たまには札幌市電に乗ってみる

今年(2022年)の6月から週末や祝日で行われている『路面電車無料デー』。
今日は特に行くところもすることもないので、久しぶりに市電に乗ってきました。

この無料デー、タダで乗れること自体は結構なことでありますけど、無料デーの日は電車が混むのが良し悪し。
沿線の、特に通勤などで利用されている方々からすると却って迷惑という声もありそうですね。

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この無料デーは、コロナ禍で利用者が減少した公共交通機関の需要喚起のために札幌市が2022(令和4)年度予算を約16億円計上していたもの。
予算は市電だけでなく、バスにも割り当てられていましたが、バスの方は結局無料デーは実施することなく終わりそうです。

市電だけは実施出来たものの、これが今後の需要喚起にどうつなげてゆくかとか、無料デーを踏まえて休日の料金体系のありかたを検討するかとかいう話はさっぱり聞こえてきませんね。
無料デー実施しました、利用者増えました、バンザーイで終わってしまうとすれば残念なことです。

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自宅最寄りの中島公園通から市電に乗ると結構混んでいました。
それでも無料デー開始当初と違って、市内各地からわざわざ乗りに来た家族連れなんかはだいぶ少なくなりましたね。

西4丁目で降りて、しばらくマチをぶらぶらしたものの、特に行きたいところもなく。

西4丁目から戻りの電車に乗ってしまいました。
雪もちらついてきましたからね。

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無料デーなので料金箱には箱が被されて無料デーの張り紙があります。
この張り紙は運転手がいる方にしかなくて、反対側は何も表示されていなかった。
折り返すときはこの張り紙も持って反対側に移動するのかなと思ったものの、すぐにループ運転だったのを思い出しました。
片側だけで十分ということなのでしょう。

あと、通常は中乗り前降りですが、無料デーも中乗り前降りなのは変わらず。
運転手が下車客数をカウンターで計測しているからというのがありますが、混んでくると前ドアまで移動するのが大変なわけで、無料デーではどちらのドアからでも乗り降り可能にしてほしいところです。

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電車は石山通で降ります。
1年前にオープンしたコープさっぽろ やまはな店に行って見ようと思ったからです。

2階が無印良品になっている店で、一度行ってみたいと思っていましたが行けなかったのは駐車場が混んでいるから。
週末はいつも駐車待ちの車が溢れています。
せっかく市電が無料なので、今日は行ってみようというわけです。

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無印良品で買いたいものがあったのでちょうどよかった。
ここの2階は、窓に向かったカウンターがイートインコーナーになっていて、市電を眺めながら過ごすにはいい場所ですね。

昔20年近く前ですけれど、市電の電車事業所前近くに住んでいたことがあって、よくこのあたりに私は出没していました。
あの当時は、今は伊予製麺になっている角にプライス100という百均のスーパーがあって、安いからよく買い物していましたね。
電車通りは石山通から東光ストアまでがちょっとした商店街になっていて、そこそこ賑やかだった。

それがすっかり寂れてしまったものの、幌南小学校前停留場の近くにはショッピングセンターの南22条アクロスプラザが出来て、閉店したパチンコ屋の跡地にコープさっぽろが出来て、このあたりも住みやすくなったようです。

大東建託がアンケートを集計して発表している『街の幸福度 駅ランキング<北海道版>』によると、2022年版の第1位は札幌市電の中央図書館前なのだとか。

第2位がJRほしみ駅となっているあたり、どういう基準で選定しているんだろうかと思えますが(ほしみの人すんません)中央図書館前はその名の通り図書館があるし、藻岩山の麓だし、スーパーがいくつも出来て買い物は便利になったし、意外と静かだし、まあいい街なんじゃないでしょうか。

それに、今年2月の豪雪でバスは多くの路線で運休、JRは数日間も全面運休の憂き目となった中で、市電だけが通常運行していた唯一の地上交通機関でしたからね。

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こんどは石山通から内回りの市電に乗って帰ります。

各停留場にある『運行情報モニター』は電車がどこを走っているのかがひと目でわかる優れもの。
今石山通停留場に近づいている内回り電車は低床車両ということがわかります。

ところでこの低床電車の黒い電車アイコンには2種類あって、黒いアイコンに赤帯があるものと青帯があるものがあります。

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じつは赤帯がポラリス(A1200形)青帯がシリウス(1100形)なんですね。

スマホで見る『札幌市電Navi』でも、よく見るとわかりますよ。

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やってきた電車は、やはりポラリス A1202号でした。
ちなみに3両編成でクロスシートがあるのがポラリスで、ロングシートで前後の床が高くなっているのがシリウスね。

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今年も雪ミク電車が運行を始めました。
充当された車両は3302号。

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中島公園通停留場の風景。

市電山鼻線の通る西7丁目通りは、現在幅員20mを25mに拡幅する工事が行われています。
5年くらい前から南4条側から少しずつ行われ、完成した区間は見違えるほど立派になりました。
現在は東本願寺前から山鼻9条まで工事中。来年には完成するのではないでしょうか。

山鼻9条から中島公園通までの区間も拡幅のための立ち退きや建て替え工事が始まっており、来年あたりはこのあたりの風景もガラリと変わっていそうです。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。 

posted by pupupukaya at 22/11/27 | Comment(0) | 路面電車・トラム

山鼻西線に出現した謎のS字カーブ

札幌市電は山鼻西線の外回り線路に妙な曲線が出現しました。
場所は西15丁目〜西線6条間。
この部分のアスファルトは黒々と新しく、最近設けられたもののようです。

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二条横断歩道橋の交差点カーブから電車事業所まで一直線に貫く山鼻西線の外回り線路に突如出現したS字カーブ。
上画像は西線6条方向を撮影したもの。

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S字カーブの西15丁目方向を撮影。
何やら複線の上下線間を広げる工事のようにも見受けられるが、何のため?

