2016年白夜・北欧旅行記2 ヘルシンキ〜ヨーテボリ

ヘルシンキは雨だった。空港内は人が多いせいかムシムシした空気。

とにかく飛行機を降りた人の後に続いて進むとゲートの前に着いた。ジグザグになる様にロープが張られ、長い行列がある。どうやらここへ並べば良いらしい。ここが保安検査場とわかるまでしばらくかかった。
ヘルシンキで降りる人はEXITと表示のある通路へ行くのだろう。そっちへ行く人は疎らだった。

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 最初の関門は保安検査場。

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 飲み物はここで捨てて行くことになる。

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 ヘルシンキで最後の人は真っ直ぐ進むと出口になる。

保安検査場を通過すると外に出た。どっちへ行けばいいのかさっぱりわからない。とりあえず出たところに出発便情報のモニターがあった。
『16:00 Gothenburg』は31Eゲートと表示がある。矢印が表示されていたのでそっちへ進めばいいのか?
あまり深く考えないで素直に従うことにした。

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 保安検査場を過ぎたところに乗り継ぎのインフォメーションがあった。

矢印の方向に進むと、通路の両側に免税店が並ぶエリアがあった。お酒の瓶が並んでいるのが目に入った。向こうで飲む用に1本買って行こうかなと思いかけたが、はっと我に返った。
こんなところでウロウロしている場合ではない。さっき外に出たと思っていたが、中に入ったのだ。まだイミグレーション(入国審査)を通過していない。早めに着いたとはいえ、乗り継ぎ時間は1時間30分しかない。急げ、急げ。

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 免税店が並ぶ通路。

免税店の中を抜けると、イミグレーションのあるホールに来た。ここも大勢の人が並んでいる。さっき成田から着いたらしい人たちも先に来て並んでいた。
念のためパスポートに帰りの便が記載されたeチケットを挟んでおく。

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 フィンランドのイミグレーション。ここからフィンランドに入国ということになる。

自分の番が来てパスポートを差し出す。英語で尋問される。「サイトシーイング」とか「ワンウィーク」とか答えた気がする。挟んでおいたeチケットが功を奏したのか、係員はこれを見るとパスポートを返してくれた。これで無事入国できた。これからスウェーデンに向かうわけだが、シェンゲン協定国内であればパスポートコントロールを行われることは無い。

飛行機を降りてからここまで約35分。所定の乗継ぎ時間は1時間10分だったので、飛行機が早く着いていなければギリギリだった。シェンゲン協定内エリアと外エリアがあるからややこしい。

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 2つの関所をクリアすると放免ということになる。

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 ここからはフィンランド国内かつシェンゲン協定国のエリアとなる。

ここまで急げ急げで来たので、ようやく免税店などを眺める余裕ができた。それでも既に15時10分を過ぎている。次の飛行機は16時発なのでゆっくりはできない。
ここはフィンランドなので、売っているものはユーロ建てである。外での値段がわからないので、高いのか安いのかよくわからなかった。

日本からの到着便と日本への出発便が重なる時刻のためか日本人が多い。パスポートコントロールの所で帰り行程らしいツアー一行さんにツアーコンダクターの人が説明をしていた。

「ここから中に入りますとシェンゲン協定外エリアになるため戻ってこれません、こちら側と向こう側では売っている物も違います、こちら側の店で欲しいものがあれば買ってから中に入ってください」

なるほど、なるほど。帰りはそういう風になるのか。

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 ヨーテボリ行の搭乗口。たむろしている中国人は無関係。

15時40分過ぎに31e搭乗口に行く。すでにゲートが開かれ、搭乗が始まっていた。チケットを見せるとここからバスに乗るように言われる。
バスは発車した後で、しばらくベンチに座って待つことになった。

日本人は自分だけだと思っていたが、もう1組日本人がいた。小さい子供を連れた女性とそのおばあちゃん。会話の内容から、海外旅行ではなく日本へ里帰りしていた模様。
旅慣れた様子で、自分とは関係ないが頼りに思えた。

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 飛行機まではバスで移動。

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乗客は観光客は少ない。

バスが到着すると外に出るドアが開いた。
乗客層はビジネスか用務といったところ。観光客風の人はいなかった。ヘルシンキからパリやロンドンへ向かう人から見ればGothenburgってどこやねんて感じだろう。

