仙台市内発一筆書きっぷの旅4〜常磐線ひたち号の旅

 ◆ 品川 12:45 → 17:25【ひたち13号】

品川駅滞在時間はちょうどお昼時。
だけど、昼食は『ひたち』の車内で駅弁を食べることにしていた。

品川駅は東海道新幹線の駅でもあるけど、在来線に駅弁の売店があるのかどうかわからない。
在来線のほうには見当たらず、新幹線の改札の方まで行ってみたが見つからなかった。

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 品川駅中央改札口とトライアングルクロック。

改札の中にあるかも知れない。みどりの窓口横のコンビニでお酒を買って改札を通る。
駅弁がなければ、エキナカの店で何か調達することにしよう。
品川駅は改札内のほうが店が充実しているようだ。

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 品川駅自由通路にある駅弁屋。

土産物屋やカフェが並ぶ一角に駅弁屋を発見。

東京駅ではおなじみの深川めしやチキン弁当もあったが、積んであった崎陽軒のシウマイ弁当を手にしてレジへ。
元々は横浜駅の駅弁なのだが、東京駅や羽田空港でも普通に見かけるようになって久しい。

シウマイ弁当は、今でも昔懐かしい経木の折箱だった。
ご飯の湿気で底が湿っているのも懐かしい。

1折950円なのだが、店員の「袋にお入れしますか?」の一言に思わず「はい」と答えてしまい、953円になってしまった。
クレジット払いだから端数となっても別に構わないんだけど、損した気分になる。
まあいいや、袋は食べ終わった後に車内の屑籠に持って行くゴミ袋だと思えば安いもんだ。

弁当の入った袋を提げて9番線ホームへ向かう。

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 品川駅始発のE657系特急『ひたち』。

9番線ホームには『ひたち13号』が停車中。
車両はE657系電車の10両編成。
だけどドアが閉まっていてまだ清掃中の模様。

人もまばらで、ホームはあちこち仮設の覆いが目に付くところが始発駅としては寂しい。
ホームにキヨスクを見つけだが、土日は営業していなかった。

乗客の多くは東京駅と上野駅で乗ってくるのだろう。
常磐線特急のほとんどが品川発着となったのは、品川駅発着の需要が多いからではなく、単に東京駅のホーム不足の関係でこうなったと思われる。

全区間走る『ひたち』品川〜仙台間の距離は373.9km、所要時間は4時間40分。
これはJR東日本の在来線特急としては最長となる。

新幹線の相次ぐ開業以来、在来線特急は寂しいことになっているが、こうした堂々とした特急もまだ残っている。
ちなみに上記の距離は、北海道で例えれば札幌〜網走間(374.5km)とほぼ同じ。
北海道も東北も広いねえ。

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 E657系ひたち号の車内。

発車8分前の12時37分にドアが開く。
数人が乗り込むが、車内はガラガラ。

常磐線特急は全車指定席になっていて、自由席は1両もついていない。
では座席を指定していない乗客はどうなるのかというと、座席未指定券という特急券を購入することになる。
この券は、座席を指定してもしなくても料金は同額となる。

だけど自由席を廃止するなんて値上げだ暴ったくりだ、などと早合点しませんように。

乗車前の購入ならば指定席特急券でも通常料金より300円ほど値下げされているし、チケットレスサービスで買えばさらに安くなる。
乗車券と特急券がセットになった『トクだ値』を買えばさらに安くなる。

私がえきねっとで購入した『えきねっとチケットレス35%OFF』だと、品川〜仙台間で1,880円になった。
同区間の指定席特急料金が2,900円なので、1,020円も安くなったことになる。

これは乗客だけでなくJR側にもメリットがあって、乗客自身でチケットを予約・購入することでみどりの窓口を減らすことができるし、車内改札を省略することで車掌の業務を軽減することができる。

こうしたことから、今後は在来線特急の全車指定席化が進むことだろう。

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 座席の予約あるなしを示す座席上ランプ。

網棚の下で光っているランプは、座席の予約状況を示すもの。
予約の入っている席が緑ランプ。空席は赤ランプ。
もうすぐ乗ってくる席は黄色ランプが点灯すると、座席テーブルにある説明書きにあった。

でも、なんか違う気がする。
普通、緑ランプが空席でしょ。

駐車場だって空き表示はで満車は
トイレだって使用中はだしね。

真下の客はちゃんと指定券を持ってますよ、という意味で緑色になるのか。
赤色席の客は指定券なし客。
このランプは指定券を持たない乗客ではなく、車掌向けの合図灯なのだと思えばしっくりくる。

だけどやっぱり世間の常識とは逆のような気がする。
指定券なしの客が赤ランプ席に座るのは抵抗を感じるだろうし、間違えることはないのだろうか。

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 懐かしい経木の蓋。

品川発車時には車内はガラガラ。
周りにも乗客はいない。
この間に駅弁を食べてしまおう。

シウマイ弁当は今でも経木の折箱になっているのが嬉しい。
私のような昭和時代に育った人には、駅弁といえば蓋を開けると漂う木の香りだった。

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 シウマイ弁当は昔ながらの駅弁。

焼売5個と唐揚げ、焼き魚、タケノコの煮物、あと1つだけ甘いアンズがまた良い。
ご飯が俵型になって黒ゴマを振ったのも昔ながらのスタイル。

東京の景色を眺めながら、駅弁のおかずを肴に飲むお酒がまた美味しい。

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 東海道新幹線N700系こだま号と並走。

田町のあたりから、東海道新幹線の『こだま』号と並走する。
向こうのほうが少し速いのだが、16両編成と長いので、東京駅のホームに入るまで並走が続いた。

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 東京駅は上野東京ライン用の7・8番線ホーム。

東京駅に停車するが、思ったほど乗ってはこなかった。
ホームに多くの乗客が見えるが、次の籠原行き普通電車を待っているようだ。

東京で意外と乗って来なかったので、上野を発車しても混むことはないだろう。
だから、このままシウマイ弁当を肴にお酒をチビチビとやって行けそうだ。

東京からは、いつもは山手線や京浜東北線から見る秋葉原を通過。
考えたら上野東京ラインに乗るのは、これが初めてだ。
いつもとはちょっと違う車窓風景。

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 上野駅広小路口の高架橋から。

上野の手前では、上野駅の広小路口を高架橋から見下ろす風景が見える。
考えたら、上野東京ラインがなかった頃はこの線路は回送線で、一般の乗客は乗れなかった線路だったから、これも初めて見る風景だ。

かつては上野駅といえば北の玄関口だった駅だが、新幹線の東京延伸で玄関口としての役割を終えた。
その後も北海道や東北各地への夜行列車はこの駅から発着していたし、私など夜行列車に乗るために上野駅や周辺をウロウロしていたので、東京で一番馴染みのある駅といえば上野駅だ。

そんな上野駅も上野東京ラインの開業で、列車の始発駅終着駅から途中の電車駅となってしまった。
しかし予想外に上野駅で乗客がドッと乗って来た。

座席は、窓側席はほとんど塞がって、相席にこそならないが前後も通路向かいの席も全部埋まった。
あまりお酒を飲む雰囲気でもなくなったので、弁当もお酒もはさっさと済ましてしまおう。

上野東京ラインが開通しても、特急が品川発着となっても、やはり常磐線沿線の人たちにとって始発駅は上野駅なんだろうか。

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 松戸手前から130km/hを記録。

品川駅や東京駅発車時と打って変わって上野から賑やかになった車内。
放送で車内販売員からワゴンサービスの案内がある。
途中いわきまでの乗車とのこと。

もうすっかり絶滅したかと思っていた在来線特急の車内販売がまだあったとは知らなかった。
これは後で回ってきたら何か買うとしよう。

列車は北千住を通過して荒川の鉄橋を渡ると特急らしい走りとなる。
窓にスマホを立てかけて速度を測定したら、松戸手前あたりで130km/hを示した。

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 車内販売のどらい納豆とエビスビール。

水戸の手前でようやく車内販売のワゴンが回ってきた。
呼び止めて買ったのは、エビスビール(320円)、どらい納豆(550円)。
支払いはKitacaで。
サービスでごみ用の袋をくれた。

車内販売も、控室のある5号車から始まって1号車から10号車まで往復するのだから大変だ。
いわきまでにもう一度来たら、今度はカチカチのアイスクリームでも買おうか。

ピリ辛のどらい納豆をポリポリ齧りながらビールを飲む。
まだまだ先は長い。

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 水戸に到着。

列車は上野を出てから最初の停車駅、水戸に到着。
上野からの所要時間は1時間06分、最高130km/hノンストップで表定速度106.8km/hは『ひたち』号の最大の売りだ。

水戸は茨城県の県庁所在地だけあって、ここで降りる人が多い。
上野でドッと乗り込んできた人たちも、半分くらいが水戸で降りて行った。

この列車は仙台まで行く長距離特急だけど、特急の利用者の多くは水戸、日立、いわきあたりまでの人だ。
仙台まで乗り通す人など、鉄道好きか暇人くらいなものだろう。
新幹線ならば東京〜仙台間は『はやぶさ』で最速1時間30分だからね。

列車はなかなか水戸を発車しない。スピーカーから何やら無線のやり取りも漏れ聞こえてくる。
特に急いではいないが、あまり遅れても困るんだけどね。
今日の飛行機で仙台空港から札幌まで帰らなきゃならないんで。

そんなことを思い始めるうちに、列車は発車した。
「車両点検のため水戸を4分遅れて発車しております」
と車掌が伝えた。

水戸から乗る人もあったが、勝田、日立と停車駅ごとに乗客は減り続け、車内は空席のほうが多くなる。

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 日立の手前で一瞬海が見える。

常磐線は地図で見ると太平洋岸に沿って通っているが、海が見える区間はほとんどない。
日立の手前で一瞬海が見えるほかは、内陸の風景の中を行く。

再び車内販売がやって来た。
しかしワゴンではなく、包装紙に包んだお土産用の崎陽軒シウマイを手にもった販売員だった。
東京〜いわき間では、ワゴンの2往復は無理のようだった。

上野から1時間13分、いわきに到着する。
いわきは人口32万人の福島県浜通り地方の中心都市。
特急『ひたち』も多くの列車がここが終点となる。

首都圏との大きなパイプとなるのもここまでで、いわきから先まで行く特急は1日3往復だけと激減する。
ここから先は、福島県浜通り地方と仙台を結ぶ、ローカル特急としての使命が強い。

以前乗った時・・・といっても1999年の秋だから24年前のことだが、あの当時『スーパーひたち』と呼ばれていた特急は11両編成で、そのうちグリーン車を含む7両はいわきで切り離し、仙台まで行くのは普通車のみ4両だけだった。

だけど、今の『ひたち』は10両編成で、途中切り離しもなく全車両が仙台まで直通となっている。
この先乗客が少ないのは今も昔も同じで、10両では明らかに輸送力過剰といえる。

しかし、分割すると切り離しの作業が発生するし、編成も途中で分断されるからそれぞれに車掌を乗せなければならないだろうから、あえて10両編成がそのまま直通としたのだろう。


 ◆ 12年前の被災地を行く

2011年3月に起こった東北地方太平洋沖地震の津波災害と、続いて起こった福島第一原子力発電所事故は記憶に新しい人も多いだろう。

地震と津波による被災区間は徐々に復旧することになる。
しかし、原発事故による避難指示区域に指定された区域の区間は、長らく不通となり、特急『ひたち』もいわき止まりとなっていた。

それが、2020年3月に駅周辺の避難指示区域が解除されたことから、9年ぶりに常磐線が全線で運転再開となった。

もう常磐線を通して走る特急列車が再開することはないのでは、と思っていたところへ特急『ひたち』全線運転再開のニュースを聞いたときは嬉しかった。
それ以来、もう一度常磐線の特急に乗りたいと思っていたのだった。

2011年当時は、いろんな意味で未曾有の大災害で、もうおしまいかと思ってしまったけど、こうして10年以上も経つと何事もなかったかのような風景となっている。

あれから早や12年になるんだなあ・・と無責任な旅人は思うのだった。

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 農場の復旧工事も盛んにおこなわれている。

富岡〜浪江間は原発事故による汚染が深刻で、最後まで不通が続いていた区間。

大地震の翌日、テレビで映し出されていた原子炉建屋が水素爆発を起こす映像を思い出す。
大量の放射性物質が放出されて、福島第一原発周辺の地域は避難地域に指定されて、多くの住民が避難を余儀なくされた。

避難地域への一般人の立ち入りは禁止され、マスコミでもネット上でも、数々の真偽不明の風評が飛び交うようになっていた。

そうした風評が当たっていたのかどうかは私にはわからない。
ただ、今こうして復旧した常磐線と『ひたち』号から見る車窓は、大災害も遠い話に思えてくるような平和な風景だった。

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 2020年3月に避難区域解除となり営業再開した大野駅。

