■ 2005年9月6日(火)
新宿 7:40 → 7:54 東京(中央線・快速)
朝のテレビニュースで、鹿児島の暴風雨の映像が映し出されていた。
大型台風14号が西日本に接近し、九州に上陸と報じている。
すでにJR九州では朝から全線運休が決まったという。
台風のスピードは予想以上に遅く、明日(7日)まで西日本では影響が出そうだ。
雲がかかる新宿高層ビル街。
今日は東海道線を乗り継いで神戸まで行き、そこから夜行のフェリーで四国に渡る予定でいるのだが、このままでは台風直撃を食らってしまう。
前途多難となってしまったが、とりあえずは進むしかない。
朝食後早々に支度をして、7時半近くにチェックアウトする。
小雨模様の朝の歌舞伎町を抜けて新宿駅へ。
青春18きっぷ4日目入鋏:新宿駅
改札口で4回目の日付印を押してもらい、オレンジ色の中央線電車で東京駅に向かう。
朝ラッシュだが、さほどの混雑ではなかった。
4日目は新宿駅からスタート。
東京 8:10 → 9:51 熱海(東海道本線・普通)
東京駅のコンコースでは「台風14号の接近のため、四国・九州方面への旅行は差し控えるようお願いします」と繰り返しアナウンスがある。新幹線は今のところ平常通り運転している模様。
一旦改札を出て、東京駅丸の内口の赤レンガ駅舎を写真に撮る。
新宿からわざわざ東京駅経由としたのは、由緒ある東海道本線の出発は東京駅からとしたかったから。
東京駅丸の内側の赤レンガ駅舎。
ホームへ行くと熱海行の列車はすでに入線している。
2階建てのグリーン車を目にして、グリーン車に乗ってみたくなった。
ちょっと奮発して、ホームの券売機で熱海までのグリーン券を買う。
青春18きっぷも自由席に限りグリーン券を購入すれば、グリーン車を利用することが出来るようになった。
かつての大垣夜行のグリーン車は乗ったことはあったが、2階建てグリーン車は初体験である。
東京駅ホームと2階建てグリーン車。
グリーン車の2階席は天井が低くて狭苦しい感じだが、座ってしまえば眺めもよく、さすがグリーン車だと思う。
座席自体は、新幹線の普通車レベルで、足元のフットレストも無かった。
快適な2階建てグリーン車。
2階席の乗客は5人ほど、発車してすぐ車掌が車内改札にやってきた。
新橋、品川、川崎と停まるが、すれ違う上り列車は超満員でどの駅のホームも人で溢れている。
すいていて静かなグリーン車の2階席からは、そんなラッシュアワーの光景も別世界の出来事に見えた。
缶ビールでもあれば旅行気分満点なのだが、いくら旅行中とはいえ平日の朝から飲むわけにはいかないので自粛としておく。
暗い相模湾を眺める。
小田原を過ぎ、早川からは海沿いを行く。
崖の上を走り、2階席なので眺めが大変良い。
波は無く穏やかな相模湾が広がるが、空も海も暗い。
真鶴では雨が降ってきた。ここからはトンネルが多くなり、山の中の風景へと変わる。
熱海に到着。
がら空きのまま終点熱海に到着。ここから静岡県となる。
1時間40分のグリーン車の旅はここまで。
熱海 9:58 → 11:14 静岡(東海道本線・普通)
熱海からは静岡行の普通電車に乗換える。
ホームに入ってきたのは全てロングシートの車両で6両編成。
東京からの15両編成の電車から乗り継ぐと、なにやらローカル線に乗り継いだような感じがする。
熱海からはJR東海の211系電車。
発車メロディが鳴り響き、座席が半分埋まる程度の乗車率で発車すると長い丹那トンネルに入る。
トンネルを抜けると雨は上がっていて、日が差している。
函南はJR東海最初の駅となる。発車メロディは無く、電子音のベルが鳴って発車する。
三島では青空が出ていたが、遠くに見える山の向こうには真っ黒い雲が見えるので、晴れているのもこのあたりだけだろう。
南側には青空が広がるが、富士山はさすがに雲の中。
鎌倉あたりは雨が似合うと思ったが、静岡県のこのあたりは暗い雨降りはあまり似合わない。
富士山がくっきり見える冬の晴れた日が一番似合うと思う。
清水でたくさん乗ってきて立ち客も出てきた。次の草薙からも乗ってきて、静岡に着くころにはだいぶ混雑して来た。
それでも東京の電車と違い殺伐とした空気はなく、のんびりとしたムードが漂う。
静岡駅ホームの富士見そば。