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S字カーブにやって来た外回り循環の3302号。

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カーブ手前で徐行して苦しそうに通過する。
この謎のカーブはなぜ出現したのでしょうか。

その解明のために、まずは下の画像をご覧いただきましょう。
二条横断歩道橋から西線6条方向を撮影したもの。撮影日は2018年8月。

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二条歩道橋から撮影した西線の線路をよ〜く見ると、カーブから電車事業所まで一直線と思いきや、西線6条でほんの少しだけ線路が曲がり、南2条に向けて少しずつ東側に寄っているのがわかります。

緩やか斜めになった線路は、南2条まで来ると南行き車線は車1台がやっと通行できるほどまでに幅寄せしていました。

下画像は2013年3月撮影。
冬になると雪山ができて車も軌道敷内を通行しなければならないほど狭くなっているのが分かります。

この妙な線形は何なのか。
西線は戦前まで単線で、複線化されたのは戦後のこと。
その名残でこうなったのでしょうか。

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で、下画像で2条歩道橋から山鼻西線の西線6条方向を望みます。
これで不思議なS字カーブの謎が解けましたね。

斜めになって幅寄せする線路を、道路の中央に寄せるための工事の途中なのでした。

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市電の路線は山鼻西線ですが、道路は『福住・桑園通』という都市計画道路。
この道路は幅員20mだったものを25mに拡幅する工事が始まっています。
その拡幅工事に合わせて、市電の線路も道路中央に移設する工事が行われているのでした。

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拡幅工事自体はまだ進捗中なので、それに合わせて軌道移設工事が行われるのでしょうか。
このS字カーブもそれに合わせて移動しそうです。
今は外回り線路が対象ですが、内回り線路も同じように工事が始まることでしょう。

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札幌市電の通る道路のうち、山鼻線の西7丁目通、山鼻西線の福住桑園通、1条線の南1条通りが幅員25mの拡幅対象となっており、用地買収や建物の建て替えはもう20年くらい前から始まっていたのだが、数年前から歩道の改修や電線の地中化を含めた工事が始まっています。

山鼻西線は南2条を過ぎたあたりまで完成したばかりですが、山鼻線の方は南9条近くまで完成しており、山鼻線の方が進捗は良いようです。
道路拡幅に伴った軌道移設工事や電停改修工事も同時に行われ、拡幅が完成した道路にある電停は見違えるように改修されました。

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こちらは2条横断歩道橋の下にあった工事看板。
来年の年明けまでの工事となるようです。

この工事看板、よく見ると『工事かわら版』なる工事請負会社が作成した読み物が貼ってありました。

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読むと、

“道路が拡幅され、道路の中心となるように、線路が西側に一番大きいところで約1m近くも移動します。”

とのこと。

ここは二条小学校の出入り口にあたる場所なので、小学生向けに表示されたものでしょう。
現場担当者の遊び心で作成したものなのでしょうか。
最後まで読むと、このかわら版は第2号も出るようです。

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2015年暮れに西4丁目〜すすきの間の都心線が開業して循環路線となりましたが、路線延伸はそこでひとまずストップしたようです。
しかし、都市計画による道路の拡幅工事は数年前から本格化し、それに伴う軌道改良工事や電停の改修などが進んでいます。
歩道も以前ならば狭くて、冬など除雪もままならない状態でしたが、拡幅工事が完成してからは随分と歩きやすくなりました。

この流れでさらなる延伸を期待したいところですが、2022年8月27日に北海道新聞,どうしん電子版に掲載された残念な記事。

 "札幌市電延伸「極めて困難」 市、大幅な収支悪化予想”
   2022/8/27 北海道新聞 どうしん電子版

”大幅な収支悪化が見込まれるほか、用地買収などに多くの時間と費用を要するため。事実上の延伸断念とみられる”
 (上記記事より一部引用)

札幌市電の延伸・ループ化が実現したのは、上田札幌前市長の情熱からだったと思われます。
それから引き継いだ現秋元市長は、事業化していた市電ループ化は引き継いだものの、以降の延伸までは公約に掲げてはいないようでした。

それでも細々と延伸に向けた調査は続いていたようですが、これで市電延伸の是非についてはひとまずの結論が出たようです。

今の市長の興味事は2030年度開業予定の北海道新幹線札幌駅再開発と、同年の冬季オリンピック誘致のようですね。

在来線駅や地下鉄駅から遠くなる新幹線札幌駅へのアクセスとして市電延伸という期待もあったようですが、その期待もこれで望み薄になったようです。
新幹線札幌駅と周辺再開発が完成した後にやっぱり市電を通しますなんてことになっても、ルートや工事方法など困難を極めることになります。

新幹線札幌駅へのアクセス交通をどうするかは、振出しに戻った感があります。

また上記の道新記事より、

“2030年度末の北海道新幹線札幌延伸を見据え、市電延伸と並行して検討している新公共交通システムの構築を進める。具体的には、人工知能(AI)を活用した予約制のデマンド交通や、環境に配慮した水素燃料車両の導入を検討する。”

まだ実用化は不明だけど、とりあえず近未来的な交通機関を並べてケムに巻いただけのように思えたのは筆者だけでしょうか。

残念ながら日本では、路面電車など車の邪魔で、赤字必須である鉄道など時代遅れなんて思想がまだまかり通っています。
(ていうか、単独黒字の鉄軌道系交通機関てどれだけあるんだろう)

話がだんだん脱線してきましたが、札幌市電はループ化後も地味に進化を続けています。

世界(特に欧米)の流れはやはり路面電車復権。
新たに新規路線が開業する都市も次々と増えています。
今日はそれを言いたかったということで・・・

 〜最後までお読みいただきありがとうございました。   

posted by pupupukaya at 22/08/30 | Comment(0) | 路面電車・トラム

札幌市電は本日無料デー

私は市電沿線に住んでいるが、身近にありながら意外と乗ることがない札幌市電。
なぜなら、通勤はもっぱら徒歩。週末のお出かけや買い物は車でという生活なので、市電に乗るのは月に数回くらいなんじゃないだろうか。

