札幌市電延伸を勝手に想像する【桑園編】

桑園駅付近は1990年代になって急速に開けたところである。

まだ高架になる前の桑園駅前といえば、倉庫と予備校のイメージであった。
夜にこの駅で下車すると、駅前は真っ暗でタクシーすらいないという、そんな所だった。

1988(昭和63)年に桑園駅が高架化され、1995(平成7)年には札幌市立病院が北1条西8丁目から現在地に移転、同年にJR北海道本社が札幌駅旧駅舎から現在地に移転する。
その頃から桑園駅周辺はマンション建設ラッシュが始まった。

2002(平成14)年には現在のイオン桑園ショッピングセンターがオープンする。
桑園は新築マンションのブランド名として揺るぎないものとなった。

札幌市電に延伸の構想が本格的に出てきたのは90年代半ばだった。
当初は西4丁目〜すすきの間を結んでループ化するというもの。のちに既存の路線から桑園や苗穂方面への延伸構想が道新など道内のマスコミで報道された。

あれから20年経って、市電ループ化は現実のものとなる。
次はさらなる延伸へということで桑園地域への延伸を想像してみたい。

既存の市電路線から桑園駅へまでのルートは、考えられるのは以下の3通りといったところ。

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 市電1条線から桑園駅へのルート3案。(地理院地図より筆者作成)

本命は、西15丁目停留場から西15丁目通(福住桑園通)を北上し、桑園駅へ至る西15丁目ルートであろう。

それ以外に考えられるのは、西13丁目を北上し、イオンとJRの高架の間の歩行者道路を通って桑園駅に向かうというもの。
もう1つは、南1条を2丁西へ進んで西17丁目通を北上、北10条を右折し桑園駅というもの。

西13丁目ルートは、市立病院と都心を結ぶバス路線と重複するのと、イオンとJR高架との間の歩行者道路をつぶすことになる。
西17丁目ルートは、医大病院を経由するのでそちらの方面は便利になるが、桑園駅手前で右左折が避けられないのと、都心へは遠回りになる。

一番単純な西15丁目ルートが最適なようだ。

西15丁目停留場から桑園駅まで地図上で結ぶと、距離にして約1.5km
なんのことはないと思われるだろうが、これが問題がある。

最大の問題とは、西15丁目通の幅員である。
この道路の幅員は20m。内訳は車道13m歩道3.5m×2(両側)となっている。

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 現在の西15丁目通と同様の道路断面図(札幌市幹線道路整備の取組みについて(個票)より引用)

車道13mに路面電車の軌道敷6m※を新設すると、残りの車道は7mしかない。
片側1車線3.5mしか車道として使えなくなる。
さらにそこへ停留場ホームも設けなければならない。

 ※軌道敷幅員は単線3m以上、複線6m以上(道路構造令第9条の2)

まずは道路上のどこに軌道を敷設するかだが、ここは普通に道路の中央とする。
駅前通りの都心線で採用されたサイドリザベーション方式は、歩道から直接乗り降りできる利点があるが、歩道側に軌道があると車の停車ができないこと、ササラ電車での除雪ができないことから簡単に採用はできないだろう。

それと札幌市電では安全のためサイドリザベーション区間の最高速度が20km/hに抑えられているので、こんなノロノロ運転しかできないのでは交通機関としては失格だ。

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 車道13mの中央に軌道敷6mを想定した図。車道は片側3.5mとなる。

西15丁目電車通りと南1条電車通りは25mに拡幅する都市計画があって、用地取得が進んでいる。

が、南1条から桑園駅までの西15丁目通り(福住桑園通)は都市計画でも20mとなっており、拡幅の計画はない

歩道を両側1mずつ狭くすると、現在標準の電車通りの片側4.25mの車道が確保できるが、大工事になって建設費が増大するのもあるが、車道を削ってでも歩行空間を確保する今の風潮に合うとは思えない。

それに歩道幅2.5mでは、冬季の歩道除雪もままならない。
やはり、車道幅員13m内で何とかするしかなさそうだ。

一番最初のルート案を複数組み合わせて単線で敷設し、ループ線とする手もある。
これならば単線軌道3mとなり、車道は片側5.5mで停留場ホームも設ける余裕ができる。

しかしそれぞれの線が2丁(約260m)も離れているのでは不便極まりない。

西15丁目と、1本東側の西14丁目にそれぞれ単線で敷設というのも考えられるが、西14丁目通の北側はイオンで突き当りになるので、桑園駅へは交差点を右左折させる必要がある。

あるいはループ線とすると北8条が終点になり、桑園駅への乗り入れができない。
やはりJR桑園駅と直結してこそである。

ここはやはり西15丁目通りを単純に複線という以外にないようだ。

西15丁目通(福住桑園通)は、南は澄川や福住から西線の電車通りを経由して、北は石山通へ抜ける主要道路となっている。
市電延伸の候補とする南1条から桑園駅までは片側2車線道路で、普段は渋滞こそ発生しないが、それなりに交通量はある。

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 北大通から北1条まで伸びた信号待ちの車列。西15丁目通り。

ここを3.5mの片側1車線としてしまうと、やはり渋滞や混乱は避けられないようだ。

ではどうするか。
それは、車の通行量を減らすしかない。

幸い、札幌の旧市街地の道路は碁盤の目となっていて、同じ幅員の道路が両側に並行している。
車はそちらのほうへ分散させればよい。

ではどうやって分散させるか。

1つは、現在高架下を通って石山通まで貫通している西15丁目通りだが、高架下に市電の線路を引き込んでそこに桑園駅停留場を設置し、車は通行止めとして市電と歩行者だけのトランジットモール化すること。

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 ここを市電とバス、歩行者のトランジットモールとする。現在は片側2車線道路。

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 高架下に市電とバスの停留場を設ける。右は桑園駅東口。

その代わりに、現在は緑道になっている西16丁目の高架下に車道を新設して、石山通方面からの車を西16丁目通りと西13丁目通りに分散させれば、西15丁目通りの交通量はだいぶ減るだろう。

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 道路を新設する西16丁目。片側2車線ずつの余裕はある。現在は自転車置場。

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 現在は片側2車線がもったいないような西16丁目通。

現在鉄工団地通上にある市立病院前バス停も、高架下のトランジットモールに移動すれば、市立病院前の交差点の通行もスムーズになるだろう。
また、桑園駅東口直結となるので、ここが新たな交通結点とすることができる。
イオンや市立病院へのアクセスも改善される。

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 西15丁目通を閉鎖し、西16丁目通を迂回させる図。(地理院地図より筆者作成)

もう1つは、現在北4条ミニ大通で行き止まりとなっている西14丁目通りと西16丁目通りをそれぞれ通り抜けできるようにし、逆に西15丁目通りの北4条を行き止まりにし、電車と歩行者のみ通行可とすることである。

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 現在の北4条西15丁目交差点。

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 現在は行き止まりの北4条西14丁目交差点。

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 北4条交差点を閉鎖し、西14・16丁目に迂回させる図。(地理院地図より筆者作成)

桑園駅北4条の通り抜けができなくなると、西15丁目を通行する車は沿道が目的地の車くらいになり、交通量も激減すると考えられる。

これが歩いて迂回するならば大変なことだが、車ならばこれくらいの迂回は造作もないこと。
都会では、何でも自動車優先の時代はすでに終わっているのである。

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 2箇所を閉鎖することによって、通過車両を分散させる。(地理院地図より筆者作成)

これでは西13丁目通(鉄工団地通)が渋滞するのではという意見もありそうだが、そこは路駐の取り締まりを強化したり、冬季の除排雪をこまめに行うなどで対処するしかない。

西13丁目通りの主要交差点に右折専用レーンを設けるのも、混雑緩和の手だ。

てゆうか、西15丁目の車が流入したくらいで西13丁目通りが渋滞するのだろうか?
というのが、筆者が平日に西13丁目通りを運転していて感じるところではある。

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 西15丁目通りに市電の軌道を敷設した道路断面図(筆者作成)

車の交通量を減らしたとはいえ、片側3.5m1車線というのはやはり狭い。

これは現在の南1条電車通りの南側車線の車道が同じ幅員となっている。
冬季に雪山ができると、車は軌道敷内を走行するしかない。

南1条電車通りで何とかなっているので、そこは譲り合って通行するしかないだろう

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 車道幅3.5mの南1条通り南側車線。

続いては、停留場の問題。
この狭い車道に、さらに停留場ホームを設置しなければならない。

南1条電車通りは、歩道の幅員を削ることでホームと車道の幅を確保している。
ホーム幅は0.8m、そこへ上屋の柱と柵を設置したら立つのがやっとというぎりぎりの幅しかない。

