2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記1

 ◆ はじめに

2008年の春、前年の10月ダイヤ改正で週末のみ運転の臨時列車に格下げされてしまった特急『まりも』。それでも寝台車1両を連結し、夜行列車としての面目を保っていました。同年11月2日からはB寝台料金が3000円に値下げされ、気軽に寝台車を利用できるようになったのはありがたいことです。

4月最初の週末に突然思い立ち、金曜の夜に特急『まりも』で旅立つことにしました。
使用したきっぷは『北海道フリーパス』(23,400円)。
7日間有効ですが、使用したのは金・土・日の3日間だけ。あとの4日分は掛け捨てとなってしまいますが、別々にきっぷを買うよりは、はるかに安上がりなためこのきっぷを使用しました。
指定席も6回まで利用できますが、使用したのは1回だけで、あとは自由席となっています。これは指定券との引き換えが面倒だったのと、どの列車も空いているだろうとのことです。(案の定どの列車もガラガラでした)

以下の旅行記は2008年4月に旧ホームページ版でアップしていたものですが、今回ブログ版としてリメイクしたものになります。

 旅行の行程
日付列車名区間利用座席
4/4(金)臨時特急まりも札幌〜釧路自由席
4/5(土)普通釧路〜網走 
特急オホーツク4号網走〜旭川自由席
L特スーパーカムイ32号旭川〜札幌uシート
特急スーパーとかち7号札幌〜帯広自由席
特急スーパー―おおぞら11号帯広〜釧路自由席
臨時特急まりも
釧路〜札幌B寝台
4/6(日)特急北斗2号札幌〜五稜郭自由席
特急白鳥18号函館〜木古内
自由席 
普通木古内〜江差 
普通江差〜木古内 
特急スーパー白鳥9号木古内〜函館自由席
特急スーパー北斗17号函館〜札幌自由席


 ◆ 札幌 23:08発【特急まりも】翌5:50着 釧路

2008年4月4日(金)

ここ5〜6年間に夜行列車がバタバタと廃止になってしまった。かつては札幌から道内各方面へ夜行列車が出ていたが、函館行『ミッドナイト』が無くなり、稚内行『利尻』、網走行『オホーツク』(夜行)が無くなり、いつしか『まりも』は金土日だけの臨時列車となってしまった。
よく金曜発の夜行でふらりと旅に出たものだが、それも難しくなってしまったなあ…

幸い週末だけとはいえ、札幌と釧路を結ぶ夜行特急『まりも』が運行されているので、それを利用して2泊3日で道内鉄道旅行に出ることにした。

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 『臨時特急まりも』の表示とホーム。

金曜の夜とあって駅はまだ賑わっている。
こちらはこれから夜行で旅立つ身。家路を急ぐ人の流れや喧騒が別の世界の出来事に見える。
何だろう、このワクワクした感じ。夜行で旅立つときはいつもこうだ。

ホームの売店はどこもシャッターが閉じている。
1階コンコースのキヨスクだけはまだ営業していたので、ビールとつまみなどを買いこんでホームに上がる。

6番線に停まっているのは苫小牧行普通列車。
ホームの人はほとんどそちらの客。苫小牧行は22:50に満員で発車していった。
そのあと『まりも』が入線してくる。最近出番も限られてきた角ばったキハ183系気動車。

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 特急「まりも」の乗車口。

自由席の乗車口に並んでいた数人とともに車内に入る。
春休み期間もそろそろ終わりとあって2両の自由席はがら空き。もうこれ以上乗ってくることも無いだろうと、前の座席を向い合わせにして足を伸ばす。
隣には旭川行最終『スーパーカムイ』が停まっている。

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 がら空きの自由席車内。

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 隣には旭川行最終『スーパーカムイ』。

隣の『スーパーカムイ』が先に発車して行き、こちらも23:08に発車となる。
まずはビールを開け旅立ちに乾杯。夜行飲むビールと一緒によく買うのが燻製たまご。ゆで卵を燻製にしたものだが、ビールに良く合う。別につまみなどいらないのだが何もないと淋しい思いもするので買ってきた。

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 ビールとつまみなど。


自由席なので、空いていれば前の座席と向かい合わせにすればゆったりと過ごせる。
夜の窓ガラスに映った車内や、現れては去ってゆく街の灯かりをただ眺めていると、缶ビールの酔いも手伝って、自然といろいろなことを考えさせてくれる。こういう夜汽車の雰囲気はとても好きだ。

南千歳で2人ほど乗ってきたが車内は静か。0時少し前車内は減光される。0:08に追分を発車。いつの間にか眠りこんでいた。

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 減光され、小電球が灯る車内。

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 追分駅に停車。

目覚めると5時過ぎ。明るくなっているが小雨模様である。札幌を発車したときは10人くらい乗っていたこの車両だが、いつの間にか車内は3人だけになっていた。

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 夜明けの白糠駅に停車。

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 新富士駅で運転停車。貨物列車が停まっていた。

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 終点釧路に到着した夜行臨時特急『まりも』。

5:50、釧路駅1番ホームに到着する。幅広のホームにはパラパラと人が降りてくるだけで寂しい終着駅だった。

2へつづく

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2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記2


2008年4月5日(土)

