道路拡幅で変わる市電西線6条界隈

札幌市電・山鼻西線の拡幅工事は、2020年頃から本格的に始まっています。

この道路拡幅事業は、都市計画道路である福住・桑園通のうち、電車通りである南1条から南22条までの区間を、幅員20m道路から25mに拡幅する事業。

現在は南1条から南6条までがほぼ完成。
引き続き南14条までが現在の事業区間となっているようです。

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 二条横断歩道橋から南方向(2025年8月撮影)。

拡幅と同時に行われたのが電線を地下の共同溝にまとめるという無電柱化事業。
電柱の上に交錯して張られた電線がなくなり、だいぶすっきりとした道路になりました。

ですが、市電の架線だけは地中化することはできず、道路上に張り巡らされたスパンワイヤーと架線は残ってしまいました。
こうした風景は電車通りらしいと言えばらしいのでしょうが。

また、拡幅工事と並行して、それまで西線6条から南3条に向かって東側に幅寄せしていた軌道を、道路中心に寄せる工事も2022年8月頃からから行われていました。
南3条側から順次軌道移設工事が行われ、それも完成しています。

この工事についてはこちらを参照願います

 *山鼻西線に出現した謎のS字カーブ

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 二条横断歩道橋から南方向(2018年8月撮影)。

こちらは2018年8月、拡幅工事が始まる前の二条歩道橋から南方向。
西線6条停留場からほんの少しカーブして、南3条に向かって軌道が幅寄せしているのがわかります。

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 西線6条停留場、北側から(2025年8月撮影)。

拡幅工事が完了したことで、西線6条停留場も改築となるようです。
幅広の安全地帯が設けられるであろう停留場付近は、車道を示す白線もそれに合わせて左側に寄せられていました。
歩道も若干削られています。

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 札幌市電標準スタイルの停留場(2025年8月撮影)。

四角柱の行灯型停留場標識に半円アーチ状の上屋。
札幌市電停留場の標準スタイルです。

このスタイルに変更されたのは1994年頃ではなかったでしょうか。
それ以前は柵も屋根もなく、車道と軌道の間に古レールを組んで高くしアスファルトを敷いただけの簡素な構造でした。
当時は札幌市交通局が新たに導入した『ST』マークのロゴと共に斬新なスタイルで、それまで古臭いイメージだった札幌市電のスタイルを一新したものでした。

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 西線6条の停留場標識(2025年8月撮影)。

だけど建造から30年以上。
さすがに老朽化というか古さは隠せません。
今の時代に求められているバリアフリーにも全く対応していません。

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 停留場ホームに残された段差(2025年8月撮影)。

他の停留場は新たにバリアフリー仕様に新築された停留場を除き、ホーム高さを嵩上げして出入口を傾斜路とする改築工事が行われました。
ですが、ここ西線6条停留場は工事が行われることはありませんでした。

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 既に新しいホームを設置するスペースが確保されている(2025年8月撮影)。

その理由は、数年後に道路の拡幅工事が完了するので、そのタイミングで本格的なバリアフリーのホームを新設する計画だったからでしょう。

他にも改築工事が行われなかった停留場は、西線9条旭山公園通の内回りホーム。
ここも拡幅工事完了を見越してのことなのでしょう。

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 西線6条内回りホーム(2025年8月撮影)。

改築されたがどこかチグハグな感じもする他の停留場ですが、こちら西線6条は原形のまま。
段差があるけど低いホームが、路面電車らしさを感じます。

ここがバリアフリー対応で幅広のホームに生まれ変わると、便利にはなりますが少々寂しい気もします。
昔ながらの札幌市電の風景が、また消えるんだなあという思い。

でも、この西線6条界隈の街並みも、昔と比べると随分と変わりましたよ。
下は2005年6月撮影の、上画像と同じアングルからの撮影。

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 西線6条停留場と古い商店街(2005年6月撮影)。

上は今から20年前、2005年の西線6条風景。
この頃は細ごまとした店が並んでいました。
停留場を中心に、電車通り沿いに商店街を形成していたものです。

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 古い商店街を行く電車(2005年6月撮影)。

西線は昔から住宅地という沿線風景で、各停留場でも商店街らしいものがありませんでした。
市電に乗っていて西線6条が近づくと、ちょっとマチに近づいたという感じがしたものです。

電車通りに面した商店街の多くは老朽化した木造建築でした。
これは防火上の理由もあったのでしょうか、道路の拡幅事業が始まると商店街も消えてしまいました。

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 西線6条停留場南側から(2005年6月撮影)。

再び2005年に戻って、今度は西線6条南側からの風景。
『あんねん』とあるのはペットフード屋さんでした。

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 西線6条停留場南側から(2005年6月撮影)。

もう1枚おまけです。
今度は電車通り反対側から撮影したもの。

この『あんねん』が西線6条のランドマークだった気がします。
なぜなら、朝ラッシュの混んだ電車に乗っていて、アーチ状の窓とビニール庇におおきく『あんねん』と書いた建物を窓から見ると、西線6条だなあ、前の方に行かなきゃ(当時私は西15丁目で降りていた)と思っていましたから。

もう1つのランドマークは喫茶店の『市鉄沿線』でしょうか。
2005年当時は電車通りから2軒目にあって電車の窓からも見えたものですが、やはり道路拡幅の影響でしょうか、電車通りから50mほど引っ込んだところに移転してしまい、ランドマークではなくなってしまいました。

・・どうでもいいけど、2005年の私も2025年の私も、なんで『市鉄沿線』を撮っておかなかったんだバカヤロー。

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  西線6条停留場南側から(2025年8月撮影)。

昔話はこれくらいにして、再び現代の2025年に戻ります。

西線電車通りの拡幅は西線6条を過ぎたあたりで終わっています。
ここに工事用のバリケードがまとめて置いてあり、近いうちに一路南9条に向けて工事が始まるのでしょう。

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 西線6条に到着した外回り電車(2025年8月撮影)。

西線6条のもう一つの名物(?)が朝ラッシュ時の積み残し。

西線16条始発便を含め次から次へとやって来る電車ですが、ここまで来るとかなりの混雑で、乗り込めなかった乗客は次の電車を待つことになります。

これは今もあまり変わっていないようですが。

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 西線6条、冬の朝ラッシュ(2005年2月撮影)。

特に冬となると乗客が増えるのと着ぶくれラッシュで、次から次へと満員で到着する電車に何人でも乗れるだけ乗るという感じでした。
ベテランの運転手ならば、前ドアからも乗せていたり。

次の西15丁目からは大量下車となるので、前ドアから乗った人にはちょっと避けてもらえばよかったわけです。

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 西線6条外回りホームから北側を見る(2025年8月撮影)。

ごちゃごちゃした昔ながらの商店街だった界隈ですが、いまでは新しい建物に囲まれて、マンションが立ち並ぶ西線の風景に取り込まれてしまったのは残念な気がします。

ですが、道路の拡幅が完了し、停留場もバリアフリー仕様の新しいホームが完成すれば、このあたりの街並みも一新となります。
また新たな西線ブランドが生まれ、さらにマンションが増えるのでしょうか。

かつての古い商店街を思い出しながら、新しくなるこの西線6条界隈を見守ってゆくことにします。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 25/08/14 | Comment(0) | 路面電車・トラム
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