大野駅はその福島第一原発から一番近い駅。
駅舎はリニューアルされ、駅前はアスファルトが新しい駐車場や道路が目立つが、草の丈だけがやたらと高い印象だった。

駅の再開に先立って駅前は避難区域が解除されているが、人が戻ってきて震災前と同じく暮らせるようになるのは時間がかかりそう。

そんな寂しい駅に颯爽と発着する『ひたち』。
開通した常磐線は、福島復興のシンボルともいえる。

一方で、福島に関する怪しげな風評が、いまだに飛び交っているのは残念なことだ。

私は、そんなものにめげずに『ひたち』号とともにこの町が、一刻も早く復興することを願ってやまない。

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 ここから福島第一原子力発電所まで直線距離で約2.6km。

大野を発車すると、丘の向こう側に林立するクレーンと煙突が見えた。
あれが福島第一原発なのだろう。
今でも廃炉にする工事が行われていて、完了は早くても2041年頃といわれている。

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 E721系電車の仙台行。原ノ町駅。

原ノ町では『仙台』の行き先を掲げたE721系電車が停車中だった。
ここまでは東京側と同じE531系電車の勢力圏だったが、ここからは仙台圏になるのだと思わせる。

東京を出てから3時間35分、もうさすがに首都圏の空気ではない。

ところで、水戸を4分遅れで発車したこの列車だが、あれからずっと3分遅れを引きずっている。
この先は単線区間なので仙台まで回復することはないだろう。

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 すっかり日が暮れた相馬駅。

原ノ町からは日没となり、だんだん外は暗くなる。
空が明るいので夕暮れ時が続くが、車窓を眺めるのも相馬あたりが限界となった。

相馬は仙台側最後の停車駅。ここから仙台まで54.3kmはノンストップとなる。
いわきからは小駅に立て続けに停車していたので、ここからは再び特急らしい走りとなる。
しかしスマホに表示される速度は、95km/h止まりだった。

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 新地〜浜吉田間の新線区間を走る。

新地〜浜吉田間は、やはり東北地方太平洋沖地震の津波による被害が大きかったところ。
この区間は運転再開時に内陸側に大きく線路が付け替えられた。

かつて線路だった跡は、盛土がされてその上を県道38号相馬亘理線が通っている。
今走っているのはその新線区間。
空に明るさが残っているので、車内の明かりを遮ると並行する線路跡の県道が辛うじて見えた。

東北本線に合流する岩沼は通過。
このあたりまで来れば車内は無人に近いのでは・・と思っていたが、意外とそうでもなく、この車両には7〜8人が乗っている。
しかも、数少ない乗客のいる席は、予約済みを示す緑のランプが点きっぱなしなので、私と同じく東京(都内)からの乗客だ。

東京から仙台まで新幹線ならばわずか1時間半程度。
4時間半もかけて乗り通す人など私くらいなものとだと思っていたが、これは意外だった。

まさか私と同じように一筆書きっぷ所持者ということはないと思うが・・・
『ひたち』のほうが安いから、好んで乗る人がいるのだろう。

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 仙台駅に到着。

水戸からの3分遅れを引きずって終点仙台に到着。
各車両からパラパラと乗客が降りるだけの、寂しい終着駅だった。

島式ホーム向かいの6番線ホーム原ノ町行は、日曜日なのに立ち客も大勢という混雑ぶり。
そういえばもう12月なんだもんな。師走だもんな。
年末の買い物に出てきて、その家路なんだな。

震災前は走っていた北海道への寝台特急列車はなくなって、仙台駅に発着する特急列車は3往復の『ひたち』だけが唯一の存在となった。
堂々10両編成のE657系特急も、ここでは肩身が狭そう。

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 無効印を押してもらった仙台市内→仙台市内の乗車券。

こんどは自動改札を通れるが、あえて有人改札の方へ行き、乗車券に無効印を押してくれるように頼む。
あっさりとスタンプを押し、きっぷを返してくれた。


 ◆ 帰路、仙台から札幌へ

これで仙台市内→仙台市内の乗車券はお役目終了。
こんどは別な乗車券で仙台空港へ向かうことになる。

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 仙台駅の夜景。

仙台空港発は20時35分発JALの最終。
乗り継ぎの時間はたっぷりあるけれど、外は真っ暗だし寒いしどこへも行くところはなし。

駅の中の商店街をぶらぶらして、お土産のお酒を1本買って、それで終わり。
当てもなく彷徨っているくらいなら、空港に行って過ごしていようと、18時16分発の仙台空港行を見つけたのでそれに乗ってしまうことにした。

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 仙台駅中央口改札前の大時計。

さっき見た原ノ町行は混んでいたのに、こんどの仙台空港行はガラガラだった。

仙台駅では不毛に過ごしていたので、わざわざ外に出る必要はなかったかな。
さっき仙台駅で無効とした乗車券は仙台市内まで有効だったので、仙台駅で改札を出なければ、南仙台まで使うことができたのだ。

えっ?
それだと南仙台〜仙台間が複乗となるのではって?

いや大丈夫なんです。
券面に○○市内(都区内)とある乗車券の場合、市内(都区内)ゾーン内で特急等に乗り換える場合においては、複乗が認められているのです。

JTB時刻表から引用すると、以下の一文がそれに当たる。
(前略)〜どの駅からもご乗車になれます。またどの駅でも降りられます

時刻表の説明書きでは曖昧な表現だが、これはJR東日本旅客営業取扱基準規程 第150条に明記してある。
また1つ勉強になりましたね。

もっとも、そうまでして僅かな電車賃を節約したいとは思わないから別にいいけど・・・

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 仙台空港の夜景。

仙台空港に着いたものの、まだ19時前だというのに売店は閉店間際という寂しいものだった。
今日の残りの出発便は、関西方面の便がほとんど。

保安検査場の中に入ってしまえば、営業しているのが売店2店舗だけという、さらに寂しいものだった。
その売店で生ビールを買ってきて、ベンチでスマホをいじって時間をつぶす。

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 小さいJAL2909便札幌行。

帰りの飛行機はすいていて、隣席は空いたままだった。
19時23分になって飛行機は動き出した。
定刻よりも10分以上も早い出発。

飛行機だけはいつも、さっさと飛んでさっさと着いてくれよと思う。

飛行も順調で、新千歳空港到着は21時42分だった。

乗降扉が開いたらスタコラサッサと出口を目指し、新千歳空港駅へ。
新千歳空港発21時56分発の特別快速『エアポート219号』へは余裕で乗ることができた。

まったく飛行機の旅は慌ただしいなあ。
札幌から東北や北関東への旅行は、早く北海道新幹線の札幌開業が待たれるところ。

最後に今回の旅行にかかった各種費用をあげます。

仙台市内発一筆書きっぷの旅の費用
費 目内 容金額(円)備考
交通費JAL札幌〜仙台往復15,740事前購入
交通費仙台〜仙台 乗車券10,340事前購入
交通費品川〜仙台 特急券1,880事前購入
宿泊費サンシャイン宇都宮 3,890事前支払
交通費仙台〜宇都宮 特急券3,530仙台駅
交通費宇都宮〜新宿 グリーン券800宇都宮駅
交通費空港アクセス3,622 
交通費ライトライン1日券1,000 
食費 8,716 
土産仙台のお酒1,485 
その他明治神宮お守り1,000 
合 計52,003 

交通費だけまとめてみると、JAL札幌〜仙台往復が15,740円、JRの仙台〜宇都宮〜東京〜仙台の一周ルートの運賃・特急料金が15,750円、合計で31,490円

途中普通電車による移動があったものの、仙台〜宇都宮〜東京と回って常磐線にも乗ってこのお値段は、結構安く上がったんじゃないかな。

1泊2日の旅行にしては色々体験できて貴重な旅行でした。
おそらくこれが今年最後の旅行となります。

来年はまた海外旅行がしたいなあ。
ではさようなら。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。    

posted by pupupukaya at 23/12/17 | Comment(0) | 東日本の旅行記

仙台市内発一筆書きっぷの旅3〜宇都宮線グリーン車と山手線途中下車の旅

 ◆ 宇都宮をあとに

おはようございます、宇都宮駅東口近くのビジネスホテルから。

今日の行程は、宇都宮から快速電車で新宿へ向かい、そこからぐるっと山手線を回って品川から常磐線経由特急『ひたち』で仙台へ戻るというもの。
そして仙台空港から飛行機で札幌へ。

1日中移動という行程だが、今日もひとつお付き合い願います。

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 駅前のトランジットモール区間をすれ違う電車。

ちょっと早めにホテルをチェックアウトして、宇都宮駅東口に発着するライトラインを見てから宇都宮駅へ。

昨日はライトラインに乗ったり撮影したりばかりだったので西口の方へは来ていなかったが、宇都宮駅の表口は西口で、東口は裏口に当たる。
市の中心部はJR宇都宮駅からさらに西へ行った東武宇都宮駅付近であり、市役所や県庁もそちらにある。

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 宇都宮駅正面側となる西口と餃子像。

まだ開通したばかりの宇都宮ライトレールだが、早くも西側への延伸プロジェクトが動き出している。
延伸計画区間はJR東北本線をオーバーパスで渡って、東武宇都宮駅付近を通って県教育会館付近までの延長約5km。
ホームページなどを見ていると、宇都宮市はやる気満々と見て取れる。

一方で、相変わらず根強いライトレール建設反対運動もあるようだ。
しかし、反対論者の論拠である周辺道路の渋滞はライトライン開業後はさほど起こっておらず、また経営は赤字どころか利用者も開業前の想定より大幅に多いことから、初年度経常黒字予想との報道もある。

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 西口入口の宇都宮ライトレール西側延伸の広告。

とはいっても、プロジェクトはまだ始まったばかりで、西側延伸開業となるのは2030年以降のことらしい。
この延伸が実現した際には、また宇都宮に行きたい。

その時は札幌まで開業した北海道新幹線で行くことだろう。
楽しみに待っています。


 ◆ 宇都宮 8:36 → 新宿 10:14【快速4521Y】

宇都宮からは、8時36分発の湘南新宿ライン直通の快速列車で新宿まで行く。

この快速列車は土曜休日のみ運転の列車だが、新宿までの所要時間は1時間38分。
かつて走っていた特急『おはようとちぎ』とダイヤがほぼ同じという便利な列車だ。

楽に行きたいというのもあるが、少しでも旅行気分にしたいということもあってグリーン券を買う。
今日は土曜日なので、グリーン料金はホリデー料金が適用されて新宿まで800円。

このグリーン券は紙のきっぷではなく、IC乗車券にグリーン券情報を記録させ、車内の各座席の天井にあるリーダーにタッチするというもの。
もちろん、北海道民御用達のKitacaも使用できる。

初めて利用するシステムだけど、そんなに難しいものではないだろう。

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 東北本線のE233系電車(これは1本前の上野東京ライン経由熱海行)。

7番線ホームに行くと、先に出る上野東京ライン経由熱海行普通列車が停車していた。
15両編成で、普通車もグリーン車もガラガラ。
土曜日の朝だからこんなものだろう。

熱海行がガラガラで発車して行くと、
次の快速逗子行きは4つドア10両です
の放送が流れてきた。

な、なんだって〜!

15両編成と10両編成ではグリーン車の乗車位置が違うのだった。
慌てて10両編成のグリーン車乗車口に向かうといつの間にか長蛇の列ができていた。
グリーン車だけでなく、普通車の乗車口も大勢並んでいた。

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 長蛇の列の中、湘南新宿ライン経由逗子行が入線。

列の一番後ろについたけど、2階建てグリーン車の収容力は大きく、何とか2階の窓側席にありついた。
土曜の朝なのでガラガラだろうと予想していたが、とんだ番狂わせとなった格好。

座席に着いて、天井にあるカードリーダーにIC乗車券をかざすと赤いランプが青いランプへと変わる。
青いランプの席に着席している客は、グリーン料金を支払い済みの客ということになる。

ほとんどの人がIC乗車券利用のようで、埋まっている席は青いランプが点灯している。
たまに赤いランプの席の人がいると、車掌が回ってきたときにグリーン券の提示を求められる。

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 E233系グリーン車2階席。

座ってしまえば2階席は眺めが抜群に良い。
目線がホームに立つ人よりも遥かに上にある。

だけど所詮は普通列車で、グリーン車とはいえ座席は特急の普通車並みだった。
普通車のロングシートで行くよりは全然マシだけど。

次の雀宮に停車したら、ここもホームは乗客の姿がたくさん見えた。
グリーン車にも乗ってきて、隣の席も雀宮から相席となる。

この後も停車駅ごとに乗ってきて、小山ではグリーン車は満席となった模様。
空席を探しながら通路を歩く乗客も、あきらめて階段を下りて行くようになった。

満席となった車内の顔ぶれは、グリーン車というより、週末に東京へという人達が乗り合わせた近距離特急といった感じがする。

早さでは新幹線にかなわないが、小山〜大宮間が快速運転で、新宿や渋谷に直通とあっては早くて便利な列車なのだろう。
それにグリーン車は800円の追加で行けるのだから、北関東の人たちにとっては便利な乗り得列車とも言える。

