2011年トワイライトエクスプレス旅行記 1

【行程】
札幌 14:05 → (翌)12:52 大阪 トワイライトエクスプレス(ロイヤル)


3月11日
(2011年)の東日本大震災以来なにかと自粛ムード一色の日本列島。いつまでも自粛していては経済が停滞してしまうので、旅行してお金を使ってくるのも間接的な被災地支援になるのではないかと思い立ち、あまり大型連休中は旅行には出ない私ですが、出発の1週間前に旅行しようと突然思い立ちました。

行き先はどこでもよかったのですが、桑園駅のみどりの窓口で『トワイライトエクスプレス』のB個室シングルツインが取れたので大阪にしました。
別に大阪に用事は無かったのですが、列車に乗るのが目的の旅行もいいものです。さっそく特急券と札幌市内−大阪市内の往復乗車券を購入しました。

帰りは日本海側の町々で途中下車しながら戻ってくることにしました。

出発の2日前、もしかしてキャンセルが出ているかもと思い、またも桑園駅でロイヤルへの変更を願い出ると空いてるとのことで、追加料金を払い、ロイヤルに変更しました。

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上は出発2日前に購入した「ロイヤル」の寝台券と大阪までの往復乗車券。
トワイライトEXPのロイヤルは初体験となる。

そして出発当日。

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キタコブシの花が満開の札幌駅から出発。
すっかり春らしくなった札幌。
天気も良くて気持ちの良い出発日であった。

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ホームには トワイライトエクスプレス 大阪 と表示が出ている。
夜行列車の発車時刻としては14:05と早すぎる。

それでも大阪までの距離は1500km以上あるので、大阪は翌日の12:52になる。所要時間22時間47分という日本一のの長距離列車。

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 2台のDD51に牽かれてトワイライトエクスプレスが入線

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 機関車など

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 高級感漂う列車入口

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車両入口にはエンブレムの入ったカーペットが敷かれているのでホテルのようだ。

この日は連休初日なのだが乗客は少なく、個室寝台も空き部屋多数のまま。途中駅でも多少は乗ってくるのだろうが、ずいぶんと寂しい状態で札幌を発車した。

発車すると寝台車ではおなじみのチャイム「ハイケンスのセレナーデ」が流れ、車掌の車内放送が始まる。

車掌の車内改札は札幌駅停車中に済んでいるので、発車すると今度は食堂車のクルーがやって来て、ウェルカムドリンクの選択、夕食の弁当の予約、翌朝の朝食の予約などを尋ねられる。
食堂車は夜21時からパブタイムとして予約なしで利用できる、明日の朝食の予約を入れた。

発車すると食堂車のスタッフがウェルカムドリンクを届けに来た。
ウイスキー、ワイン、ジュースなどからチョイスできる。
A寝台利用者だけのサービスだ。

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ウェルカムドリンクはウイスキーをチョイスした。個室寝台車で水割りをつくって飲むのが何となくお洒落に思えたからだ。もうちょっと良い服を着てくればよかったと思い、ちょっと後悔した。

しばらくして、ウイスキー、ミネラルウォーター、缶入りお茶、氷の入ったグラス、それにおつまみの小袋がトレイに載せられて届いた。
ウェルカムドリンクのウイスキー水割りを飲みながら、お昼ごはんに持ち込んだ「やまべ鮭寿し」と麦輪小樽のベーグルによる遅めの昼食にする。
寝台列車での昼酒もなかなかいいもんだ。

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A個室ロイヤルの室内は小じんまりとしているが、室内で座っていると結構快適。
座席は壁のボタンを押すと背もたれが倒れてダブルベッドになる。
写真は自室ではなく隣の空き部屋。

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持ち帰れるアメニティセットがあるので、手ぶらで乗っても平気。
禁煙ではないのか灰皿も置いてあった。

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入口の床にはトワイライトエクスプレスのエンブレムが入ったスリッパが置いてあった。

