ミュンヘン空港 ―S8― ミュンヘン中央駅ANA・NH207便は16:40にミュンヘン空港に着いた。定刻は17:15なので35分の早着になる。早く着く分には一向に構わないし、ちょっと得した気分になる。
やっと満席の飛行機から解放されたのだが、下界の景色を見ていたり、座席背面のゲームをしていたら12時間近い搭乗時間はそれほど長くは感じなかった。
飛行機から降りた人の多くはトランジットの方へ向かうので、それに惑わされないように標識の『EXIT』の文字を確認しながら長い通路を進むとイミグレーションがあった。
『Non EU』の列に並ぶが、一人当たりの審査時間は短い。すぐに自分の番になった。パスポートを差し出す。ちょっと緊張する一瞬だが、すぐにスタンプを押して「OK」と言われた。
次は新千歳空港で預けた荷物の受け取りだ。待つあいだにトイレに行って戻ってくるともうターンテーブルが回り始めていた。
荷物はたくさんグルグル回っているが、周りで待つ人は少なすぎる。あんなに満席だった飛行機の乗客はみんなどこへ行ったのだろう。間違ってトランジットの方へ行ってしまったのだろうか?
謎のまま、自分のキャリーケースが出てきたので、受け取って出口へ。これでドイツというかEUに入国となった。時刻は17:08だった。

ミュンヘン空港に到着
駅へはSマークの方へ歩いていけば良い
無事入国できた(当然だが)次はホテルへと向かう。電車に乗るためには案内板のSバーンの『S』マークの方へ進めば良い。ミュンヘンもこれが3回目なので勝手が分かっている。
ところが案内通りに進んだら外へ出てしまった・・・
外といっても中庭のようなところだが、とにかく矢印に従って歩いて行くと、見覚えのある場所に着いた。ここまで相当歩いた。

空港駅のきっぷ売り場 買い方がわからないのか戸惑っている人が多い
DBの券売機が並んだコーナーがあって、ここはいつも外国人旅行者らしい人が機械の前で首をひねっている。
中央駅までの切符を買うために機械の前に立ったが、機械が新しくなっていて前回のときと操作方法が違うようになっている。
いじっているうちに「Tageskarte」(1日乗車券)の文字が出てきたので、「Gesamtnetz」(全域)を選択すると画面に金額が表示された。
3年前に来た時より券売機は改良されたようだが、却って操作回数が増えたようで、外国人旅行者にとっては逆に不便になった。

ホームに降りるとちょうどやってきた赤い電車
中央駅へはどの電車に乗っても良い
全域の1日乗車券は11ユーロ。切符には英語で『AIRPORT-CITY-DAY-TICKET』と書いてあった。
都心まで着いて、今日中に1回でもトラムか地下鉄に乗るのであれば1回券より1日券を買ったほうが得だ。
ホームへ下りる階段の前に刻印機があって、そこに切符を差し込んで日付を刻印してから切符は有効になる。これを忘れると、運悪く検札があった場合に無札乗車として高額の罰金を払わねばならない。
さっそく買った切符を刻印機に差し込もうとしたら、切符は普通のサイズより一回り大きくて穴に入らないではないか。
切符にはじめから日時と時刻が印字されているので刻印はいらないのかな?
海外の一人旅はこんな些細なことでも不安材料になる。
「だって機械に入らねーモノはしょうがねーだろ」とただ心の中で呟く・・・

途中の駅
郊外は無人駅ばかり
階段を降りるとちょうど8番の電車が到着したところだった。近くの扉から電車に乗ると、車内は混んでいる。後ろの方の車両に移動すると空席があった。
電車は空港駅を発車するとしばらくして地上に出る。外は曇り空で薄暗い。
毎回ミュンヘンに来て思うけれど、ここの電車の乗り心地はすこぶる良い。加速も素晴らしい。
ずっと田園風景が続いていて、線路がいくつも寄り添ってきてそろそろ都会らしくなってきたところで、電車は駅はないところで停車した。
停止信号くらいに思っていたが、電車は一向に動く気配はない。
車内放送があったが、ドイツ語なのでわかるはずもなく、また少し心配になる。
やっと動き出したと思ったらノロノロと動いただけでまた停った。
結局、停っていたのは10分くらいで、やっとオスト駅に着いた。
オスト駅は意訳すると『東駅』で、ミュンヘン東側のターミナル駅だ。ここで降りる人も多い。
ここから地下鉄に乗り換えたほうが良いのだろうかとも思ったが、乗ってくる人が多かったので留まる事にした。
電車はすぐにオスト駅を発車すると今まで何事もなかったかのように普通に走り出した。

