2010年急行はまなすと青森の私鉄探訪3

2010年4月10日(土)

昨夜は飲み過ぎて二日酔い気味だが、今日の目的は三沢から十和田観光電鉄に乗るだけなので、遅めにチェックアウトした。
10:11発の八戸行普通列車で出発する。

私が前回この私鉄に乗ったのは1996年12月のことだった。
あのときは青春18きっぷを使用して、快速『ミッドナイト』から乗り継いで行ったものだ。

観光と名のつく路線名に観光地を連想するが、名前とは逆に沿線に観光するような所は無いようである。
この電車に乗っても十和田湖には行けない。
もともとこの鉄道は、戦前は馬産地だった十和田から農耕馬や軍馬を輸送するのが目的で開通したもので、戦後は十和田湖観光に取り組むことになり、社名を十和田鉄道から今の十和田観光電鉄に改めた経緯がある。

三沢と十和田市を結ぶ僅か15kmのローカル鉄道だが、電化されているのは立派なことだ。そんな健気な私鉄にもう一度乗りたいとこうしてやって来たわけである。今回の旅行の一番の目的がこの十和田観光電鉄だった。

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JR三沢駅の横にある十和田観光電鉄の三沢駅に入ると一気に昭和時代にタイムスリップしたような気になる。
駅前広場が整備されているせいか、場末の飲み屋ビルという気がしないでもない。

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反対側から見た駅舎。
青森県の私鉄の駅はJR駅と同居のものが多いが、ここは改札の外も中も別々の駅になっている。

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細長く奥行きのある駅舎内は駅そばもあった。これはまた戻ってきたら寄ることにする。

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きっぷ売り場。窓口と券売機がある。
券売機が2台もあるので、乗車券はそちらでかと思ったら、窓口の方では硬券を販売していた。

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窓口で記念に買った乗車券と入場券。

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十和田観光電鉄の電車は弘南鉄道と同様の東急からの譲渡車。
弘南鉄道と違うのは、こちらは冷房付き。
大手私鉄から余剰車が来るのは鉄道会社にとっては渡りに船だが、全国どこも同じような電車ばかりになり、旅行者にとってはつまらなくなる。

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車体に表示の行先表示。
基本的にこれ以外の区間運転がないためかでネジで固定してある。

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土曜日とあってか車内は閑散としていた。
乗客は終点に向かうにつれ若干増えたが、部活動へ行くと思しき高校生ばかりだった。
路線には三農校前、北里大学前、工業高校前と学校の名がつく駅が3つもあるので、普段は通学路線なのだろう。

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つり革は東急電車時代のBunkamuraの広告がそのまま。

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終点の十和田市駅は1面1線だけの素っ気ないホームだった。
国鉄時代と同じ型の駅名標があるが、字体は微妙に異なるあたりが私鉄っぽい。

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線路終端から。
商業施設内に設けられた駅から道路と川を跨いだ跨道橋でホームと結んでいる。
カーブの先に車止めがあるが、昔はこの先に旧駅があったようだが、今は郊外型の広い駐車場に店舗が並ぶショッピングセンターになっている。

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道路から見た十和田市駅ホーム。

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十和田市駅の駅ビルは以前に来たときはダイエーがあって賑わっていたのだが、今は撤退してしまった。後に新たに入るテナントもなかったようで空きビルになっていた。店舗へつづいていた通路もシャッターでふさがれ無残な姿だ。
1階はバスターミナルになっているので、人が集まるところではあるようだ。1階の立ち食いそば屋も繁盛している。
しかし2階の電車駅は電車が発車してしまうと人がいなくなりひっそりとする。

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きっぷ売り場。
三沢駅と同じ型の券売機が2台。

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十和田市駅の券売機で買った乗車券。
券売機のボタンは金額ではなく駅名が表示されていて、乗車券の行先も○○円区間ではなく行先の駅名表示となっている。
改札口ではいまだに改札鋏が健在だった。

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ワンマン運転用に運賃表示器と運賃箱が設けられた妻面。

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七百駅は車両基地も併設された十和田観光電鉄の拠点。ここで十和田市行電車と交換する。
構内には旧形電車と電気機関車が留置されていたが、出番はあるのだろうか。
この鉄道にはかつて元定山渓鉄道の電車が走っていたが、東急電車の中古が譲渡されたときに廃車、解体されたようだ。

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小牧温泉の脇を通って三沢駅に着く。

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終点三沢着。ここと十和田市駅だけは駅員がいて改札口で集札する。

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三沢駅の生そばコーナーで食べたスペシャルそば(390円)。
山菜、天ぷら、玉子入り。

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橋上駅のJR三沢駅。
十和田観光電鉄から来ると都会的だが無機質な感じもする。

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三沢からは八戸〜大湊間を運航する快速『しもきた』。これで大湊線を往復してから青森に戻ることにする。
真直ぐ青森へ戻っても明るいうちに着いてしまう。
今夜青森発の急行『はまなす』まで、列車に乗って時間をつぶす。
ここから特急を乗り継げば今日のうちには札幌に戻れるのだが、北東パス利用では『はまなす』を待つしかない。

三沢から乗った車内は意外と混んでいて、終点の大湊までずっと立ちっぱなしだった。
網棚には旅行鞄やスーツケースが並んでいたので、下北半島の人にとっては東北新幹線の『はやて』号に接続する便利な列車なのだろう。

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終点の大湊駅は堂々とした構えだった。やっぱり旧国鉄の駅は立派だなあ。
大湊から折り返し野辺地行となった列車はがら空きだった。

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大湊線からの陸奥湾。
朝の上り『はまなす』からとは反対方向から見る格好となる。
野辺地に着くころにはすっかり暗くなっていた。

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18:45に青森に着いて22:10入線の『はまなす』を待つ3時間以上の間どこで何をしていたのか全く覚えていないが、どこかで過ごしてはいたようだ。
上画像は青森駅で発車を待つ『はまなす』。大湊線内からここまで1枚も撮影していなかった。

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青森発の『はまなす』自由席も1両あたり10人もいないんじゃないかという程ガラガラだった。
札幌からの青森往復割引きっぷB寝台を利用できるし、それ以外でも510円追加すればドリームカーやカーペットカーにグレードアップできる。わざわざ自由席に乗るのは北東パス所持者か途中までの利用の人くらいだろう。
逆に寝台車は人気のようで、この日も寝台車は増結21号車を含めた3両となっていた。


2010年4月11日(日)

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6:07札幌着。
北東パスの有効期間は今日いっぱいまであるが、このまま真直ぐ帰ることにする。

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さっぽろ駅から地下鉄に乗る。
この時の真駒内行は3000系電車だった。

〜おわり



2010年春に、旅行記にするつもりで撮ってきた画像。これは私自身がホームページ上に旅行記を作成するモチベーションが失われていた頃で、画像はそのままお蔵入りとなっておりました。
この度のコロナ自粛を受けて、家に籠って書いていたブログ記事の1つとしてできたものです。
しかしこの画像も、10年後に日の目を見ることになろうとは夢にも思わなかった・・・

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 20/05/08 | Comment(0) | 東北の旅行記

2010年急行はまなすと青森の私鉄探訪2

弘前へ来たのは弘南鉄道に乗るためだ。
弘前駅は前に来たときは1番ホームに面した駅ビルだったが、いつの間にか橋上駅になっていた。
その当時はJRの改札口ともう1つ弘南鉄道の改札口が別にあって、どっちも1番ホームに直接出て跨線橋は共用する格好だったが、今は別々の駅になっていた。

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弘南鉄道の駅は城東口の階段を下りたところにちんまりとあった。橋上駅に同居はさせてもらえなかったようで、正面側からはずいぶん不便な場所に置かれてしまったものだ。新しい駅はJRと私鉄や三セクとの乗り換えが不便になる傾向にある。

ここから黒石まで往復してくる。
弘南鉄道は黒石線が廃止になる前の1997年12月に乗りに来ている。その時は川部から黒石線に乗り、黒石から弘南線で弘前に出るというものだった。
弘前に来たのはその時以来かもしれない。

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13年ぶりに乗る弘南鉄道。駅は変わったが電車は変わっていなかった。
2両編成の電車は東急電車の中古で、車内はあちこちに東急時代の面影を残す。

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ワンマン電車は1両目後ろのドアから乗車し、運転士後ろの運賃箱にお金やきっぷを入れて前ドアから降りる仕組み。

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弘前から36分で黒石に着く。ここは改札口があって駅員が集札していた。

