2024年春ダイヤ改正とエアポート増発

毎年12月にリリースされる翌年春のJR北海道ダイヤ改正概要ですが、今年は11月に早くもリリースされました。

今回は主に千歳線と快速『エアポート』に関することで、これらの列車の運行体系が大きく変わります。

大まかに説明すると、これまで日中は快速『エアポート』が毎時5本運行され、停車駅も皆同じだったものが、来春改正後は『特別快速』『快速』『区間快速』の3種類による運行となり、本数も毎時6本となるようです。

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 ↑ JR北海道 2023.11.15【社長会見】快速「エアポート」増発および停車拡大についてより引用

普通列車の運行体系も大きく変わり、千歳線の札幌発着の普通列車は札幌〜北広島間に短縮されます。
北広島〜千歳間は、北広島から各駅停車となる『区間快速』が普通列車の役割を受け持つことになります。

そういえば昔、新千歳空港がまだなく千歳空港だった頃、札幌〜北広島間が快速になる列車がありましたっけ。

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 ↑『JR北海道 北海道ダイヤ’90 1時刻表』より引用

上の時刻表にある、札幌10:44発の列車がそれ。

この当時は空港アクセスの主役は特急列車で、快速『空港ライナー』(小樽発着のはマリンライナー)が特急列車の空白時間帯を埋めるようにして運転されていました。

このうち、区間快速となる『空港ライナー』は、札幌駅高架開業の1988年11月ダイヤ改正で登場した列車です。

時刻表を見ると、北広島行普通列車が接続していたり、途中で特急『ホワイトアロー』に追い抜かれているあたり、空港アクセスよりも札幌と島松以遠の各駅の所要時間を短縮することが目的の列車と思わせます。

その後、1992年の新千歳空港開業に合わせて快速『エアポート』の運行が始まると、日中の空港アクセス列車は『エアポート』に一元化され、こうした区間快速は姿を消しました。

北広島から先は各駅停車となる区間快速は、およそ32年ぶりの復活となります。

一方で、新札幌・南千歳のみ停車の『特別快速』は、現在朝の上り2本、夜の下り2本だけですが、毎時1本の運転に拡大されます。

これまでは新千歳空港アクセスといえば、早朝と夜間を除き停車駅が同じ単一の『エアポート』だけでしたが、ダイヤ改正後は3種類の列車を選んで乗ることになりますから、複雑になりそうです。

で、これら3種の快速列車の所要時間がどのようになるのか、現在の時刻表から算定してみました。
現在の快速『エアポート』の札幌〜新千歳空港間所要時間は、37分〜39分とばらつきがありますが、中間の38分として比較したのがこちら。

2024年春改正後
『エアポート』所要時間
(筆者予測)
特別快速 快速 区間快速
33分38分
45分

毎時6本は平均すると10分間隔になります。
特別快速と区間快速では所要時間で12分の差がありますから、10分等間隔とすると途中で特別快速が区間快速に追い付いてしまいますね。

これはおそらく、特別快速は北広島〜千歳間のどこかで、各駅停車となった先発の区間快速を追い越すダイヤになるのではないでしょうか。

同じ快速同士の追い抜き追い越しでも、
特別快速は、札幌および新札幌と新千歳空港を結ぶ空港アクセスに特化した列車。
区間快速は、札幌と北広島以遠各駅を結ぶ速達列車+急がない空港アクセス客と分離する目的からすれば問題ないわけです。

ただ、同じ快速でも列車によって停車駅がバラバラで、しかも途中追い抜きが発生することになると、旅客案内が大変そうですね。
快速エアポートのホームには、発車案内標の下に停車駅を表示する案内板も追加で設置する必要もありそうです。

