2016年白夜・北欧旅行記7 ナルビクその1

 2016年5月29日 ナルビク ベストウェスタン・ナルビクホテル〜

目覚めると7時半だった。旅行中にしては朝寝坊だが、今日は丸一日ナルビクに滞在するのでゆっくりできる。

8時近くに1階レストランの朝食会場へ。結構混んでいた。昨日もロビーなどで見かけたが、子供連れの家族が多い。夏休みには早すぎるし、こっちでは土日は家族連れで旅行するのが一般的なのだろうか。

朝食はホットビュッフェスタイルで、メインはスクランブルエッグやベーコン、ソーセージなど。スモークサーモンのオイル漬けが唯一ノルウェーらしさを出していた。さすがにパンはおいしい。

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 ホテルの朝食。今回の旅行で初めてまともな食事かも知れない。

さて、今日はナルビク観光ということにしていたが、じつはどこへも行きようがなかった。
地球の歩き方に載っているナルビクの観光地を挙げると、戦争博物館、オフォーテン博物館、ファルゲネス山に登るナルビクロープウェイとなっている。

ところが出発前に調べていると戦争博物館とオフォーテン博物館は6月までは日曜休館、ロープウェイは夏季は6〜8月だけの営業となっていた。
しかも店は日曜日はことごとく休みである。こんな小さな町で丸一日どうやって過ごそうか。

そもそもどうしてナルビクで2泊としたかというと、最北の白夜の地で過ごしてみたかったことと、旅程の中程に予備日を設けるというのが主な目的だった。
ヨーロッパを旅したことがある人ならわかるだろうが、日曜日は街中の店はどこも休みという経験をしたことがあると思う。そんなことから、日曜日はできれば移動日に当てたかった。しかし、飛行機や鉄道の日程から、どうしてもナルビク滞在は日曜日となってしまった。

外は快晴。いつまでもホテルの部屋にいたら勿体ない。ホテルのロビーに置いてあったナルビクのタウンマップや地球の歩き方を見ながら、ナルビクの町を歩いてこようと思った。

ホテルを出たのは9時半、まず向かうのはタウンマップにVewpointとある場所。ホテル近くから道が続いているので行ってみることにした。
坂道を20分くらい歩くと茶色い建物が見えてきた。
見晴らしの良いレストランでもあるのかと思ったが、それらしき入口も無い倉庫みたいな建物。

Taraldsvik kraftverkと看板にあるが、何のことかわからなかった。後で調べると水力発電所の建物とのことだった。

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 タラルドシビック発電所(Taraldsvik kraftverk)。

建物の前には駐車場があって車が何台かあるが、人はだれもいない。ベンチに囲まれた小さな展望台があった。
標高200mほどの高さだが、眺めは悪くない。ナルビクの町が一望でき、フィヨルドやまだ雪をかぶったロフォーテンの山々が見えた。

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 小さな展望台があった。

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 発電所の展望台からの眺め。

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 ナルビク駅が見えた。

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 北側に見えるフィヨルド。

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 発電所と展望台の案内看板。

これも後で分かったが、毎日13時と21時には発電所の建物から高さ75mまで噴き上げる噴水が見られるそうだ。知らなかったので完璧に見逃したが、もしこれを読まれてナルビクに行く方がいたら、行ってみてはいかがでしょうか。

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 とりあえず市内を歩く。

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 『地球の歩き方』に掲載のナルビクの地図。『岩絵』と大きくあるのは・・・

展望台への道は途中まで住宅地の中の道となっている。下り道で、庭先に停めてある車を見ながら歩いた。ざっと見た感じでは日本車はあるけど少数派、やはりドイツ車が多い。あとボルボ。ヒュンダイも見かけた。

ずっと道を下って、町の中心部まで歩く。続いて向かうのは地図に『岩絵』と記してある場所。
なんだかアイテムを探して町を歩くドラクエの主人公のようになってきた。

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 ナルビクの町中

地図を見ながら岩絵目指して歩く。日差しがきつい、暑い。長袖を着てきたのは失敗だった。Tシャツ1枚でも良かったくらいだ。

中心部を抜けて、だんだん住宅地となってくる。地図の示す方向へ歩いて行くと、住宅地の終わりで行止りになった。
犬の散歩をしていた人とすれ違う。気のせいか不審そうに見られた気がした。

地図ではここで合っているんだよな。とりあえず進んでみると、崖のようになっていて、斜面を下って行く踏み分け道があった。引き返す気も起こらず、下って行く。

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 この先に岩絵があるらしいのだが。

地図に大きく『岩絵』とあるくらいなので、公園になっていて崖にアートっぽいのが描かれているというのをイメージしていた。
実際は斜面に露出した岩肌に、動物らしき形の線が彫られているだけのもの。ただ、それだけ。

立て看板があるので、これが岩絵で間違いないようだ。

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 茂みの中にあった岩絵(Helleristing)。歴史的には貴重なのだろうが・・・

看板によると、これはシカの絵で今から5000年前に描かれたものだそう。
考古学的には貴重なものなのだろうが、私では価値はわからなかった。

そのまま下ると再び住宅地が現れた。道なりに行くと海岸沿いに出た。

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 町の北側にある入り江。

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 ヨットハーバー。日曜だが誰もいない。

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 カラフルな住宅が並ぶ。

町の北側の海岸に沿って歩いて行けば、また中心部に戻れるようだ。

ヨットハーバーや、丘の斜面に並ぶカラフルな家々を見ていると、ここが北極圏とはとても思えない。
しかし、目の前の海はフィヨルドで、遠くにはまだ真っ白な山々が見えていた。

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 波ひとつない静かな入り江。

道から脇に入り、海辺まで行ってみる。海岸は岩場で、潮が引いてびっしりと海藻が覆っている。

岩に腰かけて、海を見ながらしばらくぼーっとしていた。
海面はベタ凪、波音もなく静か。

飛行機の通り道なのか、飛行機雲が現れては消えて行く。

このあともナルビクの町をあちこち歩き回るのだが、この町の一番の印象は
・・・平和だなあ。

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 現われては消える飛行機雲。

また歩いて中心部に戻ることにする。

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 小さな入り江に並ぶ漁師小屋。ミニチュア風にイタズラしてみた。

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 漁師小屋とフィヨルドの海。

途中にあったナルビクスタジアムという競技場では、たくさん人が集まっている。どうやら子供のサッカーの試合がおこなわれている。バスが何台か停まっているし、おそらく全国大会みたいなものだろう。

なるほど、ホテルに子供連れがやたらと多かった理由がこれでわかった。ナルビクのホテルが取りづらかったのも納得できた。

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 1925年建築、石造りのナルビク教会。

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 鉄鉱石貨車を牽いた貨物列車がやってきた。

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 貨車68両、8600トンを牽引してスカンジナビア山脈を越える、IORE形と呼ばれる出力10,800kwのマンモス機関車。

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 戦争博物館前の広場。

戦争博物館のある広場まで来た。ぐるっとひと回りしてきたことになる。

歩いている途中にショッピングセンターやスーパーを見かけたが、すべて閉まっていた。それどころか、店も飲食店も一部以外はほとんど閉まっている。日曜日は休業というのが徹底している。

道行く人もあまりいない。ノルウェーの人は日曜日は家から出ないのだろうか。
お金は使わなくて済むだろうな。

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 店は全てクローズ、人通りもほとんどない日曜日。

このままホテルに戻ろうかとも考えたが、地図を見ていたら、中心部から3〜4キロほど行ったところにベイスフィヨルドというのがある。

バスもあるようだが、歩いて行けない距離ではない。ノルウェーといえば誰もがフィヨルドと答えるくらいで、せっかくだからフィヨルドのひとつも見ておきたい。時間はたっぷりとある。

ということで、また歩き始めた。

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 国道E6号を歩く。左の建物はオフォーテン博物館。

暑い。炎天下というほどではないが、雲ひとつない快晴で日光が容赦なく照らす。しかし、日影に入ると涼しいのは北国らしかった。

町の人はみんな夏の格好をしている。長袖姿など自分くらいだった。
昨日列車の窓から見た国境付近の寒々とした風景がウソのようだった。

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 ナルビクの町の南側にある船着場。

途中にあった船着場から道路に並行して使われなくなったレールが延びている。
おおー、廃線跡だ!
テンションが上がる。

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 船着場付近の廃線跡。

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 道路に沿ってレールが続く。

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 インラインスケーターが抜いて行った。

道路に沿っている廃線跡はどこまで続いているのかわからないので、途中から歩道を歩くことにした。

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 踏切からナルビクの町を見る。

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 海沿いにあるファゲルネス貨物駅。ナルビク駅から3kmほど南にあるオーフォート鉄道の終点。

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 オスロからの貨物列車もスウェーデン経由でここに着く。

ひたすらテクテク歩いた。
50分くらいでベイスフィヨルドの橋の所に着いた。

posted by pupupukaya at 16/08/07 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記

2016年白夜・北欧旅行記8 ナルビクその2

ナルビクの中心部から歩くこと50分、ベイスフィヨルドの橋のたもとまでやってきた。

おおー、フィヨルドだ。
暑い中テクテク歩いてきた甲斐があった。

道路の脇から海辺へ下りてみる。ここも引き潮で、海藻がびっしりと覆っていた。

フィヨルドに架かる橋はベイスフィヨルド橋というらしい(Wikiより)。下を船が通るためか、真ん中部分が盛り上がった太鼓橋になっている。

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 峡谷に静かに水をたたえたベイスフィヨルド。

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 国道E6号線のベイスフィヨルド橋が架かる。

橋は車道と歩道が区切られているのだが、歩道の方は排水溝の蓋のような格子の鋼板になっていて下が丸見えになっている。
私は高所恐怖症。戻ろうかと思ったが、落ちるはずはないと自分に言い聞かせて進むことにした。

