現在台東停車中。
24分間の停車時間は思いのほか長い。
車内に戻ると、台東で降りる人が多かったのか、どの車両もがら空きになっている。
これ幸いと各車両の撮影をさせてもらう。
2+1列座席の車内。クロミ車両。
私が乗っている車両の内装はピンク地で“マイメロディー”が描かれているが、5号車を覗いてみるとこちらは黒地に“クロミ”が描かれていた。
4号車は黄色地の“ポムポムプリン”、6号車は空色地の“シナモンロール”。
キティちゃんはいないようだ。
あれは別物になるのかな。
私は列車で台湾を一周したかっただけで、別にサンリオファンではないのでよくわかりません。
南廻線 台東 → 枋寮
台東の長時間停車でどこかへ行っていた人たちも次第に車内に戻って来た。
それでもガラガラ。
一番乗っているのがこの3号車で、それでも十数人。
4、5、6号車に至ってはそれぞれ2人か3人という状況だった。
デッキの荷物置き場もカラになっていて、スーツケースを持った人は見当たらない。
ということは、この時点で車内にいる人は、台北まで1周乗り通すということになる。
レトロ列車の『藍皮解憂号』が到着。
もうすぐ発車時刻というころになって、ホーム向かいに古そうな青い客車を連ねた列車が入って来た。
乗客がぞろぞろと降りてくる。
この客車は、2日目に台北市内の国家鉄道博物館準備処で見学した客車ではないか。
台湾西部ではまだこんな列車が走っているのか。
と思ったが、調べたらこれも観光列車なのだとか。
レトロ観光列車『藍皮解憂号(Breezy Blue)』として毎日運転しているようだ。
台湾の観光用鉄道はこのほかに有名どころとして阿里山森林鉄道がある。
そのほか保存鉄道として走っているサトウキビ列車というのも各地にあるようだ。
今回の旅行では日程の都合上どれもパスとなってしまったが、調べれば調べるほど台湾は鉄道好きにとっては宝庫のような所に思えてきた。
肉まんのおやつ。
台東を発車してしばらくするとまたワゴンがやって来た。
配られたのは温かい小さな紙包み。
開けてみると、包子(パオズ/肉まん)だ。
14時前の点心タイムといったところ。
海沿いの高台を行く(多良海岸)。
台東からの路線は南廻線となる。
この線は台湾を1周する鉄道としては最後に開通した路線で、全線開業は1992年と比較的新しい。
さらに全線電化が完成したのが2020年と最近のことだ。
それまではさっき台東駅で見た旧型客車が、ディーゼル機関車に牽引されて走っていたのだから驚く。
つくづくもっと早くに台湾旅行をしていれば良かったと思う。
南廻線は、新しい路線だけにトンネルが多いが景色も良くなった。
海沿いが多いのと、高台を通っているので、眺めが抜群だ。
今日は雨なので重苦しい海が広がっているが、天気の良い日にはすっきりとした青い海が広がっているんだろうなあ。
また長らく鉄道がなかったせいなのか、人家をあまり見なくなる。
雨で暗いこともあって、南国らしい最果て感がただよってくる。
自強号に抜かれる。滝渓站。
列車はしばらく高台の海沿いを走ってからまたトンネルに入る。
トンネルを抜けた谷間のような所に駅があって停車した。
14時18分。
時刻表では停車駅になっていないので、運転停車だ。
瀧溪という駅らしい。椰子やソテツの林の中にある寂しい駅。
しばらくして真っ白な車体の自強号とすれ違う。
しかしこの列車は発車せず。
ずいぶん長い停車だなと思ったころ、後ろからまた自強号が追い越して行った。
14時33分、こちらも動き出す。
またしばらく海沿いの高台を走り、長いトンネルが多くなると山岳地帯へと入る。
★ ★ ★
中国語の車内放送があって、乗客たちが一斉にバー車両へと向かう。
また何かイベントがあるのだろう。
デッキからちょっと覗いてみたら、何か作っているようで、DIY体験のようだ。
あんたは参加しないのかって?