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 ビデオモニターとドライヤー

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 シャワー・トイレ室

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 折り畳みの洗面台

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 折り畳みのトイレ

シャワー室は折りたたみ式のトイレ、洗面台も完備している。トイレは簡素な造りで、小用ならばこれで間に合うが大の方は外の共同の方のを使用した方がいいかもしれない。

シャワーのお湯が出る時間は20分間もあるので、かなりゆっくりと使える。
ベッドと反対側の壁には鏡、ドライヤー、テレビ、クロゼットなどが所狭しと並んでいる。

途中でトワイライトエクスプレス「旅のしおり」を売りに来たので1冊求めた。食堂車スタッフによる編集とのことで、毎日乗務しているスタッフ目線で、沿線の見どころが見逃してしまうようなところまで記載されている。
途中駅の通過時刻を記したしおりも付いている。

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見慣れた車窓だが、自分だけの部屋から眺めながら水割りを飲む。
あ〜だんだん楽しくなってきた(^^)。

駅弁を食べ終わるとすることが無くなったので、車内探検をしてこよう。

2へつづく

2011年トワイライトエクスプレス旅行記 2


トワイライトエクスプレスの車内は木目調の重厚な内装になっている。
製造からすでに30年以上経っている客車なのだが、車内は手入れが行き届いていて、とてもきれいだ。

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 1号車の通路、いちばん奥はスイート

車内はどこもひと気が無く、静か。連休初日とは思えないほどの寂しさだ。
空き部屋は1・2号車のロイヤルは8室中3室がまだ空き。

2人用個室のスイートは日本の鉄道では最高峰の部屋。
いつもなら発売同時に完売してしまう大人気の部屋だが、今日の主は現れなかった。

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 奥がリビングスペース、ベッドは入口側にある


2号車のスイートは入口側がリビングスペースで、奥がベッドになっている。
1号車のと違って展望はきかないが、そのぶんシャワー・トイレ別になっているなど居住性は良くされている。

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こちらは2号車のスイート

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 部屋が細長いので、レイアウトはかなり苦心した印象


4号車はサロンカー「サロン・デュ・ノール」。
フリースペースで、いつもは賑わっているのだろうが誰もいなかった

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 席は日本海が眺められるように段がついている

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サロンカーには自動販売機も設置されていて、おつまみやドリンクが買える。
酒類はないので食堂車で買うことになる(23時まで)。
自販機の横はシャワールームが2室あって、食堂車でシャワーカードを買うと利用できる

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 自販機のおつまみ

カーテンで仕切られる洗面所。女性客でも安心して使える。

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トイレは洋式と和式両方選べる。

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5、6、7号車は2人用B個室「ツイン」。
B個室は比較的埋まっているようだが、それでも空き部屋が目立った。

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 ツインの部屋が片側に並ぶ通路

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 仲良く向かい合わせで行けるツインの部屋


こちらは5、6号車にある1人用B個室「シングルツイン」。
その名の通り、追加料金で2人利用もできるが2人では狭そうだ

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 シングルツインは
通路の両側に個室が並ぶ

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 1人利用ならば足も伸ばせるし快適


8号車と9号車はBコンパート(B寝台)なのだが、ここの乗客は2両合わせて女性客1人だけ!
2両あるうちの1両は完全に無人だった。

1両貸し切り状態でずっと大阪まで行けるのだからすごい。
もっとも、夜など怖いだろうな。

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 Bコンパートの通路

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コンパートと言っても実質ふつうのB寝台と同じ。
部屋単位での発売ではないため、相席になることもある。

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 Bコンパートに座ってみた

7号車にある「ミニサロン」。
4号車のサロンとはちょっと違う応接室のような雰囲気。

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 自販機も設置されている

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 マガジンラックには雑誌も置いてある



2011年トワイライトエクスプレス旅行記 3


札幌を発車したときは青空の広がる良い天気だったのに、進むにつれて曇り空になって重苦しい天気になってきた。

途中駅での乗客もあまりいなく、結局空き部屋多数のまま大阪まで行くようだ。

洞爺は北海道側最後の停車駅で10分停車する。ここで札幌を14:52に発車した「スーパー北斗16号」に抜かれる。
ホームに出るとホームの向かい側に貨物列車も入ってきた。

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洞爺駅で10分停車

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 スーパー北斗16号が先に発車して行く

洞爺を発車すると、車掌がスイートを含めた空き室の窓のカーテンを閉めて施錠し始めた。次は翌日4:40着の新津まで停まらない。もう乗ってくる人はいないとの判断なのだろう。