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 ベイスフィヨルド橋。

落ちることは絶対にないが、やっぱり怖い。しかも車が通るたびに橋が揺れる。足元から下の水面がよく見える。小物など落としたらそのまま海中へドボンだ。

しかし、橋の上からの眺めはまた格別だった。

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 ベイスフィヨルド橋からの眺め。

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 U字型にえぐれた氷河地形。

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 橋の下をボートが通り過ぎる。

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 歩道は格子の隙間から下がスケスケ。

歩道を自転車が通り過ぎる。ロードレーサーのような下を向いて乗るタイプで、颯爽と行ってしまったが怖くないのだろうか。

橋を渡った向こうには何もなさそうだ。真ん中まで行ったところで引き返す。

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 交差点とガソリンスタンド。

橋の手前にある交差点にガソリンスタンドがあって、コンビニも併設している。コンビニがガソリンスタンドもやっているというべきか。
日曜日だが営業している。飲み物を買おう。これはありがたいと店に入る。ガソリン以外の人も結構来ていた。

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 ガソリンスタンドにあるコンビニ。サークルKという店だが日本のとは関係あるのかな。

店内にはちょっとしたイートインコーナーがあった。ここで休ませてもらおう。

ところが値段を見てびっくり。コーラ1本31Kr(約420円)昨日スーパーで買った同じものは21Krだったから、コンビニは高い。だから日曜でも営業しているのか。

それでも涼しい店内で冷たいコーラを飲んだら生き返った。カフェにでも入ったと思えば安いもんだ。

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 31NOK(420円)のコーラ。

またテクテクと歩いてナルビクの中心部へと戻る。

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 ナルビクの町に戻ってきた。

こんどは、昨日は素通りするだけだったナルビク駅を見てきた。
駅は中心部を通り過ぎて脇道に入り、坂を下ったところにぽつんとある。昨日と同じようにひと気が無い。

ホームには15:12発のストックホルム行きナイトトレインが停車していた。いまは14:40だからそろそろ列車に乗る人が集まっても良さそうなものだが、待合室には2組の乗客らしき人がいるだけだった。

駅舎は立派な2階建てだが、中は小さい待合室があるだけ。きっぷりばの窓口もあるが閉まっている。そのかわりなのか、SJの券売機が1台あった。
かつて観光案内所が入居していた部屋は空き部屋になっていて、移転しましたと言う旨の張り紙があった。

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 赤錆色の鉄鉱石貨車。

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 坂を下った場所にあるナルビク駅。

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 ナルビク駅の駅舎。

停車中の列車は先頭が機関車で客車7両、うち2両はルーレオ行きと表示してある。最後尾はビストロカーだった。機関車も客車もすべてスウェーデンの車両。
車内に人影はない。

ナルビク駅を発車する便はこの1本前の10:38発ルーレオ行きといま停車中の2本だけ。数少ない貴重な列車のはずだが、この人の少なさは寂しすぎる。
観光シーズンいがいはいつもこんな感じなのだろうか。

ナルビク発の列車は、すぐに国境を越えてしまう。基本スウェーデン側の列車なので地元の利用はほとんど無いだろうし、観光客や旅行客が乗客のメインなのだろう。なによりこの鉄道の主役は鉄鉱石であって、旅客輸送は副業みたいなものである。とっくに貨物専用鉄道となっていてもおかしくない。それでも律儀に旅客輸送を行っているのは、さすがヨーロッパというべきか。

そういえば町中を歩いていたが、観光や旅行者のような人はほとんど見かけなかった。もちろん日本人も全く見ていない。ナルビクは鉄道の終点というだけで、特に見どころがあるわけではなかった。ロフォーテン諸島や、さらに北のトロムソ、そのさらに北のノールカップなどがあり、旅行者は素通りする町なのかもしれない。

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 ストックホルム行ナイトトレインが停車中。

ホームに石碑に北緯68°27′6″とあった。今日の陽気で忘れかけていたが、まぎれもなくここは北極圏の地。
この石碑にはスウェーデン王家の紋章の一部と、開通当時のスウェーデン王だったオスカル2世のサインが刻まれている。

駅構内だけは、どこもスウェーデンだった。

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 オーフォート鉄道記念碑(Minnebauta Ofotbanen)が立つ。

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 1903年ナルビクの鉄道開通時に使われていた蒸気機関車、ビフレスト号。

また戦争博物館前の広場に戻ってきた。広場には噴水があって、町の人が噴水のまわりで日向ぼっこしている。のんびりした町だ。
広場にはオープンテラスのカフェがあって、ビールを飲んでいる人もいる。ここで一杯飲んで行こうかと思ったが、高そうなのでやめた。

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 戦争博物館前の広場。

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 噴水のまわりは憩いの場みたいになっている。

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 戦争博物館向かいにあるシティーセンター。ツーリストインフォメーションや図書館が入っている。

広場の向かいに新しい建物があって、ツーリストインフォメーションの看板が見えた。もうどこにも行く気はないが、中に入ってみる。無料のパンフレットや地図をいくつかもらってきた。

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 ツーリストインフォメーション(観光案内所)。

日曜日はどこも休業ということは予想はしていたが、ここまで徹底しているとは思わなかった。
営業していたのはガソリンスタンド兼コンビニとコンゲンス通りにあるカフェ兼キオスク1軒だけ。
もしノルウェーを旅行するのなら、必要なものは土曜日のうちに買っておいたほうがいい。

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 ナルビク中心部、コンゲンス通り(Kongensgate)の商店街。

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 坂道を登ってホテルへ戻る。

3時半ごろホテルに戻ってきた。
昨日とは打って変わって人がいない。今日は空室だらけのようだ。まだドアをあけっぱなしで掃除もまだの部屋も多くあった。

部屋に戻ると掃除されていない。タオルも使ったままになっていた。『掃除してください』の札を出しておかないと掃除してくれないのだろうか。

まあ、ええわ。

洗面所の水が冷たくて気持ち良い。地球の歩き方によると北欧ではほとんどの場所で水道水が飲めると書いてある。それを信じて飲んでみた。ゴクゴク・・・、冷たくてうまい。ぬるいミネラルウォーターよりもずっと良い。

体中汗だらけなのでシャワーを浴びる。ついでに洗濯もした。

夕食はホテルのレストランでディナービュッフェをやっているのでそこで食べることにした。

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 レストランは貸切状態だった。

ビュッフェスタイルなのでセルフサービスになる。言葉のやり取りが面倒な海外では、この方がありがたい。
料理は選ぶほど種類は無かった。
デミグラスソースに浸ったステーキと付け合せ、サラダ、スープ、パンで全部だった。

ビールは別料金。カウンターで頼むと、缶ビールを出してグラスに注いで渡された。

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 ディナービュッフェの料理。

冷たいビールがうまい。あったかいメシがうまい。
ペロッと平らげた。

この先も多分まともな食生活では無いと思うので、これが最後のまともな夕食かもしれない。
お会計はディナービュッフェ189Kr、ビール85Krの計274Kr(3,725円)。

ホテルの食事とはいえ、やっぱり外食は高いね。

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 ビールが死ぬほど美味く感じた。

今日こそは白夜を体験するべく、午前0時まで起きていよう。

本当に体験するならば一晩中起きているのが一番いいのだろうが、明日の行動にも差し支えるし、そこまでする元気もない。
せめて午前0時の太陽を見て、白夜の体験とすることにしたのだ。

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 20:27、まだ午後4時くらいの感覚。

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 20:58、窓から容赦なく日が差し込む。

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 部屋のカーテンは白夜対策(?)で、遮光カーテンになっている。

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 22:02、ようやく日が傾いてきた。

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 23:02、日が屋根の影になって見えなくなった。

24時を回った頃、外に出てみる。北側の空は夕焼けになっていた。
太陽は水平線の下には沈まないはずだが、オーフォート湾の向こうにそびえる山々の影に隠れてしまっていた。

もっと夏至に近い時期ならば沈まない太陽が見られたかもしれない。
それでも、深夜0時でも昼間のように明るいことが確認できたので、これで良しとする。

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 0:08、ホテル向かいのスキー場から。太陽は山の影に隠れてしまったようだ。

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 白夜の証拠として腕時計を撮った。あまり意味はないが・・・

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 0:20、夕焼け空。

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 山の上のほうは日が当たっている。山頂では太陽が見られるのだろう。

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 0:27、日は隠れても普通に明るい。

午前0時をまたぎ、これで白夜の体験となった。

ここは文明社会なので、明るかろうと暗かろうと時計に従って生活している。昼間のように明るいが、この時間の町はほとんどの活動を終えているし、もう寝ている人が多いだろう。
昔、時計が無かった頃はどうしていたのだろう。いつ寝ていたのだろうか。

今は深夜0時すぎということは分かっているが、どうもまだ夕方くらいの感覚が抜けない。
ホテルの部屋に一人で過ごしていると、時が止まっているかのような感覚になる。
時が止まっているのに時計の針だけが進んでいるような感じ。

白夜の感覚を表現するとしたらこうなる。
昼間に部屋にいて、ふと時計を見るとなぜか夜中の時刻を指していた、というような感じ。

疲れているし、もう寝ることにします。

posted by pupupukaya at 16/08/07 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記

2016年白夜・北欧旅行記9 ロフォーテン諸島

 2016年5月30日 ベストウエスタン ナルビク ホテル〜

■ナルビク〜スボルベル ロフォーテンエクスプレス 23-760のルート
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今日はバスでロフォーテン諸島のスボルベルまで移動する。
バスは9:40発なのでゆっくり支度できる。

ところが朝から気が重い。
なぜかというと、今日宿泊するホテルは少々変わっていて、いわゆる無人ホテルというもので、フロントデスクが無く、かわりにメールで部屋番号とホテルの入口と部屋の暗証番号が送信されてくるというシステムになっている。

メールが無事に着信できれば問題ないのだが、こちらは旅行で移動中、しかも海外の一人旅である。
メールの設定は自宅のPCとなっているが、手持ちのスマホでも見ることができる。
しかしそれにはネットに繋がる環境でなければならない。ホテルにいる間は、ホテルのWi-Fiに接続しているのでメールを確認することができる。

