2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記 もくじ

出発前

はじめに

2014/9/5(金) 札幌を出発してからシカゴ到着まで。

1 札幌〜成田〜シカゴまで前篇

2 札幌〜成田〜シカゴまで後篇

3 シカゴの街

4 シカゴその2

2014/9/6(土) シカゴ2日目は列車でミルウォーキーまで往復してきました。

5 ハイワサ号でミルウォーキーへ

6 ミラービール工場

7 シカゴに戻る

2014/9/7(日) いよいよカリフォルニアゼファー号に乗車。

8 シカゴ出発前

9 カリフォルニアゼファー号に乗車

10 カリフォルニアゼファー号車内探検

11 カリフォルニアゼファー号1日目の夜

2014/9/8(月) 車内生活2日目。

12 カリフォルニアゼファー号2日目

13 カリフォルニアゼファー号2日目その2

2014/9/9(火) 車内生活3日目。

14 カリフォルニアゼファー号3日目その1

15 カリフォルニアゼファー号3日目その2

2014/9/10(水) サンフランシスコ観光

16 サンフランシスコ ケーブルカーなど

17 フィッシャーマンズワーフと金門橋

18 マーケットストリートとミュニメトロ

2014/9/11(木),12(金) サンフランシスコから帰国、札幌まで

19 フィナーレ・帰国まで

 〜完〜

20 旅のまとめ・決算


2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記のルート


posted by pupupukaya at 14/09/21 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記 はじめに

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コロラド川の峡谷を行くカリフォルニアゼファー号。

ことし(2014年)はいっちょ海外旅行でもしようかと思い立った。
最初はまだ行っていないイギリス、フランス、イタリアなどと考えたが、ヨーロッパ方面はもう何度も行っているし、今回は逆方向へ行こうかと思った。

なぜアメリカ(米国)へ行こうと思ったか、くわしい顛末は省略するが、とにかく行先は決まった。7月初めの頃だった。

ただアメリカと言ってもいささか広うござんす。アメリカのどこに行くか考えた。

アメリカって日本人からすれば一番馴染みのある国のような気がするが、じゃあどんなところで何があるかと改めて考えたらあんまり知らないことに気が付いた。

都市ではワシントン、ニューヨーク、西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコくらい。観光地はグランドキャニオンあと・・・なんだっけ。今まで眼中になかったというのもあるが、とにかく何も知らなかった。

さて、行って何がしたいと言えば、私は鉄道好きなのでやっぱり鉄道に乗りたい。
せっかくだから、東から西まで何日もかけて走る大陸横断鉄道に乗ってみたかった。

アメリカの旅客列車はアムトラックと呼ばれる全米鉄道旅客公社によって全国一元運営がされ、貨物列車の合間を縫って旅客列車が走っている。
もともとアメリカの鉄道は私鉄の集合体で、昔はそれぞれに旅客輸送を行っていたが自動車と航空機の台頭で、また鉄道会社それぞれの事情から旅客列車はすべて廃止されてしまった。
アムトラックの列車が走らない路線はすべて貨物専用線である。

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アムトラックの路線図。赤い線が旅客列車の走る路線のすべて。



そのアムトラックの列車だが、現在はシカゴを中心としてアメリカの各方面へ長距離列車が運行されている。
特に西海岸とを結ぶ列車は2本ある。

シカゴ〜ロサンゼルス サウスチーフ号 3645km
シカゴ〜サンフランシスコ カリフォルニアゼファー号 3924km

2つのうちどちらに乗るかといえば、やはり距離の長いシカゴ〜サンフランシスコ間だ。
次は西行きと東行きどちらに乗るかも問題で、これは時差の関係で昼の時間が長くなる西行きにした。東行きだとサンフランシスコ発が朝早くなるということもあった。

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アムトラック時刻表の長距離列車の案内。


東海岸のワシントンやニューヨークから西海岸まで直通の列車は無い。必ずシカゴで乗り換えになる。
どうせならワシントンからサンフランシスコまで完全大陸横断と行きたかったが、それだと観光もできずにただ列車に乗ってくるだけになってしまうので諦めた。

アメリカでのスケジュールはこれで決まった。まずは航空券の確保である。


便利な時代になったもので、いまはインターネットで航空券の予約も購入もできるようになっている。また、各社の運賃の比較もできるようになっている。
さっそくネットで格安航空券さがしを始めた。
今回の航空券は往復ではなく、行きの到着地と帰りの出発地が異なるオープンジョーという形態になる。片道航空券ではないので格安券や正規割引の対象になる。

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ANAの国際線予約・空席照会。


今回検索したのは行きが札幌→シカゴ、帰りがサンフランシスコ→札幌。できれば日本から直行で。
いろいろ調べた結果、ANAのHPで正規割引運賃での予約をするのが一番安かった。
サーチャージや諸経費込みで 12万6380円。前回チェコに行ったときは11万円台だったから悪くない額だ。これに決めた。9/6(土)出発としたかったが満席だったので1日早い9/5(金)出発とした。会社をもう1日余計に休む必要があるが。

仁川経由とかだとさらに安いのかも知れないが日程はこれ以上延ばせない。

次が飛行機の次に肝心のアムトラックの予約。これもインターネットでオンラインでできてしまう。
カリフォルニアゼファー号は座席車と寝台車があって、寝台車は完全個室でしかも食堂車での三食付である。日本ではほぼ絶滅状態の食堂車での食事や、個室寝台からの車窓独り占めなどを考えて、ここは断然寝台車にしたい。

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アムトラックのオンライン予約。全部英語だがページ翻訳機能を使えば内容はわかる。


シカゴに着いて2泊はしたいので9/7発の便を検索した。

列車の個室寝台は空席があった。しかし値段をみてたまげた。
シカゴからサンフランシスコまで寝台利用片道899ドル。最初個室は2人用なので2人分の運賃ではないかと思ったほどだ。
料金内訳は運賃は$164、寝台料金が$735となる。
3日2晩これで行くのはつらいが座席車ならば寝台料金不要なので$164で行けるが、せっかく休みも取れて飛行機も予約したのにこんな機会はもう無いので寝台車で行くことにした。
そのままオンラインで予約し、チケットはメールでPDFファイルが添付されてきた。支払はクレジットカードで。

後日クレジットの請求では9万2662円だった(@103.073)。

日本では最長距離列車のトワイライトエクスプレスが約1500kmの距離を走っている。この列車の料金はA寝台個室利用で片道3万6500円、往復ならば3000kmで7万3000円になる。それに6回の食事代込みということを勘案すれば、カリフォルニアゼファーの9万円は妥当な値段と見るべきか。

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メールに添付されてきたアムトラックのEチケット。


飛行機と寝台列車の予約と購入が済んだので旅行のスケジュールも大体かたまった。大まかに以下のようになった。



2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記のルート


9/5(金)  札幌早朝発 → 同日シカゴ着 (シカゴ泊)
9/6(土)  シカゴ滞在 (シカゴ泊)  
9/7(日)  カリフォルニアゼファー号 シカゴ発 (車内泊)
9/8(月)  車内滞在 (車内泊)
9/9(火)  夕方サンフランシスコ着 (SF泊)
9/10(水) サンフランシスコ滞在 (SF泊)
9/11(木) 午前中サンフランシスコ発 (機内泊)
9/12(金) 成田着 → 札幌 夜到着

ホテルの予約もしなければならないが現地の見物先など細かいところが決まってからでも遅くは無い。

パスポートは2020年まで有効なので大丈夫。あとESTAの申請、米国入国情報の登録などもする必要がある。

出発までの2か月近くの間に、スケジュールや行先などを検討した。あれこれ行きたいところもあるが日数が限られているので悩ましい。
行けるところをいくつもピックアップしておいて、あとは現地に着いてから決めることにした。天気もどうなるかわからないし。




posted by pupupukaya at 14/09/21 | Comment(3) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記1 札幌〜成田〜シカゴまで前篇

【旅程】
新千歳空港 7:50−ANA NH2152便−9:25 成田空港
成田空港 10:45−ANA NH12便−8:20 シカゴ・オヘア空港 

9月5日早朝6時に家を出てタクシーで駅へ向かう。
5日の天気予報は札幌もシカゴも雨。しかもシカゴは雷雨との予報だった。
旅行前に行先の天気予報が雨だった場合こう思うことにしている。

「俺は晴れ男だ、必ず晴れる」

久しぶりに乗った快速エアポートは新車だがオールロングシート。空港に行くだけなので座席などどうでもいいが、ロングシートはつまらない。また、荷物も常に手で押さえておかないと、キャリーバッグのキャスターがコロコロ転がっていってしまうのであまりよろしくない。

