2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記7 シカゴに戻る

【旅程】
ミルウォーキー駅 15:00− (338 ハイワサ号)−16:29 シカゴ・ユニオン駅

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ミルウォーキー インターモーダルステーション。

14:30頃に駅へ行った。ダウンタウンから駅までは歩いてすぐなのだが、裏道のようなところを通らねばならず、人通りも無い道で徒歩だとちょっと気味が悪い。
駅舎のビルはガラス張りの新し目の建物で、中も明るくて清潔なのは一安心。

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明るい駅構内。

シカゴ駅で買ったのと同じ券売機があったので、これでまたチケットを買おうとしたが、操作方法が違うのかわからなくなってしまった。
すぐ後ろに窓口があるので、面倒だと思ったが「ハロー」と声をかける。

「シカゴ、ワンウェイ」(シカゴ片道)というと通じた(当たり前か)。

ここでもID(身分証)の提示を求められた。パスポートを差し出す。列車に乗るのにわざわざパスポートがいるのか、ここはロシアか?

しかし、窓口のお姉さんも愛想が良く、悪い感じではなかった。支払いはクレジットカードで。


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駅には無料のWiFiが設置してあるのがありがたい。

シカゴと同じく、ここも発車時刻まではホームへ行けないようで、ホーム入口のところで乗客が並んでいる。

このくらいの人数なら行きと同様にがら空きだろうし、発車時刻までは駅の中を見物した。

ミルウォーキーの鉄道駅は『ミルウォーキー・インターモーダル・ステーション」と呼ばれて、アムトラックと長距離バス(グレイハウンド)が同居したターミナルになっている。


鉄道とバスのターミナルは中でつながっているので区別はないが、両方の乗り場は建物の両端にそれぞれあるので、バス組と鉄道組の棲み分けはできている。


バスの方はそこそこ本数はあるので乗客の動きがあるが、鉄道の方は1日7往復のハイワサ号と西海岸のシアトルまでの長距離1往復のみとあって動きはほとんどない。駅というより地方のローカル空港という感じがする。

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軽食コーナーもある売店。

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アムトラックのチケット売り場。

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案内があるまでゲートに並ぶ。

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ミルウォーキーからの時刻表。左が鉄道、右がバス。

14:45頃にホームへ入場開始になる。他の乗客たちに続いてホームへ向かう。

ホームと言ってもコンクリート敷きの地面があるだけで、ホーム全体を鉄骨の上屋が覆って薄暗く、車両工場のような感じ。旅情とは程遠い。

帰りの列車は思った通り空席だらけだった。

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帰りの列車に乗る。

ハイワサ号の車内はWiFiが利用できるのがありがたい。こういう時にネットでせっせと情報収集する。

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ミルウォーキー駅で買った列車のチケット。

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ミルウォーキーを発車してすぐのカーブ。

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スターテバント駅。

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シカゴの摩天楼が見えてきた。

行きとは反対側の席に座ったが景色はどちら側も大して変わらなかった。
印象的だったのはシカゴに近づくと遠くにそびえ立つ摩天楼が見えたこと。シカゴ行列車ならば進行右側に座ったほうがお得かな。

列車は快調に走り、シカゴ・ユニオン駅のホームが見えてきたところで列車は停まってしまった。
駅手前ならばともかく、ホーム直前の、しかもポイントをまたいで停まっている。

5分くらい停まっていただろうか、今度はバックして動き始めた。またしばらく停まって、改めて進入しなおしたようでホームに到着したのは16:37だった。何があったのかはわからないが、とにかく無事にシカゴへ戻ってきた。

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駅構内手前で停止してしまった。

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シカゴに到着。

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線路とホームの終端。出口からコンコースにつながっている。

土曜日夕方5時前のシカゴのダウンタウンは人が多くて賑やかだ。戻ってきたら余計大都会という感じがした。
まだホテルに戻る気がしない。午後7時過ぎまでは明るいし、このままシカゴのダウンタウンをぶらぶらと歩く。

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賑やかなシカゴのダウンタウンに戻ってきた。

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シカゴ名物の高架鉄道

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街中を歩くが特に行くところも無くミレニアムパークまで歩いてきた。

さっき列車内でダウンタウンかホテルの近くにスーパーがないかと探していたのだが、なかなか少ない。食料品などを買い物をしてホテルに戻ろうと思っていたのだが。
それで見つけたのがミレニアムパークの北側にあるマリア―ノというスーパーだった。

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ビルの陰になって暗くなってしまったミレニアムパーク。

この辺はビジネス街というかオフィスビルばかりで、こんなところに本当にスーパーがあるのかと思いかけたが、少し引っ込んでわかりにくい場所だがスーパーがあった。

私はスーパーマーケットが大好きで、国内・海外問わず旅行先では必ずスーパーを覗く。
その土地の食生活や物価もわかるし、その土地ならではの食材を見つけたら嬉しい。

あえてこう言わせてもらう。

スーパーを見ればその土地がわかる。

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ミレニアムパーク近くにあったスーパー。

そんな大それたことではないが、カゴを持って店内を回る。
野菜、肉、乳製品など、日本とは違うねやっぱり。どんな美術館や博物館よりも私はスーパーで買い物するのが一番楽しい。

惣菜コーナーもあった。ホテルの朝食のホットビュッフェのようになっていて、見ていると客が脇にある容器に惣菜を詰めている。
どうも容器のサイズごとに値段が決まっていて中には詰め放題のようだ。

これはいいと容器を持って他の客の真似をして惣菜を詰める。容器のサイズは3種類あってS・M・Lサイズのランチボックスといったところ。
スープもあったのでこれも自分で容器に入れる。

値段は惣菜が$7.01、スープ$1.99、コーラ$1.59。別に外税で約10%の消費税がかかる。

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スーパーで買った惣菜。Mサイズの容器。

表にオープンテラスがあったのでそこで食べることにした。
家族連れや一人客がスーパーの総菜や飲み物を並べてくつろいでいる。ここは良い場所だ。

フライドチキンとフライドポテト、チキンの甘辛煮、ライス、温野菜など。スープはトマトバジル。

これがアメリカの食卓なのかなと思いつつ食べる。味付けは結構甘い。甘いとは砂糖の甘いで味付けは濃い。
本当はビールが飲みたかったが、この場所で飲んでいいのかわからないし、他に飲んでいる人もいないのでコーラにした。


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スーパーのオープンテラス。

画像で見ると盛りが少ないように見えるが、実際は容器が大きいのと惣菜も大きいので結構なボリュームだ。こんなに食えるかなと思っていたがぺロっと食べてしまった。

さてと、そろそろホテルに戻るとするか。あんまり戻りたいホテルじゃないけど。


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ビールを洗面台で冷やす。

地下鉄に乗ってホテルに戻ってきたのは午後7時過ぎ。明るいうちに戻ってこれた。さすがにこの辺りは暗くなってから一人で歩くのはいやだ。

昨日買ってあったビールはぬるくなっている。部屋に冷蔵庫はないので、洗面台の水で冷やす。これが意外と冷えるのだ。

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スーパーで買ったバーボンウイスキー、エヴァン・ウィリアムス。

シャワーを浴びて、テレビを見ながらビールを飲んだ。バーボンウイスキーも飲んだ。スーパーで買ってきた安物だが、アメリカで飲むとまた一味違う。
明日はシカゴを発って鉄道でサンフランシスコへと旅立つ。憧れの大陸横断鉄道。
ホテルのチェックアウトは12時までにすればいいので明日はゆっくりできる。
そんなわけで少々深酒した。
8へつづく
2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記 もくじ
posted by pupupukaya at 15/01/10 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記8 シカゴ出発前

さて、今日はお待ちかねのカリフォルニアゼファー号に乗る日だ。
ところが昨日アムトラックからメールがきていた。シカゴ発14:00だったのが14:50発に変更になったということだった。
明後日のサンフランシスコ着が遅くなるが、運休ではないのでひとまず安心だ。


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アムトラックからメールに添付されてきた変更後のチケット。

昨夜深酒したせいか、起きたら9時過ぎだった。別に朝から予定があるわけでもないし別にいいのだが、旅行中に朝寝坊すると何だか損した気分になる。

昨日スーパーで買っておいたパンを朝食にする。
さて、これからどうしたものだろう。今日も天気が良さそうだ。

チェックアウトは12時までなので、部屋に荷物を置いてチャイナタウンの見物をしようと外に出た。

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チャイナタウン入口の門。『天下為公』とは中国の古典「礼記」の一節。

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食料品店。

今日も快晴。今回の旅行は天気には恵まれている。
ホテルのあるチャイナタウンは寝るために帰ってきたようなところだったので、改めて街中を歩いてみると本当にここは中国だな〜と思った。