 ◆ 釧路 5:59発【普通】9:18着 網走

釧路からは釧網本線の普通列車に乗り換える。
地下道を通って3番線に向かう。網走行は3番線、その隣の2番線は根室行快速『はなさき』が発車を待っている。どちらも1両のみだが空(す)いている。
5:55に根室行が先に発車して、こちらは5:59に発車となる。

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 1両だけの網走行普通列車。釧路駅。

道東方面での普通列車の主力は、ステンレス車体に赤帯のキハ54。車内は特急の中古座席が、真ん中のボックス席に向かって集団見合いのような格好でならんでいる。真ん中のボックス席には大きなテーブルがある。

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 特急車両からの中古品、簡易リクライニングシート。

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 車窓は釧路湿原。

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 塘路駅で釧路行普通列車と交換。

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 1羽だけ見つけた丹頂鶴。茅沼駅停車中。

車窓は釧路湿原。行けども行けども不毛の原野が続く。塘路では4分停車するのでホームに降りてみる。小雨が降っていて寒い。札幌あたりではすっかり姿を消した雪はこのあたりではまだまだ残っている。

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 標茶駅に停車中。

標茶では約半分の人が下車して、ここから先へ行くのは数人のみ。標茶は7分停車する。反対側のホームでは釧路行列車を待つ人がちらほら。

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 三角屋根の標茶駅。

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 コンコースの上に丹頂鶴が舞う。

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 反対側のホームに釧路行が到着。

標茶を発車して磯分内、南弟子屈と進むにつれ、本格的に雪になってきた。一面真っ白の冬景色で、このあたりの春はまだまだ遠いようだ。
川湯温泉を過ぎて峠を越えると雪はまたみぞれになっていた。

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 冬景色に逆戻りの南弟子屈駅。

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 いかにも国鉄の駅といった感じの清里町駅。

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 リニューアルされた知床斜里駅。

 知床斜里駅では3分停車。土曜日だが高校生が多く乗ってくる。突然発泡スチロールの箱を持った男性が車内に入ってきた。

知床斜里駅売店の車内販売でございまーす」 
アイスクリームや野菜ジュース、シュークリームなどはいかがでしょうか

と車内をまわる。乗客は学生ばかりなので相手にされてないようだった。
腹が空いているし珍しいので自分の席のところにきたとき呼び止めてみた。弁当や腹の足しになるものは無いようだ。200円のシュークリームを1つ買う。

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 知床斜里駅の車内販売で買ったシュークリーム。

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 車窓に現れたのは季節外れの流氷。

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 浜を覆う4月の流氷。

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 網走に向かうにつれ氷が多くなってきた。

知床斜里からはオホーツク海岸沿いをゆく。海岸には季節はずれの流氷が来ていた。離れていた流氷が、数日前の大荒れの天気でまた接岸したものだろう。
天気はみぞれから雨に変わって、重苦しい海岸の景色が続く。

浜小清水からまた数人乗ってきて車内はほぼ満席状態。もうすっかり通学列車になってしまった。
窓ガラスは曇ってしまった。

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 木造駅舎が残る鱒浦駅。

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 網走港も流氷で埋めつくされていた。

桂台で高校生が全員下車すると車内は数人が残るのみになった。網走の市内を高架で通り抜けて、9:18、網走駅3番線に到着。

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 網走駅に到着。

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 レトロな網走駅の階段。

今度は9:30発の札幌行『オホーツク4号』に乗り換える。
なかなか慌ただしいが、今回は鉄道旅行のため列車に乗ることが第一の目的なのです。


つづきを読む
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2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記3

 ◆ 網走 9:30発【オホーツク4号】13:11着 旭川

今日の「オホーツク4号」は2両増結の6両編成。自由席は一番先頭1号車と増結1号車。指定席はどの車両もがら空き。2両の自由席は半分くらいの列がふさがっているが、まだ余裕がある。

思えば始発の網走駅から昼間のオホーツクに乗るのは初めてかもしれない。

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 網走始発、特急『オホーツク4号』。

見送りの人も無く、9:30になると無人のホームから発車する。

さっそく缶ビールを開け駅弁を食べる。網走駅のかにめしは味付けご飯の上にほぐしたカニの身を載せている。カニの風味は網走のかにめしが一番ではないだろうか。
車内で駅弁とともに飲むビールがうまい。“大人の休日”だねぇ。

網走を出てしばらくすると網走湖が見えてくる。まだ結氷して一面真っ白である。駅弁を食べ終わると一眠りする。

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 網走駅『かにめし』(840円)とサッポロクラシック『青函トンネル開業20周年記念缶』。

気づくと北見はとうに過ぎていて、もうすぐ遠軽というところだった。
遠軽駅は立派な木造駅舎が健在で、正面側もホーム側も風格を感じる。列車の進行方向が変わるので2分間停車する。ここでは座席の方向転換をしなければならないので面倒だ。

