2030年度末開業を目指して工事が進む北海道新幹線。
いよいよ札幌駅でも工事が本格化します。
それに伴って9月30日はパセオが全面的に閉店、その他高架下のテナントも10月中には順次閉店が予定されています。
閉店日 | テナント名 |
2022年9月25日 | 北海道どさんこプラザ札幌店 |
2022年9月30日 | パセオ |
KINOTOYA BAKE | |
おにぎりのありんこJR札幌店 | |
リトルマーメイド札幌店 | |
QBハウスJR札幌駅南口店 | |
2022年10月下旬 | 北海道四季彩館札幌西店 |
2022年10月31日 | 弁菜亭西コンコース店 |
これらの閉店は新幹線高架橋工事と、それに伴う在来線高架橋の耐震補強工事のために、営業に必要なインフラ設備の撤去が必要となることから、工事中の営業継続が困難ということからです。
コンコースに隣接する多くのテナントが姿を消すことから、札幌駅もしばらくは不便な駅となりそうです。
一方では、10月16日からは新たに11番線ホームが使用開始となります。
これは現在の1番線を廃止して新幹線の高架橋が建設されるからで、11番線はその代替ということになります。
いよいよ札幌駅も大きく変わります。
しばらくは工事の音が響き渡り、あちこち通行止めや仮設通路となるうるさい駅となりそうですが、数年後に完成したらどのような姿になっているのでしょうか。
そんな札幌駅ですが、大きく変わる前の姿も記録に残しておこうと、この秋に消えてしまうものを中心に撮影してみました。
少々お付き合い願います。
paseo GRAND FINALEの垂れ幕とテルミヌス広場。
パセオのグランドフィナーレまで1週間を切りました。
オープンしたのは1989(平成元)年7月というからもう33年になるんですね。
あのときは今のパセオイーストのエリアだけの営業でしたけど。
パセオ・センターの地下入口。
テルミヌス広場。(この画像は1週間前のもの)
この広場には腰掛けが並べられていて、休憩場所となっていたのですが、いつの間にか撤去されてただの広場になっていました。
新型コロナ対策だったのでしょうか。
パセオ・イーストの地下入口。
私は昔のパセオのイメージが強く残っているので2011年にリニューアルした今のパセオはあまり馴染みが無いのですが、仕事で何度かパセオに1日滞在して作業していたことがあり、何年かして改めて画像を見れば感慨深いものとなっているかも知れませんね。
パセオの思い出投稿コーナーとカウントダウンボード。
日に日に日数が少なくなるカウントボード。
営業最終となるのは金曜日21時。
残念ながらで私は行けません。
パセオに来るのは今日が最後となりそうです。
パセオ1階東側のセイコーマート。
パセオ1階の一番東側にあったセイコーマート。
北海道旅行の最後にセイコーマートオリジナルの商品をお土産に買うにはもってこいだったのですが、旅行客の姿はあまり見ませんでした。
仕事以外で東側に行くことは少なかったですが、私が馴染み深いのはこちら西側、パセオ・ウエストの方です。
西コンコース側のパセオ・ウエスト。
かつてリニューアルされる前は宮越屋珈琲の窓となっている階段正面に大きなステンドグラスがありましたね。
あれはどこへ行ったんでしょうか。
カフェ、コンビニ、書店、ドラッグストアが並ぶ通路。
ヨドバシカメラに行くのにこの通路をよく通ってましたね。
コンビニ、書店、ドラッグストアと旅行に便利な店が一通り揃っている便利なエリアでもありました。
弘栄堂書店もよく立ち読みしていたっけ。
でも買った記憶はあまりない・・・(どうも申し訳ありません)
札幌弘栄堂書店。
この弘栄堂は最近まではアピアにもあったし、もっと前は国際ビルにも入っていました。
さらに昔は札幌駅名店街にもありましたね(古いねえ)・・・
元々は北海道キヨスクの経営でしたが、今は別の会社となっています。
書店はどんどん姿を消していますね。新しい駅となったときに書店は復活するのでしょうか。
パセオ・ウエストのエスカレーター。
パセオ・ウエストの1階と地下はレストラン街で、何を食べようか決められずにこのエスカレーターを何度も登ったり降りたりしたこともありましたっけ。
