大幅に減便となるじょうてつバス真駒内線

じょうてつバスの真駒内線といえば、地下鉄の西11丁目駅と真駒内駅あるいは真駒内本町の間を国道230号線、通称石山通経由で結ぶ路線です。
南区だけでなく中央区の山鼻地区の足でもあります。

私は中央区の南11条に住んでいますので日常の交通機関といえばもっぱら市電ですが、市電のループ化前はたまに西11丁目駅から真駒内線のバスで帰宅することもありました。
だけど、ひと昔前の話です。

今ではすっかりバスに乗ることもなくなりましたが、通勤途中で毎日見かけるバスでもありますから、私にとってはじょうてつバスは身近な存在です。

私とて今は車があるけれど、いつまでもあるわけではなく車を持たなくなれば、またじょうてつバスのお世話になる可能性はあります。

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 西11丁目駅前停留所と真駒内本町行のバス。

真駒内線といえば、都心方向のターミナルは札幌駅、市立病院、札幌駅北口とバラバラですが、かつては西11丁目駅〜真駒内本町間は市電にも劣らない本数があり、さほど待たずにに利用できる路線でもありました。

そんなじょうてつバス真駒内線ですが、ここのところ慢性的な運転手不足となっているそうで、ダイヤ改正の度に減便が続いています。
最近だと、2月13日に夏ダイヤ移行を待たずして急遽減便ダイヤが施行されました。

減便が始まる前は日中でも1時間当たり5〜6本はあったかと思います。
少し古いですが、下は2006(平成17)年4月1日改正の配布時刻表から。

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 平成17年4月1日改正じょうてつバス時刻表より引用。

この当時は日中でも1時間当たり7本以上は運行していたことになりますね。
さすが天下の国道230号線、幹線のバス路線という感じがします。

それが今はどうなっているのだろうと、現在のじょうてつバス真駒内線の時刻表を見てびっくり。

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 じょうてつバスHP、西11丁目駅前時刻表(2024年2月13日改正)から引用。

すっかり本数が減ってしまい、1時間当たり3〜4本という有様に。
14時台は2本だけなのは2月ダイヤ改正で1本減便となったからです。

では今度実施される2024年4月1日ダイヤ改正の時刻表を見てみましょう。

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 じょうてつバスHP、西11丁目駅前時刻表(2024年4月1日改正)から引用。

なんと、日中の真駒内本町行の便が消えてしまって、12時台〜14時台は1時間当たり2本ということに。
朝夕ラッシュ時の本数はそれなりに確保されていますが、日中は気軽に利用できる路線ではなくなってしまいます。

石山通の路線は、南6条からは藻岩線や快速7・8番系統も加わりますから、真駒内線と重複する区間に限ればまとまった本数にはなります。
ですが、こちらはすすきの経由となるわけで、快速は停車停留所も限られているし、合わせての利用は難しいでしょう。
それにこれらの系統も、4月ダイヤ改正でやはり減便となります。

石山通を走るバスもずいぶんと寂しくなりますね。

こんなことになった理由は、慢性的なバス運転手の不足と、2024年4月から施行される自動車運転者の労働時間等の改善のための基準改正(いわゆる2024年問題)のために運転手の労働時間が制限されることによるものです。

路線は確保しなければならない、朝夕ラッシュ時の本数は確保しなければならない。
こうなるとしわ寄せは日中の便ということになるのでしょう。

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 停留所に貼り出されたダイヤ改正のお知らせ。

もう1つの理由は推測ですが、山鼻地区に市電があるということでしょうか。
約600m離れて市電山鼻線と山鼻西線が並行しているので、減便しても問題なしと判断されたのでしょう。
逆に言うと今回の減便は、郊外の路線を優先して維持するために仕方がなくということになります。

要するに他の交通機関があるのならば、そちらを利用して欲しいということですね。
それでもバスしかない真駒内本町や南山鼻の快速が停まらない停留所の利用客は大変不便なことになります。

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 快速が停まらない停留所は真駒内線が主力。

こうした交通問題は何とかしなければならないけれど、バス会社だけで解決できる問題ではありません。
社会全体の問題とも言えます。
しかし、今のところ行政が何か対策を打ち出してくるという話もあまり聞きかないのは困ったことです。

鉄道やバスなど、公共交通機関は社会インフラの1つであるというのが私の持論です。
しかし世間的には鉄道やバスってのは営利事業って認識でしかない。
だからすぐに『赤字』ならば悪くて『黒字』ならば良いって議論になってしまいます。

じゃあ何か解決策を出そうじゃないかと言いたいところですが、私はその道の専門家ではないので無責任な意見を述べるしかできません。

海外の交通政策の事例などを出したとて、海外で上手くいっているからそれを日本に持ち込んだら解決するという単純なものでもありませんし。

私が言えることは、とにかく行政や専門家に頑張って欲しいところです。
コメンテーターが頑張っても仕方がありません。

廃止や減便など、地方やローカル線の話だと思っていたら、都会でも例外はないという時代になりました。
あと10年後、公共交通機関というものは今の形で維持出来ているものなのでしょうか。

失ってから気づくものって色々ありますが、バスというものもその1つになるのでしょうか。

それにしても、再開発や新幹線も結構だけれど、こういった生活に密着した政策をお持ちの政治家っていないものなんですかね。

〜最後までお読みいただきましてありがとうございました。  


posted by pupupukaya at 24/03/20 | Comment(0) | 鉄道評論
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