ホーム入口は一応スロープ形状にはなっているが、車椅子での乗降は困難だ。

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 歩道を削ってホームと車道を確保した停留場(中央区役所前 内回り)。

軌道を歩道側に寄せて停留場部分だけサイドリザベーション化するという手もあるが、車と電車の動線が交錯するのと、停留場内で車が信号待ちしている間は、電車は手前で待機することになり、下手するともう1回信号待ちということになりかねないので却下。
もっともこれを採用すると、バス路線も西15丁目通りに集約し、バス停留場と共用するという手もある。

この停留場ホームもただ設置すればい良いというわけではない。
その規格は法令で定められている。


第19条 路面電車停留場の乗降場は、次に定める構造のものとする。
(1) 有効幅員は、乗降場の両側を使用するものにあっては2メートル以上とし、片側を使用するものにあっては1.5メートル以上とすること。

要は停留場ホームの柱や柵部分を除いた幅員は1.5m以上必要だということ。
それに上屋の柱や車道との仕切り柵を設けると1.7mは必要になってくる。

既存の路線での停留場ホームは、ほとんどが幅1mとなっているが、これは既存のホームの改築ということで許されているのだろう。
こちらは完全な新設となるので、この要件を満たす必要がある。

ただでさえ狭い道路に、幅1.7mのホームを設置できるのだろうか。

やはり歩道を削るしかないようだ。
歩道の両側を0.85m狭くして、電車の軌道をホームと反対側に0.85mずらすと幅1.7mのホームと必要幅員が確保できた。
各寸法は下図のようになる。

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 停留場を設置した道路断面図(筆者作成)

また、ホーム入口はスロープを設けることになるが、線路側に柵を設置しても有効幅員は1.2mが確保でき、建築物移動等円滑化誘導基準の要件を満たすことができる。

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 バリアフリー法の要件を満たした停留場ホームの例(ロープウェイ入口 外回り)。

3つ目の問題。

新設の路線は、南1条西15丁目交差点で既存の路線から分岐することになるが、この交差点を曲がることができるかということである。

この角の隅切り(すみきり:交差点角の斜めになった部分)は5mとなっていて、バスならば難なく曲がれるところだが、電車では曲がれるのだろうか。

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 南1条西15丁目のコーナリング。

既存の路線で一番の急曲線は、電車事業所前にある内回りの曲線で、半径約19.5mとなっている。
こちらの角の隅切りは10mとなっていて、仮に電車事業所前と同じ寸法で敷設しても、ちょっと苦しそうだ。

現在の南1条西15丁目交差点に、電車事業所前と同様の曲線を置いてみたのが下の図。

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 西15丁目停留場交差点の曲線と寸法。(JWCADで筆者作成)
 曲線半径のソースは『低床車両デザイン検討業務プロポーザル実施要領』より。
 (2011年に市HPの入札情報で拾ったものだが、現在はWeb上から削除されている模様)

図面を見る限りでは特に問題はなさそう。
曲線の内側と歩道の間がかなり狭くなるが、ここを電車と車が同時に通ることはないので大丈夫だろう。

ただし、西15丁目側の停止線はかなり手前に設ける必要がある

もう1つは、西15丁目の停留場をどこに設けるか。
現在は西15丁目通(山鼻西線)側に対向して設置されているが、桑園方面の新線にも設置する必要がある。

しかし前述の通り狭いのと、交差点でしかも電車の右左折があるところなので、西15丁目側にホームを設置するのはさすがに無理がある。
また、西線や桑園方面のホームはそれぞれ方向別で良いが、西4丁目方面は同じ方向に向かうのにそれぞれ別のホームというのも不便だ。

ここは南1条側に停留場を新設することにしよう。

現在の南1条電車通りにそのまま停留場ホームを設置するのはさすがに厳しいが、この通りは幅員25mの都市計画道路になっていて、これが完成すると西15丁目電車通りと同様の幅員となる。

ここの1丁だけ、拡幅工事を先に完成させてしまおう。

せっかく新しくなった西15丁目停留場ホームだが、上屋や柵などの構造物はそのまま移設すれば良い。
ホーム移設で車道が広くなった分、ここに右折専用レーンを設ければ、交差点の通行もスムーズになる。

・・・いや、左折専用レーンかな。
路面電車の進行現示の間は左折可の矢印とすれば、桑園方面への直進車を減らすことができる。

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 新しくなった西15丁目停留場だが、南1条側に移設する。

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 移設先の南1条通。25mへの拡幅が決定しているので幅員的には問題ない。

これで問題点は大体解決した。
次は停留場の設置である。

西15丁目停留場から3丁(約400m)の間隔で設置すれば終点桑園駅までほぼ等間隔となる。
路線名は『桑園線』とし、停留場名は〇条の前に路線名をつけた。
これは西線〇条山鼻〇条と同様である。

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 桑園線の詳細図(地理院地図より作成)

北5条に停留場を設けなかったのは、北4条が車両通行止めとしたのでその代わりというのと、右左折が多そうなので混雑を避けるため。

折り返し用の亘り線は、西15丁目停留場北側に設けた。
ササラ電車や非常用の折り返し施設で、通常時は使用することは無いと思われる。

停留場は従来同様、交差点手前に設けた。
これは、3丁(約400m)という距離は、電車が発車してここまでくると、大抵ここで赤信号に引っかかることが多い(一条線、山鼻線を見ていると)から。

交差点後方に停留場を設けても、さほどの時間短縮にはならないだろうとの判断である。

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 市電桑園線の路線図(地理院地図より筆者作成)

これで桑園線は出来上がった。
営業キロは約1.6km。所要時間は1停留場間が2分とすれば、西15丁目〜桑園駅間は8分ということになる。
1条線の西4丁目〜西15丁目間の所要時間8分と合わせて、西4丁目〜桑園駅間は16分表定速度は11.25km/hとなる。

朝夕のラッシュ時は、桑園駅〜中央区役所前の通勤客の需要がかなりありそうだ。
地下鉄西11丁目駅付近は、官庁街とオフィス街である反面JR札幌駅からのアクセスが悪い場所で、JR桑園駅から直通の市電が開通すれば地下鉄や徒歩からの移行が相当数あると思われる。

問題は、西15丁目通りでは2か所で車がシャットアウトされること、迂回路となる道路は通行量が増えるので、それによる住環境の悪化が懸念される。
何度も説明会を開催するなど、沿道だけでなく広域での住民からの理解を得る必要がある。

それさえクリアすれば開業までは早い。

札幌市電のループ化事業が正式にスタートしたのは2012(平成24)年4月だった。
工事施工が認可され工事着工となったのは2年後の2014年5月である。
その翌年の2015年12月19日に開業式典、12月20日に営業運転開始と事業化から3年半で開業となっている。

しかしこれは入札不調などの理由で工事が遅れたことがあり、当初の開業予定は2015年春となっていたもので、予定通り進めば事業開始から3年、工事着工から1年ほどで完成したことになる。

事業開始から開業までの期間が短いのは、通常の鉄道と違って全線道路上に敷設されるため、道路管理者など関係機関同士の調整さえ済めば、すぐに工事着工できるからだろう。

事業開始から開業までの期間が短いのも 路面電車の長所 である。
これが鉄道でも道路でも、用地買収を伴うと5年10年の事業になってしまう。

新幹線や再開発との絡みがある札幌駅や苗穂駅方面と違って、桑園方面は大規模な再開発計画は無く、全線で札幌市が管理する道路(市道、道道)なので事業開始から開業までそれほど期間はかからない可能性が高い。

それを考えると市電の延伸は、桑園地域を第一候補とすべきではないだろうか。


【おことわり】
この記事の内容は100%筆者の私案であり、沿線の生活環境ほか、あらゆる利害、権利などは考慮していません。
筆者は、市電延伸の関係者や関係団体とは一切関係ありません。

posted by pupupukaya at 19/05/19 | Comment(1) | 札幌市電

札幌市電延伸を勝手に想像する【札幌駅・苗穂編】

こんどは都心地域創成川以東地域の市電延伸について考えてみたい。

都心地域JR札幌駅創成川以東地域JR苗穂駅への接続が主眼となる。

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 延伸の3候補地区(札幌市路面電車活用計画より引用)

筆者が考えた札幌駅と苗穂駅への延伸ルートは下図の通り。

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 札幌駅と苗穂駅方面延伸のルート案。(地理院地図より筆者作成)

まず、創成川以東地域(以下苗穂方面とします)のルートは、北3条通りということで異論はないだろう。

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 幅員27.27m、現在片側2車線の北3条通り。

北3条通りはかつて市電苗穂線があった通り。
延伸ではその復活となる。

その他のルートとしては、北1条は国道で交通量が多いので論外。
北2条は都心を東西に貫通していることや、苗穂アンダーパスへ直進する道路なので、こちらも交通量がある。