ところで、パセオ店内のあちこちで目にする天井や壁の白黒の模様は『テルミヌス・サウンド』といって、メロディーやサウンドをイメージしたデザインなのだそうです。
昔なつかしのサンプルが並ぶサンローゼ。
サンローゼばかつてすすきのにあって、昭和の香りプンプンという店内が印象に残ってますが、こちらパセオ店もその雰囲気は醸し出しています。
銀色の丸いトレイを持ったウエイター、子供が喜びそうな食品サンプルなど眺めていたら昔のデパートの大食堂を思い出します。
えぞっこの人形。
ここの人形が結構好きだったんですけどね。
このラーメンどんぶりを持つ赤いジャケットのおっさん人形は私的には馴染み深かった。
なぜかというと、道内時刻表にこのおっさんのイラスト入りの広告が載っていたからです。
1994年10月発行弘済出版社道内時刻表にあった広告。
この人形、名前とかあるのかなあ・・・
ググってみたけどわかりませんでした。
パセオダイニングの案内板。
札幌の地元人ならば誰でも知っている店からちょっとめずらしい各国料理まで名店が揃っているところでしたね。
西コンコース隣接ということもあってか、昼時はどの店も混雑しています。
このパセオですが、耐震補強工事が完成してもパセオとして復活することはないそうです。
平成元年から令和の時代に営業していたパセオはもう最後となります。
新たな駅が完成した暁には、どのような商業施設がオープンしているんでしょうかね。
次はパセオではなく、西コンコースにある案内所と福祉系ショップ、それにお土産屋が入居する『北海道さっぽろ「食と観光」情報館』。
北海道さっぽろ「食と観光」情報館。
ここは入って左側は道内各地の市町村や観光地のパンフレットが置いてあります。
どこかに旅行に行きたいなあ、というときはここでパンフレットを貰ってあれこれ行き先を検討したものでした。
右側は北海道どさんこプラザ。
ここも道内各地の名産品やお土産が揃っています。
新千歳空港あたりでは買えない地味な名産品なども置いていたりするので、それを知っている観光客には人気のようです。
私ら札幌人には、道内各地に行って土産物を買い忘れたときには便利ですね。
あと、アリバイ作りとか・・・
北海道四季彩館。
こちらは西改札口隣りにある土産物屋。
どさんこプラザと違うのは、こちらは札幌の土産物が中心。
キヨスクの系列店なのでJR北海道の鉄道グッズも置いていますが、そちらの品揃えは東コンコースにある四季彩館のほうが良いようです。
大丸と札幌駅の間。
パセオ・ウエストから外に出ると、こんな空間もあったりします。
ここに新幹線の高架橋が建設され、この空間もなくなるわけです。
だからどうしたと言われそうですけど、ここでお見せしたいのが札幌駅の南側の壁。
札幌駅は高架駅で、ホーム全体を鉄骨の建物で覆っているので、この壁が駅の顔となるわけです。
北口のは凝ったデザインとなっていましたが、南口のは白い壁に横長の窓だけというシンプルなデザインとなってました。
1・2番線が使用開始となった1990年に完成です。
今は1・2番線ホームの南側といえば暗い壁になっていますが、この窓から札幌駅前広場を見ることができた頃もありました。
ちなみにこの一部だけ顔をのぞかせている南側壁が札幌駅の顔だった頃の画像がこちら。
旧駅舎が解体された頃の札幌駅(1999年12月撮影)
古い写真をスキャンしたものなので色あせていますが、旧駅舎を取り壊して今の大丸やステラプレイスの建設が始まるまでの短い間、このシンプルなデザインが南口の顔でした。
こんどは入場券を買ってホームの方に行ってみましょうか。
10月16日から使用開始する11番ホーム。
すでに工事用の覆いが取り払われて10番線から見ることができます。
この場所は札幌駅が高架化された1988(昭和63)年、今の1・2番ホームが未完成だったために11番線が設けられていました。
当時は仮設だったために、他のホームには設置されたエスカレーターもなく階段だけ。
しかも鉄骨と鉄板で作られたものなので、列車が着くたびにホームを歩く人や階段を下りる大勢の客の足音が轟音のように響いていたのを思い出します。
1990(平成2)年に1・2番ホームが完成すると11番線ホームは使用停止になり撤去され、以降は車両留置線などに使用されていました。
こんどの11番線復活は恒久的なものとなります。
