仙台市内発一筆書きっぷの旅1〜宇都宮まで

 ◆ はじめに

10月初めに、JALで国内航空券タイムセールというキャンペーンをやっていたのを見つけ、あれこれ検索していたら札幌〜仙台間片道7,870円というのを見つけました。
往復で15,740円。思わずポチってしまったのです。

別に仙台に行きたかったわけではなく、行先は宇都宮
そう、今年(2023年)8月26日に開業した、あの宇都宮ライトレールに乗ってみたくて。

これはチャンスとばかりに仙台までの往復航空券を買ったわけですが、問題は仙台から宇都宮までどうやって行くか。

普通ならば新幹線の一択だろうし、仙台〜宇都宮間ならば片道1時間ちょっと。

だけど新幹線は高いなあ。
えきねっとのトクだ値10%OFFでも7,520円、往復ならば15,040円だ。
単純往復だけでこれだけの金額は馬鹿らしい気がします。

かといって普通列車だと片道5時間以上かかる。
青春18きっぷでもあれば別だけど、さすがに普通乗車券で5時間以上かけて移動する気にはなりませんね。

何かいい方法はないものかと時刻表を隅から隅まで眺めていたら、いい方法を思いつきました。

それは、仙台から新幹線で宇都宮へ行き途中下車。そこから今度は一旦東京へ出て、常磐線経由で仙台へ戻るというもの。
仙台〜宇都宮〜東京(日暮里)〜いわき〜仙台となる片道乗車券が成立します。

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 仙台〜宇都宮〜日暮里〜いわき〜仙台のルート。

というわけで、仙台市内発仙台市内行、一筆書き乗車券を購入してきました。
この辺の経緯や、きっぷの効力については前記事

  仙台市内発仙台市内行、一筆書き乗車券

を参照願います。

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 仙台市内発仙台市内行の乗車券。

2011年に起こった東日本大震災による被害と、福島第一原発事故の影響から長らく一部区間の不通が続いていた常磐線ですが、こちらも2020年3月に復旧し、特急『ひたち』の運転も再開されています。

全線運転が再開した『ひたち』にも再度乗ってみたいと思っていたところです。
こんなことでもないと、乗ることはまず無さそうなので、いい機会です。

宇都宮ライトレールと全線再開の『ひたち』、両方乗車できて一挙両得となった格好です。
行程は、宇都宮のホテルを予約して、1泊2日としました。

買うものは買って、予約するものは予約すれば、あとは天気が良いことと運行トラブルが無いことを祈って出発日を待つばかりです。

それでは旅行記本文どうぞ ↓ ↓ ↓ ↓



 ◆ 札幌 6:42 → 新千歳空港 7:20【エアポート64号】

飛行機に乗る日はいつも朝早い。
夜明け前の暗い道を歩いて地下鉄で札幌駅へ。

札幌6時42分発快速『エアポート64号』で、まずは新千歳空港へ向かう。

DSCN0012.JPG
 札幌を6時42分に出発。

車両はオールロングシートの733系電車。
座れず。

この時間帯は途中で降りる人も少ないだろうから、終点まで立ちっぱなしだろうな。
案の定というか、途中から乗ってくる人の方が多いくらいだった。

新千歳空港着は7時20分。

仙台行JAL2900便の出発時刻が7時50分なので30分前の到着だが、保安検査場を通って搭乗口に着いた時には既に事前改札が始まっていた。結構ギリギリだった。
余裕を持つなら、もう1本早い快速エアポートに乗る必要がありそうだ。


 ◆ 新千歳 7:50 → 仙台 9:00【JAL2900便】

飛行機に乗るのは今年3回目になる。
前々回は6月のフィンランド行、前回は丘珠から函館までの片道利用、今回は仙台である。

ここ10年以上前から毎年1回は飛行機に乗る機会があるし、年2回乗った年もあった。
でも、年3回乗るのは初めてじゃないかな。

対して北海道新幹線に乗ったのは、2016年に開業してからまだ3回しかない。
札幌から新幹線に乗るには新函館北斗駅まで行く必要があることから、まだまだ新幹線は縁遠い乗り物だ。
札幌に住む私にとっては、飛行機のほうが身近な乗り物ということになる。

