2024年3月16日ダイヤ改正、新体制の快速エアポートを見る

2024年3月16日はJRグループのダイヤ改正日です。
北陸新幹線、金沢〜敦賀間開業が何かと世間の話題となっていますが、こちらJR北海道の運行形態も地味ながら大きく変わりました。

道内ダイヤ改正を要約すると、新千歳空港アクセスの改善と、それ以外の近郊列車の減便ということになります。

2020年から始まったコロナ禍による乗客減。
この乗客減はコロナが終わっても元には戻らず、JR北海道の資料を見ると、札幌駅乗降人員と特急主要3線区の利用者数は、コロナ前の8割程度しか戻っていないのが現状のようです。

それに対して好調なのが、新千歳空港アクセスとなる快速エアポート。
こちらは利用者数で見るとコロナ前の水準にまで戻っているようですね。
(ソースはJR北海道ニュースリリース)

あとはオープンしてから1年になるエスコンフィールドHOKKAIDO。
試合日などは大混雑するようになりました。

先のことになりますが、2028年には当別町の北海道医療大学が当地に移転。
また同じくして北海道ボールパーク駅の開業も予定されています。

ますます発展して重要性が増す千歳線と快速エアポート。
対してコロナ禍が終わってもコロナ前には回復しない都市間の特急と都市近郊輸送。

その明暗をはっきりと反映したダイヤ改正でもありました。

前置きが長くなりましたが、新千歳空港アクセス改善と快速エアポートの増発は、今ダイヤ改正で唯一明るい話題といえるものです。
その快速エアポートがダイヤ改正でどう変わったのか、ちょっと見てくることにしました。


 ◆ 新体制の『エアポート』と特別快速

3月16日、12時12分の札幌駅東改札口前。
改札口上の発車時刻パネルに新千歳空港行『エアポート』が並んで表示されています。

今日から9時台から15時台まではエアポートが毎時6本体制となります。
新たに『特別快速』『快速』『区間快速』の3本建てになって、それぞれ停車駅が異なるようになりました。

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 札幌駅改札口に表示の新千歳空港行時刻。

毎時6本なのですが、10分間隔の等間隔とはならないのは種別によって所要時間がバラバラなのと、10分等間隔は新千歳空港側の方で合わせた結果、札幌発時刻はいびつなものとなります。

ちょっと気になったのは、改札口にエアポートの停車駅案内がないこと。
いや、唯一あるのはパネルに次の列車の停車駅が流れて表示しているくらい。

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 ずいぶんと寂しい千歳線特急・普通列車の時刻。

隣のパネルは千歳線の特急・普通列車の表示。
走る線路は一緒ですが、エアポートとそれ以外の列車は、このように分けて表示されています。

こちらに出ているのは2本の北広島行普通のみ。
随分と寂しくなったものですね。
普通列車の行先は長らく苫小牧と千歳ばかりだったので、北広島の表示が新鮮に見えます。
1時間に2本、しかも昼間はすべて北広島行に統一され、まるでローカル線ですね。

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 エスコンフィールドへ行く客に注意を則す張り紙。

3種別に分かれたエアポートですが、一番注意が必要なのは毎時30分発の特別快速。
特別快速は途中新札幌、南千歳にしか停車しません。
あとは従来の停車駅にも停車することになります。

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 エアポート80号の混雑。

私は30分発の特別快速に乗ろうとやって来たわけですが、ホームへ行くと1本前の快速エアポート80号が停車中。
ドアの前まで立ち客が大勢という混雑ぶり。

今日からエアポートが増便となったのに、それでも間に合わないほど空港アクセス客が増えているのかと一瞬驚きます。
もしかしてと思い調べたら、今日は14時から日ハムvs巨人のオープン戦があるということでした。
この立ち客の多くは北広島で降りるのでしょう。

この80号が発車すると、ホームの発車時刻パネルは5番線が12:30発特別快速の82号、6番線が12:34発区間快速の84号と表示されます。
30分発特別快速と00分発快速の4分後にそれぞれ区間快速が発車するパターンとなっています。