着いた飛行機は階段のタラップが架けられている。飛行機の小さいこと。ローカル路線扱いだ。

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タラップで搭乗する。飛行機も小型。

札幌からヘルシンキまでの飛行機は予約時に座席の指定ができたが、ヘルシンキからヨーテボリまではフィンエアということなのか座席指定ができなかった。新千歳空港で搭乗券を受けとったときにようやく座席が決まったのだが、嬉しいことに窓側だった。

狭い機内は結構混んでいた。先に通路側に座っていた人に「エクスキューズミー」と声をかけて窓側の席に座る。

飛行機は16時を過ぎたが一向に動かない。ドアも開いたままだった。
アナウンスがあり、最初はフィンランド語(多分)続いて英語だった。英語の方に聞き耳を立てると、「サーティーミニッツ」と聞こえた。30分遅れになるらしい。欠航ではないし、遅れても今時期ならば暗くなる心配はないが、海外でしかも初めて行くところなので少々焦る。

16時15分ごろになってバスが到着し、この飛行機に何人か乗ってきた。全員席に着いたところでタラップが外された。接続便が遅れたので待っていたのだろうか。20分ごろ動き出した。

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 最後のバスが着くとタラップが外された。

離陸して水平飛行になるとドリンクサービスになる。コーヒーやジュースは無料、アルコールは有料になる。この辺は日本の国内線と同様。

フィンエアーはフィンランドの航空会社。そのせいかコーヒーの紙コップはマリメッコ柄だった。
隣席のおじさんはワインの小ビンを買って、コーヒーとワインを交互に飲んでいた。変わった飲み方だ。

ヘルシンキを離陸するとすぐに雲の中となったが、次第に天気が良くなって下界が見えるようになった。

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 機内サービスのコーヒー。カップと紙ナプキンがマリメッコ柄なのはさすが。

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 雲が晴れて下界が見えるようになった。

機内アナウンスがあり、フィンランド語はさっぱりだが、英語の方は何となくわかる。ヨーテボリ着予定は16時45分、気温は16℃ということだった。

時計を1時間遅らせる。フィンランドとスウェーデンは1時間の時差がある。ここからは中央ヨーロッパ時間の夏時間であるUTC+2の時間帯になる。

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 スウェーデンの町が見えてきた。

ヨーテボリ空港着は16:45だった。こんどはExitとある方向に向かって歩く。ずっと進むとターンテーブルがあった。
新千歳空港で別れたキャリーケースが無事に出てきた。
税関も何も無く、そのまま出口へと向かう。

出口では名前を書いた札を持った出迎えの人が並んでいた。それを見てようやく着いたんだと実感した。

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 ヨーテボリ空港に到着。

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 ヨーテボリ空港の手荷物受取所。

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 出口ではボルボが出迎える。ヨーテボリはボルボの本社所在地。

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 名前を書いた札を持った人が出迎える。

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 ヨーテボリ空港は小じんまりとした規模の印象だった。

やれやれようやくヨーテボリに着いた。と安心している場合ではない。これからホテルへと向かわなければならない。
空港からホテルまでの交通機関は出発前にこれでもかと言うほど調べてきたのでわかっている。

ヨーテボリ空港は鉄道が通じていないので、空港バスが市内とを連絡している。日中は15分間隔で出ていて、料金は105Kr。
これは事前にインターネット(flygbussarna.se)で購入すると95krになるので事前に買っておいた。印刷したチケットを持っている。


しかしバスを降りてから今度はトラム(市内電車)に乗るので、トラムのチケットを買わなければならない。空港のインフォメーションがあったので、どこでトラムのチケットを売っているのか英語で訊いてみた。
インフォメーションの人はセントラルステーション(中央駅)と答える。訊き方がまずかったのかも知れないが、ここでは売っていないようだ。

あとATMはどこかと見回したが、見つからなかった。両替所はあるのだが。

中央駅経由でも良いのだが、遠回りになるなと思って外に出るとちょうど空港バスが停まっていた。とりあえず乗ってしまおう。乗るときに印刷してきたチケットを見せると、機械にバーコードをかざすように言われた。

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 バス車内のモニターに停留所が表示される。

空港を発車して最初の停留所が当初予定していたKorsvägenという停留所で、ここで思い切って降りることにした。あまり遅く着くのは嫌だった。暗くなる心配はないが、一番の理由が、酒を買える店が19時で閉まってしまうからだった。

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Korsvägen停留所でトラムに乗り換える。乗ってきた空港バス。

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 Korsvägen停留所は各方面へのトラムが発着する。