通りの看板も通行人も話し声もすべて中華一色。
しかし文字はさすがに簡体字は見かけなかった。台湾や香港の雰囲気に近いんだろうか。どっちも行ったことは無いけど。

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教会も中国風。

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露天の市場。

駅へ向かう広い通り(ウエストセルマック通り)から北側は新しい建物が並んだ商店街がある。初日に雨宿りしたところで、中華料理の飲食店や食材店が並んでいる。
通りの南側は古い建物が並んだ旧中華街、こちらは新中華街といったところ。

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日本の店ではなかったが・・・。公文式の看板もある。

商店街は結構奥まで続いていて、抜けた先にはドラッグストアがあった。
なんだ、近くにあったんじゃないか。中に入ってみる。

アメリカのドラッグストアは日本と同様に食料品のほか、大体の物が手に入るので便利だ。
ここで買い物すれば良かったな、もう少し探せば良かったなと思ったが、この店は酒が置いていなかった。

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新しい商店街の一番奥にあったドラッグストアー。


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2泊したチャイナタウンホテル。


11時ごろホテルに戻ってきた。
キャリーバッグに荷物をまとめる。今のところ増えた荷物といえば、残りの缶ビール2缶とウイスキー1瓶それにビーフジャーキーとスティックチーズ。

土産物は何も買っておらず酒とつまみばかりだが、のちにこれが貴重な食料となるとは思いもしなかった。

11時半にフロントに鍵を返してチェックアウトする。鍵預かり金の20$も返金してもらった。

地下鉄に乗ってダウンタウンへ向かう。
特に行くところも無かったので、昨日行ったミレニアムパークへまた行った。

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日曜日のミレニアムパーク。銀色の物体はクラウドゲートというオブジェ。

キャリーバッグを引いて歩くのはしんどいが、駅や街中にはコインロッカーなど見当たらないので持ち歩くしかない。チャイナタウンホテルで頼めば預かってくれたのかも知れないが、またあそこまで取りに行くのは大変だ。

日曜日とあって公園は家族連れが多い。天気も良いし、平和な光景だ。 

空いているベンチに腰かけて日向ぼっこ。海外まで来てただ座ってぼーっとしているのは勿体ない気がするが、もうどこかへ行くのも面倒になってきた。

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全面鏡のようなクラウドゲート。私も写っていたり・・・。

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人の顔が映し出される『クラウンファウンテン』。ときどき表情が変わる。

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突然口から水を吹くので注意。

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日曜日のため人が少ないオフィスビル街。

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道路に映った高架鉄道の影。


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水上タクシーが行き交うシカゴ川。

ミレニアムパークからユニオン駅まで歩いて行った。
デパートがあるメインの通りは賑わっていたが、それ以外はオフィス街とあって閑散としている。

1時前にはユニオン駅に着いた。まだ発車時刻まで2時間近くあるが、それまで駅の中を見物する。

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シカゴ=ユニオン駅の入口。

アムトラックの列車の乗り方は昨日ミルウォーキーまで乗車したのでわかっている。
一旦ボーディングラウンジで係員の案内があるまでそこで待たなければならないのだが、今日の私は寝台車の客なのだ。

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ファーストクラスと寝台車利用客専用のメトロポリタンラウンジの入口。

寝台車の客は一般の乗客とは別の『メトロポリタンラウンジ』というファーストクラス用のラウンジから出発になる。
入口のカウンターで印刷してきたEチケットを見せるとマジックで日付、列車番号、室番をマジックで書いた紙をくれた。
これがボーディングチケットになるのだろうか。

よく見ると『メトロポリタンラウンジ』と書いてあるのでラウンジの利用券?
いずれにしても2枚持っていれば間違いはないようだ。

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カリフォルニアゼファー号のボーディングチケット?

じゅうたんが敷かれてソファーの置かれたラウンジは高級感があっていかにもファーストクラスという感じがする。
奥にはドリンクバーがあって、コーヒーやソフトリンクが自由に飲める。

これから各地へ向かう列車が多い時間なのか、ラウンジは結構混んでいる。
空いているソファーに座ってコーヒーを1杯飲んだらまた外に出た。
やっぱりここでじっとしていてもつまらない。

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メトロポリタンラウンジはどことなくVIP感漂う。

ユニオン駅はシカゴのセントラルステーションといったところで、各地へのアムトラックの列車のほか、メトラというイリノイ州内の近郊列車の一部が発着している。

ユニオン駅とは訳すと合同駅とでもなるのだろうか。
もともとアメリカの鉄道は私鉄の集合体で、シカゴから各地に向かう鉄道も昔はそれぞれ独立した私鉄であった。
各鉄道会社がバラバラに駅を作ったために乗換が不便なため、各会社共同のシカゴ駅を作ったためにユニオン駅という駅名になった。
しかし各鉄道会社はその後旅客輸送を次々と廃止してしまい、現在はアムトラックによる運営に一本化となった。

1925年完成のメインビルディングは外見も内装も風格のある造りになっているがこちらは旧駅で、今のコンコースは道路を1本隔てた地下に設けられている。コンコースと旧駅は地下道で結ばれているが、ここから駅に出入りする人は少ない。

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1925年完成、アメリカン・ルネッサンス様式のメインビルディング。


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メインビルディングのメインエントランス。

格調高い柱や手すり。この駅が一番繁盛したのは第二次大戦頃で、1日300本の列車と10万人の利用客があったという。


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映画『アンタッチャブル』に登場する階段。

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階段の擦り減り具合に往時の繁栄をしのばせる。

中は広大なホールになっていて『グレートホール』と呼ばれている。
木製のベンチが並べられて待合室として使われているが、コンコースからホームへ行く方向とは反対の場所にあるので人は少ない。

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普段は待合室として使われる『グレートホール』。


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待合室にしておくにはもったいないほど豪華な建築だ。

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グレートホールからコンコースに向かう。

ユニオン駅はアムトラックの中心となる駅なので大きな駅かと思っていたが、じっさい歩いてみるとそれほど広くは無い。
良く言えばコンパクトで分かりやすいが、もっと広大なコンコースやホームをイメージしていたので少々拍子抜けでもある。

シカゴからアメリカ国内の各方面へ列車が発着しているが、長距離列車は1日1往復、中距離でも2〜3往復といった運転本数なのでこの程度で十分なのだろう。
アメリカの鉄道は寂しい。

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列車の発車時刻表。近郊列車を含めても1時間に3〜4本程度の本数。

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アムトラックのチケット売り場。

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あまり広くないコンコース。奥の入口は乗客のラウンジへの通路。


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こちらは一般客用のボーディングラウンジ。

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ホームへの通路。

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ホーム入口。

コンコースをあちこち見て回る途中で売店がいくつかあったのでシカゴの絵葉書を記念に求めた。シカゴ土産はそれだけ。

カリフォルニアゼファー号の寝台車客は三食付きで、ミネラルウォーターやコーヒーも車内サービスとなっている。
水や食べ物の心配はないが、酒はどうなるのだろう。駅構内の売店をいくつか回ったが、酒類は置いていなかった。
昨日買ったウイスキーの残りもあるし、足りなければ車内でも手に入るだろうと、酒のつまみにスナック菓子とナッツの袋を買った。

三食付と言っても、食堂車で他の客と相席であろう。英会話なんてさっぱりだし、相席になった人たちと仲良くやっていけるのだろうか。
心配は尽きないが、ま、何とかなるさ。

何度もの海外一人旅で今まで何とかなってきたんだし。

posted by pupupukaya at 15/01/12 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記9 カリフォルニアゼファー号に乗車

【旅程】
シカゴ・ユニオン駅 14:00発 −(5列車カリフォルニアゼファー号)−翌々日16:10 エメリービル駅

カリフォルニアゼファー号はシカゴと西海岸のサンフランシスコを結ぶ大陸横断鉄道で、走行距離は3924kmあって、2晩走り続けて3日目の夕方にサンフランシスコに着く。正確には列車が運転されるのは20km手前のエメリービルという駅までで、そこからサンフランシスコ市内まではアムトラックのバスが連絡している。

シカゴから西海岸まで走っている列車は3本あって、以下の通りとなる。

・カリフォルニアゼファー号 シカゴ―エメリービル(サンフランシスコ) 3924km
・サウスウエストチーフ号 シカゴ―ロサンゼルス  3645km
・エンパイアビルダー号  シカゴ―ポートランド/シアトル 3631km/3550km 