そんな札幌市電も今週土日は『路面電車無料デー』を実施するということで、せっかくだから市電に乗ってきました。

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新型コロナウイルス下で利用者が落ち込んだ市電の需要喚起のためということらしい。

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車内の運賃箱は蓋がされ、『路面電車無料デー』の貼り紙。
両替、乗車券の発売、乗継券の発行はしないとの放送が幾たびもなされる。

電車乗車は無料だが、乗り方はいつも通り中乗り前降り。
これは前扉から降りる乗客を運転手がカウントするためだそう。

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市電が無料なのと、よさこいソーラン祭りと重なって乗客はいつもより多い。
普段から乗客の多い西線は、朝ラッシュみたいな状態になっていた。

昔、西線にすんていた頃は毎日市電で通勤していた。
西線14条から毎朝市電に乗っていたよ、懐かしいな。

西線のラッシュは混んでいたね。
それでも朝は3分間隔だったので、1台乗り過ごしても次の電車が前の電停に見えていた。
9条や6条では積み残しも常態化していた。
運転手によっては前ドアからも乗せていたりしていた。

大変だったのが夕方の帰宅ラッシュ。
中央区役所前から満員。西15丁目では積み残しも出るほどだった。
朝と違って、次から次と来るわけじゃないからね。
乗る方も必死。冬なんて特にね。

これでもかってほどぎゅうぎゅうに詰め込んで、次の西線6条からは降車客が主。
今はSAPICAでピッだけど、当時は読み取りに時間がかかるウィズユーカードが主流。
11条や14条では降車客が多くて、信号2回待ちなんてこともあった。

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西線6条では積み残しも。
土日ダイヤでは、次の電車まで7〜8分待つことになる。
しかし次の電車はすぐにやってきた。
混雑で電車の運行間隔がいびつになっているようだ。

この後は電車事業所へ行ってみる。
たまにここを車で通るが、入庫線に当たる場所にササラ電車が何台も停まっているのを目にしていた。
夏の間は使わないササラ電車だが、入庫線を占領していたら電車の入庫はどうするんだろと思っていた。

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ずらりと並んだササラ電車。
オレンジ色とトラ縞模様。ササラ電車は5台あったんだね。

で、入庫線を占拠しているササラ電車の答えはこちら。

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入庫線と出庫線が統合されて、車庫の手前は単線になっていた。
入庫線だった線路は切られていた。

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電車事業所の車庫は建て替え工事中。入庫線にササラ電車が並んでいたのは、そのための措置だったのだろう。

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あまりの混雑のためか、午後からは臨時電車も運行されるようになった。

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中央図書館前行き臨時電車の243号。
フロントに『臨時』の札を掲げたのを期待したが、残念ながらそれはなかった。

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地下鉄の券売機にも無料デーの貼り紙が。
『市電乗継券の購入はしないようにお願いいたします』との注記があるが、文字も小さく買ってしまう人もいそう。

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西4丁目山鼻線方面のホームも大混雑。
こんな混みようは市電ループ化開業時以来のような気もする。

車内は小さな子供連れが目立ち、郊外からわざわざ乗りに来た乗客も多いようだった。
何で市電ばかりという声も聞こえてきそうだが、無料化でこれだけ人が集まったのは市電だからだろう。
バスで同じ事やっても、これだけの人が集まるのだろうか。

この無料デーは6月25、26日も決定していて、7月以降も実施予定なんだとか。
コロナで落ち込んだ需要回復のカンフル剤となるのか。
今後も行われる無料デー。

利用者増の実績があれば、市電延伸にもつながるのか。
こじつけ過ぎると思いつつ、ちょっと期待したいところであります。

posted by pupupukaya at 22/06/12 | Comment(0) | 路面電車・トラム

時刻表に無い函館市電の朝ラッシュ臨時便

函館の顔といえば何と言っても函館市電。

市民の足というより、ここ数年来は観光客に支えられていたと言ってもいいくらいで、まん延防止などで観光客が激減した今はどの電車もガラガラという見るに堪えない状況になっています。
函館市は人口が北側の郊外へ移動していることや、市電沿線の高齢化や人口減、函館駅前の商業施設撤退による求心力の低下などがあって、市電にとっては厳しい状況のように見えます。

コロナ前ならば、昼間は大勢の観光客でにぎわっていた函館駅前電停も、まん延防止期間中の今は電車を待つ人も少なく、すっかり寂しい状況になってしまいました。

そんな函館駅前と市電ですが、朝の短い時間だけラッシュがあって、またその時間に1本だけ時刻表に掲載の無い臨時電車が運行されているのでその様子を見てくることにしました。

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 7:31、前面に『函館駅前』と表示した3002号が接近。 

行先を『函館駅前』とした電車が松風町方向から来ました。系統番号を表示していないこの電車が臨時便ということになります。
函館駅着はまだ朝早すぎるせいか、さすがにガラガラですね。

また同じ頃、木古内発5882D(7:27着)で着いたと思われる人たちが続々と電停へ向かってきます。
その多くは函館駅前電停の五稜郭公園前方面のホームに列を作ります。

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 7:32、木古内発121Dからの人たちが続々と電停にやってくる。

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 7:32、3002号は函館駅前に到着して乗客を全員降ろす。

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 7:33、市役所前方向にある亘り線の奥に引上げる。

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 7:35、5系統湯の川行き3001号が先に到着。

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 7:35、5系統湯の川行き3001号が電停の乗客を乗せる。

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 7:36、臨時便3002号が転線し2系統湯の川行となる。
(表示はなぜか駒場車庫前になっている)

函館駅前折り返し便は、平日ダイヤの6:53分発湯の川行1本だけが時刻表で確認できますが、この時間にそんな電車の掲載はありません。
先の電車は折り返した後は実質2系統湯の川行の始発便となりますが、こちらは運用外の臨時電車。
毎日の利用者ならば見慣れた光景ですが、知らない利用者からしたら、こんな電車あったっけ?でしょうね。