そもそも何でこんなホテルを予約したかというと、一番安かったから。
スボルベルはロフォーテン諸島の拠点となる町で、やはり白夜の季節は観光シーズンなのだろう高いところばかりだった。普通に1泊1万5千円以上はする。そんな中で見つけたのが今回のホテルだった。1泊10,380円でバストイレ付シングル部屋とは掘り出し物だった。

無人ホテルとわかったのは、予約して料金を払い終わってからだった。
キャンセルして別のホテルを予約し直せば良かったのだが、キャンセル料がかかることや、ほかのホテルもどんどん値を上げていることから、結局そのままにしてしまった。

ホテルからのメール送信は到着日の午前8時に行われると予約時のメールには書いてあった。しかし、印刷して持ってきた予約書には到着日の午後に送信と書いてある。どっちなんだか。
とりあえず今のホテル滞在中にメールが来ていればいいのだが、来なかったらどうするか。

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 予約確認の画面。よく読めばよかったのだが・・・

いま持っているスマホは(大抵そうだろうけど)データローミング機能といって、海外にいてもネットも電話も現地の通信会社経由で接続できるようにはなっている。ただ、通信料が高額になるので機能はOFFにして、ネットは無料のWi-Fiのあるところだけで使っていたのだ。
機能をONにすればメールを確認することができるようになる。ただ、余計な出費が発生することになるが。

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 2泊目の朝食。今朝はハムとベーコンが置いてなかった。

6時半に朝食へ。今のうちにたらふく食べておく。
昨日と違って今朝は空いている。おかげでゆっくりとできた。

8時を過ぎても結局メールは来ていなかった。
仕方ない、データローミングを利用することにした。
念のために日本のコールセンターに電話してみる。ノルウェーからの電話だが、この通話は無料である。
聞くと、海外向けのパケットプランがあって、料金は月単位になっていて、月額1,980円で利用できるとのこと。

月単位ということは、5月分の料金で利用できるのは今日と明日だけ。こんなことなら最初からローミング機能を使っておけばよかった。
とにかくこれでいつでもネットに接続できる環境にはなった。
しかし本当にメールは来るんだろうか。

9時にホテルをチェックインする。
外に出るとも雲ひとつない快晴。今回の旅行は天気には恵まれている。
ホテルからバスターミナルまでは歩いて20分くらいのところにある。キャリーケースを引いて歩くが、今度は下り坂ばかりなので楽だ。

今日は月曜日なので、昨日は閉まっていた銀行が開いていた。中に入るとATMが1台だけあった。ここで現金を引き出そうとしたら機械に張り紙がしてある。どうやら使えないようだ。あきらめてまた外に出る。
スウェーデンから国境を越えてノルウェーに来て3日目になるが、いまだにノルウェークローネ(Kr)の現金は持ち合わせていない。すべてクレジットカードで事足りてしまうので、現金を持っていないことすら忘れてしまうのだった。

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 陸橋を渡ったところにあるショッピングセンター。

昨日下調べしておいたので、バスターミナルの場所はわかっている。
鉄道のナルビク駅とは離れた場所にあって、AMFIというショッピングセンター1階の裏側にある。営業中であれば店内から行けるようだが、昨日は日曜日、今日はまだ10時の開店前なので、脇にある階段を下りることになる。大型スーツケースを持っていると大変かもしれない。

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 ナルビクのバスターミナル。

バスターミナルと言っても、裏の駐車場のような広場。建物の壁に簡素なバスの時刻表が貼ってあり、屋根が張り出しているのでそれらしくなっているだけで、バス停の標識も案内看板も何もない。
時刻はネットで調べればわかるし、乗車券は車内で運転手から買うのだろうから、これだけで十分ということなのだろうか。

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 バスターミナルに掲示の時刻表。

9時半ごろ1台のバスが来た。前面に『760 LofotXpressen』と表示してある。待っていた何人かがバスへ向かって歩き出す。
このバスで間違いはないだろう。

荷物は床下のトランクが開いているのでそこにに置く。
チケットはどうするのだろうか。おそらく、乗車時に運転手から買うのだろうと予想はしていた。他の乗客を見ていると案の定で、運転手に行先を告げて、カード機にクレジットカードを差し込んでいる。

自分の番が来たので運転手に「スヴォルヴェル」と言うと通じた。機械にクレジットカードを差し込んで暗証番号を入力する。こっちに来てからスーパーでもコンビニでも支払はずっとこのスタイル。レシートが発行されて渡される。レシートというか、これがチケットということになる。
途中停留所で、ほかのバスから乗り継いできた人は、運転手にレシートのようなチケットを見せて乗車していた。

ナルビク〜スボルベルの料金は340Kr(4,622円)。

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 バスの車内からナルビクのバスターミナルを見る。

始発であるナルビクバスターミナルバスターミナルからの乗客は10人くらいで空いている。運よく1番前の座席に座れた。ここからロフォーテンの景色を満喫できる。

ナルビクからスボルベルまでの道のりは約240kmあって、所用時間は4時間10分とバスならば結構な長距離路線だ。しかし、路線バスということになっていて、途中にバス停があって頻繁に停まることになる。
車内にトイレはなかった。

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 バスの座席。4時間の乗車でもさほど苦にならなかった。

発車して、次も町中にあるショッピングセンターの前にある停留所に停まる。ここからも何人か乗ってきた。

町はずれにあるロンバーケンフィヨルドに架かる吊り橋を渡ったあたりから景色は素晴らしくなった。
時どき思い出したように集落が現れて、1人2人と乗客を降ろし、また拾って行く。観光バスではなく、まさに路線バス。

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 ロンバーケンフィヨルドに架かる吊り橋。

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 橋からの眺め。

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 集落のバス停から乗ってくる乗客。

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 オフォート湾の対岸にナルビクの町が見える。

ナルビクを出発して1時間10分、バスは空港ターミナルに着いた。ここがハシュタ・ナルビク空港で、ナルビクの玄関口となるところ。
ここで10分間停車があった。運転手や乗客の何人かは、車外でたばこを吸っている。まだ先は長いので、空港ターミナルのトイレに行っておいた。

発車間際になってここから乗車してくる人が何人かあった。大きなスーツケースやバックパックを持って、海外からの旅行客といった感じだ。運転手から切符を買うときも現金を出す人が多い。

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 ナルビクの玄関口になるハシュタ・ナルビク空港(Harstad/Narvik lufthavn)。

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 空港のターミナルでしばしトイレと喫煙休憩。

空港を発車してしばらく行くと吊り橋が見えてきた。ここまではスカンジナビア半島側の本土で、あの吊り橋の渡った先はヒン島という島になる。あそこからがロフォーテン諸島ということになるのだろう。

橋の手前にドライブインらしい所があり、そこの駐車場にバスは停まる。もう1台バスが先に停まっていて、このバスから何人か乗り継いで行った。

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 本土とヒン島を結ぶチェルドスンド橋(Tjeldsundbrua)。

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 接続のハシュタ行バス。ハシュタはチェルドスンド橋から約26km北方にある町。

ここからは集落はさらに少なくなる。途中に停留所があるはずだが、ほとんど停まらなくなった。
窓からの景色はさらに美しくなる。

『アルプスの頂を海に浮かべたよう』と形容されるロフォーテン。その入口の、しかもバスの窓から眺めただけだが、その美しい風景を楽しむことができた。このルートにして良かったと思った。

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 国道E10号線を行く。

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 桟橋にも寄る。ここから連絡船に接続している。このバスはここで引き返す。

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 道路わきの距離表示。スボルベルまでは33km、あと少し。

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 途中のバス停で接続待ちするバス。

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 氷河の浸食で削られた険しい山々。

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 ロフォーテンの山々は「海上に浮かべたアルプス」と形容される。

13:50、終点スボルベルに到着した。バスにしてはめずらしく定時到着。ナルビク空港を含め、途中で3回ほど時間調整の停車があり、たばこ休憩にもなっていた。
しかし、今日は空いていて、途中停留所もほとんど通過していた。もう少し混んでいるときは時間調整の休憩も無く、ぶっ通しで4時間も走るのか。

バスが着いたのは駐車場のような寂しい所だった。一応バス停の標識が立っているが、ここもわかりずらい場所だ。
ここがスボルベルのバスターミナルとなっているようで、隣には、ロフォーテン諸島の先端にあるオー(Å)行きのバスが停まっていて、何人か乗り継いだようだった。

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 終点スボルベルに到着。

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 スボルベルでは、オー(Å)行きのバスが待っていた。

ホテルからのメールは依然として来ていない。
キャリーバッグを引きずって200mほど歩くと広場に出た。そこそこ人が多く賑わっている。広場の中ほどにはバザールがあって花の苗が並んでいる。食べ物の屋台も出ていた。

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 スボルベル中心部の広場。

観光案内所があったので入ってみたが、これといったものはなくすぐに出る。ホテルからメールが来るまで待つしかないが、どうにも居場所が無い。
ホテルはここから600mほど歩いたところにある。とりあえず行ってみることにした。予約済みで、もうお金も支払ってある。わけを話せば中に入れてもらえるだろう。

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 とりあえずホテルの前まで来たが・・・

広場から歩いて行くと、ホテルがあった。3階建ての瀟洒できれいな建物だ。看板もしっかりと掲げられていて、ここで間違いない。
ホテルの棟続きはオフィスのような入口がある。ホテルと関係あるのだろうか。とにかく中に入れてもらわなくては。


posted by pupupukaya at 16/08/20 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記

2016年白夜・北欧旅行記10 スボルベル

さて、件のホテル前に着いた。とりあえず中に入ろう。

あかない(鬱)

エントランスのドアはやはりカギがかかっていた。ドアの横にインターホンがあったので押してみる。
反応なし。隣のオフィスで聞いてみるか。もう一度インターホンを押してみる。

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 エントランスの暗証番号キー。

しばらくしたら中から人が出てきてドアを開けた。助かった。

中に入ると、今でてきた人はそのまま外に出てどこかへ行ってしまった。ここの宿泊客か、ただ単にドアを譲ってくれただけだった。
椅子やテーブルが並んでいるが、誰もいない。カウンターもない。『PRIVET』と書かれたドアがあったのでノックしてみるが反応はなかった。