いずれも2晩3日かけて運転される長距離列車で、アメリカのアムトラックを代表する列車である。
一番長距離かつ長時間走る列車は今回乗るカリフォルニアゼファー号で、ロッキー山脈とシエラネバダ山脈2つの山越えなど見どころが多く、人気の高い列車となっている。

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 カリフォルニアゼファー号の時刻表パンフレットより。
  
カリフォルニアゼファー号のルート。

さて、いよいよアメリカ大陸横断鉄道旅行の始まりである。

鉄道旅行好きの私にとっては、いよいよ乗る時がやってきたと思うとゾクゾクした期待とも不安ともとれない気分になってきた。

ちなみに、これにシベリア鉄道それにオリエント急行を加えて三大いよいよ鉄道と言う(言わないか)。

寝台客専用のラウンジで待っていると何やら放送があって乗客がゾロゾロと動き始めた。生の英語など聞き取れるはずも無く、良くわからないが乗車開始かと思ってついて行くと、ホームに停まっていたのは『サウスウエストチーフ』号だった。違った。これはロサンゼルスに行く列車だ。
またラウンジに戻る。

それにしてもこちらのラウンジは案内表示が何も無く、係員の放送だけなので何の列車の乗車開始なのかさっぱりわからない。
不安ならば時刻と列車名の表示がある普通の待合室にいた方がいいかもしれない。

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発車15分くらい前になって係員の案内がある。

サウスウエストチーフ号の乗客が去ってラウンジはだいぶ空席が目立つようになった。
14:35になってまた放送があり、乗客たちが出口に集まる。今度はカリフォルニアゼファーだろうと後について行った。

ラウンジを出たところは工場のような狭くて薄暗い通路を歩く。
これから長距離列車に乗るというのにあまりにも殺風景で、これから旅立つという雰囲気は全くない。
広大なホールに様々な列車が停まっているヨーロッパの駅とは大違いだ。

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工場のような通路を歩く。

人々のあとをついて行くと26番線にやってきた。何も表示は無いが、停まっている列車はカリフォルニアゼファー号で間違いない。
狭いホームは乗客たちでごった返す。発車時刻まであまり時間は無く、慌ただしい。

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最後部にはレトロで良い感じの客車が連結されていた。貸切車両だろうか。

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2階建ての客車はデカい。

最後部にはレトロ風の客車が1両付いていた。中を覗くと食堂車のようだが、寝台車とは行き来できない。貸切の車両なのだろうか。良くわからないがとにかく自分の乗る号車番号の客車を探す。

レトロ車両を除いて後ろから2両目が自分の車両だった。入口に立つクルーにチケットを見せて車内に入る。

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カリフォルニアゼファーが停まるホーム。

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入口に立つ人は三日間世話してくれるスタッフ。

列車の設備や車内は事前にインターネットで調べてきたのでわかっているが、実物を見るとこれがアムトラックの寝台車かと感激する。
指定された個室は階段を登って2階の一番奥だった。

この列車の客室タイプはいくつかあって、今回乗るのは『スーパーライナー・ルーメット』という個室の寝台車。
個室には座席が向い合せにセットされていて、夜は座席を引き出してベッドにする。

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これが3日間過ごす『スーパーライナー・ルーメット』の個室。

ベッドをセットすると部屋全体がベッドになってしまうので大型のスーツケースなどは置けない。
部屋は日本で言うとトワイライトエクスプレスのB個室シングルツインに似ている。
ベッドは2段になっているが、使用しないときは上段ベッドは畳んであるので、シングルツインのような狭い感じはしない。

窓は大きくて、2階席のため眺めは抜群だ。

アムトラックの寝台車はすべて個別の個室で、日本のような開放式寝台やヨーロッパのような雑居の個室というものは無い。座席車利用ならばかなりリーズナブルだが、寝台車利用になると値段がハネ上がる。
たとえば今回のチケットの場合、シカゴからサンフランシスコまで運賃が164ドルで寝台料金が735ドルの計899ドルとなる。

しかしこの部屋で2晩735ドルとは、と思いかけるが、もうそういうことは考えないことにする。

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座るとこんな感じ。窓は大きく眺めは良さそうだ。

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2階席から見たホーム。

部屋に荷物を置いたらまたホームに出て列車の編成を見てきたいところだが、もうそんな余裕はない。ラウンジで乗車案内があってからここまでずいぶん慌ただしく、寝台列車始発駅の旅情に浸る間もなかった。
ホームにいた人も全員乗車したようで、手荷物のカートだけがホームを走り回っている。

14:50になって発車するかと思ったが、なかなか動き出さない。14:58になって発車した。

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ユニオン駅を発車する。しばらくは都会らしく多くの線路が交錯する。

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真上から見たルーメット。

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広げると大きい折り畳みテーブル。


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部屋のロック。


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天井の照明と空調。


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読書灯と空調のツマミ。コンセントもある。

地下のシカゴ・ユニオン駅を発車すると地上に出て明るくなった。
個室は座って車窓を眺めているぶんには窓も大きく快適だ。

ずっと何本もの線路が平行して走る。線路の向こうは低い建物の街並みが続く。時どきポイントを通過して車体の下から線路が分岐したり合流したり交差したりジャンクションを通過する。

昨日乗ったハイワサ号もそうだったが、走行中は振動のような細かい揺れが続く。また、部屋が車端部なのでポイント通過時など揺さぶられるように強く揺れた。しかし、2階席のためか静か。たまに通過する駅のポイントのジョイント音がするくらい。


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大きな肘掛のようなのは夜は上段ベッドの階段になる。

乗る前の興奮や不安はどこへやら。今はこうして個室寝台から流れる車窓を眺めている。
景色はずっとシカゴ郊外の低い街並みが続く。ときどき近郊列車であるメトラの駅があってホームを通過して行く。

ユニオン駅からここまで何だか流れ作業のように来てしまったので、どうも妙な違和感がある。
北海道弁で言うところの『あずましくない』というやつだ。

バッグから缶ビールを取り出して開けた。
昨夜の残りなのですっかりぬるくなっているが、口にしていると少し落ち着いた。昼食を食べていないので胃に染みわたる。
おつまみは駅の売店で買ったミックスナッツ。レーズンが混ざっているのが変わっている。日本ならば柿ピーだが、こちらはレーズンピーになるのか。これはこれでアリかと思ったが。


最初の停車駅ネイパービルには15:39に着いた。シカゴから41分距離は45kmになる。大型スーツケースを持った人たちが目立つ。ここから乗る人も多いようだ。この車両にも何人か乗ってきた。

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シカゴを出て最初の停車駅、ネイパービル駅に到着。


駅の手前では一眼レフを構えた人も何人か見かけた。アメリカ人の撮り鉄?

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とりあえず一息ついた。

ネイパービルを発車してしばらくするとドアがノックされた。車掌だろうか?

チケットを見せると何やら言われた。
悲しいかな、当方無学のため英語力ゼロ。生の英語など聞き取れるはずもない。

どうやら食堂車のクルーのようで、レストランとか、ディナーとかいう単語と腕時計を指差すのでディナーの予約のことらしい。
向こうの言うままにイエス、イエス言っていたら、1枚のカードをくれた。

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クルーから渡された夕食の予約券。6:45からの第1グループ。

グループナンバーが1で、6:45と記入してある。夕食はこの券を持って食堂車にいけば良いようだ。

そのあと「ハロー」と女性のクルーがやってきた。
大声でノリノリな感じだ。

部屋のスイッチやベッドの説明など。
これも聞き取れるはずはないが、言わんとしていることはわかるので「イエス、イエス」とうなずく。

各部屋を一個ずつ同じように説明に回っていって、その度にノリノリの大声がするので、まだ回ってない部屋の客は何事かと思うだろうな。

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シカゴの市街地を過ぎると大陸的な風景になる。

この部屋は進行左側にあって、また右側通行なのですれ違う列車を見ることができる。
シカゴに近いせいか列車とよくすれ違うが、全て貨物列車だ。
それもそのはずで、今走っている線路は自社路線ではなく貨物鉄道会社の線路を走っているのである。

日本では旅客鉄道会社の線路を借りて貨物鉄道会社の貨物列車が運行しているが、アメリカは逆で貨物鉄道会社の線路を借りて旅客列車が運行されている。

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貨物列車の機関車。通過する駅は貨物駅ばかり。

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すれ違う列車は貨物列車ばかり。

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踏切を通過。

車窓はずっと畑作地帯が続く。コーン畑が多くてたまにジャガイモ畑が現れる。

広くて単調な景色だが、走行中の振動が激しいので意外とスピード感がある。
スマホのGPSスピードゲージで測定してみると130km/h前後で走行している。
ハイワサ号も同じ速度だったので、この速度がアムトラックの標準なのか。