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昼だったので『つゆ焼きそば』の看板につられて駅前の食堂(店の名前は忘れた)で食べた黒石つゆ焼きそば(600円)。
黒石はつゆ焼きそばというB級グルメがあると聞いていたので、食べて見たかったものだ。
ソース焼きそばに揚げかすを乗せて出し汁をかけたもの。
ひと口食べた感想は、ソースラーメンだね、こりゃ。
意外とボリュームもあり。

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客はずっと私1人だった。観光客が来るのが珍しいのか、札幌から来たというと店主は「こんな田舎までわざわざようこそ」から始まって、
「もともとこれ(つゆ焼きそば)は昭和35年くらいにつゆそばってものから始まってね」
「津軽三年食堂で有名になってからうちでも3年前から始めたんだけどね」

よくしゃべる店主だった。

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黒石駅から弘前に戻る。
電車は1時間に2本と、ローカル線というよりは都市の電車として機能している。
沿線に観光地もなく電車も観光色はないが、変に観光地化しているところよりこうした生活に根付いた電車のほうが好きだったりする。

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弘南鉄道7000系の車内。
車内広告は沿線地元のものが多いが、その中に混じって北海道内の大学の広告も。

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東急時代の広告がそのまま残るつり革。

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非冷房のため扇風機がついている。
通気口からの外気を扇風機で車内に取り込む仕組み。夏は暑そうだな。

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駅間は田んぼが広がり、その向こうには岩木山という長閑な景色。

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館田駅で黒石行電車と交換。

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札幌の定山渓鉄道も残っていたとしたらこんな感じだったのかと想像してみる。定鉄だったら同系列だから東急の中古電車が入ってきたかも。さすがに北海道じゃ無理かな。

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終点弘前着。
電車に乗るのが目的なので、弘前観光もせず青森に戻る。

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夕方青森に戻ってきた。
今年度(2010年度)延伸開業予定という東北新幹線を迎え入れるためか、駅前は工事中だった。
新幹線が来るのはここではなく新青森なのだが、青森駅もそれに合わせるためか大改造するようだ。

青森ではビジネスホテルの予約をしており1泊することになる。
この後は知人と会う約束をしている。多分飲みにいくことになるのだろう。金曜日だしね。

明日は三沢まで行き、十和田観光電鉄に乗る予定だ。


posted by pupupukaya at 20/05/07 | Comment(0) | 東北の旅行記

2010年急行はまなすと青森の私鉄探訪1

◆ この旅行記は新型コロナウイルスによる外出・旅行自粛のため、筆者が家で旅行気分になるために作成しました。
今は2020年ですが、当時の画像と記憶をもとに、2010年当時の視点で書き起こしたものです。どうぞお付き合い願います。


2010年4月8日(木)

この頃は思いつくと夜行列車で旅行に出ていた。
4月の第2週目の木曜日、北海道&東日本パスを購入し、急行はまなすに乗った。まだ週末には早いが、金曜日は休暇をとってある。
2010年春季の北海道&東日本パスの有効期間は4月11日まで。春休みも終わって列車もがら空きだろうと目論んでのことだ。
このきっぷは5日間有効で1万円。効力は基本的に青春18きっぷと同じだが、急行はまなすの自由席に限り追加料金なしで利用できる※。他は新幹線平行線の第三セクター線も利用できるなど東日本や北海道で利用するのならば青春18きっぷよりも使い勝手が良い。

※ のちに急行はまなすに乗車するには急行券が必要になり同時に追加料金で指定席や寝台利用ができるように改められた。

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21時34分、札幌駅西改札口。はまなすは22:00発だが、夜行に乗るときはいつも早めに駅に来る。これから夜行で旅立つ気持ちを盛り上げておきたいからだ。
数年前までは22時から23時にかけて『はまなす』のほか、道内3方向へ夜行列車が次々に出発していったものだが、現在は『はまなす』1本だけ。改札口を通る人は帰宅を急ぐ通勤者ばかりになった。

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21:38に入線する急行はまなす。この日は重連での運行だった。

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春休みも終わった平日とあって、車内は案の定がら空きだった。始発の札幌から前の座席を向かい合わせにして、足を延ばしてくつろぐ。
乗る前にコンコースの売店で買ってきた焼酎をチビチビ。夜行列車の至福のひと時。

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この24分前に特急すずらん10号が先行してるためほとんどが函館や青森までの乗客。多くの人は座席を向かい合わせにして過ごしている。この先乗ってくる人もほとんど無いだろう。

東室蘭を過ぎるとすぐに車内が減光となる。といっても、道内夜行のように小電球の明かりだけということはなく、本くらいは読めるほどの明るさ。

お酒も全部飲んだし、もう眠ることにする。
通路側のひじ掛けに鞄を乗せてクッションにし、それを枕に身体をくの字に曲げて横になるのが『はまなす』での就寝スタイル。


2010年4月9日(金)

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翌朝、陸奥湾に朝日が昇る。
目覚めてこの景色を見ると、ああ旅に出たんだなあと思う。

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5:35、青森着。
ホームの立ち食いそば屋は湯気を上げて『はまなす』の客を待ち受ける。

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ホームのそば処八甲田で食べた三食そば(370円)。
揚げと揚げ玉と玉子入り。朝からちょっとくどい気がしたが美味しかった。

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青森からは普通列車弘前行に乗る。
701系電車6両編成。それまで客車列車ばかりだった奥羽線に電車が投入されたと聞き、当時標準になりつつあった転換クロスシートなんだとばかり思いこんで初めて乗車した際に落胆した記憶がある。
それでも青春18きっぷ旅行で何度も乗車しているうちにそう悪くないんじゃないかと思えるようになった。
まあコイツのおかげで『ミッドナイト』→『ムーンライト』の乗継が可能となったことだし。

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川部で五能線の列車に乗り換える。目指すは五所川原。
キハ40の3両だった。だんだん高校生が増えてくる。

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五能線に入ると津軽のローカル色が濃くなる。車窓はりんご畑に岩木山。

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五所川原着。

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五所川原駅のラッシュアワー。

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JR五所川原駅とは別に隣にある津軽五所川原駅。津軽鉄道の始発駅。
津軽鉄道は前にも乗ったことがあるが、青森県の私鉄巡りということで津軽鉄道から始めることにした。青森に朝早く着いたので時間はたっぷりとある。

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津軽五所川原駅ではこの窓口で切符を買う。

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津軽鉄道のきっぷは今では珍しくなった硬券が現役。

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津軽五所川原から津軽中里行に乗る。2両編成で乗客は高校生ばかりだった。
通学列車だが、トレインアテンダントの女性も乗務している。ワンマン列車だが、それとは別に制服制帽の乗務員がいる。

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2つ目の五農校前で高校生が一斉に下車。運転士ではない方の乗務員は、五農校前駅での集札係なのだった。
学生がいなくなった車内は回送列車のようになってしまった。

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金木でさらにがら空きになる。私のほか2〜3人の客とトレインアテンダントを乗せて終点津軽中里に着いた。

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津軽中里駅はスーパーマーケットが同居する。
津軽らしい鄙びた駅舎を期待していたらちょっとがっかりするような駅舎だが、このほうが利用者には便利だろう。

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津軽中里からの折り返し列車は、これもがら空きだった。
運転士とトレインアテンダント付きの貸し切り列車のような様相である。

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金木駅の構内が近づく。

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真直ぐ五所川原へは戻らず、金木で途中下車することにした。乗車券は別々に買わなければならないので途中下車とはいわないか。
2両の列車を金木駅のホームで見送る。

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次の列車まで1時間近く、金木の町を散歩する。
太宰治の出身地だけあって、ゆかりの家が斜陽館や旧津島家などとして公開されている。
太宰の小説はひと頃読んでいたこともあったが、今はちょっとついていけないな。

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再び金木から五所川原行に乗車。

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津軽鉄道はいまだにタブレットや腕木式信号機が現役だ。趣味的には面白いが、逆に言えば設備投資もままならないということでもある。

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再びJR五所川原駅に戻る。
ホームは弘前行の列車を待つ人が大勢いた。混みそうで弘前まで立ちんぼうも覚悟したが、入ってきた列車は3両編成のためさほどではなく、先頭の車両は空席だらけだった。

次は弘前の弘南鉄道を目指す。



posted by pupupukaya at 20/05/07 | Comment(0) | 東北の旅行記

2018年 北海道新幹線初乗車の旅 3

 ◆ 青森 15:05【4632M】15:09 新青森

こんどは帰りの行程になります。
青森から新青森までひと駅移動し、新幹線で新函館北斗へ、そこから『はこだてライナー』で函館へという乗継になる。

青森〜函館間も新幹線になったおかげで遠いところになった。
新幹線の料金もさることながら、在来線時代は直通だったものが2回の乗り換えが発生するようになったからだ。

今回のルートでは、青森を15:05発の電車で出発すると、2回の乗り換えで函館着は17:05とまる2時間かかることになる。
ちなみに、最速は1時間46分、最長は2時間27分。