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 新千歳空港からJAL2900便仙台行に搭乗。

予約・購入したときは座席は選び放題だったけれど、機内に入ると座席はほぼ埋まっている。
朝早い便とあってか、乗客の顔ぶれだけ見ればビジネス便。
窓からカメラを向けている人など私くらいなもの。

まあ、滅多にない出張で乗ってもカメラを外に向けてしまうんだけどね。
乗り物に乗ると、子供に戻ってしまうワタクシなのでありました。

7時40分、全員搭乗したということでドアが閉まって飛行機が動き出す。
10分早発ということになるが、もう乗ってくる人がいないので早く出るということらしい。
こちらも早く着く分にはありがたいことだ。

飛行機は新千歳空港を離陸すると苫小牧を見下ろしながら上昇を続けると一面雲となってしまった。
雲が途切れて再び下界が姿を現すと、一面真っ白の雪景色。

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 一面雪景色の十和田市上空から。

日本海側でも経由しているのかと思ったが、下に見えた市街は十和田市。
札幌でも新千歳空港でも見なかった雪を、こんなところで見るとは思いもしなかった。

新千歳空港を早発したせいもあってか、仙台空港には8時50分に着いた。こちらも10分の早着。
預け荷物はないのでそのまま出口へ。スタコラサッサと仙台空港駅を目指す。

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 仙台空港到着ロビー。


 ◆ 仙台空港 9:08 → 仙台 9:38【1315M】

仙台空港駅の改札口前に着いたのが9時00分。
ホームには9時08分発の仙台行電車が停車している。

飛行機の早発早着のおかげで1本早い電車に乗ることができたことになる。
この後の電車だと21分後になってしまい、仙台駅での乗り継ぎ時間が短くなるのでありがたいことだ。

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 仙台空港鉄道の仙台空港駅。

4両編成の電車は意外と混んでいて、先頭車両まで行くと空席があったので座ることができた。
これも意外だったのは車内の座席が4人ボックスシートだったこと。
ちょっと相席で座らせてもらう。

始発時はボックスに2人ほどだったが、途中駅で乗ってくる人が多く、どのボックスも満席になった。
ひと頃は東北地方の電車はロングシートばかりになってしまったが、仙台圏を中心にこうしたボックスシートの電車が増えているようだ。

札幌圏ではボックスシートなどほぼ消滅したし、新しい電車はひたすらロングシート化が進んでいる。
ボックスシートの気動車なんかがあっても、誰かが先に座っていると相席を敬遠してボックスシートを避ける傾向がある。

しかし、こちらの人はボックス席の相席にあまり躊躇しないようで、途中から乗った人も席が空いていればボックスシートに座る。
いいとか悪いとかではなく、電車文化の違いと思えば面白い。

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 仙台駅に到着。

1本前の電車に乗れたので、仙台駅の滞在時間が増えたことになる。
かといってどこかに行くほどの時間もないけれど。

駅の外に出て駅舎の撮影をして、また戻る。それくらい。
まあ、仙台駅はまた明日戻ってくるし。

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 新幹線と一体化した仙台駅の駅ビル。

3階新幹線コンコースの券売機で宇都宮までの自由席特急券を買う。
3,530円。
たかだか1時間ちょっとの乗車でずいぶん高いなあ。

新幹線改札口横に、ずんだ茶寮を見つけたのでカップ入りのずんだもちを買った。
ずんだ餅が食べたいなあと思っていたのでちょうど良かった。これは車内で食べる用。


 ◆ 仙台 10:14 → 宇都宮 11:31【やまびこ134号】

まだ10時前だが、ホームに行って新幹線でも眺めているかなと改札口を通る。
仙台市内→仙台市内の乗車券と、さっき買った自由席特急券を2枚重ねて改札機に投入すれば、一筆書きっぷのスタート。

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 仙台駅新幹線南口改札から一筆書きっぷのスタート。

新幹線ホームに上がると、結構な人だかりだった。
結構混んでいそうだなと思ったが、これは先に出る『はやぶさ12号』の客のようだ。

自由席の乗車口に向かう途中に駅弁屋があったので1つ買うことにした。
一番安いやつでいいやと思ったが、どれも千円以上する。

仙台味噌仕立て牛たん弁当というのを1つ買った。
1,180円、駅弁もいい値段がするようになったね。

かといって節約旅行というわけでもないので、食べるべきものはしっかりと食べたいものだ。

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 仙台駅新幹線ホーム。左は東京行きE5系はやぶさ12号。