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コーン畑が続く。


ネイパービル〜プリンストン間の車窓から。


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131km/hで走行中。

プリンストン着は16:52だった。時刻表通りならば15:44ということになっているが、シカゴの発車時刻が14:50に変更になっているので正確な時刻はもうわからない。

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プリンストン駅。

次は車内を見て回って行きます。

posted by pupupukaya at 15/01/23 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記10 カリフォルニアゼファー号車内探検

クルーの案内が終わったあと、車内探検をしてきた。
この列車の編成は寝台車4両、座席車3両それに食堂車、ラウンジカー、荷物車の客車10両編成となる。先頭には機関車が2両付いていて、この客車を牽引している。

 カリフォルニアゼファー号の編成
 機関車×2
Locomotive×2
荷物車
Baggage
寝台車
Sleeper
座席車
Coach
座席車
Coach
座席車
Coach
ラウンジ/売店
Lounge
食堂車
Diner
寝台車
Sleeper
寝台車
Sleeper
寝台車
Sleeper

 まずは我が寝台車。2階席は半分が両側に個室が並ぶルーメット、もう半分が側通路の2人用ベッドルームとなっている。
階下には身障者用のルーメットとファミリーベッドルーム、それにトイレとシャワールームが設置されている。

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2階ルーメットの通路。両側に個室が並ぶ。


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車内中央にある階段。

1階と2階を結ぶ階段は車内中央にある。
1階は主にトイレとシャワー室それに荷物置き場だが、客室もあって身障者用のルーメットとファミリーベッドルームがある。

ファミリーベッドルームとはその名の通り家族向けの個室で、定員は大人2人子供2人となっている。

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1階の通路。一番奥はファミリーベッドルーム。

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1階の荷物置き場。


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1階のデッキとドア。


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1階のトイレルームの通路。

トイレは1階に3か所、2階にも1箇所設けられている。洗面台も併設されているが飛行機の洗面台と同じようなタイプで、歯磨きには不自由ないが洗顔となると窮屈だ。ハンドソープとペーパータオルが備え付けてある。

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トイレと洗面台。

客車の階段を挟んだ反対側は2人用個室が並んでいる。広さも十分あって快適そうだ。ルーメットも定員は2人だが、1人ならば申し分ない広さだが2人だとかなり窮屈だろう。
ルーメットには無い洗面台も設置されている。

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2階の2人用ベッドルームの通路。ここは片側に個室がある。

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スーパーライナーベッドルームの個室。2人用だけあってゆったりしている。洗面台もある。

各車両を行き来する貫通路は2階にあって、1階どうしは行き来できない。
貫通路部分には自動ドアがあってプッシュボタンを押すと引戸が開く。ボタンは手元のほかに足元にもあって、これは足で蹴飛ばすためにあるのだろう。両手に荷物をもっていれば便利だ。

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2階の貫通路のドア。


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連結部分の通路。

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食堂車の厨房は1階にあって、2階席は全て食堂になっているので広い。ディナーまではまだだいぶ時間があるがクルーたちがテーブルセットで忙しそうだった。
ここはあとで食事で来ることになる。

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食堂車のテーブル。まだ準備中。

食堂車の隣がラウンジカーになっている。寝台車、座席車どの乗客も利用できるフリースペースだ。景色を眺めるために窓側に向けられた座席が並ぶ。奥の方には4人掛けテーブル席もあった。

窓も大きく眺めが良いせいか人気で、空いている席は無かった。

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ラウンジカー。天井にも窓があって明るい。

ラウンジカーの1階はカフェになっている。こちらもフリースペース。売店もあって軽食やスナック菓子、飲み物を売っている。

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ラウンジカー1階のカフェコーナー。奥は売店。

ラウンジカーの向こうは座席車(コーチ)となっている。寝台車がファーストクラスとすればこちらはエコノミークラスといったところ。
座席は日本のグリーン車並みにゆったりしているが、2晩3日これで乗り通すのはかなり忍耐がいるだろう。

寝台車の客と違いカジュアルな装いの人が多い。途中駅で乗り降りする区間利用者が多いのと思われる。

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2階のコーチ(座席)車。

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荷物も少なくカジュアルな装いの人が多い座席車。

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1階のコーチ車と荷物置き場。

posted by pupupukaya at 15/01/24 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記11 カリフォルニアゼファー号1日目の夜

車窓は相変わらずコーン畑が続く。山は全く見えないが土地は平らというわけではなく、緩やかな起伏がある。

ときどき町が現れるが、昔は駅があったのだろうが今は停まる列車も無くなったようで撤去されているか、あっても貨物駅である。

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ゲイルズバーグ手前で交差する線路。立派な複線だが、たぶん貨物線。

プリンストンを出てから1時間くらいでようやく大きい町が現れた。
踏切をいくつか通過するとゲールズバーグ駅に停まる。17:51着だった。

ゲールズバーグ駅は、ここからロサンゼルスに向かう『サウスウエストチーフ』号と、クインシーまで行く『カール・サンドバーグ』『イリノイズゼファー』号、それにこのカリフォルニアゼファー号がそれぞれここで分かれる駅である。

三分岐するジャンクション駅なので大きな駅かと思ったが、こじんまりした駅だった。
車内に置いてあったルートガイドによると”重要な鉄道の街”とあった。

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ゲールズバーグ駅手前の踏切。

18:35頃にミシシッピ川の鉄橋を渡る。
河口からは1000km以上上流に位置するが、さすが北アメリカで一番長い川だけあって川幅は広い。

ずっと単調な景色が続いているので、1日目の一番見どころはこのミシシッピ川鉄橋だろうか。

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ミシシッピ川の鉄橋を渡る。

18:45にバーリントンに着いた。ここからアイオワ州になる。

車内放送があって「〜ダイニングカー、シックスフォーティーセブン〜」と聞こえたので食堂車に行く。
待ちに待ったと言いたいが、食堂車は見知らぬ人と同席で、しかもこちらは英会話などさっぱりなので気が重い。

食堂車は2両先にある。通路は1回目のディナータイムへ向かう人がいてそのあとに続いて行く。

食堂車の入口では数組の行列ができていた。勝手に空いている席に着くのではなく、中でクルーに席を指示されるらしい。しかし列はさっぱり進まない。

ようやく自分の番がきて、ディナー券を見せて席に案内してもらう。テーブルには既に3人の先客がいた。


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ディナーの食堂車。

「ハロー」と言って席に着く。2人は年配のアメリカ人(かはわからないが多分)夫婦。もう一人は日本からの学生さんだった。
大学4年生で就職も内定し、最後の学生生活ということでアメリカ旅行をしているとのこと。

ワシントンD.Cに着いてシカゴまでも列車で来たというから鉄ちゃんかと思ったが、そうではないらしい。

アメリカ人夫婦を交えて軽く自己紹介する。

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ディナーのテーブル。ナプキンや皿がすでに並べられている。

とりあえず一安心といったところで車内を見回すと、客の年齢層はかなり高めだ。
勤めを退職した人たちがクルーズを楽しんでいるように見える。

まだ何も注文していないが、しばらくしてサラダと籠に載ったパンが運ばれてきた。
クルーからアンケートのような用紙が渡される。全員何かというような顔をするが、注文は希望の物をチェックボックスに印をつけるようにということらしい。


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最初に出てきた前菜のサラダ。


わかりやすくて良いが、税関申告書のようで味気ない。
ステーキの欄があったので印をつける。ポテトはベイクドとマッシュがあってベイクドに、それにチョコレートデザートに印をつけた。
実は隣席のおばさんの真似して書いただけだけど、エヘ。

ドリンクはなぜか全員水になった。ディナーなのでお酒を飲みたいが誰も飲まないのに一人だけ飲んでもしょうがない。

大学生の彼はさすがに流暢な英会話で、同席の夫婦と英語で色々話しに花が咲いている。
こちらは話にへ入れるはずも無く、トホホ・・・だねこりゃ。

だけど彼がしゃべっているぶんこちらは黙っていられるので大変助かった。

他所のテーブルを見ると、どこも和気あいあいと話が盛り上がっているようだ。

それにしても注文書に書いて渡した品は一向に出てこない。このテーブルだけ忘れられているのではなく、どのテーブルもまだ運ばれてきていない。

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ディナーの注文用紙。

あまりに遅いのでどうしたのかと皆顔を見合わせる。
クルーが通りかかったので隣のおばさんが尋ねるが、クルーはジョーク交じりで答えると皆苦笑した。

ディナー自体が中止になるわけではないので気長に待つしかないのだろう。

ようやく料理が運ばれてきたのは注文書を渡してから1時間以上経過してからだった。ほかのテーブルにも料理が運ばれだしたので、厨房も少しずつ動き出したようだ。

さて、アムトラック名物のステーキである。
これが意外と小さい。アメリカなので3人前はあるんじゃないかというような大きい肉を想像していただけに、ちょっと拍子抜けだ。
そのかわりに付け合せのポテトはたくさん盛られている。
ポテトはベイクドポテトにしたはずなのだがマッシュポテトになっていた。まあいいや。