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 エアポート84号が先に入線。

12:22に新千歳空港からの区間快速63号が入線。折り返し区間快速84号新千歳空港行となります。
こちらは721系電車でした。
721系は今ダイヤから岩見沢〜旭川間での昼間の列車からは撤退しましたが、札幌近郊ではまだまだ活躍しそうです。

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 区間快速エアポートの方向幕。

ここで改めて気になったのが、快速3種別の停車駅案内が少ないこと。
以前あった発車時刻パネルに下がっていた停車駅案内は撤去されていて、代わりに乗車口の札の横に新しい停車駅案内が掛けられていました。

次の列車の停車駅は発車時刻パネルにも一応表示は出ますが、流れる文字での表示は文字を追って読まないとわからないし、もっと視覚で分かるものが必要なのではと思いました。

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 乗車口札横に設置された停車駅のご案内。

3種別に分かれるのは9時台〜15時台限定なのと、朝と夜は停車駅に白石が加わるなど停車駅は意外と複雑だったりします。
島松や恵み野へ行くのに、時間帯によっては区間快速だったり、『エアポート』から北広島で乗り換えだったり。

毎日の利用者ならば分かるのでしょうが、特に空港やボールパーク利用者は初めて利用する人も多いですからね。

少なくとも『エアポート』は全列車が新千歳空港まで行くこと、特別快速は新札幌と南千歳以外は停車しないこと。
最低この2点は視覚で分かるように掲示してほしいところです。

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 721系の特別快速エアポート。

11時27分、小樽からの特別快速エアポート82号が到着。
小樽方面の快速も、『特別快速』と『快速』の2種別となりました。
それについて説明しだすと長くなるので、またの機会に。

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 特別快速と区間快速が並ぶ。

特別快速の82号と、その4分後に発車する区間快速の84号が5・6番線に並びます。
どちらも721系電車なのが意外でした。
4分後に同じ行先の列車が発車するというのも、乗車率の不均衡になるのではという感じがします。

では特別快速の方に乗ってみます。

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 特別快速エアポート82号の車内。

さっき見た80号の込み具合から、こっちも混んでいるかと思いましたが、意外とすいていました。
余裕で窓側席をゲット。
発車時点でも空いている窓側席もいくつか見られました。

新札幌以外の途中駅までの客がいないので、車内は落ち着いています。
これもまた気づきましたが、車内でもエアポートの停車駅がわかる表示がなく、車掌が放送で
「特別快速は新札幌と南千歳しか停車しません」
と繰り返すばかりでした。

新札幌に到着するとホームの各乗車口は行列が出来ています。
やれやれここからたくさん乗って来るのかと思いましたが、乗ってきた客はわずか。
どうやら次の区間快速の乗客のようです。
ホームの乗客も、乗っていいのか悪いのか、少々戸惑っている様子にも見受けられました。

新札幌停車中に「特別快速です、次の停車駅は南千歳です」と車掌が繰り返します。
札幌駅からの誤乗ならば新札幌で降りればいいのですが、新札幌からの誤乗は南千歳まで行ってしまいます。
『エアポート』は全部一緒という感覚が身についている人なら乗り込んできそうですね。

車内は動きの少ないまま新札幌を発車。
静かですね、落ち着いてますね。

北広島、恵庭、千歳と停車するごとに乗り降りがあって落ち着かないエアポートと比べてなんと快適なことか。
空港客と途中駅客と分離する目的は遺憾なく発揮されています。

今度新千歳空港から飛行機に乗る用事があるときは、好んでこの特別快速を利用したいと思いました。

北広島駅を減速して通過。
またスピードを上げて特別快速らしい走りとなります。
恵庭の手前あたりからまた減速。
前に列車がつかえているらしい走りとなりました。

この特別快速は停車駅は少ないですが、所要時間は『快速』より1〜2分しか違っていません。
北広島、恵庭、千歳の3駅を通過してるのにほとんど時間が変わらないということは、どこかで減速しているということになります。

サッポロビール庭園で待避線に停車した貨物列車を追い抜くとまたスピードが上がりました。
北広島〜南千歳間は各駅停車、快速、特別快速、特急といった様々な種別の列車が通ることになったわけですが、昼間の時間帯は並行ダイヤとなり、旅客列車が他の旅客列車を追い越すことはなくなっています。
だからエアポートの毎時6本化ということができたのでしょう。

