冬の津軽と急行はまなす旅行記6

弘前でお昼ご飯にしようかと思っていたが、何を食べるかあまり調べてこなかった。弘前は「いがメンチ」というのが名物らしいが、どこで食べれるんだろう。駅ビルはデパートになっていたがファーストフードの店ばかりだった。

駅前に立つとイトーヨーカドーの看板が見えた。そこへ行けば何かあるだろうと向かった。
地下の食品売り場に惣菜であるかもしれないと探してみると「いがメンチ」があった。
イートインコーナーもあるのでそこでラーメンを注文して席に着いた。

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いがメンチはイカのゲソを細かく刻んで小麦粉をまぶして揚げたもの。弘前地方のB級グルメになっている。

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海老味噌ラーメンといがメンチ。ずいぶん油っこい昼食になった。次回はビールとともに頂きたい。

イトーヨーカドーを出て今度は歩いて弘前城へ行った。まだ雪に埋もれた弘前公園はほとんど人はいなかった。桜の時期は見事な景色で賑わうのだろうが、寒々とひっそりとした冬の公園だった。それでもこの時期は天守閣までは無料で行ける。

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雪に埋もれる東門。

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赤い欄干の下乗橋と天守閣。

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冬は閉鎖していて入れないが前までは行ける。近くで見ると意外と小さく見えた。

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1810年(文化7年)に弘前藩第9代藩主寧親の治世に築かれた天守閣。

弘前城からは弘南鉄道に乗るために中央弘前駅へと向かう。
中央弘前駅は弘前駅と弘前城の中間くらいの所にあってちょっと道がわかりにくい。

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本町坂という坂道を下る。この辺りは歓楽街のようだ。

弘南鉄道の大鰐線はJR弘前駅から少し離れた中央弘前駅から発着する。
ここから大鰐まで行って温泉に入ってこようというわけだ。
来る前にネットで大鰐温泉について調べていると、弘南鉄道の往復乗車券と入浴券がセットになった「さっパス」という割引きっぷを見つけた。これはいいと弘前からは大鰐温泉まで往復する予定にしていた。

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中央弘前駅。このあたりも昭和の感じが漂う。

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中央弘前駅のきっぷうりば。

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「さっパス」を買う。中央弘前−大鰐間の往復乗車券と温泉入浴券、さらに温泉内の200円分の買い物券がついて1000円ポッキリなのでかなりお得。

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14:30発の電車の改札が始まる。

弘南鉄道の大鰐線は20年くらい前に一度乗ったことがあって、今回が2回目になる。
駅や駅前、それに電車も20年前と変わっていない。ここ中央弘前駅周辺だけは時の流れが止まったような世界だった。

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車両はもと東急電鉄で走っていた7000系電車。

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2両編成の車内。

中央弘前を発車すると電車は住宅街の中を走る。駅に停まるごとに乗客が1人2人と降りて行く郊外電車の雰囲気だ。
そんな車内の光景やつり革に残る「東急百貨店」の文字を眺めていたら、昔札幌にあった定山渓鉄道という郊外電車もこんな感じだったのかと想像した。
電車の速度は40km/hくらい。のんびりしたスピードだが、よく揺れるので実際より速く感じる。

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運転台の機械。

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ワンマン運行用に運賃箱と整理券発行機が置かれている。

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東急車両の銘板。昭和40年製造だからもう50年前の車両だ。

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車両基地のある津軽大沢駅。

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後部の運転台から眺める。

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奥羽本線と交差する。

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中央弘前から28分、終点大鰐に到着。降りるときに運転手にさっパスを見せると行きの乗車券部分をもぎって返してくれた。

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ホームに面して駅舎があるが、跨線橋を渡ってJR駅側へも出られる。

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JR大鰐温泉駅の横にある改札口。昔来たときはおばさんの駅員が立って集札していたが今は無人になっている。

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大鰐だからワニの人形が出迎える駅前。

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お土産屋があったり温泉町の風情がある駅前。

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隣にあるJR大鰐温泉駅。こちらは特急も停まる。

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大鰐の町を流れる平川。

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大鰐温泉の街並み。

大鰐の町中を少し歩いてから温泉の鰐come(ワニカム)へ行った。

7へつづく
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冬の津軽と急行はまなす旅行記5

客車には運転台が無いので、折り返すときは気動車を客車の前に付け替えなければならない。その入れ替え作業をやっていた。

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津軽中里駅で入れ替え作業が行われる。

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車掌さんアクロバットすぎ。

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気動車が1両の客車を引っ張っている。機関車が登場するのは客車が2両になった場合のようだ。

