
札幌市中央区宮の森と西区小別沢を結ぶ「小別沢トンネル」は、いまは立派なトンネルになったが、まえは車一台がやっと通れるほどの狭いトンネルだった。
元は岩剥き出しの素掘りのトンネルだったが、のちにコンクリートを吹き付けて滑らかな凸凹をした陰湿な壁面になった。
トンネル上部から水がポタリポタリとたれていることから、別名「冷水トンネル」とも呼ばれていた。

心霊スポットとして有名で、戦時中トンネル工事で亡くなった人柱が埋め込まれているなどの噂が立った。
妖しげな坑道のような凹凸を車のヘッドライトが照らして、人柱のような幻想に浮かんで見えたのか、幽霊の出る心霊スポットとなったようだ。
実は昭和初期に小別沢の人たちが掘ったもので、農作物を円山朝市へ運ぶのにたいそう楽になったそうだ。
タクシー運転手がこのルートを嫌ったことから、それが心霊噂話につながったという説もある。

福井地区の住民が都心方面への抜け道として使っているルートになっているので、朝などは結構な交通量だ。

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