ホテルスタッフどころか管理人のような人もいない、本当に無人のホテルらしかった。それでも天井にはしっかりと監視カメラが取り付けてあったので、ウロウロする私の姿はバッチリ写っていたはずで、まるで不審者だ。

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 誰もいない1階のロビー。

業を煮やして、予約書にあったホテルの電話番号にスマホでかけてみた。が、繋がらない。
ロビーのソファーに腰かけて、これからどうしたものかと考えた。

突然メールが来た。
『The code for your stay』という件名で、部屋番号と暗証番号、それにエントランスの暗証番号が記してあった。メールに記してある番号の部屋へ行き、ドアノブにあるキーに暗証番号を入力するとドアが開いた。

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 ようやくホテルから届いたメール。

なんとか無事に部屋に入ることができた。これをもってチェックインということなのだろう。

入ってみると部屋は悪くない。フローリングで清潔、部屋も広くて申し分ない。テレビはないが、見てもわからないし別にかまわない。テーブルには電気ケトルとコーヒーカップが置いてあった。お湯が作れるのは何よりのサービスだ。Wi-Fiもすぐに通じた。

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 入ってしまえば広くて快適そうな部屋。

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 部屋は少し変わった形になっている。

今回の旅行で一番心配していたのがこのホテルであった。これで一番の心配事が解消したことになる。

すっかり心が軽くなって外に出た。お祝いでもしたい気分だった。

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 港に面した中心部の広場。

ロフォーテン諸島は『世界で最も美しい場所のひとつ』と言われる。その中心で、道路にしても船にしても交通の拠点となるところがこのスボルベルで人口約4,000人、ロフォーテン諸島最大の町になる。

さっきバスを降りたときに通った広場に来た。
広場は観光客風の人が多いのはナルビクとは対照的だ。道理でホテルがとりにくかった筈で、やはり白夜の今は観光シーズンなのだろう。
陸路ではナルビクから4時間以上もかかったが、沿岸急行船よ呼ばれるクルーズ船もこの港に発着しているし、空港もある。バスは空いていたが、観光客の多くは船や飛行機でスボルベル入りしたのだろう。

ところで、ナルビクでもそうだったが、日本人どころか、アジア人の旅行者はめずらしくいなかった。

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 屋台が並ぶ広場。

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 港から見たスボルベル教会の時計塔とロフォーテンの山々。

広場は港に面したところにあり、近くにあるオープンテラスのカフェでは大勢の人がいて賑やかだ。
いや、それにしても暑い。みんな夏の格好をしていて、長袖姿など自分だけだ。上着は脱いでTシャツ1枚になった。

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 リゾート地といった感じの港風景。

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 港に面してロルブ―(漁師小屋)風のバンガローが並ぶ。

明日はここスボルベルからボードーまでフェリーに乗る予定でいる。朝6時30分発と朝早い便なので、今のうちに乗り場を確認しておく。チケットも買えるものなら今日のうちに買っておこうと思っていた。

そのフェリー乗り場は広場に面した岸壁というのは事前にネットで調べてきているのでわかっている。ところが、探してもファリー乗り場らしき所は見つからなかった。それどころか看板すら見つからなかった。

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 これが明日乗るフェリー?そんなわけない。

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 魚釣りの子供たち。釣れたらしくはしゃいでいた。

広場に銀行があり、その横にATMがあった。お金を持っていないことを思い出した。よかった、ようやくノルウェークローネが引き出せる。
海外のATMは日本とは違い、引き出し金額を入力するのではなく、『400』や『800』といったあらかじめ決まった金額を選択するやり方となっている。一回使えば覚えてしまうくらい操作は簡単だし、何より日本で両替して持って行くよりもレートがずっと良いのでオススメだ。

そんなに多くは要らないのだが、金額選択画面になると最低額は400Kr(約5,400円)しかない。そんなにいらないんだけど、と思いつつボタンを押した。手にしたのは200Kr札2枚。北欧に来てわかったが、ここではクレジットカードさえあれば現金が必要になることは稀である。
このお金は結局持て余すこととなるのだった。こんなことなら成田空港でちょびっとだけ両替しておけばよかった。

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 広場に面してあった銀行とATM。

町の西側の岸壁にもフェリー乗り場があって、もしかしたらそっちなのかもと思い、歩いて行ってみた。
そこはカーフェリーの乗り場で時刻表も掲示してあったがボードーの文字は無く、違うようだった。

明日の朝、桟橋に行けば船が来ているのだろうか。新たな心配事がまた一つできてしまった。

ホテルに戻る途中でスーパーに寄って夕食の買い物をする。
ナルビクにもあったAMFIというショッピングセンターがここにもあった。
ほかにもスーパーやホームセンターが並んでいる。人口4千の町にしてはずいぶんと大型店舗が充実している。

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 スボルベルのショッピングセンター。国営酒屋のヴィンモノポーレ(Vinmonopolet)も入っている。

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 こちらはスーパー。ノルウェー全国にあるようで、オスロにもあった。

暑い中歩いていたので喉も渇いていた。ビールが飲みたい。

スーパーのビールうりばに行く。ノルウェーはビールならば普通に売っている。嬉しいことに冷蔵ケースに入れられ冷やして置いてあった。

ホテルに無事入れたし、お祝いしよう。

ビールは思い切って6缶のパックを買った。『ISBJØRN』というシロクマのイラストのビール。ここからさらに北にあるトロムセのマック醸造所が作っているビールである。

500ml入り6缶で155.4Kr、1缶当たり25.9Kr(約350円)だった。スウェーデンと同様、空き缶はスーパーのリサイクル機に入れれば1缶1Krが返金となる。
これがレストランやカフェで飲むと、同じ量でも1杯1000円以上になってしまう。ビールに関しては、スーパーで買ってホテルに持ち帰って飲んだ方が散財しなくて済む。

そのほかに買ったものはボイルエビ(39Kr)、鯖の缶詰(15.9Kr)。あとは残り物となる。2日目のヨーテボリで買ったパンなどが、量が多いのでまだ持ち歩いていた。これらも毎日消費して行かねばならない。

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 スーパーで買ってきたビールと食料。

ホテルの部屋に戻ると、テーブルに食材を並べた。テーブルが広いのは良い。
ビールは洗面台で流水で冷やしておく。その間にシャワーを浴びた。

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 テーブルに並べて夕食。エビがぷりぷりしておいしかった。

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 ノルウェーのサバ缶。ペースト状になっていてパンとよく合う。

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 窓からは隣の家の庭先が丸見え。

相変わらずいつまで経っても明るい。北極圏に来て3日目、白夜も特別なものとは思わなくなっていた。
それでもなんか、明るいのに1人部屋にいるのはもったいない気がする。

空き缶4本と、水の空ペットボトル1本がある。明日は朝早く出るので、ホテルの部屋に捨てて行くことになるのだが、なんだかもったいない。また外に出てみたいし、スーパーへ持って行くことにした。

機械に空き缶を入れて最後にボタンを押すのだが、普通のボタンと十字マークのボタンがあり十字の方を押すと返金が何倍にもなるか全額寄付になるかのクジになっている。
返金されてもたかが5Kr(約68円)だし、試しに十字を押して出てきたレシートを見ると、リサイクル代は寄付されたようだ。

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 空き缶リサイクル機。

ホテルへ戻る途中、また港の風景を撮影してくる。町の北側に架かる橋からの眺めがまた絶景だった。

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 町の北側にあるスヴィノイ橋(Svinøybroa)からの眺め。

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 北海道の漁村とあんまり変わらない風景。

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 スボルベルのヤギ(Svolværgeita)と呼ばれる奇岩が見える。

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 奇岩の上をジャンプする人。エハガキより。

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 海沿いに並ぶロルブ―(漁師小屋)を見るとやはり北欧だと思う。

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 ロルブ―の並ぶ風景。

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 ホテルの外観。チェックインしてしまえば普通以上のホテルなのだが。

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 客室のドア。暗証番号キーが付いている。

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 22時30分、暑くても北極圏、今日も暗くならない。

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 遮光のロールカーテンを下ろす。

疲れもあってだんだん眠くなってきた。22時頃、当然昼間のように明るい。いつの間にか突っ伏して寝落ちしていたらイヤなので、さっさとベッドに横になることにする。明日は朝6時前にはホテルを出たい。

窓は遮光カーテンを下ろし、スマホの目覚ましをセットして横になった。

ナルビクなんかで2泊せず、ここスボルベルで2泊すれば良かった。そうすればロフォーテン諸島の先端の町、オーまで行けたのに。
しかしそれは結果論で、もし仮に悪天候等で足止めを食うことになっていたら、と考えると、これで良かったのかもしれない。

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2016年白夜・北欧旅行記11 北極圏の船旅

 2016年5月31日 ファーストホテル ロフォーテン〜

■スボルベル〜ボードー ヌールラン急行(Nordlandsekspressen)のルート
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今日はオスロを目指してひたすら南下する。ここスボルベルを朝6時半に出発し、船と鉄道を乗り継いで翌朝オスロに到着するという強行軍になる。

5時50分、ホテルをチェックアウト。といっても、無人ホテルなのでそのまま部屋を出ればおしまい。
中心部の広場まで歩く。誰も歩いている人はいない。キャリーケースを引くガラガラという音だけが響く。

まずはここスボルベルから鉄道のあるボードーまでフェリーで移動する。

スボルベルとボードの間はヌールラン急行(Nordlandsekspressen)という航路があって、高速船が1日1往復している。ナルビクからロフォーテン経由でボードーへ抜ける場合に便利な航路だ。

この船はボードーまでの所要時間は、途中5か所の港に寄港しながら3時間半。島伝いに走るので眺めは良さそうだ。
せっかくノルウェーまで来たのだから船からのフィヨルド見物もしたいと思っていた。しかし、日程的にもそれは叶わないとわかったところへ見つけたのがこの航路だった。

