改称した当別駅と新設のロイズタウン駅を見る

昨日(3月12日)はJR北海道ダイヤ改正の日。
今回の改正は札幌圏ではこれといった動きはなかったものの、ダイヤ以外で大いに話題となったのが学園都市線に開業したロイズタウン駅

本当は開業日に行きたかったのだが、別の用事があったので開業翌日の日曜日に行くことにしました。
在来線の新駅としては20年ぶりというロイズタウン駅と、駅名改称になった当別駅を見に行こうと学園都市線の電車に乗ったわけです。

まずは札幌駅改札口上に掲げられた発車標。
一番上の方面の表記を見ると、何事もなかったように『あいの里教育大・当別方面』となっていた。
上からシールでも貼ったのかとよく見たら、石狩当別方面を消した跡があった。
これを消して、当別方面と書き直したようだった。

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 『あいの里教育大・当別方面』に修正された札幌駅改札口の発車標。

待合所横にある時刻表を見ると『ロイズタウン通過』の青い文字が目立つ。
下り列車のうち、朝1本、夕方2本、夜1本の計4本だけはロイズタウンを通過する。
利用者とか乗務員から見てもややこしいし、全列車停車としても大差ないような気がするけどそうなっている。

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 青字の『ロイズタウン通過』の表示がある札幌駅時刻表。

前回記事と同様に13:40発当別行き普通列車に乗る。
列車番号は改正前と変わらず577M。車両も同じ721系エアポート編成。
だけど札幌〜当別間の所要時間は3分増えている。

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 当別行の発車標表示と721系エアポート編成。

あいの里公園駅を発車して石狩川を渡るとロイズタウン駅に停車。
ここは戻りに下車するのでその時にゆっくりと見る。
次が石狩太美から改称された太美駅。
駅名標が『ふとみ』と新しいものに差し替えられていたのは当然だが、サッポロビールの広告入りの縦長駅名標まで新しくなっていたのは驚いた。

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 差し替えられた太美駅の駅名標。

終点当別着。
ここもサッポロビールの広告入りの縦長駅名標があった。
一昨日までは国鉄時代からお馴染みだったホーロー製の看板だったのだが、道内の主要駅と札幌近郊駅のものは2022年度中に新しいデザインのものに交換されることになっている。
だから、縦長駅名標は撤去されるだけで新たに設置されることはないと読んでいたのだが、これは意外だった。

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 新しくなった縦型駅名標。

交換は大工事だろうと思っていた駅舎上の駅名表示はきちんと新しくなっていた。
そりゃそうだろうなあ、何と言っても駅の顔だし、大工事だからと言ってそのままというわけにもいくまい。

しかし駅前にある札沼線代替バスのバス停は『JR石狩当別駅南口』のままとなっていた。

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 旧のままの札沼線代替バスのバス停と当別駅。

当別からは14:26発札幌行きで折り返す。
改正前は577Mが石狩当別で574Mとしてそのまま折り返していたが、改正後はこのあたりの車両運用が変更になっている。
ロイズタウン駅停車のために札幌〜石狩当別間の所要時間が2〜3分延びたからだろう。
札幌口ではあまり変わっていない時刻も、当別〜北海道医療大学間では地味に結構変わっていたりする。

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 ホーム上屋から下がる光らないタイプの新駅名標。

こんどの列車は733系3両編成。
1番線は当別で折り返す721系が停車中なので、北海道医療大学始発の2574Mは3番線から発車する。
2駅乗ってロイズタウン駅で下車する。

入れ替わりに大勢の乗客が乗って発車して行った。
20年ぶりの新駅ということでテレビをはじめとして大いに話題となり、札幌市内からの試乗客が多いのだろう。
まずは順調な出だしといったところ。

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 ロイズタウンを発車する733系3両編成。

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 ロイズタウン駅のホーム。

ロイズタウン駅は無人駅ながら立派なつくり。
ホームは全部上屋が覆って、中央にはガラス張りの駅舎。
一見すると無人駅とは思えない出来栄えだ。

昔、1986年11月国鉄最後のダイヤ改正で札幌市内にも多くの駅が開業した。
その多くが無人駅で、鉄骨製のホームと地上と出入りする階段だけが設けられた簡素な駅だった。
ホームには上屋もなく吹きっさらし、待合室すらなかった。
その時開業した新川駅や太平駅などホームが4両分の長さしかなく、6両編成が来ると2両分はみ出していたっけ。