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 木造の遠軽駅に到着。ここで列車の向きが変わる。

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 遠軽はオホーツク北部の玄関口。結構乗客も多い。

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 それなりの乗車率にはなったオホーツク車内。

山間部にさしかかるとだんだん雪深くなってくる。石北トンネルを抜けると山も木も雪で覆われて真っ白。再び冬景色に戻ってしまった。

上白滝・上川間は34kmあって、駅間距離が日本で2番目に長い区間になっている(1番は石勝線新夕張・占冠間34.3km)。
この間には奥白滝・中越・天幕と3つの駅があったが、次々に廃止となった。昔は林業が盛んでこれらの駅から木材の積み出しが多かったのだろうが、いまは無人地帯になっている。
長い石北トンネルを抜けると下り坂。寄り添う川は石狩川の支流、留辺志部川である。このあたりの車窓はいかにも大自然という感じがする。

そんな山の中でも真新しいコンクリートの高架橋が現われたりする。建設中の旭川・紋別自動車道だ。
現在は上川までだが、これが開通すると特急オホーツクの脅威となるだろう。
『おおぞら』や『宗谷』系統は高速道路の開通に先んじて高速化がなされたが、『オホーツク』系統は今のところ高速化の話は聞かない。
ていうか、すでに札幌〜北見間の所要時間で高速バスに負けているのが現状だ。

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 冬山の急勾配をエンジンを震わせながら石北トンネルに向かう。

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 留辺志部川沿いを行く。

上川駅を出るとだんだん雪が少なくなってきた。ここからは上川盆地となる。

宮脇俊三氏は“時刻表2万キロ”で、

“ここから旭川までは北海道の車窓でもっともつまらない区間だと思う。土地が肥沃なため水田ばかりでサイロもない。区画の広いことのほかは内地と変わりはない” 
 
と書いている。

車窓の見所は特にないが、『オホーツク』は石北線内ではこの区間が最も快調に走る。
上川盆地は道内の米どころ。かつては上川百万石などと呼ばれたが、水田は減反政策や市街地化で最盛期の半分くらいにまで減ったという。
平地まで来ると雪はすっかり姿を消した。

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 峠を下りて旭川付近は雪が無くなった。

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 旭川駅に到着。

新旭川で宗谷本線と合流して高架線になる。石北線や宗谷線から駅前に林立するビルを見ながら旭川に着くと、毎回都会にやってきたという感じがする。

13:11に旭川到着。網走から所要3時間41分、何度乗ってもオホーツクは乗りごたえがある。旭川で降りるのは、新型789系の特急『スーパーカムイ』に乗るためだ。


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2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記4

 ◆ 旭川 14:00発【スーパーカムイ32号】15:20着 札幌

旭川で乗り継ぐスーパーカムイは13:30発の30号もあるが、旧型785系の車両だったので見送ることにする。
00分発新千歳空港行が新型車両で運転されることが多いが、とくに決まりは無いようで、自分の乗る列車が新型に当たるか旧型に当たるか運しだいなようだ。
旧型でも所要時間は同じだし、車内もリニューアルされているので居住性はどちらも変わりない。

前に知人に「自分が乗った車両が新型か旧型なのかわからなかった」と言われ、「窓がブラインドなのが新型、カーテンなのが旧型」と答えておいたがあれで良かったのだろうか。

改札を出て、みどりの窓口で14:00発32号の指定券を発行してもらう。時間があるので駅前のデパートなどをうろついて時間をつぶす。学校は春休み最後の土曜日だが人出はあまり多くなかった。

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 ビルが立ち並ぶ旭川駅前。

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 平和通り買物公園と三角の時計塔が目立つ旭川駅舎。

ホームに立ち食いそば屋があったので天ぷらそばを食べる。駅そばもホームで列車に乗る前だとなかなか美味いものだ。
2・3番ホームに1箇所だけある店は駅弁屋の旭川駅立売による営業。待合室のは駅食堂のにっしょく北海道による営業と別々になっている。

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 旭川駅ホームの立ち食いそば屋。後ろは駅弁の売店になっている。

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 店内にある品書き。

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 天ぷらそば370円。エビ入りの大きなかき揚げが乗る。

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 2007年10月から運行を開始した789系スーパーカムイ。

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 駅構内からは新しい高架橋が見えた。

休日の昼過ぎなので空いていると思っていたが、発車10分くらい前に車内に入ると大体予想通りであった。

スーパーカムイの指定席は『uシート』と呼ばれ、グリーン車ほどでもないが座席の前後が広く、グレードアップな車両になっている。自由席専用のSきっぷでも510円追加すれば乗れるので人気がある。
自由席にも十分空席があるので札幌までがら空きだと思ったが、発車5分前くらいから次から次へと乗ってきて結構な乗車率となった。
自分の通路向かいの座席は、旭山動物園帰りらしいやんちゃ坊主2人に手を焼いている夫婦連れ。
やれやれ ┐(´д`)┌

深川・滝川でも乗ってきて指定席はほぼ満席に近くなる。
uシートの座り心地は良いが、1両の指定席は満席状態なので少々窮屈。車窓は何十回となく通った見慣れた景色。子供の泣き声に悩まされる。

滝川で乗ってきた前の席のおやじは、座るなりシートをリクライニングさせて眠りはじめた。
札幌着、15:20。これまでの車内が空いていて快適だった分、旭川からの長い1時間20分に感じた。