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 東武伊勢崎線と接続する栗橋駅を通過。

小山からは快速運転となり、快晴の関東平野を110km/hで走る。

古河(こが)では、先に宇都宮を発車した熱海行を追い抜く。

ここからもたくさん乗ってくるが、グリーン車は満席のようで立ち客も出てくるようになった。
車掌が立っている人に、普通車に移ればグリーン料金は払い戻しになるが、このまま立っていればそのままと説明している。

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 東鷲宮駅付近から見えた富士山(見ずらいですが画像中央)。

古河駅の前後は高架線となっていて眺めが抜群だ。

その家々の屋根越しに見えたのが、ななな〜んと、富士山!
慌ててカメラを構えるが、あっという間に視界から消えてしまった。

それが再び姿を見せたのが東鷲宮付近の高架橋から。
霞んではいるが、雪で白くなった山頂の形はまさしく富士山。

ここから富士山までの直線距離は100kmを超えるけど、こんな遠くからも見える時があるんだねえ。

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 停車駅ごとに大勢の乗客が乗ってくる。

相変わらずどの停車駅のホームも乗客の数が多い。
このグリーン車も停車駅ごとに次々と乗客が現れるが、ついに通路まで立ち客が出るようになった。

グリーン車は、座れなくて立っているだけでもグリーン料金が適用となるのでもったいないことだが、普通車の方で立っているよりもこちらの方がマシということなのか。

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 高崎線上野東京ライン経由平塚行。あっちも大混雑。

大宮で何人か席を立つが目立った動きはなし。立っている人が入れ替わりに座ったくらい。
大宮から加わった人の方が多くて、通路に立つ人はさらに増えた。

隣に停車している高崎線からの上野東京ライン経由平塚行は、ラッシュ並みの混雑。
東京の人の多さに、あらためて驚かされる。

ホームの発車メロディーが鳴り終わると、
大変混雑しています、この辺で扉を閉めさせてもらいます
とアナウンスが流れた。

車掌がこんな放送するくらいだから、普通車のほうは積み残しが出るほど混んでいるのだろう。
この放送は浦和、赤羽でも同じように続いた。

新宿や渋谷方面ならば埼京線もあるけど、所要時間は圧倒的に湘南新宿ラインの方が早いことから、こちらに集中するようだ。

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 駒込からは山手線の隣を走る。

赤羽からは今使用中の仙台市内→仙台市内の乗車券の、いよいよ本領発揮となる。

赤羽と、山手線ぐるり一周の区間を通過する際は、複乗しない限り実際の乗車経路にかかわらず最短経路で計算するという決まりがある(東京近郊区間内のみ発着の乗車券を除く)。
いわゆるJRの旅客営業規則にある70条区間というやつ。

この乗車券に記載された経由駅は『大宮・東北・三河島』(東北線〜日暮里駅〜常磐線)の最短経路だが、山手線の南側をぐるりと遠回りして、品川始発の『ひたち』にも乗車することができる。

もちろん101km以上の片道乗車券なので途中下車もできる。
複乗と同じ駅を2度通ることさえしなければ、山手線1周のフリーきっぷのような使い方もできるわけだ。

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 70条区間(太線)と実際の乗車経路(赤線)。

ところで、通常ならば意識することはないのだろうが、湘南新宿ラインや上野東京ラインは赤羽から先のルートが複雑だったりする。

湘南新宿ラインは、時刻表だけ見ていると赤羽から池袋に短絡する埼京線(十条・板橋)経由ように見えるが、実際は東北線・山手線(赤羽〜大塚〜池袋)の乗車経路と見なされる。

湘南新宿ラインならば日暮里を通ることはないけれど、上野東京ラインだと日暮里には停車しないしホームもないが、乗車経路は日暮里経由となってしまうので注意したいところ。
日暮里〜東京間は区間外乗車できる特例はあるものの、この間は途中下車ができなくなる。

東京西側の都心の一つである池袋に到着。何人か降りる人があったが、目立った動きはないのが意外だった。
やがて西新宿の高層ビル群が見えてくれば新宿だ。

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 西新宿の高層ビル街と黄色い総武線電車。

さすが新宿では降りる人が多く、半分以上の乗客が席を立つ。
降りる人も多いけど、乗る人も多く、ホームの各乗車口は行列となっていた。


 ◆ 新宿ぅ〜新宿ぅ〜、世界一のマンモス駅新宿です

新宿駅は日本一利用者数の多い駅として知られる。
コロナ前の2019年の統計を見れば、乗降客数はJR新宿駅だけで150万人を超えていた。

さすがは日本一・・いや世界一のマンモス駅であろう。

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 世界一のマンモス駅、新宿駅に到着。

大勢の下車客に押されるようにエスカレーターに乗って改札口を目指す。

自動改札機に乗車券を入れるとピンポ〜ンと鳴って、『精算してください』の表示が出てきた。
しょうがないので有人の改札口に持っていって「途中下車です」と言ってきっぷを渡す。

駅員は券面を指でなぞりながら確認して、『新宿』の下車印を押して返してくれた。

「入る時も自動改札は使えないんですか?」
と聞いてみたら、乗車券には最短経路の情報しか入っていないので、それ以外の経路だと自動改札が受け付けないとのことだった。

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 Suicaのペンギン広場。

さて外に出てみたが、ここはどこだ。
まったく見覚えがない場所。

今出てきた改札が新南改札口、目の前の広場はSuicaのペンギン広場というらしい。
案内看板はニュウマンだとかサザンテラスだとか、さっぱりわからんでござるよ。

考えたら新宿は何年ぶりだろう。
2011年に急行『はまなす』と新幹線を乗り継いで東京に来たとき以来じゃなかったかな。

それ以前ならば快速『ムーンライトえちご』の始発駅だったので、夜の新宿をウロウロすることも多かったけど、
12年も経ちゃ、そりゃ変わりますわな。

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 甲州街道に面した新宿駅南口。

出てきた改札と反対側に行けば、広い通りは甲州街道だった。
ここは陸橋だったはずだけど、両側にビルが立ち並んで地上のようになっていた。

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 新宿駅山手線・総武線ホーム。

しっかし人が多いこと。
もう新宿はいいです・・(汗
こんどは南改札から入って山手線ホームへ。


 ◆ 原宿、明治神宮へ

次に向かうは原宿。
原宿といえば若者の街、おしゃれな街、竹下通り。
なんですが、意外と知られていないけど明治神宮の最寄り駅。

ちょっと近くを通りかかったものですから、これも何かのご縁ということで明治神宮へお参りに。

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 2020年に完成した原宿駅の新駅ビル。

で、原宿で降りたら、田舎から出てきたおじさんがたまげるほどの変わりようだった。
原宿駅の古い駅舎が建て替えられたことは知っていたが、外へ出ると立派な近代的な駅ビルがそびえ立っていた。

明治神宮は駅を出たところに大鳥居があるのですぐにわかる。
天気の良い土曜日のためか、参拝に来る人も多く、参道はぞろぞろと歩く人の列となっている。
日本観光人気なのか、外国人の姿も多く目立つ。

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 明治神宮と三の鳥居。

本殿に着いてお参り。
混んでるかと思ったが、意外とそうでもなかった。

では賽銭を・・・ゲゲッ!
財布の中には小銭が1枚もなかった。どこかで現金で買い物して小銭を作っておくんだった。

だからと言って千円札はいくらなんでも・・・
後でお札(ふだ)でも買うからと、神様に賽銭は勘弁してもらって、お参りをする。

2礼2拍手1礼。
はは〜ッ。

私ら日本人はお参りだけれど、外国人観光客にとっては観光名所でしかないわけで。
「カメラ、ノー!」
本殿にカメラを向ける観光客に警備員が注意している。

先ほどの約束なので、売店でお守りを1つ買った。1000円。
その売店の巫女さんのしゃべり方が、えらい外国人訛り。
巫女さんも外国人が勤める時代になっちゃったんだね。

また参道を歩いて原宿駅に戻り、せっかくだから竹下通りを入り口だけ拝んで行く。

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 日本のKawaii文化の聖地、竹下通り。

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 原宿駅竹下口は昔ながらの風情。

すっかり新しくなった原宿駅だが、竹下口のほうは昔ながらの佇まいだった。
また有人改札できっぷを見せてホームへ。

さっき降りたときは気付かなかったが、原宿駅はホームも一新されていて、かつて年末年始の明治神宮参拝シーズンだけ使われていた臨時ホームが大改造されて、新宿・池袋方面のホームとなっていた。
こちらのホームは片側に柵が設けられて、渋谷・品川方面専用ホームとなっている。


 ◆ 大工事中の渋谷駅

今度は2つの山手線ホームを一体化し、離れていた埼京線ホームを山手線の隣に移転する大改造が行われたばかりの渋谷駅。

この2つのホームの運用開始となってから1年近くになるが、ホームの床も壁も仮設となっている場所が多い。
駅名標も仮設のものだった。

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 工事中のホームと仮設の渋谷駅駅名標。

東急東横線の渋谷駅が地下に移転して東京メトロ副都心線と相互乗り入れするようになって、すでに10年が経つんだね。
地下鉄銀座線の渋谷駅も、JR渋谷駅をまたぐ場所から明治通りの上に移転している。
これで渋谷駅の工事は終わりではなく、今度は今までの駅ビルを全部取り壊して、一大再開発となるんだとか。

で、なんで渋谷で途中下車したかというと、忠犬ハチ公を見たかったから。
ハチ公は1923年生まれ。今年で満100歳を迎えたことになる。

それでハチ公改札に向かうと、有人改札口は順番待ちの列が出来ていた。
別に急ぎじゃないからいいんだけど、この列がさっぱり進まない。

考えたら有人改札と言っても、精算所と案内所を兼ねているのでこうなってしまうわけだ。
自動改札機を通れないんじゃ、せっかくの切符も便利さが半減といったところ。

精算も、自動精算機が使えない面倒な客ばかりなので時間がかかるわけだ。
ようやく自分の番が来て、駅員は券面を指でなぞって確認して下車印を押した。

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 忠犬ハチ公を囲む人だかりと撮影の順番待ちの列。

さて、忠犬ハチ公の像。

世界の忠犬ハチ公とあって、周りは人だかりがしている。
ハチ公の像がなくても、ここの広場は人でいっぱいだが。

記念撮影の順番待ちの列もあるが、私は忠犬ハチ公を単体で撮影したいだけなので、順番待ちが入れ替わる合間にササッと撮ってしまう。

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 忠犬ハチ公の像。

しかし何だよこの世界エイズデーの赤いたすき掛けは、プンプン!

調べたら12月1日は世界エイズデーとあった。
だけど今日は12月2日、エイズデーはもう終わったの。

何だよ、わざわざ札幌からハチ公を見るためにはるばる渋谷までやってきたのに、ハチ公がこんな残念な姿になっているとは。
田舎から出てきたお上りさんをガッカリさせるような真似はやめて欲しいですよ。

ね、渋谷区保健所さん。

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 渋谷駅は大再開発工事中。

渋谷といえば、私自身の印象にあるのが東急東横店と、2階の山手線のホームに直接出られた玉川改札と、3階の地下鉄銀座線だったけど、そのどれもが無くなったんだなあ。
歩道橋の上から、今取り壊されようとしている東急東横店の建物を見ていてしみじみと思う。

再開発されて発展するのは結構なことだけど、どこもかしこも高層ビルだらけの同じような街並みになってしまうよ。
これは新幹線開業を目指して再開発工事が始まっている、わが街札幌駅周辺にも言えることだけど。

昭和30年代、高度成長期の入り口の頃、やはり都心の建物が鉄筋コンクリート建てのビルに次々と立て替えられ始めた頃、明治や大正生まれの人たちは同じことを思ったんだろうか。

この次渋谷に来るときは、すっかり様変わりしているんだろうなと思いながら渋谷を後にする。


 ◆ 大発展した品川駅

最後の途中下車駅は品川。

品川駅は京急電車の始発駅なので、羽田空港に行くときに乗り換えたり、あるいは京急電車に乗るためにだとか、まるっきり縁がない駅ではないのだが、京急電車のイメージが強い駅だなあ。

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 山手線で品川駅に到着。

かつて大垣夜行があった頃は、青春18きっぷシーズン時だけ品川始発になることがあって、品川駅の普段は使われないホームで並んだっけ。

そんな品川駅も、京急空港線の羽田空港延伸で空港アクセスの乗り継ぎ駅へ。
2003年に東海道新幹線の駅が設けられ、2008年からは『のぞみ』号の全列車が停車するようになる。

