◆ ガス(海霧)の知床
6月30日木曜日。
窓の外がボワ〜っと明るいので目が覚めた。
時計を見ると3時半。
早く寝たので良く寝たという感じ。
北海道も東端に近いこの地は日の出も早く3時40分となっている。これは札幌より20分近く早い。
夏至の前後は20時前にようやく暗くなり、明けて3時前にはもう明るくなってくる。
日本に白夜なんてものはないが、何となく白夜と呼びたくなる。
真っ白くボワーっと明るい朝3時半。
しかし窓の外は濃いガス(海霧)で真っ白。
ホテル前の駐車場までしか視界がない状態。
まだ日の出前だからね。日が高くなればガスも晴れるでしょうよ。
もうひと眠りして6時前に起きたら、まだ外は真っ白け。
う〜ん、しつこいガスだなあ。
朝食会場は6時45分から。
朝イチは一番混むので7時過ぎに朝食会場へ。
これがすごく混んでいた。
広いホールのテーブルは満卓。
席は別部屋に設けた臨時のテーブルに案内された。
混んでいた朝食バイキング会場。
朝食バイキングのメニューは焼魚にウインナーにスクランブルエッグがメインと普通の品ぞろえ。
朝食だからこんなものか。
それにツアーのお客さんがメインだから、朝からたらふく詰め込んだら昼ごはんが食べられないことになる。
お客さんもそれを心得ていて、あんまりガツガツした人は少ない。
私は今日は昼抜きなので、朝からたらふく頂きますよ。
朝食バイキングの一例。
朝から腹12分目になって、外に出てみる。
寒い。入口横にある温度計を見ると12℃を指していた。
7時40分、まだ相変わらずガスに包まれている。
入口横にはバス2台が横付けされて、もうお客が乗り込んでいる。
ツアーは朝早いね。
これから知床五湖へ行って、それから観光船に乗るんだとか。
駐車場に停まっていたバス7台は、8時には全ていなくなった。
出発するバスツアー。
8時にもなれば日が高くなってガスも晴れるのかと思っていたが、一向に晴れる気配はない。
9時、フロントにキーを預けて出発。
車で坂道を下って、ウトロの町に着いたらガスは消えていた。
ホテルは山の上の方なのでガスっていたわけか。
観光船おーろらの乗り場はオロンコ岩のトンネルをくぐった先にあるが、受付ときっぷ売場はトンネルの手前で行う。
窓口で予約してあったことと名前を言うと、「6,800円です」。
お金を払う前に霧がだいぶ濃いので大丈夫かと尋ねたら、
「あまり霧が濃くて航行が難しいと判断したら途中で引き返すこともあります」
とのことだった。
私は明日までウトロにいるので、無理に今日でなくてもいいのだ。
「明日に変えてもいいですか」と言ってみると、
「ああ、いいですよ」とあっさり。
むしろそうしてくれみたいな口調だった。
そのまま明日の予約にしてもらってまた車に乗り込んだ。
◆ オシンコシンの滝と天国へ続く道
さて今日は1日地上観光ということになった。
昼にはガスが晴れてくれることを期待して、オシンコシンの滝へ行ってみる。
途中に3段の滝というのがあって、道路から見ると3段になっているのが見えたが、わざわざ車を止めてまで見ることはなかったな。
少し高い場所はガスに覆われていた。
オシンコシンの滝は大型バス用の駐車スペースがあって、土産物屋も営業していた。
ここは知床八景と呼ばれる名所のひとつ。
ちなみに知床八景とは、
オシンコシンの滝
オロンコ岩
夕陽台
プユニ岬
フレぺの滝
知床峠
知床五湖
カムイワッカ湯の滝
の八か所だそうだ。
知床八景のひとつ、オシンコシンの滝。
水量も多く、近くで見ると迫力がある。
それなりに見ごたえのある滝を見て、再び車を斜里の方に走らせる。
知床に来たんじゃなかったのと言われそうだが、知床観光はこのガスが晴れないとどうしようもない。
それに斜里側の方にも行ってみたいところはいくつかあった。
国道334号線を斜里に向かって走っていると『天に続く道』という看板があってそこを左折する。
ここは28km続く直線道路のスタート地点で、一直線に坂を下る道路が天に登って消えてゆくように見えるからこう名付けられたのだとか。
ところがそのスタート地点に行ってみると、ここもガスの中だった。
天に続く道もガスの中。どこに続く道?
