2005年青春18きっぷ旅行記1

先日、JR各社から冬季青春18きっぷの発売が発表となりました。
今回発売分からは使用方法が大幅にリニューアルされたこのきっぷ、ネット上やSNSでも賛否が飛び交っています。

考えてみれば、かつて5枚バラだったこのきっぷが、1枚に集約された当時も物議をかもしたものでしたが、今ではすっかり定着しています。
時とともにルールが変わるのは仕方がないのでしょう。

この青春18きっぷですが、私も昔はよくこのきっぷで旅行したものです。
まだ全国に夜行の快速列車があった頃。
その夜行列車を乗り継ぐと、札幌から九州まで行くことができましたし、実際に行ったこともあります。
相当にきつかったですけどね。

ところが2000年代頃から夜行列車の廃止が相次ぐようになり、夜行の快速列車も姿を消すようになりました。
今では青春18きっぷも、1日の移動だけにしか使えなくなってしまいました。

私のように北海道の人だと、北海道&東日本パス(通称:北東パス)があって、こちらは急行『はまなす』や三セクの青い森鉄道やIGRいわて銀河鉄道も利用できたし、自動改札機も通れたのでこっちの方が便利でした。
だから青春18きっぷはもう長いこと使ったことがありません。

青春18きっぷも夜行の快速列車があった頃は大活躍でしたが、今は少々使い勝手の悪さは否めません。

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今回のリニューアルでは、良い意味でも悪い意味でも大いに話題となったようです。
私は、昔の青春18きっぷ旅行を思い出してしまいました。

ここから先は、2005(平成17)年9月に札幌から広島まで行った、青春18きっぷ利用の旅行記となります。
閉鎖した旧HP版で公開していたものですが、このブログにてリメイク版として復活してみました。

その当時、出発前に計画した行程は、ざっくりとですがこんな感じ。

1日目:札幌→函館→フェリー(船内泊)
2日目:青森→秋田→新潟→ムーンライトえちご(車内泊)
3日目:東京近郊の乗り鉄(カプセルホテル泊)
4日目:東京→大阪→神戸→フェリー(船内泊)
5日目:高松→松山(カプセルホテル泊)
6日目:松山→フェリー→広島(ホテル泊)
7日目:広島→広島空港→飛行機→札幌

ただしマークの日程は台風の影響で、現地で変更を余儀なくされることになります。
詳細は本文中にて。
夜行快速の『ムーンライトえちご』のほかは、旅費を節約するために夜行フェリーやカプセルホテル宿泊となりました。

では2005年9月の世界へどうぞ ↓ ↓ ↓ 


 ■ 2005年9月3日(土)

 札幌  13:25 → 13:54 千歳 【快速エアポート132号】
 千歳  13:58 → 14:25 苫小牧(千歳線・普通)
 苫小牧 14:33 → 15:36 東室蘭(室蘭本線・普通)


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 青春18きっぷ1日目入鋏:札幌駅

旅の始まりは札幌駅から。
西改札口で9月3日の改札印を押してもらい、ホームへ。

札幌発の第一走者は快速『エアポート132号』で、旭川始発の新千歳空港行。
エアポートの案内札の下には長い列ができていた。

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 札幌から快速エアポートとなる『スーパーホワイトアロー』。

とりあえず窓側席に座れて、幸先の良いスタート。
特急車なので乗り心地は大変良い。

この列車で空港へ行って飛行機に乗れば、今回の旅の最終地である広島には今日の夕方に着くことになる。
私は旅行バッグを持っているし、たぶん周りの人も私を新千歳空港まで行く飛行機の客だと思ってただろう。

しかし千歳で降りて、ホームの向かい側に既に停車していた苫小牧行に乗換える。
苫小牧行は予想していた通り車内はロングシートで、座席は半分ほど埋まっていた。

苫小牧で東室蘭行に乗換え。跨線橋を渡って4番線ホームに行くと、赤い電車が既に停まっていた。
札幌近郊ではほとんど見ることのなくなった車両だが、苫小牧・東室蘭間ではまだ主力として走っている。

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 苫小牧からは711系の赤い電車。

3両編成で、ボックス席は全て埋まっていたので、車端部のロングシートに座る。
冷房はなく、天井でJNRマーク入り扇風機が首を振りながら回っている。

苫小牧を発車すると、各駅でパラパラと乗降がある。
降りる客ばかりだと思っていたが、意外と途中の駅で乗ってくる人もいるところは沿線住人の足といったところ。

白老で半分くらいが下車。空いたボックスがあったのでそちらに移る。

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 大阪行『トワイライトエクスプレス』と711系電車。

東室蘭駅での乗り継ぎ時間は24分。
ホームをうろうろしていたら、大阪行き『トワイライトエクスプレス』が入ってきた。
あちらは明日の昼には大阪に着く列車。
こちらは各駅停車でのんびりと。大阪入りは3日後の夕方を予定している。


 東室蘭 16:00 → 17:56 長万部(室蘭本線・普通)
 長万部 18:02 → 21:07 函館(函館本線・普通)

東室蘭からの長万部行はキハ40形2両編成。うち後ろの1両は途中の豊浦で切り離しとなる。車内は昔ながらの青いボックスシートが並ぶ。
各ボックスに1〜2人といった乗り具合。混んでもなく、空きすぎてもいない程よい乗車率。

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 キハ40長万部行の車内。

伊達紋別では半分くらいが降りる。
ここでしばらく停車して、下り貨物列車とすれ違い、上り『スーパー北斗』に抜かれる。
洞爺でも貨物列車とすれ違った。次の豊浦では2両目を切り離す。残った客は10人程。
さっきの711系電車から乗り継いだ、18キッパーらしき人が多い。