なぜこんなに時間がかかるのかというと、新青森駅での接続の悪さが一番の原因で、今回のルートでも新青森では22分の乗り換え時間となっている。
新青森への電車は、東京方面への接続が優先になったダイヤなのと、奥羽線が単線で増発が難しいということもあり、やむを得ないところではあるのだが。

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 駅弁も置いている青森駅の売店。

ニューデイズで、じょっぱりカップを2本買った。
車内で飲めるなら飲むし、飲まなかったら家で飲む。

券売機で新青森までの乗車券を買おうとしたら、青い森鉄道の券売機だった。駅に入ってから手前側にあるので間違えやすい。JRの券売機は一番奥にある。

コンコースだった場所がエキナカの店舗になって、改札口も狭くなってしまって、すっかり電車駅のようになってしまった青森駅。
かつて特急の始発終着駅だった貫禄は、もうない。

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 改札口と発車時刻案内版。津軽海峡線だったパネルは黒くなっている。

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 並んだJR東日本と青い森鉄道の電車。どちらも701系。

長いホームに2両編成の津軽新城行がちょこんと停まっている。
車内はロングシートが3割くらい埋まる程度。
この電車は東京方面への接続がないので空いているのだろう。

1駅4分で新青森に到着。

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 新青森駅に到着。


 ◆ 新青森 15:31【はやぶさ21】16:34 新函館北斗

22分の乗り換え時間があるので改札を出てみたが、高架下にある土産物屋を見て来るには時間が短いし、どこへ行くということもないまま、また新幹線改札口を通る。

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 新青森駅の新幹線改札口。

改札内コンコースはニューデイズと土産物屋、それに立ち食いそば屋と駅弁の売店があって、一通りそろっている感じ。
20分の乗り換え時間は買い物をしたりそばを食べたりするにはちょうど良い時間かもしれない。

特に買うものも食べるものもなく、ホームへ上がる。

新函館北斗行はやぶさ21号が発車するのは13番線ホーム。
人などまばらにいるだけかと思っていたが、意外と多くの人がいた。

人数で言えば、各乗車口に5人くらい。
全車指定席なので、自由席のように行列ができることはないようだ。

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 13・14番は新函館北斗行のホーム。

はやぶさ21号が到着してドアが開くと、やはり結構な人数の下車がある。
しかし、新青森からの乗車も意外と多く、ここで乗客がかなり入れ替わるのだった。

在来線時代の特急白鳥・スーパー白鳥でも、やはり青森駅で乗客がかなり入れ替わっていた。
新幹線になってもその動向は変わらないということだ。

マスコミの報道で北海道新幹線は、対東京ということばかりクローズアップされるが、実際は東北地方北部と北海道の利用者が多いようだ。
実際この区間は、飛行機の便数も少なく、ローカル線扱いのため運賃も高めになっている。
絶対数は少ないものの、確実に鉄道のシェアが高い区間でもある。

東北北部〜札幌間を行き来していた人たちには、北海道新幹線が出来て便利になったことだろう。

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 新青森駅から乗車する人は意外と多い。

新青森から乗る人は多かったが、車内は半分近くの列が空席だ。
やはり新青森〜新函館北斗だけ乗るならば立席の特定特急券で十分だ。

発車すると青森平野の高架橋を進む。遠くに津軽湾がちょっと見えた。

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 新青森を出ると青森平野を北上する。

しばらくすると車内販売が回ってきたので缶ビールを買う。
レシートを見ると、日本レストランエンタプライズ盛岡列車営業支店とあった。

車掌と運転士は新青森でJR北海道の乗務員と入れ替わるが、車内販売は交代せずにそのまま乗務していた。
これも白鳥・スーパー白鳥時代と変わらず。

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 車内販売で買ったビールと新幹線特定特急券。

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 缶ビールで呑み鉄。

車内販売の缶ビールはうまいなあ。
車内販売があるなら飲食物は車内で調達したい。なんだか最近そう思うようになってきた。

コンビニやスーパーで調達したものを車内で飲食するのは邪道だね。
駅弁とまではいかなくとも、せめて駅構内で調達したものにしたい。

デパ弁もだめ。
あの袋や包みを解くとガサガサとでかい音を立てるので、あれは旅情を減殺してしまう。

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 上磯のセメント工場と函館山が見えてくる。

青函トンネルを抜け、木古内を発車するとまたトンネルに入り、出たら右手に函館山が見えた。

  海峡の長いトンネルを抜けるとそこは函館だった

当たり前か。

新函館北斗駅は12番線に着く。
このホームは到着専用ホームで、在来線に乗り換えるには橋を渡る必要がある。
在来線と対面で乗り換えができる11番線は発車専用ホームになっている。

列車本数が少ないから2本同時に停車ということもほとんどないだろうし、基本11番線発着にすればいいものを、なんでこんなことをするのだろう。

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 新函館北斗駅に到着。

とにかく、改札口のある階上へとエスカレーターで登る。


 ◆ 新函館北斗 16:34【はこだてライナー】16:45 函館

新函館北斗駅に着いた人たちの流れは3つ。
ひとつは札幌行特急スーパー北斗の3番線で、これが一番多いようだ。もうひとつは1番線のはこだてライナーへ。あとは出場する人で、バスかタクシーか車に乗り換えるのだろう。

私は1番線のはこだてライナーへと向かう。
別に函館に用事はないがせっかくなので、はこだてライナーにも乗ってみようというわけだ。

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 在来線ホームと『はこだてライナー』の案内。

はこだてライナーは、函館〜新函館北斗間を結ぶ新幹線のシャトル列車だ。快速と普通があって、快速は19分、普通は22分で結ぶ。
発着するホームは本線とは別の行き止まり線。いわゆる0番ホームというやつ。新幹線が着くと既に停車していて、新幹線客を待ち受けている。

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 はこだてライナーはヘッドマーク付き。

はこだてライナーのヘッドマーク入りの733系電車。
といっても、車内はオールロングシートだし、札幌近郊で走っている電車と変わりはない。

むしろ、ずっと気動車ばかりだった函館近郊で、こんな電車に乗っているというのが新鮮だった。

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 はこだてライナーの車内。

各駅停車だが、途中で乗ってくる人も少なく、函館に着く。

ここも新幹線開業で電車駅になってしまったのかと思わせるような風情だったが、まだまだここは札幌行の特急スーパー北斗の始発駅である。
しかし、北海道新幹線の札幌延伸後は第三セクターの駅になる予定だ。

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 函館駅に到着。

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 ホーム連絡通路にある函館本線の0キロポスト。

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 函館駅前の市電。

函館駅の滞在時間は46分。
駅前に出て市電を見たら、北海道に帰ってきたという妙な安心感が沸いた。

新幹線開業時にリニューアルしたという駅の中を見て回ったが、特に大きく変わったところもないようだった。

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 函館駅コンコースと改札口。


 ◆ 函館 17:28【はこだてライナー】17:50 新函館北斗

こんどはまた、はこだてライナーで新函館北斗に戻る。
なぜかというと、函館からの特急券を買うと、新幹線からの乗継割引が適用されなくなるからだ。
なので、帰りのスーパー北斗の特急券は新函館北斗〜札幌ということになっている。

函館から新函館北斗までの自由席特急料金は310円なので、それを買えば函館駅から通しで乗れるのだが、これ以上函館駅にいても行くところがないし、はこだてライナーに乗ってしまった。

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 山の向こうに沈む夕日。

このはこだてライナーは新幹線の接続がないので、スーツケースを持った旅行客の姿はなく、地元の人の帰宅列車といった感じである。
七飯でほぼ全員が降りて、車内に残ったのは自分ともう2人だけになった。

がら空きになった車内に夕日差し込んでくる。まだ残雪が白い山の向こうに沈む夕日は、まだ春は先だなと思わせた。

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 再び新函館北斗駅に到着。

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 3・4番ホーム階段の風よけ室兼待合室。


 ◆ 新函館北斗 18:11【スーパー北斗19】21:35 札幌

17:51着のはやぶさ21号が到着したところで、コンコースは賑わっている。
札幌行スーパー北斗19号に乗り換える人も多く、3番ホームの自由席乗車口には行列もできた。