逆に割を食ったのが千歳線を走る特急列車。
多くの特急が札幌〜南千歳間でスピードダウンを余儀なくされています。

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 千歳駅を通過。

千歳を通過すれば次は南千歳です。
南千歳を全列車停車としたのは、新千歳空港と苫小牧・室蘭方面、それに石勝線の乗り継ぎを考慮したからでしょう。

車掌による南千歳からの乗り換え案内放送が始まります。
苫小牧行普通列車、函館行北斗14号に続いてのアナウンス。

「この列車に間違ってご乗車され、目的地を行き過ぎたお客様もいらっしゃると思います」
「札幌方面へ戻るお客様、区間快速エアポート81号をご利用ください」

この放送には苦笑してしまった。

確かにJRの営業規則には、誤って区間外の乗車をしたときは無賃送還の取扱いをするという決まりがあります。
ダイヤ改正初日だから誤乗客はいるでしょうが、だからと言って誤乗客向けに戻る列車の案内をするのもどうかと思うのですが。

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 新千歳空港駅に到着。

南千歳ではここで交換するはずの79号が遅れているためにしばらく停車。
南千歳〜新千歳空港間は単線なので、こうなってしまう。

やがて79号が到着し、こちらも発車。
この時点で3分遅れとなってしまった。
定刻ならば13:06着のところ13:09着。

向かいの2番線は13:09発区間快速81号が停車中。
こちらが着くと、向こうもすぐに発車して行きました。
新千歳空港側が単線とあっては、毎時6本が限界とも見て取れます。


 ◆ これ以上は限界の新千歳空港駅

一斉に下車した6両編成の乗客は飛行機への乗り継ぎ客ばかり。
2箇所の階段・エスカレーターと1箇所の改札口では、降りた乗客集中して渋滞し、なかなか捌けません。

エスカレーター前には延々と長い行列ができ、今着いた乗客が全員ホームから出られるまで3分ほどかかりました。
その間にも空港から札幌行に乗る乗客が次々とやって来るのだから、混雑は相当なものです。

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 新千歳空港駅ホーム端と線路終端。

だからと言って駅の拡張とは簡単にはいかないのが地下駅の宿命でもあります。
費用の問題もさることながら、ここは新千歳空港ターミナルビルの直下。
そこで地下の土木工事を行うとなると大工事になってしまします。

時おり複線の新線と新駅を建設する案や、苫小牧方面や石勝線方面へスルーする新線の計画が持ち上がり報道なんかされますが、一向に実現する気配はありません。

そんな大風呂敷な案はともかく、解決策があるとすれば、ホーム反対側の壁にホームを新設して2面2線にするとか、新たな階段と改札口を設けて下車客と乗車客の動線を分離するとか。
それでもターミナル直下の土木工事となってしまうので、難しいところでしょうね。

いずれにしても、新千歳空港アクセスを根本的に改良するには、新線の建設しかなさそうです。
出ては消え出ては消えの新線計画。
拡張工事もままならない新千歳空港駅。

エアポートが毎時6本となった今ダイヤ改正が最終体制となり、半永久的に続くのでしょうか。

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 新千歳空港2Fセンタープラザ。

新千歳空港駅に着いたので、エスカレーターを上って出発コンコースへ。
吹き抜けになったセンタープラザに来ると、これから旅の始まりとワクワクしてくるところです。

しかし、今回は快速エアポートに乗りに来ただけなので、飛行機に用はありません。
なぜここへ来たかというと、一旦ここを通らないと到着ロビーへは行けない構造なので。

新千歳空港のターミナルビルって意外と上下方向が複雑になっていて、出発ロビーと到着ロビーはそれぞれ独立した場所ということになっています。
出発客と到着客の動線、あるいはJRから、バスから、一般車から出発ロビーまでの経路が完全に分離されて、まるで別次元の存在のようです。

