桜以来ずっと寒い日が続いていましたが、この日曜日はようやく暖かくなった札幌。
冷え切ったコンクリート箱の家の中よりも、外の方が暖かいくらい。
春の陽気に誘われるように、大通公園から中島公園まで歩いてきました。
今日は、札幌の街を画像を交えて旅行気分で紹介しようと思います。
しばらくお付き合い願います。
大通公園はライラックが満開を迎えていました。
紫、白、ピンクと咲き乱れるライラックの花はまさしく札幌のシンボル。
もう冬とは完全におさらば、春から初夏へと移り変わってゆく、そんな季節です。
ライラックは花そのものよりも香りだと思っている。
花が咲き始めるとあちこちにロマンチックな香りが漂う。
雪の谷間で暮らしていた冬も終わり、今年こそ何かいいことがあるんじゃないか、そんな気持ちが湧いてくるような香りです。
この香りをブログでお伝え出来ないのが残念ですな。
ライラック並木と言えば大通公園や川下公園が有名ですが、住宅地へ行くと多くの家々の軒先から顔を出すようにして咲いているライラックが見られます。
どこの家でも、ライラックだけは塀から道路にせり出すようにして咲いているのはどうしてなんでしょう。
そして花が終わると、途端に存在感が無くなってしまうのもライラックの木ですね。
大通公園はすっかり初夏の陽気。
上着を着て歩いていたら汗ばんでくるほど。
もうコロナも終わり。
いや、終わってはいないけど、もうこんなものに振り回され続けるのはやめましょうということだ。
WHO=世界保健機関だって緊急事態宣言を終了しています。
それにしても相変わらず歩く人はマスク姿が多いですな。
3月にマスクは個人判断とされてから2か月。
暖かくなればマスクを外す人も多くなるのではと思っていましたが、ノーマスクは一向に増えることもありませんね。
私ですか?
もちろん今日はノーマスクです。
こちらは16日で閉館となるPIVOT(ピヴォ)。
隣の4プラはビルの解体が完了して新たなビル建設工事が始まっているが、こちらも新たな商業ビルに建て替えとなる。
でも駅前通りに面した入口はひっそりとしている。
同じ閉館でも、こちらは4プラ閉館ほどの話題性はないようです。
ピヴォが入る中心街ビルは1969年完成で、駅前通りはかつて幅員20mから36mに拡幅された際に一斉に新築されたビルの1つ。
それが50年以上の歳月を経て再び建て替えとなるわけです。
同じ並びにある札幌ナナイロ、アルシュの方は今のところ建て替えの噂は聞きませんが、やはり築50年以上経つビルなので今後は建て替え工事が始まるのでしょうね。
こちらは狸小路3丁目にお目見えしたモユクサッポロ。
オープンは7月ですが、地下街のポールタウンとの出入口部分だけ通れるようになりました。
この中にオープンする都市型水族館は話題となりましたが、ほかにはどんなテナントが入るのか。
かつてのサンデパートビルのキーテナントだったドン・キホーテは戻って来るのか。
いずれにしても、狸小路のイメージも大きく変わりそうですね。
歩道に設けられた狸小路電停とモユクサッポロのエントランスが近未来的な街に見えます。
市電の旧型車は似合わないような気がしますね。
2020年に閉館したススキノラフィラの跡地に建設中の、COCONO SUSUKINO(ココノ ススキノ)も姿が見えてきました。
こちらは今年秋にオープン予定。
ラフィラ時代からあったイトーヨーカドーは入居しないこととなったのは残念。かわりに帯広のスーパー『ダイイチ』が入る模様です。
地上部分だけでなく、地下鉄すすきの駅コンコースも、新たなビルに合わせるべく改修工事が行われております。
こんどは、すすきのを抜けて中島公園へ。
こちらのライラックは大通公園よりも咲くのが遅いようで、まだつぼみが目立ちました。
それでもライラックの周りは良い香りが漂っています。
おや、遅咲きの桜かなと思えば、こちらはハナカイドウの花。
リンゴ科の木で、花からは心なしかリンゴの香りがしました。
花の蜜を集めに、ハチも飛び回っていました。
シチズン製の日時計がありました。
腕時計で見る現在時刻は12時35分。
う〜ん、日時計の方が5分ほど遅れているかな。でもほぼ正確。
こちらは重要文化財 豊平館。
1880年に札幌初の西洋ホテルとして、開拓使により建てられた施設。
元は大通1丁目の今のカナモトホールの場所にあったが、新たに市民会館を建設することになり、中島公園内のこの場所に移設されたものです。
札幌時計台と同時期の建築で、どちらも重要文化財。