苗穂駅に乗り入れるのならば、北3条通りをおいてほかにはない


とりあえず苗穂方面のルートは北3条通りで確定である。

次は都心地域(以下札幌駅方面とします)である。
これはいくつものルートが考えられる。

1つは駅前通りを北進し北3条通り札幌駅へ向かうというもの。
2つ目は1条線から南1条通りを直進し、西2丁目通りを北進するというもの。

創成川通りも有力候補として挙げられそうだが、以下の画像で見るとちょっと無理っぽい。

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 北4条歩道橋から創成川通り南方向を見る。

創成川通りは、川側ぎりぎりまで車道になっていて、とても市電の軌道が敷設できそうにはない。
南北方向に通過する車の多くはこの創成川通りを通行する。
いくら路面電車党の筆者でも、創成川通りの車線を減らして軌道を設けるのは反対である。

それと創成川通りは、都心アクセス強化(創成川通の機能強化)として現在の札幌北ICから新たにバイパスを新設する計画がある。
そうなると、この付近にバイパスの出入口が設けられると思われ、ここに市電が乗り入れるとなると動線が交錯して大混乱になるだろう。

そういうわけで、創成川通り案は最初から却下

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 同場所から創成川通り北方向。このあたりに新バイパスの出入口が設けられるかもしれない。

もう一つ有力候補になりそうなのが、西2丁目西3丁目にそれぞれ単線の軌道を敷設するというもの。
両道路は一方通行になっていて、それに沿う方向に電車が走ることになる。

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 4車線一方通行の西3丁目通り。

却下とした理由に、西3丁目通りがあまり広くないことが挙げられる。
ここに無理に軌道を設けるくらいなら、無駄に広い西2丁目通りに複線で敷設したほうがいい。

それともう一つが、これらの通りが一方通行で、しかも都心発着のバス路線の多くがここを通行するから。

一方通行路に軌道敷を設けるとなると、サイドリザベーションということになるだろうが、そうなると歩道上のバス停からバスに乗降ができなくなることになる。
進行方向右側に軌道敷を設ければこの点は解消するが、こんどは電車が歩道から乗降ができなくなるし、停留場は車道側に張り出して設置する必要がある。

幅広の西2丁目通りはそれでも余裕がありそうだが、西3丁目通りでは停留場部分は車線が2車線となってしまうので、さすがにこれでは渋滞するだろう。
(路駐の多いこの通りは実質2車線しか機能していないが)

そんなわけで、創成川通りと西3丁目通りは初めから候補から外した

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 片側2車線の札幌駅前通り。

で、まずは1番候補の駅前通り

この通りは、駅前通り地下歩行空間の工事が始まる前は片側3車線道路で、現在でもそのままであれば、市電都心線と同様にサイドリザベーション+片側2車線とすることができた。

しかし、地下歩行空間の出入口が車道の1車線をつぶして設けられたので、現在は片側2車線となっている。

車線数を減らしてまで歩行者のスペースを確保するというのは、昔では到底考えられなかったことである。
なんでも車優先だった時代と比べると、良い時代になったものだ。

しかし、この歩行者優先の設計が、市電延伸にとって厄介なものになるのだった。

1車線を軌道敷とるすと、残りの車道は1車線ということになる。
左側にある停車帯を生かすと、道路中央側に軌道を敷設することになるだろう。

地下歩行空間の明り取り窓をふさいで、中央分離帯を撤去すれば2車線分の車道は確保できそうだ。

北3条から苗穂駅方向へ行く路線ならばそれが最適である。

しかしもう一つ。悩ましい問題。
それは、札幌駅や苗穂方面へ路線を延伸する上での最大の難問でもある。

そう、それは大東案で決着した新幹線の札幌駅である。

現在の1・2番線転用案や地下案ならば、駅前通りを直進し、南口駅前広場に入ればよかった。
現在の駅と離れた場所に新幹線駅ができるのならば、当然そちらへも市電を乗り入れさせたいところである。

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 駅前通りを北進し、苗穂駅と新幹線駅へ延伸するルート案。(地理院地図より筆者作成)

うーん・・・、2丁離れて同じ方向へ向かう2路線。

何だか無駄じゃね?

筆者でなくとも、誰もがそう思うところだろう。
また実際に電車を走らせるとなると、この2線は当然ながら別系統となる。

2つの路線を集約して、1本化すれば良いのではないかと誰もが考えるだろう。

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 駅前通りを北進し、在来線駅と新幹線駅を経由して苗穂駅へ向かうルート案。(地理院地図より筆者作成)

うん、だいぶすっきりした感がある。

札幌駅南口広場には入らず、北5条通りに右折して新幹線駅へ。
そこから南進して北3条通りに入るというもの。

一見良さそうだが、これもまた問題がある。

市電の苗穂方面延伸の最大の目的とは、苗穂駅周辺地域と大通地域を結ぶことである。
苗穂地域の人が札幌駅に行くにはJRを使えばいいだけだし。

それに、札幌駅へ迂回するこのルートだと、交差点の右左折が2つ増えることになる。
自動車と違い、路面電車が右左折するには、自動車の信号をすべて赤にして停止させる必要がある。
また、新幹線駅の駅前広場にも乗り入れさせたいところだ。

こうなると、大通〜苗穂駅間の所要時間で考えれば、おおよそ10分程のロスが発生することになる。

『虻蜂取らず』とはまさにこのこと。

苗穂駅方面か、札幌駅方面か、どちらかを諦めるしかない。

残念。

と思いかけたところ、一つの案を思いついた。

要するに、新幹線駅へ寄ってから苗穂駅へ向かえばいいんだろう?

新幹線の高架下を専用軌道で通せばいいんじゃね。

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 札幌駅を通り越して苗穂駅手前付近まで建設される新幹線。
 ※札幌市HP、 札幌市内のルート図より引用

新幹線は発寒駅付近から函館本線と並行して地下トンネルとなり、石山通りを過ぎたあたりで地上に出て、そこから高架で札幌駅へ向かうルートに決定している。

その新幹線の高架は、大東案の札幌駅で終わりではなく、現在の苗穂駅手前くらいまで引込線が設けられ、車両基地を持たない札幌側では、新幹線車両の留置線として使われる計画になっている。

その留置線がどのようになものになるかはまだ明らかにはされていないが、おそらく連続した高架橋となるはずだ。
ここを専用軌道として通せばいいのではないか。

これを新幹線高架下ルートとする。

というわけでこうなりました(下図)

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 札幌新幹線駅を経由し新幹線高架下経由で苗穂駅へ向かうルート案。(地理院地図より筆者作成)

駅前通りルートは新幹線札幌駅へ乗り入れると右左折が増えて不利になるので、ここは西2丁目を北上とした。

北3条ルートと比べると、苗穂駅から大通へは若干遠回りになるものの、札幌駅から苗穂駅までは専用軌道となり、車との交錯がないぶん定時性は増すことになる。

地図上に路線を描いて、さらに計画中の再開発計画も書き入れてみた。

こうして見ると、新幹線高架下ルートの沿線は再開発計画が目白押し
逆に市電の高架下延伸を狙っていた?と思いたくなるほどだ。

むしろ、当初の北3条ルートが地味に感じる。

中央体育館が北1条から北4条の線路沿いに『北ガスアリーナ札幌46』として移転したが、交通機関はどのようなものを想定したのだろうか
一応、ファクトリーとは空中歩廊で結ばれているが、そこで終わりである。

また、地下鉄のバスセンター前駅からのアクセスとなると、北1条通りに面したファクトリーのフロンティア館からは屋内を通ることができるが、ゆうに800m以上は歩くことになる。

再開発計画の多くは商業施設のほか、ホテルマンション医療施設の建設ということになっていて、どれもが交通機関が貧弱では話にならないものばかり

車でのアクセスを想定するならば、都心近くよりも郊外に建てるほうが余程良い。

これらの再開発計画があることで、高架下ルートが がぜん輝いてくる
北3条など目じゃないというほどだ。

仮に北3条通りルートを採用したら、この高架下は駐車場にでもなるのだろうが、それはもったいない話。
市電を通せば、高架下の有効活用の好例となるに違いない。

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 現在は駐車場となっている新幹線高架建設予定地。

ただし、高架の構造が特殊なものになるので、建設費の増大はあるだろう。

JR北海道国土交通省との交渉も必要になる。
建設費の増大は、特にJR北海道は嫌がりそうだが。

高架下の使用となるので、JR北海道に賃借料を払うことになるとすれば、JR北海道にとって悪い話ではあるまい

あるいは高架はJR北海道軌道は札幌市または交通局の所有とする区分所有的なものとすることも考えられる。
そうなれば双方が建設費を出し合うことになる。

新幹線の引込線となる予定の土地は、もともと地平線時代に線路が5線並んでいた場所で、複線の新幹線高架を建設してもまだ余裕がある。

この土地を都市計画道路として札幌市が買い上げ、高架下も含めて道路区域とし、高架下は路面電車軌道、その脇は遊歩道(札幌〜桑園間の緑道のような)として整備すれば交通局の持ち出し分は減るんじゃなかろうか。