例えば、バスで着いた人はというと、バス到着レーンからエスカレーターで上れば直接出発ロビーに出る。

あと、JR駅からエスカレーターで出発ロビーに向かう途中、中2階のような謎のフロアを通りますね。
あそこは何かというと、一般車の降車レーンからの空港入口なのです。
送迎車やタクシーで来て飛行機に乗る人と、列車で着いて飛行機に乗る人があそこで合流する仕組み。

だから動線に従って移動すれば新千歳空港は非常にわかりやすい。
反対に別の動線から別の動線へ移動するとなると、迷路のような建物となるわけで。

話がずれてきたので、元に戻します。

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 1F到着ロビーにある新千歳空港駅入口。

さて今度は、飛行機で到着した気分になって『エアポート』に乗車してみましょう。
私はJALの利用が多いので、南側の到着口から出てくることがほとんどです。

到着口から荷物を持って出てくると、地下へ続くエスカレーターがあり、その上に札幌方面への発車時刻パネルがあります。
この表示を見て、改札口まで走るか次の列車にするかを決めるわけです。

おっと、危ないから走っちゃいけませんね。

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 ほぼ等間隔で便利になった新千歳空港発エアポート。

さっき札幌から乗ったときは、好んで特別快速を利用したいとしましたが、新千歳空港から乗るときはまた事情が違います。
とにかく、発車時刻が一番近い列車に乗り、1分でも早く帰りたいと思うわけです。
まあこれは札幌に帰る人限定でしょうが。

この時点で一番近い列車は13:29発快速エアポート85号ですかね。
札幌発と違って、新千歳空港発は10分に近い間隔での発車となります。

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 快速エアポートのライバルは空港連絡バス。

このエスカレーターの隣には中央バスの案内所もあって、札幌市内各所とを結ぶ空港連絡バスの乗り場があります。

一時期は自宅近くの中島公園駅行の便を利用していたこともありましたが、大幅に減便されたことと値上げしてJR以上に高くなってしまってからは縁遠くなりました。

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 中央バス運行の札幌都心行。

本数や所要時間では快速エアポートの敵ではありませんが、札幌市内の地下鉄バスターミナルや各ホテルを経由するなど、鉄道ではカバーできない地域の乗客を拾う役割となっています。
普段はニッチ的な存在ですが、輸送障害で『エアポート』が運休するとこちらに乗客が殺到することになります。

あと、最近激増してきた大荷物のインバウンド客には、床下トランクに荷物を預けられるためか人気のようです。

バスの話を始めるとまた脱線となるので、また機会があれば。

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 新千歳空港駅改札口前の発車時刻案内。

さて、到着口向かいのエスカレーターを下って長い通路を歩いて新千歳空港駅へ。
到着口から駅までは、基本的に下に向かえば自然と駅に向かう構造になっています。
この辺りはよく考えて設計されていますね。

発車時刻パネルには『区間快速』『特別快速』『快速』の3種別が並んでいます。
分かりやすいようにと色違いにしてありますが、これが逆に初めての人が見たら戸惑うでしょうね。

ここも停車駅案内が無いのが気になります。
初めての人が見たら、途中追い越しがあるのか、特別料金が必要なのではとか、いろいろ悩んでしまいそう。

札幌と新札幌までなら、停車駅や所要時間の差こそあれ、先に乗った列車が先に着くことになります。
それくらいはすぐに目視できる案内は欲しいところです。

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 新千歳空港駅改札口。

改札口の自動改札は入場用と出場用にきっちり分けられています。
出発ロビーへ上るエスカレーターへ向かう出場用は真ん中、到着口からきっぷ売り場を通り入場用は両端。
狭いコンコースで、せめて動線は分けようと工夫が見られます。

でも逆に言えば、工夫できるのはこれくらい。
とにかくホームから改札口へ、改札口から出発ロビーへの流れは2箇所のエスカレーターに集中するのだから渋滞が避けられません。

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 新千歳空港から札幌までの全列車時刻表。

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 南千歳からの乗り換え時刻表。

改札口前の壁には、今ではすっかり珍しくなった行灯(あんどん)方式の時刻表がありました。
新千歳空港発時刻と札幌着時刻が全列車掲載。
隣は南千歳から各方面への乗り換え時刻表。