やはり今の北海道新幹線は、東北北部〜道央間の人たちのものだろう。
在来線の白鳥・スーパー白鳥時代に比べて1時間半以上の時間短縮になっているのだから。

すっかり日が落ちてだんだん暗くなる中、スーパー北斗19号が入ってきた。
これも予想していた通り空いている。

自由席に関して言えば、新函館北斗からの乗客が収まっても十分に余裕があった。

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 スーパー北斗19号が入ってきた。

車内販売が回って来たので、弁当とビールを買うことにした。
呼び止めると、弁当は完売とのこと。その代わり洞爺駅でかにめしを積み込むのでどうなさいますか、と聞かれたので1つ予約した。

ビールだけ買う。
サッポロクラシックがあるあたり、北海道に戻ってきたと改めて思う。

もうあとは札幌について帰るだけだし、ここからは呑み鉄でいくか。

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 車内販売のビールと新函館北斗〜札幌の自由席特急券。

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 自由席は空席が目立つ。

洞爺駅のホームには、白い袋を下げたおばあさんが立っていた。
昼間は待合室の売店で店番をしている人だ。1人でやっているのかなあ。

洞爺を発車すると車内販売がきて、洞爺で積んだかにめしを受け取る。こんどは日本酒を買おうとしたらそれも売り切れとのこと。こんどはハイボール缶を買った。

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 車内販売のワゴン。

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 洞爺駅積み込みのかにめし。

『かにめし』といえば長万部駅のが有名で、車内販売メニューにも長万部で積み込むと書いてあるが、洞爺駅のは珍しい。
食べるのもそうだが、特急スーパー北斗に乗っていて、洞爺の駅弁を積み込むというのも初めて見た。

まあ、特急停車駅で駅弁のある駅からもっと積極的に積み込んで車内で売ったらいい。
駅弁屋も売り上げ増になるし、車内販売も駅弁のついでにお酒や飲み物が売れるし、乗客からは喜ばれるし。Win-Winではないか。

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 車内販売の缶ハイボールとかにめし。

洞爺のかにめしは長万部のそれとよく似ている。かにの味付けは淡白で、酢飯のほうが合う気がする。
ハイボール缶はやめて、青森駅で買ったじょっぱりカップを開ける。

日本酒というか、カップ酒が似合う味付だ。

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 車内販売のさくら味アイスクリーム。

アイスクリームの販売がきて、さくら味アイスというのを買う。
桜の葉が練り込んであるのか、ほんのり桜もちの風味。

アイスを舐めながらハイボールをちびりちびり。

途中で降りる人もいて、だんだん空席が多くなる車内。
東室蘭でも乗ってくる人は少なかった。もう終点札幌までずっとこんな感じなのだろう。

「これが最後のワゴンサービスです」との放送があり、またワゴンが回ってきたが、もう買うものはなかった。
明日からまた仕事なので、そんなに飲むわけにもいかない。

残念ながら、車内販売は縮小の方向へと進んでいて、北海道で今残っているのは、スーパー北斗の日中の便だけである。
しかも今乗っている19号も、6月からは車内販売が取りやめになることが決まっている。


6月からはスーパー北斗の3往復のみとなる車内販売。
車内販売が縮小や廃止されるのは北海道だけではなく全国的なもので、これも残念ながらなくなる流れではあるようだ。

せいぜいあるうちに利用するしかないね。

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 札幌駅に到着。

朝に見た雪景色はなくなっていたが、札幌はまだまだ寒い。
まだ旅行する時期ではないが、せっかくの北海道新幹線に乗れるチャンスでもあったし、良かったんじゃないか。

 〜最後までお読みくださってありがとうございました。

posted by pupupukaya at 18/06/09 | Comment(0) | 東北の旅行記

2018年 北海道新幹線初乗車の旅 2

 ◆ 奥津軽いまべつ駅と道の駅いまべつ

新幹線はやぶさ号を奥津軽いまべつで降りたのは、新幹線の秘境駅というか、なんでこんなところに駅を作ったのかと色々興味があったからだ。
ここで下車すると、新幹線特急料金がいくばか安くなるというのもある。

駅自体は橋上駅で、長い通路と階段を下ると駅前広場に出る。
駅前広場の横には駐車場があり、その先は道の駅いまべつとなっていた。

駅前は集落のある県道からは立派な道路が整備されているが、それ以外は何もなかった。

 ※ 奥津軽いまべつ駅については別記事にしています。

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 奥津軽いまべつ駅の駅舎。

ここから津軽線の津軽二股発の列車に乗り継ぐ。
1時間47分の待ち合わせ時間。
お互い本数が少ない同士としては好接続といえよう。

駅や駅前の撮影をいくつかして、道の駅へ行ってみる。
ていうか、ここくらいしか行くところがない。

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 奥津軽いまべつ駅となりにある道の駅いまべつ。

道の駅は、土産物屋とレストランがメイン。
特にこれといったものもなく、長く時間がつぶせるようなところではない。

青森県や今別町の物産品をぶらぶら眺めて、行者ニンニクが安かったので1袋買った。
こんなもの持ち歩いてると臭ってきそうだが、まだ寒いのと袋の口ををきっちりと縛ったので大丈夫だろう。

あとは駅や駅前をあちこち見て時間をつぶす。

それにしてもこの辺りの風景は道南あたりと変わらない。
とくに廃止になった江差線の木古内〜江差間の風景とそっくりである。

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 特産品や物産の売店がある。

道の駅の『レストラン驛』は11時開店。
うどんそば、ラーメンから定食まで何でもある食堂で、入口で食券を買う。

いまべつ牛ステーキ ¥2,000 なんてのもある。
こんなところで2千円も出してステーキ食べる人がいるのかな。

人気メニューは、

1位:焼き干しラーメン
2位:いまべつ牛焼肉定食
3位:漬けマグロ丼
4位:猪ヘルシー丼
5位:豚丼

となっていた。

わが北海道人にはイノシシ肉が珍しいので、猪ヘルシー丼にした。味噌汁付きで1,000円。

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 道の駅いまべつのレストラン。

食券を買って店内に入ると、テーブルでじいさんがナイフとフォークでステーキを食べていた。
やるな( ^ω^)・・・

半分くらいのテーブルがふさがっていて、昼前にしては繁盛している。
一見して地元のひとばかり。日曜日の家族そろっての外食といった風に見えた。

さて、猪ヘルシー丼。
この年になるまでイノシシなんて食べたことはなかった。
北海道にイノシシはいないし。

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 猪ヘルシー丼。玉子、味噌汁、おしんこ付き。

モヤシや豆腐と一緒に炒めてあるのでヘルシーなんだろうな。
イノシシ肉はバラ肉のようで、脂身のほうが多い。
固いのかと思ったら意外と柔らかく、脂身もブタみたいにくどくなくてあっさりとしている。

生玉子付きなので、半分くらい食べたところで投入。
ぐちゃぐちゃかき回しながら食べるとこれはまた良かった。

ビールを飲みたくなったが、やめておく。
節約旅行というわけではないが、この先の行程もあるし、アルコールは入れないでおく。

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 これがイノシシの肉。脂身が多い。


 ◆ 津軽二股 12:09【333D】 12:24 三厩

またしばらく時間をつぶし、こんどは津軽二股駅へ。
道の駅の裏にホームがあって、そこが津軽線の津軽二股駅になる。
ホームだけで、待合室も無い。
待合室は新幹線駅の1階入口の所にあるので、そちらを利用してくださいといったところ。

乗車券は、前は道の駅で売っていたが、今は売っていない。そのかわりに奥津軽いまべつ駅のみどりの窓口で買うことができる。
私は時間がたっぷりあるので、みどりの窓口で乗車券を買っておいたが、普通の人がわざわざ買いに行くことはないだろう。

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 津軽二股駅に到着する三厩行。

ホームに立っていると、2両編成の列車がやってきた。
朱色1色の、国鉄時代の塗色に戻された車両だった。

てっきりワンマン列車かと思っていたが、車掌が乗っていて全てのドアから乗降できたのは意外だった。

津軽二股からの乗客は私1人。
さっき奥津軽いまべつで新幹線を降りて、駅前をウロウロしていた人がもう1人いたが、その人は乗ってこなかった。

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 奥津軽いまべつ駅で買ったご当地入場券と津軽二股〜三厩の乗車券。

2両編成の車内はがら空きだった。単行のワンマンカーで十分なくらいだが、ローカル線でも2両以上で、きっちり車掌も乗務させているのは、JR東日本秋田支社の方針なのか。