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 7:37、3001号発車、前へ出て信号待ち。後ろ3002号は残りの乗客を乗せる。

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 7:38、3002号が発車し、2系統谷地頭行716号が到着。

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 7:39、谷地頭行716号にも学生を主に多数乗り込む。

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 7:40、3002号発車、前へ出て信号待ち。後ろに2系統湯の川行2602号接近。

JR函館駅から来る60人ほどが3台の電車に乗る7:35から40分までの5分間が函館駅前電停の朝ラッシュ最混雑時間でした。
乗客のほとんどは高校生で、通勤客はチラホラ混じる程度。
普通のオフィスならば通勤には早い時間だし、通勤となるとほとんどは車となるのでしょう。

同じ市電でも学生は少数派で沿線の通勤客が多勢、ラッシュピークも8時台という札幌市電とは対照的です。
函館駅前電停の利用客に限って言えば、函館市電は市民の足というより七飯町や北斗市からJRで来る人の足ということになりますね。

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 7:42、函館駅前交差点を曲がる2602号。

この後も森から来る5882D(7:47着)からのラッシュの様子を見てみます。
こちらは通勤客の割合が高く、下車客の流れも市電、バスターミナル、町へと分散するようでした。
函館駅前電停ホームの列も長くはならず、朝ラッシュのピークも既に終わったようです。

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 7:49、森発(砂原経由)5882Dの乗客が改札口から出てくる。

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 7:50、5882Dからの乗客は、電停へ、バスターミナルへ、町へと三手に分かれる。

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 7:57、5系統函館どっく前行723号が停車中。

7時半ごろから8時前までの30分間が函館駅前のラッシュアワーと言える時間帯でした。
前の電車に乗れそうでも走ったり赤信号無視する人もいなく、札幌市電と違ってのんびりとした朝の風景でした。

以下の画像は別な日に宿泊先のホテルから臨時電車を撮影したものです。

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 7:35、これは別の日に撮影した臨時電車720号。『増車』の札も掲げている。

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 前面表示が幕の電車は増車札も掲げるようだ。

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 7:37、亘り線を転線する720号。

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 7:37、大勢の乗客が待つ電停へ。

函館市電のホームページには時間帯と区間ごとの混雑率が掲載してあって、その表に『※7時台に臨時便を運行いたしました』との一文があるので、時刻表に無い函館駅前折り返しの電車のことなのだろう。


混雑状況のお知らせは毎週木曜日に更新されているようで、これをたどって行くと臨時電車は今のダイヤでの運行は令和3年12月6日実績から登場している。どうやら冬季間のみ運行のようです。
令和2年度(2020年度)は7時台、7時30分台の2本が設定されていました。
今年度は2本は必要ないとの判断から1本に減らされたのでしょうか。

昔は朝ラッシュ時に函館駅前折り返しの電車がもっとあったのですが、それが冬季のみ運行になり、いつしかなくなったようだ。

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 朝ラッシュ時に函館駅前折り返し便があった頃の時刻表。
 2010年、五稜郭公園前電停で筆者撮影。

今後もコロナ渦が続く限りは混雑率の緩和のために珍しい函館駅前折り返しの電車が見られるのでしょうが、それはそれで早く終わってほしいと思うところです。

 〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 22/03/21 | Comment(0) | 路面電車・トラム

2月22日 札幌市電とササラ電車

年明けから北海道をはじめ北日本は記録的な大雪が続いておりますが、2月になってからますます激しさを増しております。

今週も月曜日から低気圧が猛烈に発達して、暴風雪に見舞われた道内。
JRは昨日に続いて全線運休状態、バスも郊外を中心に多くの路線で運休となりました。
雪に強い市電ということで先月は、

 札幌市電は平常運行(2022年1月14日)

という記事にしてみましたが、2022年2月22日はまたも交通機関乱れまくりの吹雪の朝。
今日は電車通りを歩いてササラ電車を撮影しながら歩いてみましょう。

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画像は中島公園通電停の横断歩道から北方向
車道も狭くなって渋滞している西7丁目電車通り。
ここに電車が来るとどうなるかというと、警笛を鳴らす→車が避ける。
避けない車や大型車の場合は、その車が動くまで待つということになる。
(沿線市電利用者の経験)

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 札幌市電Naviのスクショを引用(2/22朝7:50)

札幌市電Naviという便利なものがあって、PCやスマホから市電の運行状況を見ることができるし、各停留場にもモニターが設置してある。
上画像は7時50分の札幌市電Navi。
内回り電車が石山通から東本願寺前まで1台も走っていないのがわかる。
どうやら石山通で止まっている模様。
後続の電車も追いついて、8時過ぎまで石山通で止まったままになってしまった。
交通量の多い国道230号線との交差点、雪が踏み固まってしまったのだろうか。

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こちらは中島公園通電停から南方向。
内回りの停留場は、来ない電車を待つ乗客が溜まってしまった。
石山通で止まっているので、まだあと10分以上は電車は来ない。

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東本願寺前に停車中の1103号、通称シリウス。
外回りは今のところ通常運行中のようだ。

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待ってました、ササラ電車22号。
ずっと止まっていた内回りの線路の雪を跳ね飛ばす。

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ササラ電車は2人乗務。
進行左側が運転席、右側がブルームの制御席となる。
左側運転席の旋回窓が物々しい。
これは新雪の除雪だと、雪がフロントガラスを覆うまでに舞い上がるので、ワイパーじゃ追いつかないからだ。

ササラ電車のおかげかは知らないが、ずっと石山通で止まっていた内回り電車も動き出したようだ。
さっき東本願寺前停留場で市電の運行情報モニターを見たら、ずっと石山通で停止していた電車がぞろぞろと動き出す様子を見ることができた。

