JR札幌駅の券売機は東コンコース利用が便利です

いつもいつも思うことですが、JR札幌駅の券売機の混雑は大変なものです。
特に行列が長いのが指定券券売機で、ロープで1列に並ぶように仕切られていますが、常時10人以上の待ち列ができている状態。

訪れたのは2月初め、中華圏では春節が始まった頃、さっぽろ雪まつり開催前の日曜日、正午ごろの札幌駅西コンコース。
これで雪まつりが始まればさらに混雑することでしょう。

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 大混雑の札幌駅西コンコース券売機コーナー。

大型スーツケースを持った、インバウンドと思しき方々が目立ちます。
慣れない機械の操作に時間がかかるようで、列がなかなか進まないのは、後ろの人は気を揉むところでしょう。

最悪、行列に並んでいる間に発車時刻となり、きっぷを手にする前に乗り遅れてしまう事態にもなりかねません。
これのために早めに駅に行く必要がありそうです。

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 券売機の種類ごとに行列を仕切ってはいるが。

ロープで仕切った列は左から近距離用、えきねっと受取専用、指定券券売機用と分かれます。
常に行列が絶えないのは指定券券売機の列。

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 行列の案内板。

年々酷くなる券売機の混雑に、設置台数をもっと増やせないものかと思いたくなりますが、西コンコースのスペースではこれが限界のようです。

それでも指定券用券売機は増設が進み、現在は指定券券売機が6台、えきねっと受取専用が1台の計7台と増えてはいるのです。ですが根本的な解決には至らないようです。
反面、指定券券売機が増えたおかげで、近距離用の券売機が減らされて、そちらの混雑が増すという始末。

ひとつ思うことは、新千歳空港までの乗客のうち多くのインバウンドが『エアポート』の指定席を券売機で買っているのではないか。
だとすると、『エアポート』専用の券売機コーナーをどこかに設置すれば、この西コンコース券売機の混雑はだいぶ緩和されることになります。

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 快速『エアポート』の指定席予約状況表示。

上画像は、西改札横にある快速『エアポート』の予約状況の表示機。
新千歳空港まで平均10分間隔運転で所要も僅か40分足らず、しかも指定席料金は840円と普通列車グリーン料金よりも高いのに30分以上先の列車まで満席という大人気ぶり。
やはり『エアポート』の指定席を求める乗客を分離するのが、一番の解決法でしょうか。

ところがですね、大混雑している西コンコース券売機の一方で、同じ札幌駅なのにすいている券売機コーナーもあります。
下の画像は同じ時間の東コンコースの券売機コーナー。

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 札幌駅東コンコースの券売機コーナー。

さっきの西コンコースと同じ札幌駅で、同じ時間。

東コンコースは地下鉄コンコースから離れていることもあり、利用者も多くありません。
最近はエスタやパセオなど商業施設の一時閉店やバスターミナルの閉鎖などもあり、東コンコース利用者が減っている感じもします。

しかし西コンコース券売機コーナーの大混雑っぷりに対して、この閑散ぶりにもちょっと驚きます。

こちらの指定席用の券売機は、指定席券売機1台、指定席用の話せる券売機2台の計3台が設置。
どれも1人待ちくらいの状態ですが、待たずに使用できることも多いです。
近距離用券売機は、完全に待たずに利用できる状態。

DSCN9220.JPG
 同じ札幌駅とは思えない・・

しかし、いつもながら思うのは、どうしてあの人たちは一箇所に集中するのが好きなんでしょうか。
券売機だけじゃなく、いつだったか小樽に行くのに午前中の快速『エアポート』に乗ったら、編成前方の小樽側車両はラッシュ並みの混雑で、後ろ側の車両は空席もあるなんて列車を見ました。
乗客の多くがインバウンドを含めた観光客。

それはともかく。

札幌駅できっぷを買って、あるいは予約していた指定券を受け取ってから列車に乗る場合、東コンコースの利用がおすすめです。
私も券売機の用で札幌駅に行く場合は、迷わず東コンコースの方に行きます。

それにしても、札幌駅もそういうことを少しは案内すればいいのにね。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

タグ:鉄道 札幌駅
posted by pupupukaya at 25/02/02 | Comment(0) | 鉄道評論

2025年3月15日JR北海道ダイヤ改正について考える

12月13日、毎年12月恒例の来春ダイヤ改正の概要がリリースされました。

 *2024.12.13
    (ニュースリリース | JR北海道 - Hokkaido Railway Company)

ダイヤ改正の主な内容を要約すると、以下の通りとなります。
  1. 特急『大雪』を特別快速『大雪』とする。
  2. 早朝の上り『ライラック』、深夜の下り『カムイ』の運転取りやめ。
  3. 『おおぞら7号』の停車駅見直しにより所要時間短縮。
  4. 『北斗2号』の停車駅見直しにより所要時間短縮
以前から報道されていた内容で知ってはいましたが、公式にリリースされたことから今度のダイヤ改正についてあれこれ考えてみたいと思います。


 1. 特急『大雪』を特別快速『大雪』とする。

現在札幌〜網走間の特急は、札幌〜網走間直通の『オホーツク』2往復、旭川〜網走間の『大雪』2往復が運転されています。
両列車とも通常はキハ283系3両1組が3編成で共通運用を組まれています。
そのため『オホーツク』として網走駅に着いた列車が『大雪』として折り返し発車するという光景が見られます。

今回のダイヤ改正は、このうち『大雪』2往復を特別快速に格下げするというもの。
運休日を設けずに毎日運転とし、現在は通過列車がある白滝、丸瀬布の両駅にも全列車が停車するようになります。
特急『オホーツク』として存続する2往復は札幌〜網走間を単純に1往復する運用となり、運転時間帯も変更となります。

運用をわかりやすくするために、石北線関連の列車のダイヤグラムを作成してみました。

 2024年3月16日改正(改正前)
seki2403b.png
改正前は特急がキハ283系が3編成という運用です。
朝に網走を出て札幌まで1往復する編成が1本、それに『大雪』1往復と『オホーツク』片道の運用を受け持つ2編成。

有効時間帯を最大限活用する運用で、網走でも旭川でも短い時間で折り返すことになり、大幅な遅れや車両不具合などが発生すると、車両繰りでの運休が発生しやすくなります。

 2025年3月15日改正(改正後)
seki2503.png
改正後は特急が2編成、快速が3編成による運用となるようです。
特急の折り返し時間も十分にあり、遅れが発生しても折り返し時間で吸収できる余裕が出来ました。

札幌直通の特急は2往復とこれまでと変わらず、快速『きたみ』もグループに加えて旭川乗換えを含めれば札幌〜網走間は5往復とまずまずの本数となります。

これが特急車両を快速列車に使用するのであれば、JR北海道さんご自慢のサービス列車となるところですが、そう甘くはありません。
特別快速に使用されるのは、今や道内普通列車の標準となったH100形気動車となります。

DSCN5919a.JPG
 H100形特別快速『大雪』のイメージ。

特別快速となる『大雪』ですが、

“H100形2両で運転し、すべて自由席で特急料金は不要です”
 (2025年3⽉ダイヤ改正について より)

とあります。

快速だから特急料金は不要ですが、『トクだ値』の扱いはどうなるのでしょう。
場合によってはかえって高くつく可能性もあります。

 【旭川〜網走間】
・トクだ値50%OFF:4,270円(特急大雪利用)
・普通乗車券:5,610円

それよりもっと気になるのは、これまで特急として運転していた列車の乗客を、この車両に収容できるのかということ。

H100形気動車は2020年3月ダイヤ改正から函館山線から運転を開始し、順次各線区に投入されてきました。
基本的に通勤通学向けの車両で、座席はセミクロスシート。

この車両の定員は1両当り99人となっていますが、うち座席数は36席しかないあたり通勤電車仕様といえます。
残りの63人は立ち客になりますから。
車両中央部に6つのボックスシートがありますが18人分で、もう半分はロングシート。
旭川〜網走間の4時間近くをロングシートで行くのもどんなものでしょう。

快速なのだからロングシートでも文句を言う筋合いはないのでしょうか?
99人までは定員乗車だから問題はないという考えなのでしょうか?

  ★    ★

想像だけであれこれ批判してみても始まりません。
実際に数字を挙げてみましょう。

試しに記事を書いている翌日の、12月15日(日)『大雪1号』の乗車率はどんなものかと調べてみました。
但し、旭川〜網走間での表示なので、区間によっては人数が異なります。

ekinet20241215.png
 えきねっとで2024/12/15『大雪1号』のシートマップを表示したものを加工引用。

指定席の1・2号車で59人。これに3号車自由席が同じくらいの乗車率とすれば、編成全体の乗車人員は80~90人といったところになります。
H100形2両の座席は合計で72席ですから、同じ人数の乗客ならば立ち客が出てしまいますね。

さらに帰省ラッシュの12月29日の『大雪1号』を見ると、1両増結の4両編成となっています。
指定席はすでに満席に近い136席が予約済み。
当日は満席となり、自由席の人数も足すと乗客は全部で200人以上になると予想できます。
それでも全員着席となります。
特急型車両は、意外と収容力があるわけで。

これを仮にH100形2両で運転するとなると、1両当りの乗客は100人以上となってしまいます。
さすがにこれでは車内は満員電車並みの混雑になりますね。

1両増結して3両編成としても1両当り約67人。
36席のH100形では1両当り30人の立ち客が出る計算です。

このあたりは

“令和7年度以降、長距離移動の快適性向上のため、座席数の増加と座り心地の改善を行っていきます。”
 (2025年3⽉ダイヤ改正について より)

とあるので来年(2025年)度以降に順次車内の座席の交換を行い改善されるようではあります。

DSCN6693a.JPG
 新・特別快速に使用されるH100形の車内。

ですがこの車両、客室のかなりのスペースをバリアフリートイレが占拠して、さらに機器室の出っ張りがあったり、あまり改造の余地がない車両にも見えます。

DSCN6697a.JPG
 トイレ前は通路が狭く2人掛け席の設置は難しそう。

素人目の意見ですが、座席を改善するとしても、ボックスシート部分を特急から発生した中古座席へ交換するのが関の山という感じがします。
2人掛けシートが、せいぜい片側に5脚ずつ、両側で20人分の座席が並ぶ程度でしょうか。
せめて2両1ユニット運用として、片方のトイレを撤去して座席に充てるくらいしないと、根本的解決とはならないと思うんですが。

それに座席交換も来年度以降の話であって、ダイヤ改正後は当面は現在のH100形が使われることになります。

同じ車両を使用している函館山線や富良野線も混雑している列車をよく見かけますが、あちらの乗車時間は長くても1時間〜1時間半程度。
石北線の新しい特別快速は、北見や網走まで乗車時間3〜4時間の乗客が多い長距離列車。
ハイシーズンはそこへ青春18や北東パスの客も加わるはすで、大変なものでしょう。

また快速化と同時にワンマン運転となるわけで、これでは車内整理もままなりません。
ハイシーズンとなれば通路は立ち客とスーツケースがびっしりで身動きも取れず。
荷物を抱えた客が途中の駅で降りるに降りられず、停車するごとに後ろから
降りまーす!」と叫ぶ声がしたり。
途中駅では吹雪の中、積み残し多数。