 ◆ 札幌 16:37発【スーパーとかち7号】19:16着 帯広

これで昨夜札幌を出発してぐるっとひと回りしてきたことになる。
まだここでは終わらない。こんどはスーパーとかちで帯広へと向かう。スーパーとかち用261系の新車に乗るためだ。

札幌駅では1時間37分のインターバルとなるが、行きたいところなどあるはずもなく、売店をのぞいたり、待合所のストーブで暖をとったりして過ごす。
今日は上野行寝台特急カシオペアの運転日だった。4番ホームへ行ってカシオペアの撮影や窓越しに車内を覗いたりして過ごす。

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 灯油ストーブが燃える札幌駅ラッチ内コンコース待合所。

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 16:12の発車時刻を待つカシオペア号。

全車2階建て個室A寝台車の豪華寝台特急。1度は乗って見たいが叶うことはない。ただホームをウロウロするだけの鉄道ファンである。

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 261系スーパーとかち。

さて今度は261系スーパーとかちの客となる。この車両も去年(2007年)10月改正で投入された新車。
新しい車両は気持ちがいい。
同じ車両は『スーパー宗谷』で先にデビューしたが、つくりは基本的に変わらないようだ。窓は真ん中に柱が立つブラインド方式。

自由席2両、指定席2両、それにグリーン車の5両編成。
自由席は悲しいほどにがら空き。
こちらの札幌〜帯広間の所要時間は2時間39分。この次の『スーパーおおぞら11号』ならば同じ区間を2時間18分となる。
所要時間では大きく劣るものの、居住性ではこちらに軍配が上がる。スーパーおおぞらのよく揺れるやかましい283系に比べれば、揺れも少なく静かなこちらの方が個人的には好きだ。車内販売も営業しているのも頼もしい。

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 261系スーパーとかちの車内。

空いているのでまた駅弁とビールで1杯やることにしよう。
買ってきたのは『幕の内弁当いしかり』。
税込みで800円ながらしっかりとした内容の駅弁である。

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 札幌駅の幕の内弁当いしかり。

この弁当の嬉しいところは、未だに経木の箱を使っているところ。
今じゃすっかり少数派になってしまった経木折の駅弁。これぞ駅弁といった歴史と風格が感じられる。
これにお茶の容器があれば完璧な駅弁セットとなるのだが、私はビールをいただきます。

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 経木折に包み紙、それを紐で結ぶ昔ながらのスタイル。

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 蓋も経木というのがまた嬉しい。

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 幕の内弁当いしかりの内容。

この幕の内弁当を売り出したのは青函トンネル開業のダイヤ改正時だったと思う。1988年3月13日。
上野〜札幌間の寝台特急が運行を開始したり、北海道の鉄道は一大ターニングポイントだった。それに合わせて札幌駅の駅弁も一大リニューアルとなった。

あらから20年、この弁当の内容は若干変わっているが、メインの鮭の切身、ホタテ、すき焼風煮は変わらず安定の幕の内弁当となっている。

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 車内販売で買ったコーヒー。

車内販売のワゴンが何度も通るが、この乗車率では売り上げも散々たるものだろう。所要時間わずか3時間足らずというのも営業的には悪条件だ。そのうち無くなってしまうかも知れないね。

通りかかったときに呼び止めてコーヒーを買う。
別にコーヒーが飲みたかったからではないが、何もほしいものがない時はコーヒーを買うようにしている。

19:46、すっかり真っ暗になった帯広に着いた。

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 帯広駅に到着。


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2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記5

◆ 帯広 20:16発【スーパーおおぞら11号】21:43着 釧路

すっかり暗くなった帯広に着いた。ここでの待ち時間はちょうど1時間。
19時を過ぎたばかりだが、駅前は夜中のように寂しい。

外は寒いし、駅前の撮影をしただけであとは駅の中で過ごす。

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 帯広駅の夜景。

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 駅前広場にあった旧駅のレール。

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 ホーム別に改札が分かれる帯広駅コンコース。

今度はスーパーおおぞらで釧路へ。釧路に行くのは、釧路始発の特急『まりも』に乗るため。
フリーきっぷ所持なので、こういう乗り方もできる。

札幌から来たスーパーおおぞら11号は帯広で半分くらいの乗客を降ろし、入れ替わりに車内の客となる。
時刻からして札幌へ用足しや仕事へ行った帰りといった顔ぶれ。空気もよどんでいる。
スピードの出し過ぎなのか台車が悪いのか神風のような乗り心地だった。

帯広から1時間27分で釧路に着く。高速化される前は帯広〜釧路間ノンストップ最速列車でも1時間48分かかっており、ずいぶんと早くなったものだ。
最高速度も85km/hから一気に130km/hに引き上げられた。

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 釧路駅1番ホームに到着。

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 釧路駅前の夜景。


 ◆ 釧路 23:30発【臨時特急まりも】翌6:20着 札幌

今夜の宿は臨時特急『まりも』号となる。
今日のは奮発して寝台料金券を買っておいた。奮発してといっても、去年(2007年)の11月から3,000円に値下げされたもので、『北斗星』のような長距離列車ならばともかく、ただ一晩寝るだけの宿なのに6,300円というのがあまりにも高すぎた。

北海道フリーパスなどの企画乗車券所持者でも3,000円の追加だけで利用できるようになったのもありがたい。
臨時列車とはいえ、そんな寝台車は人気のようで、指定された席は上段だった。