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きっぷうりば。戻りは弘前まで通しの乗車券を買った。

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走れメロスの愛称が付く気動車。こちらの車両は料金不要になる。

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戻りの客車は、後ろ半分は金木から団体さんの貸切になるので入れないようにしてあった。

帰りの列車はほぼ行きと同じ顔ぶれのほか、金木から乗った人たちが増えていた。広島から来たという4人連れはビールや酒を持ち込んですっかり出来上がっているようだった。

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津軽中里駅で買ったきっぷと着いたときにもらった「最北端証明書」。

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番号が印字されたきっぷの裏側。

乗客が車両半分にかたまったため、行きよりも賑やかになって発車した。

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戻りの列車も車内販売がある。売り物はお酒、ビール、スルメ、石炭クッキーなど。

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本物の網の網棚もいい感じ。

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大沢内駅に停車。

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金木駅手前で見つけた腕木式信号機。

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金木では団体さんのほかにも客車の方に乗ってくる人がいた。

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団体さんが乗って来て車内はさらに賑やかになった。それでもまだ空きボックスがあるが。

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五農校前駅。通学時間帯は高校生が大勢乗り降りするが今日はひっそり。

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津軽五所川原駅の手前でまた腕木式信号機。

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終点の津軽五所川原駅に到着。階段の手前で駅員がきっぷを回収する。

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一般車から降りる乗客も意外と多かった。

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跨線橋から五所川原駅構内を見る。いつの間にか青空になっていた。

津軽五所川原駅ではホームで駅員がきっぷを回収する。私は弘前までの乗車券を持っているので見せるだけで通れる。
跨線橋を渡ってそのままJR五能線のホームへ行った。
改札は別々でも中では一緒なので乗り換えは簡単だ。どこかのJRと某三セクに見習ってほしいと思った。

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五所川原からはJR五能線の弘前行普通列車に乗り換える。

五所川原からの乗客は大勢いたが、車内に入ると空いている席はいっぱいあった。

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弘前に到着。

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弘前駅もいつの間にか橋上駅になって自動改札になっていた。

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駅ビルがそびえ立つ弘前駅。

列車を降りて駅の外に出ると寒い。また車内に戻りたくなった。
次は弘南鉄道の電車に乗る予定だ。それでも時間は十分にあるのでまずどこかでお昼ご飯にしようと思った。


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冬の津軽と急行はまなす旅行記4

津軽鉄道に乗るのは今回が3回目になる。前はいずれも雪のない季節だったのでストーブ列車には乗っていない。津軽鉄道には申し訳ないが、沿線は日本中どこにでもある田園風景の中を行くローカル線という感じで、これと言って印象に残るようなものは無かった。

今回はようやく念願のストーブ列車に乗ることができる。旧型客車から冬景色を眺めればまた違った印象が残るかもしれない。

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JR駅舎の脇にある津軽五所川原駅。

津軽鉄道の駅は津軽五所川原駅といってJR駅の脇にひっそりとある。JRに乗るために駅に来ても気づかないかもしれない。
ここも駅の中に入ると昭和から時の流れが止まったような世界だった。
8:10発の列車が出たあとだったので待合室には誰も居ない。窓口で津軽中里までの乗車券とストーブ列車券を買う。どちらも今はほとんど見かけなくなった硬券だった。

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待合室ときっぷ売り場。津軽凧が飾られている。

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こじんまりとした待合室。ストーブが灯る。

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きっぷうりば。ガラスで仕切られた窓口というのもすっかり珍しくなった。

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手書きでしかも毛筆の運賃表。

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乗車券とストーブ列車券を買う。

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縦書き漢数字の時刻表。昭和も戦前にタイムスリップしたような気分になる。

待合室にはテレビがあって、今日の北陸新幹線1番列車の中継をしていた。昨日の北斗星やトワイライトエクスプレスの話題なども取り上げられて、今朝のテレビは鉄道の話題一色という感じだった。ほかに行くところも無いのでストーブに当たりながら待合室でテレビに見入っていた。