やだ。こんな列車絶対乗りたくない。



 2. 早朝の上り『ライラック』、深夜の下り『カムイ』の運転取りやめ。

削減される列車は、次の2本となります。

旭川発 5:18 → 6:43 札幌着【ライラック2号】
札幌発 23:05 → 0:30 旭川着【カムイ47号】

旭川発が朝の5時台、旭川着が深夜0時半というこの列車の前身は、夜行列車だった特急『利尻』『オホーツク』になります。

夜行列車時代も札幌発の自由席は満席でも、旭川を過ぎたらガラガラなんてこともしょっちゅうで、旭川までに降りる人たちにとってはL特急(当時)の一員でもありました。

夜行列車が廃止となった際、代わりに『ライラック』系統の増発として新設されています。

DSC03217.JPG
 特急利尻があった頃(2006年2月撮影)

函館や帯広・釧路方面の特急列車に接続する列車であり、新千歳空港から朝早くの飛行機を利用する人や、逆に夜遅い飛行機で着く人などからは大事な列車だったでしょう。
時間帯からして利用客が少ないことは承知ですが、こればかりは公共交通機関としての使命を忘れていると思うのですが。

特急とはいえ、札幌〜旭川間は30分から1時間ごとに運転される電車感覚で利用できる区間なので、実質始発繰り下げと終電繰り上げということになります。



 3. 『おおぞら7号』の停車駅見直しにより所要時間短縮。

もう特急列車の大幅なスピードアップなど無いものと思っていましたが、今度の改正では下り『おおぞら5号』が、大幅に所要時間を短縮します。
こちらは今度のダイヤ改正で明るい話。

札幌〜釧路間で31分も短縮するのだから、なかなかの快挙・・・と思いきや、そうでもなかったようです。
これは改正前は『おおぞら5号』が下りの最速で、札幌〜釧路間を4時間05分で結んでいました。
それを7号の停車駅を減らして最速列車にするというものです。

特急おおぞらの所要時間比較
 改正前改正後差分改正前改正後差分
 おおぞら7おおぞら7おおぞら5おおぞら7
札幌 発13:5513:57 11:4513:57 
南千歳発14:2914:25△812:1714:25△4
帯広 着16:4116:18△2514:1616:18△10
釧路 着18:2017:51△3115:5017:51△11

改正前の5号と改正後の7号を比較すると、札幌〜帯広間は2時間21分運転で10分短縮、札幌〜釧路間は3時間54分運転で11分短縮となります。

ただ、速くなったのはこの1本だけで、しかもあちらを立てればこちらが立たずの図式。
反面、上りの『おおぞら6号』は8分、『おおぞら8号』は6分、それぞれ釧路〜札幌間で所要時間が増加しています。
これは石勝線と根室線内は単線区間なので、どちらかが道を譲らねばならない事情によります。

それにしても、車両も最高速度も同一で、停車駅が数駅違うだけで、どうしたら30分以上も所要時間が違うのかが不思議です。


 4. 『北斗2号』の停車駅見直しにより所要時間短縮。

所要時間短縮の対象列車は『北斗2号』の1本のみとなります。
かつて『スーパー北斗』の2時間59分運転を知る身にとっては、僅か4分の短縮など誤差の範囲内に思えてしまいますが、僅か4分でも札幌〜函館間の所要時間は3時間29分となり、3時間半を切るのは快挙と言えるのかも知れません。

ちなみにこの3時間29分という所要時間は、振り子式キハ281系『スーパー北斗』が登場する前の『北斗』の最速所要時間と同じです。
やっと今から30年前の水準に追いついたといったところでしょうか。

特急北斗2号の所要時間比較
 改正前改正後 
 北斗2北斗2 差分
札幌 発6:006:00 
新函館北斗着9:179:15△2
函館 着9:339:29△4

この札幌駅朝6時発の『北斗2号』は、私は3回乗ったことがあります。
地下鉄も始発前、札幌駅でも手稲始発の列車以外の接続がないので札幌発車時はいつもガラガラでした。
この列車の主な乗客は、新函館北斗から『はやぶさ18号』乗継ぎ客と東室蘭までの通勤客のようでした。

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 新幹線乗継ぎ客からすれば早く着いても意味はない。

東室蘭も新函館北斗も、早く着いても乗客からすればかえって迷惑という感じがしなくもありません。
時間短縮した分は、札幌発時刻を繰り下げて欲しかったと思うのは私だけでしょうか。

  ★    ★    ★

以上2025年3月ダイヤ改正について思うことを書き連ねてみました。
私はJR北海道の利用頻度は少ない方ですが、たまに利用するときは自腹できっぷを買っています。
そんな自腹でたまに利用する乗客からの目線による考察なので、少々ずれている点があってもご容赦願います。

それにしてもダイヤ改正の度に不便になる時代になってしまいました。
JR北海道を批判したくなりますが、こればかりは企業努力だけでどうにかなる問題ではありません。

人口減少に止まらない乗客減少。
人手不足に施設の老朽化。
せめて道路行政と同じように鉄道行政があるべきと思いますが、現状ではそういった制度が無いのでどうしようもありません。

あと数年もすれば、運行しているだけでもありがたいと思え的な、最低限の本数とサービスを残すだけとなっているのでしょうか。
これは鉄道だけではなく、バスも同様・・・いやバスの方がより深刻でしょうか。

政府や政治が腰を上げない限り、地方交通衰退のトレンドは続くでしょうね。
現状の交通政策といえば、新幹線や高速道路誘致ばかり。
地元に密着した交通政策を解決できる政治家っていないのでしょうか。

・・鉄道ファンで内閣総理大臣の石破さん聞いてる?

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 24/12/14 | Comment(1) | 鉄道評論

室蘭駅無人化と今後のきっぷ形態を考える

JTB時刻表の路線図では市の代表駅(中心駅)は二重丸で示され、そこが主要駅であるような表現となっています。

原則はJR駅かつ市の名前を冠した駅が対象となるのですが、JR駅があってもバス路線の方に付けられたり(新夕張など)、JR駅が市と同名なのに私鉄の方に付けられたり(弥富など)、付け方はどうも恣意的なところがあるようです。

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 JTB時刻表の索引地図より。

で、室蘭市の場合は、特急『北斗』の停車駅であり、実質室蘭市の中心は東室蘭駅周辺となっていますが、市の代表駅である二重丸は室蘭駅に付されています。
これは室蘭駅が市の名前を冠した駅名であり、市役所のほか胆振総合振興局などの主要な役所は室蘭駅近くにあることから、室蘭駅が文句なしに市の代表駅にふさわしいといえます。

みどりの窓口を示す緑色とともに、二重丸が主要駅を示す頼もしい駅のように見えます。
実際、特急『すずらん』の始発駅でもあるわけで。

ところが、そんな主要駅に見える室蘭駅もついに時代の流れが・・・

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 室蘭駅無人化を伝えるJR北海道のチラシ。

なんと室蘭駅が無人駅に。
特急の始発駅であり、室蘭市の代表駅である室蘭駅もついに無人化。
合理化と人手不足の折、やむを得ない措置とは思えますが、あの室蘭駅が?という思いもあります。

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 1997年に新築移転した室蘭駅。

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 無人化の張り紙がある駅入り口。

室蘭本線の一部でもあり、複線電化もされたこの室蘭支線ですが、営業的に見れば盲腸線ということになるのでしょうか。
今はワンマン仕様の737型電車が投入されて苫小牧方面への直通運転が復活しましたが、それ以前は特急と朝夕の通勤通学列車以外は単行のワンマン気動車が往復するだけの路線となっていました。
途中の、輪西、御崎、母恋の3駅は国鉄時代に無人化されています。

さて、無人化される室蘭駅、利用者はどれくらいいるのでしょうか。

室蘭駅1日当り
乗車人員
年度乗車人員(人)
2015578
2016609
2017619
2018625
2019633
(室蘭市統計書令和元年より筆者作成)

上の統計を見ると、コロナ前の2019年の1日当り乗車人員は633人。
札幌近郊の駅と比較すれば少ない数字ですが、地方の駅とすれば立派なもの。

2019年度で同じくらいの乗車人員の駅を挙げれば、北見駅675人、余市駅631人、富良野駅596人といったところ。
これら3駅も無人化という話は今のところ聞かないが、乗車人員だけ見れば室蘭駅も道内主要駅と同等の駅という見方ができます。

しかしこの統計はコロナ前のものであり、コロナによる利用者減の影響により現在はかなり減少している可能性があります。
全車指定席化により特急『すずらん』の利用者が大幅に減っているという話も聞きます。
この室蘭駅無人化に踏み切った理由は、利用者減だけなのでしょうか。

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 無人化となる改札口。

室蘭駅の無人化といっても、実は室蘭駅窓口の営業時間は7:20〜17:30となっており、それ以外の時間帯は無人駅と同様ということになっています。
ですから、室蘭駅無人化といっても、朝夜の無人時間帯が終日になったと言うこともできます。

無人化になっても指定券を買うことができる『話せる券売機』は引き続き設置されるので、特急券の購入や『えきねっと』で購入したきっぷの受け取りは可能です。
今後は『話せる券売機』と『えきねっと』をご利用くださいということになります。

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 話せる券売機は無人化後も利用できる。

室蘭駅は室蘭支線の終点であり、特急始発駅でもありますが同市内の東室蘭駅が特急『北斗』も停車する主要駅であり、そちらの方が利用者も圧倒的に多いことから室蘭駅の無人化に踏み切ったのだと思います。

室蘭市は胆振総合振興局が置かれた道内の主要都市の1つです。
2000年代の前半には10万人を超えていた人口ですが、人口減少が止まらず2024年8月現在の人口は7万5千人あまり。
同じ市内に2つの有人駅の維持はコスト的にも大変という営業判断もあったのでしょう。

あとは昨今問題となっている人手不足。
営業窓口は自動化できますが、列車の運転や施設の維持管理は人手が必要ですから、そちらの人員確保が優先となるでしょう。

もう1つ、これは個人的な希望からの推測ですが、チケットレス化への布石なのではないかということ。
飛行機はとっくにチケットレス化となっており、自宅のPCやスマホで予約・決済してQRコードの表示だけできれば搭乗することができます。
JRの特急などでも一部ではチケットレス化が始まっていますが、これは料金券に対してだけのものであり、乗車券はICカード乗車券を利用するか別途紙の乗車券を所持する必要があります。

これが本当のチケットレスとなり、『えきねっと』等で購入してプリンターで印刷したものや画面上で乗車券を表示すれば可とすれば、駅できっぷを発券しなくても直接列車に乗車できることになります。
PCやスマホで購入し、好みの座席を選択できて直接駅から列車に乗車できるなんてとても便利ですね。

反面、駅できっぷを購入する人が激減することから、駅の営業窓口は不要となるわけです。

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 『えきねっと』では手元で好みの席を選択できる。

事前にみどりの窓口に出向いて駅員に端末を操作してもらって購入し、利用日になったらまた駅に出向いて乗車するなんて不便なことをする必要がなくなるわけですから。
有人のみどりの窓口なんてのも主要駅だけ残して、あとは無人化されることでしょう。

それと、無人駅から乗車する場合は、現在のところ車内で乗車券・特急券を正規の料金で買うしかないわけですが、無人駅からの利用でも『トクだ値』などを利用することができるようになります。
特急『すずらん』でいうと、母恋、御崎、輪西、鷲別といった無人駅からの利用機会が増すことになります。

え?
お年寄りガ〜?

