新年あけましておめでとうございます。
2026年・令和8年、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。
私は年末と年始に、何か記事ネタでもないものかと街のほうへ出かけてぶらぶらと歩いてきました。
あまりに多い人出に驚きますが、それにしても外国人が多い。
市電の車内、地下街、狸小路・・・どこもインバウンド(訪日外国人客)の方々で賑わっています。
狸小路にて。2026年1月2日撮影。
札幌はオーバーツーリズムというほどにはなっていませんが、街を歩いていると右を向いても左を向いてもインバウンドの方々が目に入ります。
コロナ前のインバウンドといえば、馬鹿でかいスーツケースを2個も3個も引きずって、常に自撮り棒を持って撮影しているといったイメージがあったものですが、今はそういう人は見なくなりました。
あのスタイルは一種の流行だったのか、それともああいう人たちは日本に来なくなった(来れなくなった)のかは分かりませんが、とにかく見なくなりましたねえ。
コロナ前とコロナ後では明らかに客層が変化しているように感じます。
ところで1つ気になるのは、この外国人の皆さんは一体どこからやって来ているのか。
韓国、台湾、中国、このあたりが多いのは街を歩いていて実感していますが、最近はインドネシアを始めとする東南アジア系の方々も増えた気がします。
皆さんどこの国からやって来るのか。
北海道の場合はどの国の方々が多いのか。
いろいろ興味が尽きません。
旭川駅、旭山動物園行きバス乗り場の大行列。2025年2月撮影。
マスコミなんかでよく取り上げる外国人観光客の話題といえば、「オーバーツーリズムが〜」とか、「訪日自粛で観光業に打撃が〜」とかばっかりやってますが、こういった素朴な疑問に答えるようなことはしませんな。
そこで個人ブログの管理人である私の出番です。
こうしたニッチな話題、あるいは疑問を解くのが個人ブログの役割というわけです。
調べるといっても、街を歩く人にインタビューして回るわけにもいきません。
仮にやってみたって、札幌市内中心部でおこなっただけでは、サンプルが偏り過ぎて実態は見えてはこないでしょう。
そこで統計の出番です。
ネット上で見つけたのが、北海道庁が毎年出している『北海道観光入込客数調査報告書』というもの。
北海道内の観光入込客数が月別、地域別にまとめられた統計です。
最新版は2024年度。
年は明けましたが、まだ2025年度中なので2025年度版はありません。
今現在の最新の情報ではありませんが、年間の傾向を読み取るのには十分な統計ではないでしょうか。
で、その中にある『月別・国別訪日外国人宿泊者数』の数字を拾って、北海道内の外国人客がどこから来ているのかを調べようと思います。
宿泊者数=来道観光客とは限りませんが、外国から来る以上はどこかに宿泊するわけで、これを実態数としてもさほど違いは無いものと思われます。
元データはエクセルですが、私はエクセルデータなどチョイチョイチョイと朝飯前で加工できますからね。
それで作成したグラフがこちら。
さて、どこの国からの来道客が一番多いのか。
令和6年度 北海道観光入込客数調査報告書から筆者作成。
パンパカパ〜ン。
2024年度、北海道を訪れる外国人が一番多いのは、台湾です。
次いで2位韓国、3位中国となりました。
この三国で2/3近くを占めるのだから相当なものです。
北海道内への直行便のあるなしも、大きな理由になるでしょう。
毎日新千歳空港から台湾や韓国への直行便がバンバン飛んでいますから。
元データはこちら。
| 国名 | 宿泊人数 | 順位 |
| 台湾 | 1,441,654 | 1 |
| 韓国 | 1,104,226 | 2 |
| 中国 | 1,067,033 | 3 |
| 香港 | 431,127 | 4 |
| シンガポール | 277,503 | 5 |
| タイ | 251,351 | 6 |
| アメリカ | 233,706 | 7 |
| オーストラリア | 161,671 | 8 |
| マレーシア | 145,791 | 9 |
| インドネシア | 60,420 | 10 |
| その他 | 611,809 | |
| 合計 | 5,786,294 |
上位10位のみ表示、あとの国はその他に含めた。
台湾、韓国、中国は、それぞれ年間で100万人以上も北海道にやってくるわけです。
中国が3位とは意外と少ないような気がしますが、中国+香港だと第1位になります。
それにしても台湾が1位というのがちょっと意外でした。どんだけ北海道が好きなんだろう。
台湾の人口は約2300万人。台湾の人は、計算上は16人に1人は毎年北海道に行っていることになりますね。
意外なところでは7位アメリカ。空前の円安ドル高ですからね、日本が人気の渡航先に選ばれてもおかしくはありません。
円高ドル安の時代は、日本が逆やっていたわけですからね。
こうして順位と割合を見てみましたが、街での肌感覚とそう変わらないような気がしました。
★ ★ ★
これを今度は月別で見てみます。
2024(令和6)年度中に北海道内に宿泊した外国人数を月別に表したグラフです。