子供連れの家族とかカップルばかりなので、一人旅のおっさんが加わったってつまらんよ。
一瞬現われる渓谷。
トンネルばっかりだけど、トンネルとトンネルの合間に一瞬見える風景もまた楽しい。
一瞬だけど、本当に一瞬だけど、はっとするような風景が広がったりする。
これが鉄道の旅の面白いところでもある。
台湾海峡が見えてくる。
長かったトンネルばかりの区間が終わるとまた海が見えてきた。
太平洋側から山越えして台湾海峡側へと来たわけだ。
ずっと雨模様だった東側だったけど、西側は青空が見えるようになってきた。
台湾最南端の駅、枋山のあたり。
枋山の町を見下ろす高台にある枋山站を通過する。
この駅は台湾最南端の駅。今まではずっと南下してきたが、ここからは台北に向けて北上となる。
しばらくは高台から台湾海峡を見下ろして走る。
台東以来、ずっと人家の少ない寂しい所ばかり走って来たが、このあたりまで来ると人家もあり畑もある、人里らしい風景となった。
マンゴー畑。
車窓から海が遠ざかると、もうこの先海沿いを走ることはない。
変わって見るようになったのが袋掛けしたマンゴー畑。
あとは椰子のような木が並んだビンロウ畑。
ところどころにエビの養殖池なども見る。
東海岸から西海岸に来ると景色が一変して、同じ台湾でもこうも違うのが面白い。
枋寮車站。
15時19分、枋寮(ファンリャオ/ほうりょう)着。
台東を出て以来の町らしい駅。
1992年に南廻線が開通するまで、ここが台湾最南端の駅だった。
2分停車で取りたてて何かあるわけではないが、台北から台湾東部を回ってきてここまでの距離は443.1km。
台北まで残りの距離は432.8km。
時間では台北からここまで7時間10分。
ここから台北まで6時間24分。
つまりここで半分まで来たことになる。
ただそれだけ言いたくて枋寮のホームに出てみました。
降りる人も乗る人もなく2分間停車ののち発車する。
台東からここまで乗客は固定のようだ。
この車両の顔ぶれは、子供連れ含む家族4組、台湾の鉄ちゃんらしいのが2名、日本人カップルそれに私といったところ。
一人客は台湾鉄ちゃんと私の3名。
他の車両は台東発車時同様に、ほぼ無人状態。
一方でクルーはというと、バー車両の3名、清掃担当の1名、それに車掌1名の計5名乗務なのだから、それだけで大した豪華列車だ。
屏東線 枋寮 → 高雄
枋寮からは路線名は屏東線へと変わる。
ここからは1941年開通の日本統治時代からの鉄道となる。
線形も良くなり、スマホで見る速度計も、ここからは100km/hを示すようになった。
相変わらず畑の中というのは変わらないが、駅が近づくと町があるという風景になる。
真新しい高架駅の屏東車站。
次の屏東(ピンドン/へいとう)も2分停車。
駅は真新しい高架駅になっていて、新型の自強号が似合いそう。
わが『環島之星』号はというと、車両の古さが隠せないという感じに見えた。
高屏渓に架かる旧下淡水渓鉄橋。
台湾で2番目に長い川、高屏渓(ガオピンシー/こうへいけい)に架かる鉄橋を渡ると、並行して古いトラス橋があるのが気になった。
これは日本統治時代に建設された屏東線の旧線で、1992年に複線化されるまで使われていたんだとか。
川面を渡る部分だけはちょん切られているが、それ以外の部分は文化遺産として保存しているのだという。
よく見るとトラス橋は遊歩道となっていて、切られた先端まで行けるようになっていた。
鉄橋を渡ると高雄市内に入る。
風景が次第に都会のものになっていった。
地下トンネル区間になって高雄(カオシュン/たかお)に到着。
昨日は台北から高鐵(新幹線)で日帰りで同じ場所まできたのだが、今日ぐる〜っと東回りでやって来た高雄駅は、昨日とは別の次元の高雄駅のようにも感じられた。
高雄市は人口272万人を擁する台湾第3の都市である。
・・と昨日同じことを言った気がするが、とにかく高雄である。
縦貫線 高雄 → 台北
その大都市・高雄に敬意を表してか、ここでは5分間停車。
ホームに出てみるも何かあるわけでもなく。
高雄の駅名標を見て、ああ高雄だな〜と思うしかない。
でもここまで来ると、安堵感のようなものが出てきた。
この列車に何かあっても、高鐵で台北に戻ることができるのだから。
高鐵乗り換えの新左営車站。
高雄から地下トンネル区間を走っていくつかの駅を通過、地上に出た駅が新左営。
ここは言わずと知れた、高鐵乗り換えとなる駅である。
左営から高鐵に乗れば台北までわずか2時間、対してこの列車だと5時間以上かかる。
だがホームにいた大きなスーツケースを持った外国人がドアが開くと乗り込んできた。
車掌が「チケット!」と言うが、全員チケットを持っていた。
高鐵じゃなくて、わざわざこの列車を選択してのことになる。
確かにこの列車のチケットは途中駅発着でも発売はしているが、値段は高鐵より高いし、台北までなら自強号もあってそちらの方が早いし値段もこちらの半額近い。
何でわざわざこの列車に?
