2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記1 札幌〜成田〜シカゴまで前篇

【旅程】
新千歳空港 7:50−ANA NH2152便−9:25 成田空港
成田空港 10:45−ANA NH12便−8:20 シカゴ・オヘア空港 

9月5日早朝6時に家を出てタクシーで駅へ向かう。
5日の天気予報は札幌もシカゴも雨。しかもシカゴは雷雨との予報だった。
旅行前に行先の天気予報が雨だった場合こう思うことにしている。

「俺は晴れ男だ、必ず晴れる」

久しぶりに乗った快速エアポートは新車だがオールロングシート。空港に行くだけなので座席などどうでもいいが、ロングシートはつまらない。また、荷物も常に手で押さえておかないと、キャリーバッグのキャスターがコロコロ転がっていってしまうのであまりよろしくない。

札幌を出発した時は曇り空だったが、新千歳空港に着いたときは雨降りになっていた。


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まずは快速エアポートで新千歳空港に到着。

空港のコンコースやカウンターは人が少なく閑散としている。朝7時過ぎではテナントもまだ開店していなかった。
ANA国際線乗り継ぎのカウンターで荷物を預けると行くところも無く、手持無沙汰になった。


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ANAのカウンター。ここで預けた荷物は最終到着地のシカゴで受け取る。

ところで今回の旅行の荷物は大変少なく、機内持ち込みサイズのキャリーバッグ1個だけ。
国際線の預け荷物は、2年前に行ったときは2個まで無料だったが、今回から1個しか無料にならなくなった。
それで、中古の大きいスーツケースを買ったのだが、ちょっと大きすぎた。大は小を兼ねると言うが、あんな馬鹿でかいケースを引きずって歩くのはいやだ。
それに、それ程持って行くものも無かった。下着の替えなどは圧縮袋に入れればかなり小さくなるし、替えの服も今着ているほかにもう1着あれば十分だ。旅行先で特に買いたいものも無かったし、思い切って小さいキャリーバッグにした。

傍から見るととても1週間海外に行く格好には見えなかっただろう。

それと昔ユニクロで買ったメッセンジャーバッグ。これは機内持ち込みと街歩きに持って行く。見た目以上に容量が大きく、ポケットもたくさんあって使い勝手が良く重宝する。今は売っていないようだが。


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成田行きの搭乗ゲート。

まずは日本の表玄関口成田空港へ行かなければならない。新千歳空港から成田空港までは国際便へのアクセスの為ANAとJALが合わせて1日5便が運航している。もちろん新千歳−成田間のみ利用もできるが、そちらはLCCが多く飛んでいるので、こちらは100%海外旅行客だろう。

搭乗口は羽田や大阪行きのほうは人だかりがしているが、こちら成田行きの方は閑散としている。
成田行きの機内に納まったのは20人ほど。機内の後ろ半分はほとんど空席だった。
土産袋を持った人もいなく、朝早かったせいか皆押し黙っている。
海外アクセス便でなければ、都会へ病院や仕事に行く人が乗ったローカル線のような雰囲気だ。

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新千歳空港は朝から雨降りでさえない出発だった。

成田空港までの所要時間は1時間35分。離陸するとすぐに雲の中に入って、成田に着くまでずっと雲の上の飛行だった。

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遠くの雲の上に頭を出した富士山が見えた。

この飛行機は予定では9:25に着いて、乗り継ぐシカゴ行の便は10:45発なので乗り継ぎ時間は1時間20分しかない。
成田の乗継は初めてではないのでこれでも十分間に合うことは分かっているが、両替もしなければならないし、滅多にない海外旅行なので空港の中をいろいろ見ておきたいこともあって、1分でも早く着いてほしいところだった。

成田空港に着くとブリッジを通ってそのまま外に出られるかと思っていたが、なんと出口に横付けされていたのは階段で、下りた先にはバスが停まっていた。

バス移動はLCCでは珍しくないが、ANAでバスに乗るとは思ってもみなかった。完全にローカル線扱いだ。

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成田空港はなんと階段を下りてバス移動。LCC並みの扱いだ。

乗客が少ないので全員バス1台に納まって空港ターミナルビルへ到着となる。

出口に向かう通路の途中に国際便乗り継ぎの出国ゲートがあるのだが、一旦外に出る。

まずはドルへの両替をしなければならない。
前回チェコにいったときもそうだったが、現金は少額の買い物や交通費のみに使用し、基本クレジットカード払いにするので最小限あればよい。また、現金は向こうのATMで引き出すことにしていた。その方がレートが良いし、多額の現金を持ち歩かなくてもすむからだ。