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 朝6時前の広場。誰もいない。

ボードー行フェリー乗り場は、ネットで調べてきた時刻表ではhurtigbåtkai(高速艇桟橋)といって、中心部の広場に面したところにるはず。
あるはずというのは、昨日見に来たときにそれらしい建物はなく、それどころか看板や標識すらどこにも無かった。

ネットに掲載の地図を信じて中心部の広場まで来た。、ここも誰もいなかった。港町だから朝は早いのかと思っていたが、日曜日の朝のように静まり返っている。もう漁の時期も終わっているのだろうか。

昨日来た桟橋に、昨日はいなかった船が1隻停まっていた。どうやらこの船がボードー行らしい。らしいと言うのは、まわりに誰もいないし、ボードー行きの表示があるわけでもない。船内に座席が並んでいるので、旅客船であることは間違いない。

ほかにそれらしい船も見当たらないし、この船の前で待つことにした。

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 スボルベル〜ボードー間のルートと時刻
 Ruteopplysningen i Nordland にて検索した表示画面


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 船が停まっていた桟橋。ここが高速艇桟橋(hurtigbåtkai)らしい。

今日も快晴。毎日天気にだけは恵まれている。風も無く、海面もさざ波ひとつなく、建物や岩山が水面に映ってまるで鏡のよう。
湖なんかではたまに見ることはあるが、海でこんな水面を見るのは初めてだ。

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 スボルベルの高速艇桟橋に停泊していたSteigtind号。

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 さざ波ひとつない鏡面のような海。

6時10分ごろ、荷物を持った人が1人、2人とこの桟橋へと集まってくる。船員らしい人も出てきて作業を始めた。そうこうしているうちに船体からタラップが下りてきた。待っていた人たちが乗り込んで行く。
その人たちのあとに続く。

船内に入ると先に乗った人たちが並んで、順番に何か書き込んでいる。自分の番が来ると、係の人がここに自分の名前と行き先を書くように言った。乗船名簿だった。
持っていたキャリーケースは荷物置き場に置くように言われる。

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 タラップが下りて乗船開始。

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 乗ってすぐに乗船名簿に名前や行先を記入する。

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 リクライニングシートが並ぶ客室。

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 船内の売店。軽食のほか酒類も置いていた。

船室中に入ると結構広い。キオスクもあって、ケースにはサンドイッチやサラダが並んでいる。ビールもあった。
まだ船内は空席だらけ。窓側の席に座る。船らしく、非常時の避難マニュアルが差し込んであった。
足元にはコンセントがある。フリーのWi-Fiもあって至れり尽くせりだ。

座っていると機械を持った係の人が船内を回ってきたのでチケットを買う。スボルベルからボードーまで443Kr、ここもクレジットカードで払う。
渡されたチケットはまたもペラペラのレシート。昨日のバスでもそうだったが、こちらのチケットは味気ない。もう少し金券らしい紙に印字してくれれば、旅行の記念になるのにと思う。もっともそんなもの有難がるのは日本人だけかもしれないが。

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 スボルベル港を出港。

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 スボルベル〜ボードー間の乗船券。

6時30分、定時刻に出航する。あっという間にスボルベルの港が遠ざかった。
10分ほどで最初の寄港地に停まる。岸壁にはこの船の乗客らしい人が何人か立っているのが見えた。

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 途中島々の港に寄港する。

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 最初の寄港地スクロヴァ(Skrova)。

岸壁にいた人たちが全員乗船するとすぐに出航、係員が今乗った人たちにチケットを売って回る。船というよりなんだかバスのような感じだ。
次の港でも同じように停まって、客を乗せるとすぐに出航する。

船内の乗客は一見して地元の人とわかるような人ばかり。外国人など私だけのようだった。
乗船口のデッキにはビニールで包んだ新聞が無造作に置かれている。島々への新聞輸送も行っているらしい。
観光的な雰囲気はまるでない。あくまで沿岸住人の足といったところ。

それでも景色はすばらしい。クルーズの豪華客船も良いが、こっちだって悪くはない。海からそそり立つ岩山や島々の漁村などが次々と現れるので、ずっと景色に釘付けになっていた。

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 岩山の島々が続く。

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 海上からそびえ立つ岩山。氷河の浸食で作られたという。

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 途中から乗船する人が多い。

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 漁船とすれ違う。

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 橋の下をくぐる。

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 ヌールスコット(Nordskot)に寄港。

スボルベルを出港する頃はがら空きだった船内も、寄港地ごとに乗船客があってだんだん賑やかになってきた。海は静かだが船内はざわざわと話し声が響く。

最後の寄港地ヘルネサンド(Helnessund)では結構乗ってきた。船内はさらに賑やかになる。
ボードーまであと1時間10分。ここから外洋に出るのか船は揺れるようになった。景色も水平線ばかりで退屈になる。南に向かうにつれてだんだん雲が多くなってきた。




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 ボードー港に到着。

10時少し前、ボードーに着いた。タラップから船を降りると空気が冷たい。あんなに暑かったスボルベルやナルビクから南に来たのがウソみたいだ。

正面には7階建てのビルがそびえ立っている。ここがフェリーターミナルで、きっぷ売場やコインロッカーが並んでいた。観光案内所もこの中にあった。

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 フェリーターミナルの建物。観光案内所も入居して駅より立派だった。

ボードーからは再び鉄道になる。次に乗るトロンハイム行の発車時刻まではまだ2時間半もあるが、とりあえず駅へ向かう。

ビルが立ち並び、車も多くて大都会に出てきたようだ。
フェリーターミナルからボードー駅までは歩いて10分ほどで着いた。写真で見た古めかしい駅舎が建っていた。

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 古めかしい建物のボードー駅(Bodø stasjon)。

ボードー駅はノルウェー国鉄ヌールラン線(Nordlandsbanen)の終点になる駅で、北緯67度18分に位置する。北極圏であり、ノルウェー国鉄の実質的な最北端の駅になる。
駅舎だけ見ていると歴史がありそうな感じがするが、開業は第2次大戦後の1961年と比較的新しい駅である。

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 あまり広くない待合室があるだけ。こじんまりした駅という印象だった。

駅に着くとちょうど列車が発車するところだった。
窓から発車するところを見ていると、駆け込んできたおばさんに何やら訊かれる。
「ソーリー、アイドントノー」
すいませんね、お役に立てなくて。ていうか何で僕に聞くのだろう。

壁に貼ってあった時刻表を見ると10:12発ログナン(Rognan)行きとあった。ログナンはボードーから81kmの所にある町。ローカル列車ということになる。
時刻表によると、トロンハイム行が昼行1本と夜行1本、そのほかローカル列車が7本あって、ボードー発の列車は計9本。意外と多い。長距離列車が1日2〜3本発着するだけの駅かと思い込んでいた。

列車が発車して行くと、待合室は3人くらいの人だけになった。あとは券売機とコインロッカーがあるだけ。キオスクも無く、きっぷ売り場も閉まっていた。
これから乗る列車までまだ2時間以上もあるし、こんな駅の中で過ごすのはもったいない。駅を出て町を見物してくることにした。

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 歩行者天国になっているストール通り。

駅前から坂を登った高台に商店街が続いていた。ストール通り(Storgata)と言って、港まで続いている。
歩行者天国になっていて、これがボードーのメインストリートのようだ。まだ10時を過ぎたところとあってか、人は少ない。昼から賑やかになるのだろうか。

道は途中からショッピングモールになる。そこの入口には物乞いがいた。見たのは初日のヨーテボリ以来だ。
そこを抜けるとまた商店街が続いていて、突き当りが港になっていた。

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 通りは途中からショッピングモールになった。

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 マリーナのようなところに出た。ストール通りの突き当り。

ボードー市の人口は約4万6千人。中心部はビルが立ち並び、人口以上に大都会に見えた。

ショッピングモールの中にスーパーがあったので買い物をする。
あらためて物価の高さを実感する。お菓子でも買おうかと思ったのだが高いこと。スナック菓子は特に高いようだチップス類はどれも30Kr(約400円以上)。こんなのカゴにポイポイ入れてクレジットカードで払っていたら日本に戻ってから破産するわ。

逆にパンや水は必需品ということなのか値段は低めになっている。といっても日本より高めだが。

買ったのはサンドイッチとチョコマフィンそれに水。
どうも北欧に来てからというものケチくさくっていけない。

レジでクレジットカードを出しかけたが、昨日スボルベルで降ろした400Krがまだ手つかずだったので現金で支払ってお釣りをもらった
支払合計は65Krで、200Kr札を出した。135Krのお釣り。とりあえず小銭はできた。

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 ノルウェーでよく見かけたユーロスパー。 

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 ストール通りの商店街。日本のようにアーケードもあった。

またボードー駅に戻る。
広場のカフェではおとしよりたちが午前中からビールを飲んでいた。たっぷり年金をもらっているのだろうか。羨ましい。

しかし寒い。昨日までの暑さを思うと、南国から北国に来たような気分だった。しかしこっちの方が空気は澄んでいると感じた。



posted by pupupukaya at 16/08/27 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記

2016年白夜・北欧旅行記12 ノルウェーの車窓から

■ボードー 〜 トロンハイム 〜 オスロ のルート
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ここからはまた鉄道の旅になります。

ボードーからオスロまでは途中のトロンハイムで乗換えとなるが、列車で一気に南下する。
一気にと言っても、オスロまでの距離は1,282kmあって、これは日本で言えば札幌〜東京間にも匹敵する。トロンハイムからは夜行列車でオスロ着は明日の早朝ということになり、しかも寝台料金をケチって座席車としたので相当な強行軍となる。

ボードーからオスロまでのチケットは2か月前にインターネットで購入していた。そのときの支払額は349Kr(4,724円)。ずっと座席車とはいえ、日本でいえば札幌〜東京間片道5,000円でお釣りがくると考えればわかりやすい。

早期購入かつ変更もキャンセルも不可とはいえ、あまりの安さに間違って買ったのかもしれないと疑ったものだった。
検札の時にNO!と言われたらどうしようかと思っていた

ちなみに、この区間の通常価格は1,595Kr(約2万2千円)となる。

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 ガランとしたボードー駅の待合室。

12時前に駅に戻ってきた。相変わらず待合室はガランとしている。
ホームに列車が停まっているが、ドアは閉ざされていてまだ乗ることはできない。
しばらく待合室で過ごす。