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メインディッシュのステーキとマッシュポテト。

肉は柔らかくて上等の肉のようだ。味付けは薄く、脂身も無くあっさりしている。

あまりに淡白すぎてちょっと物足りなかった。アメリカの料理は量もカロリーもが多いからと思って昼も食べなかったのだが。
アメリカの上層の人の食事はこんなふうに案外と質素なのかもしれない。

逆に経済的に下層の人々がジャンクフードによる肥満が社会問題になっているほどだ。

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デザートのチョコレートケーキ。

食べ終わると程なくデザートが出される。スポンジケーキで上にチョコレートソースがかかっている。これでフィニッシュ。

お酒は、周りを見ると飲んでいるテーブルもあるが飲んでいない人が圧倒的に多い。ドイツならばビールのジョッキが並んで乾杯となるんだろうなと思った。ここでは酒飲みにはいまひとつ冴えない。健康的だけど。

ところで、大学生のSさんとアメリカ人夫婦との会話の中で『チップ』の話が出てきた。
別に英会話ができなくても彼らがどんな話をしているかくらいはなんとなくわかる。

寝台車の客は食事は無料だが、マナーとしてチップを置いていかなければならない。
チップの習慣がない日本人にはぜひ知っておきたいところだが、それでいくら置くかという話になったようなのだが、アメリカ人夫婦はなかなかはっきりとは言わず答えを渋る。

それはそうだろう、チップなんてのはあくまで心づけであって、金額が決まっているわけではない。相手によって、サービスの内容によって変わってくるだろうし、ここでは○ドル置けばいいのよなんてはっきり教えてはくれないだろう。
アメリカ人夫婦はしぶしぶ5ドルくらいと答えたようで、Sさんは「5ドル置けばいいようですよ」と言った。

そろそろ部屋に戻りましょうかということになり、Sさんと私は言われた通り5ドル札を置いて席を立った。

時刻は20:40になっていた。待ち時間が長かったがSさんたちの会話も楽しそうだったし、私は黙っているのが好きなのでそれなりに楽しいディナーだった。

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セットされたベッド。

部屋に戻る。線路近くには家も道路も無いのか窓の外は真っ暗闇だ。
照明を消すと遠くの家々の灯りや月明かりに照らされた山の稜線などが見える。

持ってきたウイスキーで一杯やるかなと思っていると客車のクルーがベッドメークにきた。座席を引き出して、折りたたんである上段ベッドに置いてあるシーツなどを下ろしてベッドになった。
クルーにチップとして1ドル渡す。1ドルに根拠は無いが、『地球の歩き方』にルームサービスは1〜2$と書いてあったので。

部屋中がベッドになってしまうと足を降ろす場所も無い。ウイスキーを飲んでさっさと寝ようかと思ったが、ラウンジカーに売店があったのを思い出した。まだ寝るには早いしちょっと行ってみることにした。


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ラウンジカー1階の売店へ。

今は9時半くらいだが、売店は混んでいて何人か並んでいる。座席車の客だろう、軽食を買って持ち帰る人が多い。メニュー表をみると軽食はホットドッグやハンバーガーなど。
食堂車は座席車の人も利用できるが基本寝台車の客が優先だし、停車中に駅で何か買えるわけではないので食べ物も飲み物もここでしか手に入らない。

自分の番がきたのでビールを2缶買う。1缶5ドル。


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売店で買ったビール。キンキンに冷えている。

2階のラウンジカーは昼間とは違って空いている。減光されていて薄暗いがそのぶん窓から夜の景色が良く見えるし雰囲気も悪くない。

窮屈な座席車からの人だろうか、さっきのディナーと違って若い人が多い。
ラウンジカーの椅子にに座ってビールを飲んでいると、やっと夜汽車に乗っている感じがしてきた。

離れた席にいるグループの一人がギターを弾いて『カントリーロード』を歌っていた。


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1階にあるシャワールーム。

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石鹸とタオルは備え付けてある。シャンプーは無い。

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タオルは使用後は別の籠に入れる。

ラウンジカーから戻る途中でシャワーを浴びてきた。各車両に1箇所あって、寝台車の客は自由に使用できる。
車内は冷房がガンガン効いているので汗ばむことはないが、軽く浴びるとさっぱりする。

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寝酒のウイスキー。


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ずっと追いかけてくる月を見ながらおやすみ。

こうしてカリフォルニアゼファー号1日目は無事終わった。
おっと、もう一つ腕時計の針をを1時間戻す。途中でタイムゾーンが変わり、今までは日本との時差は14時間(夏時刻)だったが、明日からは15時間となる。

アメリカでは列車の時刻や食堂車の予約時間などすべて現地時間で運用されているので時計を合わせていないとアレッ?ということになってしまうので注意が必要。

posted by pupupukaya at 15/01/24 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記12 カリフォルニアゼファー号2日目

夜行列車の旅はいいもんだ。暗闇の中を走り続け、翌朝には遠い土地に運ばれているというのがとても良い。
特に寝台車は横になってゴトゴト揺られていると気持ち良く寝られる。

おかげでよく眠り、目が覚めると外はすでに明るくなっていた。列車は全速で走行中という感じで、相変わらず細かい振動が続いている。

外を見ると昨日と変わっていて荒涼とした車窓になっていた。
人家も見えず、山も無く、地平線の向こうまで草原がずっと広がっている。平原とか草原というより大平原とか大草原という言い方が当てはまる。

昔札幌から稚内まであった急行利尻号がこんな感じだった。目覚めるとこんなような景色のサロベツ原野を走っていたのを思い出した。

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朝焼けの大草原を走り続ける。

いまは朝6:15で、定時運転ならばあと1時間でデンバーに着くころだが、昨日の夜で1時間以上遅れていたようなのでフォートモーガンのあたりだろうか?フォートモーガンの定時発時刻は5:05である。

カリフォルニアゼファーの朝 フォートモーガン付近の車窓から

このあたりはグレートプレーンズと呼ばれるロッキー山脈東側に南北に広がる内陸の平野で、面積は日本の3倍以上もある。
グレートプレーンズは日本語で大平原と訳されるが、地平線まで果てしなく続く草原はまさに大平原にふさわしい。

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大平原に朝日が昇る。

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人家ちかくでは牛が放牧されている。

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各寝台車に設置されたコーヒーポット。ジュースもある。

トイレに行く途中、階段の横に昨日は無かったコーヒーポットが置いてあった。寝台車の客は自由に飲むことができる。
紙のコーヒーカップに注いで部屋に持ち帰って早速モーニングコーヒータイム。

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7:20ごろ車内放送で「ブレックファースト〜」と言ったようなので食堂車へ行った。
ここもクルーの指示でテーブルに着く。

今回は夕食時と違って注文票に記入するのではなくメニューを見て普通に口頭で注文する。
朝食の定食は3種類あって、メニュー一番上のスクランブルエッグを頼んだ。
ソーセージかベーコンか聞かれたのでソーセージにした。

3人連れと相席になった。主人と奥さんその友人という感じだった。テーブルに着くと自己紹介をするのが恒例のようで、名前と日本から来たというようなことを言った。
3人は「オー、ジャパン」と驚いたようなアクションだった。

しばらく黙っていたが、主人が話しかけてきた。

「Do you speak English?」
「No,Japanese only」
と正直に答えた。

どうしたわけか車の話になって、主人が自分はトヨタ車に乗っている、彼女も彼女もトヨタ車だ。私の車はホンダと言うと、主人は日本車は素晴らしいというようなことを言った。
英会話ではなく単語とジェスチャーだけのやり取りだが結構通じるものだ。


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食堂車の朝食風景。

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スクランブルエッグ定食。

夕食の時と違って今度はすぐに運ばれてきた。

スクランブルエッグ、ローストポテト、ソーセージ、スコーンが一皿に載っている。ソーセージはハンバーグのような形をしているが、ブレックファースト・ソーセージといって腸詰めしていないタイプのものらしい。

