◆インディラ・ガンディー空港まで
荷物を受け取るためにホテルに寄る。
預ける時に3時ごろ受け取りに来るとは言ってあった。
レセプションで自分の名前と荷物を取りに来たというようなことを言う。インドのホテルは預かり証をくれないのでいちいち面倒だ。
ところが、荷物を出してくれない。もしかして別の人が持って行ったのか?
レセプションの人は私の後ろを指差す。振り返ると別のスタッフが私のバックパックを持って座っていた。出して待っててくれてたのか。
「オーソーリー、サンキュー」と言って受け取った。
さて、空港へ行こう。
まずはニューデリー駅に行かなくてはならない。列車に用はないが、エアポートメトロの駅は国鉄の駅の反対側にあるためだ。駅構内の跨線橋を通るのが一番近道となる。
もう何回も往復した道なので慣れた道だ。
ニューデリー駅のパパールガンジ(メインバザール)側駅舎。
跨線橋を通り抜ける。
階段を下りてアジメリゲート(Ajmeri Gate)出口へ。
駅を出るとこれでもかというほど声がかかるが、すべて無視。
あと、ここから先へは行けないと行く手をさえぎって来る人もたまに現れる。これは隙を見て逃げ出そう。
アジメリゲート口の駅前広場。
メトロの入口。これは5番ゲート。
駅のメインバザール側からメトロ入口までゆっくり歩いて10分ほど。
メトロの入口はいくつかあるが、中でつながっているのでとにかく入ってしまえばよい。
メトロ駅に入ってしまえばあとは心配いらない。外でつきまとわれても、彼らは駅の中までは入ってこない。
ただ『Exit Only』と書かれた階段からは入れないし、警官が見張っていれば怒られるので注意を。
詐欺師との違いは、警官は制服を着ているし、彼らは座ったまま警棒を振りかざして怒鳴るだけなのですぐにわかる。
階段を下りるとまたセキュリティーゲート。滅多なことでは引っ掛かることはないが、私は1度だけ首から下げていたパスポートで引っ掛かった。パスポートだと言うとすぐに通してくれたが。
メトロのニューデリー駅はイエローラインとエアポートメトロの駅が別々にある。看板をよく見て間違わないように。
窓口で切符を買う。行き先は「エアポート」と言えば通じる。60ルピー。
円形のトークンを渡されるので、それは改札機の読み取り部にかざすと改札機のゲートが開く。
エアポートメトロのホーム。
ホームに来れば、あとは停車している電車に乗ればよい。平日の昼間は10分間隔、朝夜と土日は15分間隔で運行している。
乗ってしまえばもう心配はいらない。あとはエアポート駅で降りるだけ。
車内放送のほか、次駅を表示したモニターもあるので、それに注意して乗り過ごさないように。
エアポートメトロの車内。
エアポート駅で降りて、改札を出て階段を登ったところが国際線の第3ターミナルだった。
いまは16時を少し過ぎたところ。ニューデリー駅のメインバザール側からここまで50分で来れた。
あまりにもここまで簡単に来れたのでちょっとびっくりだ。もっと面倒があるのだと思っていた。
インディラ・ガンディー空港の第3ターミナルエントランス。
ターミナルの入口で飛行機のチケットとパスポートを見せる。あまり早いと空港内に入れないのはこのためか。見送りの人も入れないことになる。
まだ出発まで3時間以上も時間がある。しばらく空港の中を見物していよう。
空港の第3ターミナル。
余ったインドルピーで土産物でも買おうと思ったのだが、出発ターミナルには店がほとんどなかった。
カフェと外貨両替があったくらいで小さな売店すら見つからなかった。
もうさっさと中に入ってしまおう。
JALのカウンターは長蛇の列。ここもインド人ばかり。自分の番が来るまで40分くらいかかった。
搭乗券を持ってセキュリティゲートへ、次はイミグレーション。ここも行列だった。
ようやく免税店のあるエリアへ。JALのカウンターに並んでからここまで1時間以上かかった。
免税店のエリア。
免税店を見て回る。
財布にはインドルピーがまだ2600ルピーほど残っている。うち1枚は2000札。
さて何を買おうかな、と見て回るがこれといった物がない。
免税店もそんなにたくさんあるわけではなかった。
民芸品のコーナーがあって、リクシャーの運転手に連れられて買わされた置物なんかの値段を見る。
免税店に並ぶ民芸品の数々。
2日目のアグラで買った大理石製のゾウの小物があった。私が買った物と大きさといいデザインといい似たような品物。
値札を見たら995ルピーとあった。
アグラの店で買ったのはゾウ2個とマグネット2個で2600ルピーだった。
これとて空港価格だから、市中と比べれば高めなんだろうけど、アグラで連れて行かれた店は、まあ良心的だったといえる。
3日目にデリーで買わされたのと同じような置物は2150ルピーで売られている。
私が買ったのは3840ルピー。ほとんど倍違うじゃねーか、ちくしょー!
前にも書いたが、本当に授業料だな( TДT)
免税店でお菓子の箱を買った。高級そうだが開けて食べてみるまでどんなものかはわからない。
まだ2000ルピー札が残っている。これも使い切ってしまいたいのだが、これといってほしい物も見つからない。
あまり嵩張るものは買いたくなかった。
あれこれ見て回って、見つけたのは2150ルピーのインドマラ。珠が香木で出来ていて芳香を放っている。
インドマラといえばこれ?

