あると思っていたものがいつの間にか無くなっていたものってありますよね。
駅にあるキヨスクもその1つ。
ホームや地下鉄駅にあったキヨスクが姿を消してから久しいですが、その後も閉店やコンビニ等への業態転換などが続き、札幌市内でも現在までキヨスクという形態で残っている店舗はJR札幌駅と新札幌駅だけとなっていました。
そのキヨスクがまた閉店となります。
以下上記リンク先からの引用です。
閉店店舗ならびに閉店日時は以下の通りとなります。
◆キヨスク札幌ラッチ西店(改札内店舗)
閉店日時 2023年3月22日(水) 18:00
◆キヨスク札幌西コンコース北店(改札外店舗)
閉店日時 2023年3月27日(月) 18:00
◆キヨスク札幌東コンコース中央店(改札外店舗)
閉店日時 2023年3月28日(火) 18:00
3月29日からは、札幌駅に残るキヨスクは改札内にある2店舗だけになります。
札幌駅をご利用いただくお客様へのサービス向上を目的とした業態転換を行うため、閉店することとなりました。
おそらく他の駅と同様にコンビニとしての再開となるのでしょう。
そのほうが便利といえば便利ですが、駅のキヨスクが改札内のを残してすべて消滅すると思うと少し寂しいものを感じます。
改札内の2店舗(ラッチ中店、ラッチ東店)はそのまま残るようですが、今の流れだといずれは1店舗に統合してコンビニ化となると思われます。
そんな最後の姿のキヨスクを見に札幌駅へ行ってきました。
キヨスク閉店のお知らせの張り紙。
東改札口前のキヨスク。
東改札の真ん前にあるキヨスクが東コンコース中央店。
常に人の流れが絶えない場所にあって、お客が絶えることが少ない忙しい店です。
スタンド型の店舗は、キヨスクで何か買ってから“汽車”に乗る、旅立ち前の儀式のようなものを思い出します。
隣は駅弁の弁菜亭の売店。
いいですね、駅弁とお酒を買ってどこかへ旅に出たいと思う光景です。
駅弁の弁菜亭と並ぶ。
東改札口とキヨスク。
キヨスクと言えば対面販売で、並んだ商品越しに店員とやり取りしていましたが、そのような営業形態の店舗は既になくなっています。
今は並んでいる商品を直接取ってレジで精算するコンビニやスーパーと同じ方式。
この東コンコース中央店も例外ではなく、店舗をぐるり取り囲むように並んだ商品を直接取ってレジで精算する仕組みです。
キヨスク東コンコース中央店。
キヨスクを見ていると、売れ筋はペットボトル飲料とお菓子それにパンやおにぎり。
缶コーヒーや栄養ドリンクなんてものが昭和〜平成時代のオヤジ御用達でしたが、今や片隅に。
キヨスクに並んだ商品を見ていると、今の時代の売れ筋商品というものがわかるところが面白いですね。
積み重ねられた新聞。
キヨスクと言えば新聞ですね。
とは言ってもそれはひと昔前のことで、通勤途中にキヨスクに寄って新聞を買い求めたのは昔の話。
ニュースなんてスマホで最新のものが無料で読むことができるようになった時代ですからね。
今でも新聞は一応置いていますが、たま〜にスポーツ新聞や競馬新聞を求める客がいるくらい。
10年も経てば紙の新聞というものも消滅しているのかもしれませんね。
あと、雑誌は全く置いていません。
過去には新聞とたばこに並ぶキヨスクの売れ筋商品だったのですが、雑誌が消えたあたりに時の流れを感じます。
東コンコースにある北海道四季彩館札幌東店。
東コンコース北側にある四季彩館は道内キヨスクの業態転換のひとつ。
土産物を主体とした店舗で、主要駅ではよく見かけます。
西改札口横にもありましたがあちらは新幹線工事に伴って閉店しましたが、こちらは営業を継続しています。
目立たない場所のためか閑散としていますが、鉄道グッズが地味に充実している店でもあります。
キヨスク東コンコース中央店閉店後は、元の場所に壁とドアで仕切った店舗を建ててコンビニとして再開するのでしょうか。
地下鉄大通駅南北線コンコースのコンビニはそのような店舗になってますね。
北口のわきにひっそりとある札幌西コンコース北店。
こちらは西コンコース唯一の売店ともなっています。
とは言っても場所が場所だけに閑散としているのが残念ですね。
こちらは3月27日閉店予定。
きっぷ売り場、ミスタードーナツと並んでいるが・・・。
こうして画像だけ見ると悪くない立地のようですが、駅利用者の動線からは少し外れた場所。
向かいの北海道どさんこプラザが再開してからはさらに影が薄くなったようです。
ここをコンビニとするにはちょっと狭いですね。
利用者が圧倒的に多い西コンコースからテナントが無くなるのも勿体ないので、場所を移してコンビニとして再開することでしょう。