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 東本願寺前停留場の運行情報モニター。

資生館小学校前で市電は右折するが、私は直進して南1条電車通りへ出ます。
南1条の手前で、トラ縞のササラ電車が横切って行った。
前はササラ電車と言えば黄色と黒のトラ縞模様だったけど、最近はオレンジに白帯の車両ばかり見かけるので、まだ現役だったのかと思った。

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ササラ電車は雪かきしながらゆっくり走る印象があるが、実はその足は意外と速く、サーっとあっという間に走り去ってしまう。
惜しいなあ、もうちょっと早ければ走ってるトラ縞ササラを撮影できたのだが。

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中央区役所前電停では電車が3台停車中。
交通信号によって走る市電は、しばしこういった続行運転になることがある。
いわゆるダンゴ運転というやつ。
2台続行というのは朝ラッシュ時ならばよく目にするが、3台続行というのはさすがに珍しい。
しかし今日のは様子がおかしかった。

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停留場をはみ出して停止しているのは3302号。
発進したら圧雪でスタックしたのか動けなくなった模様。
ここで運転打ち切りになるのか、乗客を降ろしていた。

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朝ラッシュ時の西線方向からは2〜3分間隔で電車がやってくる。
あっという間に後続の電車が詰まってしまった。
これは朝8時35分の状況。

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もうこれで運休かと思わせたが、10分ほどしたら札幌市電Navi上で、中央区役所前からぞろぞろと電車が動き出す様子を見ることができた。
その後電車マークが全部消えてしまい全線運休を思わせたが、これは札幌市電Naviの不調ということで、実際は運行していた模様。

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  札幌市電Naviのスクショを引用(2/22朝9:50)

今度は昼にまた電車通りへ。
雪は昨日から断続的に降り続いて、昼間でもササラ電車が走っていると思ったからだ。
電車通りに出るとさっそくササラ電車が走っていた。内回りの21号。

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軌道上はきれいに除雪されても歩道は上画像の状態。
この吹雪では歩く人も少なかった。
郊外じゃ幹線道路は大渋滞と聞くが、中央区の道路はいつもより交通量が少ないくらいだった。

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南2条の歩道橋でササラ電車を待ってみる。
また雪の降りが強くなって視界が悪くなる。
やって来たのは外回り3304号。

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反対側から来たのは内回り1203号通称ポラリス。
札幌市電Naviでは『現在、大雪のため電車の運行が乱れております』とテロップが流れているが、昼の時点では通常の利用に支障がない程度の運行には戻っている様子。
市電は基本的に時刻表を見てから家を出るような乗り物ではないので、等間隔で走っていればそれで良しだろう。

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内回りのササラ電車は行ったばかりなので、外回りに狙いを定めて待っていると、ここへ来て2本目の外回り電車3303号の後ろを追いかけるオレンジ色のササラ電車がやって来た。

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並走する車に雪をかけないように遠慮がちにブルームを回転させるササラ電車は迫力に欠けるが、昼間の運行だと仕方ないところ。

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それでもこの歩道橋からはいいアングル。20分も待った甲斐があったというもの。
欄干が写り込んだのはご愛敬ということで・・・
いつの間にか雪も止んでいた。

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二条歩道橋は市電がカーブしている場所にあって、直線が多い札幌市電の中では好アングルの撮影ができる数少ない場所でもある。
ところでこの歩道橋は二条小学校の前にあるのだが、今日は人が歩いた形跡は無し。
それもそのはずで、すぐ下に横断歩道があるのだからわざわざ面倒な歩道橋を使う人はいない。
札幌市は毎年歩道橋の撤去を進めており、この二条歩道橋もそのうち撤去の対象となる可能性は高い。
将来的にそうなると、このアングルからの撮影も不可能となる。

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歩道橋を下りてまた南1条通りに戻ると、さっき撮影した21号に追いついた。
今度は1条線を行くササラ電車を正面から。
(南1条西14丁目横断歩道から撮影)

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竹で作られたササラを束ねたブルームを高速回転させて線路上を除雪する。
この令和の時代にずいぶんと原始的な方法だが、車が雪を踏み固める併用軌道上の除雪方法は、これに勝るものは未だに出てきていない。

函館市電はササラ電車に代わってササラトラックによる除雪が主流になっている。
これはササラ電車と同じ構造のブルームをトラックに取り付けたもの。
見た目には無粋な気もするが、あちらは停車している電車を追い越して除雪できるのが大の利点。
電車だと、前の電車がスタックしたら後ろの電車はもうどうしようもなく、今朝の中央区役所前のような状態になってしまう。
今朝の立ち往生を見ると、札幌も1台くらい導入してもいいような気がする。

DSCN4476-001.JPG

発進して再び雪を舞い上げるササラ21号。
雪はこの後も降ったり止んだりの繰り返しだった。

DSCN4478.JPG

暗くなってもササラ電車は走り続け、今夜も一晩中走っていることだろう。

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夜には雪も小康状態となって、天候は回復へと向かっているようです。
しかし、昼間除雪を行なわない道路は、フラットな軌道敷に比べて車道はガタガタ。特に交差点が酷い。
上画像は中島公園通電停の交差点。波打つ路面を車も荒海の小舟のように通過して、時には車の底を擦る音も。
車にとっては苦労の1日でした。

JRは朝から全列車運休、夕方から手稲〜江別間で運行を再開したようですが、それ以外の路線は終日運休となりました。
バスは郊外路線は運休が相次いで、運行しても幹線道路では渋滞に阻まれてまともに運行できず状態。
新千歳空港発着の飛行機も今日は全便欠航、高速バスも空港連絡バスを含めて運休だったようです。

朝は通勤時間帯直撃のトラブルがあって電車が立ち往生という事態になりましたが、一時的なものですぐに解消しています。
こんな大雪でも市電だけは堂々と走り続けていた印象でした。
他の交通機関が軒並みダウンという状態で、ダイヤが乱れながらも走り続けた市電は今日も通常運行だったと言えるのではないでしょうか。