札幌を出発した時は曇り空だったが、新千歳空港に着いたときは雨降りになっていた。


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まずは快速エアポートで新千歳空港に到着。

空港のコンコースやカウンターは人が少なく閑散としている。朝7時過ぎではテナントもまだ開店していなかった。
ANA国際線乗り継ぎのカウンターで荷物を預けると行くところも無く、手持無沙汰になった。


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ANAのカウンター。ここで預けた荷物は最終到着地のシカゴで受け取る。

ところで今回の旅行の荷物は大変少なく、機内持ち込みサイズのキャリーバッグ1個だけ。
国際線の預け荷物は、2年前に行ったときは2個まで無料だったが、今回から1個しか無料にならなくなった。
それで、中古の大きいスーツケースを買ったのだが、ちょっと大きすぎた。大は小を兼ねると言うが、あんな馬鹿でかいケースを引きずって歩くのはいやだ。
それに、それ程持って行くものも無かった。下着の替えなどは圧縮袋に入れればかなり小さくなるし、替えの服も今着ているほかにもう1着あれば十分だ。旅行先で特に買いたいものも無かったし、思い切って小さいキャリーバッグにした。

傍から見るととても1週間海外に行く格好には見えなかっただろう。

それと昔ユニクロで買ったメッセンジャーバッグ。これは機内持ち込みと街歩きに持って行く。見た目以上に容量が大きく、ポケットもたくさんあって使い勝手が良く重宝する。今は売っていないようだが。


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成田行きの搭乗ゲート。

まずは日本の表玄関口成田空港へ行かなければならない。新千歳空港から成田空港までは国際便へのアクセスの為ANAとJALが合わせて1日5便が運航している。もちろん新千歳−成田間のみ利用もできるが、そちらはLCCが多く飛んでいるので、こちらは100%海外旅行客だろう。

搭乗口は羽田や大阪行きのほうは人だかりがしているが、こちら成田行きの方は閑散としている。
成田行きの機内に納まったのは20人ほど。機内の後ろ半分はほとんど空席だった。
土産袋を持った人もいなく、朝早かったせいか皆押し黙っている。
海外アクセス便でなければ、都会へ病院や仕事に行く人が乗ったローカル線のような雰囲気だ。

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新千歳空港は朝から雨降りでさえない出発だった。

成田空港までの所要時間は1時間35分。離陸するとすぐに雲の中に入って、成田に着くまでずっと雲の上の飛行だった。

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遠くの雲の上に頭を出した富士山が見えた。

この飛行機は予定では9:25に着いて、乗り継ぐシカゴ行の便は10:45発なので乗り継ぎ時間は1時間20分しかない。
成田の乗継は初めてではないのでこれでも十分間に合うことは分かっているが、両替もしなければならないし、滅多にない海外旅行なので空港の中をいろいろ見ておきたいこともあって、1分でも早く着いてほしいところだった。

成田空港に着くとブリッジを通ってそのまま外に出られるかと思っていたが、なんと出口に横付けされていたのは階段で、下りた先にはバスが停まっていた。

バス移動はLCCでは珍しくないが、ANAでバスに乗るとは思ってもみなかった。完全にローカル線扱いだ。

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成田空港はなんと階段を下りてバス移動。LCC並みの扱いだ。

乗客が少ないので全員バス1台に納まって空港ターミナルビルへ到着となる。

出口に向かう通路の途中に国際便乗り継ぎの出国ゲートがあるのだが、一旦外に出る。

まずはドルへの両替をしなければならない。
前回チェコにいったときもそうだったが、現金は少額の買い物や交通費のみに使用し、基本クレジットカード払いにするので最小限あればよい。また、現金は向こうのATMで引き出すことにしていた。その方がレートが良いし、多額の現金を持ち歩かなくてもすむからだ。

それでも全く持ってなければ向こうに着いてから文無しの状態になってしまうので、当座のドルは持っておく必要がある。

前回利用した両替所へ行くとそんなに混んでるわけではないコンコースの、ここだけは長蛇の列だった。レートの良い店だが、今日はこの行列に並んでいる時間は無い。別の場所にある両替所に行くとここは2〜3人並んでいるだけなのでこっちにした。

とりあえず日本円の1万円をドルに両替する。用紙に書き込んで窓口に出す。レートは1ドル107.63円の計算で92ドルを受け取る。9901円でお釣り99円を受け取ると財布が小銭で一杯になった。


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様々な人が行き交う南ウイング出発口。別れのドラマもここが最後。

空港内を見て回る時間はなくなってしまったが、帰りは成田空港の乗り継ぎ時間が3時間以上あるので、空港内は帰りにじっくりと見ることにしよう。
両替所は搭乗ゲートの中にもあるのでわざわざ外に出る必要は無かったのだが、外に出た一番の理由が南ウイングの出発口から旅立ちたかったから。

出発口の上には大きな電光掲示板があって、世界各国への便の時刻と行先がずらりと表示されている。
その下を行き交う人々、待ち合わせの、見送りの、別れの人、それぞれの国の言葉が聞こえてくる。
電光掲示板は無機質だが、その下では喜びも涙もため息も数、限りないドラマを秘めているのだった。

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旅情がある出発便時刻の表示。

そんな人々の風景や飛行機の時刻や行先を飽くことなく眺めていたいが、時間がないのでそろそろ行かねばならない。
搭乗券とパスポートを確かめて出発口へ向かう。

その時だった、後ろで私の名を呼ぶ声がする。振り向くと向こうから小さな人影が走り出してきた。私も荷物を投げ出して彼女の方に走った。仕事よりもやっぱりあなたについて行くと追いかけて来たのだった。彼女を受け止めた私はもう二度と離さないと誓い、しっかりと抱きしめた。

・・・・・妄想はこれくらいにして、出発口から入ったところがセキュリティゲート、その次が出国審査で、ここから免税店のあるエリアになる。すいていたせいか、出発口からここまで10分とかからなかった。


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いってきまーす。いざアメリカへ!

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搭乗前の楽しみは免税店の見物。

2箇所の関所を通ればあとは搭乗時刻まで待つだけだ。免税店をぶらつくもよし、カフェでコーヒーやビールを飲むもよし、旅立ちのプロローグを楽しむために早めに着きたいところだ。

私はこれと言って買うものは無いが、免税店の品物をあれこれ見て回った。毎回思うのはタバコは安い。ほかのものは市中と比べて特に安い感じはしなかった。お酒などは普通のスーパーで買う方が安いと思った。

最近増えているのは和の文化のグッズだ。いかにも日本らしい置物などが手軽な値段で買えるので外国人には人気なのだろう。日本の家庭でこんなものがたくさん置いていたら相当に悪趣味だと思うような物だが。

家電やデジタルものもあって、これも街の電器屋の方が安いようだ。こんなところで炊飯器や掃除機を買う人がいるのだろうか?

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免税店に並んだタバコ。私は外での値段を知らないのでどれだけ安いかわからないが。

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シカゴ行の43番ゲートはターミナルの一番奥になる。動く歩道を何回も乗り継いで行く。

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搭乗開始前のサテライト。日本人ばかりだが外国人の姿もチラホラ見かける。

シカゴ行は43番ゲートからの出発で、出国審査を出たところから一番遠いところにある。長い通路の中央にある動く歩道をこれでもかと何回も乗り継いで着いた。
近くのゲートは北京、ヤンゴン、シンガポールとそれぞれの便が出発時刻が近く、この辺りは賑やかだ。

もう日本円を使うことは無いので、財布の中身をドル札と入れ替える。さっきドルに両替をしたときに増えた小銭を何とかしたい。自動販売機で180円の水を2本買い、残りは売店のレジ横にあった募金箱に全部入れてきた。これで財布はすっきりした。

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搭乗開始になると乗客が三々五々集まってくる。

10:20頃シカゴ行NH12便の搭乗開始案内があると、搭乗口の前はあっという間に長蛇の列ができた。
今回指定の席は中央の座席の通路側。あわてることは無いので、行列が半分くらい進んでから後ろに並んだ。

飛行機の座席は事前にインターネットで好みの席が指定できるのだが、最初は窓側の席が全部埋まっていたので仕方なく通路側の席にしていたが、窓側が空いたらそこに移ろうとことあるごとにネットの座席指定を見ていたのだが、日ごとに空席が埋まっていって、エコノミーはほぼ満席になってしまっていた。

通路側の席を確保できただけでも良しとしなければならない。これから11時間半にもわたる満席のフライトを覚悟した。

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ボーディングブリッジから見た飛行機。外の景色を見るのはこれが最後。

