2024年、今年の海外旅行はどこに行くか検討した話から始めさせていただきます。
各航空会社のフライト検索をするが、海外行きの便はやはりどこも高いですね。
コロナ以降、ウクライナ戦争や燃油代高騰、それに円安などが重なってヨーロッパ方面はコロナ前の倍以上の値段が続いています。
去年フィンランドに行った飛行機代は20万円以上。
あの時はコロナ明けのご祝儀という感覚でしたが、そう毎年毎年捻出できる金額ではありません。
いろいろ調べたところ、戦争の影響がないためか、オセアニア方面へは比較的安く行けるようです。
そんなわけで、今年はニュージーランドに行くことに決定しました。
メールで送られてきたニュージーランド航空のチケット。
ニュージーランド航空利用で、行きも帰りもは成田〜ニュージーランド間の直行便です。
札幌〜成田間はANAの乗り継ぎ。
お値段は、往復手数料諸税込みで15万7,620円。
高いのか安いのかわかりませんが、ヨーロッパ方面への往復ならば軒並み20万円以上ということを考えれば安いのではないでしょうか。
それにニュージーランドは一度行ってみたい国のひとつでしたので良い機会です。
会社の休暇も確保して、勢いで往復チケットを買ったわけです。
6月のことでした。
ここまで長々とニュージーランド行の話となりましたが、このチケットは諸事情からキャンセルする破目になりました。
いや、キャンセルしたと言うべきかな。
割引キャンペーンで買っていたのでキャンセル料は7万円。
自分で決めたことなので後悔はしていませんが、結果としてお金をドブに捨てたにも等しいわけで・・・
キャンセルしたのは9月の話。
◆ ニュージーランド行きキャンセルの顛末についてはこちらをご覧ください。
とはいえ、これから7万円払うのではなく、すでに払い込んだ金額から7万円を引いた額が返金となるわけですから、少しは気が楽です。
気を取り直して、返金となるお金で日本国内旅行をすることにしました。
サンライズ出雲への道
コロナの3年間に様々な旅行支援割引がありましたね。
日本国内もあちこち行ってみたいところは山ほどあるんですけど、そういった経験がどうしても足かせとなってしまいます。
あと急増しているインバウンド。
有名観光地などオーバーツーリズムなんてのが問題となっていますが、私だってわざわざ外国人で混んでいる観光地に行きたいとは思いません。
行先が決まらないまま、春のダイヤ改正で買った時刻表をパラパラめくっていると、そうだ夜行列車に乗ろうと思いつきました。
サンライズ出雲、東京駅ホームで撮影。
日本で唯一の定期列車の夜行列車は『サンライズ出雲』と『サンライズ瀬戸』です。
この列車、東京〜岡山間は併結運転なので、日本に残る1往復の夜行列車となります。
行先を山陰にするか四国にするかは悩みどころですが、山陰に決定しました。
理由は、出雲大社に再度お参りしたかったのと、鳥取砂丘に一度いってみたかったから。
東京〜出雲市間は往復『サンライズ出雲』利用、山陰で2泊して出雲大社と鳥取砂丘に行くという旅行の大まかなスケジュールを立てました。
ところで私は札幌の人なので、『サンライズ出雲』に乗るためには、東京まで行かなければなりません。
札幌〜東京間を特急と新幹線を乗り継いで行くのも面白そうですが、さすがにそこまでの予算も時間もありません。
ここはLCCの利用としました。

ジェットスターの予約画面。
さっそく札幌〜成田間のチケットを確保。
往復ジェットスター利用で14,710円。
荷物預けや座席指定の追加料金一切ナシのお値段。
成田空港発着となるので、別途成田空港〜東京間の交通費が発生することになりますが、それについては後述します。
★ ★ ★
飛行機の予約・購入は半年以上も前から可能ですが、JRのは乗車日の1か月前(前月の同じ日)からとなります。
出発日は11月7日としていましたので、『サンライズ出雲』の発売日は10月7日。
通常はみどりの窓口に出向いてとなりますが、今はJR西日本のJRおでかけネットの『サンライズ瀬戸・出雲 予約』というサイトから予約・購入ができます。
週末などは発売と同時に売り切れることも多いと聞いていたので、発売日の10月7日にネットから予約することにしました。
出発日が平日なので楽勝だと思っていました。
サンライズ瀬戸・出雲 予約の画面(PCの場合)。
さて、JRおでかけネットにログインして日時、列車名、乗車区間と利用設備はシングルをセットしてスタンバイ。
いわゆる10時打ちってやつですね。
さて10時になったのを見計らって『ログインして予約』ボタンを押す。
狙いのシングルは禁煙・喫煙どちらも青い〇印。
禁煙シングルを選択して『選択する』ボタンを押します。
するといきなり『この経路は選択できません』との表示が・・・