札幌市電が雪に強いのはササラ電車だけではなく、耐雪ブレーキとか・・・
おっと、こんな話まで始めたら終わらなくなってしまいますね。
今日はこの辺で・・・

 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 22/02/23 | Comment(0) | 路面電車・トラム

札幌市電は平常運行

2022年1月14日金曜日。
私はいつも歩いて通勤しておりますが、今日も歩いて会社に向かいます。
出た時は雪は止んでいるが、すぐにもまた吹雪いてきそう。

今週は連日荒天の札幌、車道と歩道の間の雪山は、日に日に大きくなってゆきます。
この雪が、この時期にしては札幌では異例の湿ったベタ雪。
重たいし、夜になると凍ってカチカチになる厄介な雪だ。

2016年12月には、やはり湿った雪が大量に積もって固まり、ササラ電車では除雪不可能になって市電が終日運休の憂き目にもあっている。

参考 ↓

DSCN3157.JPG

南11条と電車通りの角。雪山で見通しが悪くなっている。
排雪作業が入るまではずっとこのまま。

DSCN3159.JPG

中島公園通を発車する外回りポラリスことA1201号。

JR北海道の運行状況は『全区間運休×』だらけだが、市電は通常運行。
バスも郊外の方は渋滞で、いつもの倍以上の時間がかかったという話も後で聞いた。

DSCN3164.JPG

歩いていたらいつの間にか吹雪いていた。
電車通りは歩道の幅員が狭く、歩道の除雪がされないので歩き辛い。

それでも車道側はきれいに除雪されている。
雪山の両側もロータリー除雪車でカットされて、車が詰まっても電車の進行を妨げないほどの幅は確保してある。

これは2016年の市電終日運休以来、電車通りの除雪体制が強化されたからだろう。

DSCN3173.JPG

だんだんひどくなってきた吹雪の中を走る内回り244号。
窓ガラスは曇っているが、車内は混雑しているのが見て取れる。

DSCN3175.JPG

なぜか内回り乗り場は仮設のままの東本願寺前電停。
電停の待ち客は7人ほど。
車内は混んでいて乗るのが大変そうだったが、無事全員乗れた。
西線ならば乗り過ごしても次の便がすぐに来るが、こちらは7〜8分待たねばならないので、運転手も車内整理に気を遣うだろう。

すすきの止まりだったころは朝ラッシュ時でも山鼻9条、東本願寺からすすきの行き電車に乗ってくる人はほとんどいなかったが、循環便になってからこれらの電停から乗る人が増えた。
ループ化の恩恵を一番受けたのはこの辺りの利用者だろう。

外回りの線路は雪が積もって隠れているが、これくらいならば普通に走る。

DSCN3180.JPG

資生館小学校前の角を曲がる外回り255号。

DSCN3185.JPG

私の通勤路は、資生館小学校前から西7丁目通りを直進し、南1条電車通りにショートカットする。
狸小路7丁目あたりはブリザード状態だった。

DSCN3191.JPG

『[外回り]西4丁目』の行先を掲げた3302号。
この形式だけは全面の行先表示機がLED化されずに方向幕のままとなっている。

朝ラッシュ時の西4丁目行き電車は、折り返しは西8丁目が始発になる。

DSCN3202.JPG

運行間隔が開いてしまったのか、中央区役所前の内回り乗り場は待ち客が溢れてしまった。
ここは地下鉄西11丁目駅が近いので朝はここから西線方面の通勤客が多い。

DSCN3205.JPG

なかなか来ないと思っていたら2台続行でやってきた。いわゆるダンゴ運転というやつ。
どちらも循環便。続行になった場合、2台目を中央図書館行きにして乗客を1台に集約することがある。

DSCN3201.JPG

外回りも2台続行となった。
西線は冬ダイヤの朝ラッシュは2〜3分間隔なので、こちらはよく見られる光景。
稀に3連チャンというのも見るが、それを見られたらその日はいいことがあるかも。
〜乗客からしたら迷惑な話だろうが・・・

DSCN3207.JPG

朝ラッシュ時は市電の最盛期を思わせる光景も。
ちなみに私は地下鉄開業後の生まれなので、市電最盛期は見たことがありません。

DSCN3213.JPG

西15丁目〜中央区役所前を走る8522号。
吹雪と雪山で見通しが悪い中、結構快走する。

 ↓
ここからは昼に撮影した画像です。

DSCN3225.JPG

西線を西4丁目方向に走る外回り246号。
二条横断歩道橋から。

DSCN3229.JPG

西線の電車は昼間でも結構混んでいる。

DSCN3237.JPG

こちらは中央図書館前方向へ走る内回り3303号。
雪山で車道が狭くなっているので前後を車に挟まれた格好。

DSCN3257.JPG

電車通りはまだ除雪が整っている方で、幹線道路から外れると背丈よりも高い雪山で車道が狭くなる。
西12丁目通りは大型車とすれ違うのも難儀なほど。これでも一応4車線道路。

85250.jpg

上画像は2022/1/14、7:50現在のJR北海道「Kitacaエリア列車運転状況」からの引用。
この日の札幌駅発着JR各線は朝ラッシュ時は全滅状態だった。
昼間も半分以上の列車が運休になったようだ。

やはり湿った雪のため通常の除雪体制では追い付かず、除雪を人力に頼らざるを得なかったこともあるのだろう。
昼過ぎには細々とながら運行を再開したようだが、この日は除雪作業のため札幌駅を発着する列車は21時をもって全列車運休となった。

バスも郊外の方は渋滞で大変だっただろう。

DSCN3262.JPG

市電だけは終日平常運行でした。
道路の除雪体制に頼るところも大きいのですが、意外と市電は雪に強い交通機関です。
今時期あまり取り上げられることも少ないですが、雪に強い市電も見直されてもいい頃ではないでしょうか。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 22/01/15 | Comment(0) | 路面電車・トラム