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 札幌駅で買った寝台料金券。

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 今日の発車は臨時特急まりもだけとなった改札口。

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 コンコースの上に舞う丹頂鶴。

各方面への最終列車も発車して行って、コンコースに残るのは夜行『まりも』を待つ人がチラホラといるだけ。
釧路駅から夜行に乗るのはいつ以来だろう。しばし夜行列車に乗る前の気分を盛り上げておく。

23時には入線してきた。
もう乗車しても良いようだ。

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 角ばった183系の特急まりも。

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 急行時代から使われている『まりも』のヘッドマーク。

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 『特急まりも/札幌』の行先表示。

土曜日の夜発ということもあるのか、座席車の方はガラガラ。まだ発車まで30分近くあるが、これから続々と乗ってくるとも思えない。寝台車の方は、上段の席が半分くらい埋まるほどの乗車率。急行時代の指定席ドリームシート2両と寝台車2両があった頃からするとすっかり落ちぶれた感がある。
それでもB寝台車は健在だ。

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 枕、布団、シーツ、ハンガーが置かれた寝台車。

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 旅情がある寝台車の通路。

寝台車の客はベッドメーキングを終えるとカーテンを閉じて引きこもってしまう人ばかり。
まあ時間からして、さっさと眠りたいだろうし、そのために寝台車に乗っているのだろうけど。

こちらは通路の腰掛に座って、コンコースのキヨスクで買ってきたワンカップをチビチビ飲みながら寝台車の旅情に浸っていた。
私の席は上段だが、下段の2席は空いたままだ。途中から乗ってくるのだろうか。

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 結局ひと晩空いたままだった下段の2席。

近年安いビジネスホテルが増えたし、昼間の特急もスピードアップされて夜行の需要も減ってしまったが、横になって移動できるというのは鉄道ならではのサービスだ。寝台料金の値下げは喜ばしいことだが、逆に言えばそれだけ利用者が減っているということだ。

去年の改正で臨時列車に格下げされた『まりも』号。臨時に格下げされた夜行列車は、ほぼ例外なく廃止となっている。
稚内への『利尻』、網走への夜行『オホーツク』。東北本線の『八甲田』『ゆうづる』『はくつる』といった夜行列車も臨時格下げの後廃止されている。
残念ながらこの『まりも』の運命も、ほぼ決定しているに等しい。

お酒を2本飲んだところでもう12時近く。もう寝ることにする。


posted by pupupukaya at 20/04/25 | Comment(0) | 2008年の旅行記(リメイク版)

2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記6

2008年4月6日(日)

 ◆ 札幌 7:00発【スーパー北斗2号】10:06着 五稜郭

釧路から特急まりものB寝台で眠って、6:20に札幌に着いた。
昨日は道東方面を回ってきたが、今日は道南方面へ行くことにした。

札幌駅で乗り継ぐのはスーパー北斗2号。
スーパー北斗が走り始めた当初は、この列車は札幌〜函館間を2時間59分で結ぶ最速列車だった。
停車駅がなんと東室蘭の1駅だけ。南千歳も苫小牧も通過するのである。札幌を朝7時前に出発して、函館に午前10時前に到着するダイヤに、函館もずいぶんと近くなったものだと思った。

そんなスーパー北斗に1度だけ乗ったことがあって、南千歳と苫小牧の通過も新鮮だったが、高速で回転するように突っ走る振り子式の気動車に、北海道にもこんな列車が走るようになったのかと感動したものだ。
しかし、利用不振だったのか不評だったのか、いつからか停車駅が追加され、発車時刻も7:00となり、函館着も10時過ぎになってしまった。

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 特急まりも札幌駅着。

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 札幌からはスーパー北斗2号の客となる。

夜行列車の利点は朝早くから行動できること。
家やホテルからだと朝イチの列車に乗るのは大儀になってしまうが、夜行で着いたらそのまま乗り継げばいいだけだ。

そんなスーパー北斗2号の自由席はがら空き。
春休みも異動シーズンも終えた4月初旬の日曜日はどの列車も閑散としている。

周囲に人がいないので、駅弁を出して朝食。
買ってきたのは『すし処えぞ賞味』。酢飯の上にちりばめられた海の幸が美しい。
プシュッと缶ビールも開ける。

日曜の朝に特急の車内で駅弁を肴にビール。しばし至福のひと時を過ごす。
こんなのは休日で回りに乗客がいないからで、休みを取っていても平日ではさすがにやりかねる。

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 すし処えぞ賞味(980円)は海の幸がたくさんのちらし寿し。