それでも全く持ってなければ向こうに着いてから文無しの状態になってしまうので、当座のドルは持っておく必要がある。

前回利用した両替所へ行くとそんなに混んでるわけではないコンコースの、ここだけは長蛇の列だった。レートの良い店だが、今日はこの行列に並んでいる時間は無い。別の場所にある両替所に行くとここは2〜3人並んでいるだけなのでこっちにした。

とりあえず日本円の1万円をドルに両替する。用紙に書き込んで窓口に出す。レートは1ドル107.63円の計算で92ドルを受け取る。9901円でお釣り99円を受け取ると財布が小銭で一杯になった。


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様々な人が行き交う南ウイング出発口。別れのドラマもここが最後。

空港内を見て回る時間はなくなってしまったが、帰りは成田空港の乗り継ぎ時間が3時間以上あるので、空港内は帰りにじっくりと見ることにしよう。
両替所は搭乗ゲートの中にもあるのでわざわざ外に出る必要は無かったのだが、外に出た一番の理由が南ウイングの出発口から旅立ちたかったから。

出発口の上には大きな電光掲示板があって、世界各国への便の時刻と行先がずらりと表示されている。
その下を行き交う人々、待ち合わせの、見送りの、別れの人、それぞれの国の言葉が聞こえてくる。
電光掲示板は無機質だが、その下では喜びも涙もため息も数、限りないドラマを秘めているのだった。

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旅情がある出発便時刻の表示。

そんな人々の風景や飛行機の時刻や行先を飽くことなく眺めていたいが、時間がないのでそろそろ行かねばならない。
搭乗券とパスポートを確かめて出発口へ向かう。

その時だった、後ろで私の名を呼ぶ声がする。振り向くと向こうから小さな人影が走り出してきた。私も荷物を投げ出して彼女の方に走った。仕事よりもやっぱりあなたについて行くと追いかけて来たのだった。彼女を受け止めた私はもう二度と離さないと誓い、しっかりと抱きしめた。

・・・・・妄想はこれくらいにして、出発口から入ったところがセキュリティゲート、その次が出国審査で、ここから免税店のあるエリアになる。すいていたせいか、出発口からここまで10分とかからなかった。


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いってきまーす。いざアメリカへ!

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搭乗前の楽しみは免税店の見物。

2箇所の関所を通ればあとは搭乗時刻まで待つだけだ。免税店をぶらつくもよし、カフェでコーヒーやビールを飲むもよし、旅立ちのプロローグを楽しむために早めに着きたいところだ。

私はこれと言って買うものは無いが、免税店の品物をあれこれ見て回った。毎回思うのはタバコは安い。ほかのものは市中と比べて特に安い感じはしなかった。お酒などは普通のスーパーで買う方が安いと思った。

最近増えているのは和の文化のグッズだ。いかにも日本らしい置物などが手軽な値段で買えるので外国人には人気なのだろう。日本の家庭でこんなものがたくさん置いていたら相当に悪趣味だと思うような物だが。

家電やデジタルものもあって、これも街の電器屋の方が安いようだ。こんなところで炊飯器や掃除機を買う人がいるのだろうか?

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免税店に並んだタバコ。私は外での値段を知らないのでどれだけ安いかわからないが。

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シカゴ行の43番ゲートはターミナルの一番奥になる。動く歩道を何回も乗り継いで行く。

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搭乗開始前のサテライト。日本人ばかりだが外国人の姿もチラホラ見かける。

シカゴ行は43番ゲートからの出発で、出国審査を出たところから一番遠いところにある。長い通路の中央にある動く歩道をこれでもかと何回も乗り継いで着いた。
近くのゲートは北京、ヤンゴン、シンガポールとそれぞれの便が出発時刻が近く、この辺りは賑やかだ。

もう日本円を使うことは無いので、財布の中身をドル札と入れ替える。さっきドルに両替をしたときに増えた小銭を何とかしたい。自動販売機で180円の水を2本買い、残りは売店のレジ横にあった募金箱に全部入れてきた。これで財布はすっきりした。

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搭乗開始になると乗客が三々五々集まってくる。

10:20頃シカゴ行NH12便の搭乗開始案内があると、搭乗口の前はあっという間に長蛇の列ができた。
今回指定の席は中央の座席の通路側。あわてることは無いので、行列が半分くらい進んでから後ろに並んだ。

飛行機の座席は事前にインターネットで好みの席が指定できるのだが、最初は窓側の席が全部埋まっていたので仕方なく通路側の席にしていたが、窓側が空いたらそこに移ろうとことあるごとにネットの座席指定を見ていたのだが、日ごとに空席が埋まっていって、エコノミーはほぼ満席になってしまっていた。