隣の14番線ホームからは『はやぶさ12号』が発車する。
臨時列車なのだが結構な乗車率だった。

新函館北斗駅で見るはやぶさ号はいつもガラガラだが、上り列車に乗ってみると盛岡や仙台あたりから混んでくる。
仙台〜東京間はやまびこ号もあるのだが、これだと東京まで2時間以上かかるのに対し、はやぶさ号ならば1時間30分台。
新幹線の客に、30分も余計に時間がかかる列車に乗るような暇な人は少ないのだろう。

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 13番線にE5系やまびこ134号が入線。

こちら『やまびこ134号』の乗車口にも、今発車した『はやぶさ12号』からの乗り換え客が加わって行列となった。
と言っても、各5〜6人。
仙台始発なので、入線した列車に乗ってしまえば、車内はガラガラだった。

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 はやぶさと同じE5系やまびこの座席。

車両も座席も全車指定のはやぶさ号と一緒。
だけどみんな速い列車で行きたがるので、私のような急がない人はゆったりと旅行ができるのだ。

周りに人がいないので駅弁タイムにはもってこい。
さっそくテーブルに駅弁とデザートのずんだ餅を並べる。

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 仙台味噌仕立て牛たん弁当とカップ入りのずんだもち。

駅弁とビールといきたかったけど、今日は金曜日。
私は休みをいただいているけれど、会社の方々は働いておられるので、ドリンクは自販機で買ったお茶にした。

最近増えてきた上げ底タイプの容器は気に入らないが、冷めていてもおいしいのはやはり駅弁ならでは。
やっぱりビールを買えば良かったかなと思ったが、いや今日は昼は飲まない。

デザートはずんだ餅。
最近ネット動画で、ずんだもんなるキャラクターをやたらと目にするようになって、無性にずんだ餅が食べたいと思っていた。

ボクはずんだもんなのだ!
枝豆の風味とやさしい甘さなのだ!
ずんだにはやっぱり緑茶なのだ!

完全にネット動画の見すぎだな・・・

DSCN0152.JPG
 『やまびこ』とて最高速度は『はやぶさ』と同じ320km/h。

速度計アプリを立ち上げて窓に立てかけておいたスマホが315km/hを表示した。
やまびこ号ながら車両ははやぶさ号と同じE5系だし、最高速度はどちらも320km/h。

新幹線もいつの間にか300km/h時代になっていたのだった。

DSCN0201.JPG
 郡山駅を発車するやまびこ55号。奥は郡山始発なすの274号。どちらもE5系。

福島では4分停車。
この間に、後発の『はやぶさ108号』が通過して追い抜く。

その次の郡山でもまた4分停車。
こんどは『はやぶさ14号』が通過して追い抜く。

E5系はやぶさがE5系やまびこを追い抜く。

通過線を挟んだ向かい側に停車している列車もE5系。
いつの間にか東北新幹線もE5系ばかりになってしまったんだねえ。

福島・郡山と乗ってくる人もいたが、車内は依然として空いている。

DSCN0210.JPG
 山頂が白くなった那須岳を見る(新白河付近)。

DSCN0240.JPG
 宇都宮駅に到着。

11時31分宇都宮到着。
時刻表では11:35発となっているが、これは4分停車のため。

札幌発6時42分発快速エアポートで出発してから宇都宮まで、乗換え3回、所要4時間49分

いやあ遠かった。
ちなみにこれが羽田空港経由だとしても時間はほぼ変わらない。

現在建設が進んでいる北海道新幹線札幌開業が実現して、はやぶさ格の列車が宇都宮に停車するとしたら、札幌〜宇都宮間の所要時間は4時間10分台てところだろう。最速ならば4時間を切るかもしれない。

北海道新幹線といえばとかく東京〜札幌間の所要時間ばかりが話題になり、札幌まで伸びても飛行機の敵にはならないということにされているが、北関東〜札幌間ならば新幹線は大アリだと思うのよ。

北海道庁もJR北海道も、こういった所をもっとPRすればいいと思うんだよね。
もっとも、はやぶさ格列車の宇都宮停車は、JR東日本が渋っているらしいですが・・・

2へつづく  


posted by pupupukaya at 23/12/06 | Comment(0) | 東日本の旅行記
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