◆ 機内の新年
2020年1月1日、水曜日。
ここからは日本時間に戻します。フィンランドとの時差は−7時間。
朝6時40分過ぎということになるが、機内も外もまだ真っ暗。
たまに窓の下にどこかの町の明かりがゆっくりと流れて行く。
フィンランド時間では23時40分。これから寝る時間というところだが、2本のお酒と旅の疲れとが合わさってぐっすり眠っていた。もう時差ボケも解消したようである。
6時45分、フライトマップ。
昨夜のオーロラに続いて、今朝のイベントは初日の出。
事前に調べてきたのだが、運航時刻通りならハバロフスク手前あたりで初日の出が拝めそうだ。
7時過ぎ、白む地平線。
地平線がだんだん明るくなってくる。
ハバロフスクの今日の日の出時刻は日本時間で7時52分(UTM 22:52)となっている。
こちらは1万メートル上空なのでそれよりも早い。
その瞬間を見ようと、じっと窓の外を眺める。
空はだんだんと明るくなってくる。
日の出の方向は前方の若干左側。窓に顔を寄せれば辛うじて地平線から昇る初日の出を見ることができた。
令和2年、明けましておめでとうございます。
そんなこと知ってか知らずか、機内はまだ寝静まっている。
翼の下に見えた初日の出。
8時、機内食がやってくる。
メインが焼うどんの一択。
元旦なので、おせちでも出てくるのかと思ったが、いつもと変わりがなかった。
ドリンクはビールを頼む。
正月だし、お屠蘇替わりということで。それに成田についても、まだまだ先は長いことだし。
朝食は焼うどんとビール。
醤油味の焼うどんとビールが美味い。懐かしい味に、もう日本帰国の洗礼を受けたような気分だ。
やっぱり帰りもJALにして良かったな。
いつしか日本海上空へ。そこからは雲の上を飛ぶ。
再び地上が見えたときは仙台の上空だった。そこから成田空港目差して南へ向かう。
ヘルシンキ〜成田間のフライトマップ。
機内も着陸態勢へ。九十九里浜から成田空港へ向かう。富士山が見えないかと目を凝らしたが、さすがにここからは見えないようだ。
着陸するとCAのアナウンス。
「皆さま明けましておめでとうございます。2020年1月1日、9時49分でございます」
「ア、ハッピーニューヤー〜(ナントカカントカ)」
ヘルシンキから機内はずっと通常通りの営業。新年を思わせるのはこのアナウンスだけだった。
「2020年が皆様にとって素晴らしい1年になるよう、乗務員一同お祈りいたします」
成田空港に着陸。
10時、ベルト着用サインが消える。
定刻が10:05着なので、ほぼ定刻通り。
や〜、帰ってきた帰ってきた。
たかだか8日ぶりの日本だが、ひと月も経っていたかのような気分である。
さっさと家に帰って横になりたいとかラーメン食べたいとかという気分だが、札幌までまだまだこの先は長い。
◆ 札幌まで
まずは入国イミグレーション。
これは日本人専用口があるので早い。
次が預け荷物の受け取り。
ベルトコンベアから出てきたら今度は税関へ。
ここで機内で書いた携帯品・別送品申告書を渡す。
この先が到着ロビーであり、日本入国ということになる。
10:28、到着ロビーに出る。飛行機が着いてからここまで30分弱。
いつもは出たところの衝立に出迎えの人が大勢立っているのだが、元旦のせいか今日は人が疎らだった。
人が少ない成田空港の到着ロビー。
こんどは羽田空港へ。
空港第2ビル駅10:47発の羽田直通のスカイアクセス特急には余裕で間に合った。これを逃すと次の電車まで40分も待たねばならない。
リムジンバスの方が早いし本数も多いのだが、あちらは3000円以上。電車ならば1,699円である。
空港第2ビル駅の改札口。
毎度ながら思うのは、成田空港のアクセスの悪さ。
京成とJRの両方あるのはいいが、運賃も行先も系統も全くの別物。
スカイライナーや成田エクスプレスは便利だが、特急料金が上乗せになる上に全席指定、本数も少なくて、到着したら手っ取り早い電車に乗るというわけにはいかない。
私は事前に調べてきたからいいけど、成田空港に着いた外国人がここから東京へ向かうとしたら難解だろうな。
そんな成田空港をよそに羽田空港が2020年夏ダイヤから国際線の発着枠を増やすようで、JALでも3/29からヘルシンキ便を含め10路線を羽田発着にシフトするということだ。
やってきたスカイアクセス特急は、元旦の午前中のせいなのか空港第2ビル発車時はがら空きだった。
そのあとはずっと眠っていたらしい。気づいたら品川だった。
羽田空港行のアクセス特急。
長閑な元旦の日本晴れ。
羽田空港国内線ターミナル着は5分ほど遅れて12:22着。車内にしきりに流れるお詫び放送に、日本だなあと思う。
あと人の多さ。
フィンランドや北海道と違って、とにかく人、人、人。
東京ってなんでこんなに人が多いんだ?