ここは別カテゴリの売店となるのでしょうか。
東コンコースの同じような場所にもキヨスクがありましたが、そちらは洋菓子の売店になっています。
まさか凹んだデッドスペースと化すことは無いと思いますが。
5・6番線階段横の札幌ラッチ西店(別の日に撮影)。
こちらは一足先に閉店となったラッチ西店。
今はシャッターが下りたままとなっています。
画像はまだ営業中だった頃のもの。
一見すると対面販売のようにも見えますが、ここも商品を持ってレジで精算する仕組みです。
柱で分断されている場所なので使い勝手は悪そうな場所ですが、西改札口から各ホームへ向かう動線上なので悪くない場所です。ここはどのようなテナントとして再開するのでしょうか。
5・6番線エスカレーター下の札幌ラッチ中店(別の日に撮影)。
東改札精算所横にある札幌ラッチ東店(別の日に撮影)。
札幌駅でキヨスクとして存続するのがラッチ中店とラッチ東店。
今後もキヨスクとして存続するのかというと、ちょっと厳しいのではないでしょうか。
改札口側から見るとキヨスクが3店舗直線状に並んだ格好になっていて、こんなにキヨスクがいるのかと正直思ってしまいます。
これもラッチ中店に集約してコンビニ化となるのかもしれません。
札幌駅のキヨスク3店舗が閉店後は、改札内の2店舗、あとは新札幌駅1店舗と新函館北斗駅3店舗(うち1店は休業中)だけになります。
しかも改札外にあるキヨスクは新札幌駅だけに。
他の駅と同様に、新札幌駅のキヨスクも早いうちにコンビニ化されるのではないでしょうか。
駅に行けばキヨスクがあったなんてことも昔話となる日は近いようです。
★ ★
さて、ここからは昔を振り返り、JR札幌駅構内にあった過去のキヨスクを見てみましょう。
7・8番線ホームにあったキヨスク(2006年5月撮影)。
2000年代前半頃までは札幌駅の全ホームにキヨスクがあったものですが、普通列車しか発着しないホームから順次撤退し、2015年の夏ごろにはホーム上の全店舗が閉店となった模様です。
上画像は7・8番ホーム東側にあったキヨスク。
このほかにも西側のエスカレーター前、ホーム中央にはそば店と一体となった店がありました。
同じホーム上にキヨスクが3店舗もあったなんて、今じゃ考えられませんね。
ありとあらゆる商品を取り揃えたホームのキヨスク(2012年9月撮影)。
キヨスク、駅弁、そば店が一体となったホームの店舗(2007年6月撮影)。
ほぼ普通列車専用だった9・10番線のホームにもキヨスクと立食いそばがありました。
特急の発着する5・6番ホーム、7・8番ホームはこのほかにも駅弁のワゴン販売があって、この時代のホームは賑やかでしたね。
上画像はそんな時代の一コマ。
こんど新しくできる新幹線札幌駅のホームには何らかの形での売店はできるのでしょうか、気になるところ。
西改札口の横、東西通路の角にあったコンビニキヨスク(2006年3月撮影)。
こちらは西コンコースの改札口横にあったキヨスク。
キヨスクと言えば対面販売でしたが、客がセルフで商品取る方式の店舗をコンビニキヨスクとしていたようです。
南口から西改札口に向かう場所なので常に混雑していました。
この場所は北海道四季彩館札幌西店があったのが記憶に新しいですね。
確か2011年に改装して四季彩館となったと記憶してます。
四季彩館も新幹線工事に伴い2022年10月に閉店となりましたが、少し離れた場所で北海道四季マルシェ札幌ステラプレイス店と名を変えて営業中です。
立地としては最高の場所なので、新幹線工事がひと段落したらまたキヨスク系の営業によるテナントが再開するのではないでしょうか。
対面販売だった頃のラッチ中店(2004年8月撮影)。
こちらは今のセルフ形式になる前のラッチ中店。
積み上げられた新聞と雑誌がひと昔前を感じます。
おっと、2004年の画像ですから、もうふた昔近く前ということになりますね。
パソコンが家庭に普及してインターネットが身近になった時代ですが、スマホはまだなく、2つ折りのガラケーが主流だった時代ですね。
団塊の世代もバリバリ現役。
新聞や雑誌といった紙の媒体が最後の輝きを放っていた時代とも言えましょう。
2005年の画像に今の形態となった店舗が写っていたので、改装されたのはその間と言うことになります。
ラッチ東店(2004年8月撮影)。
こちらはラッチ東店。
新聞の高さがすごい。あと横積みになった雑誌の数も。
対面販売とは言え、この頃にはセルフで商品を取る方式になっていました。
レジ?