まあとにかく新しいお客が増えて、台北へ向けて発車する。
幹線の貫禄たっぷりの縦貫線。
また最後部デッキから後面展望の客となる。
高雄からは路線は縦貫線となり、複線電化の幹線となる。
スピードも100km/hを超えるようになり、堂々とした走りっぷりになる。
高雄市の郊外駅を通過。
高雄から台北までは、途中台南、台中、新竹といった大都市が連なっており、家並みが切れることなく続く。
列車本数も多く、普通列車に当たる区間車だけでなく『自強号』『普悠瑪号』といった特急列車も多く運行されている。
日本でいえば東海道本線のような路線だろう。
ローカル線の景色の良い所を走る列車も良いけれど、こんなガッシリとした幹線を走る列車も頼もしくて良い。
通過する駅のホームには、赤い帯の制帽をかぶった駅員が必ず立っている。
こんなのも、日本ならばもう30年以上昔の光景だなあ。
そんな後面展望を眺めていたら、子供を連れた次のお客さんがやってきた。
どうやらこの場所は気づかれてしまったようだ。
次のお客に交代して、イベント車両の方に移る。
基本フリースペースのイベント車。
4人掛けボックス席と窓に向いた2人掛け席が並ぶこの車両はイベント車と名前が付いているが、実際はフリースペースのラウンジカーのような存在となっている。
交代で使うというより、こちらの方が居心地が良い人たちが自席から引っ越してきているようだ。
自席同士が離れてしまった家族やグループはこちらが良さそうだ。
17時09分、台南(タイナン/たいなん)停車。
ここは人口185万人の台南市のターミナル駅。
にもかかわらず、他の駅と違ってここはレールを組んだホームの上屋がレトロ感たっぷり。
駅舎も日本統治時代に建てられたものが使われていて、この台南駅を見るためだけにまた台湾に来たいほどだった。
だけど、鉄道地下化の波はここ台南にもやってきて、現在の台南駅は地下化工事の真っ最中。
近いうちにこのホームも消えてしまうんだなあ。
なお駅舎の方はリノベーション工事の上、再利用されるんだとか。
高鐵の高架橋と西日。
台南を過ぎたあたりから日が傾いてきて、車内にも西日が差し込むようになってきた。
だんだん近づいてくるのは高鐵の高架橋。
あちらは新幹線車両が来ないかな・・と願ってみたが来なかった。
嘉義車站。
17時53分、嘉義(ジアイー/かぎ)停車。
阿里山登山鉄道の接続駅でもある。
この駅もレールを組んだ古い上屋のホームが残っている。駅舎も日本統治時代からのもので、正面は小樽駅にそっくりなのだとか。
見てみたいが、車内からは眺められないのが残念。
だけど駅舎の反対側は工事が行われている。
こちらは高架化工事ということだった。
工事はまだ始まったばかりのようだけど、いずれはこの駅も他の都市と同じようにピカピカの高架駅になるんだろう。
何だかどこも同じような風景ばかりになってつまらなくなるねえ・・・
・・ていうか、台湾旅行初のワタクシに、そんなこと言える筋合いはありませんな。
嘉義で積み込んだ夕食弁当。
嘉義で弁当を積み込んだようで、18時を過ぎた頃にワゴンに積んで配りに現れた。
今度も環島之星柄のボール箱に入った幕の内弁当タイプ。
朝と同じねえさんは飲み物のワゴンを押してやって来る。
こちらが声を発する前に、
「ビイル!」
と言った。
この列車は18時からハッピーアワーと称してビールが飲み放題となる。
ビールは缶の台湾ビールを開けて、紙コップに注いで渡してくれた。
缶ごと渡してはくれないようだ。
夕食のメインは鶏のチャーシュー飯のような。
それに中華っぽい醤油ダレ。
赤いウインナーが相当に変わった風味だった。
あとは分かりません。
食器は相変わらずプラスチックのフォークとスプーン。
昼の焼きサバほど食べづらいことはないけど、やっぱり箸がほしいなあ。
ビールと一緒に食べ終わって、清掃のおばさんに回収してもらうとまた後面展望へ。
夕暮れの後面展望。
18時30分、もう日は暮れて次第に暗くなり始めている。
ああ長い1日がもうすぐ終わりだなあ。
しばらく眺めていると、また次のお客さんが来たので交代。
戻る途中でバー車両に寄ってビールをもらう。
さっきのねえさんがカウンターにいて、「ビール」というと冷蔵庫から缶ビールを取り出して紙コップに注ぐ。