さらに将来開業するリニア中央新幹線の東京側始発駅になることが決定しており、そうなると東京駅と肩を並べるほどの主要駅となることだろう。

山手線内の駅で、一番の出世頭が品川駅ではないだろうか。

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 品川駅の京急線のりかえ改札。

そんな品川駅で途中下車するのは、仙台行特急『ひたち』に始発駅から乗車するため。
その品川駅も現在工事中なのだった。

高輪口から出てみると、2階建ての駅舎はすでに取り壊されて、通路も仮設のものになっている。

これは、現在高架駅の京急品川駅を地平化するための工事なのだとか。
現在の高架駅を稼働しながら、その真下に地平駅のホームを建設するわけだから大工事だねこれは。

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 京急線地平化工事中の品川駅。

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 高輪口エレベーター通路の窓から見える京急電車。

そんな大発展の品川駅だが、外に出ても繁華街があるわけでなく、乗り換えだけの駅といった印象だ。
行きたいところも見たいところも特になく、高輪口のエレベーターに向かう通路から、行き交う京急電車を眺めてしばらく過ごした。


posted by pupupukaya at 23/12/10 | Comment(0) | 東日本の旅行記

仙台市内発一筆書きっぷの旅2〜宇都宮ライトレール

 ◆ 祝 開業!宇都宮ライトレール

さて、いよいよ宇都宮ライトレールである。
こいつに乗るために、わざわざ札幌から宇都宮までやって来たのだ。

改札を出たら、自由通路を通って東口へ向かう。
ライトレール乗り場は東口にあって、停留場名も宇都宮駅東口となっている。

開業当初は『宇都宮ライトレール』『宇都宮芳賀ライトレール線』『ライトライン』と様々な呼び名が混在していたが、これは愛称『ライトライン』の名前で統一されたようだ。
駅や自由通路の案内板も『ライトライン』と表示されている。

自由通路の上から見ると、ライトラインの電車がちょうど停車していた。
路面電車の新線開業、しかも今からあれに乗るんだと思うとワクワクしてきたぞ。

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 宇都宮駅東口に停車中の宇都宮ライトレールHU300形電車。

いままでライトレールというか路面電車の新線開業といえば、廃止路線を置き換えたものや既存路線の延伸といったものばかりだったが、こちら宇都宮のは100%新設路線。
これは日本国内の路面電車の新規開業路線としては、富山県にある万葉線(1930年開業)以来75年ぶりなのだとか。

私など、海外旅行に出るたびにトラムと呼ばれる路面電車に乗り、今でも新規開業が相次いでいるのを目にしている。
一方で日本では、路面電車など過去の遺物であり、こんなものを建設するために大金を投じるなどけしからん、みたいな意見ばかりなので、日本では路面電車の復権などありえないのだろうと思っていた。

それが今度の宇都宮ライトレールの開業である。
日本でもようやく世界中で復活・・・というか標準となっている路面電車が新規に開業するようになったわけで、大いに感激だ。
私などもう30年も前から路面電車の復活を夢見ていたのだから。

さっそく乗車といきたいが、その前に一日乗車券を買う。

1枚1,000円。
全線(14.5km)乗ると片道運賃が400円だから、何度も乗ったり降りたりするなら一日券の方がお得かな。
ホームに下りたエスカレーターの裏側に定期券売り場があり、一日乗車券はそこで買うことができる。

厚紙に『ライトライン一日乗車券』と印刷したチケットにはネックストラップ・・・ていうかただの紐が付いている。
販売員は、「乗車するときはこれを首から下げて乗ってください」と説明した。

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 ライトライン一日乗車券は首から下げて乗車する。

各乗降扉にはICカード乗車券のカードリーダーが設置された近代的なライトラインだけど、一日乗車券だけはなぜか紙。

首から下げるのは、どこの扉からも乗降できるためのようだが、何だか冴えない姿だなあ。
もうちょっといい方法はなかったのだろうか。
しょうがない、電車に乗るときだけは首から下げることにした。


 ◆ ライトラインに乗る

停車中の電車は、ホームと車内の段差がほとんど無いのはさすが。
まさに水平エレベーターといったところ。
これなら介助がなくても車椅子利用ができる。

電車は11時46分発、もうすぐ発車時刻になる。早速車内へ。

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 ICカード乗車券と一日乗車券所持者はどの扉からも乗降できる。

お昼前の時間帯だが、車内は立ち客がチラホラ。意外と混んでいる。
一番前の運転士後ろが空いていたので、そこに立つことにした。

左側には両替機付きの運賃箱が置かれていて、現金払いの客は降車時にここで支払うことになる。
整理券を持って、運賃表で確認してから投入するのは他のワンマンバスなんかと同じ。

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 現金支払用の運賃箱が設置された車両最前部。

発車するとしばらくはノロノロと進むが、やがて広い通りに出る。
鬼怒通りという宇都宮駅東側の大通りを進む。

元は片側3車線の道路だったが、1車線減らされてライトラインの軌道となっている。
車線を減じてまで路面電車用の軌道を設けるなど、一昔前ならば考えられなかったことだ。

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 広々とした鬼怒通りを走る。

その車線が減らされた鬼怒通りはというと、信号のある交差点には右折レーンが設けられているので、車の通行にはあまり影響なさそう。
その交差点の信号は右折分離方式が採用されている。

右折分離方式とは右折車は右の青矢印の時にしか通行できない方式のやつ。
これの利点は、右折車が右の青矢印が出る時しか交差点に入れないので、軌道に入り込んだ右折車が電車の進行をふさぐことがないわけだ。

あとは、軌道の上下間には柵が連続して設けられたことで、交差点以外の場所で車が右折したりターンすることができないので、基本的に車が軌道内に侵入してくることがない。

よく考えて作ったものだなと、見ていて感心する。

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 交差点を過ぎた場所に設けられた停留場。

もう1つの特徴は、停留場は交差点を過ぎた場所に設けられているということ。
これは交差点手前に右折レーンが設けられたからということもあるだろうが、乗降が終わればすぐに発車できる利点もある。

札幌市電みたいに交差点手前に停留場があると、乗降中に信号が変わって乗降が終わっても赤信号で発車できないということになるわけだ。

それとに、現金客を除いて全扉から乗降できるので、降車客の車内での移動や1つの出口に集中することもなく、停車時間の短縮に貢献している。

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 併用軌道区間でも自動車と干渉しないように工夫されている。

余計な信号待ちや、右折車による妨害がほとんどないので、乗っている乗客からしてもそういったストレスは全く感じない。
これまでの路面電車の悪いところが全部改善されているわけだ。

これは所要時間の短縮にも大いに効果を発揮していて、たとえば併用区間である宇都宮駅東口〜宇都宮大学陽東キャンパス間(2.8km)の所要時間は10分となっている。

この区間の表定速度を計算すると16.8km/hになった。
これは路面電車としては、なかなか立派なもの。

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 専用軌道区間の高架橋を行く。

宇都宮大学陽東キャンパスからは専用軌道区間となるが、併用区間より若干スピードが上がったくらい。
立派な専用軌道を車より遅いスピードで走るのは、何だかじれったい気がする。

これは広島電鉄や富山ライトレール(現在は富山地鉄富山港線)なんかで、ノロノロ走っていたのが専用軌道区間に入ると快調にかっ飛ばすのというイメージがあるからなのかも知れないが。

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 現在は軌道法適用のため専用区間でも40km/h止まり。

これは宇都宮ライトレールが全線軌道法が適用されているためで、専用軌道区間でも鉄道信号がなく目視での運転となるために、最高速度が40km/hに抑えられているから。

ただ、将来予定では専用区間で70km/hまで引き上げられ、さらに快速運転も実施される計画がある。
さらに快速運転も実施されれば、現在全線で48分かかっている所要時間が36分に短縮される。

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 2面4線と大掛かりな平石停留場。

途中の平石停留場はホーム2面4線という立派な造り。
うち2線は現在は車両基地への出入庫線となっているが、将来的に快速運転が実施されればここで快速と普通の追い抜きに使用されることだろう。

ここからはしばらく専用区間ながらも地平区間となる。
高架区間と違うのは、軌道内が舗装されていること。

なぜ舗装されているのかというと、これは地平区間では交差する道路があるからだろう。
平面交差となると踏切を設けたいところだが、現在の日本では事実上踏切の新設は不可能に近いので、あくまで併用軌道という体で道路と交差させたのではなかろうか。
信号のある交差点では、電車も交通信号に従って走る。

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 鬼怒川を渡る。

再び高架橋になると、今度は長さ643m鬼怒川橋梁で鬼怒川を渡る。
道路との併用橋ではなく、堂々とした宇都宮ライトレール専用の橋。
窓から広々とした河原を見ていると、さっきまで街中の路上を走っていたのと同じ電車だということを忘れてしまいそうだ。

鬼怒川を挟む専用区間は、田畑の中に農家や雑木林が点在するといったローカル線のような眺めが続く。
清陵高校前からは再び市街地になるものの、今までの街中とは違って今度は工業団地。
それも道路わきの緑地帯だった場所に線路を敷設した格好なので、妙に広々としている。

ヨーロッパのトラムに乗っていると、郊外まで乗っているとこのような広々としたところを走ったりするが、まるで日本ではなくて海外旅行しているような錯覚にもなる。

いや、ここはまぎれもなく日本で、新たにライトレールが開業した宇都宮なのだ。
日本にも、いよいよこうした本格的なライトレールが出来たと思うと、もう感動してしまう。

ゆいの杜西からは再び併用区間となり、車と並走する。
このあたりは宇都宮市西側のショッピングセンターのようになっていて、スーパーやホームセンターをはじめとした路面店が道路沿いに並ぶ。
ライトレールが出来て交通の便が良くなったし、買い物にも便利そうなので、これから発展株の町という印象だった。

芳賀台からは宇都宮市から芳賀町となり、再び工業地帯へ。
ホンダの城下町のようで、あちこちにホンダのロゴマークを見かける。

ところで、高架橋への上り下りをはじめ、宇都宮ライトレールには急勾配が多く、その最急勾配は60‰(パーミル)となっている。
東京都電には66.7‰、函館市電には58‰の坂があって、どちらも難所のようにして電車が走っているが、この電車は出力にまだまだ余裕があるという感じで、むしろスピードが出すぎないようにマスコンのON、OFFを繰り返しながら坂を登る。

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 かしの森公園前付近の最急勾配60‰のアップダウン。

その中でも見どころは、芳賀町工業団地管理センター前〜かしの森公園前間にある60‰勾配のアップダウンだろう。
坂の上から谷間をアップダウンする線路を眺めていたら、何となくサンフランシスコのケーブルカーを思い出した。

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 芳賀・高根沢工業団地停留場で折り返すライトライン。

宇都宮駅東口を発車してから48分、終点の芳賀・高根沢工業団地に到着。
時刻は11時34分、路面区間を走行してきたにもかかわらず定時刻通りの運転だったのは見事というほかない。

車両を高性能にしたり、旅客設備を充実させたりというのは多くの路面電車事業者が取り組んでいるものだ。
しかし、これらがいくら良くなっても所要時間の短縮や定時運行だけはどうにもならない。

これは車と一緒に道路上を走行するのと、ワンマン運転の客扱いがあるからどうにもならないのが路面電車の宿命ともいえる。

それがここ宇都宮では、交差点の通行方法や乗客の乗降時間の短縮など、相当に知恵を使って改善している。
これまでの路面電車の欠点が見事に解消されていると言ってもいいくらいだ。

宇都宮ライトレールは、日本の路面電車の完成形と言っても過言ではないだろう。


 ◆ 宇都宮ライトレールと新たな文化

終点の芳賀・高根沢工業団地停留場は道路中央にあり、歩道とは横断歩道と歩道橋が結んでいる。
場所は本田技研工業の北門前で、停留場周辺にあるものといえばそれくらい。
ホンダ専用駅のような恰好となっている。
開業前の仮称は、本田技研工業北門前となっていた。

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 宇都宮芳賀ライトレール線の終点、芳賀・高根沢工業団地停留場。

なぜこんな場所を終点としたのかというと、これまで従業員の多くは車通勤となっていて、朝夕には出退勤の車で渋滞が絶えなかったことから、定時性の確保と渋滞の緩和という理由から決まったのだそうだ。

実際工場への通勤者には車から電車にシフトした人も結構あり、朝ラッシュ時に宇都宮駅東口から発車する電車は大変混雑するようになったようである。

またホンダだけではなく、ライトレールが通る清原工業団地、芳賀工業団地,芳賀・高根沢工業団地と3つの工業団地の従業人口は合計で3万人という。
ものづくり県とちぎの中核といえる位置づけだ。
そう考えると、このライトレールは日本のものづくり産業を裏方で支える存在ともいえる。

終点まで来たけれど、ホンダの工場以外に何もないので折り返しの電車に乗る。
乗客は折り返しの試乗客くらい。
ガラガラのままの折り返し電車で戻る。

ボックス席に座ってみたが、今度は後面展望で行こうと席を立って最後部に陣取ることにした。

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 向かい合わせクロスシートが基本のライトライン車内。

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 ワンマン運転用に監視モニターが並ぶ運転席。

立ちっぱなしはつらいけど、新規に開業した線路を眺めているほうが面白い。
そんなわけで折り返しの電車で40分以上ずっと立っていた。

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 駅東公園前に停車するライトライン。

今度は駅東口まで乗らずに2つ手前の駅東公園前で降りてみる。
ここから歩いて、道路上を走る電車を撮ってみたかったから。

鬼怒通りの歩道を歩いていたら、宇都宮駅東口発の電車がやってきた。
カメラを構えるも、車と被ってしまって上手くはいかなかった。

う〜ん、見ていると路面電車ではあるけれど、今までの路面電車とは別物だという感じがする。
どこか遠い存在のような気がする。

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 鬼怒通りを走るライトレールの電車。

道路が広いということもあるけれど、古くからある路面電車のように街に溶け込んだという感じがなく、どことなくよそよそしいのはどうしたことか。
路面電車というものは、狭い道を自動車とバトルしながら行き交うほうが風情はあるのかも知れない。