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 日曜なので豪勢に朝酒。

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 がら空きの自由席車内。

東室蘭のあたりで7号車の車両最後部に行ってみる。
ここの貫通路の小窓が、知る人ぞ知る展望席なのである。行ってみると誰もいない。しばらくここから後面展望を楽しむ。

 ※2020年注:現在は立ち入り禁止になっていますが、この当時は自由に出入りできました。

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 7号車後方窓からの展望。

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 貫通路の窓にある手動式ワイパー。

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 小幌駅を通過。

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 礼文華のあたりは迫力ある眺め。

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 旧旭浜駅あたりの直線区間。

函館まで行かず1つ手前の五稜郭で降りる。
地元の人は略して五駅(ごえき)と呼ばれる五稜郭駅。名所五稜郭公園へはかなり遠い。と言うか、ほとんど無関係の場所にあるといえる。
函館で五稜郭と言えば、丸井デパートのある市電五稜郭公園前電停付近のことを指し、そっちは函館市内第2の繁華街になっている。もっとも電停から五稜郭公園までも結構遠くて、歩いて10分くらいかかる。
私がこの駅で降りたのは駅そばを食べるため。

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 五稜郭駅に到着。

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 五稜郭駅は函館本線と津軽海峡線が接続するため広い構内。

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 三角屋根と五稜郭をかたどった駅名表示。

この五稜郭駅にも地味に駅そばがある。前から気になっていたのだ。
かつての函館駅の待合室にも同じ『みかど』の駅そばがあったのだが、そちらは新駅舎になったときに無くなってしまった。

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 春のムードに彩られた駅待合室。

L字型のカウンターに6人分の椅子。なんかいいねえ、しっとりとして。
カウンターに座って『いか天そば』を注文する。

いか天は一口大に切ってあり、身はやわらかくて食べやすい。
なんとなく上品な感じのするそばだった。
ネギはセルフサービスで、筒に入っているのをトングでそばに入れる。

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 五稜郭駅の駅そば。函館駅と同じみかどの支店。

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 五稜郭駅の隠れた名物(?)のいか天そば(350円)。

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 ネギのセルフサービスはすっかり珍しくなった。

五稜郭駅のそばに満足して、普通列車で函館駅へ移動する。

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 町側はリニューアルされたが、ホーム側は昔の佇まいが残る五稜郭駅。


posted by pupupukaya at 20/04/30 | Comment(0) | 2008年の旅行記(リメイク版)

2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記7

 ◆ 函館 10:40発【白鳥18号】11:19着 木古内

函館からは江差まで往復してくることにした。
江差行普通列車は10:12に函館を発車しているが、後続の白鳥18号に乗れば木古内で追いつく。

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 函館からは特急白鳥18号で。

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 リニューアルした485系特急電車。

昨日の道東は暗い雨模様だったが、今日の道南は一転して快晴。
上磯を過ぎたあたりから見える津軽海峡は波もなく青空が広がっている。
本州の島影が見えないかと期待したが、さすがにそこまでは見えなかった。

木古内までは普通列車ならば1時間以上かかるが、特急はやっぱり早い。わずか39分で木古内に着く。
ここで江差行の普通列車に乗り換える。

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 木古内に到着。


  ◆ 木古内 11:27発【普通】12:34着 江差

江差線の江差行は4番ホームで待っていた。1両のみワンマン列車。
向かいの5番ホームはドアが閉まっているが函館行の普通でこれも1両。
近頃は、普通列車はどこも1両ばかりなので寂しい。

特急から乗り継いだ人は私だけのようだ。
半分くらいのボックスが埋まるほどの乗車率で発車する。

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 江差線に乗り換え。

昨日の道東とは対照的に、今日の道南は気温も上がってもう春の陽気。同じ道内でもこうも違うのかと改めて認識する。
沿線はまだ起こす前の畑や田んぼが広がるばかり。あまり眺めていて面白い車窓ではない。
車両の後ろのデッキへ行って、運転台後ろからの車窓を眺める。

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 貨車駅の吉堀駅。

江差線は松前半島横断のため、津軽海峡に背を向けて峠へと向かって行く。峠の稲穂トンネルの前後には25‰の勾配が控えている山岳路線でもある。
吉堀を出てしばらくすると人家も途切れ、山へと分け入って行く。線路脇にはまだ残雪も見えるようになった。
速度計を見ると時速30キロ台まで落ちてしまった。
非力な国鉄型気動車ではこれが精いっぱいなのである。

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 江差線吉堀〜神明間の後面展望。

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 時速30キロ台を差す速度計。

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 稲穂トンネルへ入る。

峠を下って、ようやく町らしいところが現われたら湯ノ岱に着く。
ここではすっかり少なくなったタブレットの交換が見られる駅。
列車が着くと、駅舎からタブレットの輪を抱えた助役が出てきた。

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 湯ノ岱駅に到着。タブレットを持った助役が出てくる。

列車の後ろから見ていると、発車しても助役がずっと立っている。
発車した列車が駅構内を出るまで監視する光景など、信号が自動化された今ではめったに見られない。
非自動の駅では、列車が出て行ったのを確認してから手動で信号を赤に切り替える必要があるからだ。

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 列車を見送る湯ノ岱駅の助役。

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 駅構内を出るまでずっと立ち続ける。

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 ばいばーい。

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 場内信号機までが湯ノ岱駅の構内。

上ノ国からは左手に日本海が現われる。
最後のラストスパートといいたいところだが、列車のスピードは65km/h止まり。並行する国道の車にも負けてしまう。
海とは別れ、また山側に回ったところで終点江差となる。