静岡での乗り継ぎ時間は12分。ホームに駅そば立ち食いの店があったので『かき揚げ天ぷらそば』を食べる。
静岡はまだ濃い口の味で汁の色は真っ黒。どのあたりが関西風との境界なのだろうか。
そばを食べていると浜松行が入線してくる。
かき揚げ天ぷらそば(310円)。
静岡駅の立ち飲みスタンド。
ホームの端の方には、『コーヒー・生ビール・お酒』と看板を出した立ち飲みの店があり、このあたりの駅ではよく見かける。
名古屋鉄道の駅にもよく見かけた気がするが、東海地方独特なのだろうか。
そして、しっかりと昼からビールジョッキ片手のオヤジがいた。
いいなあ、あっちで1杯やるという手もあったかな。
静岡 11:26 → 12:37 浜松(東海道本線・普通)
静岡からは浜松行に乗る。今度は4両編成で、進むにつれて短編成になって行く。
あいてるボックス席があったので、そこに座る。
青い布地の席が並ぶ昔ながらの車両で、いまや乗ることもすっかり少なくなってしまった。
数年後には国鉄時代の車両は消滅しているだろうか。
青色のセミクロスシートの113系電車。
阿部川を渡り、用宗を過ぎたあたりから田んぼや茶畑が車窓に現れるようになった
空模様もおだやか。台風のことも忘れて、すっかり旅行気分。
「駿州一の大都会
静岡いでて阿部川を
わたればここぞ宇津の谷の
山きりぬきし洞の道」 大和田建樹(鉄道唱歌 二十一)
大井川の鉄橋を渡る。
大井川の鉄橋を渡り、しばらくするとひなびた感じのか細い線路が寄り添ってくる。
SL列車で有名な大井川鉄道で、いずれ乗ってみたいと思っているのだが、東海道線を通るとついつい先を急いでしまい、なかなかその機会にありつけない。
今回も残念ながらパスとなる。
金谷はSL列車で有名な大井川鉄道の始発駅。
菊川あたりは茶畑や田んぼが広がる田園風景になる。
茶畑の中に、先端にプロペラがついている柱が何本も立つが、あれは何なのだろうか。
そんなことを考えていると、新幹線よりも普通列車の旅の方が楽しいと思えて来る。
菊川付近では車窓に茶畑が現れる。
再びビルが建ちならぶ風景になってくると掛川で、ビルの谷間から掛川城がちらりと見えた。
このあたりから乗客が増え始め、このボックス席も相席となった。
浜松に到着。
浜松 12:51 → 14:12 名古屋(東海道本線・新快速)
浜松からの大垣行新快速は4両編成。
ここからはJR東海ご自慢のオール転換クロスシート313系電車となる。
浜松からの乗車率も良く、車端部のボックス席しか空いていなかった。空席も少なく、数人の立ち客を乗せて発車する。
浜松からは313系新快速が走る。
静岡から乗ってきたボックス席も旅情があって良いけれど、やはり乗り心地はこちらの方が良い。
湖の中に立つ弁天神社の大鳥居が見えてくると弁天島で、ここからいくつかの島づたいに浜名湖を渡る。
豊橋からは快速運転となり、120km/hで快走する。
車端の席のせいかやたらと揺れる。ユサユサと左右に揺すられる感じ。いつの間にかまた眠ってしまい刈谷で目が覚める。
大府ではたくさん乗ってきて混雑して来た。
金山では「万博会場へはエキスポシャトルお乗換えです」と案内放送があった。
そういえば名古屋では『愛・地球博』の真っ最中だったんだね。
東京出発から6時間で名古屋に到着。
東京発8時10分発の列車で出発して名古屋に着いたのが14時12分。
普通と快速列車だけ乗り継いで所要時間約6時間は早いか遅いか。
せっかく名古屋を通るので、ここで途中下車する。
名古屋はB級グルメの宝庫で、有名なのを挙げると、きしめん、味噌煮込み、味噌かつ、スガキヤなど思いつくだけでこれだけ出てくる。
あんかけスパゲティー専門『チャオ』。
今回名古屋で食するものは、あんかけスパゲティーなるもので、名古屋駅前の地下街にある『チャオ』という店に入る。
レストラン風の店だが、あんかけスパゲティー専門で、意外とサラリーマン風の1人客が多い。
あんかけスパゲティー・カントリー・ジャンボ(750円)。
注文したのは、一番オーソドックスな『カントリー』で、サイズはと聞かれ、『スナック(小)』『レギュラー(普通)』『ジャンボ(大)』とあり、思わずジャンボと言ってしまった。
他には、トンカツや唐揚げ・エビフライなどをトッピングしたものもある。
