2022年名古屋・伊勢参り旅行記3

 ◆ 伊勢市 → 桑名【快速みえ12号】

駅前のイートインの店で伊勢うどんを食べて、再び伊勢市駅へ。
こんどは三岐鉄道北勢線に乗るために、桑名まで移動します。

着いたときは通り抜けただけだったが、今度は伊勢市駅の観察をしてみよう。

伊勢市駅はJR東海と近鉄の共同使用駅で、外宮(げくう)側はJR、反対側は近鉄の駅舎となっている。
参拝客や観光客が主に出入りするのはJR側。
改札口は2社共用で、改札内では両社の隔たりはなく、JR側1〜3番ホームと近鉄側4・5番ホームを長い跨線橋が結んでいる。

改札口横にはJRのみどりの窓口と券売機、改札口の向かいに近鉄の窓口と券売機が並んでいる。
改札口の上には発車案内があるが、ここに表示されるのはJRの列車だけ。

ここはJR東海の駅舎。名古屋方面に行く人は快速『みえ』で行ってもらいたいのだろう。
しかし近鉄に乗る客にとってはちょっと分かりにくい駅だ。

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 伊勢市駅はJRと近鉄の共同使用駅。

改札口の上に目立つのは『ICカードでJR線にはご乗車になれません』の表示。
2つも大きく掲げてあるし、発車案内標にも『ICカードは使えません』のメッセージが流れ、各列車の行ごとにも表示がある。
これは伊勢市駅を含め、JR参宮線がICカード乗車券のエリア外となっているため。

一方で近鉄はICカード乗車券が利用できる。
JR東海の発行しているTOICA(トイカ)でもJRでは使えず、近鉄では使えるというのがややこしい。

どういうことかというと、伊勢市駅の改札口にICカードをタッチすると近鉄の入場記録となり、近鉄名古屋駅では出場できるがJR名古屋駅では入場記録が無いので出場できないということ。

こんな説明でおわかりいただけましたか・・・?
とにかく、伊勢市駅からJRに乗るには必ず切符を買ってください

私は桑名まで行くので、JRの券売機で乗車券を買う。1,690円。

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 自動改札機はJR仕様と近鉄仕様の両方設置。

1番ホームで鳥羽始発の名古屋行き『みえ12号』を待つ。
近鉄ホームは複線電化で都市近郊電車の駅だったが、こちらJRの方は非電化でローカル線そのもの。
程なく入線してきた『みえ12号』はたったの2両編成だった。

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 鳥羽始発、2両編成の快速『みえ12号』。

3ドアオール転換クロスシートの車内。
伊勢市から乗車した客は1両当たり10数人ほど。
鳥羽から来た列車は空いている上にここ伊勢市で入れ替わったので、伊勢市発車時でも空席が目立った。

1号車の半室は指定席になっている。
最初知らないで指定席に座ってしまったが、気づいて自由席に移った。

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 快速『みえ』キハ75形気動車の車内は転換リクライニングシート。

『みえ』は3ドアながらも転換クロスシートが並び、特急列車並みの停車駅とスピードということもあって、乗り得の快速列車ということになっている。
だけど、行きに近鉄特急に乗っただけに遜色感は否めない。

JRと近鉄を伊勢市〜名古屋間で比較すると、

近鉄特急は6両編成で毎時2本、所要約1時間20分。
JRは2〜4両編成で毎時1本、所要約1時間30〜50分。
値段は近鉄特急が2,810円(運賃+特急料金)、JRが2,040円。

本数と所要時間と車内の快適さは近鉄が圧倒、JRは料金不要の快速なのでその分安い。
普通の旅行客ならば近鉄特急に軍配、安く行きたい人や新幹線からの乗り継ぎ客ならば通し運賃となるJRといったところだろう。

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 近鉄特急と比べるとショボい印象。

12時21分に気動車らしくエンジンを震わせて伊勢市を発車。
10分も経たずして田丸駅に停車。時刻表では通過となっているので運転停車だ。
4分ほど停車して、下り鳥羽行き2両の普通列車が到着。それから発車となる。