歩いて再び宇都宮駅東口に戻ってくる。

この東口もライトレール開業と合わせて再開発が行われ、商業施設とホテルが入居する宮みらいライトヒルと宇都宮ライトキューブもオープンしている。

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 宮みらいライトヒルの大階段と宇都宮ライトレール。

ここの2階入口に通じる階段があって、この段々に腰かけている人々がいる。
下校途中の高校生が多いようだが。

ここも宇都宮の新たな名所になるんだろうか。
別に何のことはない場所だけど、文化というものは得てしてこういう場所から生まれてくるもので・・

いいなあ、ライトラインが開業しなかったら絶対に生まれなかった空間だよね。
路面電車など無駄だと反対する頑固な年寄り連中に見せてやりたい光景。

このあとも宇都宮駅東口から2回ほど往復してきた。
一日乗車券なので、何回も乗って元を取らなきゃね。
ほかに行きたいところも特になかったこともあるけれど・・・

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 宇都宮駅東口停留場のホーム。

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 カーブを曲がる3連節のライトライン。清原地区市民センター前。

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 乗務員交代が行われる平石停留場。

再び宇都宮駅東口に戻ってきたのが4時過ぎ。だんだん薄暗くなってきた。
夕方のラッシュに差し掛かって混むようになってきたこともあるし、試乗もそろそろ切り上げることにする。


 ◆ 宇都宮餃子とライトライン

東口からすぐのところにあるホテルにチェックインする。
今日は宇都宮で1泊することになっていて、東口近くのホテルを予約してあった。
1泊6,200円のところ、クーポン券や溜まっていたポイントを使って3,890円に。

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 ウツノミヤテラスにある宇都宮みんみん。

部屋で一休みしてから外に出れば、すっかり日が暮れていた。
ついこの間までならば十分に明るかった時間なのだが、日が経つのは早いものだなあ。

外に出たのは餃子を食べるため。
宇都宮に来たからにはやっぱり餃子でしょ。

ライトレール開業に合わせて東口に出来たウツノミヤテラスという複合商業施設の中に、宇都宮みんみんが入っているのでそこへ行ってみる。
本店の方は行列ができるほどの有名店と聞いていたのだが、さすがに平日の夕方5時過ぎではガラガラだった。

この店のシステムがちょっと変わっていて、変わっているというか近代的というべきなのか。
テーブルにメニューと注文の端末が置いてあって、その端末を操作して注文すると厨房へ伝わる仕組み。

焼き餃子と水餃子が一緒になったヤキスイライスにした。
あともちろん生ビール。

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 ヤキスイライス(ライスハーフ)と生ビール。

焼き餃子を一口食べてみるが、これと言って特徴もなく普通の餃子。
わが札幌の『みよしの餃子』のクセがありすぎる味に慣れているせいか、どこにでもある餃子のように感じる。

それでも、お店で餃子を食べるのは久しぶりで美味しい。
途中で生ビールをお替りした。

会計もセルフレジで、テーブルにあるQRコードを印刷してある札をレジのリーダーにかざすと値段が表示される。
ヤキスイライス(半ライス)と一番搾り2杯で2,040円だった。

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 日が暮れても人が絶えない大階段。

2階のエントランスから外に出た大階段では、所々に制服姿の高校生が集っている。
彼らにとっては格好の寄り道スポットなのだろう。

若者たちが大階段と腰かけて駄弁っている姿は、今年旅行したフィンランドのヘルシンキ大聖堂を思い出した。
ライトレールが開業したことでこうしたスポットが生まれたのだとすれば、これだけで大きな資産だろう。

彼らに交じって大階段に腰掛け、行き交うライトレールの電車を眺めるのも悪くないが、今時期は尻が冷たくなりそう。

真っすぐホテルには戻らず、東口周辺でライトレールの夜景をいくつか撮影する。

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 夕方の帰宅ラッシュを迎え発車を待つ電車。

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 ライトラインが行き交う鬼怒通りの夜景。

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 必殺、流し撮り!

またウツノミヤテラスに戻って、1階にあるヨークベニマルで部屋飲み用のお酒とつまみ、それに明日の朝食を買ってホテルに戻る。

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 宇都宮ライトレールデザインの特別純米酒四季桜LRT缶。

見つけて思わず買ってしまったのが、宇都宮ライトレールデザインの特別純米酒 四季桜LRT缶。宇都宮酒造のお酒。
もうこんなものが出たんだね。
お土産にでもしたいところだが、部屋で飲んでしまう。

明日は宇都宮駅から快速電車で東京へ行き、品川発の特急『ひたち』で仙台に戻る行程だ。
また朝早いので、LRT缶とカップの焼酎をお湯割りにして飲んだらさっさと寝ます。


posted by pupupukaya at 23/12/09 | Comment(0) | 東日本の旅行記

仙台市内発一筆書きっぷの旅1〜宇都宮まで

 ◆ はじめに

10月初めに、JALで国内航空券タイムセールというキャンペーンをやっていたのを見つけ、あれこれ検索していたら札幌〜仙台間片道7,870円というのを見つけました。
往復で15,740円。思わずポチってしまったのです。

別に仙台に行きたかったわけではなく、行先は宇都宮
そう、今年(2023年)8月26日に開業した、あの宇都宮ライトレールに乗ってみたくて。

これはチャンスとばかりに仙台までの往復航空券を買ったわけですが、問題は仙台から宇都宮までどうやって行くか。

普通ならば新幹線の一択だろうし、仙台〜宇都宮間ならば片道1時間ちょっと。

だけど新幹線は高いなあ。
えきねっとのトクだ値10%OFFでも7,520円、往復ならば15,040円だ。
単純往復だけでこれだけの金額は馬鹿らしい気がします。

かといって普通列車だと片道5時間以上かかる。
青春18きっぷでもあれば別だけど、さすがに普通乗車券で5時間以上かけて移動する気にはなりませんね。

何かいい方法はないものかと時刻表を隅から隅まで眺めていたら、いい方法を思いつきました。

それは、仙台から新幹線で宇都宮へ行き途中下車。そこから今度は一旦東京へ出て、常磐線経由で仙台へ戻るというもの。
仙台〜宇都宮〜東京(日暮里)〜いわき〜仙台となる片道乗車券が成立します。

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 仙台〜宇都宮〜日暮里〜いわき〜仙台のルート。

というわけで、仙台市内発仙台市内行、一筆書き乗車券を購入してきました。
この辺の経緯や、きっぷの効力については前記事


を参照願います。

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 仙台市内発仙台市内行の乗車券。

2011年に起こった東日本大震災による被害と、福島第一原発事故の影響から長らく一部区間の不通が続いていた常磐線ですが、こちらも2020年3月に復旧し、特急『ひたち』の運転も再開されています。

全線運転が再開した『ひたち』にも再度乗ってみたいと思っていたところです。
こんなことでもないと、乗ることはまず無さそうなので、いい機会です。

宇都宮ライトレールと全線再開の『ひたち』、両方乗車できて一挙両得となった格好です。
行程は、宇都宮のホテルを予約して、1泊2日としました。

買うものは買って、予約するものは予約すれば、あとは天気が良いことと運行トラブルが無いことを祈って出発日を待つばかりです。

それでは旅行記本文どうぞ ↓ ↓ ↓ ↓



 ◆ 札幌 6:42 → 新千歳空港 7:20【エアポート64号】

飛行機に乗る日はいつも朝早い。
夜明け前の暗い道を歩いて地下鉄で札幌駅へ。

札幌6時42分発快速『エアポート64号』で、まずは新千歳空港へ向かう。

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 札幌を6時42分に出発。

車両はオールロングシートの733系電車。
座れず。

この時間帯は途中で降りる人も少ないだろうから、終点まで立ちっぱなしだろうな。
案の定というか、途中から乗ってくる人の方が多いくらいだった。

新千歳空港着は7時20分。

仙台行JAL2900便の出発時刻が7時50分なので30分前の到着だが、保安検査場を通って搭乗口に着いた時には既に事前改札が始まっていた。結構ギリギリだった。
余裕を持つなら、もう1本早い快速エアポートに乗る必要がありそうだ。


 ◆ 新千歳 7:50 → 仙台 9:00【JAL2900便】

飛行機に乗るのは今年3回目になる。
前々回は6月のフィンランド行、前回は丘珠から函館までの片道利用、今回は仙台である。

ここ10年以上前から毎年1回は飛行機に乗る機会があるし、年2回乗った年もあった。
でも、年3回乗るのは初めてじゃないかな。

対して北海道新幹線に乗ったのは、2016年に開業してからまだ3回しかない。
札幌から新幹線に乗るには新函館北斗駅まで行く必要があることから、まだまだ新幹線は縁遠い乗り物だ。
札幌に住む私にとっては、飛行機のほうが身近な乗り物ということになる。

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 新千歳空港からJAL2900便仙台行に搭乗。

予約・購入したときは座席は選び放題だったけれど、機内に入ると座席はほぼ埋まっている。
朝早い便とあってか、乗客の顔ぶれだけ見ればビジネス便。
窓からカメラを向けている人など私くらいなもの。

まあ、滅多にない出張で乗ってもカメラを外に向けてしまうんだけどね。
乗り物に乗ると、子供に戻ってしまうワタクシなのでありました。

7時40分、全員搭乗したということでドアが閉まって飛行機が動き出す。
10分早発ということになるが、もう乗ってくる人がいないので早く出るということらしい。
こちらも早く着く分にはありがたいことだ。

飛行機は新千歳空港を離陸すると苫小牧を見下ろしながら上昇を続けると一面雲となってしまった。
雲が途切れて再び下界が姿を現すと、一面真っ白の雪景色。

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 一面雪景色の十和田市上空から。

日本海側でも経由しているのかと思ったが、下に見えた市街は十和田市。
札幌でも新千歳空港でも見なかった雪を、こんなところで見るとは思いもしなかった。

新千歳空港を早発したせいもあってか、仙台空港には8時50分に着いた。こちらも10分の早着。
預け荷物はないのでそのまま出口へ。スタコラサッサと仙台空港駅を目指す。

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 仙台空港到着ロビー。


 ◆ 仙台空港 9:08 → 仙台 9:38【1315M】

仙台空港駅の改札口前に着いたのが9時00分。
ホームには9時08分発の仙台行電車が停車している。

飛行機の早発早着のおかげで1本早い電車に乗ることができたことになる。
この後の電車だと21分後になってしまい、仙台駅での乗り継ぎ時間が短くなるのでありがたいことだ。

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 仙台空港鉄道の仙台空港駅。

4両編成の電車は意外と混んでいて、先頭車両まで行くと空席があったので座ることができた。
これも意外だったのは車内の座席が4人ボックスシートだったこと。
ちょっと相席で座らせてもらう。

始発時はボックスに2人ほどだったが、途中駅で乗ってくる人が多く、どのボックスも満席になった。
ひと頃は東北地方の電車はロングシートばかりになってしまったが、仙台圏を中心にこうしたボックスシートの電車が増えているようだ。

札幌圏ではボックスシートなどほぼ消滅したし、新しい電車はひたすらロングシート化が進んでいる。
ボックスシートの気動車なんかがあっても、誰かが先に座っていると相席を敬遠してボックスシートを避ける傾向がある。

しかし、こちらの人はボックス席の相席にあまり躊躇しないようで、途中から乗った人も席が空いていればボックスシートに座る。
いいとか悪いとかではなく、電車文化の違いと思えば面白い。

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 仙台駅に到着。

1本前の電車に乗れたので、仙台駅の滞在時間が増えたことになる。
かといってどこかに行くほどの時間もないけれど。

駅の外に出て駅舎の撮影をして、また戻る。それくらい。
まあ、仙台駅はまた明日戻ってくるし。

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 新幹線と一体化した仙台駅の駅ビル。

3階新幹線コンコースの券売機で宇都宮までの自由席特急券を買う。
3,530円。
たかだか1時間ちょっとの乗車でずいぶん高いなあ。

新幹線改札口横に、ずんだ茶寮を見つけたのでカップ入りのずんだもちを買った。
ずんだ餅が食べたいなあと思っていたのでちょうど良かった。これは車内で食べる用。


 ◆ 仙台 10:14 → 宇都宮 11:31【やまびこ134号】

まだ10時前だが、ホームに行って新幹線でも眺めているかなと改札口を通る。
仙台市内→仙台市内の乗車券と、さっき買った自由席特急券を2枚重ねて改札機に投入すれば、一筆書きっぷのスタート。

