
廃止になる江差線 木古内−江差間の時刻表。
上ノ国町の夷王山キャンプ場を6:04に出発して、江差駅には6:18に着いた。車は8台しか停められない駅前広場の駐車場は空いていたが、3時間ほどの駐車になるので駅裏の臨時駐車場に停めた。
江差駅の裏側に設けられた臨時駐車場。
臨時駐車場から。朝一の列車は1両のみだった。
江差6:44発の始発列車は1両のみで、発車20分前だがすでにドアが開いて10人程の乗客が乗っていた。
全員が名残乗車組と見える。
空ボックスもいくつかあって、終点木古内まで1ボックスを1人で占有することができた。
この時間の窓口は閉まっている。
エンジンのアイドリング音だけが響くホーム。
江差駅発車前の車内。空きボックスもいくつか残る。
数人に見送られて発車する。
江差を発車すると、線路が高台にあるので高架線のような所を進む。すぐに町は終わって右手に海が開ける。
江差−上ノ国間が江差線廃止区間で一番景色の良い区間だろう。そのほかは平凡な田園風景か山また山で、沿線の人には悪いが退屈な路線だ。
海と線路の間には国道228号線があって、並走する車に抜かれる。こちらは60km/hまでしか出さない。特急列車の半分のスピードだが、かえって安定感があって頼もしい走りっぷりのようにも思える。
上ノ国までは海岸沿いを走る。
鉄橋を渡る。
中須田を過ぎると進行左側に道道江差木古内線が平行する。右側には天ノ川が見えてくる。天ノ川は何回か渡るが、ほぼ進行右側(江差行の場合は左側)に見えるのでこちら側の席に座った方が良い。
宮越駅に停車中。
途中泊まる駅はどこにもカメラを持った鉄道ファンが何人かいる。キャンピングカーもよく見かけたが、駅前で車中泊していたのだろうか。
天ノ川駅駅を通過。
車窓から見える天ノ川。
湯ノ岱駅が近づく。
朝早くからホームには鉄道ファンの姿が。
7:15に湯ノ岱に着いた。ここもホーム上にはファンが待ち構えていた。ここで下車する人が数人いて、途中駅で乗ってきた人ですべてふさがっていたボックス席も空きができた。
下り木古内始発江差行4170Dと交換のため4分ほど停車する。
しばらくして江差行が向こうも1両で入ってきた。乗車率はこちらと同じような感じだ。
湯ノ岱駅で下り列車と交換のため4分停車する。
反対側ホームに到着した下り列車。
湯ノ岱駅を発車する。
板張りホームの神明駅。道道から離れた小さい集落にあるため、一部からは秘境駅と言われている。
神明駅を発車すると松前半島を横切る峠越えになり、30〜40km/hくらいのスピードでゆっくり進む。
神明−吉堀間13.2kmを列車は21分もかけて走る。人家も並行する道路も無い山また山の車窓だが、この区間に残っている白い碍子をつけた古い電柱がローカル線らしい風情を醸し出している。
神明−吉堀間は峠越え区間になり、列車のスピードもゆっくりになる。
この区間は白い碍子をたくさんつけた電柱(通称ハエたたき)がまだ残っている。
稲穂トンネルを抜けるとスノーシェルターがいくつも現れ、今度は下り坂になる。急カーブが多いので列車のスピードは上がらない。
ここから寄り添う川は木古内川となる。湯ノ岱から離れていた道道もまた姿を現す。
ワンマン列車なので運転席には運賃箱が置いてある。
デジタル式運賃表示機。
デッキのさようなら江差線のポスター。
キハ40の全面展望は良くない。
木古内−江差間の最高速度は65km/hに抑えられている。直線区間でもスピードメーターは60km/hを示したまま。
峠を下ってだんだん開けてくると吉堀駅。渡島鶴岡駅を発車してしばらくすると新幹線の高架橋の下をくぐって津軽海峡線と合流する。
木古内駅が近くなる。これは列車後部から。
木古内駅手前で一旦津軽海峡線の下り線と合流する。
7:54木古内駅に到着。反対側の列車は8:09発江差行列車。