12時を過ぎたころから乗客が駅に集まってきた。今まであまり見なかったバックパックを担いだ人や、今時はどこへ行っても目にする中国人の姿もあった。

12時10分ごろ客車のドアが開いて乗車開始になる。
チケットに指定された車両は一番後ろの5号車。座席も指定されている。

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 乗車開始。客車5両編成だった。

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 先頭のディーゼル機関車。ヌールラン線用のDi4という形式。

まずは472列車でトロンハイムを目指す。ボードーを12:27に発車してトロンハイム到着は22:05と所要時間9時間38分、距離にして729kmと大長距離列車だ。
トロンハイムまで行く列車は昼行ではこれ1本だけ、あとの1本は夜行となる。

列車は客車5両編成、うち1両がカフェカー、もう1両がコンフォートといって日本で言うグリーン車といったところ。コンフォートは90Krの追加で利用できる。長時間乗車なのでこっちにすれば良かったのだが、予約した時は知らなかった。あとの車両がスタンダード(普通車)となる。

普通車の座席間隔は日本とさほど変わらない。しかし、欧米ではめずらしく回転リクライニングシートだった。
車内はWi-Fiが繋がり、しかも各座席にはコンセントも付いている。現代の旅行では最高のサービスではなかろうか。

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 ボードー〜オスロ間の時刻表。

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 ボードー〜オスロ間のチケット。

車内に入ったときは空いていたが、地元の人らしい人が次から次と乗ってくる。私の隣にもおばさんが座った。ほかにいくらでも空いているのになんで隣に来るのだろうと思ったが、座席が指定されているのかもしれない。

発車すると車掌が検札に回ってきた。印刷してきたチケットを車掌に見せると「サンキュー」といって返してくれた。
チケットはこれでOKだった。あとは列車に身をゆだねていればオスロまで着ける。
それにしても、何かにつけて物価の高い北欧だが、鉄道運賃だけはかなり安い。

ボードーを発車するとフィヨルドを見ながら走る。悪くはない眺めだが、薄曇りのせいかいまいち冴えない眺め。ロフォーテンの美しい風景をさんざん見て来たせいだろうか。

列車のスピードはあまり上がらない。非電化で単線ということもあるのか、いかにもローカル列車という走り方に感じる。ナルビク側の電化されたオーフォート鉄道とは対照的だ。

ファウスケ、ログナンでは地元客の多くが下車した。隣のおばさんもログナンで降りた。車内は空席ばかりが目立つ。

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 ファウスケ駅に到着。ボードーからここまでの区間列車もあって、比較的大きな駅。

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 列車はシエルスターフィヨルド(Skjerstadfjorden)に沿って行く。

おなかが空いていたので、スーパーで買ったパンを食べる。
あとで思えば、空いているうちにカフェカーに行ってビールでも飲めば良かったかもしれない。どうも食生活が貧しくていけない。
食に関しては今回の旅行は後悔することばかりだった。

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 ボードーのスーパーで買ってきたパン。

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 だいぶ席が空いてきた車内。

列車は海岸沿いを離れてだんだん山へと向かって行く。
深く入り組んだフィヨルドが連続する海岸沿いを避けて鉄道を敷設したためで、しばらく海はおあずけになる。
ナルビクからずっと海沿いを通って来たので、山の風景は逆に新鮮に見えた。

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 海岸沿いを離れ、高原の風景になってくる。

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 線路は高い所にあり、氷河地形の谷を見下ろしながら行く。

指定された席は右側だが、左側に席を移す。
窓の眼下にはU字谷が広がっている。標高が低ければここもフィヨルドになっていたところだろう。

雄大な景色に、窓際で釘付けになっているのは私だけ。あとの乗客は眠っていたり、スマホに夢中だったり。

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 雄大な溪谷が広がる。

溪谷が終わるとこんどは高原を走る。高原と言っても、まだ雪が覆う緩やかな起伏がどこまでも続いている。
まるで冬に逆戻りしたよう。空は雲が覆い、人家どころか1本の木すら見えない白と黒だけの世界。

しかし今は冬ではない。夜中でも明るい白夜の季節なのだが、この辺りでは春の息吹はまだまだ遠いようだった。
今回の旅行で、一番北極らしい風景と言えばこの辺りだった。
オスロからずっと北上して初めてこの景色を見たら、北極へやって来たと大感激だっただろう。

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 鉛色の空に残雪が覆う北極圏の風景。

ところでもうすぐ北緯66度33分の北極線を通過する。
窓の外をずっと目を凝らして見続ける。北極圏入口を示すケルンがあるはずなのだ。

しばらくするとそのケルンが見えた。残雪と岩の間に立っているので目立たないが、石を積んだケルンとその上に乗っかる地球儀のようなモニュメント。北極圏の旅もこれで終わりになる。
そんなこと知ってか知らずか、列車は速度を落とさず通過し、車内の乗客も誰一人関心は無いようだった。

このあたりからまた林も見えるようになってくる。

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 北極圏入口を示すモニュメント(画像右寄り)。

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 列車最後部の窓から。

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 険しい山道を行く。冬など過酷そうだ。

モー・イ・ラーナ着は15:28。ログナンから約2時間、ようやく町らしい所である。ここから乗ってくる人は多かった。がら空きだった車内が再び賑やかになる。

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 モー・イ・ラーナに到着。

モー・イ・ラーナからは再びフィヨルドのほとりを走る。曇っていて薄暗いせいか、もうこんな景色も飽きてきたのか退屈に思えてきた。
このあたりから沿線に家や牧草地が見えるようになる。人里まで下りてきた感じがしなくもない。
曇り空はだんだん暗くなり、ついに雨が降ってきた。

途中の山の中の駅で、騒がしい高校生くらいの学生の一団が乗ってきた。車内が騒がしくなる。
もう早く着いてほしいと思うようになった。

行けども行けども針葉樹と白樺の森。いくら鉄道旅行好きでもさすがに長く感じる。自然の風景だけ見ていると北海道とあまり変わらないので、外国にいることを忘れそうになる。

ノルウェーの総面積は日本の総面積とほぼ同じ。しかし人口は約510万人で北海道より少なく、南北に細長いとくる。人口密度で言えば、北海道の人口を日本列島にちりばめたようなものだ。少ない人口が広く点在するようではインフラに金がかかるはずで、そりゃ税金も高くなるわ。

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 行けども行けども・・・

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 モー・イ・ラーナ行き477列車。グロング(Grong)駅で交換。

モーシェーン16:38着。ここからもかなり乗車がある。だいぶ混んできた。ボードーからずっと乗っていた前の席の人はここで降りて行った。
ボードーからの乗客はほとんど入れ替わったようだ。それもそのはず、ボードーからトロンハイムまで所用時間9時間38分、しかも1日1本だけの昼行列車に乗りとおす人など、そうはいないだろう。

さっきの学生の一団は乗ってから2時間くらいして、また山の中の駅で降りて行った。合宿にでも行くのだろうか。
おかげで車内は少し落ち着いた。

19時を過ぎると雨は上がり、再び青空になる。

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 水平線の向こうから夕日が差し込む。

21時を過ぎるとだいぶ日が傾いて、車内に西日が差しこむようになってきた。しかし、日没まではまだ2時間近くもある。今日のトロンハイムの日没は23:03となっている。

22:05、定刻トロンハイム着。やれやれやっと着いたという感じだった。ボードーから9時間半以上、途中の景色が単調なぶん余計に長く感じた。
しかしここで終わりではない。ここからさらに夜行列車に乗り継いで座席車でオスロに向かう。


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 トロンハイムに到着。

トロンハイムでの乗り継ぎ時間は1時間少々。コンコースにある待合所のベンチはほとんど塞がっているし、せっかくの乗り継ぎ時間なので駅舎を出て中心部まで往復してくる。

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 夜10時過ぎ、トロンハイムの街。

トロンハイムは人口約17万人、ノルウェー第3の都市である。ノルウェー王国最初の首都でもあった歴史のある都市でもある。
歩いて見ただけだが、落ちついた港町といった印象だった。スボルベルを経由しなければ、ここで1泊しても良かったかな。

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 駅前にある運河。

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 近代的な駅舎のトロンハイム中央駅。

駅に戻り22時半。まだ発車まで1時間ある。
待合所にあるコンビニでハムと卵を挟んだパンとジュースを買った。パンは電子レンジで温めてもらう。
空いているベンチに腰かけて食べる。本当に今日もロクなものを食べていない。

歩き回っていると感じなかったが、座っていると寒くなってきた。気温は一桁台だろうか。
駅の中はコートやダウンジャケット姿の人も見かける。南下しているはずなのだが、気候や服装だけ見ているとまるで北に向かっているかのようだ。

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 トロンハイム中央駅のコンコース。

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 コンコースの発車時刻表。オスロ行とボードー行以外は近郊列車。

23時を過ぎても待合所の人の動きはなし。ホームへ行ってみるとオスロ行の列車はすでに入線していた。
寝台車の窓からは、コンパートメント内でくつろいでいる人の姿が見える。ケチらないで寝台車にすれば良かったと後悔した。

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 ホームに停車中のオスロ行。

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 トロンハイムからは電気機関車となる。

車内は混んでいた。自分の席は窓側の席なのだが、そこには女性が先に座っていた。学生だろうか、後ろの2人も連れのようだ。エクスキューズミー、ここは私の席ということを英語で言うと彼女は隣の通路側の席を「Here」といって示した。面倒なのでそこに座る。もう景色も見えないし、通路側でも構わない。