これも意外と少量で、あっという間に食べ終わった。
えらく気に入られたのかグッバイと言うと、握手をして肩を抱き合って席を立った。

部屋に戻って、またコーヒーを飲みながら車窓を眺める。
目が覚めてから見渡す限り地平線の風景が続く。大陸を実感した。

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デンバーの摩天楼が見えてきた。

草原ばかりだったが少しずつコーン畑や麦畑も増えてきた。
車窓には家並も見えるようになった。デンバーだ。

定時刻ならばデンバーで50分停車となっている。
地図ではこの列車はデンバーで進行方向が変わることになっている。きっと機関車交換で長時間停車なんだなと思っていた。

だんだん並行する線路が増えてきて、機関車や貨車がたくさんある操車場のようなところを通過する。

列車は駅ではないところで停止した。しばらくするとバックで動き始めて、そのままホームに進入した。
なるほどバックで駅に入れば機関車が先頭で出ていけるので機関車交換の必要はないわけだ。

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バックでホームに進入する。

さて、デンバーは長時間停車なので降りて街を見てこようかと思ったのだが、列車も結構遅れている。
すぐに発車するかもしれない。

定時刻ならばデンバー着は7:15だが、実際の到着時刻は9:16になった。既に2時間も遅れている。

ちょっとホームに降りてみたら、乗客たちが大勢ホームに出ている。ほとんどの人は軽装で荷物も持っていない。どうやらしばらく停車するようだ。

また車内に戻って、クルーがいたのでデンバーの発車時間を質問した。
クルーは答えたが、うーん聞き取れない・・・

手帳とボールペンを出して書いてもらった。大事なことなので聞き間違えたら一大事だ。

「11:30 Be back」と書いて渡された。11時半までに戻ってこいと言うことだ。
「オーケー、サンキュー」と礼を言ってまた外に出た。

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デンバー駅のホームとカリフォルニアゼファー号。

しかし、11時半に発車するとなると2時間以上も停車することになる。
デンバーの定時発時刻は8:05なので、ここで3時間以上の遅れだ。
鉄道のダイヤはあまり正確ではない国だし、終点から乗り継ぐわけではないので遅れるのは構わないのだけど、翌日のサンフランシスコ到着が夜遅くになるのは嫌だなと思い始めた。

心配したところでどうにもならないことだし、せっかくだからデンバーの街を見物してこよう。

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デンバーのダウンタウン。高地のためか空気が澄んでいる。

デンバーはコロラド州の州都で、人口は約63万人。
ロッキー山脈の麓にある標高1600mの場所に位置する高地の、気圧が低い土地柄のため、ゴルフや野球ではほかの場所よりも飛距離が10%ほど伸びるといわれている。

ユニオン駅はダウンタウンの北端にあって、駅からは16番ストリートモール(16th Streer Mall)という代表的な通りが伸びていて、一般車は通れない歩行者とバスだけのトランジットモールになっている。
通りを走るバスはフリーモールライドと言って無料で利用できる。結構本数もあるようで、歩いていると頻繁に見かけた。

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16番ストリートモールと時計塔のD&Fタワー。

青空が広がった良い天気で、強い日差しは歩いていると溶けてしまいそうになる。
しかし空気は乾燥しているようで、日影に入るとすぐに汗は乾いた。標高1600mは高原のような空気だ。

通りは旅行者とわかる人が多いが、一見ビジネス風の人も結構歩いている。道路工事もやっていて作業員たちが働いてる。
そういえば今日は月曜日だったなと思いだした。

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ウシの置物。

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ストリートモールを走る無料バス『フリーモールライド』。

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ライトレール(路面電車)も走っている。

デンバーのランドマークになっている熊のオブジェを見たくて探してみたが見つからなかった。『地球の歩き方』に載っていたのだが、重たいから車内に置いてきたのだが持って来ればよかった。


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16番ストリートモールとライトレールの電車。

ライトレールの線路が交差するあたりまで行ってまた駅まで歩いて戻ってきた。

デンバーは街並みも整っていて清潔でなかなか良いところだ。


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石造りの風格あるデンバー・ユニオン駅。

デンバー・ユニオン駅は石造りの風格ある駅舎で、1880年に建設、1914年に現在の形に改築された。
鉄道の繁栄した時代を象徴し、デンバーの玄関口と言わんばかりに街の正面に向けて堂々とそびえ立っている。

1920〜1930年代は1日80本もの列車が発着していたが、第二次大戦後は旅客輸送は自動車や航空に移ってしまったので列車はどんどん削減され、現在この駅に発着する列車はカリフォルニアゼファー号1往復のみ。

それでも近年は駅裏にライトレールが乗り入れ、また地下バスターミナルもできたのでデンバーの総合ターミナルとなった。
駅舎やホームも大改修工事が行われたようで新しくなっている。


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吹き抜けのホール。

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バーになっている場所は昔はきっぷ売り場だったようだ。

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こちらは片隅にある本物のきっぷ売り場。



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ユニオン駅の時刻表。列車はカリフォルニアゼファー号1本のみ。


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デンバー停車中。

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ユニオン駅のホーム側。

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広くて明るいホーム。

ユニオン駅のホームも大改修工事が終了して間もないようで、新しくなっている。
工事中は1面1線の仮設ホームだったようだが、完成したホームは4面6線の堂々たる構えだ。各ホームは跨線橋と地下道で結ぶほか、頭端式ホームなのでホーム同士でも行き来できる。

4面6線のホームは列車は1日1往復しか発着しないのにあまりにも過剰設備な気がする。

地下道はまっすぐ行くと地下バスターミナルにつながっていた。


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シカゴからデンバーまで連結されてきたレトロ車両。

シカゴ駅で最後部に連結されていたレトロ車両はここデンバー駅で切り離されていた。
古めかしいけど貴賓車のような風格があって、オープンデッキには「チェサピーク・アンド・オハイオ鉄道」「チャペルヒル」と書かれたトレインマークが付けられていた。

何かのイベントに使われるために回送されてきたのだろうか?まさか個人所有の客車?


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レトロ車両のトレインマーク。



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無骨な最後部。


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客車のドア。

街を歩いてきて駅の中も歩き回ってきたが、まだ発車まで30分以上ある。
デンバーの停車時間は2時間30分近くもあるわけで、さすがに長すぎる。途中でなにかあったのだろうか。

車内に戻ると、そんなことは大したことではないと言う感じで乗客たちもクルーもゆったりと過ごしていた。

posted by pupupukaya at 15/01/25 | Comment(2) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記13 カリフォルニアゼファー号2日目その2

デンバーの停車時間は定時運転ならば50分だが、2時間半にも及ぶ停車時間になった。当初の時刻変更からさらに遅れを増してしまったが、おかげでデンバーの街を歩いてくることができた。

11時半ごろ車内に戻る。ホームには団体旅行の一行など大型スーツケースを持った人が行き交う。デンバーからこのカリフォルニアゼファーに乗る人も多い。

デンバーは駅に掲示のあった通り11:45に発車した。定時ならば8:05発なので、この時点で3時間40分遅れになる。

デンバーからはカリフォルニアゼファー号の一番の見どころであるロッキー山脈越えが始まる。

ルーメットの自室にいたのでは片側しか景色が見えないので眺めの良いラウンジカーへ行った。

ラウンジカーは見事に満席。そりゃそうだ、これから一番の絶景区間とあってはみんな早くから陣取っていただろう。

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ロッキー山脈越えを控えてラウンジカーは大盛況。


また部屋へ戻るかどうしようかと思っていると食堂車のランチタイムの放送があった。乗客のみんなは絶景に釘づけだろうし今だったら食堂車も空いてるだろうと思って先にランチにすることにした。

テーブルはいくつも空いているが、クルーは相席になる様に席を指示する。
今回のテーブルは向かいに母娘2人連れ、隣は自室のルーメットの通路挟んだ向かいの部屋のおっさんだ。

私はスペシャルサンドイッチ、他の3人はハンバーガーを注文する。
おっさんも母娘もあまり観光旅行というなりではない。飛行機嫌いか、何か事情があって列車移動というところか。

そんなわけで会話はほとんど無く、逆に居心地が良かった。おっさんも寡黙な人で”幸福の黄色いハンカチ”で演ずる健さんみたいだ。


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昼食のホットドッグ。付け合せはポテトチップス。

『スペシャルサンドイッチ』はホットドッグだった。付け合せのポテトチップは車内で揚げたようで暖かい。
レタスやトマトがどっさり載っていて食べずらいが、ケチャップをかけてかぶりつく。

草原の大カーブを列車は走っていて、先頭の車両が車窓に現れたり、草原の下に今通ってきた線路が見える。
リトル・テン・カーブ、ビッグ・テン・カーブと呼ばれている登坂のための急なS字カーブだ。その向こうには高層ビルが建ち並ぶデンバーの摩天楼がうっすらと見えている。
S字カーブを通る度に摩天楼は車窓の右へ行ったり左に行ったりする。