線路はずっと単線非電化。
車内も車窓も、とても名古屋に発着する列車とは思えない、ローカル線そのもの。

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 六軒駅で下り普通列車と交換。

松阪、津と停車すると乗って来る人がいるが降りる人もいて、鳥羽・伊勢市〜名古屋間の利用よりも地元の人の区間利用のほうが多い印象。
単線で気動車というのもあるけど、区間利用が多いのが一層ローカル線ぽく感じる。

私も桑名で降りる客だ。
区間利用だと、近鉄の料金不要電車を利用すると松阪で乗り換えとなるために時間がかかるし、特急は直通で早いが割高となり、しかも全車指定席。

JRと近鉄は競争というより、名古屋へ直通は近鉄特急、区間利用はJRと棲み分けが出来ているようだ。

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 三重県の県庁所在地、津駅は日本一短い駅名。

津からは第三セクターの伊勢鉄道線へと乗り入れる。
元々は国鉄伊勢線だったけど、国鉄再建法で第2次特定地方交通線に指定され、国鉄末期に第三セクター鉄道に転換された路線。
国鉄時代に切り離され、皮肉にも新制JR東海となってから直通の快速『みえ』が運転開始となった。

当然ながらこの区間はJRの乗車券では乗ることが出来ない。
普通乗車券だと伊勢鉄道線の運賃も含まれているが、青春18きっぷ等のフリーきっぷだと伊勢鉄道線の運賃が別途必要になる。

津を発車すると車掌が車内検札に回る。
伊勢鉄道線内は無札の客が結構いるようで、そのたびに車掌さんは車内券を発行する。
あと伊勢市駅でICカード乗車券で入場した客とか。
通路挟んだ向かいの客は、なんと近鉄の誤乗だった。

不案内な人が、あの伊勢市駅で名古屋行きの表示を見たら、そりゃこっちに乗っちゃうだろうなあ。
車掌は伊勢市〜名古屋間の車内券を発行する。
「近鉄の乗車券の払い戻しは近鉄の駅で尋ねてください」と説明していた。

とにかく『みえ』の走る区間の運賃体系はややこしい。
この伊勢鉄道線問題もあるから、快速『みえ』運行区間でのICカード導入はまだ時間がかかりそう。

伊勢鉄道線に入ると複線区間も現れ、最高速度も110km/hにアップ。
ようやく都市間快速らしくなってきた。

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 桑名駅に到着。

『みえ』は通過するが、河原田からは再びJRに戻り、ここからは関西本線を走る。
線路も電化されてようやく都市近郊路線らしくなってきた。

13:40、桑名着。
名古屋へはあと1駅、桑名からは立ち客も乗せて『みえ』は発車していった。


 ◆ 西桑名 → 阿下喜【三岐鉄道北勢線】

桑名駅は、最近完成したらしい新しい橋上駅になっていた。
ホームは近鉄とJRが隣り合わせになっているが、改札とコンコースは別々になっていて、2つの駅を自由通路で結んでいる。
三岐鉄道北勢線の西桑名駅は東口から出てバスターミナルの一角に駅舎があった。

東口側にあるのに西桑名とはまたややこしいが、これは北勢線が開業した当時は桑名駅の場所は西桑名町という町名だったということから。
その後桑名市に編入されても駅名は西桑名のままとなっている。

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 三岐鉄道北勢線の西桑名駅。

桑名駅の橋上駅舎は新しくなったが、バスターミナルの方は古いままとなっており、ここもそのうち再開発工事が始まるのだろう。
西桑名駅舎も同じくして建て替えとなるか、新しい桑名駅舎に統合となるのか。

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 西桑名駅のきっぷうりば。どことなく昭和的。

西桑名駅は鄙びた昭和チックな駅だが、自動改札機があって意外と近代的だった。
ただしICカードは非対応。

券売機で終点の阿下喜(あげき)までの乗車券を買い、改札を通る。
ホームで電車を待つ乗客は意外と多く、買い物帰りとか部活帰りの学生とか、地元の人ばかり。
鉄道ファンらしき人は、私以外いないようだった。