便利そうですが、見ている人はいませんでした。
スマホやネットでいつでも乗り換えが調べられる時代、駅に行かなければ手に入らない情報ではないですから。


 ◆ 新たに登場した区間快速

特別快速はこれまで早朝と夜に限定して運行していたものを日中の毎時に拡大したものですが、区間快速は今回のダイヤ改正で新設されたものです。
これまで札幌〜千歳・苫小牧間で運行していた普通列車を、札幌〜北広島間に短縮されました。
北広島〜南千歳間の普通列車はというと、この区間を各駅停車となる区間快速が普通列車の役割を担うというもの。

その新設された区間快速に、今度は乗ってみることにします。

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 新千歳空港駅の狭い島式ホーム。

今度は13:39発区間快速エアポート87号の客となります。
ホームの発車時刻パネルの上部に停車駅案内がありますが、文字が小さく暗くてわかりにくいのは困ったもの。

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 ホームに掲示のエアポート停車駅案内。

新千歳空港からの場合は間違って特別快速に乗っても、次の南千歳で降りれば問題ありません。
南千歳までに気づけばの話ですが。

あと、やっぱり先に発車した列車が先に着くという表示は必要でしょう。
この停車駅案内だと新札幌あたりで特別快速に追い越されるようにも見えます。

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 733系電車のLED行先表示。

今度乗るのは区間快速の87号。
733系電車。
新しくてきれいなのは気持ちが良いですが、いかんせんロングシート。
古びて汚れているけどクロスシートの721系とどちらが良いのかは人によって分かれるところでしょうか。

車内はエスカレーターに近い車両から埋まって、端の車両は空席も目立ちましたが、発車時刻間際には座席もほとんどが埋まりました。
私は先頭車両に乗り込みましたが、立つことになりました。
座席の客に詰めてもらえば座れそうですが、そこまでする必要もなく。

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 区間快速エアポート87号の車内。

発車時刻になりますが、列車は一向に発車しません。

「ただいまこの駅に到着する列車が遅れています」
「その列車が到着してからの発車となります」
とアナウンス。

遅れているのは、小樽から来る快速の88号。
なかなか到着しない。
その間にも、新たな乗客が1人2人と増える。

今乗っている87号の次に発車する89号は特別快速で、札幌着はこの列車と3分しか違わないのだから、急ぎでないのならば次の特別快速をご利用くださいと案内があっても良さそうなものですが。

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 向かいの2番線にエアポート88号が到着。

やがて721系の88号が到着。
こちらもドアが閉まりすぐに発車となる。
すでに5分遅れでの発車となります。

やはり単線の南千歳〜新千歳空港間はボトルネックになりますね。
一旦ダイヤが乱れると、回復に時間がかかりそう。
10分間隔ではダイヤなどあって無いようなものともなりかねませんね。

南千歳からは運転席窓のシェードが開けられ、ここからは前面展望の客となります。
私はたまたま空いていたからここに立っていたんだという振りをしていますが、最初から狙っていたということは言うまでもありません(汗

前方だけでなく、たまに速度計にも目をやると、速度は110km/h止まり。
以前は120km/hだったし、そのさらに前は恵庭停車でも札幌〜新千歳空港間を36分で結ぶために130km/h運転を行っていたことを思うと、少々寂しい気がします。

多くの列車を通すためには、こうして減速してダイヤを平行させるしかないわけで、日中に限っては以前のように島松駅やサッポロビール庭園駅で追い抜き追い抜かれるということはなくなりました。

それにしても、新千歳空港から乗った列車が各駅停車というのは、まだるっこしい感じが抜けませんね。
先に出た列車が先に着くとは分かっているのですが。
空港の到着口から出て、次の列車が特別快速だったらラッキーと思い、区間快速ならば損したなあと思うところでしょうか。

札幌発空港行と違って、空港発で札幌へ行く場合は選んで乗るものではありませんからね。

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 大勢の乗客が待つ恵庭駅。

今までと違って、区間快速に乗れば新千歳空港から北広島まで各駅停車となります。
9時台から15時台まで毎時2本。
この区間の快速が停まらない駅からの利用者にとっては貴重な列車です。