幾度ものカーブと坂で標高が高くなると、グレートプレーンズと呼ばれる大平原の雄大な景色が広がった。

残念ながら、一番絶景の見どころは食堂車にいたので画像はありません。

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デンバーと大平原を一望する。プレインビューと呼ばれている。

ランチは早々に食べ終えて、またラウンジカーへ行った。相変わらず満席で大盛況だ。食堂車と違って缶ビール片手の人も目立つ。
車両中央に今は使用していないバーみたいな場所があって空いていたので、そこに立って景色を眺める。

ラウンジは2階にあって、窓が天井まで回り込んでいるので明るく開放感があって、景色を見るには良い。
座席も景色を見るために窓側に向けて並んでいる。奥の方は食堂車のようにテーブル席もあった。

大平原の地平線はだんだん遠ざかって行って、崖っぷちやトンネルが多くなり、ロッキー山中の渓谷へと入って行く。

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ロッキーの渓谷を行く。”世界の車窓から”のような眺め。

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だんだん小さくなって行く大平原。

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けわしいロッキー山脈の峠道を登る。 

30分ほど立って景色を眺めていたが、席も空かないし疲れてきたので部屋に戻ることにした。1階の売店で缶ビールを買ってきて部屋で飲んだ。

スマホのGPSで測定すると高度2700m、時速は47km/h。デンバーから約1時間で1000m以上登ってきたことになる。

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ラウンジカーは天井まで窓があって開放的。

14時頃、長いトンネルに入る。
モファットトンネルという名前でロッキー山脈の尾根を貫いている。長さ約10kmで1928年に開通した。
ここが大陸分水嶺となって、大西洋に注ぐ川と東側の太平洋に注ぐ川とに分かれる。

トンネルが開通する前は、急勾配のループ線やスイッチバックが連続する旧線で、標高3500mのロリンズ峠まで登って尾根を越えていた。
険しくアツいルートの廃線跡は道路として残っているので、グーグルアースなどで確認することができる。


トンネルを抜けたところがウインターパークというリゾート地になっていて、リゾートマンションや別荘が立ち並ぶ。スキー場もあって、冬は賑わうのだろうが今はひっそりとしている。
上越新幹線の越後湯沢みたいな所だ。

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長いトンネルを抜けるとスキーリゾート地ウィンターパークがある。

車掌の車内放送があって、次のフレーザー・ウィンターパーク駅では5分停車すると言った。と言っても、「ファイブ ミニッツ」と聞こえたので5分停車だろうと思っただけだが、停車すると車内の乗客たちがぞろぞろとホームに降りたので間違いないだろう。

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フレーザー・ウインターパーク駅でしばらく停車。

5分間停車とはいえ、ずっと乗りっぱなしにとっては貴重な気分転換のタイムで、乗客もクルーも降りて外の空気を吸う。
車内は全車禁煙なので、スモーカーにとっても貴重な喫煙タイムになる。

標高2600mの高所なので寒いかと思ったら意外と暖かい。車内の気温とそう変わらない。もっとも車内は冷房がガンガン効いていて寒いくらいだったが。

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5分間停車のホームは外に出た乗客でしばし賑わう。

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ホームと三角屋根の上屋だけの無人駅。

空気は澄んでいて、周りの景色や町も高原の雰囲気。そのかわり日差しがこれでもかというほどきつい。

発車時刻になると車掌が掛け声を叫んで合図した。

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発車時刻が近づくと車掌が乗車するように叫ぶ。「All aboard!」

発車してから最後部の車両に行ってみた。貫通路には小さな窓があるが、この窓は黒い油のシミがだらけであまり良く見えなかった。汚れの少ない部分にデジカメのレンズを押し当てると、サマになる写真が撮れた。

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フレーザー川に沿って走る。最後部の窓から。

グランビーからはコロラド川がしばらく車窓の友となる。
コロラド川はロッキーマウンテン国立公園に流れを発し、メキシコのカリフォルニア湾に注ぐ2300kmもの長い川だ。

この川の水はアリゾナ州であの有名なグランドキャニオンを形成するが、ここはそのずっと上流に位置する。

グランドキャニオンほどではないが険しい渓谷もいくつかあって、絶景が続く。
ずっと飽きることなく車窓を眺めていた。この区間は進行左側の部屋がオススメだ。

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渓谷沿いを行く。カーブの向こうに姿を現した車両。





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貨物列車とすれ違う。

渓谷はさらに険しくなって、カーブでは車輪をキーキーと軋ませながら走る。
ゴア・キャニオンと呼ばれる。

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ゴア・キャニオンと呼ばれるコロラド川の渓谷沿いを行く。

垂直に近い崖は、岩肌むき出しで切り立っている。よく崩れないものだと思う。日本と違って地盤が安定しているからこれで十分なのだろうか。
それにしても列車が通過中に崩れたらひとたまりもないな。


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垂直の崖とトンネルが続く。


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垂直に切り立った岩肌の下を行く。崩れないんだろうか。


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谷間が広くなって開けてくる。

進むにつれて雲が厚くなって薄暗くなってきたが、途中で雨が降り出した。

6時頃、食堂車のクルーがディナーの予約を取りに来た。昨日と同じ18:45からのファースト(1番)に入れる。

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本格的に降り出した。雨に煙るコロラド川。

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列車最後部から。

険しいコロラド川沿いを延々と走って、グレンウッド・スプリングス駅に到着。ここで10分停車になるのでまたホームに降りた。
スモーカーたちは待ってましたとばかりに煙をくゆらせる。スモーキングストップとでも言うところか。

シカゴからの距離は1968km、ここが距離的にはカリフォルニアゼファー号のほぼ中間点になる。

ここはスプリングスの名前の通り、世界最大の天然ミネラル温泉があるリゾート地で下車客も多い。
また石造りの立派な駅舎もあって、デンバー以来の有人駅でもある。

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グレンウッド・スプリングス駅、ここで10分間停車。

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石造りの歴史ある駅舎があって、デンバーを出て以来の町らしいところだった。

グレンウッド・スプリングスを出ると山岳区間も終わって次第に開けてきた。
さっきまで雨が降っていたのか、進行方向と反対側には虹が出ていた。何となくメルヘンチックな風景だ。

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雨が上がりの虹が追いかけてくる。

18:45になって車内放送でディナーの案内があったので食堂車へ行く。
クルーに予約券を渡して席に案内してもらう。

また大学生のSさんと同席になった。向かいはカナダから来たという夫婦で、すでに仕事はリタイアして旅行を楽しんでいるとのこと。

席に着いて程なくサラダとパン、それに注文票がやってきた。
テーブルの上にはバターの籠とドレッシングの籠が置いてあって1つずつ取る。

2回目のディナーなのでこちらも余裕がある。

昨日はステーキだったので今日はシーフードにしてみた。Sさんはローストチキンにしたようだ。

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2日目のディナー。最初に出てくるサラダとパン。

メインディッシュが来るまでは会話タイムとなる。

私は人見知りが強くて、どうもこういう場は苦手でしかも英会話もさっぱりなのだが、英会話のほうはSさんがカナダ人夫婦の相手をしてくれるので気が楽だ。
たまにこちらにも話を振られるが、ニコニコしながら一言二言返答する。

メインディッシュが運ばれてくるまで約1時間。よくもまあ話が続くものだと感心する。コミュニケーションの力がある人はさすがだね。

さて、シーフードだが、白身魚(タラかな?)のソテーが2枚と付け合せはインゲンとライスだった。

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シーフードのメインは白身魚のソテー。付け合せはライスだった。

向かいの夫婦はステーキだった。となりのSさんのローストチキンのデカいこと。そっちにすれば良かったかな?