ホームから線路を覗き込むと、やはり線路幅は狭い。
遊園地なんかの観光鉄道の線路を思わせる。
しかし、れっきとした営業路線だ。

13:56、阿下喜始発の3両編成の電車が到着。

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 阿下喜から来て西桑名で折り返す134・135・276からなる3編成電車。

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 ナローゲージ(762mm)の線路幅。

電車は狭い線路幅に合わせて車幅も狭いが、車高は他の鉄道と同じくらいなので妙にほっそりとしている。
車体幅は2,130mmだからロングシートで向かい合わせに座ると窮屈だろう。
だけど、私は車体幅2,230mmが標準の札幌市電に慣れているせいか、さほど狭くは感じない。

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 車体幅2130mmの車内はロングシートのため狭い印象。

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 非冷房のため天井には東芝製の扇風機が下がる。

西桑名を発車すると、JRと近鉄の線路をオーバークロスして西へ向かう。
この北勢線の陸橋が、JRや近鉄の車内から見るといかにも軽便鉄道というように見えたものだ。
馬道、西別所と住宅地が続いていて、駅ごとに何人かが下車する都市近郊電車となっている。

軌間が狭いせいなのかよく揺れる。
吊り掛けモーターが「ゴ〜〜〜」と景気よく唸るが、速度は30〜40km/h止まり。
軽便鉄道というより、路面電車の専用軌道区間に似たような走行っぷり。

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 軽便鉄道並みの規格ながら、路面電車とは違い踏切は常に電車優先。

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 蓮花寺駅で西桑名行きと交換。

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 終点が近づくと軽便鉄道のような雰囲気に。

西桑名から49分で終点阿下喜へ。
無人駅だと思っていたら、意外にも駅員がいて自動改札機もあった。

北勢線の電車はワンマンカーだが、車内で運賃の収受をしていないのは、全駅に券売機と自動改札機があるからなのだった。
無人駅では遠隔操作で管理しているという。
電車の走りっぷりとは裏腹に、営業面では近代化された路線なのだった。

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 北勢線終点の阿下喜駅。


 ◆ 阿下喜 → 西桑名【三岐鉄道北勢線】

折り返しは15:01発。
わずか5分間で改札を出て、駅舎の撮影をして、切符を買ってなので忙しい。

券売機は500円玉を入れると何度も戻ってくる。
よく見たら『新500円硬貨は使用できません』と張り紙が。
駅員に言って替えてもらう。

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 阿下喜駅の改札口。各駅に自動改札機が設けられ近代化されている。

戻りの上り電車はガラガラだった。
4駅目の東員では下り電車との交換待ちのため8分停車。
ちょっとホームに出ていろいろ撮影する。

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 北勢線の鉄道むすめ『楚原れんげ』の東員駅駅名標。

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 東員駅で7分停車。阿下喜行き電車と交換。

東員からは何人か乗ってきたが、ほとんどの人が途中で下車している。
全線乗り通す人はあまりいないようだ。
西桑名〜阿下喜間20.4kmを1時間近くかけて走るのんびりした電車。
そんな電車に乗り通す客など、鉄道好きくらいなものだ。

軽便鉄道規格の電車に揺られながら、昔北海道内各所にあった殖民軌道に思いを馳せていた。
開拓地の交通の便や農作物の運搬のために道内各地に建設された軽便鉄道。
歌登町営軌道のように時刻表に掲載されていた路線もあるが、多くの路線は戦後に道路整備が進むと人知れず消えていった。

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 休日午後、のんびりとした車内。

殖民軌道は北海道の原野に細々と延びる軌道でディーゼル動車。
こちらは同じ軌間ながら電化されて重軌条化もされている都市近郊鉄道。
似て身につかない両者ではありますが。

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 西桑名駅に到着。

西桑名着15:56、桑名から名古屋へ戻れば今日の行程は終了。
桑名から名古屋へは近鉄は16:04発急行、JRは16:07発快速とある。

ここはJRの快速とした。
なぜならば、運賃が近鉄は450円、JRは350円と100円も違うのだ。
桑名〜名古屋間のJR運賃は本来ならば420円なのだが、なぜこんなに安いのかは当ブログの読者クラスの方々には説明不要でしょう・・・。