アテンダントに迎えられて機内に入る。ANAの国際線はこれが2度目だ。今回の飛行機はボーイング777-300ERという新型機となっている。
特筆すべきことは今まで似たり寄ったりだったエコノミーシートが改善されたことだ。シートピッチが従来より7.5cm拡大されたことと、座席ごとにコンセントが付いたことが大きな点だ。ほかにも背面のモニターやテーブルも大型化されている。

いや、一番の改善点はシートをリクライニングしても背ずりが後ろへ倒れないということ。シートを倒すと座面がその分前へせり出す仕組みになっているので後ろの席は影響を受けない。
だれでも経験があるだろうが、座席のリクライニングは飛行機に限らず、時として前の客に殺意も覚えることがあるので、これは大きな改善だろう。
ただ、リクライニングして座面が前へ出るとその分足元が狭くなるという欠点はあるが。

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従来より7.5cmシートピッチが広がった新型エコノミーシート。

乗客全員が席についてそろそろドアを閉める頃になっても隣の中央2席の客は現れなかった。数日前にネットの座席予約を見たときはたしかにふさがっていたのでドタキャンでもあったのだろうか。

10時間以上のフライトになると隣に人がいるのといないのとでは疲れ方やストレスが全然違う。隣席の主に何があったのかは知らないが、ツイている。シカゴまで快適に過ごさせてもらおう。反対側の通路側の席の人も同じように思っているに違いない。


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大きくなったシートモニターがずらり並ぶエコノミークラス。

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シートピッチが広がったので足元はかなり余裕ができた。フットレストもある。

離陸して水平飛行になると機長の放送があった。以下要約。
『アリューシャン列島からカナダ上空を通過し、シカゴ・オヘア空港へは予定通り8:20に着きます。
オヘア空港の天気はくもり、27℃。これから1時間ほどすると気流の関係で強く揺れることがあります。
到着までごゆっくりとおくつろぎください。』

アテンダントがアメリカの税関申告書を配り始めた。アメリカに入国する場合は全員提出しなければならない書類だ。1人1枚だが、書き損じたときのために2枚貰っておいた。間違っても書いても二重線で消して書き直せばいい程のものなんだろうけど。


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水平飛行になると配られるドリンクとおつまみ。白ワインにしてみた。

機内サービスは、おしぼり、ドリンク、機内食の順で続く。機内食は和食か洋食か訊かれる。
和食のしらすごはんがおすすめのようだが、あえて洋食にしてみた。
そのせいか知らないが、周りがすでに食事中のなか少し待たされた。

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長いフライトの楽しみのひとつ機内食。洋食のハンバーグドリア。

ANAの機内食も2度目になるが、今ひとつ面白みがないというか、給食を思い出してしまうのはなぜなんだろうか。
小さなパンが付いているからなんだろうか。

この便に乗ってから気になっていたが、どうもアテンダントの動きがギクシャクしている。新人が多い便なのか、新型で快適な機内だけに残念だった。

食事のあと、カップ入りのアイスクリームを配っていたアテンダントがつまずいたのか、通路にアイスクリームをぶちまけた。全部拾い集めたが、泣き出しそうな顔をしてギャレーヘ戻って行った。


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化粧室の内部。ソープやペーパー類は備えてある。狭いので洗顔や歯磨きは無理そうだ。

13時頃には食事も全て片づけられ、14時頃には窓のシェードが全て下ろされて消灯になった。
シカゴ時間ならば午前0時で、朝8:20に着くからもう寝ろということか。今日は朝5時起きだったが、さすがにこの時間から眠るのは無理だ。

機内は暗くしているが、読書灯を点けていたり、映画を見ていたり起きている人ばかり。
暗くする必要があるのかと思うが、体内時計を整えるためにはこの方が良いそうだ。

私も映画を見たり、飽きたらゲームをしたりと思いのほか退屈はしない。ゲームのお気に入りはゴルフとテトリス。上海は残念ながら無かった。

たまにどこらへんにいるのか気になってフライトマップを見る。15時頃に日付変更線を越えた。越えたからといって機内の日付が戻るわけではないし何か放送があるわけでもない。
うっすらと開いた窓のシェードから漏れていた光も入らなくなっていた。外も夜になったようだった。

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食事が終わると窓のシェードを閉められて夜間飛行のようになる。


posted by pupupukaya at 14/10/04 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記2 札幌〜成田〜シカゴまで後篇

【旅程】

成田空港 10:45発−(ANA NH12便)−8:20着 シカゴ・オヘア空港 


さて、ここからは時間が14時間戻ってシカゴ時間とします。

6時、機内が明るくなっておしぼり、次いでオレンジジュースが配られる。一睡もしていないが朝を迎えた気分になった。やはり消灯した意味はあるようだ。香料の効いたおしぼりで顔や首筋を拭くとさっぱりする。

6時半、2回目の機内食。パンフレットの英語ではBreakfastと書いてあるので朝食の位置づけらしい。
これも洋食を選択した。オムレツと輪切りにしたソーセージと温野菜。どうも給食を思い出してしまう。ドリンクはトマトジュースにした。アルコール類は希望すれば出してくれるし、飲んでいる人もいたが、さすがに朝からは自粛した。

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2回目の機内食。これも洋食にした。オムレツとソーセージがメイン。

最後にコーヒーをもらって機内食が終わると、あと1時間ほどで着陸の体制になる。

乗って最初にもらったアメリカ税関申告書も書いておかなければならない。
そんなに難しい書類ではないのだが、税関で不備を指摘されてもこちらは何を言われているのかわからないので慎重に記入する。
持ってきた『地球の歩き方』にも書き方の見本がある。パスポート番号などは特に間違えないように慎重に。

ところが、最初から間違えた。一番上欄に自分の名前をローマ字で記入するのだが、ファーストネーム(名の方)を書いてしまった。欄は姓名の順で並んでいた。欧米は名姓の順だと思い込んでいたので間違えた。
念のため貰っておいた2枚目の方に書き直した。
日付の欄はアメリカ式に月・日・年の順に並んでいる。これも用紙をよく読んでから書く必要がある。
とにかく、入国審査の厳しい国なので事前の書類に不備の無いようにしておかなければならない。

アメリカは日本から観光ならばビザ無しで入国できるが、出発する前にESTAの事前申請をして承認を得る必要がある。これをしないとせっかくアメリカまで来ても空港で日本に帰されることになる。

通常はインターネットで申請してすぐに承認されるもので、私もネットで申請してその場ですぐに承認されたが、たまにされなかったりすることがあって厄介なことになるらしい。
自身に犯罪歴などがあれば仕方がないが、犯罪者とたまたま同姓同名だった場合でも拒否されることがあるという。

そうなった場合は観光ビザを取得して入国になるが、ビザ不要の国からわざわざ観光ビザで入国すると逆に疑われて、入国審査で散々な目にあった人のブログを見たことがある。

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成田―シカゴの飛行ルート。

シカゴ・オヘア空港の着時刻は8:06。飛行機を降りたのが8:20だったのでほぼ定刻通りだった。ヨーロッパ方面の飛行機はかなり早着のことが多いが、アメリカ行はそういうことも無いようだ。

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シカゴ・オヘア空港に着いたら日産GT-R NISMO の出迎えだった。

飛行機を降りたのが8:20。外に出ると空気がムワッとしている。予想に反して蒸し暑い。

とにかく人の流れについて行くとイミグレーションだった。
前にはさっき同じ飛行機を降りた人だろうか、3人程並んでいる。担当官は黒人の女性。
見ていると、メガネをはずしてカメラに顔を近づけたり、機械に手をかざしたりいろいろやっている。

とにかく話しかけられたくないので、前の人の動作をじっくり観察する。

自分の番。とにかく前の人と同じように動く。
いきなり担当官が ○▽×〜と言った。うわっ、ダメだよ俺に話しかけちゃ。

わからないので首を振ったり手をひろげて宙に挙げたりするが、それで勘弁してくれるものでもないようだ。
ビジネス?と言われた。やっとわかった、滞在目的を聞かれたのだ。「ノービジネス」と答えた。
またナンヤラカンヤラ言われて、わからないので適当にイエスなどと言ったら「ノー」ナンヤラカンヤラとなった。

参ったな。書類はすべてそろっているのでまさか入国拒否にはなるまいが。
ここで突然ある言葉を思い出した。

「サイトシーイング」

担当官は納得したようだが、さらにまたナンヤラカンヤラ言った。
最後に「〜デイ?」と聞こえたので滞在日数だと思い、指折り数えて「セブン」と言った。
「セブンデイ?」「イエース!」
ようやくパスポートを返してもらった。第一関門は何とかクリアした。