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 終点江差駅。

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 ホーム奥の車止めがまぎれもなく終着駅。

江差駅はローカル線らしくない立派な駅舎と駅前広場があって、団地の駅といった感じである。
駅前は商店が1軒あるだけで、あとは何もない。
駅自体が町の南側の高台にあって、中心部へはここから10分以上歩かなければならないのだ。
江差は江戸時代から開かれた古い港町である。後から出来た鉄道駅を設けるのはこんな町外れしかなかったのだろう。

江差駅での折り返し時間は39分。
駅前は観光するところもなく、基本住宅地なので何かあるわけではない。
唯一見どころがあるとすれば、駅向かいの崖の上から日本海が見渡せるということ。
そこから日本海と鴎島を見て江差観光とする。

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 駅近くの高台から。

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 北側に見える鴎島。

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 駅前に唯一ある店。

駅へ戻って待合室で過ごす。
広い待合室が賑わったこともあるのだろうか。
函館へは厚沢部経由のバスの方が便利だし、札幌へは熊石経由のバスで八雲へ出て特急に乗るのが早い。
列車に乗ってくればここが終着駅だが、町の人からみれば鉄道は影の薄い存在なのだろう。

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 駅員が常駐していて、みどりの窓口もある立派な駅。

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 石油ストーブはまだ必須。

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 折り返し函館行となって発車を待つ。


 ◆ 江差 13:13発【普通】14:19着 木古内

折り返しの列車は函館直通だが、こちらもがら空きで江差を発車した。

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 車窓に見えるのは天の川。

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 津軽海峡線に合流。

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 江差−木古内−函館の表示。

1両でガラガラというのが日常の光景。
乗り物は基本的にすいていた方が快適だが、いつもこうだと逆に寂しくなる。


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posted by pupupukaya at 20/04/30 | Comment(0) | 2008年の旅行記(リメイク版)

2008年北海道フリーパスと特急まりも旅行記8

 ◆ 木古内 14:36発【スーパー白鳥9号】15:12着 函館

先ほど乗ってきた江差発函館行の普通列車は15:07発となり、木古内で48分も停車する。
その間に函館行のスーパー白鳥9号が発着する。
お急ぎの方は特急でどうぞということだが、江差から函館に行くのに特急料金まで払って行く人はいないだろう。

48分も停車すれば実質別の列車で、車両運用の都合上直通しているだけに過ぎない。
私はフリーきっぷ所持なので、特急に乗り換える。

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 古い商店街の木古内駅前。

2番ホームへ行くと隣の3番ホームには貨物列車が停車していた。このホームはよく貨物列車が特急の退避などで使われている。貨物列車は北海道と本州を結ぶ唯一の陸送手段。あまり取り上げられることはないが、津軽海峡線のもう1つの主役でもある。
木古内からスーパー白鳥9号への乗客は数人だけ。八戸から着いた列車は、ここで意外と降りる人が多い。
昔は福島と三厩の間にフェリーが就航していたし、津軽海峡を挟んだ行き来は意外と多いようだ。

自由席の車内はそこそこの乗車率。それでも空いているほうだが。
しかし、ガラガラの江差線を往復してきたので、人がいるのが少しホッとする。

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 スーパー白鳥9号が到着。

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 津軽海峡と函館山。

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 しばし車窓の友となる函館山。

やっぱり特急は早い。36分で函館に着いた。
こんどの札幌行は15:23発北斗15号があるが、その次のスーパー北斗17号で札幌に戻ることにする。

函館で降りてみたのだが、持ち時間が1時間半ではどこへも行きようがなく、駅前で市電の姿を見てからまた駅に戻った。

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 函館駅前の市電。


 ◆ 函館 16:43発【スーパー北斗17号】19:43着 札幌

0泊3日の道内鉄道旅行もいよいよ最後の列車。
ホームの売店で駅弁とビールを買って車内に入る。
自由席はこれもガラガラだった。

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 函館からはスーパー北斗17号。

このスーパー北斗17号は、札幌までの所要時間がちょうど3時間となっている。
これも走り始めた頃は、東室蘭と苫小牧だけ停車で2時間59分となっていた。
今は南千歳と新札幌も停まるようになって、2時間台の列車は存在しない。

当初は『スーパー北斗』は速達列車として停車駅を絞っていたのだが、ダイヤ改正の度に停車駅が増えて、今では『北斗』と停車駅はさほど変わらなくなっている。
停車駅が増えるということは所要時間が延びるということになるわけで、多少延びても途中駅からの客を拾った方が得だということなのだろうか。

しかしせっかく札幌〜函館間3時間を切るという記録を達成したのにもったいないというのは誰でも思うところで、1本だけは残しておこうよということでこの列車が選ばれたということになる。
なぜ17号がそれに選ばれたかというと、利用者が一番少なかったから・・・と思うほど自由席はすいていた。

せっかくすいているのだから一杯やらせてもらう。
駅弁は鰊みがき弁当。ご飯の上に甘辛く炊いたみがき鰊と数の子がドンと乗るシンプルな弁当。
函館駅の駅弁では、これが一番好きだ。

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 函館駅名物、鰊みがき弁当(840円)。

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 甘辛いみがき鰊にビールが良く合う。

次の東室蘭までは車内の動きはない。おかげでゆったりと過ごせる。
それに反して列車の走りっぷりがせわしないこと。エンジンの振動がひどいし、カーブの度に右へ左へと傾いて。
札幌〜函館間318.7kmを3時間で結ぶ、在来線でもトップクラスの速い列車、しかも気動車でやっているんだから相当なものだ。