2両ワンマンで常時混んでいる東北本線の電車を走らせている盛岡支社とは対照的だ。

それもこれも、首都圏や新幹線を抱えた黒字会社だからこそだろう。
北海道民から見たら羨ましい限りだ。

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 終点三厩手前では津軽海峡が見える。北海道までは見えなかった。

津軽今別からは家並みが続くようになる。
停まる駅ごとに乗客は減って行った。

15分で終点三厩着。
本州側最北端の駅で、さいはてというか、とにかく終着駅感の漂う駅である。
ホームの先の線路は車庫があり、そこで線路は終わり。その先の山はまだ雪景色だった。

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 終点三厩駅に到着。

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 行き止まりの線路。

ここも無人駅ではなく、駅員がいて改札口できっぷを回収している。
パスのような券を見せて出る人が何人か。
きっと首都圏から新幹線で来たんだろうな。

風景こそ北海道の道南と変わりないが、津軽海峡が持つ線引きの強さをあらためて感じた。

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 三厩駅の駅舎と駅前広場。

三厩駅は元三厩村(現外ヶ浜町)の町はずれで店も何もないところ。
駅前広場には竜飛岬行の町営バスが発車を待っているくらいなもの。

駅前の通りを少し歩いてみたがやっぱり何もなく、また駅へ引き返す。


 ◆ 三厩 12:43【336D】 14:10 青森

この辺りは北海道と同じくまだ冬のようで、三厩駅の待合室にはストーブが灯っていた。
しかしここはやはり本州の、JR東日本の駅。駅内の旅行商品のポスターは東北各地、それに東京へのものばかりだった。

きっぷ売り場がで青森までの乗車券を買う。
新幹線に乗るので新青森まで通しで買った方が安いのだが、それだと青森で途中下車できないのである。

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 ストーブが設置された待合室。きっぷ売り場もある。

改札口は集札はするが、入るのは勝手に入って良いようだ。

発車間際になると、1人詰めていた駅員さんが助役帽をかぶり、赤と緑の旗をもって出てきた。
もう久しく見なくなった光景。
車両といい駅といい、ここ三厩駅は国鉄時代から時が止まったような駅だった。

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 列車の発着時は助役帽の駅員さんがホームに立つ。

車内はパス所持客の折り返しと、地元の人が数人といったところ。
やはり空きボックスの方が多い。

三厩を出てしばらくは津軽海峡が見えるが、津軽浜名からは山へと分け入る。

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 三厩→青森の乗車券。

津軽二股からは小国峠を越える。
新幹線はトンネルの直線で通っているが、こちらはくねくねと山道を行く。
山は線路間際にも残雪があって、ここもまだ冬なんだなあと思う景色だった。

大平駅の向こうに、津軽二股で別れた新幹線の高架橋が姿を現す。

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 新幹線の高架と交差する。

大平駅を過ぎると新幹線の高架橋と交差する。そこから下って来る高架線があって、こちらの津軽線と合流する。
これが北海道新幹線開業まで特急白鳥なんかが走っていた津軽海峡線である。

複線電化の立派な線路が左から寄って来る。こちらがローカル線の様相だ。
線路が何本も並行する新中小国信号場を過ぎると、かつて特急白鳥や急行はまなす時代からのお馴染みの車窓となる。

無人駅の中小国駅は、長らく運賃計算上はJR東日本とJR北海道の境界駅ということで重要な駅だったが、その役目は新青森駅に移ったので今はただのローカル線の無人駅である。
と言っても、重要なのは運賃計算上だけで、元からローカル線の無人駅だった。

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 すっかりローカル駅となった蟹田駅。

蟹田でたくさん乗ってくるのかと思っていたが、乗って来たのは2人だけだった。
かつては満車になるほど人気だった駅前の駐車場もがらあき。

特急停車駅だったこの駅も、新幹線開業後はすっかりローカル駅になってしまった。

蟹田からしばらくは津軽湾沿いを走る。
本州方面に旅行するときはいつも目にしてきた車窓だが、もうこの路線を乗ることも多くはあるまい。

新幹線が開業してからは東北すらも縁遠くなってしまった。

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 車両配置がなくなってすっかり寂しくなった旧青森車両センター。

油川では部活帰りの高校生が10人くらい乗ってきて、車内に活気が出る。といっても次は終点青森なので1駅だけだが。

右手には旧青森車両センターの広い構内が広がる。北海道新幹線開業後に車両配置がなくなって、盛岡車両センターの青森派出所となっている。

ここもかつては特急電車やブルーの車体を連ねた寝台特急の車両がずらりと並んで、北海道から青函トンネルを抜けて来ると、ああ本州に来たんだなあと思ったものだが、今は気動車が遠くに数両あるだけ。
線路も赤さびてしまっていて、もう鉄道の基地としての役割は終えてしまってるかのようだった。

まもなく終点の青森である。
車内放送では、
「この列車は青森からは14:44発の弘前行となります、弘前方面はこのままご乗車ください」
と言っていた。

青森駅の直前でこれもまたショッキングな光景が・・・

ラビナのアラジンがな〜い

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 左がありし日(2005年冬)のラビナ、右が今(2018年)のラビナ。

これも北海道から乗り継いで青森までやってきてお馴染みだったのだが、上から塗装して消されてしまったようで、普通のビルと変わりなくなっていた。

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 青森駅に到着。

青森駅に降り立つのは2015年9月の南三陸旅行以来なので約2年半ぶり。
気のせいか来るたびに駅や駅前広場が狭くなっていくような気がする。

東京や大阪への寝台特急列車も無くなって久しく、北海道への特急列車も無くなった青森駅。
秋田方面への特急が3往復あるほかは、すっかり電車駅になってしまった。

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 青森駅の駅舎。建て替えの話もあるようだが。


 ◆ 青函連絡船メモリアルシップ

青森駅の乗り換え時間は55分間。
いつもならば駅ナカや駅前をぶらぶらして過ごすところだが、もう青森もこんどいつ来るかわからないところになってしまった。

新幹線のおかげで本当にいつ来られるかわからないところになった (-_-;)

せっかくなので青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸を見学する。
もともと青函連絡船の桟橋だった場所にそのまま係船してある施設なので、駅のすぐそばにある。
30分もあればひと回りしてこられるだろう。

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 可動桟橋と八甲田丸。

青森駅でもう一つおどろいたのは、かつての桟橋跨線橋が復活していた。
青函連絡船廃止後は閉鎖され、長らく放置されていたものだが、『青い海公園連絡橋』という名前が付いた駅の東西をむすぶ自由通路となっていた。
ホームへ下りる階段も残されているが、そこはシャッターが下りて閉鎖されている。

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 かつてホームと桟橋を結んでいたこ線橋は『青い海公園連絡橋』として復活。

青函連絡船には3回乗ったことがある。うち2回は小学生のときに家族旅行で、最後の1回は中学の修学旅行のときであった。

・・・歳がばれるねえ (´・ω・`)

3回も乗れば結構覚えているもので、私にとっては懐かしいものの一つである。

函館にも摩周丸が保存・公開されていていて、そっちは何度か行ったことがあるが、船内の客室設備はとっ払われていて、何だか残念なことになっていた。色々やろうとしてああなったんだろうけど。

こちら八甲田丸はどうなのだろう。

2階にある乗船口で入場券を買って入る。

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 八甲田丸の乗船口。

船内は見学ルートがあって、そこをぐるっと1周してまたもとの乗船口に戻ってくる仕組みになっている。

昭和30年代の青森駅前を再現したという青函ワールドはなかなか精巧にできていて面白い。
肝心の船内設備はグリーン座席がのほんの一部残されているだけだった。

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 青函ワールドは桟敷席の面影が残る。

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 昭和30年代の青森駅前を再現。

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 リンゴ屋の姐さんは美人さんだね。

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 グリーン指定席の座席。

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 船長室。

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 船の操縦室であるブリッジ。

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 車両が展示されている車両甲板。

車両甲板には積み込まれた車両があったり、函館の摩周丸より、こっち八甲田丸の方が面白かった。
しかし個人的には、昔に運航していた当時の客室を復活してほしいなあ。

青函連絡船時代を偲ぶにはもう記憶をたどるしかないようだ。

横浜の氷川丸は就航当時の客室に改装されて、往時の船旅の想像を掻き立てるようなロマンがあった。
青函連絡船も船内の一部でいいから往時の自由席や桟敷席なんかを復活してくれないかな。


posted by pupupukaya at 18/06/03 | Comment(0) | 東北の旅行記

2018年 北海道新幹線初乗車の旅 1

北海道新幹線が2016年3月に開業して今年で2年になる。

北海道にとっては待望の新幹線ということになるのだが、私の方はというとほとんど興味がないといってもいい状態だった。
特に乗りたいとも思っていなかったし、乗るような用事もなかった。