次は税関だ。さっき飛行機の中で書いてきた税関申告書はまだ手元にある。

ターンテーブルで出てきた荷物を受け取って税関へ。といってもパスポートを見せる必要も無く、出口のところに立っている係員に申告書を渡すだけだった。まるでアンケート用紙の回収だ。

これでようやく自由の身になった。ずいぶん時間がかかった気がしたが、飛行機を降りてから20分くらいしか経っていなかった。

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オヘア空港の各ターミナル間はATS(エアポートトランジットシステム)と呼ばれる電車が結んでいる。

シカゴ・オヘア空港は世界でも屈指の巨大空港のはずだが、出たばかりの到着ロビーは狭く、日本の地方空港のような感じだ。
空港の各ターミナル間は無料の電車が運行されていることは事前に調べて知っていたが、それ以上は案内看板を見ながら歩けばいいやと思って下調べはしていなかった。

到着ロビーからエスカレーターで上階に行くと電車のホームがあった。第2ターミナルに電車マークがあるので、そこで降りればいいらしい。
電車はATSといって日本で言う新交通で、無人運転のゴムタイヤ電車が5分おきくらいの間隔で運転されている。

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ATSの車内から。天気予報に反して快晴だった。

車内からあらためて外を見ると雲一つない快晴。雷雨じゃなかったのか。こういう予報の外れは結構うれしい。
第2ターミナルで電車を降りて、看板の電車マークの方へ歩く。
相当な距離の地下道を歩いたが、地下鉄の駅に着くことができた。

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電車マークと「CTA」の表示のある方へ歩いて行く。


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地下鉄の空港駅が見えてきた。

シカゴの地下鉄のうち、ブルーラインの系統が空港まで乗り入れている。ダウンタウン(中心部)までは約50分、2ドル25セントで結んでいる。
券売機があって、「1-Day CTA Ticket」という表示があったのでボタンを押した。その名の通り、シカゴ市内の地下鉄・バスに1日乗り放題のチケットで、値段は$10。
今日は1日シカゴ観光をするつもりだし、何度も乗り降りすると思うので元は取れるだろう。いちいち切符を買うのも面倒だし。

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地下鉄(CTA)の券売機画面。今日はシカゴ見物の予定なので「1-Day CTA Ticket」を選択する。

ホームの入口は日本のように自動改札機が並んでいる。
ところがこの改札機、切符投入口が無い。ICカードの読み取り機らしきものはあるのだが、券売機から出てきたのは紙の切符。どうすればいいんだろうと少し考えたが、紙の切符を読み取り機にかざしてみると改札のゲートが開いた。

ここはアメリカ、日本の常識を持ち込むのはやめた方がよさそうだ。
それにしても切符はどう見てもペラペラののボール紙だ。どういう仕組みになっているのだろう、不思議だ。

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地下鉄のホーム。

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地下鉄の車内。欧米らしくセミクロスシートになっている。

地下鉄の電車は発車したあとだったが、頻繁に運転しているようで次の電車がすぐにやってきた。

アメリカの地下鉄というと落書きだらけで治安が悪いという印象(どっちかというとNYの地下鉄の印象)だが、ここシカゴの地下鉄は落書きはなく、車内もゴミひとつ落ちていない。しかしどこか煤けたムードである。

電車は発車すると地上に出る。線路の隣はハイウェイになっていて、電車の隣を車が次々に追い抜いていく。車のエンブレムを見ていると日本車が多い。一番多いのはトヨタでホンダそして日産、スバルやマツダもあった。ざっと見た感じでは日本車だけで3分の1以上占めている。次に多いのがベンツ、BMWなどドイツ車。アメ車はどこへ行ったんだ?
車に詳しいわけではないのであまりわからないが、目立つのはフォード、GMくらい。アメリカからすると外車ばっかりだね。


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平行するハイウェイを走る車は日本車が多い。

電車はそれほどスピードが出ているわけではないがよく揺れる。揺れるというか振動がひどい。座席が固いバケットシートの為かよりひどく感じる。

郊外の駅に頻繁に停まって、その度に乗客が増えて行くが、途中で降りる人も多くて車内はそれほど混んではいない。
ダウンタウンに近づくにつれて、言葉は悪いが乗客の『ガラ』が見る見る良くなくなってきた。怖い感じはないが、少し緊張する。

時刻はまだ午前10時前だが、ホテルへ直行することにした。
部屋の用意ができていなければ荷物だけ預かってもらうつもりだ。

電車は再び地下区間になって、地下鉄らしくなった。ダウンタウンにあるジャクソン駅で降りて、こんどはレッドラインに乗り換える。


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ジャクソン駅でブルーラインからレッドラインへ乗り換える。

レッドラインのホームは何やら騒がしい。ホーム中央では黒人のストリートミュージシャンが1人ライブをやっていた。

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レッドラインのホームと電車。昔に比べれば努力の甲斐あってだいぶ綺麗になったのだろう。

レッドラインでさらに南方向へ向かうのだが、ダウンタウンの南方向は治安の良くない地区とされている。
ジャクソン駅で乗り換えたレッドラインの乗客の顔ぶれは私をさらに緊張させた。
それでも危険は感じなかったし、まあこれも慣れれば何ともないんだろうけど。

地下鉄は再び地上区間へと出る。セルマック-チャイナタウン駅というところで降りる。

シカゴのホテルはチャイナタウンにある『チャイナタウンホテル』というところを予約していた。
なぜチャイナタウンに泊まるのかという理由は全くない。ダウンタウンから近くて安いホテルはここしかなかったからだ。
その辺の事情についてはまた改めて書きます。

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シカゴで2泊する「チャイナタウンホテル」。その名の通り、中国人街の中にある。

駅からホテルまではその名の通り中国人街で、看板は漢字だらけ、話し声も中国語ばかりだ。
街中は中華系独特の匂いが漂っている。横浜の中華街あたりの路地に迷い込んだ時を思い出した。ここはそれ以上に中国そのものである。

ホテルの入口近くで座り込んでいる中国系の人たちがいて、私が通ると一斉に見られたのでぎょっとしたが、何かの作業中で休憩していただけなのかもしれない。考えたらシカゴは今日は金曜日でまだ平日だった。

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ホテルの中もチャイニーズムード。

ホテルのカウンターは誰も居ない。呼び鈴を鳴らすとこれも中国系のおばさんが出てきた。
Today booking…と言って予約した時に印刷した紙を見せるが何か要領を得ない。

予約した客が来ただけなのでそんなに難しいことではないと思うのだが。
名前を言うと予約客の一覧を印刷した紙を見て英語で何やら言う。

部屋の用意がまだなら荷物だけ預かってくれればいいからさ。

と英語で言おうとすると、カウンターの上に紙を差し出された。
あ、宿帳を書けってことね。話はちゃんと通じていた。それにしても無表情なおばちゃんだ。

宿帳に書き込んで渡すと、また何やら言われた。ペイ(支払)と聞こえた。ここは予約サイトを通じて事前に料金を支払っているので、面倒なことになった。
どうしたものかと思っていると、言葉では埒が明かないとおもったか、宿帳をひっくり返して裏に何やら書き始めた。
英語で「キーデポジット $20」と書いてあったので理解した。「オー、イエース」と言って20ドルを渡すと、部屋のキーとデポジット金の預かり証を渡された。

指をさしてあっちに行けばいいのかというように尋ねたら、おばさんがカウンターから出てきて、こっちの階段を登って行ってくれと教えてくれた。

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1泊1万円の部屋。お世辞にも高級とは言えないが・・・

渡された部屋のカギは小判型の金属片。どうやって開けるのかとガチャガチャやっていると、廊下にいた掃除のおじさんが下から差し込むんだとジェスチャーで教えてくれた。
2晩世話になる部屋は、日本ならば場末の安ビジネスホテルといった感じ。一応必要なものはそろっているが冷蔵庫やドライヤーは無く、これで1泊1万円以上するのはどうかと思う。まあ、その辺の事情についてはこれもまた改めて書きます。

時刻は午前11時近く、日本時間では深夜の1時近くだ。しかしそんなことは忘れるほど外は良い天気だ。
荷物を置いて、軽く顔を洗うとすぐにシカゴ見物に出かけることにした。


posted by pupupukaya at 14/10/05 | Comment(2) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記3 シカゴの街