DSC02372.JPG
 振り子車両からは駒ケ岳も傾いて見える。

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 夕暮れの噴火湾。

静寂の中、轟音と振動だけがけたたましく続く。
たまに車内販売がやってくるが、声をかける人もなく引き返して行く。
ビールでも買おうかと思いかけるが、明日から仕事なのでやめておく。

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 がら空きだった自由席。

席を立って、また展望席へと行ってみる。やはり誰もいない。
朝の函館行と違って、こんどは自由席側が先頭となる。
しばらくここから前面展望を楽しむ。

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 7号車自由席からの前面展望。

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 キハ40普通列車とすれ違う。

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 新静狩トンネル入口。

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 暗くなってから窓を覗くと、昼とは違ったスリルがある。

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 札幌到着。

東室蘭、苫小牧でもさほど乗客は増えないまま札幌に着いた。
バタバタといろんな列車に乗ってきたので、特急『まりも』で道東へ行っていたのが1週間も前のような気がする。
また機会があれば、夜行列車で旅立つことにしよう。


 ◆ 2020年4月、リメイク版あとがき

以上は2008年4月に突然思い立って金曜日発の夜行列車に乗って旅立ったときの旅行記になります。

もう12年も前の旅行ですが、画像を貼って文章を書き進めているうちに当時の記憶がその場所にいるがごときに蘇ってくるのだから、人間の記憶力って大したものですね。
当時作ったホームページ版(現在なし)旅行記は『まりも』で出発し、1周して札幌へ戻ってきたところで終わっていた中途半端なものでした。
それを今回完結してみました。

12年も経てば変わらないようでいて、ずいぶんと変わっていることがわかります。

まず夜行特急『まりも』。
旅行の前年の2007年10月ダイヤ改正で週末と多客期のみ運転の臨時列車とされましたが、臨時格下げのあとに廃止の流れはこれも例外なく、翌年2008年8月31日発の列車を最後に廃止となりました。これで道内のみの夜行列車はすべて廃止されたことになります。

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 まりも号ラストランのパンフレット。

次が江差線
当時は東北新幹線が八戸までで、新青森開業は3年後の2011年。その5年後の2016年、北海道新幹線開業に伴って在来線の『白鳥』系統は廃止。江差線のうち五稜郭〜木古内間は第3セクターの道南いさりび鉄道へ。それに先立って木古内〜江差間は廃止となっています。
また、本州〜北海道間の夜行列車も新幹線開業を待たずして順次廃止され、夜行列車で旅立つというのは過去のものとなりました。

あとは『スーパー北斗』のスピードダウン。
これは相次いで事故が起こったことによる措置とはいえ残念なところ。
私なんかは札幌〜函館間は3時間というのが頭から離れないのですが、現在では最速の3時間29分が1本あるだけであとは軒並み3時間40〜50分台。所要時間だけで見れば1990年代初め頃の水準まで後退してしまいました。
『おおぞら』『とかち』系統も大幅にスピードダウンしています。

スーパーカムイ』は減便、『オホーツク』のうち2往復は『大雪』となり、旭川〜網走間に短縮されています。

サービス面で見れば、車内販売は全廃、じゃあ乗車前にといってもキヨスクもほとんどなくなりました。

江差線以外にもローカル線もいくつか廃止になりましたね。災害で運休のまま実質廃止状態の区間もそのままになっています。
JR北海道の経営も年々悪化、このままでは北海道の鉄道はボロボロという状態になりつつあります。

それとは別に高速道路や高規格道路は順調に延伸が進み、あと数年後には道内の主要都市が全てこれらの道路で結ばれることになります。人口稀薄地帯が多い北海道で、所要時間でマイカーはともかくバスにすら負けるような鉄道は、政策として存続するのならばともかく、民間会社のビジネスとするには限界と言えます。

海外ではこんな鉄道は貨物専用となっていたりしますが、日本では過去に鉄道の貨物輸送を大幅に縮小してしまったのでそれも望めません。

北海道新幹線開業が唯一プラスの出来事と言えますが、これとて毎年赤字の計上、共用貨物列車問題もあまり進展はないようで、札幌延伸へ向けて工事だけは進んでいますが、前途多難と言えます。

一方で札幌都市圏輸送と新千歳空港アクセス輸送は好調。学園都市線は電化、快速エアポートは先のダイヤ改正で大幅に増便されました。

この流れを見ると、札幌を中心とした『電車』に主力を注いで、都市間輸送は主要な区間だけ残し、新幹線の札幌開業を待つしかないというのが見えてくるのですが・・・

それにしても12年前の4月に私はなんで突然旅に出たのでしょうかねえ。何かやってられない出来事でもあったのでしょうかね。

夜行列車って、窓に映る車内の灯かりや流れる夜景を眺めていると、今までのことは忘れて別世界に運んで行ってくれるようなファンタジーがありましたね。
そんなことも2020年の今となっては昔話としてするしかないのですね。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 20/04/30 | Comment(0) | 2008年の旅行記(リメイク版)
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