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ストーブを囲んでベンチが並ぶ。札幌市内でも昔の国鉄の駅はこんな感じだった。

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これは記念に買った入場券。赤線が入る。

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なぜか薬局店頭でおなじみだった人形が置いてあった。

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発車時刻が近くなるとだんだん人が集まりだす。

本当は改札が始まってから中に入れるのだが、窓口で客車の入れ替え作業が見たいというと特別に入れてもらえた。

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駅舎は別々でも中では一緒になっていて跨線橋はJRと共用。

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ちょうど津軽中里からの列車が着いたところだった。

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津軽鉄道の貨車。いまはホームに飾ってあるだけ。

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駅名標とレールの変遷。

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構内に留置されている客車たち。

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この客車がさっき到着した気動車の後ろに連結される。

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客車の銘板。もとは国鉄の車両だったようだ。

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客車の社章と車番、行先票。

さっき到着した1両の気動車が客車を1両前に付けてホームに入ってきた。気動車が客車を1両引っ張って走るらしい。写真で見た機関車は今日は付かないようだった。

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ストーブ列車がホームに据え付けられる。

ストーブ列車の乗客は10人ほど。もっと混んでいるかと思っていたから拍子抜けした。ストーブ車両は別に400円かかるので乗客は私も含め遠方からの人ばかりだ。地元客は前の一般車両に乗る。

ストーブ車両1両に車掌、女性のアテンダントそれに車内販売係が乗務して、先頭車は運転手もいるので4人も乗務することになる。それだけ考えるとずいぶんと豪華な列車だ。

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アテンダントさんが出迎える。

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ストーブ列車ののりば。

車内に入るとスルメの匂いが充満している。ストーブの上でスルメを焼くからだ。何年か前に北海道の網走で「流氷ノロッコ号」に乗ったことがあって、あの列車も観光客の焼くスルメの匂いがしていた。

車内はこれも昔はよく乗った旧型客車そのままになっている。座席のモケットは明るい色に交換されているが、それ以外は昔ながらになっている。
10人程の乗客は車内に2台あるストーブのまわりに座った。

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旧型客車の車内。大型テーブルと座席モケットが新しくなっているほかは基本的に昔のまま。

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これが名物の車内ストーブ。座席1列分を撤去して据え付けられている。

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ストーブに石炭をくべるのは車掌さんの仕事。

発車前だがさっそく車内販売がやってきた。八戸から車できたという通路向かいの女性の二人連れがスルメを買った。車内販売のおばさんがストーブに乗せて焼いてくれる。そのあいだにお客としゃべる。

私はお酒を買った。朝から「汽車」に揺られて一杯飲むとたちまち気分が良くなった。

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石炭が真っ赤に燃えている。これでも火力は抑えている。

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車内販売でスルメを買うと売り子さんが世間話などをしながらストーブで焼いてくれる。

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ストーブの上で焼けたスルメ。

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車内販売で買ったストーブ酒(350円)。中身は弘前の齋藤酒造店製の「松緑」。なかなか辛口の酒だ。

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ストーブの煙突。

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津軽五所川原駅で買ったきっぷ。

車内販売は1往復して終わり。売り子さんは車内の乗客たちと色々話をする。
この客車は前は乗車券だけで乗れたのだが、いまはストーブ料金を取るようになったので地元の人が乗らなくなった。地元のお年寄りなどは都会から来た人と会話するのが楽しみだったんだけどねと言った。

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また吹雪いてきた。売り子さん曰く「今日はいい感じになってきましたね〜」。

しかしアテンダントさんといい売り子さんといいよくしゃべる。反面車掌さんは一貫して寡黙だった。がら空きの車内だが、話し声が終点まで止むことなく続いていた。

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雪に埋もれる津軽飯詰駅。

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旧型客車から見れば北の果てにやって来たような景色だ。

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ここも古い木造駅舎が残る嘉瀬駅。昔は農作物の積み出しなどで栄えたのだろうが。

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金木駅に到着。今は五所川原市の一部となったが、旧金木町の中心なのでまとまった乗り降りがある。太宰治記念館 「斜陽館」もあるので観光客も乗り降りする。

1本前の列車で金木に着いて、この列車に乗ってきた人も何人かいた。

金木を出ると17分で終点津軽中里に着く。買ったお酒も1本空けてしまった。46分のストーブ列車の旅はあっという間だった。

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終点津軽中里に到着。

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「本州最北の民鉄」ということは日本最北でもあるのだが、津軽の人は奥ゆかしいのか。