今度は以久科原生花園へ。
これも国道334号線を走っていると看板があるのですぐにわかる。
小清水原生花園のようなのを期待していたが、こちらは砂丘の草原に柵があるだけだった。
今はオレンジ色のエゾスカシユリが満開。
昨日の小清水原生花園でも思ったけど、花ってのは曇り空の方がきれいに見える。
オレンジ色のエゾスカシユリが満開の以久科原生花園。
朝露をまとったエゾスカシユリ。
そのあと斜里の町まで来てしまった。
道の駅しゃりに着くと一転して青空に。
この後は、根北線の越川橋梁跡を見に行こうかと思っていたが、晴れてきたんなら知床に戻りますよ。
道の駅しゃりに着くと青空が出てきた。
途中でスタンドに寄ってガソリンを満タンにしてから国道334号線を知床に戻る。
走っていると、さっき寄ったがガスの中だった天に続く道がはっきりと見えていた。
この天に続く道は途中から国道334号になるのだが、それを下から見上げている格好になる。
国道は左カーブでウトロに向かうが、直進すれば天に続く道に入る。
それでリベンジでやって来ました。
天に続く道28.1km、スタート地点から。
上画像は一眼レフの70mm望遠で撮影して、さらにトリミングしたもの。
手前が水平だとすれば、まさに天に続く道。
どうせなら道路わきの標識とか除雪ポールも坂に合わせて傾けてくれればもっとそれらしくなるんだけど。
この辺りはいかにも北海道という感じ。
たまに観光バスが通る。
知る人ぞ知る的なスポットだったんだろうけど、今やすっかり有名スポットになってしまったようで、たまに大型観光バスもやってくる。バスは通り過ぎるだけだが、この間は撮影はしばらくお預け。
◆ カムイワッカ湯の滝へ
国道を走ってまたウトロに戻る。
斜里の町からだとここまで距離は38km、車だと30分以上かかる。
それでも同じ斜里町内なんだから、どんだけ広いんだという感じだね。
ここ斜里町ウトロは道の駅のほかはコンビニが2軒あるだけ。
あとは宿泊施設と飲食店のみ。
漁業と観光に特化した町といえる。
一方、知床峠を挟んで反対側の根室海峡に面する羅臼はれっきとした羅臼町。
羅臼は5年前に出張で1週間滞在したことがある。
あちらはドラッグストアやホームセンターもあって生活感があった反面、観光施設には乏しい印象だった。
知床の名産や土産物が豊富にそろう道の駅知床。
ウトロの道の駅で一休みして、今度は一番奥のカムイワッカ湯の滝まで行ってみる。
天気はというと、海岸沿いはどんよりと曇り空、少し高い所はガスの中。
ガスというより低い雲が立ちこめているという感じ。
それでも車を走らせていると時々青空になって日が差すようになった。
オシンコシンへ通じる道道知床公園線のダート区間。
道道知床公園線は知床五湖までは2車線の舗装道路だが、その先はダート区間となっている。
私が小学生くらいの時代ならば国道でもこんな道があったが、さすがに今は道道クラスで一般車も通行できる道のダートは数えるほどになった。
途中狭隘区間も多くて線形も悪い。運転に不慣れならば入らない方が無難だ。こんな道が11kmも続く。
これでも、雨竜沼湿原の登山口へ続く道道暑寒別雨竜停車場線よりはマシかなと思った。
道端で草を食むシカ。
カムイワッカ湯の滝の橋をわたったところにある駐車場が終点。
道路自体はまだ続いているが、100mほど行った先にゲートがあってそれ以上は進めないようになっている。
昔はここから少し先の知床大橋まで行けたようだ。
ちなみに、駐車場の先まで行ってしまうとまた駐車場までバックで戻るしかないので注意。
カムイワッカ湯の滝駐車場の先からは通行禁止。
温泉が岩肌を流れるカムイワッカ湯の滝。
カムイワッカ湯の滝も知床八景のひとつ。
橋の脇から少し登った沢が温泉となっている。
手を入れてみると生暖かいくらいな温度。
靴を脱いで上へ行けば温度は上がるようだ。
上へは岩肌を流れる沢の中を登ることになる。
靴を脱いで裸足になって裾をまくれば行けそうだが、難儀そうなのでやめておいた。
タグ:北海道
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