鳥取 13:35 → 14:33 松崎(山陰本線・普通)
列車待ち時間のおかげで、駅前だけですが鳥取の見物もできました。
鳥取はこの次は・・・また来ることあるかな。
出雲の方は特急『サンライズ出雲』がある限りまた来ることはあるのでしょうが、鳥取の方は微妙ですね。
鳥取駅は今でも有人の改札口。
今では絶滅危惧種ともいえる鳥取駅の改札口で、スマホに表示させたパスを見せて通ります。
現在県庁所在地駅で自動改札になっていない駅はここ鳥取駅と四国の徳島駅だけなのだそうだ。
いや本当に貴重ですね。
(誉め言葉です)
鳥取からはまたキハ126形。
鳥取からは2日かけて出雲市まで戻ることになります。
今度の列車は倉吉行き普通。
またお馴染みのキハ126形2両ワンマン編成。
空いていると思いきや、これも下校の高校生が目立ちます。
といっても、相席になるほどではありませんでした。
鳥取から倉吉までの所要時間は、特急ならば30分前後ですが、こちらはのんびりと1時間03分。
どれくらいのんびりしているかと言うと、途中の宝木で13分、青谷で5分停車時間が取られています。
2駅とも上下列車の交換、さらに宝木では特急の通過待ちもあります。
単線なので、上下列車の交換も特急の追い抜きも同じ駅で行わなければならないわけで、普通列車の乗客からすればのんびりしていますが、ダイヤ上は大忙しです。
宝木で上り列車と交換停車中に『スーパーおき』が通過。
宝木(ほうぎ)では上り特急『スーパーはくと10号』と交換、向こうもしばし運転停車。
しばらくして、下りの特急『スーパーおき5号』が猛スピードで通過。
青谷ではこちらが先に停車してしばらくしたら上り普通鳥取行が到着。
そのあとにまた特急が猛スピードで通過します。
この特急は時刻表には該当する列車がなく『スーパーはくと5号』が遅れていたのでしょう。
遅れ特急の通過待ちのあおりで青谷発車は4分遅れとなりました。
文章だけでは状況はわかりにくいでしょうが、とにかく単線ながら過密ダイヤだってことで。
ワンマン気動車の運転席。
予定では倉吉で降りて、そこからバスに乗ることにしていましたが、天気が良いので1つ手前の松崎で降りることにしました。
松崎駅から今日のホテルまでは歩いて1時間程度。
倉吉まで行ってもバスの待ち時間が1時間以上あり、無為に過ごすのも勿体ないので。
松崎駅は無人駅なので、一番前のドアから降りることになります。
後ろのドアは乗車専用、2両目のドアは開きません。
車内放送で「後ろのドアからは降りないで下さい」と停車駅ごとに流れるが、あまり守られていない様子。
松崎駅に到着。
松崎駅に着き、スマホのパス画面を運転士に見せて下車します。
乗っていた下校の高校生も何人かここで下車。
きっと彼らは、前の人はスマホの画面見せて降りてったけど、あれは何だろうなんて思ってたりして・・・
東郷温泉のアーチと松崎駅。
松崎駅は木造駅舎が立派ですが無人駅。
倉吉行の列車が発車し、下校の高校生が去ると静かな駅となりました。
鳥取県のハワイへ
駅前は東郷温泉。
駅からの通りの突き当りは東郷池が広がっています。
ここから今日宿泊するホテルのある温泉街までは、湖畔を半周して約4km半。
東郷池の周回散策コースにもなっています。
東郷池とモニュメント。
だいぶ日が傾いてきましたが、湖畔の風が心地よい。
倉吉まで行かず、松崎で降りて正解でした。
♪「晴れた空 そよぐ風
港出船のぉ ドラの音たのしぃ〜」
岡晴夫、憧れのハワイ航路より
東郷池の湖畔に沿って歩いて行くので道はわかりやすい。
時折り現れるきれいな風景を撮影しながら歩きます。
池の対岸に見える温泉街。
途中にファミリーマートがあったので、ちょっと寄って明日の朝食などを買います。
今度の宿は素泊まりなので。
さて、いよいよ ハワイです。
こちとら、ニュージーランド行きをフイにして、代わりにハワイへやって来たわけです。
せいぜいハワイ観光を楽しむことにしましょう。
ハワイはハワイでも、こちらは はわい温泉。
漢字で書くと羽合温泉で、鳥取県の羽合町がハワイと読むのでこうなるわけです。
その羽合町は平成の大合併で湯梨浜町と名が変わるのですが、羽合温泉は、はわい温泉と変えて残りました。
はわい温泉の看板。
『はわい温泉』の看板の方へ行けば温泉街なのですが、せっかくなのでハワイ観光をしてからホテルへ行くことにしましょう。
どうせならカタカナのハワイ温泉とすれば良かったのに。
本物のハワイと同じでは恐れ多いという奥ゆかしさなのでしょうか。
この羽合(はわい)の地名ですが、由来は鎌倉時代にまで遡るという説もあり、1580年頃には羽合の地名が成立していたとあります(wikiより)。
カメハメハ大王がハワイ王国を建国したのが1810年。
だとすると、アメリカのハワイよりも、こちら鳥取県のハワイの方が先にあったということになりますね。
どっちが先かはともかく、どちらもハワイ同士と言うことで、ハワイのある湯梨浜町とアメリカのハワイ州ハワイ郡とは姉妹都市交流の関係なっています。