1・2番線ホーム。この島式ホームは、正式な名称は第1乗降場。
札幌駅の一番南側にあるホームで、主に手稲・小樽方面の普通列車が使用するホームです。
2番線は快速エアポートが発着することがありますが、1番線は普通列車だけ。
1番線廃止後の2番線は、普通列車専用のホームとなるのでしょうか。
そのほかには札幌が終点になる特急が到着するだけの地味なホーム。
あまり地味すぎるためか、ホームのキヨスクとそば店は他のホームよりも早い時期に閉店・撤去されています。
工事は左の1番線の線路を撤去し、このホームの左側を削って新幹線の線路が敷設されることになっています。
当初はこのホームが新幹線ホームとなるはずでしたが、ホームの幅といい、隣の線路との間隔といい、いくらなんでもちょっと無理そうですね。
だから新幹線ホームは東側に建設される大東案となったのも必然といえます。
3番線ホームから東側を見る。
1・2番線からだと乗務員待合室の建物があるので、3番線ホームから新幹線ホームができる東側を見ます。
新幹線の高架橋とかぶるためか線路の移設工事も行われるようです。新しいポイントも見えています。
跨線橋新設工事のために撤去される東側のホーム。
3・4番線ホームは『北斗星』や『はまなす』が到着できるようにホームを延長していました。
しかし両列車もなくなり、12〜13両+機関車という長大編成の列車が発着することもなくなって、またここに新幹線ホームと連絡する跨線橋が設けられることから、ホーム東側部分の撤去が始まっています。
同時期に高架化された金沢駅のように、初めから新幹線用地を確保してあればこんな複雑な構造にはならずに済んだはずなんですけどね。
今更どうしようもないことですが。
1・2番線ホームの階段から。
コンコース南側の東西連絡通路はガラスで仕切られていて、元々はこの通路から改札内コンコースが見渡せたものでしたが、いつしかコインロッカーが並ぶようになり改札内を見ることはできなくなっていました。
この東西連絡通路も閉鎖が決まっていて、コインロッカーも移設が始まっているようです。
コインロッカーがなくなって、前のようにお互い見通せるようになっていました。
これも短い間の光景ですね。
改札内コンコース。
コンコースの案内板にある『1』の部分は早くもシールが貼られていました。
10月16日からはシールを剥がせばOKということなのでしょう。
このホームの番数を表示した案内板には『のりば』と表示されていますが、他は『番線』となっているのにどうしてなんでしょうかね。
駅の自動放送は「○番線」になっているし、車掌の乗り換え放送は「○番ホーム」と言う人が多い。
呼び方を統一しようという声もとくに出ないようで。
割りとどうでもいいことかも知れませんが。
ところで、1番線がなくなると札幌駅のホームは2〜11番線ということになります。
これはどこかのタイミングで1〜10番線と改めることになるのでしょうか。
それとも1番は永久欠番となるんでしょうかね。
ここも8年後には大きく風景を変える南口広場。
冒頭の話に戻りますが、これから工事が始まる札幌駅です。
数年後には完成したエリアから新しい姿の札幌駅が見えてくることでしょう。
新幹線が来るようになったら、東京の風も札幌駅に吹いてくるのでしょうか。
最後に紹介するのが下の画像。
西コンコースで行われている『鉄道開業150年のあゆみパネル展』で展示されていた木造駅舎時代の札幌駅舎。
1908(明治41)年に完成したルネッサンス様式の3代目札幌駅舎。
それをAIがカラー化するWebアプリで色をつけてみました。
ルネッサンス様式の札幌駅旧駅舎(西コンコースに展示の写真を加工)
3代目木造駅舎から4代目鉄筋コンクリート駅舎へ。
地平駅から5代目高架駅と進化してきた札幌駅ですが、今度は新幹線の駅へと生まれ変わります。
どのような駅や商業施設に変わるのでしょうか。
昭和、平成、令和と3つの時代を生きる身として、この札幌駅の変貌を見届けたいと思っています。
〜以上、最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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