銀行のATMだって窓口利用だと振込手数料が880円(北洋銀行の場合)かかる時代だし、スーパーのレジだってセルフレジが増えました。
鉄道だけが保守的な利用者のためにコスパの悪い営業窓口を残すわけにはいかないでしょう。
ということで筆者は鉄道のチケットレス化推進論者なわけです。

でも今後は買えなくなるので記念に紙の入場券と乗車券を買ってきました。

DSCN8003-001.JPG
 室蘭駅で買ったきっぷ。

乗車券は引き続き同じ様式のものが指定券券売機で買えますが、入場券はどうだったでしょう。
有人駅の証拠ということで改札スタンプも押してもらいました。

この裏が黒色になった磁気券。
考えたら、磁気媒体って周りから姿を消して久しくなっています。
昔はカセットテープ、ビデオテープ、フロッピー、プリペイドカードと磁気で記録したものが溢れていたわけですが、もうふた昔も前のことですね。
私が今使っている磁気媒体といえば銀行のキャッシュカードと鉄道のきっぷくらい。
それでも市内や近距離ならばICカード乗車券利用だから紙のきっぷを買うことは滅多にありません。

今の磁気券システムもいつかは更新の時期が来るわけで、今や鉄道のきっぷくらいにしか使われなくなった磁気媒体機器は大変高価なものになることは想像がつきます。
実際、JR東日本を始めとした関東の鉄道各社は2026年以降に磁気乗車券から順次QR乗車券に移行するとしています。

  (2024年5月29日 JR東日本のニュースリリース)

近距離券からとあるので、『えきねっと』等にも適用されるのはまだ先のようです。
それでもコスパとタイパ(タイムパフォーマンスの略)が良い物が出回れば、あっという間に全国に普及することでしょう。
あと数年後には磁気券のきっぷというものは無くなっている物の1つなのかもしれません。

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 こんな光景も早く過去のものになって欲しい。

磁気券だけでなく、今や全盛のICカード乗車券もこれからは縮小となる可能性があります。
熊本県内の交通事業者が、今後は全国交通系ICカード利用を停止して、クレジットカードのタッチ決済を導入することを決めています。
理由は全国交通系ICカードに対応する機器の更新代が高いということ。

クレジットカードのタッチ決済とは何ぞや?という人も多いでしょうが、これは今の新しいクレジットカードはレジにあるリーダーにカードをかざすだけで決済ができるというもの。
私も使っていますが、なかなか便利なものですよ。
かざした瞬間に「ピッ」と鳴って完了。いやあ早いこと。
電子マネー系よりもずっと早い。

038945.png
  タッチ決済のイメージ。

特に資金の乏しいJR北海道では、次に機器の更新の時期を迎えたら、高価になるシステムをやめてQRコードやクレジットのタッチ決済に移行することも考えられます。

考えてみたら90年代に紙のきっぷに鋏を入れていたものが自動改札になり、2000年代にはICカード乗車券が登場して紙のきっぷが不要になりと進化しているわけです。
特急や長距離のきっぷだけが紙の磁気券のままというのはちょっと考えられないわけで。

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 フィンランドは多くの駅は券売機設置だけで営業要員はいない(ロヴァニエミ駅)。

こうした新しいシステムが導入されれば駅の有人窓口というものが不要となるわけです。
主要な駅の窓口だけ残して、駅は無人化はさらに進むことでしょう。

室蘭駅はその始まりとも言えそうです。

 〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

つづきを読む
posted by pupupukaya at 24/09/07 | Comment(0) | 鉄道評論

撮影禁止? 産経新聞『JR北海道に怒られた!』を考える

先日、インターネットのニュースを巡回していると、気になる記事が掲載されていました。
いや、気になるどころか、寝耳に水ともいえる出来事でした。

その記事とはこちら。

*産経ニュース
  2024/6/26

『北の鉄路を考える』シリーズは産経新聞で連続して掲載しているコラムで、JR北海道の列車で移動しながらの旅行記がメインですが、新聞記者らしく所どころに批判や批評も織り交ぜるという読み物でもあります。

その何が気になったかというと、上のリンク内の記事を引用させていただきます。

【産経ニュースより引用】
第三列車連載2回目が掲載された21日正午すぎだった。安全を確認し、乗客の顔が写らぬよう配慮してホーム上で撮った列車写真を、デジタルの産経ニュースから削除するよう求めてきたのだ。
【引用終わり】

記事の始めには『北の鉄路を考える』記事の2回目が掲載された日にJR北海道広報からメールが届いたとあります。
そのメールを要約すると以下の通り。

  • JR北海道敷地内での写真撮影を伴う取材は10営業日内までに申請の上取材あっせん書が必要(事後は不可)。
  • ホーム上・列車内での撮影は有料の立会人が必要。
  • 過去にホーム上で撮影された写真はデジタル版から削除すること、今後申請のない写真は掲載しないこと。

記事内のJR北海道広報からのメールの引用では丁寧な言い回しですが、内容的にはキツイものです。

このメールに記事を執筆した記者氏も相当憤慨したのか、
いつからJR北海道は、ホームなどでの列車撮影を事実上禁止している中国や北朝鮮並みになったのだろうか。
と記しています。

JR側がデジタル版から削除要請をしている画像を見ても、単なるスナップ撮影のようなもので、特定の意図を感じさせるものではないし、記者氏も特に意図は無いものと思われます。

この件については筆者の私見ながら、産経の記事だからJR北海道は当然記者氏の行動を『取材』と判断したからと思われます。
JR北海道は一応は私企業なので、当社の敷地内で取材をするなら広報を通じて許可を得てから、と言いたいことは良く分かります。

どこの会社だって、敷地内や店先で許可なく取材されて記事にされるのは好ましくないと判断するでしょう。
だからと言って、すでに掲載された画像まで削除せよというのは少々無理筋にも思いますが。

  ★   ★   ★

話が少々ずれてきたので戻します。
で、冒頭の『寝耳に水』とした一文がこちら。

【産経ニュースより引用】
「JR北海道のホームページには、個人の営利活動目的の撮影は『ご遠慮いただいている』としか書いてなかったけど」
【引用終わり】

記事の通り、これがJR北海道が禁止している事項ならば、今後は収入を得ている動画やブログ作成のための駅構内や列車内での撮影はできないことになります。
私ら鉄道で旅行してその旅行記ブログをWeb上に掲載している者にとっては、これらの話が飛び火してこないとも限りません。

で、その『撮影はご遠慮』云々の記載は、JR北海道HPのどこに記載されているのでしょうか。
なにぶん私も初耳なもので、ガセネタであることを期待しつつ、同社のHPをあちこち探してみます。

見つけたのがJR北海道HPのお問い合わせ/よくあるご質問の中にある『その他について』のQ&Aにありました。

【JR北海道HPより引用】
Q,JR北海道が保有する列車内や駅などの施設内で撮影することはできますか。(映画やドラマ、CM、各種SNS、動画共有サイトへの投稿など)

A,個人の営利活動における駅や列車内など弊社の保有する施設内での各種撮影はご遠慮をいただいておりますが、法人としての撮影でしたら内容によりご相談をお受けすることが可能です。
 <法人からの受付は(株)JR北海道ソリューションズへのリンクあり>
【引用終わり】(下線および山カッコ内は筆者追加)

これによると、個人の営利活動における撮影は不可、法人の場合は許可が必要ということになります。

引っかかるのは営利活動というもの。
『営利』とは何ぞや?ということになりますが、画像で1円でも収入を得たら営利になるのでしょうか?
ちょっと営利についてググってみます。

【goo辞書より引用】
営利(えいり)
財産上・金銭上の利益を得る目的をもって事を行うこと。

簿記では売上高から経費を差し引いたものが利益としています。
これで言うと、営利とは簿記でいう利益を目的とした行為ということになります。

当ブログも僅かですが広告料収入がありますが、利益というには程遠い状況です。
ていうか運営の目的はほとんど趣味です。

個人のうち営利活動を目的としていない者の撮影は制限の対象外ということになります。
さっきのQ&Aの中で『収益性のある動画共有サイト投稿などの営利活動を除く』場合はこのように記載されています。

【JR北海道HPより引用】
A:収益性のある動画共有サイト投稿などの営利活動を除いた個人的な趣味等での撮影については、安全上の問題がなく、他のお客様のご迷惑にならなければ、特に禁止をしているということはございません。
【引用終わり】(下線は筆者追加)

この『個人的な趣味等』が何をどこまで指すのかは定かではありませんが、趣味で運営している個人HP・ブログへの掲載ならば認められると解釈することができます。

よって、営利活動ではない当ブログの管理人である私は、今後も支障なく旅行記等の作成のための撮影を行うことができると判断しました。

  ★    ★    ★

一方で法人による撮影の場合はというと、株式会社JR北海道ソリューションズが行っているロケーションサービスが対応をしていて、関係個所との対応や立合いを行っているとあります。

こちらはTVや映画、CM、グラビア撮影を対象としているようで、確かに大型の撮影機材を持ち込んでスタッフに出演者が駅に出入りするとなると事前許可が必要になるのはわかります。

しかし今回の産経記事のように、ほぼ単独行動と思われる取材で、ホームからのスナップ撮影する程度でいちいち申請が必要とするならば杓子定規にも程があると個人的には思います。

ところでなぜJR北海道では駅や車内での撮影についてこんなにやかましくなったのでしょうか。

他の鉄道会社はどうなのだろうと調べたら、JR東日本のHPにも同様の記載があって、こちらもJR北海道同様に個人の営利活動における撮影は不可としています。
ていうか、このルールを設けたのは、JR東日本の方が先のようでした。

これは私人逮捕YouTuberがJR東日本内の駅で起こしたある事件が発端のようです。
そういった撮影が駅や車内の秩序を乱したり乗客に危険が及ぶことから、個人の営利活動の撮影を禁止する姿勢を打ち出したということになります。

対象者を『営利活動』としたのは、迷惑系YouTuberの締め出しを目的としたからでしょうか。
単順に撮影禁止では一般の利用客や観光客のスナップ撮影まで一律に禁止となってしまいますから。

ですが、駅や車内で撮影している人が営利活動なのかそうでないのか判別するのは不可能ですね。
掲載や投稿後のものになると、連絡して削除を求めるくらいしかなくなります。

それに、有名YouTuberとかならともかく、個人でアップされたものが営利活動かどうかを判別することは難しいですし、そんなところまで追いかけていたら、鉄道会社としてもそれだけで大変な業務となってしまいます。
そこまでしたところで、ただ人手やコストがかかるだけで何の生産性もない仕事ですからね。

toritetsu8709.jpg
個人の営利活動による撮影の禁止を打ち出したのは、過去に撮影者によって事件を起こされた鉄道会社としては、何らかの対応を取らざるを得なくなった結果とも受け取れます。

  ★    ★

件の『JR北海道に怒られた!』の話に戻ります。
この記者氏も記事は最後のほうにこんな一文を書いています。

産経ニュースより引用】
報道目的でホーム上で撮影した写真を掲載してはいけない法的根拠を示すよう(JR北海道に)お願いしたが、締め切りまでに明確なお答えがなかった。
【引用終わり】(カッコ内筆者追加)

JR側としても、法的根拠を示せと言われても無いに等しいのではないでしょうか。

筆者は法律に詳しいわけではありませんが、色々調べたら著作権や肖像権のあるものを対象としたものについてはともかく、日本国内では一般的な撮影を法で取り締まることはできないようです。

これが民事ならば、例えば駅や車内で目立つように『撮影禁止』の旨の掲示があれば、規約違反として撮影をとがめる立証ができるようです。
しかし今回の場合は、自社HPのQ&Aにさらっと書いてあるだけで、しかも後出しで言って来たとあっては難しいでしょうね。

DSCN7228.JPG
 駅には行為の禁止はあっても撮影目的に関する禁止事項の掲示は見当たらない。

なぜJR北海道は産経側に、すでに掲載された記事の画像削除と以後は申請せよと求めてきたのでしょうか。

ここからは筆者の推論ですが、JR北海道側が産経新聞の記事に自社構内で無断撮影された画像を発見して、それがルール違反とある以上は見過ごすことはできなかったということが考えられます。