千歳、恵庭、北広島といった快速停車駅からの乗客はさすがに多いですね。
逆にそれ以外の駅からの乗客はさほどでもなく。
各駅停車は毎時2本に減便となりましたが、それも妥当なのかなという印象でした。

ダイヤ改正前の日中の普通列車はガラガラで走っていましたから。
だけど、今日からは常に混んでいる列車しか来ないので、快速通過駅からしたら札幌直通の快速が来るようになった反面、座れなくなったという不便さも出てきましたね。

あとは北広島を境に、各駅停車は分断された格好になります。
北広島で各駅停車同士を乗り継ぐと、どの列車も20分前後の接続待ちを余儀なくされます。

これら快速通過駅相互間の利用客は少ないことと、分断されるのは日中時間帯だけで、それ以外の時間帯は今まで通りの運行なので問題はないとの判断なのでしょう。

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 西の里信号場で733系エアポート110号とすれ違う。

南千歳からずっと進行前方を見ていると、次から次とエアポートとすれ違います。
お互い10分間隔なのだから、単純計算で5分ごとにエアポートとすれ違うことになります。

そのエアポートを見ていて気付いたことは、721系率の高いこと。
今ダイヤ改正で、積極的に721系電車をエアポート系統に投入したような感もあります。

その目撃した『エアポート』と普通列車の車両を表にまとめました。

87号からの目撃車両
号数車両目撃区間
88号721新空港
区快90号721南千歳
92号721千歳
94号
733ビール
96号
733恵庭〜恵野
98号721島松〜北広
744M721北広島
110号733西の里
112号
721上野幌
746M721平和
114号721白石〜苗穂
特116号733札幌

エアポート毎時6本のうち、4本は721系のような印象です。
私は車両について詳しくないので、こうした運用が固定なのか毎日異なるのかはわかりません。

一方で、江別方面の普通列車にエアポート編成の733系を見たり、なんだかよく分からないですね。
ロングシートの733系は空港アクセス客からは余程不評なのか。

いずれにしても、721系も製造から30年以上が経つ車両ばかりなわけで。
しかもステップ付きではバリアフリー未対応。
721系のエアポートも、そう長くは続かないということは想像がつきます。

DSCN4319.JPG
 移設された札幌駅場内信号機。

回復運転もままならず、5分遅れを引きずって間もなく札幌着。
線路横は北海道新幹線の土木工事が始まっています。

札幌駅の手前で1つ気づいたのは場内信号機。
以前は線路上に渡されたトラスに信号機がずらりと並んでいましたが、下に移設され簡素なものになっていました。
信号機下の表示器に入線する番線が表示されるというもの。
だから何だってんだ、と言われそうですが、ちょっと珍しい方式なので挙げてみました。

1番線が撤去されたときに新しくされたんでしょうか。

DSCN4330.JPG
 札幌駅に到着。

こうして新たな体制となったダイヤ改正後の新千歳空港アクセスを見てきました。
運行体系が複雑となった感は否めませんが、エアポートが毎時6本化された効果は大きいように思えます。

10分間隔が新千歳空港側に合わせられているので、札幌発の運転間隔がいびつになってしまったのが残念なところ。
しかしこれは、空港直通客と途中停車駅の乗客を分離する効果もあるようです。

今後の課題があるならば、やはり停車駅の不案内でしょうか。
毎日の利用者や私のような鉄道ファンならば頭に入るのでしょうが、やはり3種別の快速が入り乱れて走っている印象を持ちます。
それに時間帯によって運行体系が異なることになってしまいました。

空港アクセスやエスコンフィールドへの乗客は乗り慣れない人も多いでしょう。
エアポートの発車案内は、停車駅がはっきりとわかる表示にするべきだと思います。

この度のダイヤ改正で、ほかに色々と思うところはありますが、あちらを立てればこちらが立たず。
そんな話ばかりになってしまうので、今回は割愛させていただきます。

〜最後までお読みいただき、ありがとうございました。  


posted by pupupukaya at 24/03/17 | Comment(0) | 鉄道評論
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