あるいは、現在札幌駅西側の西5丁目から西11丁目まで市道となっている高架側道6号線(札幌桑園停車場緑道線)の一部、西2丁目から創成川通りまでの市道北6条線の一部も新幹線用地となる。

これはもともと函館本線の地平線の跡地を有効活用するべく、市が取得して道路や緑道として整備したものである。
新幹線建設となると、この市道が再びJRの用地として取得する必要がある。

一方で、札幌駅から苗穂方面の地平線跡地は、なぜかJR所有のまま残されている。
そこで、札幌市所有の新幹線用地として明け渡さなければならない道路と、高架下の市電用地とする用地を、等価交換するという手もある。

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 桑園方の市道と苗穂方のJR所有地を交換してみると・・・

この辺りは100%素人考えだし、鉄道線路に区分所有なんてものがあるのかは知らない。

専門家や関係者からすれば笑われるような話かもしれない。
ま、その辺は筆者の勝手な想像ということで勘弁してください

次はこのルートに軌道を敷設するとどのようになるか想像してみます。


【おことわり】
この記事の内容は100%筆者の私案であり、沿線の環境問題ほか、あらゆる利害、権利などは考慮していません。
筆者は、市電延伸の関係者や関係団体とは一切関係ありません。

posted by pupupukaya at 19/05/26 | Comment(0) | 札幌市電

札幌市電延伸を勝手に想像する【都心線編】

さて前回で決めた西2丁目、新幹線高架下ルートがどのようになるか実際に見てみたい。

まずは西4丁目〜札幌駅(新幹線駅)へのルート。
西2丁目通りまでは既存の1条線から直進となる。

で、西4丁目から西2丁目までの南1条通りの現状はどうかというと以下の画像をご覧ください。

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 客待ちタクシーと路駐のため実質片側1車線の南1条通り。

一応片側2車線ということになっているが、客待ちタクシー路駐が両側を占拠して、実質片側1車線としか機能していない。
ここへ複線の軌道を敷設するとなると、両側の車はどこかへ行ってもらわなければならない

路駐はともかく、駅前通りから締め出された客待ちタクシーを、またしても締め出すとなると業界から大反発を食らいそうだ

欧米ならばこんな道路は歩行者と路面電車のみ通行可としたトランジットモールになるところだが、日本ではまだまだそんなものに理解など無いに等しい

ここはひとつ、一方通行にしてしまおう。
これならば、片側2車線幅員7m以上は確保できる。

軌道は南側に寄せるダブル・サイドリザベーションとし、北側車道は東行き一方通行とする。
これならば路肩に客待ちタクシーが駐車していても、十分余裕がある。

一方、締め出された西行きの車は、1丁北側の南大通りへ迂回してもらえばよい。
これは、東2丁目や創成川通り(現在は右折禁止)の交差点に、右折専用レーンや右折専用信号を設けることで誘導する。

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 南1条通りに市電の軌道を敷設した道路断面図(筆者作成)

次の問題。
それは南1条西2丁目、丸井1条館角のコーナリング

この角は隅切り8mとなっているが、これは床面だけ削って8mに合わせただけで、2階から上は建物が張り出している。
ここを曲がれるのだろうか。

その前に、西2丁目通りは西側(丸井側)に軌道を寄せたサイドリザベーションとする。

その理由は、西2丁目通りが南行一方通行なため、道路中央を電車が通行すると、北方向へ向かう電車は逆走ということになる。
また、軌道を跨いだ車線変更も困難となるため、サイドリザベーションがベストということになる。

東側の歩道はバス停が多くあるので、軌道を東側に寄せるのも無理だろう

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 丸井今井一条館角のコーナリング。

で、問題の丸井1条館角の曲線

JWCADで描いてみたら、半径18mとすることで何とか収まった。
緩和曲線なし。
それでも、歩道縁石の隅切りが必要になるなど苦しい曲線である。

ちなみに、『低床車両デザイン検討業務プロポーザル実施要領』によると、低床電車A1200形電車(ポラリス)の設計最小曲線半径は14mということだ。

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 R18mとすることで南1条西2丁目交差点はクリア。(JWCADで筆者作成)

丸井角はクリアしたが、続いての問題は南1条から南大通までの区間。
5車線(以前は6車線)の西2丁目通りだが、ここの1丁だけは4車線のボトルネックとなる。

またしても丸井今井1条館の建物が張り出しているためで、丸井側の歩道幅員は図面上は5.72mとなっているが、実際は4.5mほど
タクシー乗り場部分はさらに歩道が狭くなって、ここは約3m(筆者目測)の幅員になっている。
このタクシー乗り場部分まで歩道を削れば複線の軌道を敷設しても3車線の車道は確保できそう。

歩道は街路樹や駐輪自転車が占拠しているので、現状は実質この有効幅員となっているのと、南1条と中通りの短い間だけなので、狭い歩道で勘弁してもらおう。
車道側に安全柵も設けなければならないし、実際はさらに狭くなる。

大通館側は1階部分がアーケードのようになっていて、そこを通行することができる。

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 丸井今井一条館横の西2丁目通り、タクシー乗り場付近。

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 丸井今井大通館横の西2丁目歩道。自転車が置いてあるあたりまで歩道を削ることになる。

南大通りから北側は堂々とした5車線区間で、複線の軌道を敷設しても3車線+路肩は確保できる。
ここから札幌駅までは一直線だ。

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 車道17.45mの左端に軌道敷6mを想定した図。大通から北方面。(筆者作成)

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 西2丁目通りに市電の軌道を敷設した道路断面図(筆者作成)

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 上図の路面に停留場ホームを設置した道路断面図(筆者作成)

と思ったら、北1条西2丁目、創成スクエア前の交差点には西2丁目地下歩道の出入口になる階段とエレベーター室が車道の1車線を塞いで占拠している。

以前、西2丁目通りは北5条から北1条までは6車線だったのだが、この出入口が新設されたので5車線に減らされたのだ。

車線を減らしてまで歩行者の空間を確保するなど、以前では考えられなかったもので、とにかく歩行者優先で設計される良い時代になった。
しかし、この歩行者優先の設計も、市電延伸となると厄介な存在となる

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 西側1車線を潰して設けられた西2丁目地下歩道の出入口。

北1条交差点はバス停もあるし、バス路線も右折や左折で北1条通りに行く路線が多い。
ここを2車線としてしまうと相当なボトルネックとなる。
都心発着のバス路線の大半はこの道路に集中している。やはり3車線は確保したいところ。

これはちょっと移設するか、廃止するかしかないだろう。

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 西2丁目地下歩道の出入口を裏から見る。

この2つのボトルネックをクリアすればあとは快調に北5条まで。
たまにこの通りを車で通ることがあるが、西2丁目通りは本当に無駄に広いとおもう。

道路の幅員は十分にあるが、北1条から北4条まではビルの駐車場の出入口デパートの搬入口などがいくつも存在するのが頭の痛い問題
そもそも市電の敷設予定など全くなかった道路だし、駐車場の設置者に罪はない

市電の軌道を横切って出入りする形になるので、これは安全のためにミラー電車接近の警報装置などを市電の費用で設置するべきだろう

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 片側2車線を軌道としても、まだ余裕がありそうな西2丁目通り。北4条から南方向。(筆者作成)

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 エスタの歩道橋から見た北5西2交差点。普段は3車線で十分なほどの通行量。

北5条西2丁目交差点で、電車は右斜め方向に曲がることになる。
大東案に決定した新幹線の駅前に乗り入れるためだ。

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 新幹線駅建設予定地。現在は広大な駐車場と駐輪場の北5西1街区。

  2019/4/10 北海道建設新聞

現在は広大な駐車場と駐輪場となっているが、北海道新幹線開業に合わせてここにタワービルが建つことになる。
JR北海道単独の事業ではなく、札幌市も *札幌駅交流拠点再整備構想 としており、札幌市も再開発事業として絡むようだ。

