◆ 知床五湖へ
カムイワッカ湯の滝を見てまた車に戻る。
まだ相変わらずガスの中。
この辺りはずっと深い森の中。
ガスが晴れたとて、景色のいい場所でもなさそうだ。
わざわざダート道を11kmも走らせて来るまでもないんじゃないかと思う。
私みたいなダート道好きとかならば楽しいところだけど 。
来た道をまた戻る。
途中で20kmでノロノロ走る車に追いついた。東京のナンバー。
さすがに気づいたようで、先に行かせてくれた。
入って来ちゃったんだねえ。
こういう道の走り方は、以前に四国に行った時に覚えた。
カーブや待避所で対向車がいないことを確認して、直線区間ではスッと走る。
対向車が見えたら基本は譲る。
また舗装道路まで戻ってきた。カムイワッカからここまで20分くらい。
次は知床五湖に行きます。
1回500円の知床五湖駐車場。
日が差したり曇ったりガスの中だったり。
知床五湖もガスの中だった。
ここの駐車場は有料で1回500円。
しょうがないね。むしろタダな方がおかしい。
大した予備知識もなく、知床五湖って言うくらいだから5つの湖が見れるんだと思っていたがそうではなかった。
遊歩道を歩いて5湖全部見てくると1周3時間。
しかも5月から7月まではヒグマの活動期とあってガイドツアー参加者以外の入場は禁止となっている。
せっかく来たんだし、ガイドツアーでもいいかなと値段を見たらゲッ!6,000円。
一湖と二湖だけ見る1時間半コースでも3,000円。
う〜んさすが世界遺産知床、恐れ入りました。
ガイドツアーの案内。
お金も時間もないよという人は、知床一湖近くの展望台まで木道があるのでそちらをどうぞということになる。
さすが有名観光地だけあって、観光バスが着いてそのたびにツアーご一行がぞろぞろと。
湖の方向もガスってるし、行く気が削がれるが、駐車料金も500円払っているわけだし、行くだけ行ってみる。
高架木道の入口。
進めば進むほどガスが濃くなってゆく。
どうでもいいところでは晴れて、肝心なところはガスに巻かれるといった感じ。
高架木道の両脇は、クマが登って来れないようにするためか電気柵が張りめぐらされているのが物々しい。
駐車場から800m続く高架木道。
この辺りは熊笹が広がっていて所どころにある立木がガスに霞んでいる高原らしい風景。
初めてきたので晴れていればどんな風景なのか知らないが、こうガスで霞んでいては面白いものではないな。
どことなく幻想的と思えば悪くはないが。
10分ほどで展望台へ。
ここから見える湖は知床一湖ということになる。
ツアーご一行の人たちも撮影だけして戻る人が多い。
今日はどこも駄目だねえ。
雨に当たらなかっただけ良しとすべきか。
入れ替わり立ち代替わりのツアーの人たちを見ながら、次はどこへ行こうかと考えていた。
まだ13時を過ぎたばかり。時間だけはたっぷりとある。
知床一湖を望む湖畔展望台。
そうしていると、見る見るうちにガスが晴れて湖がはっきりと見えるようになった。
日が差して青空も見えるようになった。
多くはすぐに引き返してしまったツアーの人たちのうち、最後まで残っていた人たちは奇跡のような晴れ間に当たったことになる。
奇跡的にガスが晴れた知床五湖。
ツアーのおばちゃんたちも大喜びで記念撮影していた。
添乗員さんも「いやーこれは奇跡ですよ」なんて言って。
しかしこういうツアーというか団体旅行って、総じておばちゃんが元気だね。
今も昔も変わらない、未来になっても変わらないんだろう。
おじちゃんはどこへ行ったんだろう。
おじちゃんは今頃バスの中でブーたれてるのかな。
バスツアーの人たちも大喜び。
日が差して青空が出たのも10分間くらいの出来事。
海の方からモウモウとガスが流れてきた。
また次のツアーご一行がやってきた。
そろそろ退散するとしよう。
また海の方からガスが流れてくる。
どうもこの晴れ間は私の上だけ付いてくるような気がする。
空気が冷たくて寒いくらいだから、ずっとウインドブレーカーを羽織っているが、日が差す中を歩くと暑いくらいだ。
また駐車場に戻ってきた。
パークサービスセンターの中には土産物屋と軽食の売店があって、ツアーの人たちにはソフトクリームが人気だ。
私はというと、朝のバイキングを食べすぎてまだお腹いっぱい。
◆ 知床自然センターとフレぺの滝
次はどこへいくかというと、一番奥のカムイワッカから戻る格好となっているので、次は知床自然センターということになる。
ここからフレぺの滝まで遊歩道があって歩いていけるようだ。
知床自然センター。
ここの駐車場は無料だった。
そんなに観光スポットでもないのに駐車場がやたらと広いのは、8月のハイシーズンは知床五湖からカムイワッカまでのダート区間がマイカー規制になり、ここからシャトルバスに乗りかえるためのようだ。
今は車で直接カムイワッカまで行けるので駐車場はガラガラ。
案内所でフレぺの滝まで歩いていけるのか聞いてみる。
知床に行くというのに熊鈴をもって来なかったのだ。
歩いて行けるが、遊歩道の途中にクマが居ついてしまったので今はう回路になりますとのこと。