急行『はまなす』があったころはよくそれに乗って東北方面へ旅行していたが、それもかなわなくなった。
なぜなら、新幹線が高すぎるからだ。

そんなわけで、開業しても乗ることがないまま2年が過ぎた。

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しばらくどこにも行っていないので、どこかに行こうかなと思っていたときに見つけたのがこの『北海道150年日帰り周遊パス』。
4/1から22までの期間中の日曜日だけ使えるきっぷで、JR北海道内の普通列車が1日乗り放題となるもの。
特急券を別に買えば特急列車や北海道新幹線にも乗れる。値段は3500円。

計算すると、札幌から新青森まで特急券込みで13,940円(パス3500+特急券10440)となった。
かつての北東パス+急行はまなすならば13,450円だから、日帰りとはいえかなりお得ではないか。

そんなわけで、初北海道新幹線乗車に出かけることにした。
時刻表を見ながらいろいろ検討した結果、以下のスケジュールを作った。

発駅発時刻列車名着時刻着駅
札幌6:00【スーパー北斗2号】 9:11新函館北斗
新函館北斗9:31【はやぶさ16号】10:22奥津軽いまべつ
津軽二股12:09【普通】12:24三厩
三厩12:43【普通】14:10青森
青森15:05【普通】15:09新青森
新青森15:31【はやぶさ21号】16:34新函館北斗
新函館北斗16:45【はこだてライナー】17:05函館
函館17:28【はこだてライナー】17:50新函館北斗
新函館北斗18:11【スーパー北斗19号】21:35札幌

久しぶりの鉄旅だが、我ながら上手く出来た。
奥津軽いまべつで降りて津軽二股から津軽線の三厩へ。また、新函館北斗から『はこだてライナー』にも乗ってみようというものだ。

出発は4月8日の日曜とした。
きっぷは前日の土曜日に札幌駅まで買いに行った。

まったくこれが面倒くさい。

JR各社はいつになったら飛行機みたいにチケットレスになるのかね?

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日帰り周遊パス 3,500円
札幌〜新函館北斗自由席特急券 1,290円
新函館北斗〜奥津軽いまべつ特定特急券 2,800円
新青森〜新函館北斗特定特急券 3,930円
新函館北斗〜札幌自由席特急券 1,290円
合計 12,810円

特急北斗は自由席、新幹線は立席の特定特急券とした。
この特定特急券とは座席を指定しない特急券で、はやぶさ号では自由席のある列車が無い盛岡〜新函館北斗間のみで発売される。
値段は自由席と同じく指定席特急料金から520円引き。
自由席特急券との違いは、自由席が無いので、指定席の空いている席に座ることになる。当然、満席ならば立つことになる。

この特定特急券でも、在来線特急の乗継割引の対象になる。
新函館北斗〜新青森間ならばいつもがら空きだし、指定席にする必要はまったくない。


 ◆ 札幌 6:00【スーパー北斗2号】 9:11 新函館北斗

北海道新幹線開業と同時に、札幌駅朝6時発のスーパー北斗が新設された。
この時間は地下鉄の始発前だし、接続する列車は手稲始発の1本だけである。

はたして利用者がいるのかと不思議に思っていた。
私も交通機関で6時前に札幌駅に行く手段が無いので、歩いて札幌駅に向かう。

朝5時過ぎに自宅を出ると、道路にはうっすらと雪が積もっていた。
もう4月なのに札幌の春はまだ遠い。

地下街も地下歩行空間もまだクローズしているので、駅前通りをずっと歩いて30分ちょっとで札幌駅に着いた。

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 5:36、まだ閉じられたままの改札口。

西改札口の周りには改札口が開くのを待つ人たちがかたまっている。
スーツケースを引いたスーパー北斗の客もいるが、ほとんどは朝帰りの人たちのようだ。

5:40になって「ただいまから改札を始めます」の放送があると、みんなゾロゾロと改札口へ向かう。

どこの売店もまだ閉まっているが、改札内にある駅弁の売店だけがこの時間から開いていた。
種類も選べるほどいくつか置いている。これは予定外だった。

さすが札幌駅立売商会・・・できるな。

買おうかなと思ったが、もう軽く朝食は食べていたので買わなかった。

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 特急スーパー北斗2号で札幌を出発。

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 新しくなった行先表示器。

スーパー北斗2号の車内は予想通りガラガラ。
といっても無人というわけではなく、各車両に数人ずつは乗っている。
全車両で40人くらいといったところ。日曜日の早朝としてはまずまずといったところか。

ホームの自販機でキリンガラナを買って自由席に座る。

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 キリンガラナときっぷ。

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 豊平川を渡る。

新札幌で何人か乗ってきた。
札幌からの乗客より、途中駅から乗る人のための列車なのかもしれない。

白石に停車すれば江別からの始発列車からこの列車に乗り継げると思うのだが。

新札幌を過ぎると、木々も雪で真っ白になっている。
すっかり冬景色に戻ってしまった。

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 4月の冬景色。

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 自由席の車内。

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 指定席の車内。さらに空いている。

途中駅では何人か乗ってくるが、苫小牧や東室蘭で降りる人も多く、車内はずっと空いたままだった。

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 森を過ぎたあたりで駒ヶ岳がはっきりと見えた。

森を発車してしばらくすると、自動放送で新幹線の乗換の放送があった。

仁山を過ぎると左前方に新函館北斗駅が見えてきた。

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 仁山からの下り坂から新函館北斗駅が見えてくる。

新函館駅に着くと指定席からの下車客が多い。
自由席や後ろのほうの指定席車両はガラガラだったが、前のほうの指定席車両はそれなりに乗っていたようだ。

札幌駅6:00発のスーパー北斗2号は、新幹線接続特急としての役割がそれなりにあったようだ。

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 新函館北斗に到着。

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 地上ホーム同士の新幹線のりかえ改札口。

特急を降りた人は全員乗り換え改札口に向かうが、接続時間が20分あるので、私は一旦改札を出るためにエスカレーターで上る。
乗継の特急券を持っていても、改札外に出るのは自由だ。

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 ようやく駅前らしくなった新函館北斗駅前。

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 これが新函館北斗駅の名所、北斗の拳ケンシロウ像。

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 キヨスクに並んでいた駅弁。


 ◆ 新函館北斗 9:31【はやぶさ16号】10:22 奥津軽いまべつ

駅の内外を駆け足で見て回って、こんどは新幹線改札口を通る。
新函館北斗駅自体は前にも来て、入場券を買って見物したことがあるので、駅舎とケンシロウ像を撮影したくらい。

以前はホームで発車するはやぶさ号を見送っただけだが、今日はその乗客となる。

車両はE5系と呼ばれるJR東日本の車両。JR北海道のはH5系となっていて、基本の作りは同じだが、内装が北海道仕様になっているらしい。
残念ながらH5系の車両は朝と夜の数本だけに使われる。

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 E5系電車の新幹線はやぶさ。

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 新函館北斗駅の駅名標。

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 11番線の発車時刻案内。

11番線ホームに停車している東京行はやぶさ16号は、案の定がら空き。

何度も言うが、お盆と正月でもなければ立席の特定特急券で十分だ。

何でもちゃんと調べてから買わないと、ぼられるぞ〜 ( 一一)

座席は3列席が海側、2列席が山側となるので、3列席に座った方が景色が良い。
特定券ならば好きな方に座れる。

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 E5系はやぶさの車内。がら空き。

新幹線に乗るのは2015年の九州新幹線以来なので3年ぶりということになる。


窓が小さくて窮屈そうに見えるが、座ってしまえば座席の前後間隔も十分にあって、ゆったりしている。
足元にはコンセントもあって申し分ない。

新幹線に乗るといつも思うが、座席の背もたれが垂直に立っているのはどうしたことか。
座ると前かがみのような恰好になる。これはすこしリクライニングさせると良くなる。
前かがみで座るのを好む人がいるのか。ようわからん。

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 マガジンラックの社内誌。

発車時刻になって、電車は静かに動き出す。
本当に静か。さっきまでガタガタのスーパー北斗に乗っていた分、余計に静かに感じるのかも。

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 日帰り周遊パスと新幹線特定特急券。

発車すると助走区間は無く、どんどんスピードが上がる。
上磯のあたりからトンネルばかりになるので、新函館北斗を発車してしばらくは数少ない地上区間になるのだが、高架区間は高い防音壁が続いていて、地上区間でも半分くらいは壁しか見えない。

