上ノ国〜江差=木古内=江差
道の駅もんじゅ上ノ国から見た朝日。
7月の北海道は日の出が早い。朝4時半だが日が昇って明るい。
この日は朝6:44江差発の普通列車に乗る予定だ。道の駅は6時過ぎに出発しても十分間に合うので、海岸を散歩したりしていた。
6:10頃に江差駅に着くと、駅前広場は昨日は何事もなかったかのように片づけられて、いつもの殺風景な駅前になっていた。
駅舎はすでに開けられていたがまだ誰もいない。
1両の列車は昨夜に最終列車として着いて1晩ここで夜明かししたようで、エンジンも止まっているので静かだ。
列車の運転士だけが1人運行前の点検で忙しく動き回っていた。
早朝の江差駅。前日のお祭り舞台はすっかり片づけられていた。
江差駅でエンジンを始動する始発列車。動画です。
江差−木古内−函館 の行先標(サボ)と車番。
6時半ごろ列車のドアが開いていたので車内に入る。やっぱり乗客は誰もいない。
発車時刻が近づいてきたころ駅前に車が横付けになり、スーツケースを持った女性が1人乗ってきた。
2名のみの乗客を乗せた列車は6:44に江差駅を発車した。
さすがに始発列車はこの通りがら空き。
宮越駅。
天の川を渡る。窓からの風が心地よい。
湯ノ岱駅では下り江差行と交換になる。あちらも木古内始発で接続列車もないのでがら空きだった。
江差行にクールビズ姿の男性が1人乗車していった。まさかの通勤客?JRの職員ふうにも見えたので、列車で行き来している駅員かも知れない。
湯ノ岱駅で下り江差行と交換する。
天の川に沿って走る。
神明駅でようやく1人乗ってきた。しかし旅行者ふうなので地元客ではなく湯ノ岱で交換した列車に乗っていた人が折り返しでこちらに乗ってきたようだった。
神明を過ぎると上り勾配がきつくなり峠越えになる。運転台の速度計を見ると30km/hまでスピードが落ちていた。
しかしこの車両は新型エンジンを積んでいるので旧式気動車のように喘ぎ喘ぎ登るような感じではない。ダイヤは旧式時代から変わってないので、運転は余裕がある感じだ。
峠の頂上には稲穂トンネルがあって、檜山振興局(旧支庁)から渡島総合振興局の境となる。
この区間を日常的に利用する客はほとんど無いというから、この線の経営の厳しさがよくわかる。
神明駅。
神明を過ぎると峠越えの上り勾配になる。白い碍子をつけた昔風の電信柱も現れる。
稲穂トンネルを抜けると下り勾配。
峠の前後は最大25パーミルの勾配があり、列車の速度も30km/hまで落ちる。
峠を越えると吉堀、渡島鶴岡と停まり、土地もだいぶ開けてくる。時間的には木古内への通学列車だが日曜日のため乗降は一切なし。乗客3名のまま新幹線工事真っ只中の木古内駅に着いた。
この列車は木古内駅で26分も停車してから函館まで直通する。
木古内が近づくと建設中の北海道新幹線の高架橋が見えてくる。
津軽海峡線の立派な複線と合流。
木古内駅に到着。反対側の列車は下り江差行普通列車。
木古内駅の改札口で乗車するときに取った整理券を渡して江差駅からの運賃900円を支払う。
ちょうど新青森行8:04発スーパー白鳥20号の改札中で、このあとは8:16発函館行スーパー白鳥71号が来るので駅の中は日曜の朝から慌ただしい。キヨスクもあってこちらも営業していた。
きっぷ売り場で折り返し江差まで買うと、台紙付きの記念乗車券をくれた。列車を降りるとき見せるだけで良く、記念に持ち帰っても良いそうだ。
木古内駅の改札口ときっぷ売り場。
木古内駅で買った江差行の乗車券。台紙付きだった。
待合室にはキヨスクもある。昔ながら対面式の売店も数が減ってきた。
木古内駅キヨスクで買った江差線列車サボのレプリカ。
木古内駅4・5番線は架線が張られておらず江差線専用。
4・5番線の案内。
木古内から乗った8:08発の江差行はボックス席も相席になるほどの乗車率だった。この列車は函館を6:53に発車した江差までの直通列車なのだが、函館駅での接続列車は夜行の「はまなす」くらいしかないのでちょっと意外な混みようだった。
客層は鉄道ファンが多いが、廃止が決まった江差線に乗りに来ましたといった一般客ふうの人も多く、観光列車のような様相になっている。
新青森行の特急が発車して行くと、乗り換え客が数人乗ってきて発車となった。
函館始発の江差行列車。奥の列車は新青森行スーパー白鳥20号。
江差行の車内。日曜とあってか早朝から名残乗車客で一杯。
吉堀駅。
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再び湯ノ岱駅で上り列車と交換。

天の川駅。架空の駅なので列車は通過する。

江差駅に到着。
木古内からの乗客はほぼ全員江差まで乗り通した。ホームでは列車や駅名標をバックに記念写真を撮る人などで賑わう。観光列車と観光駅のようだ。数年前ならばありえなかった光景だ。
江差線の最終営業日2014年5月11日と既に決定しているので、これからますますにわか鉄ちゃんや名残乗車客が多くなるのだろう。
廃線間際のお祭り騒ぎもまあ良いんじゃないかな。
沿線にはこれだけ人を呼べるような大した名所も名物も無かったのに、鉄道が無くなるというだけでこれだけの人が来るんだから、日本の鉄道もまだまだ偉大だ。
自分もできれば廃止前にもう一度来て、名残乗車客の一人になって廃線グッズや名物を買って楽しみたいと思った。
さすがに廃止当日に駆けつける「葬式鉄」はする気にはならないが。

江差駅の待合室では仮設の売店もあって弁当などが売られていた。
おわり
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