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 仙台駅新幹線南口改札から一筆書きっぷのスタート。

新幹線ホームに上がると、結構な人だかりだった。
結構混んでいそうだなと思ったが、これは先に出る『はやぶさ12号』の客のようだ。

自由席の乗車口に向かう途中に駅弁屋があったので1つ買うことにした。
一番安いやつでいいやと思ったが、どれも千円以上する。

仙台味噌仕立て牛たん弁当というのを1つ買った。
1,180円、駅弁もいい値段がするようになったね。

かといって節約旅行というわけでもないので、食べるべきものはしっかりと食べたいものだ。

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 仙台駅新幹線ホーム。左は東京行きE5系はやぶさ12号。

隣の14番線ホームからは『はやぶさ12号』が発車する。
臨時列車なのだが結構な乗車率だった。

新函館北斗駅で見るはやぶさ号はいつもガラガラだが、上り列車に乗ってみると盛岡や仙台あたりから混んでくる。
仙台〜東京間はやまびこ号もあるのだが、これだと東京まで2時間以上かかるのに対し、はやぶさ号ならば1時間30分台。
新幹線の客に、30分も余計に時間がかかる列車に乗るような暇な人は少ないのだろう。

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 13番線にE5系やまびこ134号が入線。

こちら『やまびこ134号』の乗車口にも、今発車した『はやぶさ12号』からの乗り換え客が加わって行列となった。
と言っても、各5〜6人。
仙台始発なので、入線した列車に乗ってしまえば、車内はガラガラだった。

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 はやぶさと同じE5系やまびこの座席。

車両も座席も全車指定のはやぶさ号と一緒。
だけどみんな速い列車で行きたがるので、私のような急がない人はゆったりと旅行ができるのだ。

周りに人がいないので駅弁タイムにはもってこい。
さっそくテーブルに駅弁とデザートのずんだ餅を並べる。

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 仙台味噌仕立て牛たん弁当とカップ入りのずんだもち。

駅弁とビールといきたかったけど、今日は金曜日。
私は休みをいただいているけれど、会社の方々は働いておられるので、ドリンクは自販機で買ったお茶にした。

最近増えてきた上げ底タイプの容器は気に入らないが、冷めていてもおいしいのはやはり駅弁ならでは。
やっぱりビールを買えば良かったかなと思ったが、いや今日は昼は飲まない。

デザートはずんだ餅。
最近ネット動画で、ずんだもんなるキャラクターをやたらと目にするようになって、無性にずんだ餅が食べたいと思っていた。

ボクはずんだもんなのだ!
枝豆の風味とやさしい甘さなのだ!
ずんだにはやっぱり緑茶なのだ!

完全にネット動画の見すぎだな・・・

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 『やまびこ』とて最高速度は『はやぶさ』と同じ320km/h。

速度計アプリを立ち上げて窓に立てかけておいたスマホが315km/hを表示した。
やまびこ号ながら車両ははやぶさ号と同じE5系だし、最高速度はどちらも320km/h。

新幹線もいつの間にか300km/h時代になっていたのだった。

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 郡山駅を発車するやまびこ55号。奥は郡山始発なすの274号。どちらもE5系。

福島では4分停車。
この間に、後発の『はやぶさ108号』が通過して追い抜く。

その次の郡山でもまた4分停車。
こんどは『はやぶさ14号』が通過して追い抜く。

E5系はやぶさがE5系やまびこを追い抜く。

通過線を挟んだ向かい側に停車している列車もE5系。
いつの間にか東北新幹線もE5系ばかりになってしまったんだねえ。

福島・郡山と乗ってくる人もいたが、車内は依然として空いている。

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 山頂が白くなった那須岳を見る(新白河付近)。

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 宇都宮駅に到着。

11時31分宇都宮到着。
時刻表では11:35発となっているが、これは4分停車のため。

札幌発6時42分発快速エアポートで出発してから宇都宮まで、乗換え3回、所要4時間49分

いやあ遠かった。
ちなみにこれが羽田空港経由だとしても時間はほぼ変わらない。

現在建設が進んでいる北海道新幹線札幌開業が実現して、はやぶさ格の列車が宇都宮に停車するとしたら、札幌〜宇都宮間の所要時間は4時間10分台てところだろう。最速ならば4時間を切るかもしれない。

北海道新幹線といえばとかく東京〜札幌間の所要時間ばかりが話題になり、札幌まで伸びても飛行機の敵にはならないということにされているが、北関東〜札幌間ならば新幹線は大アリだと思うのよ。

北海道庁もJR北海道も、こういった所をもっとPRすればいいと思うんだよね。
もっとも、はやぶさ格列車の宇都宮停車は、JR東日本が渋っているらしいですが・・・


posted by pupupukaya at 23/12/06 | Comment(0) | 東日本の旅行記

2011年急行はまなすとはやぶさ号旅行記

2020年GW真っ最中ですが、新型コロナウイルスによる外出および旅行の自粛により、せめて旅行気分を思い出そうと過去の画像から旅行記を作成しています。
今回は2011年、前回の記事2007年と同様に急行『はまなす』で札幌を夜に出発し、新幹線に乗り継いで東京まで行った時の旅行記になります。



2010年12月に東北新幹線が新青森まで延伸開業した。ただ、ダイヤ的には従来の『はやて』を延長しただけで、急行『はまなす』乗り継ぎでは下りが東京発の時刻が1時間繰り下がったが、上り東京行のダイヤは変化がなかった。
それが2011年3月5日のダイヤ改正は新たに『はやぶさ』号が登場することとなる。最高速度300km/hで東京〜新青森間の所要時間が3時間10分にまで短縮されることになる。
新設される2往復のうち上り1本は『はまなす』との接続列車となり、今まで東京着が9:51→9:24着と大幅に早くなるのだった。

『はまなす』を愛用してきた私にとって、そんな画期的なダイヤと新たに走り始めた『はやぶさ』号に乗ってみたいと思っていた。しかし、その1週間後に東北地方は未曽有の大災害が襲うことになり、鉄道を含め交通網は寸断することになる。

 ★  ★  ★

今年(2011年)の3.11以来、日本中が暗いムードだったのだが、GW頃には明るさを取り戻すようになっていた。この頃には東北新幹線も全線復旧、被災地ではまだまだ大変な状況が続いていたが、それ以外の地では普通の生活に戻っていた。
それとは無関係だが、この年は自分にとっては厄年のような1年だったと後になって思うようになった。

重い足枷がようやく軽くなりかけていた頃ではないかと思う。私は何を思ったか、9月の末に旅行をしている。
いままでずっと、旅行に出るたびにホームページに旅行記をアップしていたが、この頃はそんなモチベーションもすっかり失われていて画像以外に記録が残っていないのだった。

出発日は9/30、きっぷの購入日は9/26となっており、週末に突然思い立っての旅行ではなかったようだが、この年の9/23から東北新幹線の全線で速度規制が解除され、震災前の通常ダイヤに戻ったことを知って、同年の3月から東京〜新青森間に登場した『はやぶさ』号に乗りたいと思って駅にきっぷを買いに行ったのだろう。

札幌から東京までの行程は以下のようになる。

9/30 札幌 22:00【はまなす】翌5:40 青森
10/1 青森 5:46【つがる2】5:51 新青森
 〃  新青森 6:10【はやぶさ】9:24 東京

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今回使用したきっぷは『東京往復割引きっぷ14,500円。2010年に札幌・東京フリーきっぷ』に代わって発売開始になった。乗車券のみの効力で、特急券等は別に買うことになるが、行きを『はまなす』(自由席)→『はやぶさ』、帰りを『はやて』→『はまなす』(自由席)とすると28,760円となり、かつての『札幌・東京フリーきっぷ』29,500円よりも安くなることになった。
逆に『北斗星』等を利用する場合は寝台券のほか、青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道の運賃・料金が別途必要になるために、かなりの値上がりとなっている。

3月以来念願だった『はやぶさ』の乗車と、早くなった東京着の旅に出発する日となった。

 ★  ★  ★

2011年9月30日(金)

金曜日に仕事を終えた後、自宅に戻って支度をしてから乗車できる夜行列車はありがたい存在だ。
今日もいつものように夜の札幌駅へやってきた。自由席の夜行で旅立つことができるのは、この『はまなす』が唯一の列車となって久しい。

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金曜で月末の夜とあって、どのホームも人が多い。
それに反するかのように急行『はまなす』の発車する5番ホームは乗車口の前で並ぶ人も少なく別世界のようだ。
21:40近くなって列車がゆっくりと入線する。ドアが開いた車内に乗客たちが乗り込むとホームは閑散としてしまう。
キヨスクもそば店もすでにシャッターが閉まっている。駅弁の立売もいない。人影の消えたホームに客車のディーゼルエンジンの音だけが響く。

昼間の特急が表玄関とすると、こちらは裏玄関。人知れずひっそりと旅立つような佇まいに旅情を感じるのは私だけだろうか。

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『はまなす』で使用されるこの客車は1972年の製造だから走り続けて38年になる。最初は本州で走り始め、80年代初めに北海道に渡ってきた車両だ。
その際に折り戸を引き戸に変更するなどの改造を受けている。以来道内夜行列車や昼間の急行『ニセコ』『宗谷』『天北』といった列車にも使われた。
道内の過酷な気候の中で走り続けたせいか、車体の凹凸が目立つ。
2015年末を予定している北海道新幹線開業時に廃止・廃車となることは確実だ。

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発車20分前の車内はこの通り。
東室蘭までは特急すずらん系統の最終列車としての役割があるので発車時刻が近づけばもう少し乗ってくるのだろうが、シーズン以外の乗車率は大体こんなものである。

前の座席を回転させてボックスシートにする。深くリクライニングするドリームカーもいいけど、空いていればこちらの方が快適。足も延ばせるしね。

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発車したらまず1杯。
いつもは乗る前にビールやワンカップを仕入れてくるが、今夜はウイスキーをスキットルに入れて持ってきた。売店で買った水をチェーサーに交互に飲む。

快速『ミッドナイト』時代はウイスキーの小瓶を愛用していた。がら空きのボックスシートの自由席、車両はキハ56だった。タバコの煙をプハ〜〜〜。懐かしいね。タバコはもう吸いたいとは思わないが。

東室蘭を出たあたりで身体をくの字にして、カバンとひじ掛けを枕にして就寝体制。昼間は働いていたのでこんな姿勢でもすぐに眠れる。ガタンゴトン・・・とレールの響き。
特別な時間が過ぎてゆく。

 ★  ★  ★

2011年10月1日(土)

気づくと夜が明けていた。

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青函トンネルを抜け、車窓には陸奥湾が見えている。
目覚めると遠い地に運ばれている。夜行列車というものは、いつ乗ってもいいものだ。

やがて到着案内放送が流れ、各地への接続列車を聞くともうすぐ終点青森である。

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青森到着。
ここから東北線で八戸や新幹線方面に向かう人、奥羽線の弘前・秋田方面に向かう人が分かれることになってたのだが、今は新幹線に乗る人も奥羽線の特急に向かうことになる。秋田行の特急『つがる』が新青森までの接続列車となったからだ。

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ひと駅だけだが特急つがる2号で新青森へ。車内は立ち客がいるほど混んでいた。
『はまなす』を新青森まで延長すれば乗り換えが解消できるが、電車列車の『白鳥』と違い機回しの必要もあることから実現は難しいだろう。
せめて同じホーム同士で乗り継げるように改善してくれれば乗り換えも楽になるのだが。

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立っていても新青森まではわずか5分。
この駅に来たのは今年で2回目になるが、前回は在来線同士の乗り換えだった。

階段を登ってから折れ曲がった通路を歩く。何だかわかりにくい駅だなという印象を持った。

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乗り換え時間は22分。駅そばを食べるくらいの余裕はある。
そばにしようか駅弁を買おうか迷ったが、結局駅弁を買った。

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9月23日から通常ダイヤに戻ることを告げた横断幕。
世の中もだんだん震災前に戻りつつある。

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1日2往復の運行を始めた『はやぶさ』号。そのうち1本だけだが、『はまなす』の接続となったのはありがたい。

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E5系車両の先頭写真。
新幹線と言えばそれまで白を基調としたデザインだったが、こちらはグリーンを基調としたデザイン。
新幹線も新時代になったのだなと思わせる。

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隼をモチーフとしたロゴマーク。

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指定席の車内はこの通り。
この先、盛岡、仙台といった大量乗車駅が控えているので、始発駅での乗車率はこんなものなのだろう。

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新青森→東京の新幹線特急券。

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車内はすいているので快適ではある。
駅弁とビールで朝から1杯飲(や)らせてもらう。
休日の鉄道旅行だけの特権である。
コンコースの売店で買ってきたのは『しゃけいくら釜めし』。イクラと鮭の親子のコンビはこれぞ秋の味覚。

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新幹線の新線区間というのはトンネルばかりでつまらない。
長いトンネルを抜けるとすぐに高架橋。高い防音壁が続くので眺めも良くならず。
新幹線というのは本当に移動のための手段だと思う。