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食堂車「ダイナープレヤデス」ではディナータイムの準備中

森を通過すると、列車は通常の特急とは違い「砂原線」へと進んで行く。大沼公園経由と比べると相当な遠回りになるこの路線は、上り列車では急勾配を登らねばならないため、上りの貨物列車は全て砂原線回りで運転されている。

大沼の眺望は、スーパー北斗より砂原線回りのこちらの方が良かった。晴れていればもっときれいだったろうが、残念だ。

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 車窓に見える大沼と裾野だけ見えている駒ケ岳

五稜郭は時刻表では通過となっているが、機関車の付け替えと方向変換のために11分停まる。
ドアは開かないので降りることはできない。

このあたりで日が沈んで空も暗くなってきた。

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 五稜郭停車中

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部屋の明かりを消すと夜景を楽しめる

日も沈んでしまい、津軽海峡線を走る頃には完全に外は暗くなった。
一人旅の夜は暇だ。
列車に乗っているので退屈ではないが、なにもすることがない。
本を読むには部屋を明るくしなければならないが、部屋の明かりをつけないで夜景を見ているのも悪くない。

列車は青函トンネルに入る。窓の外側がすごい勢いで曇る。これはトンネル内の湿度が高いため。

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青函トンネル走行中

21時過ぎ、パブタイムの営業開始との放送があったのでしばらくして3号車の食堂車へ行く。
利用者は少なく、スタッフの姿ばかり目立つ。先客は1組のみ。

食事は発車してすぐの駅弁以来なので、「ビーフピラフ」(1,200円)にした
北斗星のパブタイムのようなセットメニューは無かった。

パブタイムメニューは他に「海老ピラフ」や各種一品料理など。
ワインの品ぞろえは豊富だ。

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 21時過ぎ、パブタイム営業中の食堂車

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北海道ケルナー(ハーフボトル)

デミグラスソースを絡めたピラフはローストビーフ(?)がのって本格的だった。
トワイライトエクスプレス・ライスとでも名付けたいようなオリジナルな一品。

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 ビーフピラフ

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木目調の重厚なインテリア

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車端部はステンドグラスの明かりが灯る

スタッフたちは明日の準備なのか忙しそうだ。
新たな客も来ないまま先客も引き揚げ、食堂車内の客は私1人だけになった。

ちびちび飲んでいたハーフボトルも空になったので、料理をもう一品追加して、もう1杯くらい飲んでもいいかなと思っていたが、客は私一人だけ。

なんとなくスタッフルームのような雰囲気になってきたので、こちらも引き揚げることにした。

自室に戻って、もう少し飲むことにする。
その前にベッドメイキングをしておく。

トワイライトエクスプレスのロイヤルの座席は、ボタンを押すと背ずりが90度回転してダブルベッドになる。

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背ずりが倒れるとシーツも敷かれた状態になる

ベッドは広くなったのだが、部屋は椅子が1個置けるだけの広さになった。

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 ベッド室みたい

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札幌駅のどさんこプラザで買ってきた「十勝ブランデー原酒」というのを試してみる。アルコール度数は60度もあって、口に含むと舌の上で焼けて蒸発するような味だった。慣れてくると結構いける。

流れる夜景を見ながらちびちび飲んでいたら、だんだん眠たくなってきた。



2011年トワイライトエクスプレス旅行記 4

【行程】
札幌 (前日)14:05 → 12:52 大阪 トワイライトエクスプレス(ロイヤル)



どこかの駅で停まったところで目が覚めた。外は薄明るくなっていて、ホームの向こうに長岡の文字が見えた。またしばらく眠って6時頃起き上がる。柏崎を発車したところだった。

車窓には朝の日本海が広がっていてきれい。早起きすると良いことがある。天気は良いが、風が強いのか海面は波が高かった。

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柏崎と直江津の間を走行中

6:25直江津に到着。ここからはJR西日本の路線になる。

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 直江津駅停車中

直江津の前後は日本海が見える数少ない区間。
本日天気晴朗ナレド波高シ とでも言ってみる。

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直江津を発車してしばらくすると「ハイケンス」のチャイムが4回も鳴って、車掌のおはよう放送が始まった。ここから車内放送を再開するということだった。