駅構内の手前で止まってしまった
別系統の電車が走り去って行く

帰宅ラッシュのオスト(東)駅
オスト駅を過ぎると車内は立ち客もたくさん出るようになった。
マリエン広場駅で大勢降りて、隣の客も席を立ったので一緒に席を立った。ここからは中央駅で降りられるように立つことにした。
車内放送で「ハウプトバーンホフ」というのが聞こえた。このくらいならば聞き取れる。
18:20頃中央駅に大勢の降客とともに降り立った。

ミュンヘン中央駅に到着

前回も泊まったことがあるホテル
経営者が替わり名前もウィンターホテルになった
まずはミュンヘンで1泊するが、ホテルは前回来た時と同じ所にした。名前は前回とは違っていた。
場所は中央駅北口向かいなので非常に便利だ。
フロントで「ハロー」と言うと係員がやってきた。インターネットの宿泊予約サイトで既に代金は支払い済みなのでバウチャーを差し出す。
と「パスポート」と言われた。本人確認のため必要らしい。
宿帳も書かなきゃならない。カタコトの英単語で教えてもらってなんとか記入する。
書くのは、ローマ字で住所(番地→字→市の順)それと一番下にサイン。サインは漢字でも良いようだ。
ようやくキーを渡されて部屋に入る。

ウィンターホテルの部屋
クラスは日本の安ビジネスホテルといったところ
長旅で休みたいところだが、それ以上にミュンヘンに来たからにはビールが飲みたい。
部屋に荷物を置くと、すぐにまた外に飛び出した。
どこで飲もうかと考えたが、やっぱりビアガーデンがいい。中央駅正面の電停からトラムに乗ったが、次のカールス広場で降りた。あまり遠くまで行くと戻るのが大変だし、明日はプラハ行きで朝早いので、ホテルから近いところにした。
さすがにビアガーデンに直行というのも何なので、ノイハウザー通りを歩いて市庁舎まで往復してきた。通り沿いは市庁舎も含めて工事中の建物が多かった。

中央駅正面のトラム停留所

カールス門とノイハウザー通り
ここへ来ると帰ってきましたミュンヘンへ!という気持ちになる
ビアガーデンは、カールス門からも中央駅からも歩いて5分くらいのところにある『パークカフェ』。
旧植物園(Alter Botanischer Garten)という公園のほぼ真ん中にある。
この時間の公園は人通りも少なくて、曇り空で薄暗いのもあって、少々不気味な感じがする。

旧植物園のビアガーデン「パークカフェ」
公園の中にあって落ち着いた雰囲気
ビアガーデン『パークカフェ』は平日にしてはそこそこ賑わっている。
売店の兄さんにソーセージを指差して「プリーズ」と言ったら皿に乗っけてくれた。兄さんは「ポテト?」というので「イエス」と言ったらすごい量を盛り付けた。ソースはケチャップらしいのを指差すと、これもソーセージの上にたっぷりとかけ、カレー粉をパラパラと振った。
ビールは「ヘレスビア」と言ってほしいジョッキを指さしたら一応通じた。
プレッツェルも取ってレジで会計する。

ソーセージとポテトそれに塩をまぶしたプレッツェル
ビールは1リットルだが料理の量が半端でないのでジョッキが普通に見える
空いてるテーブルに座って、まずはビールをグビグビといく。1リットルジョッキは重たい。
皿からはみ出しているソーセージは長さ30センチくらいあって、これもデカい。
ナイフとフォークで食べると、美味しい。しかし、ちょっと大味かなとも思った。
ポテトは普通の塩味のフライドポテト。しかし1個の大きさがこれもデカい。
1リットルのビールはあっという間になくなったのでもう1杯買ってくる。今度はヴァイスビールにした。いわゆるホワイトビールというものだ。

2杯目のビールは白濁のヴァイスビール
小麦のビールでフルーティーな香りがする
大量のポテトはとても全部食べきれなかった。そろそろ引き上げようと食器を下げる。
周りを見ると、ビールを飲みながらおしゃべりしている人、読書にふけっている人がたくさんいる。まだホテルに帰るのはもったいないと思い、もう1杯飲むことにした。

食器は下げてきてもう1杯ビールを買ってきた
すでに結構な量を飲んでいるが、あまり酔いは回ってこない。ビール自体のアルコール度数が低いのか、あまり酔が回らない風土なのか、毎日ビールをたくさん消費する国では何か秘密がありそうだ。

午後9時近くだがまだ明るい
平日のためか空きテーブルが目立ってきた

ミュンヘン中央駅の夜景
パークカフェからホテルに戻る途中、駅のコンビニでミネラルウォーターとビールを買った。
明日は朝早いので早く寝たいのだが、初日で興奮しているせいかなかなか眠くならない。すっかり暗くなって10時半頃、急に雨音が聞こえてきた。
さっき駅で買ったビールをもう1本飲んでようやく眠りについた。
2012年チェコ鉄道旅行記 もくじ