道内最大の交通結節点にふさわしい交流拠点の形成を目的とし』とあるので、タワービルや新幹線を含めて、ここを一大交通拠点とする計画のようだ。

その計画書には今のところ市電乗り入れの構想は無い。
現状のまま計画が進めば、市電乗り入れなど困難になってしまう可能性が高い。

早い段階で市電延伸関係者がこの再開発計画加わる必要がある

筆者の想像では、このタワービルを含めた駅ビル内を、斜めに市電の軌道を通すことにした。

西2丁目通りから新幹線高架下へは最短ルートとなるし、建物の縁を通すとなると3回も90度のカーブを曲がらなければならないのでそれを避けるため。

タワービルの下に軌道を斜めに通すのが可能かどうかはわからないが、そうさせてもらう。

sapporo3.png
 札幌駅交流拠点の構想。
 札幌市HP『北5西1街区の活用に関するサウンディング型市場調査」の実施について』の参考資料より引用。市電路線(赤破線)は筆者記入。

1階部分が分断されるのでは、と思われるだろうが、新幹線改札は1階に設けられるものの、1階から外に出てもほとんど何もない場所なので、新幹線の旅客は2階や地下からのアプローチになり、また新幹線からの降車客もそちらに分散するものと思われる。

1階部分は市電のホームのほかは、新幹線駅のコンコース、タクシー乗り場などが設置されることになるだろう。

札幌駅交流拠点再整備構想をもとに勝手に駅ビルと市電の線路を想像したのが下の図。

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 札幌駅新幹線口となる北5西1街区に、勝手に駅ビルと市電軌道を入れた図。(地理院地図より筆者作成)

ここまで、西4丁目から札幌駅新幹線駅までのルートが決まった。
これを都心線の北部分とし、地図に路線を描くと以下のようになる。

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 都心線、西4丁目〜札幌駅の詳細図(クリックで拡大)

途中の停留場はテレビ塔前北2条北4条と2丁ごとに設けた。
2丁ごととしたのは、サイドリザベーションの歩道側の速度が20km/hに抑えられていることで、2丁走れば赤信号で停止となるだろうから。

西4丁目停留場は札幌駅・苗穂駅方面乗り場は現在のループ線外回りと共用。1条線方面乗り場は南1条通りのパルコ前の歩道上に新設とした。

南1条西4丁目交差点からは軌道を南側に寄せたサイドリザベーション
昔は南1条西2丁目に丸井前停留場があったが、ここには停留場を設けず、大通公園に面した場所に設けることにする。

西4丁目の次はテレビ塔前。丸井今井大通館と札幌市役所へは横断歩道を渡ればすぐだ。
北1条西1丁目のNHK札幌放送会館は移転することになっていて、同じ街区の市民ホールも実は仮設のもの。
ここへ札幌市役所が新築移転する構想があるらしい。


北2条は、創成スクエアの前。
創成スクエアができてからここの交差点は歩行者の通行量が増えた。

北4条は、いるかなと思ったが、東急デパートと地下鉄東豊線さっぽろ駅が最寄りとなることから設けることにした。

新幹線の札幌駅はタワービルとなる新駅ビルの1階。停留場名は札幌駅新幹線口とした。
在来線の改札口は新駅ビルの3階に設けられる予定になっているが、在来線の利用者が市電で来ると逆に不便になるのと、地下鉄さっぽろ駅とは別の場所にあるために区別するため。

想定した場所は、新幹線の改札口を出てから約50mほどの距離。
改札口から市電の乗り場が目の前に見えることだろう。

地下鉄東豊線さっぽろ駅改札口までは、最短の通路が設けられたとしても160m以上、しかも地下2階まで下りることになる。
大型のスーツケースを持った人がたくさん乗り降りしそうだ。

西4丁目〜札幌駅新幹線口間の営業キロ1.3kmとなる。
所要時間はどのくらいになるのだろう。

それは信号のサイクルが問題になる。
サイドリザベーションということで、最高速度が20km/hに抑えられるわけだが、青信号になり発進した電車が、次の信号を止まらずに通過できるのかという問題。

西2丁目通りは、北1条を除いて歩車分離信号となっている。
1サイクル約2分。これを西2丁目通り東西方向通りの持ち時間が各約35秒、歩行者が約35秒、全部が赤になる時間が各5秒と割り振られ、それぞれの通りの交通状態によって5〜10秒ほど前後するようだ(筆者実測)。

西2丁目通りの場合、青信号になって約30秒で黄色信号となる。
青になって発車した電車は、30秒以内に次の信号を通過できなければ、それこそ1丁ごとに赤信号で停止する羽目になり、これでは歩くのと変わらない。

20km/hでは、約130m先の次の信号までどうしても30秒ほどかかってしまうようだ。
それに青に変わったら即GOというわけにもうかず、どうしてもタイムラグが発生する。

そこで、電車が交差点に接近したらトロコン※などで検知し、5〜10秒ほど青信号を延長するなどの措置も必要だ。

 トロコン=トロリーコンタクターの略。架線に設置し、電車のパンタグラフが触れることで電車を検知する装置。

これで前の停留場を発車してから、2丁先の次の停留場を発車するまでちょうど2分ということになり、所要時間が決定する。

あと、西4丁目交差点は現在では、歩行者信号の青が終了してから20秒間路面電車の矢印進行となるが、これではタイミングが悪ければ、1サイクル分最長2分30秒ほど待たされることになる。
電車を検知すれば、信号の各変わり目に電車の矢印進行が出るように改善していただきたい

ただし西4丁目の交差点は、南1条を一方通行としたことで、直進する電車に限れば青信号で通過できることになる。

これで西4丁目を発車すると3分テレビ塔前へ。乗客扱いと信号待ちで1分
そこから北4条まで停留場2つ分で4分
北4条を発車し、北5条はここも路面電車の矢印進行による通行となる。北5条の信号待ちを含め札幌駅新幹線口まで2分といったところ。

西4丁目〜札幌駅新幹線口までの所要時間は計10分
表定速度は7.8km/h
だいぶ情けない数字で、歩くよりマシといったところ。

地下鉄ならば大通〜さっぽろ間の所要時間は僅か1〜2分
しかし地下鉄の改札口から新幹線の改札口までの移動距離は、東豊線でも160m以上、南北線からだとゆうに400mを超える。
これを重たいスーツケースをガラガラと引いて歩くことを考えれば、大通〜新幹線駅の移動は市電にも分がありそうだ。

バスがあるじゃないかという意見もあるだろうが、札幌駅のバス発着場所が各社でバラバラ、大通や南4条あたりまでのバス停留所も同様にバラバラということを考えればほとんど利用価値はない。

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 北3条西1丁目にある中央バスの札幌駅前停留所。駅前を名乗るバス停では札幌駅から一番遠い。

福岡市の博多駅〜天神の100円バスのように、駅前の停留所を集約すればそれなりに利用価値がでるのだろうが、バス会社も方面もバラバラなバスを使いこなすのは慣れた人以外は無理だろう
それにすべてのバスが大通まで行くわけではない。

さて、札幌駅新幹線口へ乗り入れた市電。
今度は新幹線の高架下を通って苗穂駅へ向かうことになる。


【おことわり】
この記事の内容は100%筆者の私案であり、沿線の環境問題ほか、あらゆる利害、権利などは考慮していません。
筆者は、市電延伸の関係者や関係団体とは一切関係ありません。

posted by pupupukaya at 19/06/02 | Comment(0) | 札幌市電

札幌市電延伸を勝手に想像する【苗穂線編】

札幌駅新幹線口停留場からは苗穂線とします。

札幌駅から苗穂駅までの間は、高架線路沿った南側に空間がある。

ここはかつて函館本線が地平だった時代、本線が3本、側線が両側に2本、計5線もの線路が並んでいたその跡地である。
桑園側市道緑道として整備されたが、苗穂側はなぜか多くが駐車場や空き地となっている。

そこが新幹線の建設用地になる。

新幹線の高架橋は、札幌駅から苗穂駅手前まで建設予定となっていて、車両基地を持たない札幌側はここを新幹線車両の留置線として使用することになっている。

旧路線時代は北3条通りにあった苗穂線だが、筆者の想像では新しい苗穂線はこの新幹線の高架下を通ることになる。

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 創成川通りから新幹線高架予定地を見る。

高架下に市電を通すとこんな感じになる。

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 新幹線高架下に市電の軌道を設けた断面図(筆者作成イメージ)。

もう1つは実際に高架下に敷設された軌道の例。
これは高架化工事による仮設の線路で、高架下に連続して敷設される常設の鉄道はあまり例は少ないようだ。

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 高架下線路のイメージ。九州新幹線の高架下を通る鹿児島本線(現在は高架に移設のため現存しない)。
 ※ googleストリートビュー( 2012年2月撮影)からの引用。

専用軌道とはいえ、いくつもの道路とは平面交差となる。
踏切としたいところだが、創成川通り東2・3丁目通りは交通量が多く、交通信号機による交差になるのはやむを得ない。