このあたりはトンネルが多いが、時々内浦湾の風光明媚な海岸が姿を現す。

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 西日が映える内浦湾沿いをのんびりと。

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 原野の中にホームだけがある旭浜駅。

長万部の乗り継ぎ時間は6分。函館行の列車は降りたホーム向かい側に停まっていた。
今度はまたキハ40形だが1両のみ。18キッパーらしい数人が乗りかえる。

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 普通列車は全て長万部で乗換。

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 函館行のサボ(行先標)。

開いた窓から冷たい風が入ってくる。さすがに9月で、朝晩はかなり涼しくなった。
内浦湾の荒涼とした寂しい浜が続く。
がら空きの車内と夕暮れなのでますます最果て感が漂ってくる。

去年の今時期、ロシアのサハリンを旅したとき、列車でオホーツク海沿いを夕暮れに通ったが、こんな感じだったと思い出す。
すっかり日は暮れた八雲では、十数人が乗ってきて少し賑やかになるが、駅ごとに降りていって、森ではまたもとのがら空きに戻ってしまった。

森では19分停車となる。何か無いかと跨線橋を渡り改札を出ると、キヨスクがまだ開いていた。

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 森駅いかめしはキヨスクで売っている。

キヨスクを覗くと、なんと『いかめし』を売っていたので1箱買う。
こんな時間までキヨスクが営業しているとは思わなかった。
いかめしは手にすると温かく、作りたてのようだ。最終の札幌行きスーパー北斗に積み込むのだろうか。

車内に戻り、さっそく箱を開ける。うれしいことに経木の容器と紙のラベルで、これは駅弁の王道である。

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 森駅のいかめし。

いかめしは、車内で食べるには少々難儀する。
小ぶりとはいえ1ハイまるごと詰めてあるので、手づかみでかぶりつくほかはなく、手がベタベタになる。
やっぱり『デパ弁』なのだろう。割り箸を持ってくればよかった。

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 経木の箱に2個入ったいかめし。

いかめしは今やあちこちで売っているが、やはり森駅のいかめしが素朴で1番おいしい。食べ終わると列車が動き出した。

大沼公園を過ぎ、仁山のあたりで一瞬函館の夜景が広がる。渡島大野では停車中に上野行『カシオペア』が追い抜いていった。

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 駅前もすっかり整備された函館駅。

日はとっくに暮れて真っ暗な函館駅に着く。
この先、本州方面に向かうには『北斗星』や『はまなす』しかないが、私が乗り継ぐのは江差線の最終列車。
七重浜駅近くのフェリーターミナルから、夜行のフェリーで青森に渡ることにしている。

次の列車の乗り継ぎまで2時間。駅前のデパートの裏にあるラッキーピエロに入る。

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 目立つラッキーピエロの看板。

函館市内のみに展開するハンバーガーショップで、地元では根強い人気がある。
レジで『ラッキーロコモコ』と『ラッキーバーガー』を注文する。つくり置きはしないのか、席に着いてしばらく待つ。

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 ラッキーピエロ店内はアールデコ調。

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 ラッキーロコモコ(505円)。

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 ラッキーバーガー(305円)。

ラッキーロコモコは馬鹿でかい深皿にご飯が盛られて、ソースのたっぷりかかったハンバーグと目玉焼きがのる。まわりにはオニオンフライをちりばめている。
ラッキーバーガーも分厚いパティがたっぷりと。
どちらも単品でもボリュームがあるが、おいしくて全部食べた。

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 函館は路面電車が走る。夜景とよく似合う。 

食べ終わって店を出てからは、駅前の夜景や市電などを撮影して過ごす。
駅前の市電は、夜の寂しい駅前に時おり花を添えたように現れ、そして走り去って行った。


 函館  23:06 → 23:16 七重浜・普通
 函館港   0:30 → 4:20 青森港【東日本フェリー】

さて、本日の最終ランナーは木古内行で江差線の最終列車となる。
1両で車内は十数人ほど、空いているのは土曜日だからか。

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 江差線木古内行最終列車。

次の五稜郭でも10人程乗ってきて、都市近郊の最終列車らしい車内となった。
その次の七重浜で運転士に18きっぷを見せて下車する。
一緒に降りたのは地元の数人。真っ暗な道を歩くこと15分で函館港フェリーターミナルに着く。

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 眠らない函館フェリーターミナル。

申込書に名前などを書き込んで窓口で乗船券を買う。出港まであと1時間近くある。
ターミナルは割りと立派で、こんな時間でも売店は結構充実しているし食堂も営業していた。
シーズンは人でいっぱいになるのだろうが、さすがにこの時期では深夜便ということもあり閑散としている。

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 売店が充実したフェリーターミナル。

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 古びた出航案内表示板。

こんどの0時30分発青森港行の便は、青森には4時20分に着く。
所要時間3時間50分は、かつての青函連絡船と同じ。
青函連絡船時代も、函館や青森に深夜に到着して夜行便に連絡し、また渡った先の早朝に各方面に向かう特急が連絡していた。
フェリーターミナルは駅から離れているけど、コンコースで乗船を待っていると、何だか青函連絡船時代を彷彿させる。

0時10分ごろ乗船開始となる。船までは歩いて行き、ここで乗船券を渡して車両甲板から乗船する。

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 空いていて快適だった2等客室。

カーペット敷きの2等客室船内はがら空き。どこでも好きなところで横になれる。
毛布は有料で貸し出ししているが、今夜は必要あるまい。
枕を出してきて横になるとすぐに眠ってしまった。

2へつづく      


posted by pupupukaya at 24/10/26 | Comment(0) | 西日本の旅行記
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