時刻表に無い函館市電の朝ラッシュ臨時便

函館の顔といえば何と言っても函館市電。

市民の足というより、ここ数年来は観光客に支えられていたと言ってもいいくらいで、まん延防止などで観光客が激減した今はどの電車もガラガラという見るに堪えない状況になっています。
函館市は人口が北側の郊外へ移動していることや、市電沿線の高齢化や人口減、函館駅前の商業施設撤退による求心力の低下などがあって、市電にとっては厳しい状況のように見えます。

コロナ前ならば、昼間は大勢の観光客でにぎわっていた函館駅前電停も、まん延防止期間中の今は電車を待つ人も少なく、すっかり寂しい状況になってしまいました。

そんな函館駅前と市電ですが、朝の短い時間だけラッシュがあって、またその時間に1本だけ時刻表に掲載の無い臨時電車が運行されているのでその様子を見てくることにしました。

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 7:31、前面に『函館駅前』と表示した3002号が接近。 

行先を『函館駅前』とした電車が松風町方向から来ました。系統番号を表示していないこの電車が臨時便ということになります。
函館駅着はまだ朝早すぎるせいか、さすがにガラガラですね。

また同じ頃、木古内発5882D(7:27着)で着いたと思われる人たちが続々と電停へ向かってきます。
その多くは函館駅前電停の五稜郭公園前方面のホームに列を作ります。

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 7:32、木古内発121Dからの人たちが続々と電停にやってくる。

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 7:32、3002号は函館駅前に到着して乗客を全員降ろす。

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 7:33、市役所前方向にある亘り線の奥に引上げる。

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 7:35、5系統湯の川行き3001号が先に到着。

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 7:35、5系統湯の川行き3001号が電停の乗客を乗せる。

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 7:36、臨時便3002号が転線し2系統湯の川行となる。
(表示はなぜか駒場車庫前になっている)

函館駅前折り返し便は、平日ダイヤの6:53分発湯の川行1本だけが時刻表で確認できますが、この時間にそんな電車の掲載はありません。
先の電車は折り返した後は実質2系統湯の川行の始発便となりますが、こちらは運用外の臨時電車。
毎日の利用者ならば見慣れた光景ですが、知らない利用者からしたら、こんな電車あったっけ?でしょうね。

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 7:37、3001号発車、前へ出て信号待ち。後ろ3002号は残りの乗客を乗せる。

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 7:38、3002号が発車し、2系統谷地頭行716号が到着。

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 7:39、谷地頭行716号にも学生を主に多数乗り込む。

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 7:40、3002号発車、前へ出て信号待ち。後ろに2系統湯の川行2602号接近。

JR函館駅から来る60人ほどが3台の電車に乗る7:35から40分までの5分間が函館駅前電停の朝ラッシュ最混雑時間でした。
乗客のほとんどは高校生で、通勤客はチラホラ混じる程度。
普通のオフィスならば通勤には早い時間だし、通勤となるとほとんどは車となるのでしょう。

同じ市電でも学生は少数派で沿線の通勤客が多勢、ラッシュピークも8時台という札幌市電とは対照的です。
函館駅前電停の利用客に限って言えば、函館市電は市民の足というより七飯町や北斗市からJRで来る人の足ということになりますね。

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 7:42、函館駅前交差点を曲がる2602号。

この後も森から来る5882D(7:47着)からのラッシュの様子を見てみます。
こちらは通勤客の割合が高く、下車客の流れも市電、バスターミナル、町へと分散するようでした。
函館駅前電停ホームの列も長くはならず、朝ラッシュのピークも既に終わったようです。

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 7:49、森発(砂原経由)5882Dの乗客が改札口から出てくる。

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 7:50、5882Dからの乗客は、電停へ、バスターミナルへ、町へと三手に分かれる。

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 7:57、5系統函館どっく前行723号が停車中。

7時半ごろから8時前までの30分間が函館駅前のラッシュアワーと言える時間帯でした。
前の電車に乗れそうでも走ったり赤信号無視する人もいなく、札幌市電と違ってのんびりとした朝の風景でした。

以下の画像は別な日に宿泊先のホテルから臨時電車を撮影したものです。

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 7:35、これは別の日に撮影した臨時電車720号。『増車』の札も掲げている。

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 前面表示が幕の電車は増車札も掲げるようだ。

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 7:37、亘り線を転線する720号。

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 7:37、大勢の乗客が待つ電停へ。

函館市電のホームページには時間帯と区間ごとの混雑率が掲載してあって、その表に『※7時台に臨時便を運行いたしました』との一文があるので、時刻表に無い函館駅前折り返しの電車のことなのだろう。

 【令和4年3月14日実績】函館市電・混雑状況のお知らせ (外部リンク)

混雑状況のお知らせは毎週木曜日に更新されているようで、これをたどって行くと臨時電車は今のダイヤでの運行は令和3年12月6日実績から登場している。どうやら冬季間のみ運行のようです。
令和2年度(2020年度)は7時台、7時30分台の2本が設定されていました。
今年度は2本は必要ないとの判断から1本に減らされたのでしょうか。

昔は朝ラッシュ時に函館駅前折り返しの電車がもっとあったのですが、それが冬季のみ運行になり、いつしかなくなったようだ。

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 朝ラッシュ時に函館駅前折り返し便があった頃の時刻表。
 2010年、五稜郭公園前電停で筆者撮影。

今後もコロナ渦が続く限りは混雑率の緩和のために珍しい函館駅前折り返しの電車が見られるのでしょうが、それはそれで早く終わってほしいと思うところです。

 〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 22/03/21 | Comment(0) | 路面電車・トラム
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