令和6年度 北海道観光入込客数調査報告書から筆者作成。
全体的な傾向としては夏場の7・8月が多くなって、もう1つは冬場の12月〜2月が増えています。
中国が12月以降の爆上げがすごいですが、これは中国の大型連休となる春節だからでしょう。
もう1つはコロナで厳しくなっていた中国人向けのビザが、この年の12月から緩和されたことが大きいのでは。
シンガポールが12月に突出しているのも目立ちます。
上のグラフには表示していませんが、同じく12月が突出する国がインドネシアとフィリピン。
東南アジアが12月が多くなるのは、何か共通することがあるのでしょうか。
最近街や電車内で東南アジア系の方々を多く見るような気がしていましたが、気のせいだけでなかったとわかりました。
これもグラフにはありませんが、1月と2月に突出するのがオーストラリア。
こちらはオーストラリア人に人気の、ニセコのスキーリゾート行きでしょう。
特に1月の人数は、香港と並ぶまでになります。
それとは対照的なのが台湾。
特に突出したり落ち込んだりせず、年間を通じて安定して来道する客となっています。
★ ★ ★
もう1つ比較のためにグラフを作成してみました。
同じく国別・月別のグラフで、コロナ前の2019(令和元)年度のものです。
令和元年度 北海道観光入込客数調査報告書から筆者作成。
中国はやはり春節となる1月が爆上げ。
とにかく短い時期に集中してやって来る方々だということが分かります。
もう少し時期を分散して来てくれれば、オーバーツーリズム問題も少しは解消するのでしょうがねえ。
・・まあこうした傾向は、とかく盆正月に移動したがる我々日本人にも当てはまることではありますが。
台湾がやはり年間を通じて満遍なく来ている感じ。
季節波動が少なく閑散期の需要を埋めてくれる、これは観光業にとっては一番ありがたい存在ではないでしょうか。
2019年度データでは、韓国が7月を頂点に急激に下がって、9月以降は低迷しているのが目立ちます。
これは何かというと、2019年7月に日本政府によるホワイト国除外をきっかけとして韓国内で起こった『NO JAPAN』運動によるもの。
これにより、日本製品の不買、日本旅行の自粛などの反日運動が大規模に展開されました。
その結果は、グラフを見ると一目瞭然。
「韓国人もやるときはやるんだぞ!」
そんなことが伝わってきます。
あと余計なことですが、そんなエネルギーがあるなら、もうちょっと建設的なことに使った方が・・・などと個人的には思ってしまいますが・・。
で、このグラフを見て改めて感じることは、特定の国は政治状況ひとつで訪日客が激減するリスクが常にあるということです。
特に観光業は、あまり特定の国相手に偏ると、大変なリスクを背負ってしまうということです。
前年の2018年度データと比較すると、韓国からの観光客数は各月に渡り、最大で10万人以上もの減少となってしまいました。
しかし面白いのは、韓国からの減少は、他の国からの観光客増加でカバーされていたということ。
こちらは2018年度と2019年度の外国人宿泊者数を比較したもの。
韓国の反日運動による減少と、全体合計の比較でもあります。
平成30年度、令和元年度 北海道観光入込客数調査報告書から筆者作成。
韓国からの人数は、多い月だと10万人ベースで減少していますが、合計だと韓国からの減少が始まった8月の減少が大きいですね。
ですが、他の月は影響を受けるばかりか、むしろ上回っている月もあるくらい。
韓国からの減少は、すぐに他の国からの増加によってカバーされた格好になっています。
だから、特定国からの観光客に依存するのはリスクが高く、より多くの国からの観光客を対象とした方が、ビジネス上はリスク回避ができているといえます。
なお、2019年度3月にどの国も激減しているのは、言わずと知れた新型コロナウイルスによるもの。
中国の武漢に端を発する感染症は、この頃には感染者が世界中に広まったため、日本政府も入国制限を発動することになります。
ここから世界中がコロナ下の生活を余儀なくされるわけです。
厳しい入国制限が緩和されたのは2022年10月から。
そういえば外国人観光客を再び街で見かけるようになったのはこの頃だったなあ。
韓国の反日運動も自然消滅したようで、再び訪日客数トップラスの国に戻りました。
コロナもいつかは終わるものだと分かっていたし、そうなればまた外国人客も戻ってくる。
それにしても戻ってき過ぎ・・・とお思いの方も多いことでしょう。
そんなことを不満としてもしょうがないですね。
でも統計を当たって、グラフにして可視化すると今まで見えなかったものが見えてきます。
道内で、あまり外国人で混んだ観光地は嫌だという人は、3・4・9・10・11月あたりが比較的落ち着いているので、この時期の旅行がおすすめだとわかります。
★ ★ ★
そういえば今、自国民に日本旅行の自粛要請を発しているアノ国の数字は、今年の春節時期にはどうなるのかな。
その結果は2025年度の統計が発表されれば明らかになります。
もし減少していなかったら、アノ国のメンツはどうなるのか。
結果が出たらグラフを作って、またここで発表しちゃおうか。
〜最後までお読みいただきましてありがとうございました。