新聞記事となると社会的な影響力も大きく、他のポータルサイトにも同記事が転載され多くの人の目につく記事となります。
またルールに定めのある『法人』が運営していることは明白です。
法人や個人の営利活動による無許可撮影を禁じているのに野放しにしておけば、こっちは駄目で、あっちはOKなのはおかしいという意見が必ず出てくるでしょう。

そんなわけで、JR北海道は企業の姿勢として、産経編集部に前述のメールを出さざるを得なかったのではないでしょうか。
また数ある新聞社の中には、なりふり構わない取材を行う記者もいたりするもので、それに対する警戒も込めているのかも知れません。

とはいえ、法人だろうと営利活動目的の個人だろうと、一律に撮影を禁ずるのは鉄道会社にとっても得策ではないでしょう。
なぜなら、鉄道敷地内で撮影する意図や目的は千差万別であり、また法人の全員がマスコミ関係者というわけでもなく。
公開される画像や動画の中には、鉄道会社の宣伝になったり、イメージアップになるものも多くあるはずです

鉄道会社側も、自社HPのQ&Aだけで公開しているだけというあたり、こういった事情もありルールを表立って主張したくはないとも受け取れます。
本気で営利活動目的の撮影を禁止したければ、駅や車内の誰でも目に付く場所にその旨の掲示をするはずだからです。

DSCN7218.JPG
 ホームに掲示された撮影での禁止事項。札幌駅ホームにて。

一律にルールで禁止すると自社の宣伝やイメージアップにつながるものまで一律に締め出してしまうことになります。
撮影禁止をことさら主張することで企業のイメージダウンとなることも想像に難くありません。

とにかく、迷惑系YouTuber等の締め出しを目的として、今のうちはグレーゾーンとして幅を持った解釈をできるようにしておきたいというところでしょう。
何度も言いますが、こんなルールをコストや人手をかけて適用すること自体、鉄道会社にとって何の生産性もないわけですから。

こんな例は世の中に数えきれないほどあるわけです。
全てのルールが明文化がされて取り締まることになったら、それはそれでギスギスした社会になるわけで。
それこそ産経記者氏の言う『中国や北朝鮮並み』の社会になってしまいますね。
(もっとも、筆者は両国へ行ったことがなく、実情までは存じ上げませんが)

今回のこともグレーゾーンとして、あまり白日の下にさらすような真似はしない方が良かったのかも知れません。
そういう意味では、今回の産経の記事も、とんだ寝た子を起こしたような記事だったように思えます。

いや、寝た子を起こすな的な考えからすると、今回のこの記事も書くべきではなかったのかも知れませんね。

でも書いちゃったから公開します。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 24/06/29 | Comment(0) | 鉄道評論

札幌市内交通機関のコロナ前コロナ後を比較する

新型コロナウイルスの感染者が日本国内で初めて確認されたのが2020年1月のことでした。
以降感染者が増加し、幾度もの緊急事態宣言等の行動制限が要請され、公共交通機関も大幅な利用者減を余儀なくされました。

そんなコロナ禍が3年間にもわたって続きましたが、2023年5月には感染症法の位置付けが2類から5類に変更され、行動制限は終了しました。
以降は様々な分野で活発な活動が戻ってきて、現在は少なくとも街中を歩いている限りはコロナなど既に過去の出来事のように思われます。

お盆や年末年始の繁忙期になると、新幹線や飛行機などの利用者数がコロナ前を上回ったというニュースも飛び込んできます。
一方では、リモートワークの普及による移動形態の変化により、交通機関の利用客はコロナ前には戻らないという話も聞きます。

DSCN7444.JPG
 こんなこともありましたなあ・・・

各交通機関がコロナ前とコロナ後でどう変わったのか。
これからどうなってゆくのか。
鉄道ファンの私からすると、気になっていたところでした。

6月になり、統計さっぽろ(月報)令和6年5月号 がHP上に公表され、これにより札幌市内の各交通機関の統計が2024年3月までのデータが揃いました。
これを機に、コロナ前だった2019年3月のデータと最新の2024年3月のデータを比較して、コロナ前とコロナ後の利用者数を比較してみることにしました。

JRの最新のデータは2024年4月が最新ですが、バスや市営交通機関のデータが3月が最新なので、それに合わせてJRも3月のデータを引用します。

数値は一日平均輸送人員となります。
月の総数しか掲載のないものは、総数から3月の日数である31を除した数値としました。


 ◆ JR北海道

まずはJR駅のコロナ前とコロナ後の利用客数を比較してみることにします。

国鉄だったころは誰もが汽車と呼んで、札幌市の交通ネットワークから外されていた感がありましたが、国鉄末期からJR化後にかけては新駅開業や列車の増発が相次いで行われました。
今では札幌都市圏の主要な交通機関として定着しています。

札幌市内駅の利用者数も、一部駅を除いてコロナ前までは一貫して増加傾向にありました。
市内駅の乗車人員を合計した総数が一番多かったのは2018年度で、年間の総数は約8145万人となっています。

下はその2018年度の3月と比較した数字です。

札幌市内JR駅の増減
駅名2019年3月2024年3月増減率
 市内駅合計211,481 183,661 86.85% 
 1日当り 単位(人)

1日当り18万人台は、2004年頃の水準まで後退してしまったことになります。
(2004年1日当り市内駅合計数は181,842人)
コロナ前までの15年間は、札幌圏の都市輸送は稼ぎ頭として右肩上がりで成長してきたわけですから、経営基盤の弱いJR北海道にとっては大きな痛手です。


次は駅別の乗車人員を比較してみます。
こちらは数が多いので、増減のベスト10とワースト10を記します。

最初は増減率上位ベスト10です。

札幌市内JR駅増減ベスト10
順位駅 名2019年3月2024年3月増減率
1 苗穂4,636 5,659 122.05%
2 桑園10,101 9,948 98.48%
3 稲穂*816 794 97.37%
4 百合が原*729 709 97.29%
5 新札幌13,483 12,967 96.18%
6 太平*810 773 95.42%
7 発寒4,382 4,008 91.47%
8 八軒2,400 2,187 91.10%
9 発寒中央4,349 3,949 90.79%
10 ほしみ*974 883 90.71%
 1日当り 単位(人) *印は無人駅

苗穂駅の増加率122%はダントツです。
2018年秋に移転して橋上駅となった苗穂駅ですが、それまで出入口が無かった北側にとっては新駅開業にも等しい出来事でした。
2023年には駅南北の再開発事業も完了し、駅前は南口も北口も見違えるようになりました。
空中歩廊がアリオ札幌まで直結するなど、利便性も格段に向上し、これからも発展が見込めるエリアです。

DSCN7125.JPG
 大発展を遂げた苗穂駅前。

それ以外の駅でコロナ前を上回った駅はありませんが、桑園は都心に割と近く、マンションの人気エリアを反映したものでしょう。

不思議なのは、なぜか稲穂、百合が原といった郊外駅が上位にランクインしていること。
無人駅なので統計では定期利用者しか計上していないこともあり、これらの駅は今回の考察からちょっと外す必要がありそうです。

あとは快速エアポートが好調な新札幌。
これについては後述します。
新札幌駅から段があって、発寒、八軒、発寒中央と西側の駅が続きますが、コロナ前比9割強という少々厳しいもの。


次いでワースト10です。
コロナ以降利用客の戻りが鈍い駅ということになります。

札幌市内JR駅増減ワースト10
順位駅 名2019年3月2024年3月増減率
18 琴似11,146 9,549 85.68%
19 あいの里教育大3,481 2,976 85.49%
20 新琴似3,769 3,186 84.54%
21 森林公園3,852 3,221 83.62%
22 札幌96,201 80,134 83.30%
23 上野幌2,381 1,953 82.04%
24 平和2,617 2,146 82.03%
25 星置5,619 4,526 80.55%
26 拓北2,400 1,894 78.93%
27 あいの里公園1,610 1,191 73.99%
 1日当り 単位(人)

ざっくりとですが、郊外駅が多くなっています。
こちらは、電車内の密を嫌ってマイカー等に移行した人たちが戻ってこないことが一番の原因でしょうか。
もう1つは、札幌市の人口動態が2020年をピークに以降は減少に転じており、特に郊外の区での減少幅が大きいことから、これらの駅も減少傾向にあるようです。

琴似駅と新琴似駅の減少率が大きいのが意外です。
この理由は、2019年10月に行ったJR北海道の運賃値上げにより地下鉄と比べて運賃面での有利さが無くなったこと、近年は冬季の運休や遅延が多く発生するようになり、それを理由に地下鉄へのシフトが起こったことが考えられます。
ちなみに、2023年度データでは桑園駅の乗車人員が琴似駅を上回るようになりました。

上の表の比較で見る限り、コロナ前に回復したといえる駅は、苗穂、桑園、新札幌くらいなもの。
(無人駅は前述の理由から外してます)

今年(2024年)3月のダイヤ改正で普通列車の本数削減が行われましたが、今後はコロナ前までの回復が難しいことを見込んでということが見て取れます。

札幌駅も83.3%と大きい減少率が意外ですが、これは郊外駅の減少と特急など長距離客が戻ってきていないことが大きいでしょう。

以下は別の統計になりますが、JR北海道ニュースリリースからの数字を引用します。

 ご利用状況の変化について(5月15日定例会見資料)
 
区 間2024年/2019年3月対比
 特急列車
 都市間主要3線区
79%  
 快速エアポート112%  

特急の利用客はコロナ前の8割程度に留まっています。
最近はインバウンドの急増などで特急が混雑しているイメージですが、混雑は本数削減や短編成化の影響というのが大きいようです。
混雑している見た目と反対に、統計上の数字には現れていないことになります。

それに比べて好調なのは快速エアポート。
新千歳空港の利用客増加と、あとは北広島市にオープンした北海道ボールパークFビレッジの影響でしょう。
今後もボールパーク新駅の開業や、当別町からの北海道医療大学の移転も計画されています。

3月ダイヤ改正でも快速エアポートの好調が反映され、日中毎時5本→毎時6本に増便されました。
これからも発展が見込める路線です。


 ◆ 札幌市内バス3社

最近はバス運転手不足ということが社会問題となりつつあり、路線の廃止や減便といった話も目立つようになってきました。
バスの利用者数はコロナ前から毎年減少が続いており、コロナがあってもなくても過去年度と比較すれば減少していることは間違いありません。
コロナ前とコロナ後でどれくらい違うのか見てみたいと思います。

なお、中央バスとJRバス(ジェイ・アール北海道バス)は市外が起終点となる路線がありますが、それらを含んだ一般路線の数字です。

札幌市内民営バス増減
路 線2019年3月2024年3月増減率
 JRバス87,749 75,835 86.42%
 じょうてつ36,001 29,587 82.18%
 中央バス162,785 140,887 86.55%
 1日当り 単位(人)

こちらは3社とも8割台となっています。
もっと減っていると思いきや、意外と低い減少率に留まっています。
JRと違い、こちらは生活密着路線ということもあるのでしょうか。

路線別の増減はわからないので、ここでは総論としての考察となります。

JRの郊外駅と同様に、こちらもマイカー等へ移行した人たちがバスに戻ってこないのでしょう。
あとはコロナ以降、高齢者の外出控えが定着したこともあるのかも(ソースはうちの親)。

DSCN4530.JPG
 バスは日中の乗客は高齢者が多い。琴似駅前にて。

バスは郊外路線を数多く抱え、人口減少や高齢化の進行といったエリアが多く、今後発展が見込めそうな路線も少なそうです。
じょうてつバスの減少率が高いのは、早くから人口減少が続いている南区の郊外に多くの路線を抱えているからでしょうか。