【旅程】

シカゴ滞在 

また外に出ると蒸し暑い。こんなに暑いとは思わなかったので長袖の服しか持ってきていなかった。Tシャツ1枚でも良いくらいだ。歩くと汗が噴き出してきた。

それにしてもここら辺りは中国人街だけあって中国人だらけだ。看板も、道行く人の話し声も中国そのもの。はるばるアメリカまでやってきた気分がそがれてしまった。
道の向こうにはシカゴのシンボルであるウィリスタワーがはっきりと見えた。

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チャイナタウンから見えるシカゴの高層ビル。一番高いのがあとで登ったウィリスタワー。

ホテルから地下鉄のセルマック=チャイナタウン駅までは歩いてすぐ。ダウンタウン(中心部)のジャクソン駅までは3駅で4分なので交通の便は良い場所だ。

空港駅で1日券を買っておいたので、シカゴの地下鉄やバスは何回でも乗れる。ダウンタウンの有名なループ線なども乗ってみたいと思った。

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地下鉄レッドラインのセルマック・チャイナタウン駅。ホテルからは歩いてすぐ。


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シカゴの交通ICカード『ventra』。一見ただのボール紙だが、透かして見ると・・・

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ホームの向こうをディーゼル機関車牽引の近郊列車が通過する。

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ホームから見たチャイナタウン。

ホームは近年リニューアルされたのか新しくて明るい。レッドラインの電車は日中は7〜8分置きに運転しているのは日本の地下鉄並みだ。
日本と違うのは24時間運行されていること。真夜中にどんな人が乗っているのか見てみたい気がするけど、それはさすがに恐ろしい。

電車を待つ乗客もこの駅は中国系とおぼしき人ばかり。おそらく自分も中国系と思われているんだろうけど。


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電車が入ってきた。

電車が来て車内に入るとやっぱり緊張する。ちょっと大げさだが、乗客全員ストリートギャングではないかと思うほどの顔ぶれだった。
暑いので露出した肌には大なり小なり皆さんタトゥー(入れ墨)が入っている。
タトゥーは日本とは文化の違いはあるにしても、ヨーロッパに行ったときはそう頻繁に見るものではなかった。

逆にスーツ姿のビジネスマンなんかが乗っていたらすごく場違いな感じみたいな雰囲気だ。
アメリカでは日本の地方以上に車社会、地下鉄は低所得層の乗り物なんだなと実感した。

電車はセルマック=チャイナタウン駅を発車するとすぐに高架から下りて地下区間を走行する。
停車駅を告げる自動放送の声が低くて太い男声なのも印象的だった。

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物々しい自動改札機が設置された改札口。出場はフリーパス。

3つ目のジャクソン駅で降りる。これから向かうウィリスタワーのほか、鉄道駅のシカゴ=ユニオン駅もここが最寄となる。シカゴ滞在中にあと何度かこの駅で乗り降りすることになるだろう。

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地下鉄駅のコンコース。これはワシントン駅の画像。

ジャクソン通りを西に向かって歩く。シカゴに限らずアメリカの都市はどこも道が碁盤の目のようになっているのでわかりやすい。欠点はどこも同じような街角なので、方角を把握していないと、どこにいるのかわからなくなることだ。

この辺はビジネス街といった感じの雑多なビルが立ち並んでいる。風景だけ見れば東京の大手町あたりを歩いているのと変わらない気がする。
ただここはさすがはアメリカで、さまざまな人種の人たちが道を歩いている。

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ウィリスタワー110階建ての威容。コンパクトデジカメでは1枚に収めるアングルに苦労する。

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ウィリスタワーのエントランス。ただし、展望室へは横にある専用入口から入る。

ウィリスタワーは元々はシアーズタワーと呼ばれ1973年に建てられた。110階建て、高さ442mのビルは、1998年までは世界一高いビル、2013年までは全米一高いビルだった。
次々に世界中で高層ビルが建てられて今では高さ世界第13位まで落ちてしまったが、長らく世界一だったこともあってか今でもシカゴのランドマーク的存在になっている。

103階は展望階になっていて、360度の方向の眺めを見ることができる。

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『SKYDESK』と書かれた所が展望室スカイデッキへの入口。

ビルのエントランスから中に入ると、いかにもビジネスセンターという感じの雰囲気。奥はセキュリティーゲートがあって先へは入れない。
展望室はどこから行くのだろうとウロウロしていると、黒人の警備員らしい男がつかつかと近づいてきて
「スカイデッキ?」
と言った。

「イエス」と答えるとスカイデッキは外へ出てあっちというふうに何やら言って指差した。

とりあえず外に出て指差された方向へ行ってみると「SKYDECK」と書かれた小さい建物がある。観光風らしい人がいるので、展望階はこっちから入るのか。

入ってエレベーターで地下1階に下りると空港のようなセキュリティーチェックがあった。テロ対策なのか。その先にチケット売り場があって行列している。窓口は3つあるが係員は1人しか対応しておらず、また1組1組にえらい時間がかかるので列はさっぱり進まない。

窓口上の料金表を見ると、大人1人19ドル。展望室だけなのにずいぶんな値段だ。
15分くらい並んでようやく自分の番になる。
「スカイデッキ、アダルト、ワン」と言ってチケットを買う。

中へ進むとさらに長蛇の列が続いていた。

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入口から1階下りた地下にあるチケット売り場。

柵とロープでジグザグに仕切った行列はさっぱり進まない。それでも思い出したように少しずつ進みエントランスと書かれた扉の近くまで来たときにようやく行列の謎が解けた。

エレベーターに乗る前にシアターに入れられるのだ。それでもようやく中に入れると思って進むと、自分の2組前を入口に立っていた係員が静止して扉を閉めてしまった。中にはまだ空席もたくさん見えているのに。

入り口横には次の上映までの待ち時間がデジタル表示され、15:00からまたカウントダウンを始めた。ここでまた15分間待たなければならない。前の人は特に文句は言わなかった。

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2組手前でシャットアウト。ここでまた15分間待たされる。

15分後に再び扉が開いて、今度はようやく中に入る。並んでいるだけで疲れた。外の入口からここまで来るのに1時間近くかかった。

また空席のあるまま扉が閉められると上映が始まる。
映画は、シカゴの歴史やビルの建設風景や紹介など。
セリフは何言っているかわからないし特に印象に残るものではない。そんなことより映画は省略してさっさとエレベーターまで案内してほしかった。

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展望台に行く前にまず全員映画を見せられる。

上映が終わると入った方とは違う扉が開いて、明かりの方向へすすむとエレベーターホールがあった。
2基のエレベーターにすし詰めにされて展望階へ上る。

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エレベーターでようやく103階の展望室に着いた。

ずっと薄暗い地下空間にいたので、エレベーターを降りて窓から大パノラマを見ると開放感もひとしおだった。
もしかしたらこのための演出だったのかも。

ガラスが外に突き出た「レッジ」という場所があって、ここに立つと足元ごしに下界が見える。
立ってみたが、高所恐怖症のはずなのに不思議と怖さは感じなかった。


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ガラス窓が外に張り出したウィリスタワー名物の『レッジ』。

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レッジに立つ人と103階からのパノラマ。

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足元から下が丸見えのレッジに立ってみる。

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摩天楼とミシガン湖。

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ビルがひしめく摩天楼。

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操車場を出発する列車。明後日乗るカリフォルニアゼファー号かな?

晴天だが湿度が高いせいか、遠くは霞んで地平線はぼやけている冴えない天気。

20分くらいいただろうか、パノラマも十分堪能したし、写真も撮ったので下ることにした。帰りのエレベーターはすんなりと乗ることができた。



posted by pupupukaya at 14/12/23 | Comment(2) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記4 シカゴその2

【旅程】

シカゴ滞在 

スカイデッキから再び高速エレベーターに乗って下りる。エレベーター内のデジタルの階数表示が目まぐるしく動く。気圧差で耳がツンとする。
あっという間に下に着いたが、エレベーター内は無重力状態にはならなかったので落ちるよりは遅いようだ。


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クルーズ船が行き交うシカゴ川。左側はユニオン駅。

帰りは入る時とは違ってウィリスタワー本体の中に着いた。土産物屋があって、シカゴ土産に色々と買いたくなったが、まだ初日だし荷物を増やしたくないのでやめておく。

オフィスビルだが2階と3回はショッピングモールになっている。途中に日本のスーパーにあるようなセルフサービスのフードコートがあって、広くて空いている。昼時はビジネスマンたちで込み合うのだろうが、既に昼時も終わっておりがら空きだ。
ピザ屋のケースを見るとあの分厚い「シカゴピザ」もあった。
ここで食事にしようかと思って各コーナーを見て回ったが、店員に話しかける勇気も無く、そのまま外に出てしまった。

