私は2年前に行った網走旅行を思い出していた。あのとき眺めた水平線の彼方まで真っ白に埋め尽くした流氷原を眺めれば気分が晴れるかもしれないと思った。
というわけで、今回の旅行を決定したのは出発の2日前の木曜日。土曜日の朝出発して、月曜日に札幌に帰ってくる計画を立てた。
冬はさすがに車中泊というわけにはいかないので、出発の前日にインターネットでホテルを予約した。素泊まり2泊で6700円也。
2泊だと中日が有効に使える。今回は車なので、2年前は列車利用だったので行けなかった知床やサロマ湖へも行こうと思った。
土曜日の朝、札幌は青空も見える良い天気だった。天気予報はオホーツク方面の明日以降の天気は吹雪となっていて気にかかったが、もうホテルも予約してあるし出発することにした。
8:40に新川ICから高速に入り北上する。土曜の朝のせいか道路は空いていて、道路上も路面が出ている状態なので走行は快適だ。そのかわりみんなえらい飛ばす。
途中砂川サービスエリアで15分ほど休憩して、比布ジャンクションから無料の旭川紋別自動車道に入った。ここからは片側1車線道路で圧雪路面も多くなったが特に何事もなく自動車道終点の丸瀬布まで来た。
丸瀬布ICを出て国道333号線を走るとすぐ道の駅まるせっぷがあるのでここで休憩する。
砂川SAからここまでは店がなく飲まず食わずになるせいか観光バスのお客がいたりして賑やかだ。
札幌市内の新川ICから約2時間50分で道の駅まるせっぷに到着。
道の駅から国道を挟んだ向かいの高台は石北本線の線路が通っていて、ちょうど特急オホーツクが札幌へ向けて通過して行った。
道の駅まるせっぷから見えた特急オホーツク4号。
昼時には少し早いがお腹も空いていたので、レストランで山菜そばを食べた。
麺が少し太めというほかは別にどうということもないそばだった。この先は遠軽は割と大きな町だが、網走までは何も無さそうなので、ここで食べておいて正解だったといえる。
広い店内はほかに2組だけで寂しい。観光バスのお客もお土産コーナーをひやかすだけですぐに出て行った。
650円の山菜そば。
道の駅まるせっぷのレストラン「フォレスト」。
レストランとお土産屋。
このまま網走までまっすぐ行くと14時過ぎには着くことになる。そこからさらにどこかへ行くには中途半端な時間なので、遠軽から湧別へ行き、サロマ湖経由で網走に向かうことにした。
途中遠軽にモダ石油があったので給油する。別にモダの宣伝ではないが、安いし道内ならばあちこちにあるので便利だ。
国道242号線の遠軽の市街地を過ぎてしばらく行ったあたりから湧別までは約14kmもの直線道路が続く。といっても、交通量もそこそこあって道路沿いは道東では珍しく人家が連続してるので雄大というわけにはいかない。
直線の道路は途中から道道湧別上湧別線になって、湧別町の市街地を通り過ぎたT字路で終わる。その先は海なのでいかにも終点らしい終わり方だ。
湧別で立ち寄ったオホーツク湧鮮館。
展望台。
湧鮮館横の展望台から。
湧別漁港にあるオホーツク湧鮮館で珍味などを買った。ここは湧別産の海産物で作った干物や燻製などが豊富で、珍味好きならば見ているだけで楽しい。
駐車場をはさんだ隣には展望台があって、上からはオホーツク海が見える。残念ながら流氷は岸から離れ、沖合にうっすらと見えるだけだった。
湧別からはサロマ湖に伸びる砂州へと向かう道道を走る。凍って真っ白な雪原になったサロマ湖が見えた。
登栄床の町を過ぎると竜宮台という展望台があって車はここまで行ける。
竜宮台展望台。
竜宮台展望台から。左がオホーツク海、右が凍りついたサロマ湖。
風向きのせいか流氷は沖に行ってしまった。
オホーツク海と反対側は結氷して真っ白のサロマ湖。
凍りついた登栄床漁港。冬季は使用不能。
結氷のため漁船が陸揚げされている。
広大な雪原になったサロマ湖。
竜宮台からは湧別へ戻らずに国道238号線に出て、サロマ湖沿いを南下する。
道の駅サロマ湖。
道の駅サロマ湖にあった雪像。
国道238号線を走っていると時々真っ白なサロマ湖が見える。湖があることを知らないと広大な雪原だと思うだろう。
最初は感心するが、行けども行けどもという感じで同じ景色ばかりなので飽きてきた。カメラで写した写真を見ても、どれも同じような風景ばかりだし。
時々サロマ湖のほとりに出る。
サロマ湖は行けども行けども真っ白な雪原が広がっている。
国道は途中からサロマ湖から離れて能取湖のほとりを走るが、ここも一面真っ白でどこも同じような風景だ。
網走の少し手前で左折して道道網走公園線に入る。日没までまだ時間があるので能取岬へ寄り道する。
能取岬が見えてくる。
能取岬と灯台。
能取岬の一帯は高台の草原になっていて、雪は風で飛ばされるのかところどころ地面が露出している。灯台はいまどき少ない白黒のツートンカラーで、断崖の下は白い流氷が浮かぶ黒いオホーツク海が広がるモノトーンの世界だった。
岬への道。
流氷は沖へ遠ざかったが、海岸には小さい氷が浮かんでいる。
「網走番外地」
♪遥か 遥か彼方にゃ オホーツク
紅い真っ赤な ハマナスが
海を見てます 泣いてます
その名も 網走番外地♪
高台の草原にポツンと建つオホーツクの塔。
漁民の像。
オホーツクの塔の碑文。
遠くに見える知床の山々。
網走市内に着いたのは16:30頃。もう薄暗くなっていた。予約していたホテルは素泊まりなので、市内のスーパーで買物する。惣菜やビールなど。ビールは奮発して地ビールの「網走ビール」を数本買った。
ホテルの部屋。バス・トイレ共同だが、和室で1泊3350円とお得。
夕食はスーパーで買ってきた惣菜とビール。
ホテルにチェックインするとすぐに浴場へ。あまり広くは無いが光明石温泉と謳っている風呂はたまたま他に客がいなくて快適だった。
旧館のため部屋はかなり古びているが、和室なのがありがたい。テーブルにスーパーで買ってきた惣菜を並べ一人ビールで乾杯した。
テレビの天気予報は明日から網走地方は荒れると報じていた。そんなことはお構いなしに、明日は知床のウトロまで行こうとビールを飲みながら計画を練っていた。
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