◆ 2005年5月訪問
かつては胆振線があって機関区もあり、鉄道の要衝だった倶知安駅。
町の割に堂々とした駅舎はその名残です。
今は優等列車もなくなり、列車本数は少なくのんびりとしたムードが漂う駅です。
しかし、倶知安はこの地方の中心であって、列車は周辺の人たちの貴重な足となっています。
そんな倶知安駅の待合室には立ち食いそばが営業しており、年季の入った清水立売商会の暖簾とソバつゆの香りが食欲を誘います。
そばつゆは、鍋ではなく薬缶に入れてガスにかけられていて、丼にやかんで直接つゆを注ぐスタイル。
こうしたスタイルは北海道独特なのでしょうか。
天ぷらそばは『天ぷら』と『かきあげ』があって、天ぷらは野菜のかき揚、かきあげは小エビの載った普通のかき揚。天ぷらの方が10円高くなっています。
注文したのは、天ぷらそば(380円)。
小海老と野菜のかき揚げは手作りなのでしょうか、ちょっと焦がした感じも・・・
だけど、それが香ばしい感じもします。
こちらはホームにあるそばのスタンド。
『倶知安そば』の看板を掲げ、待合室の店舗と比べ木造のしっかりとした建物。
今は営業しておらず、中はもぬけの殻となっていました。
こちらの店で列車の停車中にそばを食べたことがあって、その時もツユを薬缶から注いでいたなあ。
90年代の話。
『倶知安そば』の看板が堂々と。
かつては名物そばだったんでしょうかね。
この清水立売商会ですが元々は駅弁屋で、1982(昭和57)年の道内時刻表を見ると、
すし・・・・・300円
お弁当・・・・400円
折詰もりそば・300円
の記載が見られます。
もちろん今は駅弁はやっていません。
札幌〜函館間の山線ルートは、鉄道は千歳線室蘭本線回り、道路は230号線中山峠回りがメインルート、また道央自動車道も開通して、すっかり裏街道のイメージになってしまいました。
それでも、有珠山噴火災害時は特急も倶知安経由で迂回していたこともある、函館本線ルートでもあります。
着工が決定した北海道新幹線のルートは倶知安回りになります。
倶知安にも新幹線の駅ができるが、在来線は廃止になると言われています。
新幹線ができてこの駅もどう変わるのでしょうか。
それまでこの駅そば屋にもがんばってもらいたいものですが・・・。
・清水立売商会
・北海道虻田郡倶知安町 函館本線 倶知安駅(待合室)
・立ち食い制(テーブルと椅子もあり)
※ この記事は2005年公開記事のリメイク版です。
※ 現在は閉店しています。