コロナ前から一般バス路線は衰退している感がありましたが、コロナ禍で一気に進んだ感があります。
路線別に見ればともかく、全体としては残念ながらコロナ前回復というのは見込めそうにありません。

今後の課題は、運転手不足の中、路線をどうやって維持してゆくか。
路線や本数を減らしたら利用者が減り、利用者が減ればさらに路線や本数を減らすといった負のスパイラルにならなければ良いのですが。


 ◆ 札幌市営地下鉄

1971年に南北線が開業して以来、交通の主役の座となっています。
降雪量の多い札幌においては、地下鉄は無くてはならない交通機関です。

ラッシュ時の混雑などを見れば、すっかりコロナ前に戻った感じがありますが、統計上ではどうなのでしょうか。

札幌市営地下鉄増減
路 線2019年3月2024年3月増減率
 総数623,874 611,398 98.00%
 南北線235,737 227,044 96.31%
 東西線239,036 240,752 100.72%
 東豊線149,101 143,602 96.31%
 1日当り 単位(人)

こちらはさすがに減少率は低く、総数で見ると98%まで回復と、ほぼコロナ前に戻ったといえましょう。
さすがは安定の地下鉄といったところでしょうか。

路線別では東西線が100%超えを達成。
これは沿線に人気エリアを抱えマンションが増えていることや、東札幌や新さっぽろなど再開発エリアの影響でしょうか。
冬場は何かと頼りない、JRからのシフトも多いと考えられます。

DSCN5356.JPG
 雪に100%強い地下鉄。自衛隊前駅にて。

線別では、東西線のほうが南北線よりも乗車人員が多いのが意外ですが、2016年に南北線と東西線の乗車人員が逆転しています。
これは南北線沿線は古くから開けていた地区が多く発展の余地が少なかったことや、地下歩行空間の開通でさっぽろ〜大通間の利用者が徒歩に流れてしまったことも大きいようです。

こちらも駅別の数字が気になるところですが、月報では駅別の乗車人員は公表されておらず、これは令和5年版の札幌市統計書の発行を待つしかありません。


 ◆ 札幌市電

札幌市電は、昔は市内交通の主役でしたが、地下鉄開業に合わせて路線を縮小して1路線となっています。
利用者は山鼻地区住民が主体という地味な路線で、中央区の人口減や学校の郊外移転などが重なり、利用者も長らく減少の一途となっていました。

その一大転機となったのが2015年12月の都心線開業と路線のループ化です。
この事業は一応は成功して、利用客が大幅に増加しました。
ですが、山鼻地区住民以外が積極的に利用することもないためか、ループ化開業翌年度以降は再び微減傾向にありました。

ではその札幌市電は、コロナ後はどうなったのでしょう。

札幌市電増減
路 線2019年3月2024年3月増減率
 市電25,471 26,552 104.24%
 1日当り 単位(人)

こちらは他の交通機関に比べ、ぶっちぎりの増加率。
この3月度の1日当り26,552人は、ループ化初年度である2016年3月の27,952人に次ぐ数字になります。

利用客増の一番の要因は中央区の人口増加でしょうか。
中央区の人口が最低だったのは1995年の17万3千人。
そこから人口増加に転じて、2023年には25万4千人にもなりました。
28年間で8万人も増えたことになります。
沿線のマンションも急増し、特に山鼻西線などはマンションが林立している感もありますが、これら住民の足となるのが市電です。

もう1つ増加の原因として考えられるのが、石山通(国道230号)を通っているじょうてつバスからのシフト。
同路線は本数が多く市電と競合する関係でもありましたが、バスは最近は減便が続き分が悪くなった格好です。

DSCN8625.JPG
 市電のイメージも大きく変わった。狸小路にて。

すすきのや狸小路の再開発事業も完了し、新たな商業施設がオープンしてから沿線のブランド力を地味に増している札幌市電。

こうなると次の手は路線新設といきたいところですが、札幌市は「路面電車の延伸を行うことは極めて困難である」と結論付けています。
せめて新幹線の札幌開業に合わせて市電も・・と願いたいところですが、今の市長以下札幌市の政策としては公共交通への投資は行いたくない模様。
バスが急速に脆弱になっている中、市電の位置付けは重要になって来ていると私など思うのですが。

将来的に営業車の自動運転が実用化されれば、また状況は変わってくるのでしょうけど。




以上、JR、バス、地下鉄、市電と4部門に分けてコロナ前とコロナ後の数字を比較してみました。

数字はすべて札幌市の統計からの引用ですが、付け足しの文章はすべて筆者の感想です。
同じ数字でも、見方によっては全然違う考え方もあることでしょう。

それでは今日はこのへんで。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 24/06/09 | Comment(0) | 鉄道評論

もしも北海道新幹線が〇〇だったら

年々寂しくなる一方の北海道の鉄道。
そんな中で唯一の希望が北海道新幹線札幌開業であります。

2030年度開業を目指して目下建設中。札幌駅周辺でも本格的な工事が始まっています。
私など、新幹線を首をなが〜くして待っているわけですが、先日残念なニュースが飛び込んでまいりました。

 *30年度札幌延伸、断念表明 北海道新幹線 工事難航、遅れ数年単位
  (北海道新聞デジタル2024年5月8日)

トンネル工事の難航で4年ほど遅れているというのは前から伝えられていましたが、工期短縮を図っても遅れを取り戻せないとの判断から今回の発表となったものです。

どこかのリニアのように人為的な開業延期と違って、難工事という不可抗力が原因ということがせめてもの救いでしょうか。

ともかく、まずは安全第一で工事をやってもらいたいものです。

DSCN4447.JPG
 札幌駅西側の新幹線工事現場。 

それにしても、新幹線が札幌に来る頃には私は何歳になっているのだろう、なんて考え始めたら少々気が遠くなりそうです。
こちらも若くはないのでね。
とは言え、いち個人が気をもんだってどうしようもありません。

こちらはこちらで、自由な想像をしてみることにしました。
そんなわけで、少々お付き合い願います。


 ◆ もしも北海道新幹線が着工されなかったら

東北新幹線は2010年12月に八戸〜新青森間が開業し、全線開業となりました。
北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間は、それに先立って2005年から着工されていますが、それが無かったとしたらどうだったのでしょうか。
本州〜北海道間の鉄道は、半永久的に在来線のみでやってゆく想定です。

まずは、新青森〜函館間を走っていた特急『白鳥』『スーパー白鳥』は現在も走り続けているでしょうね。
同区間の789系電車は札幌にやってきて『ライラック』となることはなかったわけです。
東北新幹線、新青森開業時の運行体系は変わることなく続いていることでしょう。

あと気になるのは、2016年の北海道新幹線新函館北斗開業と引き換えに消えていった本州〜北海道を結んでいた夜行列車たち。
東北新幹線新青森開業後も毎日運転の『北斗星』を筆頭に、週3日運転の『カシオペア』、週4日運転の『トワイライトエクスプレス』それに急行『はまなす』と4本の列車がありました。

下は北海道新幹線開業前、2014年8月30日ダイヤ改正の道内ポケット時刻表です。

DSCN5219.JPG
 2014年8月 道内ポケット時刻表より抜粋。

新幹線よりも、なんだかこっちのほうが楽しそうですね。

ですが2024年の現在では4本揃って残っているとはちょっと考えられません。
その理由は車両の老朽化。

『北斗星』『トワイライトエクスプレス』については車両の製造が1970年代という古いもの。
一番新しいものでも2024年の今では車齢が40年以上、しかも肝心の機関車はそれ以上に老朽化とあっては、やはり現実世界で北海道新幹線が開業した2016年あたりが限界だったと思われます。

『カシオペア』は1999年から運行を開始した一番新しい車両なので、現在でも走り続けていた可能性が高いです。
しかし、機関車の老朽化は避けられない問題です。

もしかしたら『TRAIN SUITE 四季島』のE001形みたいな車両が新製され『北斗星』の後継車となっていたかも知れません。
JR東日本が夜行列車運行に意欲的であったならばの話ですが。

DSCN4798.JPG
 木古内駅に停車するTRAIN SUITE 四季島。

食堂車もどうなっていたのかなあ。
車内販売も消えつつある昨今、経営的には厳しそうですね。

よくそこらで聞く、北海道新幹線がなかったら夜行寝台列車は廃止されなかった、などという単純なものでもないようです。

青森〜札幌間を結ぶ急行『はまなす』は、地味ながら東北新幹線に接続するビジネス列車的な性格もあり、これら夜行列車の中では一番最後まで運転されていました。
札幌〜本州間だと、昼行では所要時間が掛かりすぎるという事情もあります。

ですが、『はまなす』で使用されていた14系客車は、2024年現在も残っているとしたら製造から50年以上。
こちらもさすがに客車列車としての運行は無理でしょう。

DSCN2035.JPG
 ボロボロの『はまなす』14系客車。2015年。

もし2024年現在で『はまなす』が運転されているとしたら、昼間の特急『北斗』の間合い運用ということになったでしょうか。
北海道内は自走し、津軽海峡線内は電気機関車で牽引されて走行という形。
機関車牽引による青函トンネルへの気動車の入線は、『ノースレインボーエクススプレス』による臨時列車で実績があるので、不可能ではありません。
青森駅で機関車を開放すれば新青森駅発着とすることもできるわけです。

そんなバカな、と仰る声も聞こえそうですが、もしもの話なので勘弁してつかわさい・・・

それにしても、北海道から東北へは新幹線が無いほうがむしろ近かった気がするのは私だけでしょうか。
北海道新幹線開業ですっかり縁遠くなってしまった気がします。



 ◆ もしも北海道新幹線が長万部〜札幌間先行開業をしていたら


あまり知られていませんが、今行われている新幹線工事とは別に、北海道新幹線札幌延伸への着工が決定したことがありました。

下は2008(平成20)年12月17日の北海道新聞朝刊一面記事。

shinkansen20081217.jpg
 北海道新聞2008年12月17日朝刊の切り抜き(筆者所有)

記事の内容は、政府・与党による整備新幹線ワーキンググループ会合で、北海道新幹線の長万部〜札幌間の2009年着工で合意したというもの。

北海道新幹線については、新青森〜札幌間のうち新青森〜新函館(仮称)間は2005年に工事着工となっていましたが、未着工区間の一部である長万部〜札幌間はこの合意により先行開業する。
さらに、新幹線の札幌延伸は事実上確定し、完成予定は2019年度との記載もあります。

これが実現していたら、2016年春に北海道新幹線の新函館北斗開業。
それに続いて2020年春には長万部〜札幌間が開業していたことになります。

新函館北斗〜長万部間については特急『北斗』が、途切れている両新幹線を結ぶリレー特急となっていたことでしょう。
長万部駅での乗り継ぎは、今の西九州新幹線での『かもめ』と『リレーかもめ』で武雄温泉駅で行われている同一ホームでの対面乗り換えとなれば便利ですね。
さらに、長万部〜札幌間は飛び地新幹線になってしまうあたりも西九州新幹線と似ています。

それとは別に、『北斗』は新幹線がない室蘭・苫小牧方面への連絡があるために、数往復は札幌発着で存続していそうです。
そうであれば、札幌から函館へは行きは新幹線で、帰りは在来線でなどという選択もできそうです。

DSCN4129.JPG
 新幹線駅が先にできていたかも知れない長万部駅構内。

函館に行くにも東京行『はやぶさ』に乗るにも長万部で乗り換えになるのが面倒ですが、対面乗り換えと大幅な時間短縮となることから大変便利にはなっていたことでしょう。
この長万部〜札幌間先行開業が実現していたら、一体どのようなダイヤになっていたのかが気になります。