この頃のキヨスクはそんな無粋な機械は置いていません。
店員さんの所へ持っていくと暗算で、すこし複雑になると電卓をたたいてお客に金額を伝えるわけです。
さらにもうひと昔前はソロバンをパチパチやっていましたな。
で、千円札などを出すとお釣りを渡される。
そのお釣りの出し方がキヨスク独特で、ボタンをガチャンガチャンガチャンと叩くと叩いた回数の枚数が出てくる機械があって、そこから出していましたね。
コインカウンター釣銭機と言うらしいですが、見るたびに、きっとあれ叩きながら暗算していたんだろうなと思っていました。
駅の窓口でも同じものを使っていましたね。
キヨスクの店員というのはそんな熟練というか職人技が要求されること、狭い場所で基本立ちっぱなしというハードな仕事、早朝・深夜の営業と年中無休という不規則な勤務形態から人手不足ということになってくるわけです。
7・8番線エスカレーター下にあったスーベニアキヨスク(2004年8月撮影)。
スーベニアキヨスクという売店もありました。
こちらは土産専門店という形態で北海道四季彩館の全身ともいえる店舗でした。
北海道四季彩館札幌北店と名を変えて営業していましたが、この場所はいつの間にかメガネスーパーコンタクトに変わっています(現在は空き店舗)。
東改札前の東コンコース中央店(2005年7月撮影)。
こちらは18年前の東コンコース中央店。
上部の看板部分デザインが異なる以外は現在の店舗と同じ。
今の店舗は2台のレジ前がカウンターのようになっているが、この当時はレジがないので3方向から客とやり取りができるようになっていました。
今よりも開放的な感じがしますね。
階段の向こう側は札幌弘栄堂書店の札幌駅東店。
今は書店が急速に姿を消していますが、この時代はデパートでも大型スーパーでも必ず書店が入居していた時代でした。
新たにできる新幹線駅や商業ビルに書店が入居することはあるのでしょうか。
こんな画像1枚でも時代の流れを感じますね。
ステラプレイスとJRタワー、それに8月に閉店が決定している札幌エスタ。
札幌駅前も北海道新幹線の2030年度末を開業を目指して様変わりします。
長らく札幌駅南口広場の顔だったエスタは8月31日の閉店が決まっており、その後は解体工事となります。
跡地は高層ビルの建設となります。
駅正面の旧西武跡地も高層ビルの建設が決まっています。
あと数年もすると札幌駅南口の眺めも様変わりしていることでしょう。
駅前通りも札幌駅からすすきのまで多くのビルが解体や建設工事を行っています。
この通りも新幹線が開業するころには、昭和時代からのビルは総入れ替えして、今とはまるで違う通りのようになっているかもしれません。
時代の流れが早くなりすぎて、うっかりしているとついて行けなくなりそうですね。
安易に「昔は良かった」などと口から出そうですが、昔は良かったけど今もまた良いと思うようにしなければ、あっという間に年寄りになってしまいそうです。
東コンコース中央店のお酒コーナー。
今日は改札外にあるキヨスクの最後の姿を見てきたわけですが、写真だけ撮って何も買わないのも何なので、お酒を買ってきました。
純米酒金滴のカップ2本。
このお酒は札幌駅のキヨスクでしか見かけないのですが、札幌駅キヨスク限定のお酒なんでしょうか。はてさて。
結構おいしいお酒で、札幌駅の駅弁との相性も抜群。
駅弁のお供にどうぞ。
って宣伝みたいになってしまいましたね。
新たな店舗として再開しても、置いてくれると嬉しいのですが。
私は支払いに極力現金を使わない主義なので、この買い物の支払いも電子マネーで。
Kitacaなど交通系だけでなく、流通系の各種電子マネーも使えるので、なかなか便利です。
私はWAONで支払います。
ところでこのキヨスクがコンビニとして再開したらWAONは使える店になるのでしょうか。
もし使えなくなったら、私としては少し不便になります。
純米酒 金滴(280円)。
隣の駅弁屋で駅弁も買って、列車に乗り込んでどこかへ行きたくなりますが、それはまたこの次に。
2本の金滴は持って帰って一杯やることにしましょう。
〜最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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