似てるから、ただそれだけの理由で買ってしまった(^ω^)
お前はそんなくだらん理由でこんな小物に4000円近くも出したのか!(怒)
↑ by 未来の自分
2150ルピーのインドマラ。
◆デリーIGI空港 19:35 ーJAL JL740便 成田空港 6:50(翌)
搭乗ゲートの待合所に寝椅子があったのでそこに横になった。
足が痛い。もう歩けない。
ガラス張りの向こうから差し込む西日と飛行機を眺めながら過ごす。
インドに来て8日目だ。ようやく終わった。
もう体力も尽き果てた。
一体何しにインドに来たんだろう。
今回の旅行は苦労ばかりだったような気がする。
どこへ行っても汚いし、うるさいし、臭いし、暑いし・・・
駆け足のような行程だったが、良くも悪くも今までになく濃い旅行だったのは確かだ。
中学生以下の英語力で、ここまで1人で乗り切ってきた。
またインドに行きたいと思うだろうか、インド旅行は充実したものだったのだろうか。
いまはとにかく、足が痛い、早く日本に帰りたい、ただそれだけである。
成田行きの搭乗ゲート。
19:10、一般の搭乗が始まる。
また7時間45分ものエコノミーシート。それでも機内に入ると、あー帰って来たーと思った。
帰りの飛行機もインド人が多い。それでも行きよりは若干日本人の割合が増えたようだ。
飛行機に乗った時はまだ明るかったが、離陸する頃にはすっかり暗くなった。
上昇すると眼下にはデリーの夜景が見える。赤っぽい弱々しい光が広がっている。
グッバイデリー、グッバイインディア。
デリーの夜景。
水平飛行になると機内食が配られる。
和食と洋食があって、今回は和食にした。お酒は日本酒。
久しぶりの日本の味は良かった。
海外発の便はたいてい日本そばが付く。いっそのこと、そばをメインにしたらいいのに。
しかし、一番うまいと感じたのは味噌汁だった。
機内食のメインはチキン味噌カツ&茶飯。
食事のあとはひたすら眠っていた。たまに体が痛くなって目覚めるが、少し体勢を変えてまた眠った。
◆9日目 5/5 成田空港へ
ようやく目が覚めて、フライトマップを見るともう少しで九州上空という所だった。
2回目の機内食は鮭と赤シソのおにぎり。それにまた味噌汁。
これが一番うまかったかもしれない。
到着前の機内食はおにぎりだった。
ここから時計を3時間半進めて日本時間にします。
5:50頃富士山が見えた。飛行機の窓からこんなにはっきりと見るのは初めてだ。
機内から富士山が見えた。
デリーから成田までの飛行ルート。
成田空港に到着。
6:25、成田空港に着陸。6:35、降機。
入国イミグレーション、荷物受け取り、税関と難なく終わり。到着ロビーに出たのは7:02だった。
日本に帰ってきた。
◆成田空港 10:10 ー コードシェア JL6115便 ー 新千歳空港 12:00
で、ここで終わりではなく、今度は国内線に乗り継ぎになる。ここからが面倒だった。
JALの国内線カウンターは到着ロビーの一番端にある。そこまで歩いて行って国内線の搭乗手続きと荷物預けをしなくてはならない。
足は痛いし、バックパックは重い。それでも何とかJALのカウンターに着いた。
ところが、私の乗継便はジェットスターなのである。係りの人はここではなく第3ターミナルの方へ行ってくださいと言った。
連絡バスがあると言うので、その乗り場まで歩く。これがまた端から端までであった。
うう、足が痛え。昨日つぶした足裏のマメが腫れているようだ。
ようやくバスに乗って第3ターミナルへ。
ジェットスターのカウンターは長蛇の列だった。中国人に混じって並ぶ。早くこのバックパックを預けてしまいたい。
ようやく自分の番が来てeチケットを見せると係員は言った。
「出発時刻の2時間前にならないと搭乗手続きはできないんですよ」
また荷物持って歩けってのか!
思わずブチ切れた。
規則でそうなってるんだから、しょうがないってわかってるんだけど。
もういいよ、と見せたeチケットをひったくって戻って、空いているベンチに横になった。
最後の最後はLCCかよ。なんだか落ちぶれた気分になった。
普通は座席指定も荷物預けも有料だが、国際線乗継の場合はコードシェア便ということで無料になる。
成田から新千歳まで乗ったジェットスター。
ひと眠りして8時半ごろまたカウンターに行く。今度は手続してくれた。
LCCは安いからたまに乗ることはあるが、好んでまで乗りたいとは思わない。
JALの便にしたら夜まで待ってなくちゃならないので、仕方ないんだけどね。
新千歳空港着。
成田空港から1時間50分、新千歳空港に着いた。
空気が冷たい。北海道に帰ってきた。
インドでの数々の出来事はもう遠いことのような気がする。
インドで買ってきたもの。
インドへ行くと人生観が変わると人は言う。
今回の旅行で、自分の中の何かが変わったような気がした。それが何なのかはまだわからない。
時が経つにつれ明らかになるんだろう。
またインドに行きたいか?
勘弁してくれ〜、今度はもっと易しい所がいい・・・
今はね。
でも、1年くらいしたら気が変わるかもしれないね。
あれだけエキサイティングでエネルギッシュにあふれた所なんだから。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
〜おわり〜