 ◆ 桑名 → 名古屋【快速5312M】

桑名駅の自由通路から線路を眺めていると、貨物列車が入ってきた。
機関車はDF200形ディーゼル機関車、レッドベアではないか。
北海道専用だと思っていたが、こんなところでも活躍していたんだね。

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 桑名駅の橋上駅から。

16:07発、名無し快速名古屋行きは亀山始発で4両編成の電車。
関西本線の名古屋口は亀山まで電化されている。

JRの本数は近鉄の比ではないが、運賃が安いこともあってかそれなりに乗車客はあるようだ。
車内に入ると、転換クロスシートの車内は空席もあるが、座ると相席になる。
車両最前部に誰もいなかったので、そこに立って前を眺めていることにした。
名古屋までならノンストップ26分だ。

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 亀山始発の4両編成快速。こちらは電車。

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 開放的なクハ312の最前部。

桑名を発車すると複線電化の線路を走る。
快速『みえ』の参宮線や紀勢線と違って、さすがに名古屋近郊路線という感じがする。
揖斐川橋梁、木曽川橋梁と長い鉄橋を渡って、名鉄電車が停車する弥富駅を通過すると単線になってしまった。

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 近鉄と対抗するも、悲しいかな関西本線は単線。

八田駅ではレッドベアが牽くタンク列車と交換のため運転停車。
関西本線の名古屋側は基本単線で、ダイヤも日中は快速毎時2本、普通毎時2本と地方都市並みと、とても名古屋都市圏の路線とは思えないほど頼りない。

これは近鉄が並行し、名古屋から桑名、四日市、津、松阪、伊勢といった主要都市も全て近鉄と競合するので、抜本的なテコ入れをしてもさほど乗客増は見込めないとのことなのだろう。

そんな単線になった関西本線が複線になったのは名古屋駅手前の、あおなみ線と合流するあたりからだった。

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 八田駅でレッドベア率いるガソリン輸送列車と交換。

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 線路が輻輳する名古屋駅。多治見行き8両編成電車とすれ違う。

16:33、名古屋到着。
当初の予定では17時半戻りのはずだったのだが、今朝の近鉄名古屋発の特急が1本早い列車に乗れたこと、伊勢神宮の参拝が早く終わったことで、1時間早く戻ることが出来た。

もうすっかり日が短くなって、午後5時をすぎれば暗くなってくる。
明るいうちに戻って来ることができたのは良かった。

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 名古屋駅に到着。

また歩いてホテルに戻る。
いいじゃんクーポン3,000円分をフロントで受け取らなければならない。

だけど、今日はもう店を探すのも面倒だし、昨日と同じく納屋橋のドン・キホーテで惣菜とビールを買ってきた。
クーポンは明日使うことにして、今日はこれでおしまい。

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 ドン・キホーテで買ってきた惣菜と『つけてみそかけてみそ』。

今日の夕食はおつとめ品の天むすとアジフライ。
つけてみそかけてみそは名古屋の人が常備していると言われる味噌ダレ。

とんかつにかけると味噌かつになるというもの。
昨日とんかつは食べたので今日はアジフライにしました。

明日は午前中は、あおなみ線に乗ってリニア・鉄道館へ。
午後は飛行機の時間までプチ・名古屋観光でもしていようか。
味噌煮込みうどんも食べたい。

そんなところでしょうか。

11月3日、本日の費用
費目場所金額\備考
交通費(近鉄)近鉄名古屋→伊勢市300特急券変更額
交通費(バス)外宮前→内宮前440Kitaca
お賽銭伊勢神宮500概算
交通費(バス)神宮会館→伊勢市駅350Kitaca
食費おみや桂500伊勢うどん
交通費(JR)伊勢市→桑名1,690 
交通費(北勢線)西桑名〜阿下喜 往復1,020 
交通費(JR)桑名→名古屋350Kitaca
食費ドン・キホーテ納屋橋店1,864夕食と翌朝食
11/3、合計7,014 


4へつづく  


posted by pupupukaya at 22/11/19 | Comment(0) | 中日本の旅行記
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