この先、予約確定まではいくつも選択して『次へ』ボタンを押さねばならず、その間に満席になると、この表示となるようです。
仕方なく今度はソロに変えてみますが×満席。
ノビノビ座席も×満席。
どうやら11月7日分は、10時の発売開始と同時に完売となったようです
みどりの窓口10時打ちには勝てないようでした。
ノビノビ座席ですら満席。
それでも午前中くらいは検索すると空席がぼちぼち出てくる(誤購入や保険で複数購入のキャンセルによる)ことが多いのですが、今日は何度検索しても満席。
ノビノビ座席すら空席は出ませんでした。
11月7日の『サンライズ出雲』が取れないとなると、今回の旅行計画は根底から崩れることになります。
ワンチャン、翌日の11月8日発を狙う手もありますが、仮に取れても飛行機の日程が動かせないので、東京近辺で1泊する必要が出てきます。
なんだかやる気がなくなってしまいました。
今年は何だかこんなことばかりの年回り。
ジェットスターのチケットもキャンセルしちゃおうかという気持ちにもなってきました。
運よく数少ないキャンセル席にありつけることも。
翌朝(10月8日)、ダメモトで『サンライズ瀬戸』のノビノビ座席で検索してみると、なんと空席の△印が。
このまま予約・購入してしまいました。
購入区間は東京〜岡山間。
早朝の乗り換えが発生しますが、岡山で降りて特急『やくも』に乗り継げば、出雲市の到着時刻はほとんど変わりません。
ノビノビ座席でも横になって行けるし、考えようによっては寝台料金もかからないのでその分節約ともいえます。
ただ、『やくも』岡山〜出雲市間の特急券2,750円を別途購入しなければなりません。
とにかく、これで成田空港に夕方に着いてから出雲市までは列車で行けることになりました。
なんとか首はつながったような恰好です。
今度は11月10日発の上り『サンライズ出雲』の寝台券を取らなければなりません。
下り東京発は発売即完売ということが多いようですが、上りの出雲市発の場合は比較的余裕があるようで、おでかけネットで見ていると空席のある日が多くなっています。
それでも念には念を入れ、今度はみどりの窓口に足を運んで10時打ちしてもらうことにしました。
10月10日は仕事の出先に近い暇そうな駅に立ち寄って、みどりの窓口でシングル禁煙の10時打ちをお願いしました。

道内某駅のみどりの窓口事前受付券。
受付券を渡されて、10時になるまで待合室で過ごします。
大丈夫とは思いますがちょっとドキドキしますね。
さて10時を回ったので再びみどりの窓口へ。
「お取りできました」と窓口氏。
まだ余裕があるので希望の席を選べるとのこと。
とりあえず仮押さえして、あとから席番を選べるなんてさすがはみどりの窓口。
シングルには平屋で天井の高い部屋があると知っていましたが、さすがに席番まではわかりません。
とりあえず2階をリクエストします。
マルスの画面じゃ1階席と2階席の区別はつかないのか、窓口氏は奥のロッカーから、ジェー・アール・アール編の『列車編成席番表2024春』を取り出してきました。
こんなものまで置いてあるんですね。
「シングルの2階席がお取りできました」
ついでに乗車券も買ってしまいます。
成田空港発、千葉・東京・岡山・伯備線経由の往復乗車券。
片道601km以上となる乗車券は、行き帰りの経路が同じならば往復割引が適用となり、それぞれの運賃から1割引きとなります。
成田空港〜出雲市間の往復割引乗車券。
サンライズ利用のトクトクきっぷが存在しないため、割引で乗るには学割か往復割引を使うしかありません。
それでも乗車券だけの往復割引で23,160円は結構な値段ですね。
考えようによっては、14日間有効なので1日当りの値段は約1,654円。
経路上で順方向ならば途中下車し放題なので、青春18きっぷと比較するとかなりお得ともいえます。
しかし今回は14日間フルで使うわけではないので意味のない比較でした。
ちなみに成田空港発着としたのは、前述のジェットスターが成田空港発着のため。
これを東京〜出雲市間の往復乗車券だと21,960円となり、差額の1,200円が東京から成田空港までのアクセス交通費ということになります。
片道600円はどんな格安空港連絡バスでもちょっと無理でしょう。
ここまで、札幌から成田空港経由で出雲市までの往復チケットはすべてそろったことになります。
★ ★ ★
次は出雲市に着いてから鳥取までの移動をどうするか。
この区間は特急『スーパーまつかぜ』や『スーパーおき』が頻繁に走っているので、不便なローカル線というわけではありません。
ただ、トクトクきっぷのようなものは存在しないようなので、まともに特急料金を払って乗ったら結構な金額となりそうです。
出雲市駅からレンタカーということも考えましたが、3日間借りるとそれはそれで結構な金額となります。