壁が途切れた所からは函館山や上磯のセメント工場が見えた。印象に残るのはそれくらい。

発車して5分くらい地上を走るが、そこからトンネルに入るともう盛岡まではトンネルばかりになる。
やっぱり新幹線はつまんない。

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 新幹線車窓から見る函館山。

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 新函館北斗〜木古内間のマックス速度。

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 湯の里知内信号場(旧知内駅)を通過。

スマホのスピード測定アプリを見ていると243km/hまで上がったが、それ以上にはならなかった。
最高速度は260km/hとなっていて、それを期待したのだが。
木古内通過便は最高速度まで達するのだろうか。

木古内を発車すると、在来線の線路が近づいてきて合流する。ここから貨物列車との共用区間になる。
これが北海道新幹線のボトルネックというか泣き所で、新幹線車両の風圧で貨物列車のコンテナが荷崩れを起こすという理由から在来線時代と変わらない140km/h走行となる。

最高速度320km/hのE5系はやぶさが泣くような情けない走りっぷりだが、今年度中には160km/hまで引き上げられ、所要時間が3分短縮される予定だ。

いくつかのトンネルを抜け、湯の里知内信号場を通過する。停車している貨物列車はいなかった。
この次が青函トンネルとなる。

在来線時代は、轟音と妙な振動から青函トンネルに入ったとすぐに分かったものだった。
新幹線はさすがに静かなままで、意識していないと青函トンネルに入ったかどうかはすぐにはわからない。

しかし、しばらくすると窓の外が曇り始める。これはトンネル内の温度と湿度が高いために起こる(風呂で眼鏡が曇るのと同じ理屈)ので、新幹線になっても変わることはない。

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 青函トンネルに入ると窓ガラスの外側が曇る。

困ったのは青函トンネル通過中は、ずっと携帯電話の圏外。
いや、私個人的には困ることはないが、天下の新幹線がこれでは困りものだ。

北海道側入口から入ってから25分、本州側に出ると奥津軽いまべつに停まる。

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 奥津軽いまべつ駅に近づく。

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 奥津軽いまべつ駅に到着。

ここで下車。津軽二股駅から津軽線に乗り継ぐことになる。

北海道新幹線初乗車といっても特に感慨のないままに着いてしまった。
新幹線は速くて便利だけど実用一点張り。旅情とか風情を求めてはいけない。


posted by pupupukaya at 18/05/19 | Comment(0) | 東北の旅行記

2015年東北・南三陸旅行記8

青森駅では「はまなす」乗り継ぎのため2時間21分もの待ち合わせがある。
駅弁を買ってはまなすの車内で食べてもいいのだが、売店の駅弁コーナーを覗くとすでに売り切れだった。

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青森駅の改札口。

どこかで食事してこよう。浅虫温泉で風呂に入ってから何も口にしていないのでビールが飲みたい。
駅の中にある「つがる路」という店がまだ営業していた。そこに入る。

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21時まで営業している「つがる路」。

定食屋兼居酒屋という感じの店で、食事だけの客のほか、奥の席では酒席が盛り上がっていた。
まずは冷たいビールが飲みたい。席に着くとまず生ビールを注文する。食事は「牛バラ焼定食」にした。

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お通しと生ビール。

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牛バラ焼定食(1000円)

牛バラ焼定食とは十和田市など南部地方のB級グルメで、牛バラ肉と玉ねぎを炒めて甘辛いタレでからめたものだ。
ご飯にもビールにもピッタリだ。ビールをもう一杯注文して長居しようかと思ったが、節約旅行になったため我慢する。

客は次から次へとやってくる。はまなす乗継の一人旅風の人が多い。これも青森名物の味噌カレー牛乳ラーメンの客が多かった。

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夜の青森駅。多く発着していた夜行列車も「はまなす」だけになった。


●青森 22:18発 − 札幌6:07着 急行はまなす

最終ランナーは急行はまなす。
みどりの窓口で急行券を買う。前の人はカーペットカーを希望していたが係りの人に「満席です」と即答されていた。

まだ発車まで1時間もあるが、コンコースにいても居場所がないのでホームへ行く。青森駅の「はまなす」の入線時刻は21:36となっていて、発車42分前には乗車できる。青森駅からの乗客にとっては一番のサービスだ。

3番ホームの自由席の乗車口はすでに数人の列ができていた。青森発の「はまなす」は普段ならばがら空きの印象しかなかったので少々戸惑った。
来年3月の廃止はほぼ間違いないところなので、名残乗車客が増えているようだ。

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柱の電光掲示板。

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青森駅の跨線橋。長距離列車が発着していた頃の面影を残す。

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自由席車の行列。

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DE10に牽かれて入線。

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廃止がほぼ確定のはまなすに向け多くの人がカメラを向ける。

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ブルーの車体は夜行列車の夢を誘う。こんな光景もあとわずか。

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はまなす札幌行の方向幕。

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ホームでしばし発車待ち。夜行列車特有の発電用ディーゼルエンジンが響く。

はまなすの自由席に乗るのもずいぶんと久しぶりだ。
座席は簡易リクライニングシート。良く見ると座面には横縞の縫い目があって、肘掛が灰皿付きになっているなど、これは183系特急で使用されていたものに交換されている。モケットは同じ色のものに交換されているので区別はつきにくいが、14系オリジナルの座席よりこちらの方が若干すわり心地が良い。

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簡易リクライニングシートの自由席。キハ183系特急の中古に交換された座席。

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スハフ14 501の車番。北海道向け客車は500番台を付すのが国鉄時代の慣例だった。

乗車した時は半分ほどの列がふさがる程度だった車内も、接続の列車が到着するたびに乗ってきて、発車する頃には全ての列がふさがったようだ。乗車率にして50%といったところ。
座席を向い合せにして4人分占拠すれば指定席のドリームカーより快適だったのだが、今日はそうはいかない。
車内放送は寝台も指定席も満席と伝えていた。

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青森駅の売店で買ったお酒とおつまみ。

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シートの背面。

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無骨な空調とパイプの網棚が国鉄車両というかんじがする。

青森駅でかった「じょっぱり」のカップ酒を呑みながら、最後の14系客車、最後の夜汽車の乗り心地を味わった。
「利尻」「大雪」「まりも」「八甲田」よく乗ったなあ。14系時代の道内夜行を知っているというと齢がばれるけど。
廃止日が近づくにつれて「はまなす」もますます混みだすだろう。今年の遠出もこれが最後だろうし、廃止前の騒ぎに身を置く気にはならないので、これが最後の乗車になる。

北海道新幹線開業と引き換えに「はまなす」をはじめ、本州と北海道を結ぶ在来線の旅客列車はすべて廃止される。
そうなったら私のような貧乏人はもう東北に行けなくなる。
北海道新幹線が開業してもたぶんすぐには乗りにいかない。
東北はさらに遠いところになりそうだ。

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青函トンネル通過中。独特の轟音が響く。

9月13日

座席車だから眠れないかと思ったが、気がついたら千歳を発車したところだった。
既に明るいが、外は雨が降っている。寒そうだ。

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雨降りの札幌。新札幌の手前にて。

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終点札幌に到着。

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函館から牽引してきたDD51型機関車。新幹線開業後は役目を終え廃車になるのだろう。

青森からの急行「はまなす」はトラブルも無く札幌には定刻に着いた。
機関車が停まっているところは横なぐりの雨が吹き込んで濡れている。機関車の写真を撮っている人たちも、撮り終わると小走りで屋根の所まで戻って行った。

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
〜おわり〜



タグ:鉄道旅行
posted by pupupukaya at 15/10/25 | Comment(0) | 東北の旅行記

2015年東北・南三陸旅行記7

盛 11:00発 − 釜石 11:51着 BRT

柳津からずっとBRTによるバスの旅だったが、ここから鉄道が復活する。
乗るのは三陸鉄道南リアス線。この路線も津波被害を受け長らく運休していたが、2014年に全線で運転を再開した。三陸復興の象徴として報道されたことも記憶に新しい。

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右がJR盛駅、左が三陸鉄道の盛駅の駅舎。

盛駅前ではバザールが開かれていて地元のおばちゃんたちが集っていた。
JRの盛駅と三陸鉄道の盛駅は別々の駅舎になっている。三陸鉄道の駅舎内でもバザールがあってにぎやかだ。
様々なグッズが並ぶきっぷうりばで釜石までの乗車券と盛駅の入場券を買った。嬉しいことに硬券で、入場券は台紙に入れてくれた。

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駅前ではバザールが開かれていて地元のおばちゃんたちが集う。