紙コップ2つに注いで渡してくれた。
昼間は元気だった子供たちも、この時間になるとさすがにぐったりしている様子。
へへ、ここからは大人の時間だよ。
バー車両で貰ってきたビール。
やっぱり汽車の中で飲むビールは美味しいね。
列車の揺れも旅情を誘う。
14系座席車を思い出す車内。
派手派手の内装だけど、こうして眺めていると思い出すのは14系座席車だなあ。
たまに客車列車特有の、前後にガクンと衝撃がある。
結構高速で飛ばすのと座席が車端近くということもあって結構揺れる。
あの空気バネ特有の、下からドッスンドッスン突き上げるような揺れ。
単線でやたらと飛ばしていた、快速『海峡』とかの乗り心地を思い出す。
古くは急行『天北』とか。
とにかく懐かしい。
もうすっかり暗くなって、外の景色を見ることが叶わなくなり、車内を眺めながらそんなことをぼんやりと考える。
彰化車站。
退屈なので、駅に停車するたびにホームへ出て撮影していた。
帰宅時間なので、どの駅のホームも人が多い。
席に戻る途中、バー車両に寄ってカウンターでビールを貰う。
さっきのねえさんは、私がカウンターに顔を出すと
「ビイル!」
と言うようになった。
台中車站。
19時15分、台中停車。
ホームにはスーツケースを持った人が目立つ。
これはこの後に来る19時24分発の『普悠瑪号』を待つ人たちだろう。
ドアが開くとホームにいた5〜6人がこちらへ向かってきた。
誤乗を防ぐために車掌が「チケット!」と叫ぶ。
ところが全員チケットを持っていて、車掌に見せて乗車してきた。
この『環島之星』も台中〜台北間の運賃設定はあるしチケットも買えるけど、なんであえてこちらを選ぶ?
台北ならば次の『普悠瑪号』の方が30分近くも早く着くし値段も安い。
それにもう弁当も終わったしねえ。
この列車に丸1日乗り通す人たちも物好きだけど、台中から乗り込んできた人たちはもっと物好きかも。
台中からの人たちも3号車に収まった。
この車両だけは、朝に台北を出発した時と同じような乗車率に戻った。
乗車記念の品(上)と記念証書(下)。
また例によってカウンターに寄ると、名前入りの『一日環島記念證書』をくれた。
1周乗車したことを証明するカードだ。
さっき乗客リストのようなものに名前を書かされたが、こういうわけだったのか。
写真を撮ってくれるようなので、スマホを渡して記念証書を持った姿で撮ってもらった。
私は先にバー車両に顔を出したのでそこで受け取ったが、その後に各席にクルーが記念証書と乗車記念品を配って回る。
車内はあちこちで記念撮影となった。
家族連れは楽しそうだねえ。
21時でハッピーアワーは終わりとなる。
21時09分の桃園発車後に3号車と2号車の間の連結路に横棒をかまして締め切りとなった。
各種サービスはここで仕舞いということだ。
終点台北に到着。
21時44分、終点台北到着。
1分の遅れもなく定時の到着だった。
13時間半にも及ぶ乗車時間は大変だけど、台湾の様々な地方の風景に接することができた。
台湾とひと口に語ってしまいがちだけど、地方地方で随分と違いがあるものだなあと、発見があったのは大きな収穫だ。
また乗りたいとは思わないけど、←オイオイ (-_-;)
今度は一般の列車に乗って台湾を1周したいなあという気持ちが強くなった。
環島之星よさようなら。
もうちょっと列車の撮影をして、回送列車として発車するまで見届けたいけど、もう遅いので早くホテルに戻りたいという気持ちもある。
撮影もそこそこに切り上げることにした。
おっと、その前に駅のWi-Fiに接続しなくちゃ。
電子乗車券はオンラインでないと表示できないのでね。
改札口で駅員にスマホの画面を見せて出場。今度はすんなり通してくれた。
ライトアップの台北車站。
夜10時前の台北車站。
駅を取り囲むようにホームレスがいるけど、まだ歩いている人も多い。
怖い感じは無いけど、夜遅くに1人で歩くのはあまりいい気持ちではないな。
やはり駅に近いホテルにして良かった。
このホテルも今夜が宿泊の最後。
明日は桃園空港内のホテルに宿替えとなる。
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