外に出るとまた暑い。ビル内は冷房がガンガン効いているので寒いくらいだったが、内と外との温度差でおかしくなりそう。
ビルに掲示の温度計は30℃を表示している。

今は午後2時過ぎ、日本時間では翌朝の4時だ。外を歩いていると頭がクラクラしてきた。
体は眠たがってるのだが頭ははっきりしている。徹夜明けの症状だ。

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ウィリスタワー近くのピザ屋。

ウィリスタワーを出て近くをぶらぶら歩く。お腹も空いてきたのでどこか一人でも入りやすい店はないかと探した。
オフィス街のためかセルフサービスのファーストフード店は多い。

どうも外国に行くと会話が煩わしい。日本にいてもそうだけど。
1軒空いていて注文のしやすそうな店があったので入ってみた。
カウンターのケースにはいろんな惣菜が盛られている。一番わかりやすいピザの一つを指差して店員にプリーズと言って取ってもらった。セットメニューなのか「サラダ」とも言う。これも指差してよそってもらう。ドリンクはペプシにした。ビールは無いようだ。トレーに乗せてもらいレジで会計する。


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ピザとサラダ。写真ではわかりにくいが、とにかくデカい。

店内は自分のほか客は3人ほど。全員一人客なので気が楽だ。

ピザのデカいこと。これ一切れで日本ならばMサイズ1枚分ありそうだ。大き目に切られたレタスとドレッシングのサラダに乗ったクルトンも大きく、大雑把だ。これで8.85ドル。


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ウエスト・アダムズ・ストリートから見たループと呼ばれるシカゴ名物の高架鉄道。

何となく侘しい食事だったがお腹はふくれた。

シカゴではあれこれ行きたいところもあって調べてきたが、今日は早めにホテルに戻って寝よう。
最後にシカゴ名物の高架鉄道に乗って今日は終わることにする。

シカゴで目にする高架鉄道は1892年の開業というからとても歴史がある。ダウンタウンを四角く1周するように敷かれていて、ここを走る電車は「L」、路線はループと呼ばれている。
電車の系統は郊外からやって来てこのループを1周し、また郊外へ戻って行くルートで、ループのみを周回する電車は無い。だから、環状線だと思って乗るとあらぬ方向へ行ってしまうことになる。

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高架鉄道は道路の上に鉄骨を組み立てて作られている。

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駅も道路上にある。

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歩道から駅へ登るクラシカルな階段。

そんな中にある駅の一つ、クインシー駅から電車に乗ってみる。
駅内部は木造でクラシカルな雰囲気。シャーロックホームズやチャップリンが出てきそうだ。

電車に乗ったのは地下鉄レッドラインの乗換駅であるステートレイク駅まで。
電車からの眺めは、ずっとビルの谷間のようなところを走るのでいまいちだった。
ま、名物の高架鉄道に乗れたということで。

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クインシー駅の木造のコンコース。

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ホームにある改札口。

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クインシー駅のホーム。

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到着した電車。

電車をおりてしばらく高架鉄道沿いの写真などを撮って歩いた。

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トウモロコシ型の双子ビルはマリーナシティと呼ばれる。


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ダウンタウンの風景。奥を走る電車がいい感じ。

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高架上を行く電車。


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4時ごろ地下鉄に乗ってホテルのあるチャイナタウンに戻ってきた。
ホテルにバッグを置いて買い物に出る。今夜の酒と食料を買うためだ。
コンビニやスーパーくらいあるだろうとチャイナタウンを歩き回るが、そのような店は見当たらない。

食料品店はあったが中華食材ばかりの店で酒は置いていない。

散々歩き回って、駅の方へ行く広い道を渡ったところにスーパーマーケットを見つけた。ところがここも中華食材ばかり。日本の中華街にも中華食材専門店があったりするが、そこの雰囲気そっくり。酒も置いてなかった。

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ようやく見つけたスーパーマーケットだが・・・

ほかに店はないのかと歩き回っていると突然稲光がして大きな雷鳴が、ポツポツと雨が降り出した。これはいかんとショッピングモールのようなところに飛び込んだ。

途端にゲリラ豪雨のような激しい雨が叩きつけるように降ってきた。
買い物だけなので手ぶらでホテルを出てきた。傘を持っていてもずぶ濡れになるような降り方だが。

どうしようもなく、雨が弱まるまで雨宿りする。
蒸し暑かったので夕立だろう。そのうち止むさと気長に待つことにした。

こっちのほうは新しい中華街のようで新し目の店が多い。中華料理屋も目立つが、さっき大きいピザを食べたばかりなのでお腹も空いていないし一人で店に入る気もしない。

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カンフー映画に出てきそうな雰囲気の一角。

30分くらいで雨は降りやんだ。やっぱり夕立だったのだろう。

さっきダウンタウンを歩いていた時にドラッグストアがあったのを思い出した。1日券を持っているし、また地下鉄でジャクソン駅まで行った。

CVSというドラッグストアーで、日本と同じく食料品や酒も売っている。
これ幸いとビールや食品を買い込んだ。

ビールを買ったためか、レジでは「IDプリーズ」と言われた。IDとは身分証明書のこと。酒を買うときは年齢を証明するものをいちいち見せなければならないのか。首から下げてシャツの下に隠したパスポートを取り出してレジの人に見せた。

買ったのはビールとサンドイッチ、チップスとビーフジャーキーなど。とりあえず酒が手に入ってやれやれだ。

ドラッグストアの袋を下げて地下鉄に乗りホテルに戻った。


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ドラッグストアで買ったビールと食料品。

早めにホテルで休もうと思っていたが、何だかんだで戻ってきたら6時を過ぎていた。
さっそくシャワーを浴びてさっぱりした。

こんなホテルでもWifiがあって、スマホでネットが見れる。電波が弱々しく読み込みに時間がかかるが何とか使える。
ビールを飲みながら明日の情報収集をした。


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少々侘しいが、一人旅はこれが一番気楽で良い。




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部屋のシャワールーム。

つけたテレビではニュース番組をやっていて、遠い日本のことも取り上げられる。流れてきたのは、第2次安倍改造内閣組閣のニュースだった。

posted by pupupukaya at 14/12/27 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記5 ハイワサ号でミルウォーキーへ

【旅程】

シカゴ・ユニオン駅 8:25− 331 ハイワサ号−9:54 ミルウォーキー


今日はシカゴ2日目。2泊3日の中日になる。
日本を出発する前、どこに行こうかといろいろ考えたが、私は鉄道好きで、とりわけ乗り鉄と呼ばれる列車に乗っているのが好きな人なので、どこかシカゴから列車で日帰りで行けるところがあればと思っていた。

ところがアメリカは飛行機と高速道路が発達しているため鉄道の都市間輸送というものがほとんど行われていない。アムトラック運営による長距離列車が各方面へ1日1本とか運行されているに過ぎない。
唯一例外は、東海岸のワシントン〜ニューヨーク〜ボストンの区間で、ここは人口密集地帯の為に「アセラエクスプレス」などの都市間高速列車が多く走っている。

ここシカゴも例外ではなく、ユニオン駅に発着する列車は、全米各地に向かう長距離列車ばかりだ。あとは郊外の都市まで運行されている通勤列車になる。




↑シカゴからミルウォーキーへのルート。 

ところが、アムトラックのホームページを調べていると見つけた。シカゴ発着の唯一の都市間列車がありました。
シカゴからウィスコンシン州のミルウォーキーまで1日7往復の列車が運転されている。所要時間は片道1時間29分だから日帰り旅行には手ごろな距離だ。

それで、シカゴ2日目は列車でミルウォーキーまで往復することに決めた。
しかも昔、サッポロビールのCMで『ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー』なんてあったくらいでビールの町だ。
シカゴから日帰りでいっちょビールでも飲みに行くのもしゃれている。いいね。


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1958年に一世を風靡したサッポロビールの広告(サッポロビールHPより)。

そんなわけで今朝は早起きして7時にホテルを出る。列車の発車時刻は8:25なのでもっとゆっくりでもいいのだが、初めてだしチケットを買ったり駅の中を見たいので早めに出た。

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土曜朝のセルマック・チャイナタウン駅前。車も人も少なく静か。

セルマック=チャイナタウン駅の券売機で地下鉄の片道券を買う。今日はあと帰りにしか乗らないので1日券の必要は無い。地下鉄の片道料金は2.25ドルだがこれはカードを持っていて引き落としになる場合で、券売機でチケットを買うと3ドルになる。片道で3ドルは少々高い。

チップ用に1ドル札が欲しかったので20ドル札を券売機に入れた。ところがチケットは出てきたがお釣りは出ない。またボタンを押してみると最初の画面に戻ってしまった。残りの17ドルは?