大量輸送時代の遺産 静修学園前停留場

普通は路面電車停留場といえば交差点を挟んで千鳥に設置され、片方が横断歩道に接するようになっていることが多い。
ところが、札幌市電はそうでない停留場がいくつか存在していて、静修学園前停留場もその1つ。

一方の停留場は交差点の横断歩道に接するように設けられているが、もう一方の停留場は渡り線を挟むように千鳥で設けられている。
このような構造は札幌市電特有なのだろうか。他所の路面電車ではこういう停留場の配置は見かけない。

DSCN7525.JPG
 渡り線を挟む構造の静修学園前停留場。

なぜこうなったかというと、これは電車の折り返し運転を便利にするため。
交差点の手前に渡り線を設けることで、ここが終点の電車は乗客を降ろすとすぐに転線し、反対側の停留場の乗客をのせて折り返し出発することができるというもの。
反面、一方の停留場は横断歩道に接することができないわけで、乗り降りに危険が伴うデメリットもある。

DSCN7562.JPG
 内回り停留場は横断歩道がないので柵に注意喚起がある。

これが、西線16条のように交差点の向こう側に折り返し線があると、乗客を降ろしてから一旦交差点の向こう側まで行って転線し、反対側の停留場で乗客を乗せる。この間に1〜2回の赤信号待ちを余儀なくされるわけで、ダイヤ上は朝ラッシュ時に運行される西線16条折り返し便は、折り返し時間に7〜8分を要している。
これは遅れ時間の吸収など余裕時間を含んでいるからで、それがなくても折り返しに最短でも3〜4分はかかるものと思われる。

DSCN7532.JPG
 ポイントの可動部分は曲線側に固定されている。

それがこの静修学園前タイプの停留場ならば赤信号にも左右されず、ものの1〜2分で折り返しができる。
地下鉄開業前、大量輸送時代のラッシュ時の運行には威力を発揮したものだろう。
特に2系統の北24条〜教育大学前は最混雑路線で、ラッシュ時は2系統の臨時として北24条〜静修学園前間に連結車が多数運行されていた。

試しに、当時山鼻線の朝ラッシュ時はどれくらいの本数が運行されていたのかを以下の過去記事から拾ってみよう。


昔の市電は今のように停留場に運行時刻表が掲示されていたわけではないので、どのようなダイヤだったのかはわからない。
『昭和45年度夏季ダイヤ電車系統別配車表』というものに運転間隔が記載されているので、そこから推定してみる。
地下鉄南北線開業が翌46年の12月なので、まさしく札幌市電最盛期のものと言える。

山鼻線のすすきの〜教育大学前(現:中央図書館前)間に乗り入れていた系統は2系統8系統
2系統北24条〜教育大学間の運行、8系統は昭和40年に運行を開始した苗穂駅〜すすきの〜教育大学〜西線〜丸井前という環状線だった。それまで別系統に分断されていた山鼻線と西線を直通するという、地下鉄開業後の短縮路線の前身でもある。

まず8系統11分54秒間隔。意外と間延びしている。
これは、運行区間が長すぎてダイヤの維持が困難なことから、運行開始の翌年には8系統のうち半分は従来通り残して、もう半分は苗穂駅〜すすきの、丸井前〜教育大学という途中折り返し便に分けたことからである。
それでも具合が悪かったようで、昭和45年8月からは苗穂系統を苗穂〜静修間の4系統として独立させ、運行区間は三越前〜教育大〜丸井前に短縮することになった

そんなわけで、山鼻線の主力は2系統だった。
朝ラッシュ時の運行間隔は北24条〜教育大学の便が5分32秒間隔(1h当たり11本)。臨時2系統の北24条〜静修学園の便が3分24秒間隔(1h当たり17本)。
8系統と合わせると1時間当たり33本もの電車が山鼻線に乗り入れ、そのうち17本は静修学園前で折り返していたことになる。しかも臨時2系統の車両のうち半分は連結車が投入されていた。

到着したらすぐに折り返して発車ができる静修学園前停留場の構造は、遺憾なく発揮されたことだろう。

DSCN1192.JPG
 路線縮小直前の1970(昭和45)年8月からの札幌市電路線図。(交通資料館にあったもの)

現在のダイヤでは静修学園前で折り返す電車は1本も無い。少なくとも、西4丁目〜すすきの間の路線になってからは、通常ダイヤでここで折り返す電車は無くなり、この渡り線が使用されることもほとんど無いようである。

90年代に今の屋根付きの停留場に改修されたが、移設されることはなかった。この構造は輸送障害時に両方向への折り返し運転が可能ということで残されたのだと思われる。

例えば現在西4丁目停留場にある渡り線は、すすきの方向からの折り返しには対応できるが、逆側からの折り返しには対応できない。毎朝見られる西4丁目折り返しの電車は乗客を降ろしても乗せることができず、やむなく次の西8丁目始発としている。

ところで、一時期ちょっと静修学園前折り返し電車を期待したことがあった。
筆者の利用する山鼻線は、ループ化された当初は冬ということもあってか朝ラッシュ時などかなり混雑するようになり、しばしば積み残しも発生するようになった。
そんなわけで、朝は静修学園折り返しの便でもできないかなと思っていたのだが、そこまで混むのは最初のうちだけで、次第に1台で賄えるほどになってしまい、増便の希望も消えてしまった。

DSCN7549.JPG
 信号も横断歩道も無く、乗降客からも車からも冷や冷やする箇所。

DSCN7576.JPG
 一応電車が停車中は標識に乗降中のサインが出る。

ラッシュ時の折り返し運転には威力を発揮したこのような構造も、すっかり無用の長物となって久しい。
信号もなく横断歩道にも接していない内回り停留場は危険なだけだ。
利用者も危ない思いをするし、逆に車でここを通っても運転していて冷や冷やする場所だ。

何年か前から札幌市電の停留場の改修工事が行われている。
去年(2019年)は中央図書館前の停留場が対象となって、やはり横断歩道のない外回り停留場が交差点側に移設された。