ここで現在の『北斗2号』『はやぶさ18号』のダイヤをベースにして以下の乗り継ぎ時刻をシミュレーションしてみました。
札幌〜長万部間の所要時間は、国土交通省のHP内にある、
 第9回整備新幹線小委員会 配布資料 - 『(別紙)収支採算性及び投資効果に関する詳細資料』
から作成しました。

札幌〜長万部間は倶知安通過の速達タイプで所要時間38分30秒、長万部で接続時間は武雄温泉駅を参考に3分30秒とします。
北斗2号とはやぶさ18号の時刻は現在の実際のもの(2024年3月16日改正版)を使用しました。

で、作成してみたのがこちら。

新幹線乗り継ぎ時刻
(長万部〜札幌先行開業と仮定)
列車名 新幹線北斗2はや18
札幌  7:27  
長万部  8:05   ┓ 
長万部   8:09 
新函館北斗   9:18   ┓
函館   9:33   ┃
新函館北斗    9:35
仙台  12:29
東京  14:04

札幌発時刻は7:27となり、長万部乗り換えで函館着は9:33になります。
札幌〜函館間の所要時間は2時間06分となり、函館がとても近くなります。
(現在の同区間所要時間は北斗2号の3時間33分が最速)

もう少し頑張れば2時間を切ることも可能でしょうか。
ライバルである飛行機や高速バスに対し、所要時間では圧倒的な差をつけたことでしょう。
札幌から見れば、函館は完全に日帰り圏となっていたことは間違いありません。

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 新幹線のイメージ(E5系はやぶさ)。

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 リレー特急のイメージ(261系特急北斗)。

当初予定通り2020年春に開業していたとしたら、開業早々その後3年間続くことになった新型コロナによる乗客減の直撃となっていたかも。
どうも北へ伸びる新幹線は受難が多いような気がします。
それはともかく。

仮に2009年に工事着工しても、札幌駅のホーム問題や札幌市内の地下化、あとトンネル掘削土の処理や羊蹄トンネル内の岩塊の問題は発生したわけで、こちらも数年遅れての開業となった可能性は高いです。

この長万部〜札幌間が先行開業の世界は、いろいろ考えさせられるところがあります。
これが実現していたら北海道の経済や交通体系はどうなっていたのでしょう。
並行在来線となる函館山線がどうなっていたかも気になるところです。



話を現実の世界に戻します。

2008年には着工が決定し、予算も配分されて札幌に来ることが決定した北海道新幹線でした。
ところが政治により決定した整備新幹線着工は、今度は政治によって覆されることになります。

翌年2009年の衆議院選挙では民主党(当時)が大勝。
これによって、それまで与党だった自民・公明は野党に転落します。

民主党が政権交代によって与党となると、まず始めたのが前年度に自公政権が決定した予算の執行停止でした。
それと同時に、決定されていた政策や事業も次々に見直しを始めることになります。
事業見直しは、新規着工が決定していた整備新幹線にもおよび、長万部〜札幌間先行開業も白紙に戻された格好となりました。

一方で工事が開始されていた新青森〜新函館北斗間は工事が継続され、当初の計画通り2016年春に無事開業しています。

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 北海道新幹線開業日が決まり、垂れ幕が掲げられた函館駅。

当時の民主党のキャッチフレーズは『コンクリートから人へ』。
道路やダム建設など、とにかく公共事業の誘致によって支持を得る、それまでの与党への反発でもあったのでしょう。
そうした政策は、一時的には国民の支持を得ます。

しかし、2011年3月に発生した東日本大震災は、インフラ整備の凍結といった民主党の方針を大きく変えることとなりました。
これにより整備新幹線に対する風向きが変わります。

2011年12月、白紙に戻された整備新幹線3区間の着工が決定しました。
北海道新幹線は、今度は新函館(仮称)〜札幌間の工事申請となり、翌2012年6月に認可され工事着工に漕ぎつけます。
開業時期は2015年度開業予定の新青森〜新函館(仮称)間から概ね20年後とされ、札幌開業は2035年度とされました。

2012年の衆院選では民主党が大敗、再び自公政権に戻り長期政権となる第二次安倍内閣が発足します。

2015年、政府・与党申合わせで整備新幹線の開業前倒しの方針が示され、新幹線札幌開業は5年前倒しの2030年度に決定しました。
2030年度とされた開業予定は、この方針を受けて決まったものです。

そういうわけで、今回の札幌開業延期の話は、政府によって前倒しされた予定が元に戻っただけとも言えます。

とはいえ、今のところ鉄道・運輸機構が『2030年度末の開業が極めて難しい』という発表をしただけなので、今後の進捗によっては、計画通り2030年度末の開業がワンチャンないわけではありません。
しかし、札幌市による2030年札幌冬季オリンピック誘致断念となった今、その可能性はかなり低そうです。

今回の開業延期はちょっと(相当?)がっかりしましたが、そうがっかりばかりもしていられませんね。
以上、北海道新幹線の着工が無かった世界と、長万部〜札幌間が先行開業していた世界を想像してみました。

最後になりますが、この記事を書いていて、新幹線というものはとにかく政治に振り回されるということを思い知らされました。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。     

posted by pupupukaya at 24/05/11 | Comment(0) | 鉄道評論

大幅に減便となるじょうてつバス真駒内線

じょうてつバスの真駒内線といえば、地下鉄の西11丁目駅と真駒内駅あるいは真駒内本町の間を国道230号線、通称石山通経由で結ぶ路線です。
南区だけでなく中央区の山鼻地区の足でもあります。

私は中央区の南11条に住んでいますので日常の交通機関といえばもっぱら市電ですが、市電のループ化前はたまに西11丁目駅から真駒内線のバスで帰宅することもありました。
だけど、ひと昔前の話です。

今ではすっかりバスに乗ることもなくなりましたが、通勤途中で毎日見かけるバスでもありますから、私にとってはじょうてつバスは身近な存在です。

私とて今は車があるけれど、いつまでもあるわけではなく車を持たなくなれば、またじょうてつバスのお世話になる可能性はあります。

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 西11丁目駅前停留所と真駒内本町行のバス。

真駒内線といえば、都心方向のターミナルは札幌駅、市立病院、札幌駅北口とバラバラですが、かつては西11丁目駅〜真駒内本町間は市電にも劣らない本数があり、さほど待たずにに利用できる路線でもありました。

そんなじょうてつバス真駒内線ですが、ここのところ慢性的な運転手不足となっているそうで、ダイヤ改正の度に減便が続いています。
最近だと、2月13日に夏ダイヤ移行を待たずして急遽減便ダイヤが施行されました。

減便が始まる前は日中でも1時間当たり5〜6本はあったかと思います。
少し古いですが、下は2006(平成17)年4月1日改正の配布時刻表から。

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 平成17年4月1日改正じょうてつバス時刻表より引用。

この当時は日中でも1時間当たり7本以上は運行していたことになりますね。
さすが天下の国道230号線、幹線のバス路線という感じがします。

それが今はどうなっているのだろうと、現在のじょうてつバス真駒内線の時刻表を見てびっくり。

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 じょうてつバスHP、西11丁目駅前時刻表(2024年2月13日改正)から引用。

すっかり本数が減ってしまい、1時間当たり3〜4本という有様に。
14時台は2本だけなのは2月ダイヤ改正で1本減便となったからです。

では今度実施される2024年4月1日ダイヤ改正の時刻表を見てみましょう。

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 じょうてつバスHP、西11丁目駅前時刻表(2024年4月1日改正)から引用。

なんと、日中の真駒内本町行の便が消えてしまって、12時台〜14時台は1時間当たり2本ということに。
朝夕ラッシュ時の本数はそれなりに確保されていますが、日中は気軽に利用できる路線ではなくなってしまいます。

石山通の路線は、南6条からは藻岩線や快速7・8番系統も加わりますから、真駒内線と重複する区間に限ればまとまった本数にはなります。
ですが、こちらはすすきの経由となるわけで、快速は停車停留所も限られているし、合わせての利用は難しいでしょう。
それにこれらの系統も、4月ダイヤ改正でやはり減便となります。

石山通を走るバスもずいぶんと寂しくなりますね。

こんなことになった理由は、慢性的なバス運転手の不足と、2024年4月から施行される自動車運転者の労働時間等の改善のための基準改正(いわゆる2024年問題)のために運転手の労働時間が制限されることによるものです。

路線は確保しなければならない、朝夕ラッシュ時の本数は確保しなければならない。
こうなるとしわ寄せは日中の便ということになるのでしょう。

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 停留所に貼り出されたダイヤ改正のお知らせ。

もう1つの理由は推測ですが、山鼻地区に市電があるということでしょうか。
約600m離れて市電山鼻線と山鼻西線が並行しているので、減便しても問題なしと判断されたのでしょう。
逆に言うと今回の減便は、郊外の路線を優先して維持するために仕方がなくということになります。

要するに他の交通機関があるのならば、そちらを利用して欲しいということですね。
それでもバスしかない真駒内本町や南山鼻の快速が停まらない停留所の利用客は大変不便なことになります。

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 快速が停まらない停留所は真駒内線が主力。

こうした交通問題は何とかしなければならないけれど、バス会社だけで解決できる問題ではありません。
社会全体の問題とも言えます。
しかし、今のところ行政が何か対策を打ち出してくるという話もあまり聞きかないのは困ったことです。

鉄道やバスなど、公共交通機関は社会インフラの1つであるというのが私の持論です。
しかし世間的には鉄道やバスってのは営利事業って認識でしかない。
だからすぐに『赤字』ならば悪くて『黒字』ならば良いって議論になってしまいます。

じゃあ何か解決策を出そうじゃないかと言いたいところですが、私はその道の専門家ではないので無責任な意見を述べるしかできません。

海外の交通政策の事例などを出したとて、海外で上手くいっているからそれを日本に持ち込んだら解決するという単純なものでもありませんし。

私が言えることは、とにかく行政や専門家に頑張って欲しいところです。
コメンテーターが頑張っても仕方がありません。

廃止や減便など、地方やローカル線の話だと思っていたら、都会でも例外はないという時代になりました。
あと10年後、公共交通機関というものは今の形で維持出来ているものなのでしょうか。

失ってから気づくものって色々ありますが、バスというものもその1つになるのでしょうか。

それにしても、再開発や新幹線も結構だけれど、こういった生活に密着した政策をお持ちの政治家っていないものなんですかね。

〜最後までお読みいただきましてありがとうございました。  

posted by pupupukaya at 24/03/20 | Comment(0) | 鉄道評論

2024年3月16日ダイヤ改正、新体制の快速エアポートを見る

2024年3月16日はJRグループのダイヤ改正日です。
北陸新幹線、金沢〜敦賀間開業が何かと世間の話題となっていますが、こちらJR北海道の運行形態も地味ながら大きく変わりました。

道内ダイヤ改正を要約すると、新千歳空港アクセスの改善と、それ以外の近郊列車の減便ということになります。

2020年から始まったコロナ禍による乗客減。
この乗客減はコロナが終わっても元には戻らず、JR北海道の資料を見ると、札幌駅乗降人員と特急主要3線区の利用者数は、コロナ前の8割程度しか戻っていないのが現状のようです。

それに対して好調なのが、新千歳空港アクセスとなる快速エアポート。
こちらは利用者数で見るとコロナ前の水準にまで戻っているようですね。
(ソースはJR北海道ニュースリリース)