さて『カントリー』であるが、極太のメンがデミグラスソースのあんの中に浸っている。
上に炒めた野菜がのる。極太のメンによく絡むあんは一般に想像するあんかけとはだいぶ違って結構スパイシーで食欲をそそる。
ジャンボサイズなので相当なボリュームだが、おいしくて全部食べると、お腹いっぱいになってしまった。
次に乗る列車までまだ時間があるので、駅の外に出てみる。
名古屋駅前の大名古屋ビルヂング。
駅の外に出ると『大名古屋ビルヂング』がそびえ立つ。これを見ると名古屋に来たと思う。
空気が妙に生温かく感じる。
風が強くなってきていて、雲がすごいスピードで流れているのを見ると、台風接近を思い出した。
この先、神戸から高松まで夜行のフェリーで渡る予定でいたのだが、この先どうなるのやら。
名古屋駅はどこも万博ムード。
名古屋駅は『愛・地球博』ムード一色だった。
駅の売店の土産物などをのぞいているうちに、あっという間に時間が経ち、大急ぎでホームに向かう。
米原行の新快速はちょうど入線してくるところだった。
名古屋 15:00 → 16:10 米原(東海道本線・新快速)
空席は無く、ドアのところに寄りかかって立つ。車内は冷房が効きすぎて寒いくらいだ。
尾張一宮でドアが開くと生ぬるい風が入ってきた。
岐阜でついに雨が降り出す。明るかった空も次第に暗くなってきた。
大垣で7分停車。
西に進むにつれ雲行きがあやしく。垂井・関ヶ原間。
雨に濡れる関ヶ原駅のホーム。
関ヶ原で雨風が強くなってくる。やはり台風に向かっていることを思わせる。
車内は相変わらず混んでいて、大垣あたりで座れるかと思ったが、途中で乗ってくる人も多く、結局立ちっぱなしのまま終点米原に着く。
米原に到着。
米原に到着すると、雨が強く降っている。米原で増結する4両はすでにホームに入っていたが、窓側の席はすべてふさがっていたので、長浜から来る電車を待つ。
ホームに立っていると雨風が横なぐりに打ちつける。
立ち食いそば屋があったのでのぞいて見ると、汁は透明な薄口のようだった。
そばつゆの濃口と薄口の境は関ケ原にあるようだった。
米原 16:24 → 17:39 新大阪(東海道本線・新快速)
長浜から来た8両の電車が到着し、先に入っていた車両に連結すると12両編成で米原を発車する。
長浜編成は余裕があって、琵琶湖側の席に座れた。
米原からはJR西日本ご自慢のオール転換クロスシート223系電車が快走する、18キッパーにとってありがたい区間だ。
米原からはJR西日本223系新快速が走る。
通路を挟んだ席には英語で書かれた日本のガイドブックをめくっているアメリカ人らしい旅行者が座っていた。
青春18きっぷを持っていたが、台風接近のことは知っているのか・・・。
京都でたくさん乗ってきて車内はほぼ満席になる。
今のところ、ダイヤどおり順調だが、この先の状況はどうなっているのだろうか。
この先の予定は、三ノ宮から三宮フェリーターミナルまで行き、そこからジャンボフェリーの夜行便で高松に渡ることになっていた。
翌日は高松からまた普通列車を乗り継いで松山まで行く予定だった。
だけど大型台風じゃフェリーは欠航だろう。
この先どこかで1泊の宿を確保する必要がある。
大阪で降りて夕食にする予定でいたが、1つ手前の新大阪で下車することにした。
運行状況を知るには、新幹線のある新大阪の方が、情報があると思ったからだ。
情報収集のため新大阪で一旦下車。
改札口のところに、山陽新幹線は新大阪〜博多間で全列車運転休止と掲示が出ている。
思ったより状況は悪いようだ。
とりあえず改札を出て、構内にあるATMでお金を多めに引き出しておく
新幹線改札口には人だかりができていて、テレビ局の中継カメラまで来ている。
これは大阪に泊まって様子を見た方がいいのか。
しかし大阪で1泊すると、この先のスケジュールがきつくなるのだが・・・。
今日中に岡山までたどり着けば、以前利用したことがある岡山駅前にある24時間営業のサウナに飛び込めばよい。
そうすれば翌朝に瀬戸大橋線で四国に入ることができる。
私は新幹線客のフリをして改札で、
「岡山まで行きたいのだけれど、在来線で行けませんか?」
と尋ねてみた。
駅員によると、在来線は姫路までは今のところ平常運転だが、そこから先の状況はわからないということだった。