7時に頼んでおいたモーニングサービスが来る。食堂車のスタッフがコーヒーとミネラルウォーターをトレイに載せて持ってきた。

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 食堂車の朝食予約券

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 モーニングサービス

7:30に予約してあった朝食のため食堂車に行く。
テーブルにはすでにナイフやフォークが並べられていた。

メインのスクランブルエッグはトロトロで、上にかかっているのはケチャップではなくトマトソース。ハムが添えられている。パンもおいしい。

外の流れる景色を見ながらの食事はおいしいなあ。

昨夜のパブタイムと違って、朝食は人気があるようだ。散々な乗車率だが、この回は数組のテーブルが埋まっていた。

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 前日に予約していた洋朝食(1,575円)

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 メインはスクランブルエッグとハム

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 パンは軽く焼いてあって暖かい

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 重厚なインテリアも朝は明るい食堂車に変身

最後にコーヒーを飲んで、レジで会計する。朝食は1回30分の入れ替え制なのであまりゆっくりはできない。
食事の後、部屋に戻らず、しばらくサロンカーで過ごす。

サロンカーは、食堂車の朝食後に立ち寄る人やちょっと気分転換に来ましたというような人がいて昨日のような寂しさは無い。

ツアー客がいないせいか静かだ。

8:01富山着。北陸は国鉄型車両の宝庫で、ちょっと楽しい。

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 富山駅に到着

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朝のサロンカー

8:49に金沢に到着。ここで後続の「サンダーバード」に乗り換えれば、大阪には1時間以上早い11:37に着く。

芦原温泉では5分の運転停車がある。ここで後続の「サンダーバード」に抜かれる。手前の金沢で乗り換えていれば、大阪には1時間以上早く着く列車だ。

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A個室サービスの新聞を読む

停車駅ごとに少ない乗客がさらに少なくなって、車内は寂しくなってゆく。
サービスの新聞も隅から隅まで読んでしまった。
まだまだ先は長く、だんだん退屈なムードになってきた。

敦賀には10:36に着く。ここで機関車の交換が行われ、付け替え作業のため16分停車する。
ホームには売店もあって駅弁も買える。長い行程で唯一外で買い物ができる駅だ。

ホームに降りて、機関車付け替え作業の見物に行く。他の客たちもやって来て、記念写真を撮ったりしていた。

ホーム中ほどには売店があったので覗いてみると種類は少ないが駅弁を売っていた。終点大阪まで2時間以上あるので、さばずしとビールを買った。

まさか乗客の退屈しのぎのために機関車付け替えを行っているわけじゃないだろうが、ホームを歩いていると良い気分転換になる。

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 敦賀駅停車中

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 機関車が近づいてくる

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 残り少なくなった光景

敦賀を発車すると、ループ線の案内放送が始まった。
観光列車らしくここだけではなく各所で車掌の放送による車窓の説明が行われる。

敦賀で買った「さばずし」とビールで早めの昼食にする。まだお腹は空いていないのだが、ほかにすることがない。

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 鯖街道さばずしとビール

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 鯖の肉厚さが凄かった

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 ループ線手前で交差する線路

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 琵琶湖の眺めが良い湖西線

湖西線の途中駅で、臨時の運転停車があった。10分ほどしてからまた動き出した。
大津京でまた運転停車。特急と普通電車の2本に抜かれる。
ホームにいた母子が、珍しい列車がきたもんだとばかりに携帯でこちらの列車の写真を撮っていた。

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 沿線の人たちにも人気

京都の手前で下りトワイライトエクスプレスとすれ違う。上りのこちらが大阪に到着する前に一足先に入れ違いに発車するダイヤになっている。

カメラを向けると、隣の線路を併走する新快速が後ろから追いついてきて隠れてしまった。

新快速のばかあ!

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 すれ違う下りトワイライトと後ろから追いついてくる新快速

京都を発車すると終着駅は目前。昨日から車内で22時間以上も乗っていてうんざりしているはずなのだが、もう終点に着くのかと思った。

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 札幌から1500km、23時間かけて終着駅大阪に到着

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 行先表示

旅の終わりは旅の始まりでもある。明日はまた札幌へ戻る再び1500kmの長旅となる。
(おわり)




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