木古内駅の江差線普通列車のホームは4番と5番が充てられていて、この列車は5番ホームに着いた。向かいの4番ホームには函館始発の江差行列車が先に停車していた。
この列車で江差に折り返すのだが、切符を持っていないので改札口で料金を払って、また江差までの乗車券を買わなければならない。そのため階段を登って一旦改札口を出る。
上から見た木古内駅ホーム。左の大きい建物は新幹線の木古内駅。
木古内駅改札口の江差行表示。
改札口で整理券を渡し、江差からの運賃930円を払う。隣の1つしかない窓口は数人の列ができている。自分も江差までの乗車券を買うために並んだ。
ほとんどが記念きっぷを購入する客なのだが、中には面倒な注文をする人がいたりで列はさっぱり進まない。
江差までの乗車券ならば券売機でも買えるが、そこはこちらも木古内→江差の文字が書かれた乗車券がほしいファンの心情で・・・
何とか自分の番が回ってきたのは発車3分前だった。改札口でスタンプを押してもらい急いでホームへ下りる。
待合室に掲示のパネル。
キヨスクで販売の江差線グッズなど。
自動券売機上の地図式運賃表。
江差行の列車は、さっき前の列車を降りたときに見たときは空席もあったが、函館からのスーパー白鳥14号から乗り継いだ人が増えて、デッキに立客が何人もいるほどの混みようだった。
それでも座席をもっと詰めれば全員着席できそうなくらいだったが、相席で車窓も見れないくらい窮屈な席で行くよりは立っているのも悪くない。
1両目の車内。通学列車用に座席が1列撤去されて通路が広くなっている。
2両目の車内。こちらはオリジナルの車内。
立ちっぱなしで外もよく見えないので車内の様子も眺める。
車内の客層は連休にちょっと郊外へといった感じの人が多い。いかにも鉄でございますという人もいなくはないがあまり目立たなかった。
小さい子供連れが多いのも意外だった。
網棚にバッグなどが並んだ車内を見ていると、昔の急行列車の雰囲気を思い出した。
天井の扇風機はラインフロー式の送風機に付け替えられていた。
この2両の気動車はキハ40型という道内ではどこでも見られる車両で、国鉄時代から今のJRに引き継がれている。
製造初年は1977年で一番新しいものでも1982年製造だから軽く30年以上走り続けていることになる。
自動車ならば完全にクラシックカークラスだ。
それでも車内外ともにあまり古さを感じさせない。大事に使われていたというよりは国鉄時代のコンセプトとしてとにかく頑丈に作ったので劣化が少なかった。
今気づいたが、天井のJNRのマークを付けた扇風機は撤去されてかわりにラインフロー式の送風機が設置されていた。わざわざこんな機械を取り付けるということは、キハ40はまだまだ使い続けるんだろうな。
湯ノ岱駅で上り127Dと交換。
江差駅に到着。
木古内から立ちっぱなしでの1時間9分は長かった。他の乗客たちもやれやれといった感じだった。
待合室のストーブには火が入っていた。
列車に接続する無料の江差観光周遊バス。
列車の発着に合わせてバスやタクシーが頻繁に出入りする駅前広場。
列車が着いてしばらくホームは撮影する人など、待合室は記念きっぷを求める人などで混雑していたが、駅前から無料の観光バスが発車し、そのあと天ノ川駅行きの臨時バスが出ていくと駅には折り返し10:27発木古内行きに乗る人だけが残った。
もとコンビニだったところに出店した「おもてなしプラザ」。江差線廃止までの臨時売店とのこと。
駅前広場にあるおもてなしプラザで来駅証明書をもらい、「ありがとう江差線」のコースターと駅弁を買った。
おもてなしプラザで売っている駅弁。
駅を後にして、臨時駐車場へ戻る。
このまま雲石峠を通って札幌に戻る予定でいたが、明日も休みだしせっかくだから江差線の各駅を回って木古内経由で帰ろうと思った。
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