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アート風の駅名標。

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スーパーに併設された駅だったが閉店し、交流施設「駅ナカにぎわい空間」になっている。

せっかくだから帰りも400円払ってストーブ列車に乗ることにした。



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冬の津軽と急行はまなす旅行記3

5時過ぎに目をさまし、カーテンをよけて外を見るとだいぶ明るくなっていた。雪は降っていない。
着替えて通路の折りたたみ椅子に座って外を眺める。夜明け前の空に照らされた陸奥湾が見えた。蟹田を通過したあたりを走っていた。

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陸奥湾が見えた。だんだん空が白んでくる。

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5時半、めいめい降り支度が始まる。

しばらくして車内の照明が明るくなった。車内放送が入る。列車は約5分遅れているとのこと。
カーテンを閉じた寝台から乗客が出てきて降り支度を始めた。
こちらはもう着替えも済んでいるし、荷物もショルダーバッグ1個だけなので窓際で外を眺める。青森もまだ春は遠いようで一面雪景色だった。

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窓にこびりついた雪。

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寝台車から見る夜明けの風景を見ると夜行列車で旅立って良かったと思う。

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終点青森に到着。列車を降りた人の群れは後方の階段へ向かう。

青森駅に降りるとすっかり夜は明けていた。5:43発の特急「つがる2号」へ乗り継ぐ人たちはホームを走る。まだ6時前、どの人も眠たそうな顔をしている。

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はまなすと並んだ青い森鉄道の電車。

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DE10型ディーゼル機関車が現れた。

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はまなすの後部で連結作業が始まる。

「はまなす」の乗客は、こんな寒いホームには長居は無用と言わんばかりにホームからいなくなった。残ったのは列車にカメラを向ける鉄道ファンばかりになった。
客車の後ろには車両基地まで回送するためにディーゼル機関車を連結する。何人かが連結作業を取り囲んで撮影していた。

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DE10が先頭に立ち、電気機関車ごと客車を青森車両センターまで回送する。

ここからは五所川原へと向かう。青森往復きっぷでは弘前まで行けるのでこのままこの電車に乗れる。
6時ちょうど発の弘前行普通列車は「はまなす」が着いた向かい側に入線していた。6両編成だが席は結構ふさがっている。
発車するとすぐに次の新青森駅に着いた。ここでほとんどの乗客が降りて行った。東京行の「はやぶさ4号」に乗り継ぐ人たちだろう。どうりでスーツケースを持った人が多いと思った。

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青森からは奥羽線の701系電車の客となる。

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車内の客はほとんどが新青森駅で下車した。

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オールロングシートは空いていれば快適だが旅情とは無縁。

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岩木山がみえてきた。津軽平野は一面真っ白。

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川部駅に到着。ここで下車する。案内看板が新しくなっていて首都圏の駅みたいになっていた。

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五能線の列車はすでにホームに入っていた。

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五能線の列車。キハ40型気動車。

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ホーローの行先票。これも最近あまり見なくなった。

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ボックス席が並ぶ車内。天井の扇風機は撤去されてかわりに冷房の吹き出し口が取り付けられていた。

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同じキハ40型でも北海道とは違い窓が二段になっている。

川部から乗ったのは五能線の鰺ヶ沢行3両編成。うち2両は五所川原で切り離されそこからは1両になる。
土曜日の早朝とあってこの車内もすいている。
ローカル線はどこもワンマンカーばかりになったが、この列車は車掌が乗務している。川部を発車すると車掌が回ってきたので川部から五所川原までの乗車券を買った。

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車内で買った川部から五所川原までの乗車券。

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川部を出るとりんご畑が続く。5月になれば花が見られるが、この時期はまだ寒々しいモノクロの世界。

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板柳駅で上り列車と交換。部活動の高校生などそこそこ乗り降りがある。

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上り列車。通学生は眠っているかスマホに夢中なのが今どきの通学列車の風景。

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五所川原に近づくとだんだん吹雪いてきた。

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五所川原駅に到着。ここも案内表示など首都圏の駅のようになっている。

