食べる味だ。

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 『氷下魚めし』とビール。

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 どの席もカーテンが閉じられて静かな通路。

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 枕もとの読書灯。

岩見沢では自由席からたくさんの人が降りる。
かよエールのほか、定期券でも自由席特急券600円の追加で乗車できるので人気だ。

岩見沢を発車したあたりで寝台に入る。窓のカーテンを少し開けて車窓を眺めながらまた酒をのむ。美唄、砂川と数人ずつ列車を降りて行く。だんだん吹雪いてきた。

滝川のあたりから雪はさらに強くなってきた。列車の舞い上げる雪と吹雪で外は全く見えなくなるが、雪明かりでぼんやりと明るい。 

2本目の酒を半分くらい飲んだところで猛烈に眠くなってきたので、飲み干して横になる。

雪に走行音も吸い取られ、列車は静かに走り続ける。翌朝、目覚めれば列車は道東の原野を走っているはずである。

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 雪灯かりでぼんやり明るい雪景色。

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 滝川に到着。ホームの向こうは真っ白。

――しばらくして自分は「どちらまでおいでですか」と訊いた。
「北海道でございます。網走とか申す所だそうで、大変遠くて不便な所だそうです」
「何の国になってますかしら」
「北見だとか申しました」
「そりゃあ大変だ。五日はどうしても、かかりましょう」

   〜志賀直哉『網走まで』

posted by pupupukaya at 18/03/11 | Comment(0) | 2006年の旅行記(リメイク版)
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