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「No Cange」(お釣り無し)と表示された券売機(画像はユニオン駅の物)。

どうなったんだとあれこれいじって見るが、前の操作はリセットされてしまったようで残りの17ドルは消えてしまった。
改めて券売機を見ると、上の画面に「No Change」と繰り返し表示されている。どうもお釣りは出ない機械らしい。

いまさらどうにもならない。チックショー!釣りはチップだ、くれてやらあ!!とつぶやいて後にした。


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ユニオンステーションのコンコースは地下1階にある。

地下鉄のジャクソン=レッド駅からユニオン駅までは歩いて12〜13分くらい。
駅と言ってもコンコースやホームは全て地下にあるので、地上には地下鉄のような入口しかないし、駅前広場があるわけではないので場所はわかりにくい。

土曜日の朝だからか、コンコースは人が少ない。アメリカ第三の都市のターミナル駅とは思えないほど閑散としている。
地下にあるコンコースもチケット売り場、待合室、手荷物受取所などは見てわかるが、どこも意外と小さくて全体としてのイメージは日本の私鉄のターミナル駅といった風に見える。
中2階のようなところには飲食店のカウンターが並んだフードコートになっていた。


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クレジットカード専用の券売機。

まずは列車のチケットを買う。
オープンカウンターがずらりと並んだチケット売り場は、係員が2人だけで対応している。それでも各カウンターに1〜2組しか客が並んでいない。

横に券売機があったので、そっちでチケットを買う。
クレジットカード専用で、カードを読み取り口に抜き差しして、行先や枚数などをタッチして行けば簡単に買えた。
ミルウォーキーまでは片道24ドル、意外と安い。距離は約138kmなので日本の普通列車運賃並みの値段だ。

まだ時間があるのでフードコートに行ってみる。まだ半分くらいの店しか開店していない。マクドナルドがあったので入った。朝食に買って車内で食べようかと思った。

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シカゴ・ユニオン駅のフードコート。

海外でマクドナルドに入るのは初めてだ。朝食を買い求める客が何人か並んでいる。
私も並んでみる。注文はメニュー表の番号で言うようだ。ナンバー○といった風に。これは楽だ。


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列車時刻の電光掲示板。上は発車時刻で下は到着時刻。

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列車のホームへの入口。

コンコースあちこちに設置されている電光掲示の時刻表にはこれから乗る列車の表示も出ていた。

「331  Hiawatha  Milwaukee  NORTH  B17」

「331 Hiawatha Milwaukee」は331列車、ハイワサ号、ミルウォーキー行のこと。
「NORTH B17」はNORTH Bゲートの17番線から出るという意味である。

シカゴ・ユニオン駅では日本のように改札口こそ無いものの、ホームに勝手に出入りすることはできないようだ。
掲示板に表示されたSouthかNorthの2箇所あるうちの待合室に行き、アルファベット表示のゲートから係員の指示に従ってホームに向かわなければならない。


コンコースから直接ホームに入ることも可能な構造になっているが、直接ホームに行こうとしたら怒られた。

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列車に乗る前に一旦搭乗待合室のような部屋をで案内を待つことになる。

NORTH待合室のBゲートがこれから乗るハイワサ号の搭乗口になる。鉄道というより高速バス乗り場のような感じがする。
待合室は空席ばかり、Bゲートのあたりだけ人だかりができている。

8:10過ぎに案内があって、係員の指示でホームへと向かう。ゲートでチケットを見せるが係員はチラ見するだけだった。

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案内が始まるとぞろぞろとホームへ移動する。

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地下ホームに停まっているハイワサ号。ホームが低いせいか大きく見える。

他の乗客のあとに付いて行くとホームに停まっているハイワサ号が見えた。
ホームの幅は狭くて地下駅のため薄暗く、ディーゼルエンジンの排気がこもっているので駅というよりは車両工場という感じの構内だ。

客車は4両で、前後に機関車が付くスタイル。全席自由席のモノクラス編成で、日本で言えばローカル特急列車といったところ。

カゴ〜ミルウォーキー間の距離は約138kmで、ハイワサ号は途中停車駅3駅、1時間29分で結ぶ。
1日に7往復で2〜3時間に1本という運転間隔ではあまり便利ではない。

距離や所要時間は北海道の札幌〜旭川間が約137kmで特急スーパーカムイ号が1時間25分で結んでいるので、それと似ていると思った。

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車両工場のような感じのホーム。

開いているドアから乗って車内に入る。
ホームから見上げると大柄な車体だが、中に入ると天井や荷物棚が低く窮屈な感じに見える。座ってしまえば快適だ。

背面のテーブルを出して、さっき買ったマクドナルドの朝食を取り出した。


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車内は普通にリクライニングシートが並ぶ。


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車内で食べたマックのセット。手に持つのはハッシュドポテト。コーヒーもデカい。

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エッグマックマフィン。シカゴの朝マックといったところ。
列車は8:25になって定刻通り発車した。駅構内を出ると地上に出るが、すぐに踏切をいくつも通過する。
工場や倉庫の裏のようなところを通り抜ける。スプレーの落書きが多い。
夜など恐ろしそうな場所だ。


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駅を発車するといきなり踏切が現れる。

列車本数は少ないが、やたらと線路だけはたくさん敷かれていて、あっちこっちから線路が分岐したり合流したり交差したりする。貨物線として使われているのかもしれない。

複々線が合流してくるとここから本線になるのか、スピードがぐんと上がった。高いビルも無く郊外の住宅地のような景色が続く。

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シカゴを出てからしばらく多くの線路と並走する。

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最初の停車駅、グレンビュー駅。シカゴ近郊列車も発着する

車掌が回って来て検札がある。これも特にスタンプを押すでもなくチケットを見るだけだった。
チケットには乗車の列車名と時刻が印字してあって、この列車のみ有効だからだろうか。

車内は話し声も聞こえず、エンジンのついていない客車のため静か。
客層はビジネスや観光客風の人もいるが、ちょっとプライベートな用でという感じの人ばかり。ほとんどが一人客だった。


22分で最初の駅グレンビューに停まる。シカゴから約29km。シカゴからはメトラの近郊列車が走っているので乗り降りはほとんど無かった。

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ハイワサ号車内でスマホアプリのスピードゲージで測定する。

グレンビューを出てからの車窓もずっと都市近郊のような眺めが続くが、次第に人家も途切れてきて畑や雑木林が現れるようになった。
ミシガン湖に沿って北上しているのだが、線路はずっと内陸を通っているので湖を見ることはできない。ずっと平地で山地も無く、列車は快調に飛ばすが風景は単調で特に印象に残るものは無かった。

何キロくらいで走っているのかと思い、持っているスマホアプリのスピードゲージで測定してみると時速130km/hと出た。



ハイワサ号の車窓から。スターテバント駅到着前の映像。


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車窓の雑木林と昔ながらの電柱。

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雑木林が途切れたところは畑が広がる。

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2つ目のスターテバント駅はシカゴから約101km。ここはアムトラックのみ発着。

スターテバント駅からはイリノイ州になる。この駅の列車はアムトラックのハイワサ号のみ。下車客が何人かホームを歩いて行った。

そのつぎのミルウォーキーエアポート駅でも何人か降りるのが見えた。エアポート駅といっても公園の芝生の中にホームがあるような駅だが、空港まではバス連絡でもしているのか。

再び住宅地が現れると終点ミルウォーキーは近い。


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川越しに見えてきたミルウォーキーの街並み。もうすぐ終点。



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デッキの階段。ホームが低いので踏み台も置かれる。

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終点ミルウォーキー駅に到着。

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ミルウォーキー駅の駅舎。最近建て替えられたのか新し目だ。

アメリカではめずらしく(?)定刻通りに終点に着いた。
ミルウォーキーの駅舎はガラス張りの新しい建物だが、駅前は何もない。少し歩いたところがダウンタウンでメインストリートもあるのだが、駅にはそっぽを向いたような格好になっている。

ミルウォーキーに来たからにはビールを飲みたい。
この町にはビール工場がいくつかあって、各工場には見学コースがあって試飲もさせてくれる。

事前に調べてきたが、一番有名なMiller Coors(ミラークアーズ)の工場へ行こうとバスの時刻表などを印刷して持ってきていた。
工場の前まで行くバスはあるのだが本数が1時間に1本程度しか無く、バスの時間まで街中を歩いて時間をつぶす。