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駅員がボックスに立つ改札口。ここは昔ながらの光景。

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五所川原駅前。向かいは弘南バスのターミナルの建物。

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雪が舞うJR五所川原駅。

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JRの駅舎の横の引込んだところに津軽鉄道の駅がある。左の建物は津軽鉄道の本社。

7:18に五所川原駅に着いた。ここから津軽鉄道のストーブ列車に乗る。ただ次のストーブ列車は9:21発なのでまだ2時間以上も時間がある。
はまなすを降りてからまだ何も食べていないが、こんな時間からやっている店もなさそうだしキオスクが空いていたのでおにぎりとお茶を買って待合室で食べた。待合室はドアで仕切られていてストーブが灯り温かい。

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五所川原駅の「キオスク」。弁当は置いてないがおにぎりやパンならば手に入る。

待合室でじっとしているのもつまらないので駅前を少し歩いてみた。

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弘南バスのターミナル。青森のほか東京や横浜への高速バスも発着している。

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昭和時代から時が止まっているかのような待合室の時刻表。

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雪がうっすらと積もった五所川原駅前の商店街。

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時間をつぶせるようなところは見つからなかった。


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冬の津軽と急行はまなす旅行記2

さてB寝台車に乗る。きっぷに指定された寝台は21号車で、1号車と2号車の間に挟まっている。これは寝台車に増結車が連結される場合は20番台の号車番号を付けるためだ。増結車を3号車とすると以降の指定席車の号車番号もすべて変更しなければならず、また「増2号車」とすると本来の2号車との乗り間違えが後を絶たないからこうなったのだろう。

客車はオハネ25型客車で21号車の客車はオハネフ25 7だった。製造は1970年代で、最初は東京と九州を結ぶブルートレインの客車だった。のちに北海道仕様に改造されて「北斗星」として走る様になり、いまは「はまなす」の役に就いている。

車内は若干リニューアルがされているが基本は70年代のままで、あちこちに古さというか懐かしさを感じることができる。

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入口上にあるB寝台の表示。横の「★★★」マークは2段式B寝台の印。
「★」は3段式、「★★」は電車3段式となる国鉄時代の記号。

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B寝台の扉。自由席の寝台など無いが「指定席」の札が差し込まれている。

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B寝台の通路。床はカーペット敷きになっている。

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B寝台は4人向い合せの2段ベッド。

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シーツ、掛布団、浴衣、ハンガーが置かれている。

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上段寝台はこんな感じ。転落防止のベルトが下がる。寝台幅は同じだが、上下寸法は下段より若干小さい。

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下段寝台は昼間は座席使用となるので背もたれが付く。横になってカーテンを閉めればプライベートルームになるが、これで1泊6480円は高いか安いか。ちなみに同じ距離のグリーン料金だと5300円になる。

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JR柄の浴衣が用意してある。

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上段に上がるための折り畳み梯子。昼間は真ん中のポールに収納する。

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テーブルの下にあるセンヌキ。瓶ビールでも持ってくれば良かったかな。
今は全車禁煙なので灰皿は使用できないようにされている。

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通路上の空間は荷物置き場になっている。

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下段寝台の下に置いてある踏み台。上に荷物を上げるときに使う。

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通路の折畳み式腰かけ。ここに座って窓に頬づえをついて夜景を眺めると一層旅情を味わえる。

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通路上にある身だしなみ用の鏡。

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号車札と便所使用知らせ燈。「便所」といい「燈」といい、遠い時が過ぎたことを感じさせる。

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「おす」と書かれた黒光りの押し板。

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洗面所はリニューアルされて快適に利用できる。

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トイレの使用の表示。どこもアナログなものばかりだ。

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トイレは和式で昔のまま。何か恐ろしさも漂う。

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貫通路と2か所あるトイレ。冷水器があった場所にはごみ箱が置かれている。

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デッキのくずもの入れ。押すと内側に開く。

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座席車よりも広めのデッキ。乗降扉は元は折戸だったが、北海道転入時に引戸に改造された。

車内放送では今日は寝台・指定席両方満席だと放送している。盆正月以外はいつもがら空きのイメージしかなかったが、3両の寝台も満席になるとは大盛況だ。最後の「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」で来札した人たちが多いようで、鉄道ファンだとすぐにわかる。
そのほか卒業旅行なのだろうか若い女性も結構見かけた。