白身魚もライスもバターが多用されているようで意外とこってりしている。塩味だけなのか何か物足りない。醤油をひと回しかけたくなったが、まさか持参するわけにもいくまい。

デザートはストロベリーソースのかかったアイスクリーム。これはさっぱりして美味しかった。これでフィニッシュ。
向かいのカナダ人夫婦が先に席を立った。

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デザートのアイスクリーム&ストロベリーソース。

突然、Sさんが大きくため息をついて「疲れました」と言った。

彼は英語が堪能だと思っていたが、大学生の彼にとってはずっとプレッシャーだったらしい。
ここ(食堂車)の人たちは親切で分かりやすく話してくれるが、町の人たちの英語は難しくて早口で聞き取れない。ホステルの相部屋でも難しい英会話で大変だったとこぼした。

私がろくに英語もわからず一人で旅行していると知ると、「よく一人で来れましたね」と言った。

そろそろ戻りましょうかということになって、またチップの話になる。
今朝と昼に食堂車に来たが、他の客を見ていると大体1ドル札2枚くらい置いていた。チップを置かない人もいたようだ。
だから2ドルでいいんじゃないかと彼に話した。

他のサービスのチップについては諸説あるようだが、ケチだと思われたくないのと言葉がわからないのでせめて気前よく渡したい。

部屋に戻ったのが20:25だった。

窓の外は真っ暗。グランドジャンクション駅はいつの間にか過ぎていてこの辺りからユタ州のはずだ。定時運転ならばまだ明るい時刻に走っていた場所だ。
また部屋を出てラウンジカーへ行った。1階の売店でビールを買って2階のラウンジで過ごす。

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また夜のラウンジカーへ。

薄暗いが手元は見えるし本くらいは読める。
ビールを飲みながら今日の出来事などをメモ帳に書く。その内容は後に旅行記ブログの文になるのだが・・・

夜のラウンジカーは座席車の人が多い。マナー違反なのかさすがに寝ている人はいない。
寝台車の人たちは格好こそカジュアルだが、やっぱりハイソサエティ―な感じの人が多くて何となく性に合わない。座席車の人たちのミドルクラスな感じの方が性に合っている。
だから、食堂車よりこちらのラウンジカーの方が気に入っていた。

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ヘルパー駅に停車。街灯りが見えるとなぜかほっとする。

部屋に戻るとベットがセットされていた。

これで寝台車の旅も最後だなと思いつつ、夜汽車の旅情に浸りながらウイスキーを飲んだ。

寝る前に腕時計を1時間遅らせる。明日からはまた時差が−1時間となって、太平洋時間帯になる。

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ルーメットの寝台でくつろぐ。

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月夜の下を並走するトラック。

posted by pupupukaya at 15/02/01 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記14 カリフォルニアゼファー号3日目その1

朝6時少し前に目が覚めた。2泊3日目の朝だ。
ユタ州は夜中に通り過ぎて、ここはネバダ州になる。

昨日は山岳部時間帯だったが、今日からは太平洋時間帯となり日本との時差は16時間となる。
時計を1時間遅らせた分、長く寝ていられるというわけだ。
反対にシカゴ行列車だと毎日1時間ずつ進めるので、その分睡眠時間が短くなる。

1列車で2回も時差を迎えるのも初めての経験だ。

昨日もそうだったが、朝は荒涼とした風景の中を走っている。空は昨日とは違って雲が覆っていた。

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カリフォルニアゼファー2回目の日の出。

6:20、地平線の向こうから朝日が少しずつ顔を出してきた。
このあたりはロッキー山脈とシエラネバダ山脈の間にある巨大な盆地で乾燥地帯になっている。標高も高くて、1000m以上の高地になっていて『グレート・べースン』(大盆地)と呼ばれている。

トイレとモーニングコーヒーのために部屋を出ると、向かいの部屋のおっさんがいつの間にかいなくなっていた。昨夜は居たようなのでソルトレークシティで降りたのだろうか。
ソルトレークシティは定時ならば23:05着だが、この列車では真夜中の3時ごろに着いているはずなので降りたらどうしたのだろうか。

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ベッドで2回目のモーニングコーヒー。

7時過ぎに食堂車に行く。
同席となったのは熊本からきたという日本人の夫婦だった。ほかに日本人が乗っているとは全然気づかなかった。座席車の向こう側の寝台車に乗っていたとのこと。

Sさんも同じテーブルに来て、久々に日本語での会話になった。

今日の朝食はパンケーキにした。ベーコンかソーセージか訊かれ、ベーコンにした。

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バターミルクパンケーキ。付け合せはベーコン。

パンケーキは日本で言うホットケーキで、バターとメイプルシロップで食べる。ベーコンはカリカリに焼いてある。甘いホットケーキと塩辛いベーコンとの組み合わせが妙だった。

また部屋に戻ってコーヒーを飲みながら車窓を眺める。

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並走するトラックとセスナ機。

10:30ごろ食堂車からブレックファースト終了とのアナウンスがあった。

乾燥地帯のためか砂地に低木がチョボチョボと生えるステップ気候の景色は昨日とはまた違っていた。

行けども行けども同じ景色ばかりで、普通の人なら飽きてくると思うけど、ずっと飽きずに車窓を眺めていた。
こんなすごい景色日本じゃ絶対体験できないから。

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ウィネマッカ駅。

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ずっとステップが続く。砂地に低木がチョボチョボと生えている。

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草木も無い砂漠。


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昔は湖で干上がったのだろうか。白くて平らな塩の砂漠。

いくつもの砂漠を越えてリノに到着した。ここで10分停車となる。

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リノ駅に到着。リノはギャンブル好き憧れのカジノシティ。

リノは言わずと知れた人口23万人のカジノシティ。カジノの規模はラスベガスに次ぐ。
しかしホームはコンクリートの壁に囲まれた半地下のようなところにあって、街を見ることはできない。

駅はホームから入った地下にあって、待合室にはベンチがたくさん並んでいるがガランとしている。
この駅も発着する列車はカリフォルニアゼファー号1往復だけだ。

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リノ駅で10分停車だが半地下のようなホームでは開放感に欠ける。

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ガランとした待合室。ここも発着する列車はカリフォルニアゼファー号のみ。

リノは12:27に発車した。定時刻は8:36なので若干回復したようだが、依然として4時間近く遅れている。
エメリービルからバスに乗り継いでサンフランシスコに着くのが17:35の予定だから、着くのは夜10時近くになってしまう。
ダウンタウンのバス降り場近くのホテルを予約しておいて良かった。

リノを発車してすぐにランチタイムの放送があったので食堂車に行く。

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ランチの食堂車。

このランチがカリフォルニアゼファー号での最後の食事になる。
相席になったのはドイツ人らしい2人連れ。なぜわかったかと言うと話声がドイツ語っぽかったから。もう一人も英語圏の人ではなくヨーロッパのどっかから来たようだ。

言葉もバラバラなので軽く挨拶した以外は特に話も無く、気が楽。

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すでにナイフやフォークが並べられたテーブル。ドリンクはアイスティー。

昨日食堂車のランチで同席の人たちが食べていたのがおいしそうだったので今日はハンバーガーにした。
メニューの表記は『アンガス・ステーキバーガー』。これもピクルスと揚げたてのポテトチップが添えられている。

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上にチェダーチーズが載ったアンガスステーキバーガー。

上に溶けたチェダーチーズが載っていて結構ボリュームがある。味付けは無いので籠にあるケチャップをかけてパンズで挟んでかぶりつく。
おいしいが包み紙が無いので手が汚れるのが珠にきず。

食堂車から戻ると、トラッキー駅に停まった。ここからはカリフォルニア州になる。
そろそろサンフランシスコも近いと思われるだろうが、これからシエラネバダ山脈の2000m級の峠を越えなければならないので、ここからまだ6時間以上かかる。西海岸はまだまだ遠い。

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トラッキー駅からシエラネバダ山脈越えになる。駅前は開拓時代の面影が・・・

トラッキーを発車すると本格的な山越えだ。スピードが落ちて、シエラネバダ山脈の山中へと入って行く。
昨日のロッキー山脈越えのような絶景は無いようだが。

右側に湖が見えてきた、これがドナー湖だ。

向かいの部屋は、おっさんがいなくなって空き部屋となっていたので、勝手に入って景色を眺めさせてもらう。まさかもう乗ってくる人もあるまい。

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ドナー湖を下に見ながら列車は山を登って行く。

静かな湖面と美しい湖畔が列車からも見える。
ここは昔、ドナー峠事件の舞台となったところで、1846年の冬にカリフォルニアに向かう開拓民の幌馬車の一行が雪の中で遭難したという事件だ。87人のうち生き残ったのは47人だけだった。

あまりの悲劇というか悲惨な実話なので詳細は記さないが、興味のある人はドナー事件やドナー隊の悲劇で検索してみるとよいです。

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ドナー湖の対岸に見えるハイウェイ。


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また”世界の車窓から”のような車窓。

標高2100mのドナー峠をユダトンネルで一気に抜けると、ここから西海岸まで山道をずっと下って行く。

ここもトンネル開通前の旧線は崖っぷちをいくつものトンネルや覆道で越えていて難所だったところだ。

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ドナー湖の反対側を越えてきたハイウェイ。


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峠を越えて太平洋岸へ向かってを下って行く。

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山を下ると、峠で開けたペットボトルが気圧差でひしゃげてしまった。

posted by pupupukaya at 15/02/01 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記
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