しかも問題がもう1つあり、千歳線は快速だけでなく特急列車も毎時1〜2本運転されており、各駅停車の列車は特急列車にも道を譲らなければなりません。

現在は北広島駅で快速列車と普通列車の追い抜きが行われ、同時に相互の列車と接続しているわけですが、来春のダイヤ改正後はこれがなくなります。

日中は札幌から千歳・苫小牧方面へ直通する各駅停車がなくなるので、札幌〜北広島間普通と北広島〜新千歳空港間が各駅停車となる区間快速が北広島で接続するダイヤとなるでしょう。

日中は少なくとも、北広島駅で快速と普通が相互に接続することはなくなるわけです。

現在は北広島で、場合によっては普通が快速と特急の2本に追い抜かれるといったダイヤもありますが、来春ダイヤ改正ではそれも難しくなります。
北広島で特急が快速を追い抜くこともないだろうし、また折り返しの普通列車で常に1線ふさがる状態になるわけですから。

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 緩急退避が難しくなる2面4線の北広島駅。

そこで、待避線のある島松駅サッポロビール庭園駅の存在が重要になってくるわけです。
うち、サッポロビール庭園駅は待避線が上下線別々にあるのに対し、島松駅は待避線は中線の2番線1本だけで、こちらは上下線で共用する形となります。

島松駅の以前は駅舎と反対側に4番線ホームがあって、こちらは下り列車の待避線として使用されていましたが、バリアフリー化に対応できないという理由から2021年に廃止され、現在はホームも跨線橋も撤去されています。

旧ダイヤで行っていた北広島での緩急列車の追い抜きが難しく、島松駅の待避線が上下共用の1線だけとなると、新ダイヤはなかなか厳しそうです。

そんな島松駅ですが、駅構内は何やら工事が行われていました。
現在は基礎工事のようですが、何やら線路を増設しているようにも見えます。

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 島松歩道橋から工事中の島松駅構内を見る。

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 島松駅西側に設置の工事看板。

一体何の工事だろうと思い、駅裏にある工事看板を見ると、保守用車庫の新設工事とありました。
場所は駅舎の線路を挟んだ反対側。
既存の保守用車庫も1棟あって、そちらは札幌保線所島松保線管理室の建物があるすぐ裏側にあります。

車庫新設工事は、除雪体制強化のための除雪車の待機場所かとも思いましたが、私はちょっと別のことを思いつきました。

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 南21号線踏切から島松駅構内を見る。

それは、島松駅の旧4番線を、下り列車の通過線とする工事なのではないかということ。
現在は3番線が下り本線となっていますが、これを4番線に振って、3番線を下り待避線にするのではないかということ。

島松駅南側の踏切から駅構内を見ると、下り本線を旧4番線に振るとなると、既存の保守用車庫が支障となるように見えます。

この保守用車庫を移転して、通過線を新設するのではないか。
そんなふうに想像できます。

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 南20号線踏切から島松駅構内を見る。

島松駅北側の踏切から構内を見ても、旧4番線を通過線としても用地的には支障がないことがわかります。
もう1つ気になったのが、島松駅南側踏切に設置してあった工事看板。

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 南21号線踏切手前に設置の工事看板。

3回に分けて夜中に踏切を全面的に通行止めにして線路工事が行われるようです。
これも通過線新設のための工事なのでしょうか。
ただ、踏切前後の路盤工事は行われてないので、ただのレール交換工事かも知れませんが。

  ★   ★   ★

以上、来春の千歳線新ダイヤについてあれこれ想像してみたわけですが、こんなのものは来月には新ダイヤの詳細がリリースされるでしょうし、1か月前になればダイヤ改正号の時刻表も発売されるから、あとで答えが分かることなんですけどね。

私ら鉄道ファンにとっては、年1回のダイヤ改正は大いに関心ごとではあるし楽しみでもあるわけで、こうした一部リリースから予想を立ててみるのも大きな楽しみでもあるわけです。

〜というわけで、ここまでイチ鉄道ファンの妄想にお付き合いくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 23/11/16 | Comment(0) | 鉄道評論
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