13時20分に松江に着いて、歩いて松江城まで行き再び松江駅に戻って来たのは15時10分過ぎでした。
観光に要した時間は2時間といったところ。
出雲市方面の列車は15時29分発がありますが、これには乗らず駅や駅前をしばらく見物することにします。
それに早く出雲市に着いても、東京行き『サンライズ出雲』までの時間を持て余してしまうわけで。
高架駅の松江駅。
松江駅前といっても、駅前はビジネスホテルと居酒屋チェーン店が目立ちますがそれくらい。
駅の横に一畑百貨店がありましたが、こちらはシャッターが閉じられて空きビルとなっています。
人口20万人の県庁所在地としては、ちょっと寂しい印象を持ちました。
空はますます暗くなり、いつでも雨が降り出しそう。
駅の高架下はここもシャミネ松江という商店街になっていて、ここで土産物でも見ながら過ごすほかなさそうです。
松江駅高架下のシャミネ松江。
シャミネの中に駅弁の一文字屋がありました。
出雲市駅にもかつては駅弁屋がありましたが今はありません。
駅弁は松江駅で仕入れておくことにします。
今夜の『サンライズ出雲』車内での晩酌用です。
土産物屋をあちこち見て回りますが、このあと出雲市駅でも1時間以上ぶらぶらしていなければなりません。
同じ島根県だし、売っている物もそう変わらんよなあ・・
ここで買ってもなあ・・・
と思いつつ、今夜のおつまみと宍道湖名物のしじみの乾物を買いました。
松江 16:11 → 17:02 出雲市(山陰本線・普通)
山陰での普通列車乗り継ぎ最後となる出雲市行は、またもキハ126形2両ワンマン。
夕方なので乗客はそこそこあります。
といっても、ボックス席で相席させてもらう程度の乗車率でした。
出雲市行普通列車はまたキハ126形2両編成。
このまま出雲市までこんな状態かと思っていましたが、2つ目の玉造温泉で車内の1/3ほどの人が降りました。
進行右側のボックス席が空いたのでそこに移ります。
暗い宍道湖畔を行く。
列車はやがて宍道湖沿いを走ります。
分厚い雲が覆って、夕暮れのような暗さです。
今日は、出雲大社では稲佐の浜で神迎神事が行われる日です。
旧暦の10月になると全国の神々がここ出雲に集まります。
今夜はその神様を迎えるための儀式が行われる日。
全国の神々の出迎えは水の神様である龍蛇神が行うので、この日は雨となることが多いのだとか。
でも雨は降りそうでなかなか降り出しません。
17時を過ぎ、すっかり暗くなった出雲市駅に着きます。
夕暮れの出雲市駅。
さて、出雲市駅に着きましたが、すっかり暗くなり、ほとんど夜です。
駅を出て5分ほど歩けばスーパーがあって買い物はできますが、松江駅で駅弁を買っているのであと買うものと言えばお酒くらい。
寒いし、雨が降ってきたら嫌なので、駅にいることにします。
出雲の神話が描かれた三角屋根内側。
駅の高架下はアトネス出雲という商店街。
ここをぶらぶら見て回るしか過ごしようがありません。
土産物屋を見て回っていると、松江駅とこっち出雲市駅で売っている物が結構違うことに気づきました。
有名土産や定番物はどちらにもありますが、さっき松江駅で買った物は出雲市駅では売っていないようでした。
あれこれ物色した後、またお土産を2品買いました。
そのあとは待合室に空いている椅子があったので、そこで過ごします。
出雲市 18:57 → 翌7:08 東京【サンライズ出雲】
『サンライズ出雲』の入線時刻は発車10分前ということは調べていました。
あまり早くホームへ行っても、売店があるわけでなく、寒いだけで得することはないようです。
18時30分を過ぎたころ、セブンイレブンでお酒と水を買えば準備万端です。
『サンライズ出雲 東京』の表示に心が躍る。
18時40分に改札口を通ってホームへ向かいます。
ホームの人は全員『サンライズ出雲』の乗客でしょう。
東京発のときと違って年寄りは見当たらず、年齢層は若いようです。
中には学生らしい一行もあったり。
今日のサンライズの込み具合をおでかけネットで調べると、ノビノビは満席、シングルに若干空席がありました。
東京発下り列車は発売即完売でキャンセルすらなかなか出ない状況でしたが、出雲市発上り列車の場合は比較的余裕があるようです。
18:47、『サンライズ出雲』入線。