窮屈だが、若い女性の隣になったので良しとするか。向こうは余計なオッサンが来やがってと思っているかも知れないが。

席には夜行列車のサービスらしく毛布とアイマスクが置いてあるのはサービスが良い。

2席とも空いている席もいくつか目立つ。なんでこんな座席指定にするのかと思ったが、次の駅でも結構乗ってきた。空席も途中駅から乗ってくるのだろう。

そういえばカフェカーがあったと思いだし行ってみる。
もう23時40分を過ぎているが、まだ営業していた。しかし、ここも満席。お酒を飲んでいる人が多い。カフェというより、バーのような様相である。
しばらく待っていれば席が空くかなと様子を見たが、長居を決め込んだ客ばかりのようで空きそうもない。

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 3日ぶりに見る暗闇。それでも空は明るかった。23時50分、カフェカーの窓から。

通路の窓から外を見ると、外は暗くなっていた。北極圏に入ったのが3日前、夜の暗闇はそれ以来だ。それでも完全には暗くならないようで、空はぼんやりと明るかった。これで白夜旅行は終わった。

丸1日じゅう移動の旅で疲れているのか、席に戻って毛布をかぶるとすぐに眠れた。

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2016年白夜・北欧旅行記13 オスロを歩く その1

2016年6月1日 トロンハイム発オスロ行夜行列車〜

トロンハイムからオスロまでは7時間30分の夜行列車の旅。
寝台車ならばそれなりに優雅な旅となっていたのだろうが、今回は旅費をケチって座席車の夜行、しかも車内はほぼ満席で窮屈とくる。
途中で体が痛くなり何回も目が覚めたが、姿勢を変えるとまたすぐに眠りにつく。疲れているのだろう。

すっかり夜が明けてオスロ空港駅(Oslo Lufthavn)に停まる。ここで降りる人が多かった。隣席の人たちもここでで降りて行った。終点オスロまではあと30分。充電コードを取り出して座席のコンセントに差して、スマホとデジカメの充電をする。

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 建ち並ぶ個性的なビルが都会に来たことを思わせる。

6:50、オスロ中央駅到着。
今朝も青空が広がっている。気持ち良い朝と言いたいが、やれやれやっと着いたという気持ちの方が大きかった。

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 終点オスロ中央駅に到着。

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 オスロ中央駅のコンコースと電光掲示板。

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 オスロ中央駅の広いコンコース。

ホームからエスカレーターで2回に上がるとコンコースだった。朝7時前だが、多くの人が行き交っている。北極圏の小さな町や、人跡稀な土地をずっと旅してきた身にはオスロが大都会に見えた。

まずはコインロッカーを探す。案内板に表示を見つけて行くと、エスカレーターを1Fに下りたところにあった。
が、使い方がわからぬ・・・
ロッカーの中ほどに操作モニターがある。旅行2日目のヨーテボリでも同様のロッカーだったが、操作方法が違うようだ。
もういい。このままホテルに行くことにした。今日泊まるものだがと話せば荷物だけ預かってくれるだろう。それに、観光しようにも美術館も博物館も10時にならないと入れない。

ホテルは中央駅からは離れているのでトラムに乗る必要がある。それでも、停留所からすぐなので便利な場所だ。
トラムのチケットは駅を出たところにあるルーター・クンドセンターという案内所で売っていた。『#』マークが目印。

中に入るとカウンターがあり、そこで「1day ticket please」というと売ってくれた。32Kr、クレジットカードで払う。
チケットはボール紙のカード。透かして見ると中にICチップが見えた。

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 駅前にあるルーター・クンドセンター(Ruters kundesenter) 。

 オスロ中央駅前のトラム乗り場。

駅前はターミナルになっていて、トラムとバスの乗り場が並んでいる。ホテルへは19番のトラムに乗ればよい。

来た電車に乗る。車内にカード読み取り機があり、そこにかざすとチケットの使用開始になる仕組み。さっそく機械にカードをかざすと『For 8:30』の表示が。おかしいと思いさっきもらったレシートを見ると、『Enkeltbillett』とあった。1回のみのシングルチケットではないかこれは。
どうりで安いはずだ。私の発音が悪いのか、案内所の人が勘違いしたのか。どっちにしろまた買い直す必要がある。

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 ボール紙のチケット。見た目では券種は分からない。

乗ったトラムは、ホテルとは違う方向へ向かっていた。路線図を見ていて気付いた。何を勘違いしたか18番のトラムに乗っていた。降りてまた中央駅まで戻る。
よほど疲れているらしい。

中央駅からまた19番のトラムに乗る。
どうもダメダメの日のようだ。

15分ほどでローゼンボリ(Rosenborg)という停留所に着く。ホテルはここから歩いてすぐ。

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 ホテルのエントラス。

ホテルは電車通りに面したところにありすぐにわかった。
入ろうとするとドアにカギが掛かって開かない。

またかよ(怒)

ほかに入口があるのかと見て回ったが、ここだけだ。チェックインは14:00〜18:00と張り紙がある。また出直しかと思いかけたが、横にインターホンがあったので押してみると応答があった。自分の名を告げると中から開けてくれた。

レセプションで名前を言うと、今日の客とわかったようだ。
覚えたての英語で「キープマイラゲッジ アンチルチェックインタイム」というとOKと快く承諾してくれた。一安心。

さっき降りた停留所の交差点にセブンイレブンがあった。ここでトラムのチケットを売っているかもとレジで聞いてみる。1dayではなく今度は24time ticketと言って聞いてみた。店員はイエスと言うのでここで買った。1枚90Kr。レシートを見ると確かに『24-timersbillett』とあり、今度は大丈夫だ。オスロでは「1day」では通じないいようだった。

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 24時間チケットを買ったセブンイレブン。

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 気を取り直して、再びトラムに乗る。

すったもんだだったが、まだ8時を過ぎたばかり。今まで列車に乗りっぱなしだったり、歩き回ってばかりだったが、今日は人並みに観光してくるつもりである。
またトラムに乗り、まず向かったのがアーケシュフース城。

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 アーケシュフース城(Akershus Festning)。

アーケシュフース城は港近くの高台に建つ。城というよりは要塞で、1299年に最初に建てられた。その後火事で焼失し、今ある建物は1600年代に再建されたもの。
城内に入れるのは10時からだが、建物の外は公園のようになっていて散策することができる。

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 1630年頃に造られた城の城壁。

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 城の頂上からの眺め。右の茶色いビルは市庁舎。

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 城から見たオスロフィヨルドの眺め。

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 土手の上には大砲が並んでいた。

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 目標捕捉、撃てー!ナンチテ。

アーケシュフース城から坂道を下って歩いて行くとだんだん賑やかになってくる。着いたのはオスロ大聖堂の前だった。
広場はびっしりと露店が並んでいて人通りが多く、ここは市内のトラム系統が集中するのか、次から次へと電車が通り過ぎる。

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 オスロ大聖堂前を行くトラム。

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 大聖堂の時計塔と信号機。新旧の対照が妙だった。

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 中央駅から今度はバスに乗る。

エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)はノルウェーの画家。その代表作は『叫び』(Skrik)と呼ばれる作品で、見れば誰でも知っていると思う。

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 エドヴァルド・ムンク作『叫び』。だれでも見覚えくらいあると思う。

パロディーのネタにされることも多いこの絵の本物はオスロの美術館にある。さらに、この絵の舞台とされている場所がオスロのエーケベルグという所にあるという。そこへ行ってみることにした。

中央駅近くのバス停から34番のバスに乗り、Brannfjellveienという所でバスを降りる。

私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。
〜それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。
私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。

ムンクが日記に記した幻覚の体験である。のちに『叫び』のモチーフとなった。
ムンクの聞いた叫びとはどんなものだったのだろうか。

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 『叫び』の舞台になったとされる高台の道。

何の変哲もない高台の道路。道端には『叫び』の碑があった。
周りには誰もいないし、静か。車もたまに通るだけ。平和だね。

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 道端にある『ムンクの叫び』(Skrik av Edvard Munch)のモニュメント。

高台の道からトラムの停留所に下る山道があるので、こんどはそちらのほうを歩く。
このあたりはエーケベルグ公園というアート公園になっていて、山道の途中にいくつかのアートを見つけた。

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 動画のアート。ろくでなし子を彷彿させる作品もあったが。

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 ディープクリームマラドーナという作品。モチーフはご想像の通りだそうで。

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 エーケベルグパルケン(Ekebergparken)停留所からトラムに乗る。

ずっと道なりに坂道を下るとトラムの停留所があった。ちょうど電車が来たので乗ったらまた反対方向だった。
やっぱり相当疲れているのか。

まあいいやと車内から街を眺める。郊外の住宅地といった風情の中を終点まで乗り通し、また引き返した。

再び中央駅へ戻り、今度はT-Banenと呼ばれる地下鉄に乗り2つ目のトゥイエン(Tøyen)駅で降りる。
向かう先はムンク美術館。普段は絵心などまるでないが、あの『叫び』の絵を見たかった。

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 ヤーンバーン広場駅から地下鉄に乗る。

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 ムンク美術館の入口。

受付で入場券を買おうとすると「フリー、フリー」と言われる。
どうも今日は入場料タダの日らしい。本来ならば100Krのところだが、これは儲けた。

空港のようなセキュリティーがあって、そこを通るとアラームが鳴った。ポケットの鍵だろうか。戻ろうとすると係の人はいいよいいよと言うようなそぶりで通してくれた。

中に入るとホールがあって絵が展示してある。入れるのはそこだけだった。『叫び』も無し。
どうも工事かなんかで一部しか公開しないので無料になっているようだった。

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 入ってすぐのホールにある展示場。

ムンク美術館だけあって、さすがに売店は『叫び』のグッズが多数並んでいる。マグネットとポストカードを買った。

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 売店に売っている数々の『叫び』グッズ。

エントランスの一部はストックフレッツ(Stockfleths)というカフェになっている。ここの名物となっているのが叫びケーキ。
カシス、チーズ、チョコと3種類ある。上に『叫び』をイラストしたチョコがのっかるだけだが、ここでしか食べることができない。
カフェのテーブルはたくさん空いているし、ここで一息いれることにする。

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 ケースに並ぶ『叫び』ケーキ。サンドイッチなどもあった。