改札の横に設置されたテレビニュースでも台風14号の情報を次々と報じている。
現在台風は北九州付近にあり、JR九州・四国は全線運休。
関西発各方面の夜行列車も全便運休が決定している。
在来線の山陽本線というと、三原まではとりあえず動いているとわかった。
こういう災害時の情報は、現場の人間よりもテレビの方が案外正確に伝えていたりするものだ。
台風14号の進路(携帯電話の画像)。
こうなれば行けるところまで行ってみようと、新大阪から姫路行の新快速電車に乗ることにした。
別に先を急ぐ旅ではないのだから、無理せずに大阪で泊まっても良かったのかも知れない。
しかし、この電車に乗れば岡山まで行けそうな予感がした。
見知らぬ土地で何か決断をするとき、最後に頼りになるのは “カン” である。
新大阪 17:55 → 19:02 姫路(東海道/山陽本線・新快速)
時間帯はちょうど夕方のラッシュ。
新快速の車内は混んでいたが、次の大阪で多数の客が入れ替わるので、なんとか席にありつく。
帰宅ラッシュの時間なので、大阪からは超満員。雨も上がり、風も穏やかで電車は順調に走るが、行く手には真っ黒い不気味な雲が覆う。
三ノ宮・神戸では降りる人が多いが、乗る人も多くて車内は混雑したまま。
台風なので今日は早めに帰宅しようという人でいつもより混んでいる様子。
時刻は18時半。
本来はまだ明るいはずだが、外は不気味なほど真っ暗だった。
姫路には6分遅れの19時06分着。
姫路到着前の接続案内では、「19:06発の糸崎行は今日は岡山行となります」と伝えている。
なんとか岡山までは動いているようだ。
姫路 19:06 → 20:27 岡山(山陽本線・普通)
姫路で乗り継ぐ電車はホームの対面に停まっていて、乗り継ぐ人たちがホームを走る。
「19:40発岡山行から運転休止となります」とホームで放送があったので、おそらくこの電車が岡山までの最終である。
新大阪であと1本遅い電車に乗っていれば、姫路止まりになって途方に暮れるところだった。
新幹線不通のため大混雑の岡山行。
4両編成なので超満員。本来は新幹線に乗るはずだった荷物を持った人も多い。
姫路を出てすぐ、英賀保・網干と通勤客がたくさん降りて、足の置場にも苦労する状態からはだいぶ楽になる。
立ちっぱなしには変わりないが、車内はだいぶ落ち着いてきた。
ところが、相生でまた大量に乗って来た。
岡山まであと1駅というところで運休を食らった新幹線客が、在来線もこれが最終ということで乗り移ってきたようだ。
相生から岡山までは新幹線なら16分だが、各駅停車では1時間の距離。
新幹線から来た人たちの中から「オイオイ、満員電車かよ」の声も聞こえる。
中には広島や下関までの券を持った年配の女性などもいて、この人たちは岡山に着いてからどうするのだろうか。
だんだん横なぐりの雨が暗い窓ガラスに激しく打ちつけるようになってきた。
駅に停車しても乗る人も降りる人もいない。
もうすぐ東岡山という頃、案内放送があった。
「次は東岡山です」
「・・・運転を休止させて・・・大変ご迷惑を・・・」
と、よく聞き取れない車内放送があった。
「東岡山止まりだって聞こえたけど??」
「ここまで来てウソだろ?」
などと車内はざわめく。
電車は東岡山に着き、何事もなかったかのようにドアが閉まり発車した。どうやら、この駅で接続する赤穂線がすでに運転休止になっていると言いたかったのか。
この電車、女性車掌が乗務しているのだが、言葉は丁寧なのはいいが、言っていることが聞き取り難くて困る。
20時38分、台風の吹き荒れる中、11分遅れの健闘で岡山に到着した。
この電車が岡山駅に発着する最後の電車らしかった。全員が改札口にいっせいに向かう。
ガランとしたコンコースには、明日の1番列車を待つつもりなのか、柱の隅などに座り込んでいる人の姿も見えた。
駅を出ると激しい雨風が吹き荒れている。無人の静かな駅前の道路を走って渡り、アーケード街に飛び込むと、何度か利用したことのある『サウナ・カプセル』の看板が頼もしく灯っていた。
サウナの仮眠になるが、今晩はここで一夜を明かすことにする。
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