創設の地で、年々高層になるビルの谷間に埋もれたような恰好の時計台に対し、こちらは緑に囲まれて北海道らしい大らかさと開拓時代を偲ぶことができます。
2つは同時期に建てられたものの、まったく対称的な運命をたどった明治時代の建物。
どちらが良いのかはわかりませんけど。
瀟洒な洋館で、有料だけど内部も見学できる観光地の1つとなっています。
しかし、ここまで来る観光客も少ないようで、いつも閑散としているのは残念なところ。
中島公園駅方向からだと結構歩くし、園内の通路を何度か曲がらなきゃならないので、道が分かりにくいのもあるのかも知れませんね。
私は自宅から中島公園駅へ行くには必ず豊平館の前を通るので、ここは馴染みの場所です。
公園の奥の方には、まだ満開の八重桜が残っていました。
市電中島公園通から公園入口まで続く南11条通りの八重桜並木は葉も増えてきて散り始めていますが、こちらはまだ綺麗に咲いています。
八重に重なった花びらと、枝先のぼんぼりのように花をつけるのが特徴。
もう何年か前、やはり中島公園を散歩していて八重桜を眺めていたら、外国人観光客の1人に「これは何という花ですか?」と聞かれたことがありました。
「ヤエザクラ」と教えてあげましたが、こんな桜があるのかと珍しがっていたのを思い出します。
川と八重桜のコントラスト。
ボートが遊ぶ菖蒲池。
都心近くの公園とは思えないほど静かでのんびりとした風景。
もし1人で札幌を旅していて、観光地に群がる人波に疲れたり、仲良しカップルたちに囲まれて孤独を感じたら、ここ中島公園で過ごしてみてはいかがでしょうか。
木陰のベンチで木々のざわめきを聞きながら、心地よく頬を伝う風を感じよう。
そう、これが札幌の風だ。
公園内を流れる小川。
この小川は、幌平橋上流にある水門から引き込んだ豊平川の水。
鴨々川として引き込んだ水を分流し、菖蒲池に注いで再び鴨々川に合流。
その後は創成川となる流れ。
水門から2手にわかれた流れは、石狩川でまた一緒になる。
護国神社の前を通って、電車通りに出ました。
行啓通電停は、はちわかの建物がランドマーク。
はちわかの弁当はガラスケースに並んだ弁当の対面販売。店売りのものは午前中で売り切れてしまうことが多い。
移転した苗穂駅南口にも同名の弁当屋があるが、本店はこちら行啓通。
ここでお弁当を買って、中島公園で花見しながら食べるのも楽しそう。
でも今日は残念ながら定休日の日曜日。
ところで市電山鼻線が通る西7丁目通りは、幅員20mから25mに拡幅する工事が進んでいます。
8年ほど前から、南4条の資生館小学校前から始まった拡幅工事は、現在南9条の山鼻9条電停の手前まで完成しつつあります。
来年あたりからは南9条から11条までの間に着手しそうで、数年前から拡幅のための立ち退きが始まっている。
交差点の道路縁ギリギリに建っている はちわかも当然立ち退き対象となるわけで、この古い弁当屋もどうなるのだろう。
電車通りだけでなく、行啓通も拡幅の対象となっていて、数年前から立ち退きが本格化してきました。
古い商店街だった行啓通も、空き地が目立ってきました。
市電ループ化で路線ブランドが地味に高まったのか、山鼻線沿線にもマンションが増えてきました。
中島公園も近く、すこし歩くけど南北線の幌平橋駅もあり立地は悪くないこのあたり。
行啓通も数年後には円山の裏参道のようにマンション街道となるのでしょうか。
こちらは隣の中島公園通電停。
道路拡幅に向けた立ち退きが進んでおり、中島公園通のレトロなランドマークだった理容の公園軒は姿を消しています。
この理容店は同じ場所に新店舗を建築中。
2〜3年も経たないうちに、このあたりの風景も一新していることでしょう。
自宅を出てから中島公園、大通公園、狸小路、すすきの、中島公園と歩くこと2時間半。
また自宅近くまで戻ってきました。
今日の気温は22℃まで上がったそうですね。
日向を歩いていたら、すっかり汗ばんでしまった。
冷たいビールでもグイッといきたいところですが、今日は日曜日。
明日から仕事なので、夕方まで我慢するしかありませんね。
ライラックの香りが漂う札幌の街を歩いてきたわけですが、中心部や電車通りはあちこちで建て替えラッシュ。
数年後には札幌の街も様変わりしていることでしょう。
でも街並みがどれだけ変わろうとも、今時期に一斉に咲くライラックの花と街に漂うライラックの香りは変わらずにいてほしい。
〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。