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盛駅のきっぷうりば。きっぷだけでなく、様々なグッズも売っている。

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盛駅で買ったきっぷ。

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ちょうど気仙沼行きのBRTが着いたところ。

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三陸鉄道の車庫。

盛駅はJRのBRT、三陸鉄道南リアス線のほか岩手開発鉄道も接続している。岩手開発鉄道は大船渡鉱山で産出される石灰石を輸送する貨物専用の鉄道だが、1992年までは旅客輸送もしていた。
ホームで釜石行の列車を待っていると、岩手開発鉄道の貨物列車が通過して行った。

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岩手開発鉄道の貨物列車。

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三陸鉄道の36(さんりく)型気動車。

やってきた車両は36-105。この車両は震災時にトンネル内で緊急停止したため、被災を免れた車両だ。緊急停止しなければトンネル出口側で発生した落橋により転落するところであったという。被害を受けずに済んだこの車両は「奇跡の車両」と呼ばれることにとなった。
いまはWAONのラッピングトレインになっている。

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すわり心地の良いクロスシートが並ぶ車内。

朝の出発が早かったのでまだ何も食べていない。盛駅の駅舎内でおいしそうなお弁当を売っていたので買っていた。車内のボックス席に座ると早速昼食にした。

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駅でおばちゃんから買ったお弁当(500円)。おかずも豊富で手作り感が良かった。

発車間際になると商品を積んだワゴンが乗ってきた。車内販売があるようだ。
発車後ワゴンが回ってきた。呼び止めて「三鉄サイダー」を買った。

飲むと普通のサイダーのようだが、ガラス瓶から飲むとペットボトルとは違う温もりが感じられた。

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車内販売で買った『さんてつサイダー』(205円)。

三陸鉄道は旧国鉄から引き継いだ第三セクターの路線だが、1970年代以降に開通した比較的新しい路線のためトンネルが多い。それでもトンネルの合間合間には美しい三陸海岸の入り江が見えた。

途中の恋し浜では3分停まりますと放送がある。ここはもと小石浜駅であったが、2009年にこの地区名産の帆立ブランドに合わせて恋し浜と改称された。
小さい待合室を覗くと、願い事が書かれた帆立貝が絵馬よろしくびっしりと吊るされていた。

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3分間停車があった恋し浜駅。

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もともとは『小石浜』だったが、2009年にホタテブランドに合わせて『恋し浜』に改名した駅。

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築堤の上にある甫嶺駅に停車中。

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三陸駅で盛行と交換する。

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三陸の海岸はどこも景色が良い。

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山の上に立つのは釜石大観音。

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釜石着、ここからはJR釜石線に乗り換えになる。

4年前に大津波があったことがウソのような平和な三陸海岸だった。列車は終点釜石に着く。
ここからはJR釜石線に乗り換えになる。
北の宮古に通じる山田線は現在も津波被害で不通になっている。JRによる代行輸送は行われておらず、この区間は路線バスによる運行になっている。本当は宮古まで行き、北リアス線に乗り継ぎたかったが、直通バスは無く、乗り換えも面倒なので、ここから釜石線で花巻まで出ることにした。

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三陸鉄道釜石駅の駅舎。

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きっぷうりば。ここも三鉄グッズを売っている。

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きっぷうりばで売っている三陸鉄道グッズなど。

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三陸鉄道の地下道。


釜石 12:05発 − 花巻 14:06着 660D

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こちらはJR釜石駅、三陸鉄道とは分かれている。

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釜石発花巻行普通列車はキハ100の2両編成。

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キハ100の車内。車体長が17mと小ぶりの車両のため、車内も小じんまりとした感じ。

釜石線に乗るのは今回が2度目になる。前回は盛岡から山田線を宮古経由で、釜石からは快速「はまゆり」で花巻まで行った。
この路線の一番の見どころは陸中大橋〜上有住間のΩ(オメガ)カーブだろうか。仙人峠とよばれる険しい峠越えのこの区間は、戦前までは国鉄唯一の索道で結んでいた。鉄道の釜石線として開通するのは戦後の昭和25年であった。


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陸中大橋駅の手前ではこれから通る鉄橋が山の上に見える。通称Ω(オメガ)カーブと呼ばれる所。

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陸中大橋駅を過ぎると今度は逆にさっき山の上に見えた鉄橋から通ってきた線路を見下ろす。

仙人峠を過ぎ山岳地帯を抜けると、田んぼが広がる風景となる。ここは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の舞台となったところだが、平和な景色だがいささか退屈でもある。

遠野では大勢の乗客がホームを埋め尽くしていた。何事かと思ったが、どうやら臨時で運行されている『SL銀河』の折り返し乗客らしい。
向かい側のホームにはSLと再び客車に改造されたキハ143が見えた。

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遠野駅で乗り込んできた乗客。

遠野からはほぼ満席状態になった。観光客ばかりなので車内は明るいムード。
新幹線接続の新花巻で半分近くが降りて行った。首都圏から新幹線で来たのだろうか。SL運転でこれだけの集客力を得る新幹線パワーはすごいと思った。

4人掛けボックス席で満席は窮屈だったが、車内は大分余裕ができた。終点花巻に到着する。

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終点花巻駅に到着。


花巻 14:12発 − 盛岡 14:52着 1539M

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東北本線の701系電車。また2両だけで、花巻から乗る人も多く混んでいた。

土曜日の午後だが、花巻駅ホームの電車乗車口は行列ができている。行きに乗った上り電車も混んでいたが、この区間の混雑は慢性的なようだ。盛岡までの40分間はつり革につかまっての立ちっぱなしだった。

盛岡 15:15発 − 八戸 17:03着 IGR→青い森鉄道 4535M

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IGRいわて銀河鉄道の乗り場。

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盛岡駅0番線に停車中のIGR7000系電車。基本はJRの701系電車と同じ。

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盛岡〜青森直通の電車は無く、八戸で乗り換えになる。八戸からは青い森鉄道の車両。


八戸 17:13発 − 浅虫温泉 18:30着 青い森鉄道 585M

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IGRとは対照的に青い森鉄道のホームはJRとの共用になっている。

盛岡から青森までは新幹線並行ということで第三セクターになった区間だ。第三セクターというと国鉄やJRから引き継いだローカル線を細々と運営しているイメージだが、ここはもと東北本線。北東北や北海道を結ぶ貨物列車が頻繁に通り、重軌条の線路は東北本線時代から変わりない。線路だけ見ているとそうは思えないが、ここも赤字路線である。物流の骨格をなす路線を地方自治体による負担だけで支えるというのはいかがなものだろうか。旅人のお節介ながらそう思った。

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第三セクターとはいえ北海道への貨物列車が通るし、電車は110km/hで飛ばす。

このまま真っ直ぐ行っても青森着は18:55で、「はまなす」の乗継には時間があり過ぎる。
浅虫温泉でひとっ風呂浴びてこようと途中下車した。
駅前にある道の駅には安く入れる温泉があるので、はまなす乗換の時間つぶしにはちょうど良い。

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浅虫温泉駅で降りる。

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新幹線開業後は特急も来なくなり、寂しげな雰囲気。

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駅前にある道の駅『ゆ〜さ浅虫』。最上階が温泉になっている。

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温泉の入口。

ゆっくりしていこうと思った温泉だが、浴場は思いのほか狭く、また大学生の一団が入浴していて落ちつかなかった。
早々に上がる。
風呂上りにビールでもと思っていたが、館内のレストランは19:00で終わりだった。仕方なくまた駅へ戻る。

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駅窓口の営業時間は終わっていて無人駅になっていた。

駅の窓口も売店も閉まっている無人の待合室でひとときを過ごす。青森行の列車時刻となる頃には待合室に何人か集まってきた。


浅虫温泉 19:33発 − 青森 19:57着 青い森鉄道快速 505M

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快速電車は新型の703系電車がやって来た。

上野駅を5:43に出れば乗り継いで来れる列車なので北東パス所持で「はまなす」に乗り継ぐ人たちだろうか。2両の車内は旅行者らしい乗客で満席だった。
ただ立っているだけではつまらないので、最前部の窓から外を眺める。ライトに照らされた前面の線路が意外とよく見えた。

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703系電車の車内はセミクロスシート。

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青森に到着。1・2番線は青い森鉄道の駅名標。

終点青森に到着。台風に見舞われ、1泊を余儀なくされて一時はどうなることかと思った旅行だが、ここまでくればあとは札幌まで一直線。
がんばってくれよ急行「はまなす」。

タグ:鉄道旅行
posted by pupupukaya at 15/10/24 | Comment(0) | 東北の旅行記
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