通路側の席を確保できただけでも良しとしなければならない。これから11時間半にもわたる満席のフライトを覚悟した。

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ボーディングブリッジから見た飛行機。外の景色を見るのはこれが最後。

アテンダントに迎えられて機内に入る。ANAの国際線はこれが2度目だ。今回の飛行機はボーイング777-300ERという新型機となっている。
特筆すべきことは今まで似たり寄ったりだったエコノミーシートが改善されたことだ。シートピッチが従来より7.5cm拡大されたことと、座席ごとにコンセントが付いたことが大きな点だ。ほかにも背面のモニターやテーブルも大型化されている。

いや、一番の改善点はシートをリクライニングしても背ずりが後ろへ倒れないということ。シートを倒すと座面がその分前へせり出す仕組みになっているので後ろの席は影響を受けない。
だれでも経験があるだろうが、座席のリクライニングは飛行機に限らず、時として前の客に殺意も覚えることがあるので、これは大きな改善だろう。
ただ、リクライニングして座面が前へ出るとその分足元が狭くなるという欠点はあるが。

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従来より7.5cmシートピッチが広がった新型エコノミーシート。

乗客全員が席についてそろそろドアを閉める頃になっても隣の中央2席の客は現れなかった。数日前にネットの座席予約を見たときはたしかにふさがっていたのでドタキャンでもあったのだろうか。

10時間以上のフライトになると隣に人がいるのといないのとでは疲れ方やストレスが全然違う。隣席の主に何があったのかは知らないが、ツイている。シカゴまで快適に過ごさせてもらおう。反対側の通路側の席の人も同じように思っているに違いない。


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大きくなったシートモニターがずらり並ぶエコノミークラス。

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シートピッチが広がったので足元はかなり余裕ができた。フットレストもある。

離陸して水平飛行になると機長の放送があった。以下要約。
『アリューシャン列島からカナダ上空を通過し、シカゴ・オヘア空港へは予定通り8:20に着きます。
オヘア空港の天気はくもり、27℃。これから1時間ほどすると気流の関係で強く揺れることがあります。
到着までごゆっくりとおくつろぎください。』

アテンダントがアメリカの税関申告書を配り始めた。アメリカに入国する場合は全員提出しなければならない書類だ。1人1枚だが、書き損じたときのために2枚貰っておいた。間違っても書いても二重線で消して書き直せばいい程のものなんだろうけど。


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水平飛行になると配られるドリンクとおつまみ。白ワインにしてみた。

機内サービスは、おしぼり、ドリンク、機内食の順で続く。機内食は和食か洋食か訊かれる。
和食のしらすごはんがおすすめのようだが、あえて洋食にしてみた。
そのせいか知らないが、周りがすでに食事中のなか少し待たされた。

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長いフライトの楽しみのひとつ機内食。洋食のハンバーグドリア。

ANAの機内食も2度目になるが、今ひとつ面白みがないというか、給食を思い出してしまうのはなぜなんだろうか。
小さなパンが付いているからなんだろうか。

この便に乗ってから気になっていたが、どうもアテンダントの動きがギクシャクしている。新人が多い便なのか、新型で快適な機内だけに残念だった。

食事のあと、カップ入りのアイスクリームを配っていたアテンダントがつまずいたのか、通路にアイスクリームをぶちまけた。全部拾い集めたが、泣き出しそうな顔をしてギャレーヘ戻って行った。


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化粧室の内部。ソープやペーパー類は備えてある。狭いので洗顔や歯磨きは無理そうだ。

13時頃には食事も全て片づけられ、14時頃には窓のシェードが全て下ろされて消灯になった。
シカゴ時間ならば午前0時で、朝8:20に着くからもう寝ろということか。今日は朝5時起きだったが、さすがにこの時間から眠るのは無理だ。

機内は暗くしているが、読書灯を点けていたり、映画を見ていたり起きている人ばかり。
暗くする必要があるのかと思うが、体内時計を整えるためにはこの方が良いそうだ。

私も映画を見たり、飽きたらゲームをしたりと思いのほか退屈はしない。ゲームのお気に入りはゴルフとテトリス。上海は残念ながら無かった。

たまにどこらへんにいるのか気になってフライトマップを見る。15時頃に日付変更線を越えた。越えたからといって機内の日付が戻るわけではないし何か放送があるわけでもない。
うっすらと開いた窓のシェードから漏れていた光も入らなくなっていた。外も夜になったようだった。

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食事が終わると窓のシェードを閉められて夜間飛行のようになる。


2 札幌〜成田〜シカゴまで後篇 へつづく
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posted by pupupukaya at 14/10/04 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記
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