トラムのチケットはどこで売っているのか。券売機はないかと探したが無いようだった。
さすがに無札で乗る勇気はない。検札で見つかったらとんでもない額の罰金を取られるからだ。

トラム乗り場の真ん中にキオスクがあって、もしやと思いレジで訊いてみた。「トラム・ワンデーパス」というと通じた。1枚85Krで、最初に乗車してから24時間有効になる。
支払はクレジットカードで。見ていると、こんなキオスクでの買い物でもみんなクレジットカードの人ばかりだ。自分でカードを差し込んで暗証番号を入力するだけなので簡単だ。私もクレジットカードの方がレートが良いので、できれば現金よりカードで済ませたい。使いすぎには気を付けなければならないが。

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 1daypassをかったキオスク。

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 渡されたのはICカードのチケット。

これでトラムに乗ることが出来る。
「F」の乗り場から6番に乗る。これも事前に調べてきた。待っていると大きく「6」と表示した電車がやってきたので乗り込んだ。車内にカード読み取り機があるのでかざすと使用開始になる。

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降りる停留所は6つ目、車内放送は分からないので路線図と停留所を見比べながら行く。
最初の停留所に停まった。はて?路線図に無い停留所だ。間違えたかな、でも番号と行き先は合っているし。
車内の乗客が怪訝そうな顔をして何人か降りた。運転手に尋ねている人もいる。
なんだなんだ。

次の停留所も路線図に無い。どうなっているんだ????

いくつ目かの停留所でループ線をぐるっと回って引き返し始めた。
さては運転手が線路を間違えたな!

またKorsvägen停留所に戻ってきた。この電車がどうなるかわからないが、元のルートに戻ることは無いようだ。あらためて6番の電車を待つ。

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 改めて6番のトラムに乗る。

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 帰宅ラッシュのためか混んでいた。といっても満席になる程度。

こんどの電車はちゃんと路線図のルート通りに走ってくれた。
時間がどんどん過ぎて行く。酒が買えなくなる、ああ・・・(そうまでして飲みたいのか)

6つ目のOlivedals-gatan停留所に着いたのは18時半ちかく。先に酒屋に寄ってからホテルに行くことにした。

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 ホテル近くのOlivedals-gatan停留所。

スウェーデンでは酒類の販売が厳しく、システムボラーゲット(Systembolaget)という国営の酒屋のみでしか売っていない。しかも営業時間は平日は10時〜18時で日曜は全て休みなので、あらかじめ知っておかないと買いそびれてしまう。
レストランやバーで出す分には制限はないが、何せ物価の高い所なので何杯も飲むわけにはいかない。

ホテル近くの酒屋は19時まで営業している。これも調べてきていた。店の前へ着いたらまだ開いていた。店の入り口には物乞いが2人ほど。酒のあるところは品が落ちるのか。
中に入ると結構広くて綺麗だった。すごい品ぞろえで、世界中の酒を集めてきたのではないかと言うほどそろっている。とりあえず買いたいのはビールだがこれもすごい種類があった。
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見覚えのあるドイツビールやチェコビールもある。輸入物は関税がかかっているのか値段は高め。日本と同じく缶ビールが主流のようだ。冷やして売っていないのが残念なところ。スウェーデン産らしい3本見立てカゴへ入れる。安いので1本11.9Kr、高いので13.5Kr。日本円にすると162円〜184円くらい。意外と安い。ていうか日本の第三のビール並みだ。北欧は酒税が高いと聞いていたので、1本500円くらいするのかと思っていた。別に1本あたり1Krが容器のデポジットとして加算される。これは飲み終えてからスーパーなどに持ち込むと返金されることになる。
あとウォッカを1瓶。これはさすがに高くて197Kr(2680円)もした。

ビールが無事に手に入ったので、ホテルへと向かう。
トラムの停留所から坂を登ったところにある。近くまで行ったらすぐにわかった。ようやく長かった1日も終わりが近い。

とにかく無事に着いて良かった。ビールも手に入ったし、お祝いしよう。ホテルに入ろうと扉に手を掛ける。

あかない(汗)

鍵がかかって開かないよ、どうするんだよ。
4年前チェコで同じ経験をしたのが頭をよぎる。ほかに入口があるのかと建物のまわりを探したが、メインエントランスらしいのはここしかない。脇に呼び鈴があるので押してみた。誰も出てこない。人の気配はあるようだが。