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整った街並みのミルウォーキーのダウンタウン。

ミルウォーキーはドイツ系移民が多く、そのせいか街並みも何となくドイツっぽく見える。
ドイツに行ったことがあるのでわかるが、整った街並みや清潔さがよく似ている。

ごみごみしたシカゴから来たせいか、緊張感が解けてこの町にいると安心感を覚えた。


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ミルウォーキー川の風景。

しかし、きれいな街並みとは裏腹に人があまりいない。人口60万人の都市だが、車もあまり走っていない。
土曜日の10時過ぎではまだ早すぎるのだろうか。

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しばらく歩き回って、バス停で待つ。乗るのは31番のバスだ。一応バス停には31の表示が出ているのでここで間違いはない。
だいぶ待ったが、11時ごろ31番のバスがやってきた。


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サード(3nd)ストリートというバス停。



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バスの車内。降車ボタンはないが、代わりに黄色い紐を引っ張る。

バスの料金は2.25ドル。前のドアから乗って乗車時に運転手横の料金箱に入れる。25セントとは半端な金額だが、25セント硬貨があるためだろう。クオーター(4分の1)とも呼ばれる。

降りるのは「State4401」という停留所。ありがたいことに車内には次の停留所が文字で表示される。地図を見ているとバスはそれらしいところに入って行く。ミラーの工場の中を通って、State4401の文字が出たので黄色い紐を引いた。これが降車合図になる。

バスが停まって降りたところがちょうどミラービール工場のビジターセンターだった。

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ミラービール工場のビジターセンターに着いた。

ビジターセンターの建物に入るとすぐに受付があって、「ブリュワリツアー」と言うと通じた。
IDの提示を求められるので、パスポートを見せる。
手首に紙の輪を付けられる。これが見学者の印になるのだろう。

次のツアーは11:30からと表示してある。ロビーで待つ人は10人くらい、日本人とわかる人も3人ほど見かけた。
隣にあったギフトショップを見ていると、団体さんが到着して結構な人数となった。

なお、ここの見学料は無料。これで最後にビールも何杯か飲ませてくれるのだからミラーさん太っ腹


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ツアー開始時間までは併設のギフトショップを見たり。

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団体のお客さんがやって来て結構な人数となった。

posted by pupupukaya at 14/12/29 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記

2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記6 ミラービール工場


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受付でもらったツアーチケット。

11:30になって入口のドアが開くと全員奥のミニシアターへ通される。

上映の前に、コンダクターの男性が壇上で色々説明する。ツアーの注意点なんかだろうが当然こちらは何を言っているのかわからない。
ノリノリで時々場内には笑い声や歓声が上がった。


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奥の入口が開かれミニシアターに通される。

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ミラー創設1855年からの歴史が上映される。

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映画の案内役はミラーガール( Miller Girl in the Moon)。

映画の内容は1855年のミラービール創設からの歴史など。
上映は15分ほどで終了、ビジターセンターの建物から工場へと移動の為に一旦外に出る。

外は快晴で気持ちが良い。カラッとしていて暑くはない。

コンダクターのあとに続いてゾロゾロと道路を歩く。たまにはツアーもいいもんだなと思った。

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映画のあとは外へ。工場内は広い。

最初はパッケージ工場、廊下の工場側がガラス張りの窓になっていてそこから見学する。
コンダクターが説明しているが英語なので分からない。
窓の下のラインを箱詰めされた缶ビールが流れて行くので何の工場かはわかる。

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また別の建物へ移動。

つづいて商品が積まれてフォークリフトが動く配送センターのようなところ。
その次は金属製の大きな醸造タンクが並ぶ発酵工場へ。
それぞれの工場が別の建物なので、移動するたびに外に出ることになる。


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ここはビールの発酵工場。


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ブルワリーツアーの参加者たち。

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歴史があるレンガ造りの工場。

コンダクターの説明が理解できればまた面白いんだろうけど、工場自体はとくに見せ場があるわけではないので少々退屈してくる。移動するたびに次は試飲かな?などと考えるようになった。

発酵工場の次は何やら風格のあるところに案内される。おっ、いよいよ試飲かなとだんだん考えがいやしくなってきた。

入ったのはトンネルのようなところ。ひんやりとして肌寒い。昔は地下を利用した天然貯蔵庫として使用されていた。
全員が入ってしばらくすると照明が消されて真っ暗になる。一番奥の壁面に映像が映し出されて説明タイムとなった。

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天然の地下貯蔵庫。

ここで見学ツアーのコースは終了らしい。ツアー開始からここまで約1時間。建物を出て向かいのオープンテラスに案内される。
いよいよお待ちかねの試飲ターイム!
ツアー参加者たちも待ってましたという感じだ。

受付時に手首につけられた紙のタグをカウンターのお姉さんに見せてビールを受け取る。親切におつまみの小袋も用意されている。
めいめいビールとおつまみを持ってテーブルで試飲タイムとなった。


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お待ちかねのビール試飲。


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無料でもらえるビールとおつまみ。

青空の下で飲むビールはおいしい。ツアーはずっと歩きっぱなしだったのでひとしおだ。
2杯目のビールをもらってくる。

しかしタダ酒というのは何となく気が引ける。ビジターセンターにあったギフトショップがこちらにもあれば何か買って行くのになあ。

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試飲のカウンターには次々と人だかりが。


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みなさん楽しそう。


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1杯飲むごとに手首につけられたタグに印がつけられる。


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試飲会場はちょっとしたビアガーデンといったところ。


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試飲会場のすぐ前がバス停になっている。

ビールを何杯か飲んで30分くらいいただろうか。また次のツアーの人たちがやって来た。

1時間に1本しかないバスの時刻が近づいてきたのでそろそろおいとまする。


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帰りのバスがやってきた。

帰りのバスの時刻も事前に調べておいたのでわかっている。バス停はバスのマークと系統番号が掲げられているのでわかるが、時刻表がないのは不親切だ。

20分くらいバス停で待っていると31番のバスがやって来た。行くときと反対方向なので間違いない。

15分ほど乗ってダウンタウンまで戻ってきた。

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再びダウンタウンへ戻ってきた。

このあとはミルウォーキー発15:00の列車でシカゴに戻る予定である。
きれいな街だし、もう少し見て回りたいのだが、その次の列車が17:45発になってしまうので予定通りにする。明るいうちにホテルに戻りたいのもあった。

駅へは発車30分前くらいに行けば十分だろうし、1時間近くダウンタウンを散策する。

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美しいミルウォーキー川の景色。

ダウンタウンを流れるミルウォーキー川の両岸はリバーウォークと呼ばれる遊歩道が整備されている。

今日はずっと快晴である。歩いていると汗ばむが、カラッとしているので川風に吹かれればすぐに乾く。
札幌の空気と似ているなと思った。

しかし、澄んだ空と爽やかな風は秋を感じた。
私は札幌の住人なので分かるが、9月も第2週に入る頃には札幌も秋風を感じるようになる。澄んだ空に夏が終わったなと一抹の寂しさを感じる季節が来るころだが、ここミルウォーキーでも同じ空気を感じた。

ミルウォーキーも札幌も同じ北緯43度に位置する都市である。


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所どころにあるオープンテラス。


『ウィスコンシン州は、ミルウォーキーを含めてカトリック派のゲルマン系ドイツ系住民が最も多い。』(ウィキペディアより)

几帳面なドイツ人が作ったからなのかはわからないが、街並みが美しく整って、どこも絵になる風景だ。
川辺にはレストランのオープンテラスが並べられ、休日の昼下がりといった感じ。

ビールの街らしく、あちこちにビアレストランもあった。

ごみごみしたシカゴに帰りたくないよう。
ミルウォーキーに泊まれば良かった。

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市庁舎の塔。


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橋の手前にある踏切のような遮断機。

歩いていると突然橋の手前にある警報機が「チンチンチン」と鳴り出して踏切みたいに遮断機が下りた。
見ていると橋の中央部がだんだん持ち上がって行く。

これは可動橋といって、橋を動かして船の通過を可能にする橋で、日本では昔はあったが今はほとんど見かけない。


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踏切のようにチンチンと鳴って遮断機が下りる。

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だんだん橋が持ち上がって行く。

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船がやって来た。

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持ち上がった橋の下をゆっくり通り過ぎる船。

橋桁が持ち上がって通行止めになった下を、船がゆっくり通過する。
橋の両岸には開通を待つ車の列と人だかりができた。
船が通過すると、橋桁が下がって遮断機が上がった。この間5分ほど。

アメリカは歴史的な理由から、道路や鉄道よりも船に優先通行権があると聞いたことがある。だから都会のど真ん中でも可動橋が現役で使われているのだろう。
posted by pupupukaya at 15/01/10 | Comment(0) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記
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