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思った通り仙台でたくさん乗ってきた。ここで車内の乗客も倍くらいに増えたのではというくらいだ。それでも席には余裕がある。平日ならばもっとたくさん乗ってくるのだろう。仙台発7:49で所要時間1時間35分はいかにもビジネス向けというダイヤだ。この4号が『はまなす』の接続を持ったのはたまたまで、実は仙台〜東京間のビジネス需要のために設定されたのではという気がする。

旅情あふれる夜行急行も遠くなり、ここまで来れば東京圏の通勤電車の空気が漂い始める。

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東京着、9時24分

札幌を夜22時に出発して、翌午前9時半前には東京駅に立っているのだ。所要時間にして11時間24分。
2回の乗り換えが煩わしいが、ダイヤだけ見れば普通に使えるルートではないか。

飛行機でも朝イチの千歳発に乗っても羽田着は9:05となる。そこから移動時間を考えるとわずかだが鉄道の方が『早い』ことになる。
東京往復割引きっぷを使えば往復でも3万円以内、安く上げたい旅行や急な所要などでも十分に使える。

ついに札幌〜東京間でも飛行機と互角に戦えるようになったんだなと思った。
だが、そう思ったのは私が鉄道ファンだからであって、JRとしても特に宣伝していると言い難く、一般に知られているわけでもない。また、夜行の座席利用など、一般人からすれば敬遠されるのはよくわかる。

新幹線の開業や新列車ばかり華々しく報道されるが、急行『はまなす』も人知れず進化しているのだった。
参考までに下りの『はやて』→『はまなす』利用の東京〜札幌間の乗り継ぎダイヤも上げておく。
(2011年10月現在)

東京 18:56【はやて】22:24 新青森
新青森 22:34【普通】22:40 青森
青森 22:42【はまなす】6:07 札幌

 ★  ★  ★

東京着時刻は、のちに『はやぶさ』スピードアップにより、東京着は1分早まって9:23分着となっている。

しかし、この画期的なダイヤは、あまり知られることもなかったようで、世間はともかく、鉄道ファンの間でも日の目を見ることはなかったようである。
私自身、このダイヤを利用したのは今回の1度だけであった。

2016年3月26日の北海道新幹線開業のダイヤ改正に先立つ同年3月20日、急行『はまなす』の終焉とともに姿を消すことになる。

2020年現在、2030年度の開業を目指して北海道新幹線札幌延伸工事が進められている。
『はやぶさ』号の最高速度320km/hからさらに360km/hに引き上げ、東京〜札幌間4時間半を目指す取り組みも始まっている。

10年後の札幌延伸ダイヤがどのようになるのかはわからない。
しかし、少なくとも東京駅に9時台に着くレコード(記録)が破られることは無いと思われる。

飛行機よりも東京に着く画期的な『はまなす』→『はやぶさ』の乗り継ぎダイヤ。北海道新幹線開業の陰に隠れてひっそりと消えて行った。

でもそんな韋駄天ぶりを私は忘れない。

急行『はまなす』の旅情と合わせて、この画期的なダイヤを記録に残すべく当ブログ記事とさせていただく。

おわり

posted by pupupukaya at 20/05/03 | Comment(0) | 東日本の旅行記

2007年急行はまなすと東北新幹線旅行記3

丸2日間の鉄博や京急乗車を楽しんで、今度は帰り行程になる。

12/24 東京 17:56【はやて29号】20:59 八戸
 〃  八戸 21:18【つがる29号】22:18 青森
 〃  青森 22:45【はまなす】翌6:07 札幌

2002年の東北新幹線八戸開業時に、はまなす乗り継ぎダイヤは上りは劇的に改善したが、下りのダイヤはほとんど恩恵を受けなかった。東京発が17:56というのは盛岡時代から変わっていない。青森到着が早まったことで、『はまなす』の青森発時刻が繰り上がったため、札幌着が6:18→6:07になったくらい。
次のはやて31号に接続となると青森発を23:40以降にせねばならず、それは見送られたのだろう。

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丸の内駅舎はどこも工事が始まっていた。新幹線東京延伸からホーム増設工事、こんどは駅舎復元工事である。
いつも工事ばかりやっている印象の駅だが、これが完成したら落ち着くんだろうか。
丸の内側だけでなく八重洲側も絶賛工事中で、前に来た時とは様変わりしていた。

しかしいくら改造工事をしたところで丸の内←→八重洲の行き来が不便なのは変わらないんだろうな。

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17時台の東北新幹線ホームは発車ラッシュ。東北・上越・長野新幹線の臨時列車も入れれば17時台だけで11本もの列車が東京駅を発車する。
どの列車も折り返し時間は12分。乗客を降ろし、車内清掃をして、新たな乗客を乗せ発車。これを12分でやるのだから大変だ。

しかも折り返し列車も、はやて号が到着したら再びはやて号として折り返すのでもないようで、複雑な運用になっているみたいだ。複雑なダイヤを読み解くのは趣味的には面白いのだろうが、旅立ち前のワクワク感とか旅情とかをここで感じるのは難しい。

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早めにホームに来ていたので、1本前のやまびこ63号が停車していた。
慣れない人が東京駅に来たら間違えて乗りそうだな。車両もはやてと同じだし。

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到着して車内清掃が終わり乗車開始となったのは発車3分くらい前だった。全く慌ただしい。

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連休最終日の下り列車ということもあってか、指定された席は3人掛けの通路側だった。隣と窓側の人はいない。
全車指定席のはずだが、発車してもデッキに立っている人は何だろう。
次の上野でも結構乗ってきて、窓側の席にも人がやってきた。
デッキの人たちは大宮で降りて行った。自由席の客だったのか?

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大宮でも隣の真ん中席は空いたままだったので、駅弁とビールを取り出して夕食にする。
ホームの売店で買ってきたのはチキン弁当。ビールは奮発してプレモル。

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鶏のから揚げとケチャップ味のチキンライスというシンプルな弁当。
天皇陛下も好物とされているようで、新幹線に乗るときはこれを召し上がることもあるのだとか。

このチキン弁当、見た目は子供向けのようだが、これがビールと合うのだ。
隣は空席だし、次は仙台まで停まらない。しばし晩酌タイムとさせてもらう。

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仙台あたりでだいぶ席が空くのかと思ったが、意外と八戸まで行く人が多かった。
連休を東京で過ごした人たちなのだろう。自分もこの中の1人だが。

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八戸からは在来線、つがる29号に乗り継ぎとなる。
新幹線から乗り継ぐ人も多かった。青森の人ならば新幹線の延伸開業が待ち遠しいところだろう。

コンコースの売店が開いていたので、また駅弁とお酒をかってきた。

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さっきチキン弁当を食べたので軽いものをと選んだのがいかめし。
青森まで1時間で着くので、発車前からワンカップで1杯やっていたら、隣の通路側席に客がやってきた。
わずか1時間の特急で指定席の客など少ないと思っていたが、指定席も意外と混んでいた。
だいぶ窮屈になったが仕方がない。これも隣人とて同じことだ。

ところが隣人は次の三沢で降りて行った。
たった1駅24分で指定席にするか?と思ったが、同じ車両からも三沢で降りる人が何人かいた。
きっと東京までの企画乗車券の所持者だろうな。東京まで指定席で往復でというものだろう。

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青森着。ここからは急行はまなすの客となる。
跨線橋から見ると『はまなす』はすでに入線していた。
青い客車を連ねて静かに乗客を待つ姿はどことなく貫禄があり、頼もしさも感じる。旅というものはこうでなくては。

東京からここまではドタバタして、通勤電車の延長でしかないように感じた。

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ホームに下りるとはまなすの車内は空席だらけ。
つがる29号の乗客の大部分が青森までで、『はまなす』のホームは今着いた人たちがパラパラとホームに下りてくるだけ。
寂しい発車前のホームだ。

新潟からの特急いなほ7号も到着済みだし、これが今夜の『はまなす』の客のすべてということになる。
道理でいつもは人気で満席のことが多いカーペットカーの指定券が取れたはずだ。

いつも青森駅を通り過ぎるときに感じていたが、八戸から函館方面へ直通する列車でも、乗客の大部分は青森で入れ替わる。
ここ青森を境に人の流れが変わるということで、1つは東京へ、もう1つは札幌へとの流れだ。帰省ラッシュも基本的にこの流れとなる。これは青函連絡船時代から言われていたことだ。
青函トンネルで陸続きになって久しいが、津軽海峡には相変わらず見えない壁が立ちはだかっている。

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『はまなす』の客のためにホームの売店も営業中。

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正式には『のびのびカーペットカー』と呼ぶ。
もともとは座席車のオハ14を改造した車両。

カーペットカーは快速『ミッドナイト』で2回ほど利用したことがある。お酒が飲みずらいというのはあったが、やはり横になるのと座席で行くのとは疲れ方が全然違うものだった。
夜行ではないが、快速『海峡』にも1両連結されていて、『ミッドナイト』のボックスシートで1晩過ごしてから函館で乗り継いだ『海峡』のカーペットカーで横になり、青森まで体を伸ばして眠ったものだった。

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2段になっているカーペットカー。1階席は枕木方向に、2階席はレール方向に横になる構造。

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2階席は半個室のような構造になっている。
しかし、階段を挟んで2席が向かい合っている格好なので、横になっていればともかく、起きていると隣の客と向かい合わせということになる。

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1席ずつ電気カーペットが備わっていた。床にじかに寝ていると相当冷えるのだろうか。

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一応仕切りカーテンはあるが、身体の半分くらいまでが隠れる格好。座ってみると、隣人の足元は丸見え。
それでも横になれるのはありがたい。座席車ならば、前の席と向かい合わせにしても身体をくの字に曲げて横になるのが精いっぱいだ。
これが指定席料金の510円で利用できるのだから大サービスといえる。これが同じ列車に付いているB寝台車だと6,300円。完全に隠れるカーテンと浴衣付きの違いはあるものの、横になることには変わりない。

このカーペットカーも、床からの振動が気になるとかで嫌う人もいるようで、夜行だから横になりたいという人ばかりでもないようだ。

このカーペットカーは、定員が25人とB寝台車よりも少ない(B寝台は32人)。それで追加料金が510円しか取れないのだから不経済この上ない車両ということになる。寝台車に代わる車両となることは無いだろうな。

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 ※上画像は札幌駅に到着後に撮影したもの。

明日札幌に着いたらそのまま出社なので、お酒もそこそこに横になる。
旅の疲れもあるのか、横になったら終点札幌までぐっすり眠れた。


2007年12月25日(火)

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終点札幌に到着。
一旦自宅に戻ってからまた出勤となる。
大変だが、さほどお金もかからずに行ってみたかった鉄道博物館に行けたので満足だ。
嫌なこともだいぶ吹っ切れた気がする。

道内夜行は残念なことに無くなってしまったが、本州方面の夜行は健在だ。
また突然どこかへ行きたくなったら『はまなす』や『北斗星』の世話になることにしよう。

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 おまけ・・・チキン弁当に付いていた雪だるまチョコレート。

おわり

posted by pupupukaya at 20/05/02 | Comment(0) | 東日本の旅行記

2007年急行はまなすと東北新幹線旅行記2

昨日の夜に札幌を出発して午前中に東京駅に着いた。
まずは今回一番の目的だった鉄道博物館へと向かう。

札幌からのきっぷは、首都圏内のJR線が乗り放題となる東京フリーきっぷが付いており、大抵の所はタダで移動できるので、それを考えたら結構お得なきっぷでもある。

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東京駅丸の内駅舎の工事がはじまり、今の形の駅舎がなくなるというので見に行った。もうすでに工事の板で囲われていた。
戦時中に空襲で焼けたのを復興したのが現在の建物で、それを戦前の本来の姿に復元する工事だという。
個人的には今の形状も悪くは無いと思っていたが、これが完成したら、また見に来なきゃならないな。

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東京から大宮にある鉄道博物館まで京浜東北線とニューシャトルを乗り継いで行く。

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ニューシャトルの鉄道博物館駅直結。

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鉄道博物館の入場口は自動改札機が並んでいる。ICカード専用で、スイカを持っている人はそのままタッチして通れる。
私は持っていないので券売機で入館カードを買う。大人1枚1,000円。

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吹き抜けの2階からターンテーブルと展示車両を見下ろす。
今年(2007年)の10月にオープンしたばかりの連休とあって混んでいる。
この手の施設はどこもそうだが、子供連れが多い。

もともとは万世橋にあった交通博物館を2006に閉館、それを移転する格好で鉄道博物館としてオープンしたものだ。
交通博物館時代にも1度行ったことがあるが、写真も撮らなかったこともあってそっちのことは覚えていない。

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どこもかしこも人だらけだが、ターンテーブルが回転する時間というのがあって、その時間になると人がそっちに集まる。
その隙に展示車両に乗って写真を撮る。

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館内はどこも薄暗いのでどの画像もピンボケだったりブレていたり、イライラするものばかり。
持っているのはそんなに高くないコンパクトデジカメなのでこんなものか。