発車10分前が近くなったころ、西出雲駅の方からヘッドライトが近づいてきました。
サンライズ入線です。
スマホやカメラを構える人が多いですが、東京駅ほどではありませんね。
そして、4号車の乗車口には行列が出来ます。
これはシャワーカード狙いの人たち。
シャワーカードの発売枚数は20枚。
入線前から並んでいれば手に入ったのではないでしょうか。
東京発と違って、こちら出雲市発はのんびりしたムードです。
発車前のホーム風景。
私もそろそろ車内に入ります。
今度の寝台はB個室のシングルを取ってあります。
シングルの車内は2階建て構造になっていて、デッキから客室への通路は下る1階と上る2階の通路に分かれます。
ソロとの違いは、ソロは平屋に上下2段の個室を設けた格好なのに対し、シングルは完全に2階建て構造となっていることです。
デッキから上下への階段が分かれるシングル車両。
私の指定された個室は2階になっています。
これは1か月前にみどりの窓口で指定してもらったもの。
2階部屋ですが、通路も2階なので室内に段差はありません。
部屋に入ると狭さは感じません。
いやむしろ広い。
シングル2階個室。奥側から見る。
ソロは横になるためだけの空間という感じでしたが、シングルは居住空間と言えるほどの広さがあります。
ベッド横はさらに20cmほど空間があり、スーツケースもここに置けそう。
壁側と窓は天井の形状に合わせて湾曲していますが、入口の土間ならば頭がつかえることなく立つことができます。
シングル2階個室。入口側から見る。
シングルが広く感じるのは、行きにソロに乗ったせいかも知れませんが。
初めて乗ったのがシングルだったなら、また違った印象だったのでしょうか。
鏡、コンセント、小テーブル。
ソロの時は窓枠に物を置くしかありませんでしたが、シングルは小さいテーブルもあり、もちろん窓枠にも物が置けます。
シングルとソロの料金差は1,100円ですが、料金以上の差があると思いました。
発車して10分ほどで車掌が車内改札に来ました。
これでこの部屋を訪れる人はもうありません。
一杯やる前に、車内探検してきます。
向い合せで2台あるデッキの洗面台。
乗車中に2〜3回は世話になるトイレ。
トイレと洗面所は行きの乗車で体験済みですが、一応画像をあげておきます。
洗面所はハンドソープが備え付け、横にはコンセントがあって『カミソリ・ドライヤー専用』と書いたシールが貼ってありました。
シングル1階個室。
私はシングル2階部屋なので、気になるのは同じシングルの1階部屋はどうなっているのか。
空き部屋の1階シングル部屋を見ると、2階部屋とは逆で、下に向かって湾曲した壁と窓が特徴です。
これは車体の裾絞り形状に合わせたためで、天井は広いが床の幅は2階より10cm狭いそうです。
何となく船底部屋のような印象。
これはこれで、秘密基地のような楽しさもありそうです。
車端部にあるシングルの平屋個室。
シングルにはもう1つ平屋の個室があって、こちらは車端部の2階建てになっていない部分に存在します。
天井が高く、専有面積が広いにもかかわらずシングルの料金で利用できるので、かなりお得な個室と言えます。
ここを指名して、みどりの窓口で10時打ちを頼む人もいるんだとか。
でも車端部なので、揺れや騒音はどんなものなのでしょうか。
2段ベッドのシングルツイン。
こちらも同じように車端部の平屋部分にあるシングルツイン。
その名の通り基本1人用ですが、2段ベッドがあって2人使用ができるというもの。
でも2人部屋ならばサンライズツインがあるし、2名使用ならば寝台料金もほとんど同じです。
こちらは補助的な存在といったところでしょうか。
ノビノビ座席の通路。
1編成に1両あるのはノビノビ座席。
寝台ではないので、指定席特急料金で乗車できます。
リーズナブルに、かつ横になって移動したい人用です。
通路だけ見ると昔のB寝台のような印象ですが、カーテンで仕切られるのは座席と通路だけ。
隣同士は仕切りがなく開放的になっています。
簡易に仕切られたノビノビ座席。
この日は途中から乗るグループ客でもあるのか、まとまって空いているマスがありました。
混んでいたら落ち着いて過ごせるかどうか。
横になって移動できると割り切るしかないのでしょうか。