軌道回路かトロコンで電車を検知したら、他の信号と連動して赤信号にして、電車信号を進行現示とする。
といっても、交差点ごとに信号待ちではかなわない。

東2・3丁目通りは、JR高架北側に並行している東西方向の道路が青の間は、市電軌道側も進行現示とすれば良い。
高架北側の交差点も赤信号なのでさほどの影響はないだろう。
これは東4丁目通りも同様。

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 交差する道路には信号機を設ける。画像は東2丁目通り。

次に交差するのが東5丁目、この通りは苗穂駅連絡通りとして拡幅の上東側に移設された道路。

北1条にあった中央体育館がここに移転してきて、この建物の南側からファクトリーまで空中歩廊で結ばれた。
ここに停留場を設ければファクトリー最寄りとなる。

停留場から体育館まで上屋を設け、軒下を通って空中歩廊入口まで行けるようにすれば、雨の日でも濡れずにファクトリーまで行けることになる。

DSCN2283.JPG
 苗穂駅連絡通りと交差する地点。北ガスアリーナの南側からファクトリーまでは空中歩廊で結ばれている。

この交差点の通りは車の通行量が少ないので踏切にしてもいいのではと思った。

しかし、道路構造令第二十九条では踏切を設ける条件として、線路から5m離れた道路中心から見て、110m(列車の速度が50km/h以下の場合)にわたって線路を見通すことができることとなっている。
高架下線路では110mもの区間の線路を見通すなどとても無理

それ以外にも『踏切道改良促進法』とか『踏切道改良促進法施行規則』などの法律ががんじがらめとなって、踏切の新設は事実上不可能に近い

ここも信号機による交差となるが、車の通行が少ないので、押しボタンの歩行者信号のように電車が停留場を発車したタイミングで赤信号にするくらいでいいんじゃないだろうか。

この交差点を過ぎると、終点苗穂駅までは名実ともに専用軌道区間となる。

東8丁目アンダーパスは、車道も歩道も地下道となっているので、市電の線路と平面交差することはない。
ここに停留場を設ければ東区方面からのアクセスも良くなる。

ただ、今の煤けた地下歩道はもう少しきれいにした方がよさそう。それに、エレベーターを設置するなどバリアフリー対応も必要だ。

DSCN2295.JPG
 東8丁目アンダーパスと歩行者地下道入口。

新幹線高架は苗穂駅手前まで建設予定となっており、そうなると新幹線留置線はアンダーパスから厚生病院裏あたりにかけて設けられることになる。

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 北4条東8丁目、厚生病院裏あたりの新幹線高架用地。

北海道新幹線は札幌が終点ではない。
実は旭川までが基本計画となっている。

札幌駅が2面2線となってしまったので、この留置線は非常に重要なものになる。
地下鉄終点の引込線のように、単純に複線の線路だけ設置するというわけにはいかない。

現状では、北海道新幹線が札幌からさらに延伸される可能性は極めて低いが、基本計画にある以上は延伸する可能性を残して、準備工事くらいはしておかなければならない。

例えば、新幹線開業後に旭川が冬季オリンピックの開催地に決定する可能性が、100%無いとは言い切れない。

とにかく、今ある現状だけで物事を判断してしまったら、また札幌駅の新幹線駅問題の再来である。

それでいくと、将来の本線になる2線と、留置線2線計4本分の線路の高架をここに建設することになる。

なぜ筆者が旭川延伸と新幹線の高架橋について語るのかというと、市電を延伸した場合の車両の問題からだ。

市電を延伸といってもただ線路を敷けばいいってもんじゃない。
営業用の車両もその分必要になる。

仮に桑園駅〜苗穂駅に1系統を設け、片道30分程度の所要時間と想定すると、両終点での折り返し時間も加えると往復で1時間20分ということになる。
これで現行の市電の運転間隔である6〜7分間隔とすると、12台の電車が必要になる。それにラッシュ時の増車や予備車両を含めると20台くらいは必要になる。

現在の札幌市電の営業用車両は34台。これを南21条にある電車事業所に収容している。
電車事業所は建替えが予定されているが、さらに20台もの電車を収容するのは難しいだろう。

また、系統を桑園駅〜苗穂駅とすると、乗務員交代などの拠点を新たに設ける必要も出てくる。
しかし、車庫を新設するとなるとそれなりに土地が必要となる。沿線にそんな土地などあるはずもない。

で、新幹線の留置線である。

ケチケチしないで、きちんと旭川延伸の準備工事も行っておけば、ここに本線2線留置線2線計4本の線路が並ぶはずだ。高架の幅は20m以上にはなることになる。

ここへ市電の留置線を敷設し、乗務員の拠点も設けようというものだ。

なんともずる賢い考えだが、商売というのはこういうものだ

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 上下本線と留置線計4線の高架下に市電留置線を設けた断面図(筆者作成イメージ)。

高架下に100mほどの長さの留置線を2本設ければ、3連接のA1200形ポラリス級車両でも10編成は収容できる。残りは西15丁目から回送して、建替えて拡張した電車事業所に収容することにしよう。

ここまでくれば苗穂駅まであと一息。

次に問題になりそうなのが踏切のある東9丁目通り
いわゆる『あかずの踏切』である。

この踏切は一連の苗穂駅整備事業が完了したら除却されることになっている。

現在は市が地域住民に説明している状態。
歩行者用の跨線橋くらいは設けられるのかもしれないが、この道路と市電が交差することはない。

もしかしたら踏切除却の条件としてここに停留場を設けることになるかも。
タイミング的にそれはないかな。

DSCN2306.JPG
 苗穂駅の整備事業完了後に除却される予定の東9丁目踏切。

次は終点苗穂駅

札幌市HP、札幌市内のルート図では新幹線の工事終点は東10丁目付近となっていて、そこから苗穂駅の新駅まで約100m
ここからは高架下から空の下に出る。
しかし、新幹線の旭川延伸が実現すれば、ここも高架下ということにになる。

苗穂駅の自由通路から停留場ホームまで直結のエスカレーターを設ければJRとの乗り換えや北口方面へのアクセスは良くなる。
また、この自由通路からアリオまで空中通路で結ばれることになっている。

DSCN2323.JPG
 苗穂駅終点あたりの空間。北海道新幹線はさらに旭川まで基本計画になっている。

苗穂駅のホームはがっちりと終点形状にするか、延伸する可能性を残した形状にするのか。

苗穂駅南口の駅舎と線路の間は単線分の幅しかなく、さらなる延伸は難しそうだ。
仮にするとすれば、ここだけ単線で通すことになる。

延伸したら、この先は函館本線を跨ぐオーバーパスを新設して苗穂通りに出るか、旧苗穂駅付近から北3条通りに出て平和大橋を渡って菊水上町方面へ行くかといったところ。

この記事は、そもそもが想像なので景気よくいきたいところだが、ここは苗穂駅が終点ということにしておく。

DSCN2325.JPG
 苗穂駅の自由通路から線路横の空間を見る。元々は北ガス工場への引込線があった場所。

というわけで、地形図に苗穂線の路線を描いてみました。
再開発計画で、建物形状がHP等で拾えたものについてはそれも入れてみた。

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  苗穂線、札幌駅〜苗穂駅の詳細図(クリックで拡大)

苗穂線の停留場は東2丁目東5丁目東8丁目苗穂駅の4箇所。

札幌駅新幹線口停留場から駅ビルの1階を通り抜けたら、創成川通りと交差する。
ここは信号機による平面交差となる。

通りを挟んだ向かい側にも建設される新駅ビルとは、階上の連絡デッキで結ばれるので、歩行者用信号は不要だろう。
他の信号と連動して創成川通りを赤信号ににするので、ここで最長1分以上の信号待ちが発生することになるが、致し方ないところ。

札幌駅新幹線口を出ると、次は東2丁目停留場
ここは、新築移転する卸センター跡地の再開発地区が近い。

北海道建設新聞によると、大手デベロッパーがマンションを核に、ホテルなどを構想しているもよう。

  2017/9/26 北海道建設新聞社

次が東5丁目停留場
サッポロファクトリーへは空中歩廊を通って約300mの距離だ。

地下鉄バスセンター駅8番出口からファクトリーのフロンティア館までは約240m
ただしこちらは外を歩くのと2箇所の信号があるので、雨の日や冬のアクセスは市電に軍配が上がりそう。

次が東8丁目停留場
東8丁目アンダーパス札幌厚生病院の両方の顔を立てて、その中間点とした。隣の停留場との距離を考えてもまあ無難なところ。
地下道を通ってJR線路の北側へ出ると、すぐにサッポロビール園の入口があるので、観光客の利用もありそう。