「クマは出ますか」と聞いたら、案内所のおねえさんはあっさりと「出ますよ」。
遊歩道の案内のチラシの裏に『ヒグマと出会ってしまったら』の説明書きがあるので読んでくださいねだって。
「それでは行ってらっしゃい」の言葉に送られて、歩いて行く羽目になってしまった。
フレぺの滝遊歩道は道道側からの迂回路となっている。
国道を少し下ったところにフレぺの滝入口があった。
脇にヒグマの目撃情報をカレンダーに記してあるのだが、それを見ると思いっきり昼間に出没している。
スマホでRadikoのラジオ放送でも鳴らして行こうとしたが、こんな音クマに聞こえるのかな。
と思って進んで行くと、1人、2人とすれ違う。
考えたらフレぺの滝は知床八景のひとつ。
クマに遭遇する心配はなさそうだった。
途中でバスツアーらしいご一行を追い越して展望台に到着。
切り立った入江の上の展望台から。
展望台に登ると入江と流れ落ちる滝が見える。
この滝には川がなく、地下水が断崖の割れ目から直接流れ落ちるといった変わった滝。
流れ落ちる様が涙に似ていることから別名『乙女の涙』とも呼ばれているとか。
フレぺの滝は地下水が直接流れ落ちる変わった滝。
さっき追い越したツアーご一行が追いついてきたので引き返す。
引き返すと言っても、遊歩道は一方通行でぐるっと一周する格好になる。
戻り道でシカを見つけた。
知床自然センターを出発してフレぺの滝まで往復して50分といったところ。
センター内の展示物をさらっと見て回って出る。
フレぺの滝遊歩道のジオラマ。
もうここまで来たらウトロの町が近い。
またウトロの道の駅に戻る。
◆ ウトロとゴジラ岩
道の駅に並んである建物は知床世界遺産センターとなっていて、ここも入ってみる。ここも入場は無料だった。
さっきの知床自然センターと被るような印象。
思ったのは、この手の施設がいくつもあって入場無料なのはいいけど、どこも中途半端な感じは否めない。
あちこちにやたらと箱物ばかりあってもしょうがない。
どこか1つに集約して、入場料も取ってちゃんとした博物館にした方がいいと思う。
最後はウトロの町なかをあれこれ見て回って、セイコーマートで買い物してからホテルに戻ることにする。
港への道にはクルーズ船の看板が並ぶ。
ゴジラの形をしたゴジラ岩のある通りは観光船やクルーズ船の事務所が並んでいる。
今日は大型船の知床観光船おーろらは運航したようだが、小型船で運航する他の3社は濃霧欠航となった模様。
やはり明日に変更して正解だったようだ。
その明日もどうなるかまだわからないが。
おおっ、ゴジラ出現!と思ったらゴジラ岩だった (^^;
現在立入禁止のオロンコ岩遊歩道。
オロンコ岩に登ればウトロの港と町を一望できるようだが、今日は木道破損のため立入禁止になっていた。
歩いてみる所といえばそれくらい。また道の駅に戻る。
ちなみにオロンコ岩の “ロ” は “ろ” ね。
伏字ではありませんよ(←誰も思わねーよ!)
◆ 白夜気分のホテル知床
セイコーマートでビールとホットシェフの総菜を買ってホテルに戻る。
16時30分。
それなりに充実した1日ではあった。
今日も温泉に入って風呂上がりのビール。
旨いけど、体にはめっちゃ悪そうだな。
セイコーマートで買ってきた夕食。
窓の外を見ていると、6時を過ぎたあたりから観光バスが続々と到着しだした。
さっきホテルに着いたとき、玄関にあった歓迎看板をみたら今夜宿泊のツアーは8組。
多いのか少ないのかはわからないが、さすがに多いってことはないだろう。
朝食会場以外は広い館内を持て余しているような印象を持った。
昨日は時どき廊下から話声がしたけど、今日は静か。
外だけがずっと明るく、時が止まったような感覚すら覚える。
ノルウェーのナルビクという港町にあるホテルに滞在したときを思い出した。
あの時も2泊して、1日目は混んでいたけど2日目はガラガラで、静かだった。
ちょうど白夜の季節でね、夜中だけどずっと昼間のように明るいの。
静まり返ったホテルの部屋と、いつまでも明るい窓の外に時が止まったような不思議な感覚を覚えたものだ。
瀟洒な飾り付けのエレベーターホール。
ここは日本だからそんなことはないけど、瀟洒な内装と静かな部屋。ずっと明るい窓の外を見ながら白夜の北欧を思い出した。
客室の廊下。
日が当たるスキー場の斜面。
また日が差してきたし、今日は夕日が見られるかなと期待したが、西側の空は雲が覆っていて今日も無理そうだ。
日没の時間になるとまたガスが出てきた。
今日も夕日は無理そう。
19時過ぎ、またガスがかかってきた。
今日はずっとガスったり晴れたりの繰り返しだった。
明日こそ晴れてくれないとなあ。
知床の天気なんて山の天気と一緒で誰にもわからない。
天気予報は基本的に網走の天気だしね。
8時過ぎ、ビール3本飲んだら猛烈に眠くなってきたのでもう寝ます。
タグ:北海道
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