車は便利と言えば便利ですが、観光スポットをつまみ食いするように見て回るだけというのは、サンライズ出雲の旅にそぐわない。
旅の真髄は道中にあるというのが、私の一人旅のポリシーであります。
そんな話は置いといて、ネットで何かお得なきっぷはないものか探したら、『山陰のんびりパス』というのを見つけました。

山陰のんびりパス、JR西日本HPより引用。
山陰地方のJR線普通列車が3日間乗り放題となり、今回旅行の移動区間はすべてカバーできます。
1日当り1,500円で、しかも別に特急券を買えば特急も利用できるのだからかなりお得。
このきっぷはモバイル乗車券で、JR西日本の『tabiwaトラベル』のサイトから購入し、スマホにインストールしたtabiwaアプリで表示したものを改札で見せるというもの。
最近は1日乗車券なんかでこうしたモバイル乗車券を採用する事業者が増えましたが、JRではこれが先駆的だと思います。
北海道の私がネット上で購入でき、紙発券の必要もないわけで、こうしたチケットレスサービスはどんどん増えてほしいと思います。
★ ★ ★
次はホテル探し。
最近はホテル代も高騰して、ちょっとしたところならば軒並み1万円以上なんてことになってしまいました。
目的地は出雲市と鳥取市ということになるのですが、ホテルがねえ・・・
一番安いところでも8千円台9千円台。あまり駅から遠いのも困るしねえ。
コロナ前なら4千円台とかでもあったけど、今じゃドミトリーの値段になってしまいました。
相部屋はさすがに勘弁して。
駅前で安いホテルがあればどこかで途中下車するという手もあります。
また時刻表を眺めていたら、ちょっと面白そうなところを見つけました。
JR時刻表さくいん地図(中国・四国地方)より引用。
その名も『はわい温泉』。
倉吉駅からバスに乗る必要がありますが、鳥取から出雲市に戻る途中にあるので、さほど時間のロスにはなりません。
こちとらニュージーランド行きをフイにしたのだからね。
ハワイ行きなんて洒落てるんじゃないか。
宿泊サイトで検索すると素泊まりで5千円台のホテルが見つかりました。
これは余っていたポイントを使えば4千円台に。
ニュージーランドはやめた、ハワイにする。
とばかりに宿泊予約してしまいました。
もう1泊は米子の駅前にあるホテル。
こちらは1泊2食付きでなんと4千円台。
大丈夫なのかと思うような値段だが、立派なホテル。
何か訳アリなのかまではわかりませんが、一人旅で1泊だけの宿なのだから十分すぎるほどです。
★ ★ ★
予約するものはすべて予約して、払うものはすべて払って、あとは体だけ持っていくだけになりました。
ですが、11月7日東京発の『サンライズ出雲』の寝台券だけは諦めてはいません。
毎朝、おでかけネットでの空席照会は繰り返していました。
毎回毎回満席の×印ばかり。
寝台ゲットを期待してというよりも、ほぼ日課と化していました。
出発日の1週間前、いつもの日課で『サンライズ出雲』の空席照会をしていると、なんとソロに空席わずかの△印が!
そのまま購入手続きまで進めて、ソロをゲットしました!
運よくゲットしたソロの特急券・寝台券。
当初は岡山で途中下車して、岡山の路面電車に乗ることにしていましたが、ソロが取れたのなら予定変更です。
それに、ノビノビ座席+やくも特急券の値段と、出雲市まで直行のソロの値段の差額は3,320円。
これなら迷うことなくソロの一択です。
すでに購入してあった『サンライズ瀬戸』指定席特急券、『やくも』のチケットレス特急券はキャンセルします。
払い戻し手数料が2区間合計で680円かかりますが、これは仕方がありません。
ここまでの金額は、支払い済みと支払い予定額を含めて72,350円となりました。
往復『サンライズ出雲』の寝台車利用がやはり大きなウエイトです。
費用内訳 | 利用場所 | 円 |
札幌〜成田往復 | ジェットスター | 14,710 |
東京〜出雲市往復 | サンライズ出雲 | 44,060 |
山陰のんびりパス | 4,500 | |
宿泊代2泊 | 米子、はわい温泉 | 9,080 |
合計 | 72,350 |
4泊5日、現地払いの交通費や飲食代、その他経費を加えたら10万円くらいにはなるのでしょうか。
ずっと海外旅行が多かったので、久々に気合の入った国内旅行となります。
あとは天気かなあ。
列車に乗っているだけなら雨でも平気ですが、今回は出雲大社参りとか鳥取砂丘を歩いたりとか、雨だとちょっと困る行程もあるわけで。
天気予報では傘マークが出たり引っ込んだり。大気が不安定なのか何とも頼りない。
だけど、きっと晴れるんじゃないかな。
根拠はないけれど妙な自信はありました。
そうして会社の休暇も取れ、出発当日となりました。
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