この付近に新幹線の留置線が設けられるはずなので、その幅広の高架下を利用して市電の留置線を設けることになるのは前述した通り。

ここに営業拠点を設けるか、派出所的なものになるのかわからないが、通常は東8丁目で乗務員交代が行われることになる。
(営業的なことまでは想像しません)

そして終点苗穂駅停留場
ここはY字の単線の折り返し構造とし、片方は降車専用、もう片方は乗車専用ホームとなる。

苗穂駅2階の自由通路へはエスカレーターで直結、もちろん南口広場にも平面で出入りできる。
JR苗穂駅へも、その先のアリオへも屋内で移動できる。

現在北1条通りを運行している高速バスを北3条通り経由にして苗穂駅南口を経由させれば、苗穂駅は新たな交通結点となることだろう。
東区や白石区方面からの道路が集まる苗穂駅地区。立地的に見て、桑園以上に発展するような気がするのだがどうだろう。

さて、桑園駅から始まって苗穂駅まで完成した想像の延伸ルート。
次はダイヤを造像してみたいと思います。


【おことわり】
この記事の内容は100%筆者の私案であり、沿線の環境問題ほか、あらゆる利害、権利などは考慮していません。
筆者は、市電延伸の関係者や関係団体とは一切関係ありません。

posted by pupupukaya at 19/06/08 | Comment(0) | 札幌市電

札幌市電延伸を勝手に想像する【系統・ダイヤ編】

札幌市電の延伸路線として、桑園線苗穂線都心線(北部)の3路線の詳細が出来上がった。


 2,桑園編
 4,都心線編
 5,苗穂線編

今度はここに電車を走らせようということになる。

dia11.png
 桑園駅から苗穂駅まで全線開通後の想像路線図(地理院地図より筆者作成)

現在の循環線に加えて、桑園駅と苗穂駅への分岐路線という路線形態となる。
ここに系統を設けるとしたら、どのようになるのだろうか。

考えられるのは3案。
それぞれについて考えてみる。

第1案は単純に苗穂駅と桑園駅を結ぶ系統を追加したもの。

dia14.jpg
 系統第1案(地理院地図より筆者作成)

従来の循環線を1番系統とし、新路線の桑園線と苗穂線を直通する2番系統を設ける。

利点は、循環線がそのままなので、既存の利用形態に与える影響はほとんどないこと。
また、系統も単純で分かりやすい。

欠点は、2番系統は電車事業所を経由しないので、乗務員交代は苗穂編で述べた新設した留置線に乗務員の拠点を設ける必要がある。また、出入庫のために電車事業所から西15丁目まで電車を回送することになる。

既存区間では変わるものがないので、新たな需要が見込めそうにない。
また、2番系統でも全線の所要時間は30分以上となり、通しでの乗客はまずいないだろう。


第2案は、現在の循環線を中央図書館前で2分割し、それぞれ桑園線や苗穂線へ向かうというもの。

dia15.jpg
 系統第2案(地理院地図より筆者作成)

利点その1、電車の入出庫や乗務員交代は従来通り電車事業所となる。ただし2番系統は事業所から図書館前まで若干歩くことになるが。

利点その2、地下鉄の無い山鼻西線からの札幌駅へのアクセスが格段に良くなる。
新規に開業した桑園線や苗穂線だけではなく、西線地区の人たちも大きな恩恵を受けることができる。
これによって、既存路線から新たな需要が見込める。

欠点は、中央図書館前で系統が分断されるので、ここを直通していた利用客からは反発を招くだろう。
あと、せっかく定着した環状運転もなくなってしまう。


第3案は、中央図書館前で分断してしまった系統を1つにつなげて、全線通しで1系統にするというもの。

dia16.jpg
 系統第3案(地理院地図より筆者作成)

苗穂から山鼻をぐるりと1周し、桑園へという路線。

利点は、1条線は2回通ることになるが、現在の循環線、それに西線地区から札幌駅へ直通という、すべての需要を満たしている。

欠点は、片道の運行距離が長すぎるといったところだろう。

市電の全盛期時代は、苗穂駅〜三越前〜教育大学前(現在の図書館前)〜丸井前という長距離の系統が運行されていた。
苗穂駅を出発し、山鼻線と山鼻西線をぐるりと循環し、1条線の丸井前までという長距離路線だった。

片道の運転時間が長い故に、途中で遅れが発生すると、雪だるま式に遅れが膨らんで、終点に着くころには3台も4台も連なった団子運転になるだろうし、いろいろ問題があったようで、のちに苗穂駅〜静修学園、三越前〜丸井前の2系統に分割されることになる。

現在は電車の運行状況が一目で確認できるので、無線で指示を出すなりして運行間隔の調整はできるだろうが、ダイヤや運行間隔の冗長性を確保するとなると、終点での折り返し時間を多めに取る必要がある。
起終点の停留場では、常時2台の電車が待機するような恰好になれば、そのためのホームの延長や新設も必要になる。

もう1つの欠点は、運行経路がわかりずらいということ。
特に西4丁目〜西15丁目間は、同じ系統でも行先の異なる電車が来ることになるのでややこしい。

そんなわけで、第3案はあまり実用的ではなく却下。


第1案第2案か。
第1案で継続する循環線は捨てがたいが、ここはあえて利点の多い第2案で行きたい。

定着した循環線ではなくなるのと、中央図書館前で系統が分割されるというデメリットはあるが、それ以外の点ではメリットが多い。

現在の循環線の問題点を挙げると、この運行形態は遅れのあまり発生しない専用軌道ならば利点もあるだろうが、常に遅れのつきまとう路上の交通では必ずしも望ましい運行形態とはいえないようだ。

通常ならば終点での折り返し時間で、遅れ時分の吸収や、運転間隔の調整をすることになる。
循環線は折り返しこそないが、この時間のためにどこかに余裕時間を設ける必要がある。

その余裕時間を現在の循環線では西4丁目〜すすきの間に設けているのだ。
この区間の所要時間は直通ならば6分のところ、約12分をかけている。この6分が余裕時間というわけだ。
西4丁目やすすきので、客扱いが終わってもすぐに発車しないのはこのためだ。

はっきり言ってこの区間は、西4丁目かすすきので電車を降りて歩いた方が早い。
歩いた方が早い乗り物など、交通機関として失格だ。
現在の運行形態では、せっかく延伸しても、それを生かし切っているとは言えない。

この西4丁目〜すすきの間を生かす意味でも、あえて系統を分割することにした。


 【系統と運行区間】

1系統苗穂駅〜札幌駅新幹線口〜西4丁目〜西線16条〜中央図書館前
    (※朝ラッシュ時、西4丁目〜西線16条もあり)
  往復1時間38分、昼間14両、朝ラッシュ16両(※8両)、夕ラッシュ17両で運行。
  車両のうち10両は苗穂滞泊、残り14両は電車事業所に収容。

2系統桑園駅〜西4丁目〜すすきの〜静修学園前〜中央図書館前
  往復1時間38分、昼間14両、朝ラッシュ16両、夕ラッシュ15両で運行。
  車両全16両は電車事業所に収容。

電車の運行両数は昼間28両朝ラッシュ時で40両
現在は昼間16両、朝ラッシュ26両で運行しているので、14両の増加。
うち10両は、夜間は苗穂線に新設の留置線に収容する。

中央図書館前で2系統に分割されるため、ここで乗り換える乗客には乗換券を発行する。SAPICAの場合は、降車時にタッチして1時間は乗り変えた電車で引き落とし額0円とすれば良い。

また、中央図書館前停留場のホームを延長して、双方の電車が同時に折り返しできるように改良する。
乗り換えは、電車を降車したら前の方に停車中の電車に乗り換えるといった感じ。

toshokan435.png
 中央図書館前停留場のイメージ(筆者作成)


 【市電の時刻表】

市電にも一応ダイヤもあれば車両運用もある。
上記の条件で、エクセルに停留場と所要時間を入力し、計算式を使ってダイヤを作ってみた。

延伸区間の所要時間は前述の所要時間を以下の図にまとめてみた。
既存区間の所要時間は、札幌市交通局HPから標準の所要時間を当てた。

dia17.jpg
 市電延伸路線の停留場間所要時間(地理院地図より筆者作成)

考慮したのは車両運用のみ。
実際には乗務員の運用とか、その他いろいろあるのだろうが、そんなことまで筆者にわかるはずもなく、単純に所要時間と運行両数だけ入力し、以下の条件でダイヤを作成してみた。