羽田空港国内線ターミナル駅に到着。
羽田空港第1ターミナルのJALカウンターは大行列。
チェックインはヘルシンキ空港で済んでいるが、荷物を預けなければならない。
ヘルシンキ空港で発券した搭乗券を出すと、新たに発券し直しとなった。
再び身軽になったが、広い出発コンコースだがベンチもほとんどふさがっているし、見たいものも行きたいところも特にない。
セキュリティーゲートを通って中に入ってしまう。
売店などをブラブラと見ながら時間を潰す。
そういえば今日は元日なので、帰ってもスーパーは閉まっているんだったなと思い出し、空弁コーナーでシウマイ弁当を買った。
家に帰ったらこれで一杯やることにしよう。
搭乗時刻が近づくと、ゲートの前は大行列になった。元日だが、ほぼ満席のようだった。
羽田空港の空弁。
大混雑の札幌行JL517便搭乗口。
羽田空港を離陸すると快晴の東京の上空を旋回して北へ向かう。ここから遠くに山頂だけ姿を現した富士山が見えた。
浦安上空を旋回して北へ向かう。
雲の上に頭だけ出した富士山。
北海道に戻ってきた。
15時過ぎ、北海道の上空へ。やっぱり雪が少ない。
そんな風景を見ているうちに新千歳空港に着陸した。
ここからはもう日常の世界。
フィンランド旅行もそろそろ終わりである。
海外旅行帰りのはずなのだが、どういうわけか、道内や東北あたりの旅行から帰ってきた時の気分と変わりなかった。
費用 | 場所 | ユーロ | 円 |
成田空港→羽田空港(電車) | 成田空港 | 1,699 | |
新千歳空港→札幌(JR) | 新千歳空港 | 1,150 | |
1/1 合計 | 2,849 |
◆ 旅のまとめ
2019年冬フィンランド旅行の地図。
オーロラを見たい、から始まった今回のフィンランド旅行。
現地で3泊はしないとなあとか、寝台列車に乗りたいとか、あっちへ行きたいこっちへ行きたいとなって、結局7泊9日もの大旅行になりました。
オーロラシーズンのためか、宿泊代が思いもよらず高くなってしまったことや、個室寝台車に乗車したこともあって、旅費はかなりかかってしまいました。
たった1日だけでしたが、1番目的のオーロラが見られたのでフィンランド旅行は大成功と言ってもいいでしょう。
あと、フィンランドは自分としては旅行中かなり好感を持った国でもありました。
それは他人と距離を置きたがること、あまりしゃべらないこと、シャイで酒飲みで・・・
一見すると暗いなあ・・・と感じるものの、意外と親切だったり、その中に誠実さを感じたり。
自分の前世はフィンランド人だったのでは・・・というのは冗談ですが、妙に居心地の良さを感じたものです。
またフィンランドに行きたいか、と問われれば、正直う〜ん・・・
いや、例えば列車に乗っていても景色がね、行けども行けども森ばかりでは正直飽きてくるものでありまして・・・
同じ北欧でも景勝地が多かったノルウェーとは対照的ですね。
ノルウェーは男性向け、フィンランドは女性向けという印象が残りました。
オーロラはまた見に行きたいと思います。
今回は見られたと言っても、遠くにうっすらと光るものが現われただけなので、次回はぜひ全天に光るオーロラを見たいものです。
と言うのは簡単ですが、旅費だけで20万円以上。オーロラが出そうだから駆けつけるというわけにもいかず、2か月以上も前に飛行機のチケットを買い、ホテルも押さえて、さあ見られるか見られないかは運次第の大博打というのは、はっきり言って心身ともにしんどいです。
最後に7泊9日の旅費を上げておきます。
旅行予算の参考になれば幸いです。
利用 | 内訳 | 店名など | ユーロ | 円 |
飛行機 | 新千歳〜ヘルシンキ往復 | JAL | 112,390 | |
ホテル | ヘルシンキ3泊 | コングレッシコッティH | 183.15 | 22,616 |
ホテル | イナリ2泊 | Hイナリ | 290 | 35,863 |
ホテル | ロヴァニエミ1泊 | Hアーケヌス | 114 | 14,074 |
鉄道 | ヘルシンキ〜ロヴァニエミ | 2階寝台シングル利用 | 226 | 27,902 |
鉄道 | ロヴァニエミ〜ヘルシンキ | エクストラ利用 | 81 | 10,011 |
鉄道 | ヘルシンキ〜トゥルク往復 | 普通車利用 | 17.8 | 2,192 |
バス | ロヴァニエミ〜イナリ往復 | 座席予約利用 | 126.2 | 15,574 |
合計 | 1,038 | 240,622 |
費目 | 円 |
食費(買物) | 20,408 |
食費(外食) | 4,313 |
現地交通費(市内の移動) | 3,920 |
観光代(ツアー、入場料) | 14,774 |
土産物代 | 7,375 |
その他(ロッカーなど) | 1,123 |
日本国内での交通費 | 5,459 |
合計 | 57,372 |
2019年冬フィンランド旅行の旅費総合計=29万7994円
う〜ん、何とか30万以内で収まったかな。
ビール込みの食費が2万4千円台は、物価高の国にしては安く済んだ。
それにしてもホテル代が高い・・・
フィンランド旅行の土産物。
最後に今回の旅行で得たものがあればどうぞ ↓ ↓ ↓
今まで人間嫌いでシャイな性格に困っていた自分自身。
フィンランド人たちの中にいるうちに、
あ、これでいいんだと思いました。
〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。