ここ静修学園前停留場も改修工事の番が回ってきたようで、南16条の交差点南側では、新たな停留場(安全地帯)の設置工事が始まっていた。

DSCN7571.JPG
 停留場の新設工事が始まった南16条静修学園前の交差点。

これが完成すれば、ここも札幌市電標準の交差点の手前に停留場がある構造になる。

以前に、交差点を通り過ぎた先に停留場を設ければ無駄な信号待ちが無くなって良いんじゃない、と書いたことがあるが、札幌の場合大体400mくらいごとに停留場があるので、前の停留場を青信号でスタートしても次の停留場につく頃にはまたちょうど赤信号という具合になるので、やっぱり今のままがいいのかなという気がする。

この工事と合わせて外回り停留場も改修工事を行うようで、『8月19日より停留場はあちらに移動します』との看板があった。
あちらとは交差点の向こう側。
他の停留場の改修工事と同じように、交差点の向こう側に仮設の停留場を設けて、その間に既設の停留場を新しくするというもの。
工事看板の工期を見ると『令和2年11月24日まで』とあったので完成はその頃らしい。

DSCN7556.JPG
 変わった構造は大量輸送時代の遺産なのだった。

ここで連結車が次々に折り返して行ったんだなというのは想像するしかない。
途中折り返しは今でも西線16条や西線11条で見ることができるが、あんなのんびりしているものではない。
1時間当たり33本、2分以下の間隔で電車がやってくる中での折り返しは時間との戦いだっただろう。

だれも気付く人はいないが、路面電車の大量輸送時代の遺物というか遺産がまた1つ無くなるのだった。

DSCN6074.JPG
 幌南小学校前停留場も静修学園前と同様の構造。(2017年撮影)

そんな札幌独自の停留場。残るはあと1つ。幌南小学校前停留場。
ここもそう遠くないうちに改修されるものと思われる。

ここはそもそも交差点に面していない場所にあって、改修に当たって南21条交差点側に移設するのか、それとも場所は今のままで新たに信号機と横断歩道が設けられるのか。
南21条側に移動したほうが便利にはなると思う。ショッピングセンターも近くに出来たしね。

〜最後までお読みいただきましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 20/08/10 | Comment(0) | 路面電車・トラム

マスク電車と緊急事態宣言明け

先日珍しい電車見ました。

DSCN7431.JPG

おお、市電がマスクしている。
調べたら市電36台中211号と241号の2台に装着して走っているとか。

車番まで確認しなかったが、テールランプが片方なのでこちらは211号の方だ。


一般財団法人札幌市交通事業振興公社【公式】
6月2日
市電ご利用の際は、マスク着用にご協力ください。
「僕もマスク着けてみました。」

とのこと。

5月末に緊急事態宣言も解除されて、テレワークや時差出勤組が通常勤務に戻ったせいか、ラッシュ時の混雑が戻ってきているらしい。
らしいというのは人から聞いた話で、私自身はもう5か月以上も地下鉄に乗ったことがないので・・・

6月1日からは学校も再開しているが、生徒の方は3月からもうずっと休みの状態だったので、学校生活に身体がついて行けず大変なんだとか。

DSCN7417.JPG

話は変わるが、今週ようやく『アベノマスク』が届いた。
ひと頃は入手不可能だった使い捨てマスクもだいぶ手に入りやすくなった。
何をいまさらという感もあるが、これから第2波、第3波も予想されるので、あって困るものではないだろう。
これをつけて出歩く気はしないが、洗って何度も使えるので、ゴミ出しとか近所の買い物に使うのにいいかもしれない。

地下鉄駅に『マスクを寄付してください』と書いたマスク回収ボックスというのが設置されているが、全戸配布した趣旨とは違う気がするし、このマスクは自分で使うことにする。
使わないのならば寄付してくださいということに異を唱える気はないが。

まあどうでもいい話で、このブログでは政治ネタは扱わない。

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6月1日月曜日の夜8時、外でドンドン音がするので外を見たら藻岩山から花火が上がっていた。
どこも花火大会は中止だってのに

DSCN7403.JPG

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これも調べたら、新型コロナウイルス感染の収束を願って1日午後8時、全国各地で打ち上げられたものだった。
人が集まるといけないので、打ち上げ場所は秘密にして行われたという。
札幌は藻岩山が選ばれた。藻岩山ならば市内の多くの場所から見ることができよう。

気づいてベランダに出てくる家もいくつかあったが、多くの家は気づかずに終わってしまったのは残念。
しかも、花火の燃えカスから燃え広がって山火事になるというオチがあった。

DSCN7432.JPG

世の中もだんだん通常の活動が戻りつつある。
ソーシャルディスタンスを守ってとかマスク着用とか色々条件付きだが、自粛要請のあった物も徐々に再開して行くことになっている。
あちこちで感染者が増えているというニュースも聞くが、全体の数字の上では収束に向かっているようだ。

6月19日には県境を跨ぐ旅行も解禁になる見込みだ。7月下旬には政府が旅行代金を補助する『Go Toキャンペーン』というものが始まるようだ。
新型コロナ流行からずっと沈んでいた観光業界も少しは復活することになろう。
だけど、インバウンドバブルはもう復活しないだろうな。復活するにしても何年も先の話だろう。
そもそもインバウンド自体が当てにしてはいけないものの1つになってしまったし。

条件付きだが、色々なものが復活しつつあるのは明るい。
ただ忘れちゃいけないのは、今は皆の努力でコロナウイルスを抑え込んでいる状態なのであって、気を緩めるとあっという間に第2波が到来するということ。

ワクチンが開発されて、量産体制が整って全員が接種できるようになるまでコロナウイルスとの戦いは終わらない。
少なくとも向こう1年くらいは厚生労働省の言う『新しい生活様式』でやる覚悟は必要なんだろう。

posted by pupupukaya at 20/06/06 | Comment(0) | 路面電車・トラム
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