あけましておめでとうございます。
今年は2023年、早いもので令和も5年を迎えます。
年が明け、久しぶりに地下鉄すすきの駅に行ったら、あちこちに工事のための囲いができていました。
工事看板にある工事名は『すすきの駅リフレッシュ改修ほか工事』。
調べたら、これは南北線すすきの駅のホームやコンコースの壁と床を美装化する工事で、工期は2023年3月15日までとなっていました。
地下鉄南北線開業時からほぼ変わらないコンコース。
南北線のさっぽろ駅、大通駅、すすきの駅のコンコースはタイルの床に銀色の柱というのが共通したデザインでしたが、さっぽろ駅と大通駅のコンコースは大規模な改修工事が行われたので今は新しくなってます。
大通から地下街ポールタウンを歩いてすすきの駅に着くと、現れるのは時代が昭和に戻ったかのような空間。
開業当初から大きく変わらない姿のコンコースに古びた印象は否めません。
天井はあちこち雨漏りの補修だらけと老朽化も進んでいるようです。
2020年にススキノラフィラが閉店してからは行き止まりのイメージが強くなりました。
それでもラフィラ跡地では『(仮称)札幌すすきの駅前複合開発計画』の建築工事が進んでいて、こちらは今年(2023年)の秋オープン予定。
新しく開業する複合商業ビルは駅直結。
すすきの駅も、それにふさわしいデザインに改修されることでしょう。
どこか昭和時代を思い出すコンコース。
ところで、個人的には地下鉄南北線のイメージというと、タイル貼りの床に銀色の柱というイメージを持っています。
柱をステンレス製の化粧板で覆うのは1960年代から70年代にかけての流行だったんでしょうか。
あの当時からすれば、これが近未来的な建築だったんでしょうね。
しかしこの南北線の駅は造りがしっかりしているのか、50年以上たっても朽ちた感じはなく、清潔感を保っているように見えます。
むしろ後にできた東西線のコンコースのほうがどこかくたびれた感じに見えるのはどうしたことか。
最後まで残った、すすきの駅の開業当初からのコンコースがなくなるのは少々残念な気もしますが、もう50年以上も使われて老朽化も隠せない状態では、このまま使い続けるわけにもいかないのでしょう。
今の旧ラフィラ前。
上の画像は改札口からポールタウン方向を撮影したもの。
左側の壁はかつてのラフィラの入口で、閉店になってからはその出入口は閉鎖されました。
ラフィラの閉店と新型コロナウイルスによる行動制限から人通りも減ってしまい、今では少々寂しい場所になってしまいました。
ラフィラがあった頃(2020年5月撮影)
こちらがススキノラフィラがあった頃。
閉店が2020年5月だったから、早いものでもう3年前になるんですね。
新しい複合ビルがオープンすれば、再びここが出入口になると思われます。
ススキノラフィラ地下入口(2020年5月撮影)
ラフィラは地下出入口から入ると正面がエレベーターホールでした。
このエレベーターは外から見ると4基あるのに内側は3基だけ。一番奥のものは埋められているという謎のエレベーターでした。
ラフィラのエレベーターと言えば、それにまつわる色々な怪談もありましたな。
それも今となっては昔話ですがね。
ラフィラ側から、すすきの駅コンコースを見る(2020年5月撮影)
それはともかく、私はラフィラといえば、市電の山鼻線がすすきの終点だった頃は、ラフィラ地下1階のイトーヨーカドーで買い物してから市電で帰るなんてことがしばしばありました。
会社帰りに狸小路や地下街をぶらぶらしてススキノまで歩き、スーパーで買い物できましたから。
百均や本屋もあって、結構便利だったんですが。
市電がループ化されると、わざわざススキノまで歩くこともなくなって、ラフィラもススキノも、ちょっと縁遠い場所になってしまいました。
かつての『ロビ地下』ことロビンソン百貨店の入口(2009年1月撮影)
このビルは、さらにひと昔前はロビンソン百貨店でした。
この場所は『ロビ地下』なんて呼んでいたのも懐かしい思い出。
私などちょっと油断すると、旧ラフィラのことをついロビンソンと言っちゃいます。
ロビンソンが閉店したのは2009(平成21)年。
同じ年にラフィラとして再オープンしています。
そのさらに昔をさかのぼるとヨークマツザカヤ。
その時代を知っている人となると40歳代後半より上の人たちでしょうな。
うちの親など『ヨーク』と略して呼んでいました。
私もさすがにその時代の写真は持っていません。
もう30年近くも前の、まだ平成も一桁だった頃。
ヨークマツザカヤ時代で思い出すのが、入り組んだ通路でごちゃごちゃしていた地下2階ですね。
ごまそば八雲にラーメン屋の喜龍、それに名前は忘れたがパチンコ屋があったのを覚えています。
覚えていますというか、どれもよく行ってましたから。
そのさらに昔の松坂屋時代となると、私らのもう2回りも上の世代の時代になりますかね。
すすきの駅キヨスク(2018年2月撮影)
もうひとつ思い出すのは、改札口横にあったキヨスク。
地下鉄駅のキヨスクも気づけば全店が閉店したか、コンビニに商売替えしたかで1店舗も残っていません。
すすきの駅のは地下鉄駅でも遅くまで残っていた方ですが、2018年3月に閉店しています。
閉店後は店舗も撤去されて、ずっとデッドスペースとなっていました。
他の駅はキヨスク跡地にコンビニなどで店舗が復活した例もありますが、すすきの駅は改修後にコンビニなどはできるのでしょうか。
ラッチ内コンコースから。
こちらはホームに下る階段から改札口方向を見たもの。
忘新年会シーズンは夜になるとラッシュ並みの混雑となったホームやコンコース。
そのためか、ラッチ内が広く取られています。
今は北側にも改札口が設けられましたが、昔はここ1か所だけでしたから。
1番ホームへの階段。
ホームへの階段はちょっと暗くて狭い。
レンガ調のタイルが、夜など何か出てきそうな・・・
もっとも、この駅は夜の方が賑やかなんですが。
ホームからコンコースへの階段。
都心部の駅にしてはちょっと心もとない狭い階段。
地下鉄南北線が開業したのは、札幌オリンピックを目前に控えた1971年12月。
札幌の人口が100万人を超えたあたり。
あの当時はこの程度で十分だという見方だったのでしょう。
あの頃の札幌の人口はうなぎ登りで増えていて、地下鉄の利用者数も開業当初からうなぎ登り。
あっという間に手狭となったからでしょう、この後に開業した東西線以降の地下鉄はどの駅も広く設計されるようになりました。
地上へ出ると、すすきの交差点には18階建ての複合商業ビルが姿を現していました。
地下2階にはイトーヨーカドーが入り、地下1階から地上4階までは複合商業ゾーン、5〜7階は北海道発進出というTOHOシネマズ、7階から18階までが東急ホテルズというもの。
もう一方の狸小路のサンデパート跡地にできる複合ビルは『モユクサッポロ』。
こちらは今年の春オープンを目指して建築中。
去年閉館した4丁目プラザも解体工事が終わり、あらたなビル建設が始まるようです。
それ以外にもピヴォや道銀ビルも建て替え予定だとか。
札幌の都心もどんどん変わってゆきます。
今年はモユクがオープンし、すすきのの複合ビルがオープン。
すすきの駅だけでなく、大通・狸小路からススキノあたりのイメージもがらりと変わるのでしょうか。
どこか哀愁漂う、すすきの駅。
昭和から平成を経て今は令和時代。
すすきの駅コンコースが新しくなると知って、昭和という時代がまた一つ遠ざかってゆくような気がします。
〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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