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 1泊したスロッツコーゲンホテル。

4回くらい押すと中から開けてくれた。ホテルの人ではなくお客だった。呼び鈴を押すとレセプションからの遠隔操作で開錠される仕組みで、それに気づかずしつこく呼び鈴を押していたと言うことだ。
でもこれは、1人での海外旅行が初めてという人が最初にここへきたら、入口に鍵がかかっている時点でパニックだろうなあと思った。

レセプションはバイトのような兄ちゃんが1人でやっていた。支払いはクレジットカードで550Kr。カードキーをくれた。部屋と建物の出入りはこのカードで行うようだ。部屋はこの建物ではなく、行き方を英語で説明してくれる。外を指差して「ブラックサーフ」ナンヤラカンヤラと言う。私の英語力はここまで。「ウライトプリーズ」(書いてくれ)というとメモ用紙に書いてくれた。

向かいの黒い日よけの建物が宿泊棟になっていて、もらったカードキーを差し込むと鍵が開いた。

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 ホテルの部屋。寝るためだけと割り切ればまあまあ。

部屋はベッドが2つ、折り畳みの机、壁掛けのテレビとシンプル。バストイレは共同になる。ベッドの上にはタオル、机には缶入りのミネラルウオーターが置いてあった。

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 テーブルは折り畳み式。

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 共同のバスルーム。シャワー使用後は奥のワイパーで水を掻いておく。

部屋に荷物を置いてまた外に出る。今度は食料品の調達だ。
近くにHemköp(ヘムショップ)というスーパーがあるのでちょっと行ってくる。

買ったのはパン、チーズ、焼豚(?)、チューブに入ったたらこペースト、水、ヨーグルト。ビールも売っていたので1本買った。アルコール分が3.5%までのビールならば酒屋でなくても売っているそうだ。全部で114.2Kr(約1554円)、スーパーで済ませばそれほどの出費にはならなそうだ。
ちなみにレシートを見ると付加価値税が12.0%と表示してあった。酒屋のレシートでは25%とあり、やはり酒類は税金も高めになっている。

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 ヘムショップで買ってきた食料品。

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 システムボラーゲットで買ってきたビール。

無事にヨーテボリに着いたし、長い長い1日もようやく終わった。ビールで乾杯しよう。
ここでやっと気づいた。ビールが冷えてないのだ。

海外のホテルは冷蔵庫がついていないのが多い。もっともこんな安宿でそんなこと期待はしていなかったが、そういう時は洗面台で冷水にさらせば結構冷えるのだ。ここはバストイレ洗面台すべて共同なのでそれもできなかった。

仕方なく、そのまま栓を開けて口にする。ぬるいビールはずいぶん久しぶりのような気がする。
なんとかならないかと思ってたら少々ひらめいた。バスルームへ行ってタオルを湿らせてきた。これでビールを包んで、窓際に置いておけば少しは冷えるのでは。気化熱を利用しようというものだ。

時間は既に9時過ぎだが、外はまだまだ明るい。ちょっと散歩でもしてこよう。

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 気休めとは思いつつ、気化熱を期待して濡れタオルでくるむ。

海外では用もないのに夜の一人歩きはするべきではないが、こちらは9時を過ぎても普通に明るい。明るいけどやはり夜の9時過ぎで、通りの店は閉まっていて人通りも少なくなっていた。

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 はてどこかで見たようなイラスト。カフェの看板らしい。

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 北欧らしいデザインのマンション。

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 午後9時半だが、まだ暗くならない。

20分ほど歩いてホテルに戻る。廊下に『ゲストキッチン』と書かれた表示があるので何かなと見に行ったら広いキッチン部屋があった。鍋やフライパンもそろっている。自分で洗って元の場所に戻せば使ってもいいようだ。結構いいホテルじゃん。

タオルで包んだビールも1時間以上経つが、手に取ると結構冷えていた。時間はかかるがこのワザは使えそうだ。
部屋でテレビを観ながら残りのビールを飲んだ。

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 殺風景だが楽しい一夜の宿。

外がいつまでも明るいので、今が夜の時間だということを時々忘れる。今日のヨーテボリの日の入りは21時50分。しかし明日は白夜の北極圏へ向かって出発するので、こんなのはまだ序の口なのだが。

最後のビールを飲んだら猛烈に眠くなったのでベッドにもぐりこむ。今日はこれでEND。
しょぼい部屋だがベッドはさすがに北欧で、長旅で疲れた体が心地よく沈み込む。
外はまだ明るいが、横になるとすぐに爆睡した。

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 午後10時、まだ明るい。
posted by pupupukaya at 14:40 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記