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食堂車のメニューを再現したとかで話題になった食堂。ここも食券売り場は大行列だった。
弁当の売店も土産物売り場も行列、どこもかしこも行列だった。
みんな忍耐強いのかなあ、こっちに来て思うのは、とにかく並んで長時間待つことに慣れている人が多いということ。
私は並ぶことに慣れていないので、ここでの食事はあきらめた。

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メニューのサンプルだけ撮影しておく。

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巨大なジオラマもある。線路や電車だけでなく、町も細部まで精巧に作ってある。
好きだなあこういうの。いつまでも眺めていたい。
ここも子供ばかりだったが。

午前中に着いて、あちこち全部見て回ったら5時間も経っていた。もうそろそろ引き上げることにする。

この日はどこで泊まったのか覚えていない。たぶん新宿のカプセルホテルに泊まったのだろう。


2007年12月24日(月)

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朝、山手線の原宿で降り、明治神宮へ。
朝靄の参道を歩いて参拝してきた。朝早いので人もほとんどいないのが気持ちよい。昨日と違って今日は天気になりそうだ。

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原宿駅と山手線の電車。

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原宿からは品川へ行く。
京浜急行電車に乗って見たかったからだ。

快特を1本見送って、一番前の展望席に座る。ここで終点の三崎口まで行く。
噂には聞いていたが、横浜までの120km/h運転はなかなかスリリングだった。

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ウテシの肩越しだが、前面展望を楽しむ。
JRばかりでなく、私鉄電車に乗るのも結構好きだ。

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終点の三崎口駅。駅前にあった立ち食いそば屋で食べてからまた引き返す。
帰りは普通の席で。京急はロングシートではなく転換クロスシートなので車窓が楽しめる。

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東京フリーきっぷを持っているので、久里浜からJR横須賀線に乗れば電車賃を節約できるのだが、終点の品川まで乗り通した。
横浜からJR東海道線電車との並走を期待したが、残念ながら見られなかった。

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品川からどこを通って行ったかは忘れたが、最後は上野へ行った。
新宿や渋谷のような若者が多い街はどうも馴染めず、結局なぜか上野へ行ってしまう。

着飾ったおしゃれな所よりも、こうした飾り気のない所の方が性に合うのだった。

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ガード下で昼間からやってる居酒屋で1杯やって、アメ横をブラブラ歩く。

90年代初め頃、周遊券で旅行して札幌に戻るため、急行『八甲田』に何度か乗ったことがある。時間つぶしのためこの辺りをブラブラしていた。
上野駅は見違えるように綺麗になったが、駅前のガード下あたりの雰囲気はほとんど変わっていない。

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パインの串刺しも相変わらず。

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チョコレートのたたき売り。
「ハイ!おまけおまけ〜!」と言いながら売り子のおっちゃんがいくつもの菓子袋を重ねる。

急行八甲田は上野発21時45分だった。夕方くらいに上野駅に着いて、8時過ぎくらいまでずっと駅周辺をウロウロしていた。
あのころはなぜかイラン人が駅の入口に立っていて怖かったなあ。偽造テレカを売っているとかいう話を聞いたが、今はすっかり見なくなった。あの人たちは一体なんだったんだろう。

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上野駅は外観こそ昔のままだが、中はテナントビルになってしまった。
新幹線は東京始発となって久しく、上野駅始発の長距離列車も年々減って、すっかり電車駅という格好になった。
新幹線は上野から乗ってもいいのだが、どうせなら始発から乗りたいので東京駅へ戻る。


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posted by pupupukaya at 20/05/02 | Comment(0) | 東日本の旅行記

2007年急行はまなすと東北新幹線旅行記1

◆ この旅行記は新型コロナウイルスによる外出・旅行自粛のため、筆者が家で旅行気分になるために作成しました。
今は2020年ですが、当時の画像と記憶をもとに、2007年当時の視点で書き起こしたものです。記憶違いなどがあるかもしれませんがご容赦ください。



12月22(土)、23(日)、24(月)の3日間は天皇誕生日の振り替え休日があって3連休だった。
今年はどういうわけかあまり旅行しておらず、お金も少し貯まっていた。だからというわけではないが、この年最後の連休でどこかへ行きたくなった。

急行はまなすで札幌を22:00に出発すれば、青森と八戸で乗り換え、東北新幹線『はやて』に乗り継げば東京には午前中に着ける。
東北新幹線は2002年に八戸まで延伸開業し、同時に『はやて』号が登場した。途中盛岡、仙台のみ停車の最速の列車が朝一番の2号に充てられたため、何と午前10時前の9:51東京に着くのだった。
新幹線が盛岡までだった頃は、『はまなす』で出発しても東京着は11時を過ぎていたので、八戸延伸と『はやて』の効果は大きい。

もう1つは『札幌・東京フリーきっぷ29,500円の存在。これは特急と東北新幹線の乗継か、北斗星等のB寝台を選択できる。飛行機の早割などと比べると安くはないだろうが、飛行機ならばかなり前に購入する必要があるのに対し、こちらは直前でも値段は変わらない。

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『北斗星』でとも考えたが、もう年末にさしかかっているし、あまり混んでいる列車に長時間乗るのもつらい。それに、新しくできた東北新幹線の盛岡〜八戸間と『はやて』乗って見たいというのもあって、往復『はまなす』としたのだった。

東京では、今年の秋に埼玉にできた鉄道博物館に行きたい。せっかくなので、あれこれ行きたいところもあるので、東京で1泊し、24日の夕方初の『はやて』で向こうを出て再び『はまなす』で札幌に戻ることにした。連休明けの25日早朝に札幌着となるので、そのまま出社ということになる。

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というわけで22日土曜日の夜、札幌駅へ。きっぷは昼のうちに買っておいた。必要な指定券もまとめて揃えておいた。
札幌から東京までの乗継ぎスケジュールは以下のようになる。

12/22 札幌 22:00【はまなす】5:35 青森
12/23 青森 5:52【つがる2号】6:48 八戸
 〃  八戸 6:55【はやて2号】9:51 東京

急行はまなすは指定席ドリームカー、『つがる』と『はやて』は普通車指定席の利用となる。
帰りのはまなすはカーペットカーにした。これについては後述します。

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昨日の夜ならば忘年会シーズンでこの時間でも人がたくさんいるのだろうが、土曜日の夜とあっては人も少ない。
はまなすの自由席を待つ人の列もそれほど多くない。まだ帰省シーズンには早いのと、苫小牧や室蘭方面の客は21:34発の特急すずらん10号利用のためだろう。

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21時40分頃『はまなす』入線。凸型のDD51機関車が先頭にやってくる。
多客期はこれ単機で12両もの客車をけん引するのだから頼もしい。

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14系客車の青に白線の車体、ホームに響くディーゼルエンジンの唸り、急行の文字がこれから乗る夜行列車の旅情をかきたてる。

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この日の編成は、B寝台車が1両増結の8両編成だった。

この急行はまなすが登場した当初は座席車の指定席と自由席だけの編成だった。
それが寝台車がつくようになり、指定席車はドリームカーとなり、カーペットカーがつくようになり、JR化後に登場した急行列車でこれだけ出世した列車もほかにないのではなかろうか。

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5号車と6号車の指定席『ドリームカー』には談話室も設けられている。

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ドリームカーのシートは特急183系のグリーン車からの発生品が並ぶ。
元々は急行『まりも』で使用されていた客車。同列車の特急格上げ、気動車化に伴って『はまなす』に回ってきた。
また、かつては昼間の運用間合いで、快速『海峡』の一部の列車で使用されていたこともある。

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元々グリーン車の座席だけあって座り心地は抜群。背ずりも145度まで傾斜する。

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ひっくり返すとじゅうたんが張ってある足置き。

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車内は5割に満たないほどの乗車率。
混んでいるわけでもなく、ガラガラというほどでもなく、程よいくらいの乗り。

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旅のお供に乗る前に買ってきたビールとつまみで1杯やる。
夜行列車では寝る前のこのひとときが楽しい。

流れる夜景を見ながらお酒をチビチビやっているとトロ〜ンとなってくる。
外の世界のことも、昼間の嫌な出来事もここでは関係ない。ここは夜行列車に身をまかせる異次元空間なのだ。


2007年12月24日

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翌朝青森到着。朝5:35着は寝台車ならばもう少し寝ていたいところだが、座席車の客ならばやれやれやっと着いたかといったところ。

青森では、接続する東北線特急と奥羽線特急も朝早い
これは青函連絡船の深夜便が函館を午前0時過ぎに出港し、青森に4時台に着いて上野行特急『はつかり』『みちのく』、大阪行特急『白鳥』に接続していた頃の名残りなのである。
その連絡船の深夜便に函館側で接続していたのが『おおぞら』『北海』といった特急だった。

急行『はまなす』は、その由緒あるスジを今に受け継ぐ列車なのだった。

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早朝の乗り換えは煩わしいが、それだけ早く目的地に着けるということでもある。
帰省シーズンともなれば跨線橋は各列車に乗り継ぐ人たちであふれる。

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青森からは特急つがる2号に乗り継ぐ。
最高速度130km/hで、当初は盛岡〜青森間『スーパーはつかり』として運転を開始した車両。新幹線八戸延伸に先立って登場した。

新幹線八戸開業時にそれまで『はつかり』だった列車名を八戸〜青森・弘前系統を『つがる』、函館行の系統は『白鳥』『スーパー白鳥』と分けている。

もともと『津軽』は上野〜青森間を奥羽本線経由で結ぶ夜行急行の列車名だった。由緒ある名前が本来の地で復活したことになる。

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急行はまなすを受けて最速のはやて号に接続する特急だが、車内はがら空きだった。
八戸までの所要時間は56分。6両編成のうち3両が自由席。完全に新幹線のシャトル列車といった位置づけだ。

八戸には2分遅れての到着となった。
たった2分と思われるだろうが、八戸でのはやて2号への乗り継ぎ時間が定刻でも7分しかなく、新幹線を遅らせると盛岡での『こまち』との併結にも影響が出るし、仙台や福島からは『やまびこ』や『つばさ』といった列車と抜きつ抜かれつとなり、大宮からは上越新幹線や長野新幹線と合流、東京駅ではそれらの列車を2面4線で折り返し発車させなければならず、この先はもうギチギチのダイヤなのだ。

八戸駅の乗り換え改札の自動改札機はすべて解放され、フリーで通れるようにされていた。これで少しでも新幹線の遅れを食い止めようというものだ。それでも通りかかった売店で駅弁を買う余裕はあった。

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階段を下りると指定された10号車はホームの一番端。それでも何とか乗り込んで、ほぼ定時刻の発車となった。
車内はこれも空いていた。

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青森からずっと慌ただしかった気がするが、ようやく八戸駅で買った駅弁で朝食とする。
イクラと蒸しウニ、まぐろのタタキが乗った『青森ぜいたく三昧』は朝から1杯やりたくなるほど豪勢だった。
しかし今日はお茶にしておく。

八戸から盛岡までは初乗車の区間となる。
しかしずっとトンネルばかり。窓の外を眺めていても楽しいものではない。
ようやく視界が開けてきたかと思ったらもうすぐ盛岡だった。

ここでは6分停車となる。秋田から来る『こまち』と連結するためだ。
ホームへ出て、連結作業を見ることにした。

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やがて『こまち』がゆっくり同じホームに進入してきて一旦停止。駅員がトランシーバーで誘導しながらゆっくりと進んでドッキング。これでおわり。

盛岡ではこっちの『はやて』も後ろの『こまち』も乗る人は少なかった。

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盛岡からはトンネル区間も少なくなり、車窓を眺めることができるようになる。
空は曇っていて薄暗く、寒々とした感じ。
ここからは最高275km/hとなり、線路や高架橋だけはものすごい勢いですっ飛んで行く。
眺めていると何だか疲れてくる。

次の仙台では、ホームにこれでもかというほど長蛇の列ができていた。
東京まで『やまびこ』ならば2時間以上、こちら『はやて』ならば1時間36分で着くのでは、そりゃこっちの方が人気だろうなあ。
東北新幹線は東京〜仙台間の旅客で持っているということになる。

仙台で乗ってきた人で車内の座席はほぼ埋まったが、隣の席は空いたままだった。

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仙台を発車すると次は東京。大宮も上野も通過するのは何となく気持ちが良い。
やがて通勤電車と並行するようになると東京に来たなと感じる。

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東京9:51着。

八戸から2時間56分。札幌を昨日の夜に発って、午前10時前に東京駅のホームに立っているのである。
早くなったもんだなあと実感したのだった。

飛行機ならば新千歳を7:50に出発し羽田に9:20に着くANA便が朝イチの飛行機だ。
しかし羽田からまた移動ということを考えると、どこが目的地かによっても異なるが、朝の到着時刻で競うならば『はまなす』と新幹線の乗継でも互角といえる。

朝イチの飛行機に乗るために朝イチの快速エアポートに乗り、そのために家を何時にでなければ、何時に起きなければと考えると、東京へ行くのに『はまなす』で出発するというのも、十分にアリではなかろうか。


posted by pupupukaya at 20/05/01 | Comment(0) | 東日本の旅行記
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