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 叫びケーキ(79Kr)とエスプレッソ(25Kr)。

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 チョコレートムースケーキに『叫び』のチョコ。

チョコムースケーキはエスプレッソに負けないくらいビターな味。甘いもので一息ついて、疲れが少しとれた気がした。

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 オープンテラス席。

地下鉄に乗り中央駅へ戻る。
今度は12番のトラムに乗りヴィーゲラン公園に行く。

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 12番トラムは中央駅近くのKirkeristen停留所から乗る。

ヴィーゲラン公園はノルウェーの彫刻家グスタフ・ヴィーゲランの彫刻作品が多数展示された公園で、人生の諸相をテーマにしたという老若男女212点もの彫刻が置かれている。
しかもどの彫刻も全裸。

考えさせられるものから笑ってしまうものまで、まさに人間劇場とも呼べる彫刻作品が並んでいた。オスロの名所ならぬ『迷所』とでも呼びたくなるような公園であった。

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 ヴィーゲラン公園。

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 121体もの折り重なった人間が刻まれた『モノリッテン』の塔。

ここへ来て目立っていたのが中国人の団体さん。現れるとモニュメントの前を占拠するように取り囲む。
日本で見かけるのはその一部分、今や世界中に進出しているのだろう。
この手の団体さんは、見ていると概しておばちゃんが一番元気。これは中国人に限らず世界共通のようだ。

そういえば初日からずっと、日本人の姿を見ていない。海外旅行をしていると大抵見かけるし、なんとなく同朋とわかるものだが、今回は全然見かけていない。

ヴィーゲラン公園からまたトラムに乗る。

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 古い建物が建ち並ぶフログネル通り(Frognerveien)。

思い立ってふらりと途中下車できるのも一人旅の良いところ。下車して写真を撮りながら歩く。
古い街並みにトラムがよく似合う。やっぱりヨーロッパはいいね。

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 ロータリー内の噴水にはトラムの線路が通っている。ソーリ広場(Solli plass)。

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 電車が通るときは噴水が止まる。

道路上はトラム優先が徹底していて、車に進路をさえぎられることは無い。むしろ車の方が遠慮がちに走っている感がある。
なんでも車優先の日本とは違う。

posted by pupupukaya at 16/09/03 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記

2016年白夜・北欧旅行記14 オスロを歩くその2

トラムをおりてからずっとテクテク歩いてきた。着いたのは王宮。写真で見ると小じんまりした建物に見えるが、実際に見るとデカい。
敷地がすっきりと広いのと建物のシンプルなデザインなのが小さく見せているのだろう。

王宮は現在でもノルウェー国王ハーラル5世と王妃の住居になっている。

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 現在でもノルウェー国王が居城する王宮。

王宮の正面は銃をかついだ衛兵が行ったり来たりしている。

あの銃には弾が入っているのだろうか。もしテロリストが銃をもって襲ってきたらあれで応戦するのだろうか、などと物騒なことを考えてしまった。

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 王宮の前を衛兵たちが行ったり来たりをずっと繰り返す。

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 直立不動で微動だにしない衛兵。話しかけてはいけない。

王宮の前庭はライラックが満開で、甘い香りが漂っている。
そういえば札幌を出発したときもちょうどライラックが満開だったなと思い出した。

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 王宮からカールヨハン通りを見下ろす。

王宮を通り過ぎ、オスロ国立美術館へ向かう。
ムンクの『叫び』を見るためだ。

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 ムンクの叫びが展示してある国立博物館。

地球の歩き方(ブックオフで買った古い版)には入場無料とあったが、今は有料になったようで入場料が100Krかかった。
受付の人は「チャイニーズ?」と言うので「ノー、ジャパニーズ」と答える。

展示室はいくつもの部屋に分かれていて迷いそう。ピカソやゴッホの有名な絵もあった。

ムンクの絵はその中の1室にまとめて展示してある。その展示室にあの『叫び』があった。
あったけども、絵のまわりを大勢の中国人の団体さんが取り囲んでいる。
その団体さんの騒がしいこと。そんなに大声でしゃべらんでも。ピコとかピョ〜ンとかシャッター音も飛び交い、まあ賑やかなこと。

彼らが去るまでほかの絵を見ながらまた1周してくることにした。

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 ムンクの展示室は中国人団体で賑やかだった。

今度はじっくりと絵を鑑賞する。ほとんど時間つぶしのようなものだが。
しかしおかげで絵の良さがわかったような気がした。

そろそろいいかなとムンク部屋を覗くとまだいた。さらに別な団体さんが加わって、そっちのガイドさんが喧噪に負けじとニダニダと声を張り上げている。

3回目、今度はいなかった。
静かに鑑賞させてもらう。

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 これが本物の『叫び』。

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 ムンク作『Dagen derpå』(その翌朝)。なんか自分の姿と重なる。

ゆっくり鑑賞してエントランスに戻るとまた次の団体さんがゾロゾロと入ってくるところだった。
みんなムンク部屋だけ見て帰るのだから、美術館としては客回転が最高の上客であろう。

ミュージアムショップを少し見てから外に出る。

カールヨハン通りを歩く。この通りは王宮から中央駅まで続く通りで、歩行者天国になっている。

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 カールヨハン通りの賑わい。

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 国会議事堂と満開のライラック。

中央駅に近づくにつれて通りは賑やかになってきた。

オスロ市の人口は66万人。毎年1万人のペースで人口は増加してるという。
静かで落ち着いた街というイメージを持っていたが、街中を歩いていると意外と活気のある都市であった。

しかし、都会にありがちな暗い裏通りは無く、整った明るい佇まい。
歴史も文化もあり、これでもう少し物価が安ければいいところなんだがなというのがオスロの印象だった。

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 道端あちこちにオープンテラスが出ている。

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 絵を売る露店。

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 カールヨハン通りの賑わい。正面突き当りはオスロ中央駅の旧駅。

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 オスロ中央駅前、ジェーンバーン広場にあるトラの像。

中央駅、ジェーンバーン広場まで歩いてきた。そろそろホテルに戻る。
19番のトラムに乗る。

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 トラムの車内から。車窓を眺めているとオスロ市民のなった気になる。

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 オスロで1泊したホテル。

ホテルに戻ってきた。
相変わらず入口はカギが掛かっていて、またインターホンを押して開けてもらう。
レセプションに行くと、今度は部屋の鍵と建物入口の鍵をくれた。預けた荷物は部屋の中に置いてあった。

ここはホテルというよりB&B(ベッド&ブレックファースト)で、日本でいえば旅館のような宿泊施設。トイレとバスルームは共同だが、値段は安く、1泊531Kr(7,218円)。
オスロはホテル代が高く、普通のホテルに宿泊すれば1泊1万円以上もする。安く上げようとすればこのような宿に泊まることとなる。

部屋の日当たりは良く、暑い。
窓を開けると、トラムの線路に面した部屋だった。
眺めが良いか、うるさいかは評価が分かれる部屋だろう。時おり電車がゴォーと通り過ぎる。私は眺めが楽しい部屋に思えた。トラムビューと言ったところか。

フローリングの部屋は明るくて清潔。電気ポット、テレビ、冷蔵庫まであった。洗面台も部屋にある。
普通のホテルよりこっちの方が快適だと思った。

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 建物内も民家風の造り。

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 清潔さを感じる明るい部屋。

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 窓の下をトラムが走っている。

ホテル近くにはナルビク以来世話になったREMA1000というスーパーがあった。ここで食料を買って夕食にしよう。
今日は最後の夜になる。これで今回の旅も無事終わりそうだ。

ビールを買ってきてお祝いしよう(またかよ)。

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 スーパーへ買い出しに。また世話になったREMA1000。

ビールは冷蔵ケースにあり、冷やして売っている。ねーちゃんがケースから取り出してカゴに入れていた。つられて同じビールをカゴに入れる。
リングネス(Ringnes)というビール。缶にはOslo Norgeと記してある。オスロでは定番のビールのようだった。

それから食料である。寿司のパックがあった。スウェーデンに着いて以来あちこちで見かけた寿司のパック。試しに買ってみた。

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 スーパーで買ってきたビールと寿司。

ホテルに戻り、買ってきた食料品を並べる。
寿司は日本のスーパーで売っているような普通の味だった。醤油も小瓶に入っている。
違うのはワサビがカップに別盛りになっていること、ガリはかなり辛かった。

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 寿司ネタはエビとサーモンそれに巻き寿司。ワサビと醤油の小瓶も入っている。

部屋は日当たりが良いのはいいが、日がジンジンと差し込んで暑い。エアコンは無い。
そのかわり冷たいビールがうまーい。

テレビを観ていると、今日のオスロは気温が28度とのこと。暑かったわけだ。

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 夜7時を過ぎても賑やかなボーグスタ通り(Bogstadveien)。

19時、まだ昼間のように明るい。また部屋を出て散歩してくる。

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 ウラニエンボリ教会(Uranienborg kirke)

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 教会の横の公園。芝生の上では人々が日光浴を楽しんでいる。

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 通りを颯爽と走る自転車。

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 バーのカフェテラスは陽気なムード。

 “家ごとにリラの花咲き札幌の人は楽しく生きてあるらし”
 (吉井勇)

ここは札幌ではないが、こんな歌が頭に浮かんだ。札幌もオスロも同じ北国の街。
鬱々とした暗くて寒い冬が終わり、オスロの人たちは初夏をここぞとばかりに楽しんでいるようだった。

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 ホテルの庭に咲くライラック。

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 満開のライラックの向こうを行くトラム。ホテルの窓から。

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 オスロで買った土産など。

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 この時期はオスロでも完全に暗くならない。午前1時頃。

また部屋に戻りビールを飲んでいたら、また寝落ちしていた。開け放った窓からは冷たい風が入ってくる。昼間は暑くても、夜は冷えるようだ。
時計を見ると午前1時。窓の外を見ると空はうっすらと明るい。
オスロの緯度は北緯60度。北極圏には遠いが、完全に暗くなることはなかった。
posted by pupupukaya at 16/09/04 | Comment(1) | 2016年白夜・北欧旅行記
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