作成したのは平日夏ダイヤ
実際には土日祝ダイヤ冬ダイヤもあるが、ここでは1例を挙げるということで、そこまでは作成していません。

ここでは概要だけ挙げてみる。

 ◆ 主な停留場の市電始終発時刻
停留場系統番号行先始発終発
中央図書館前発

@苗穂駅行  6:00  23:02
A桑園駅行  6:00 22:48
西4丁目発




@中央図書館前行  6:19 23:25
@苗穂駅行  6:24
 23:26
A中央図書館前行
  6:51 
 23:19 
A桑園駅行  6:27  23:15
札幌駅新幹線口発

@苗穂駅行  6:34 23:36 
@中央図書館前行  6:09 23:15
苗穂駅発@中央図書館前行  6:01 23:07
桑園駅発

A中央図書館前行  6:35 23:03
A西15丁目行 23:35


 ◆ 電車運行間隔
系統区間
@苗穂駅〜中央図書館前 6分  7分  5〜6分  7〜10分 
@西4丁目〜西線16条 3分   ―    ―    ―  
A桑園駅〜中央図書館前 6〜7分7分5〜7分7〜10分


 ◆ 札幌駅新幹線口停留場1系統(苗穂駅〜中央図書館前)時刻表
sapporotime1.jpg

札幌の新たな表玄関となる札幌駅新幹線口の時刻表。

新幹線の札幌延伸については、とかく対東京の視点ばかり取り上げられているが、新幹線が開業すれば函館までは在来線乗り換え込みでも所要時間は1時間以内になるだろうし、東北各地から札幌へのアクセスも格段に改善する。

新幹線口は、名実ともに札幌、いや北海道の新たな玄関口となることだろう。
ここから大通方面へは市電が便利。

新幹線開業を当て込んで、付近には多くのホテルも開業するだろうし、チェックインしてから西線方面へ直通する市電で藻岩山観光へということも可能だ。

通勤輸送はマンションが増えつつある苗穂線から都心方向へ、各方面から再開発地区のオフィスへといったところ。
在来線のJR札幌駅から大通方面へは地下歩行空間を歩いた方が早いし、新幹線通勤の需要も現状ではあるのかないのか。

JR苗穂駅からは、大通方面へは短絡ルートというわけにはいかず、通勤客がJRから市電に乗り換える需要は思いつくものが無かった。

ファクトリー、アリオといった商業施設が沿線にあること、新幹線利用客のアクセスということを考えれば、ラッシュ時よりも昼間の輸送の方が主力となる路線になるのかもしれない。


 ◆ 西4丁目停留場2系統時刻表(桑園駅〜中央図書館前)
nisi4time.jpg

市電運行の要となる西4丁目の時刻表。
左はすすきの・中央図書館前方面行(南1条日の出ビル前)、右は西15丁目・桑園駅方面行(駅前通4プラ前)の時刻。

朝ラッシュ時に桑園駅からJR乗り継ぎ客がどれほどあるのか未知数だが、既存の山鼻線と同等の本数とした。
また、市電ループ化後の山鼻線の乗客増も考慮して、朝夕ラッシュ時は若干増発してある。

桑園方に車両基地が無いため、他の系統に比べ始発が遅く、終発が早いのは致し方ないところ。

筆者想像のダイヤでは、電車事業所への出入りのため朝の始発1便と夜の終発2便は桑園駅〜西15丁目の区間便とし、西15丁目〜中央図書館前は回送とした。

桑園駅方面はJRへ乗り継ぎ、あるいは沿線マンションの通勤客が主力となりそう。
一方、すすきの、山鼻線方面は生活路線ということになる。


 ◆ 桑園駅停留場2系統(桑園駅〜中央図書館前)時刻表
soentime.jpg

こちらは上記『』系統の桑園駅発時刻表。

乗客の主力は桑園地区のマンションから都心方面へ、桑園駅からJR乗り継ぎで1条線沿線への通勤客といったところ。

特にオフィス・官庁街である中央区役所前停留場へは、JR函館本線の西方面や学園都市線からだと、札幌駅まで行って地下鉄に乗っても大通で乗り換えで10分以上。桑園駅で降りて歩いても20分以上はかかる。

それが市電桑園線の開通により、桑園駅から中央区役所前までわずか10分。
JR桑園駅から1条線方面への短絡ルートとなるので、通勤需要がかなりありそうだ。

一方で日中や休日の輸送では、狸小路、すすきのへ直通する系統ということで、それなりに利用もあるものと思われる。
今まで不便だった大通地域から市立病院のアクセスも格段に良くなる。


 ◆ 西線16条停留場1系統(中央図書館前〜苗穂駅)時刻表
nisisen16time2.jpg

札幌市電のドル箱路線(?)である山鼻西線・西線16条の時刻表。

今まで、山鼻西線沿線から札幌駅へ直通で行ける交通機関は無かった。
それが、新幹線口ということになるが札幌駅まで1本で行けるようになる。

ループ化ではほとんど恩恵の無かった山鼻西線だが、札幌駅へ直通ということで、沿線ブランドも大きく向上することだろう。

西線は並行する交通機関が無いので、市電の独占状態であるのだが、反面、朝ラッシュ時は混雑する。
近年は新築マンションの増加により、混雑はますます朝夕ラッシュに集中するようになった。

西線16条折り返し便が増車される西線16条〜西4丁目間は3分間隔で運行するも、冬季はそれでも積み残しが発生し、西線11条折り返し便も設けられるようになった。

この増車分の電車は、現在は西8丁目始発として運行されている。
これは西4丁目で折り返す際、乗車ホームが無いために西4丁目〜西8丁目間は回送ということになっている。

延伸後のダイヤでは、南1条パルコ前を西線方面のホームとすることで、再び西4丁目始発とした。

nishi4cho485.png
 西4丁目停留場のイメージ(筆者作成)

  ★

最後に基にした全列車の時刻表を挙げます。
興味のある方は拡大してご覧ください。

 ◆ 基になる全列車の時刻表(クリックで拡大)
shidentimetable1.jpg  shidentimetable2.jpg 

エクセルで作成した市電の全列車時刻表。
左が@苗穂駅〜中央図書館、右がA桑園駅〜中央図書館前

   ★

以上、札幌市電の延伸を想像してみました。

欧米の都市ではもう当たり前のように目にするようになった路面電車、いやLRT。
あの自動車王国であった米国ですら導入が進んでいる。

DSCN0536.JPG
 2020年開業を目指しLRTの工事が進むオーストラリアのシドニー中心部。

日本ではもうだいぶ前からLRTの必要性が説かれているが、ごくわずかな都市を除いて一向に進展する気配がない。
一番の理由は、国内で前例がないということに尽きるのだろう。

無謀な交通政策により渋滞の原因とされ、独立採算制とした結果の赤字部門とされ、多くの路面電車が廃止や縮小の道をたどった。それらが過去の前例である。
その過去の前例を覆すのは並大抵のことではない。

2020年度に導入が予定されている、札幌市電の上下分離は、鉄道事業における独立採算制の矛盾を解決する方法でもある。

  (2019/6/10 市営交通/札幌市交通局 交通局からのお知らせ)

一方、市電延伸の反論として、一部沿線住民だけが恩恵をうける偏った政策だという意見もある。

そうだろうか?

札幌のほか都市部では『都心回帰現象』といって、都心部での人口が増加する現象が起こっている。
これは、郊外では不動産の資産価値の上昇が見込めないというのと、学校、教育、買い物、医療といった生活面で、都心の利便性が見直されてきたからだろう。

行政側からしても、郊外の開発によって市街地が拡大しても、その社会インフラを維持するために目に見えないコストが増えるのである。
新たな住宅地の拡大を抑制して既存の市街地に集約できるのならば、インフラコストの点で望ましい。

過去に開発された郊外のニュータウンは、高齢化と人口減少という問題を抱えている。
しかし、一旦市街地化した地域は、いくら衰退しようとも、インフラ維持のための費用は半永久的に発生し続ける。
特に冬季の除雪が必要な都市ならば、なおさらだ。

これから少子高齢化問題は確実に現実のものとなる。都市を持続的に維持するために、都心部の公共交通をどのように形成するかというのがこれからの課題となる。

高齢者ドライバーの運転自粛という観点からも、公共交通機関は必要である。

札幌には幸い残された市電がある。
この遺産を最大限活用するのが、最も適した交通政策ではないだろうか。

というわけで、札幌市電の延伸の想像をここに披露させていただきました。
現実には実現不可能なものも多々あったと思われますが、そこは素人の想像ということでご勘弁願います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【おことわり】
この記事の内容は100%筆者の私案であり、沿線の環境問題ほか、あらゆる利害、権利などは考慮していません。
筆者は、市電延伸の関係者や関係団体とは一切関係ありません。
posted by pupupukaya at 19/06/19 | Comment(0) | 札幌市電
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