あれこれ撮影しているうちにあっというまに発車時刻になった。通路の折り畳み椅子に腰かけてビールを飲むと列車はゆっくりと動き始めた。友人を見送りに来たのかホームの男女がしきりに手を振る。

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見送り人に手を振られて発車する。

窓に頬杖をついて雪明りの景色を眺めていると、チャイムが鳴って車掌の案内放送が始まった。伊達紋別、長万部、函館、青森と到着時刻を告げる。寝台車は車内改札終了後深夜灯になり明朝の青森到着まで放送は入りませんということだった。
夜行でおなじみの「最近車内の盗難が増えています」のセリフは無かった。

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流れる夜景を見ながら缶ビールで一日の疲れを癒やす。

新札幌を発車すると外はまた吹雪いてきた。いつもなら暗闇の車窓も雪明りでぼんやりと明るい。
車掌が改札にきたのできっぷを見せる。車掌が去るとすぐに車内は減光された。

発車前はにぎわっていた通路も発車後は人がいなくなり静かになった。どの寝台もカーテンが閉じている。寝るにはまだ早い時刻だが、寝台車ではほかに身の置き所も無く早々に横になったようだ。
話し声も聞こえず、エンジンの無い客車なのと雪に音が吸われるのもあって車内は静まり返っていた。

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青森までのきっぷ。

こちらもベッドメーキングをして寝台に胡坐をかいた。駅で買ったワンカップを2本寝酒にする。

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千歳に到着。東室蘭までは最終列車の役割もあるので特急「すずらん」並みに停車する。

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新札幌を発車すると減光される。早々に寝静まったのか話し声ひとつ聞こえなくなった。

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苫小牧駅に到着。夜霧が夜汽車の夢を誘う。

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ベッドメーキングするとこんな感じ。枕を通路側に置くか窓側に置くかは好みで。

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通路側にある読書灯。

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ベッドで飲んだお酒。寝台車にはワンカップが似合う気がする。

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背もたれ上にテーブルがあるが斜めになって頼りない。メガネなどを置いていても落ちそうだ。

23時を過ぎて苫小牧を発車してから横になった。
レールの響きや時々聞こえる機関車の汽笛が聞こえると夜汽車に乗っている実感がわいた。もう日常とは別の世界にいて、眠ったまま遠いところへ向かっているのだ。

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夜中に目が覚めて窓の外を見ると函館駅に停車中だった。機関車交換と方向転換のため30分停車する。さすがに降りて撮影に出る元気は無かった。またひと眠りする。


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冬の津軽と急行はまなす旅行記1

今回は久しぶりに夜汽車の旅に出ます。

2月下旬に札幌駅で青森行急行「はまなす」のきっぷを買った。
きっぷは『青森往復きっぷ』。札幌から青森・弘前まで特急指定席が利用できる往復割引きっぷで、なんとこのきっぷは追加料金なしで「はまなす」のB寝台も利用できるのでかなりお得だ。

往復とも「はまなす」のB寝台を利用することにした。どちらも下段が取れた。
0泊3日の強行軍のように見えるが、寝台車で横になって行けるし、私はビジネスホテルのベッドより揺れる寝台車の方がよく眠れる性分なので平気だ。
行先は津軽鉄道の「ストーブ列車」。そのあとは町を見物したり温泉に入ったりしようと計画を立てた。予算は青森往復きっぷ込みで3万円とした。去年のアメリカ旅行の出費がたたってあまり余裕は無かった。

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吹雪の札幌駅前。牧歌の像にも雪が積もる。

3月14日金曜日、「はまなす」は夜10時発なので会社から一旦家へ帰る。この日は最後の寝台特急「北斗星」が最後の定期運行となる日だった。夕方のTVニュースでも大勢のファンに囲まれて発車する列車の映像が流れていた。
夕食と旅支度をして9時頃家を出る。昼くらいから降り出した雪はずっと降りやまず、すっかり積もって白一色になっていた。

午後9時過ぎの札幌駅は帰宅の通勤客が足早に通り過ぎる。改札口前にはスーツケースを持った人が何人か柱の脇で所在無げにしている。「はまなす」の乗客だろうか。

22時から23時にかけて札幌から各方面への夜行列車が次々に出発していたのはもう10年近くも前のことになってしまった。
金曜日の夜はよく夜行列車に乗ったものだった。翌朝道東や道北に降り立つのは気分が良かった。稚内行「利尻」、網走行「オホーツク」、釧路行「まりも」など。今はすべて過去のものになってしまった。