あとはオープンしてから1年になるエスコンフィールドHOKKAIDO。
試合日などは大混雑するようになりました。

先のことになりますが、2028年には当別町の北海道医療大学が当地に移転。
また同じくして北海道ボールパーク駅の開業も予定されています。

ますます発展して重要性が増す千歳線と快速エアポート。
対してコロナ禍が終わってもコロナ前には回復しない都市間の特急と都市近郊輸送。

その明暗をはっきりと反映したダイヤ改正でもありました。

前置きが長くなりましたが、新千歳空港アクセス改善と快速エアポートの増発は、今ダイヤ改正で唯一明るい話題といえるものです。
その快速エアポートがダイヤ改正でどう変わったのか、ちょっと見てくることにしました。


 ◆ 新体制の『エアポート』と特別快速

3月16日、12時12分の札幌駅東改札口前。
改札口上の発車時刻パネルに新千歳空港行『エアポート』が並んで表示されています。

今日から9時台から15時台まではエアポートが毎時6本体制となります。
新たに『特別快速』『快速』『区間快速』の3本建てになって、それぞれ停車駅が異なるようになりました。

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 札幌駅改札口に表示の新千歳空港行時刻。

毎時6本なのですが、10分間隔の等間隔とはならないのは種別によって所要時間がバラバラなのと、10分等間隔は新千歳空港側の方で合わせた結果、札幌発時刻はいびつなものとなります。

ちょっと気になったのは、改札口にエアポートの停車駅案内がないこと。
いや、唯一あるのはパネルに次の列車の停車駅が流れて表示しているくらい。

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 ずいぶんと寂しい千歳線特急・普通列車の時刻。

隣のパネルは千歳線の特急・普通列車の表示。
走る線路は一緒ですが、エアポートとそれ以外の列車は、このように分けて表示されています。

こちらに出ているのは2本の北広島行普通のみ。
随分と寂しくなったものですね。
普通列車の行先は長らく苫小牧と千歳ばかりだったので、北広島の表示が新鮮に見えます。
1時間に2本、しかも昼間はすべて北広島行に統一され、まるでローカル線ですね。

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 エスコンフィールドへ行く客に注意を則す張り紙。

3種別に分かれたエアポートですが、一番注意が必要なのは毎時30分発の特別快速。
特別快速は途中新札幌、南千歳にしか停車しません。
あとは従来の停車駅にも停車することになります。

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 エアポート80号の混雑。

私は30分発の特別快速に乗ろうとやって来たわけですが、ホームへ行くと1本前の快速エアポート80号が停車中。
ドアの前まで立ち客が大勢という混雑ぶり。

今日からエアポートが増便となったのに、それでも間に合わないほど空港アクセス客が増えているのかと一瞬驚きます。
もしかしてと思い調べたら、今日は14時から日ハムvs巨人のオープン戦があるということでした。
この立ち客の多くは北広島で降りるのでしょう。

この80号が発車すると、ホームの発車時刻パネルは5番線が12:30発特別快速の82号、6番線が12:34発区間快速の84号と表示されます。
30分発特別快速と00分発快速の4分後にそれぞれ区間快速が発車するパターンとなっています。

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 エアポート84号が先に入線。

12:22に新千歳空港からの区間快速63号が入線。折り返し区間快速84号新千歳空港行となります。
こちらは721系電車でした。
721系は今ダイヤから岩見沢〜旭川間での昼間の列車からは撤退しましたが、札幌近郊ではまだまだ活躍しそうです。

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 区間快速エアポートの方向幕。

ここで改めて気になったのが、快速3種別の停車駅案内が少ないこと。
以前あった発車時刻パネルに下がっていた停車駅案内は撤去されていて、代わりに乗車口の札の横に新しい停車駅案内が掛けられていました。

次の列車の停車駅は発車時刻パネルにも一応表示は出ますが、流れる文字での表示は文字を追って読まないとわからないし、もっと視覚で分かるものが必要なのではと思いました。

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 乗車口札横に設置された停車駅のご案内。

3種別に分かれるのは9時台〜15時台限定なのと、朝と夜は停車駅に白石が加わるなど停車駅は意外と複雑だったりします。
島松や恵み野へ行くのに、時間帯によっては区間快速だったり、『エアポート』から北広島で乗り換えだったり。

毎日の利用者ならば分かるのでしょうが、特に空港やボールパーク利用者は初めて利用する人も多いですからね。

少なくとも『エアポート』は全列車が新千歳空港まで行くこと、特別快速は新札幌と南千歳以外は停車しないこと。
最低この2点は視覚で分かるように掲示してほしいところです。

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 721系の特別快速エアポート。

11時27分、小樽からの特別快速エアポート82号が到着。
小樽方面の快速も、『特別快速』と『快速』の2種別となりました。
それについて説明しだすと長くなるので、またの機会に。

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 特別快速と区間快速が並ぶ。

特別快速の82号と、その4分後に発車する区間快速の84号が5・6番線に並びます。
どちらも721系電車なのが意外でした。
4分後に同じ行先の列車が発車するというのも、乗車率の不均衡になるのではという感じがします。

では特別快速の方に乗ってみます。

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 特別快速エアポート82号の車内。

さっき見た80号の込み具合から、こっちも混んでいるかと思いましたが、意外とすいていました。
余裕で窓側席をゲット。
発車時点でも空いている窓側席もいくつか見られました。

新札幌以外の途中駅までの客がいないので、車内は落ち着いています。
これもまた気づきましたが、車内でもエアポートの停車駅がわかる表示がなく、車掌が放送で
「特別快速は新札幌と南千歳しか停車しません」
と繰り返すばかりでした。

新札幌に到着するとホームの各乗車口は行列が出来ています。
やれやれここからたくさん乗って来るのかと思いましたが、乗ってきた客はわずか。
どうやら次の区間快速の乗客のようです。
ホームの乗客も、乗っていいのか悪いのか、少々戸惑っている様子にも見受けられました。

新札幌停車中に「特別快速です、次の停車駅は南千歳です」と車掌が繰り返します。
札幌駅からの誤乗ならば新札幌で降りればいいのですが、新札幌からの誤乗は南千歳まで行ってしまいます。
『エアポート』は全部一緒という感覚が身についている人なら乗り込んできそうですね。

車内は動きの少ないまま新札幌を発車。
静かですね、落ち着いてますね。

北広島、恵庭、千歳と停車するごとに乗り降りがあって落ち着かないエアポートと比べてなんと快適なことか。
空港客と途中駅客と分離する目的は遺憾なく発揮されています。

今度新千歳空港から飛行機に乗る用事があるときは、好んでこの特別快速を利用したいと思いました。

北広島駅を減速して通過。
またスピードを上げて特別快速らしい走りとなります。
恵庭の手前あたりからまた減速。
前に列車がつかえているらしい走りとなりました。

この特別快速は停車駅は少ないですが、所要時間は『快速』より1〜2分しか違っていません。
北広島、恵庭、千歳の3駅を通過してるのにほとんど時間が変わらないということは、どこかで減速しているということになります。

サッポロビール庭園で待避線に停車した貨物列車を追い抜くとまたスピードが上がりました。
北広島〜南千歳間は各駅停車、快速、特別快速、特急といった様々な種別の列車が通ることになったわけですが、昼間の時間帯は並行ダイヤとなり、旅客列車が他の旅客列車を追い越すことはなくなっています。
だからエアポートの毎時6本化ということができたのでしょう。

逆に割を食ったのが千歳線を走る特急列車。
多くの特急が札幌〜南千歳間でスピードダウンを余儀なくされています。

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 千歳駅を通過。

千歳を通過すれば次は南千歳です。
南千歳を全列車停車としたのは、新千歳空港と苫小牧・室蘭方面、それに石勝線の乗り継ぎを考慮したからでしょう。

車掌による南千歳からの乗り換え案内放送が始まります。
苫小牧行普通列車、函館行北斗14号に続いてのアナウンス。

「この列車に間違ってご乗車され、目的地を行き過ぎたお客様もいらっしゃると思います」
「札幌方面へ戻るお客様、区間快速エアポート81号をご利用ください」

この放送には苦笑してしまった。

確かにJRの営業規則には、誤って区間外の乗車をしたときは無賃送還の取扱いをするという決まりがあります。
ダイヤ改正初日だから誤乗客はいるでしょうが、だからと言って誤乗客向けに戻る列車の案内をするのもどうかと思うのですが。

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 新千歳空港駅に到着。

南千歳ではここで交換するはずの79号が遅れているためにしばらく停車。
南千歳〜新千歳空港間は単線なので、こうなってしまう。

やがて79号が到着し、こちらも発車。
この時点で3分遅れとなってしまった。
定刻ならば13:06着のところ13:09着。

向かいの2番線は13:09発区間快速81号が停車中。
こちらが着くと、向こうもすぐに発車して行きました。
新千歳空港側が単線とあっては、毎時6本が限界とも見て取れます。


 ◆ これ以上は限界の新千歳空港駅

一斉に下車した6両編成の乗客は飛行機への乗り継ぎ客ばかり。
2箇所の階段・エスカレーターと1箇所の改札口では、降りた乗客集中して渋滞し、なかなか捌けません。

エスカレーター前には延々と長い行列ができ、今着いた乗客が全員ホームから出られるまで3分ほどかかりました。
その間にも空港から札幌行に乗る乗客が次々とやって来るのだから、混雑は相当なものです。

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 新千歳空港駅ホーム端と線路終端。

だからと言って駅の拡張とは簡単にはいかないのが地下駅の宿命でもあります。
費用の問題もさることながら、ここは新千歳空港ターミナルビルの直下。
そこで地下の土木工事を行うとなると大工事になってしまします。

時おり複線の新線と新駅を建設する案や、苫小牧方面や石勝線方面へスルーする新線の計画が持ち上がり報道なんかされますが、一向に実現する気配はありません。

そんな大風呂敷な案はともかく、解決策があるとすれば、ホーム反対側の壁にホームを新設して2面2線にするとか、新たな階段と改札口を設けて下車客と乗車客の動線を分離するとか。
それでもターミナル直下の土木工事となってしまうので、難しいところでしょうね。

いずれにしても、新千歳空港アクセスを根本的に改良するには、新線の建設しかなさそうです。
出ては消え出ては消えの新線計画。
拡張工事もままならない新千歳空港駅。

エアポートが毎時6本となった今ダイヤ改正が最終体制となり、半永久的に続くのでしょうか。

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 新千歳空港2Fセンタープラザ。

新千歳空港駅に着いたので、エスカレーターを上って出発コンコースへ。
吹き抜けになったセンタープラザに来ると、これから旅の始まりとワクワクしてくるところです。

しかし、今回は快速エアポートに乗りに来ただけなので、飛行機に用はありません。
なぜここへ来たかというと、一旦ここを通らないと到着ロビーへは行けない構造なので。

新千歳空港のターミナルビルって意外と上下方向が複雑になっていて、出発ロビーと到着ロビーはそれぞれ独立した場所ということになっています。
出発客と到着客の動線、あるいはJRから、バスから、一般車から出発ロビーまでの経路が完全に分離されて、まるで別次元の存在のようです。

例えば、バスで着いた人はというと、バス到着レーンからエスカレーターで上れば直接出発ロビーに出る。

あと、JR駅からエスカレーターで出発ロビーに向かう途中、中2階のような謎のフロアを通りますね。
あそこは何かというと、一般車の降車レーンからの空港入口なのです。
送迎車やタクシーで来て飛行機に乗る人と、列車で着いて飛行機に乗る人があそこで合流する仕組み。