壁側のマスならば悪くはないかな・・・
窓に映るラウンジの夜景。
東京発のラウンジは発車時から賑やかでしたが、出雲市発のこちらは静かなもの。
1人カウンターでお酒を飲んだり読書をしたり。
何となく大人の雰囲気です。
ラウンジでの一休みもそこそこに、個室に戻って来ました。
そろそろ夜汽車の1人宴会を始めることにしましょうか。
駅弁とお酒で宴会開始。
お酒は出雲市駅のセブンイレブンで買った、松江の李白酒造『やまたのおろち辛口特別純米酒』。
肴は松江駅一文字屋の『邪気退散招福ちらし』です。
ちらし寿司の具は炙りのどぐろ、穴子の蒲焼き、大山どり旨煮、赤天、酢漬けズワイガニ、しじみのしぐれ煮と、島根県の海の幸山の幸がぎっしりと。
1,560円と高めの駅弁ですが、奮発した甲斐があったというもの。
これにを辛口のヤマタノオロチとくれば、邪気も悪霊もコロナウイルスも退散ですよ。
具材を肴に酒を飲み、最後は岩海苔と漬物をアテに酢飯で仕上げとする。
『サンライズ出雲』での日本酒のお供にピッタリの駅弁でした。
空いた弁当箱を片付けて、ベッドに布団を敷いて備え付けの浴衣に着替えます。
ちょっと早いけど寝支度をしておきます。
★ ★ ★
今度は窓枠にお酒とコップを置いて二次会。
お酒は4合瓶なので、まだまだあります。
部屋の明かりを消して、夜景を見ながらお酒をチビチビ。
夜汽車の雰囲気を飽くことなく楽しみます。
今年はニュージーランドに行くはずだったのが、どうした心変わりなのか取りやめにしてしまい、今回の出雲・鳥取旅行になりました。
でも、天気に恵まれたし、今まで行ったことがない場所にも行けたし、ハワイ(?)にも行ってきたし、いい旅行でした。
もしかしたら、今回の旅は出雲の神様に呼ばれたのかも知れませんね。
そんな思いが湧いてきました。
★ ★ ★
楽しかった旅も、明日朝に東京に着いたら終わり。
そう思うと、少々センチメンタルな気分にもなってきました・・。
・・いやいや、東京に着いたら今度は札幌まで戻らなくてはなりません。
それはそれでまた大移動になるわけですが。
天井に湾曲した窓から星空を期待していましたが、ずっと曇り空なのは残念。
そのうち雨粒が窓を伝うようになり、新見に着くころには本降りになりました。
すっかり雨になった。新見駅停車中。
21時13分、新見着。
ここで特急『やくも27号』との交換待ちで6分停車です。
無人のホーム、特急が到着しても降りる人は僅かで、まるで夜中のようです。
一方で東京駅はというと、サンライズは発車前どころかまだ入線前の時刻。
東京駅の方じゃサンライズ入線を撮影しようという人や、シャワーカード購入の行列、ホームの向かい側は帰宅客を大勢乗せた通勤電車と賑やかなことでしょう。
こちらはホームも車内も寝静まったかのように静かな世界。
同じサンライズなのに、上りと下りでこうも対照的に違うのも面白いですね。
喧噪の東京発と、静寂の出雲市発。
どちらに旅情を感じるかは人それぞれ。
私はどっちかというと、静かな出雲市発に旅情を感じました。
岡山駅停車中。
22時32分、岡山着。
ここで『サンライズ瀬戸』と併結するのですが、出雲編成の停車時間は2分しかないので、残念ながら連結作業を見ることはできません。
岡山を発車すると、ちょっと早いようですが、おやすみ放送がありました。
この先、明日朝の横浜到着前までは車内放送は中断となります。
歯磨きのために部屋を出ると、シングルの個室はまだ空き部屋がいくつか。
車端のシングルツインもまだ空室です。
今晩のうちは、まだ姫路、三ノ宮、大阪と停車するので、そこから乗ってくるのでしょう。
しかし、この先の深夜帯からの乗車では、ただ横になるだけの個室寝台利用となってしまいます。
下り列車のときもそうでしたが、もったいない乗り方をする人がいるものだなあと思います。
超忙しいビジネスマンが、とにかく個室で横になって移動できるだけでありがたいという人たちが、そうした利用をするのでしょうか。
しかし、夜行のサンライズはいろんなニーズがあるんだろうし、あれこれ詮索しても下世話なだけです。
私はちょっと早いですが、もう横にならせてもらいます。
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