ヤシの木の並木。
進んでゆくとヤシの木の並木道があったりして、気分はアロハオエ〜 ♪
ほうら、だんだんと常夏の島、ハワイの気分になって来ましたよ。
どこからか岡晴夫の歌が聞こえてきたりして。
♪「夢も通うよ あのホノルルのぉ
ヤシの並木路 ホワイトホテル
あ〜ああ あこがれのぉ ハワイ航路ぉ〜」
岡晴夫、憧れのハワイ航路より

憧れのハワイ航路を歌う往年の岡晴夫先生。
昔は対岸の松崎からはわい温泉までフェリーで結んでいました。
例えば1991年発行の時刻表を見ますと、東郷湖汽船による7往復のフェリーが掲載されています。
今はその航路はありませんが、まさにハワイ航路だったでしょうね。
スーパー銭湯のハワイゆ〜たうん。
ALOHA(アロハ)の文字がある『ハワイ湯梨浜町友好の碑』。
はわい温泉各所にある足湯。
ハワイらしいところをいくつか見て回って、ホテルに着きました。
ホテルと言っても、お土産屋の2階を客室としただけの宿。
観光の続きは部屋に荷物を置いてからということで、チェックインします。
1階がお土産屋になっている本日の宿。
表側はお土産屋の入口になっていて、ホテルの入口は裏手の方にあります。
ホテル入口のドアを開けると登る階段があって、すぐ横のドアに『フロント入口はこちらです』と張り紙してあります。
開けて中に入ると、1階のお土産屋の店内でした。
すぐにおかみさんらしき女性が出てきてチェックインの対応をしてくれます。
宿代を払い、部屋の説明を聞いてカギをもらえばチェックイン。
チェックアウトは、部屋にカギを置いたまま出ていけばいいとのこと。
気さくそうな良い人でした。
はわい温泉についての話を2・3して部屋に向かう。
宿はボロそうだけど、気さくなおかみさんに心が温かくなります。
もしこれが、因業そうな親父が出てきていたら、全然違った印象だったのでしょうか。
ホテルの部屋。
とにかく、ハワイのホテルにチェックイン。
また外に出てハワイ見物をして来ます。
はわい温泉街。
温泉街を歩くと、1泊1万円は下らないでしょう、立派なホテルが並んでいます。
外から眺めるだけですが、何となくハワイリゾートの気分が盛り上がってきました。
しかし、ここまでハワイまでの道中、ある意味本物のハワイよりも遠かった気がします。
はわい温泉の行灯。
東郷池のほとりにある広場と言うか駐車場と言うか、そこには『はわい温泉』と記した行灯(あんどん)がいくつも立っていて、温泉街の風情を醸し出しています。
♪「赤いランタンほのかに揺れる」
岡晴夫、上海の花売り娘より
この行灯、宵になっても暗いままだったのは残念。
部屋に戻る前に、1階のお土産屋に立ち寄ります。
またさっきのおかみさんが出てきました。
ハワイらしいものをと店内を探したら、『はわい温泉』の手ぬぐいと『はわいの湯』の入浴剤のセットを見つけました。
はわい温泉に行った証拠にはなります。
レジへ持っていくと、『はわい温泉』のシールを貼ってくれました。
ここで買った品にはシールを貼ってくれるとのこと。
シールを見たらもっと買いたくなりました。
また店内を1回りして、『鳥取砂丘らっきょう』とおかみさんお勧めの『とうごう梨シロップ』を買いました。
シールを貼っただけですが、はわい温泉土産らしくなりました。
東郷池の夕暮れ。
今夜の夕食は、3軒ほど隣に居酒屋があるのでそこにしようと決めていました。
18時の開店時間になり店に入ると、
「申し訳ありません、今日は予約のお客さんで一杯で・・・」
完璧に当てが外れてしまいました。
仕方がない。
来るときに寄ったファミマまで歩いて買い物に行くか。
はわい温泉からファミマまでの道。
真っすぐだけど真っ暗な道を歩きます。足元もおぼつかないほど暗い。
その道を、通る車、通る車、みんなハイビームの殺人光線を照らしてくるものだから堪まりません。
夜道の運転は、警察庁によるとハイビーム推奨となっているので仕方がないのですが。
ビールとつまみをいくつか買って、またハイビーム殺人光線を浴びながら、歩いて宿に戻ります。
ユニットバスのお湯は天然温泉。
そういえばユニットバスのお湯は、源泉かけ流しのお湯だって聞いていました。
そのお湯に浸かってみようと浴槽にお湯を貯めます。
温泉の蛇口が別にあるのかと思っていましたが、お湯の方の蛇口が温泉のようです。
便器の横で、狭い浴槽で浸かるお湯が源泉かけ流しというのも信じがたいことですが、身体の温まり方はやはり温泉でした。
さっき買ってきたビールは冷蔵庫の製氷棚で急速冷蔵してあります。
本日のディナー。
ひと汗かいて、冷やしたビールをグラスに注いで飲み干します。
うまい。
温泉上がりの一杯には違いありませんでした。
はわい温泉土産。
あとは窓際のリラックスチェアに座って、夜景を見ながら焼酎のお湯割りをチビチビと。
ハワイの夜は更けてゆきます。
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