だから動線に従って移動すれば新千歳空港は非常にわかりやすい。
反対に別の動線から別の動線へ移動するとなると、迷路のような建物となるわけで。

話がずれてきたので、元に戻します。

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 1F到着ロビーにある新千歳空港駅入口。

さて今度は、飛行機で到着した気分になって『エアポート』に乗車してみましょう。
私はJALの利用が多いので、南側の到着口から出てくることがほとんどです。

到着口から荷物を持って出てくると、地下へ続くエスカレーターがあり、その上に札幌方面への発車時刻パネルがあります。
この表示を見て、改札口まで走るか次の列車にするかを決めるわけです。

おっと、危ないから走っちゃいけませんね。

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 ほぼ等間隔で便利になった新千歳空港発エアポート。

さっき札幌から乗ったときは、好んで特別快速を利用したいとしましたが、新千歳空港から乗るときはまた事情が違います。
とにかく、発車時刻が一番近い列車に乗り、1分でも早く帰りたいと思うわけです。
まあこれは札幌に帰る人限定でしょうが。

この時点で一番近い列車は13:29発快速エアポート85号ですかね。
札幌発と違って、新千歳空港発は10分に近い間隔での発車となります。

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 快速エアポートのライバルは空港連絡バス。

このエスカレーターの隣には中央バスの案内所もあって、札幌市内各所とを結ぶ空港連絡バスの乗り場があります。

一時期は自宅近くの中島公園駅行の便を利用していたこともありましたが、大幅に減便されたことと値上げしてJR以上に高くなってしまってからは縁遠くなりました。

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 中央バス運行の札幌都心行。

本数や所要時間では快速エアポートの敵ではありませんが、札幌市内の地下鉄バスターミナルや各ホテルを経由するなど、鉄道ではカバーできない地域の乗客を拾う役割となっています。
普段はニッチ的な存在ですが、輸送障害で『エアポート』が運休するとこちらに乗客が殺到することになります。

あと、最近激増してきた大荷物のインバウンド客には、床下トランクに荷物を預けられるためか人気のようです。

バスの話を始めるとまた脱線となるので、また機会があれば。

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 新千歳空港駅改札口前の発車時刻案内。

さて、到着口向かいのエスカレーターを下って長い通路を歩いて新千歳空港駅へ。
到着口から駅までは、基本的に下に向かえば自然と駅に向かう構造になっています。
この辺りはよく考えて設計されていますね。

発車時刻パネルには『区間快速』『特別快速』『快速』の3種別が並んでいます。
分かりやすいようにと色違いにしてありますが、これが逆に初めての人が見たら戸惑うでしょうね。

ここも停車駅案内が無いのが気になります。
初めての人が見たら、途中追い越しがあるのか、特別料金が必要なのではとか、いろいろ悩んでしまいそう。

札幌と新札幌までなら、停車駅や所要時間の差こそあれ、先に乗った列車が先に着くことになります。
それくらいはすぐに目視できる案内は欲しいところです。

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 新千歳空港駅改札口。

改札口の自動改札は入場用と出場用にきっちり分けられています。
出発ロビーへ上るエスカレーターへ向かう出場用は真ん中、到着口からきっぷ売り場を通り入場用は両端。
狭いコンコースで、せめて動線は分けようと工夫が見られます。

でも逆に言えば、工夫できるのはこれくらい。
とにかくホームから改札口へ、改札口から出発ロビーへの流れは2箇所のエスカレーターに集中するのだから渋滞が避けられません。

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 新千歳空港から札幌までの全列車時刻表。

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 南千歳からの乗り換え時刻表。

改札口前の壁には、今ではすっかり珍しくなった行灯(あんどん)方式の時刻表がありました。
新千歳空港発時刻と札幌着時刻が全列車掲載。
隣は南千歳から各方面への乗り換え時刻表。

便利そうですが、見ている人はいませんでした。
スマホやネットでいつでも乗り換えが調べられる時代、駅に行かなければ手に入らない情報ではないですから。


 ◆ 新たに登場した区間快速

特別快速はこれまで早朝と夜に限定して運行していたものを日中の毎時に拡大したものですが、区間快速は今回のダイヤ改正で新設されたものです。
これまで札幌〜千歳・苫小牧間で運行していた普通列車を、札幌〜北広島間に短縮されました。
北広島〜南千歳間の普通列車はというと、この区間を各駅停車となる区間快速が普通列車の役割を担うというもの。

その新設された区間快速に、今度は乗ってみることにします。

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 新千歳空港駅の狭い島式ホーム。

今度は13:39発区間快速エアポート87号の客となります。
ホームの発車時刻パネルの上部に停車駅案内がありますが、文字が小さく暗くてわかりにくいのは困ったもの。

DSCN4211.JPG
 ホームに掲示のエアポート停車駅案内。

新千歳空港からの場合は間違って特別快速に乗っても、次の南千歳で降りれば問題ありません。
南千歳までに気づけばの話ですが。

あと、やっぱり先に発車した列車が先に着くという表示は必要でしょう。
この停車駅案内だと新札幌あたりで特別快速に追い越されるようにも見えます。

DSCN4210.JPG
 733系電車のLED行先表示。

今度乗るのは区間快速の87号。
733系電車。
新しくてきれいなのは気持ちが良いですが、いかんせんロングシート。
古びて汚れているけどクロスシートの721系とどちらが良いのかは人によって分かれるところでしょうか。

車内はエスカレーターに近い車両から埋まって、端の車両は空席も目立ちましたが、発車時刻間際には座席もほとんどが埋まりました。
私は先頭車両に乗り込みましたが、立つことになりました。
座席の客に詰めてもらえば座れそうですが、そこまでする必要もなく。

DSCN4221.JPG
 区間快速エアポート87号の車内。

発車時刻になりますが、列車は一向に発車しません。

「ただいまこの駅に到着する列車が遅れています」
「その列車が到着してからの発車となります」
とアナウンス。

遅れているのは、小樽から来る快速の88号。
なかなか到着しない。
その間にも、新たな乗客が1人2人と増える。

今乗っている87号の次に発車する89号は特別快速で、札幌着はこの列車と3分しか違わないのだから、急ぎでないのならば次の特別快速をご利用くださいと案内があっても良さそうなものですが。

DSCN4220.JPG
 向かいの2番線にエアポート88号が到着。

やがて721系の88号が到着。
こちらもドアが閉まりすぐに発車となる。
すでに5分遅れでの発車となります。

やはり単線の南千歳〜新千歳空港間はボトルネックになりますね。
一旦ダイヤが乱れると、回復に時間がかかりそう。
10分間隔ではダイヤなどあって無いようなものともなりかねませんね。

南千歳からは運転席窓のシェードが開けられ、ここからは前面展望の客となります。
私はたまたま空いていたからここに立っていたんだという振りをしていますが、最初から狙っていたということは言うまでもありません(汗

前方だけでなく、たまに速度計にも目をやると、速度は110km/h止まり。
以前は120km/hだったし、そのさらに前は恵庭停車でも札幌〜新千歳空港間を36分で結ぶために130km/h運転を行っていたことを思うと、少々寂しい気がします。

多くの列車を通すためには、こうして減速してダイヤを平行させるしかないわけで、日中に限っては以前のように島松駅やサッポロビール庭園駅で追い抜き追い抜かれるということはなくなりました。

それにしても、新千歳空港から乗った列車が各駅停車というのは、まだるっこしい感じが抜けませんね。
先に出た列車が先に着くとは分かっているのですが。
空港の到着口から出て、次の列車が特別快速だったらラッキーと思い、区間快速ならば損したなあと思うところでしょうか。

札幌発空港行と違って、空港発で札幌へ行く場合は選んで乗るものではありませんからね。

DSCN4240.JPG
 大勢の乗客が待つ恵庭駅。

今までと違って、区間快速に乗れば新千歳空港から北広島まで各駅停車となります。
9時台から15時台まで毎時2本。
この区間の快速が停まらない駅からの利用者にとっては貴重な列車です。

千歳、恵庭、北広島といった快速停車駅からの乗客はさすがに多いですね。
逆にそれ以外の駅からの乗客はさほどでもなく。
各駅停車は毎時2本に減便となりましたが、それも妥当なのかなという印象でした。

ダイヤ改正前の日中の普通列車はガラガラで走っていましたから。
だけど、今日からは常に混んでいる列車しか来ないので、快速通過駅からしたら札幌直通の快速が来るようになった反面、座れなくなったという不便さも出てきましたね。

あとは北広島を境に、各駅停車は分断された格好になります。
北広島で各駅停車同士を乗り継ぐと、どの列車も20分前後の接続待ちを余儀なくされます。

これら快速通過駅相互間の利用客は少ないことと、分断されるのは日中時間帯だけで、それ以外の時間帯は今まで通りの運行なので問題はないとの判断なのでしょう。

DSCN4280.JPG
 西の里信号場で733系エアポート110号とすれ違う。

南千歳からずっと進行前方を見ていると、次から次とエアポートとすれ違います。
お互い10分間隔なのだから、単純計算で5分ごとにエアポートとすれ違うことになります。

そのエアポートを見ていて気付いたことは、721系率の高いこと。
今ダイヤ改正で、積極的に721系電車をエアポート系統に投入したような感もあります。

その目撃した『エアポート』と普通列車の車両を表にまとめました。

87号からの目撃車両
号数車両目撃区間
88号721新空港
区快90号721南千歳
92号721千歳
94号
733ビール
96号
733恵庭〜恵野
98号721島松〜北広
744M721北広島
110号733西の里
112号
721上野幌
746M721平和
114号721白石〜苗穂
特116号733札幌

エアポート毎時6本のうち、4本は721系のような印象です。
私は車両について詳しくないので、こうした運用が固定なのか毎日異なるのかはわかりません。

一方で、江別方面の普通列車にエアポート編成の733系を見たり、なんだかよく分からないですね。
ロングシートの733系は空港アクセス客からは余程不評なのか。

いずれにしても、721系も製造から30年以上が経つ車両ばかりなわけで。
しかもステップ付きではバリアフリー未対応。
721系のエアポートも、そう長くは続かないということは想像がつきます。

DSCN4319.JPG
 移設された札幌駅場内信号機。

回復運転もままならず、5分遅れを引きずって間もなく札幌着。
線路横は北海道新幹線の土木工事が始まっています。

札幌駅の手前で1つ気づいたのは場内信号機。
以前は線路上に渡されたトラスに信号機がずらりと並んでいましたが、下に移設され簡素なものになっていました。
信号機下の表示器に入線する番線が表示されるというもの。
だから何だってんだ、と言われそうですが、ちょっと珍しい方式なので挙げてみました。

1番線が撤去されたときに新しくされたんでしょうか。

DSCN4330.JPG
 札幌駅に到着。

こうして新たな体制となったダイヤ改正後の新千歳空港アクセスを見てきました。
運行体系が複雑となった感は否めませんが、エアポートが毎時6本化された効果は大きいように思えます。

10分間隔が新千歳空港側に合わせられているので、札幌発の運転間隔がいびつになってしまったのが残念なところ。
しかしこれは、空港直通客と途中停車駅の乗客を分離する効果もあるようです。

今後の課題があるならば、やはり停車駅の不案内でしょうか。
毎日の利用者や私のような鉄道ファンならば頭に入るのでしょうが、やはり3種別の快速が入り乱れて走っている印象を持ちます。
それに時間帯によって運行体系が異なることになってしまいました。

空港アクセスやエスコンフィールドへの乗客は乗り慣れない人も多いでしょう。
エアポートの発車案内は、停車駅がはっきりとわかる表示にするべきだと思います。

この度のダイヤ改正で、ほかに色々と思うところはありますが、あちらを立てればこちらが立たず。
そんな話ばかりになってしまうので、今回は割愛させていただきます。

〜最後までお読みいただき、ありがとうございました。  

posted by pupupukaya at 24/03/17 | Comment(0) | 鉄道評論
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