思えば札幌駅から数えきれないほどの回数を夜汽車で旅立ったものだった。
唯一残った急行「はまなす」だが、来年春の北海道新幹線開業前には間違いなく廃止になるだろう。せいぜい今のうちに乗っておくことにしよう。

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夜の改札口。唯一の夜行列車の表示も出る。

9時半ごろに大勢の帰宅客に混じって改札口を通る。自分だけはこれから旅に出ると思うとなにか特別な気分になる。はまなすの入線時刻は21:38なのでその前にはホームに居たい。
コンコースのキヨスクはまだ営業していて、ビールとカップ酒それにつまみの竹輪を買った。

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コンコースの駅弁屋は21:30まで営業だがもう閉まっていた。

4番線のホームに行くとさっきテレビで見た北斗星を囲んだファンたちはいなくなっていつものホームに戻っていた。
自由席の乗車口には10人くらいの列ができている。それでもカメラを持った鉄道ファンをいつもより多く見かけた。「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」で着いて「はまなす」で戻る人たちだろうか。

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自由席には乗客の列が。今までの経験ではほとんどは苫小牧や東室蘭までの人。

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ディーゼル機関車に牽かれた「はまなす」がゆっくりと入ってくる。電車とは違う汽車の風格が漂う。

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ホームの発車時刻案内。青い車体と「急行」というのがグッとくる。

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ホームのキヨスクとそば屋は閉まっていた。階段を下りたコンコースの売店はまだ営業しているので買い物はそちらへ。

寝台車に荷物を置いて、さっそく列車の撮影をしてきます。
この日の編成は通常の7両に寝台車の増結が1両、電源車代わりの座席車を1両増結して9両編成と堂々とした列車になった。

3・7号車 自由席

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ずらり並んだ乗車口の案内札。「北斗星」「カシオペア」もひとまず臨時列車として残る。

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製造から40年経つ14系客車の車体はかなりくたびれている。結局新車が入ることは無かった。

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自由席は室蘭・函館方面の実質最終列車だ。皆どこまで帰るんだろう。

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簡易リクライニングシートが並ぶ自由席。満席の指定席・寝台に対して窓側が埋まる程度の乗車率だった。

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座席車の大型携帯品置場。ただし3号車のは右側はデッキ側に自販機が置かれたために塞がれている。

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自由席のデッキにある自動販売機。酒類は置いていない。

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貫通路のテールマーク。


5・6号車 指定席(ドリームカー)

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6号車ドリームカーの表示。普通車指定席だが、座席はグリーン車並みになっている。

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ドリームカーにあるミニラウンジ。寝台車やカーペットカーにもあるとありがたいのだが。

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グリーン車並みのドリームカーの座席。もともとは急行「まりも」で使われていた車両。

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5号車指定席の表示。この車両に改造されたのはバブル景気真っ只中だった。レザー風の壁が高級感漂う。


4号車 指定席(カーペット)

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4号車はカーペット車になっている。今は無き快速「海峡」や「ミッドナイト」で好評だったために第3弾として座席車から改造された。

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指定席料金520円で横になれるので閑散期でも満席のことも多い。ただし走行中の振動がじかに体に伝わるためドリームカーの方が良いという人もいる。

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2階席は個室の気分で利用できる。かなり狭そうだが。

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はまなすを牽くDD51型ディーゼル機関車。これ1台で多客期は12両もの客車を牽引する。

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機関車の側面。北斗星と同じ塗色で星のエンブレム。かっこいいね。

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エンジンのアイドリングを響かせて発車待ちの機関車。

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機関車の次位に連結のスハフ14型客車。「給電機関代替車」とは発電エンジンを積んでいるスハネフ14が付かない場合に代わりに連結される。車内は消灯されてカーテンが閉じられていた。

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青い客車が連なる発車前のホーム。まさに「ブルートレイン」という感じ。

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3月は別れの季節。ドアの前では見送りも。

久しぶりに夜汽車に乗るのと、もうこれで最後かもしれないのでカメラを持ってあちこち撮って回った。発車時刻が近くなったのでそろそろ寝台車に戻る。

posted by pupupukaya at 15/03/28 | Comment(0) | 東北の旅行記
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