その後JRになってから開業した八軒駅やサッポロビール庭園駅も基本的には同じような駅だった。
それに比べれば何と立派な駅と感心するばかり。

外に出て駅舎を眺めると、ロイズチョコの箱と同じブルーが配されたガラス張り。
一見すると近くに空港でもあり、空港アクセス駅かと見まがうような駅舎だ。

駅前広場はまだ工事中で、ようやく土盛りが終わったという感じだった。

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 ロイズ工場と一体化したような駅舎。

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 駅前広場はまだ工事中。

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 駅前の道路から駅舎までは仮設通路で結んでいる。

ロータリー、歩道、駐車場がある駅前広場は2023年3月完成予定。
宅地開発なんかも見込んでいるようだが、この辺りは泥炭地。根本的な地盤改良工事を施さなければ宅地には不向きな土地。
家が建ち始めるのはまだまだ先のことになりそうだ。

近くを国道337号当別バイパスが通るが、だからと言って駅に用はないだろう。
当面はロイズふと美工場関係者だけが利用する駅となりそうだ。

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 駅前に建っていたロイズタウン駅駅前広場完成予想図の幟。

ロイズの工場があるほかはただの田んぼの中の駅。
平日の昼間は乗り降りする人もなく寂しい駅になりそう。
この新しいロイズタウン駅を活用するにはどうすればいいのだろう。

無料駐車場を設けて、当別町内の人がロイズタウン駅からJRを利用するようになれば、パークアンドライドとしてこの駅も利用価値が上がるのではなかろうか。
例えば木古内駅北側の無料駐車場は北海道新幹線の利用者の車がびっしりと停めてあるしね。

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 駅舎内に階段とスロープがある。

ロイズタウン駅は列車の発着がない時でも常に人が出入りしている。
その多くは車で来た人たち。
町道側に仮設の駐車場があるので、そこに停めて駅見物にやってくる。
特に鉄道好きというわけでなくとも、新しい駅ができたとあれば人々の関心ごとなのだろう。

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 こじんまりとした待合室。内装は白樺が使われている。

駅舎内には札幌近郊無人駅に共通の券売機と簡易自動改札機が設置してある。
簡易自動改札機とは、乗車券を入れると入場記録だけするというもので、集札機能は無い。
ICカード乗車券の場合は読み取り機にかざすと出入場記録が行われるのは有人駅と同じ。

無人駅というと通常は車掌が集札するが、学園都市線では基本的に車掌は集札を行わない。
要は欧米でよく見られるような信用乗車制度が行われている。

薩摩守*(さつまのかみ)をしようと思えばできる。
そのあたり詮索したくなるが、学園都市線の利用客にはそのような不届き者はいないということなのだろう。

 * 薩摩守忠度(さつまのかみただのり)は平家の武将、その『ただのり』を文字って無賃乗車の隠語となった。

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 ロイズタウン駅の駅名標。

改札機にKitacaをタッチしてホームへ。
無人駅なので改札口はフリーパスだし入場券も売っていないが、次の列車で札幌に戻るのでタッチしておいた。

さっき当別駅と太美駅の縦長駅名標が付け替えられていたのを見たが、ここロイズタウン駅もサッポロビールの広告入り縦長駅名標が設置されていた。

国鉄時代に設置された紺地に白抜き文字、それに黄色で縁取った駅名標。
それと同じデザインのものが柱に貼られている。
この駅名標はサッポロビールとの広告契約終了ということで、広告部分を白く塗りつぶす作業が各駅で行われ、ほぼ完了しているようだ。
道南いさりび鉄道の駅名標も、広告部分は塗りつぶされた。

主要駅や札幌近郊駅はそのまま残されているが、これは2022年度中に新しいデザインのものに交換されることになっているからだ。

 縦長の駅名標からサッポロビールが消える

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 ロイズタウン駅の縦長駅名標。ここのは不思議な字体。

当別駅や太美駅のは元のを架け替えたものだが、新設駅のロイズタウンまで同様の駅名標が設置されるとは思わなかった。

しかも広告は★マークに『北海道はサッポロビール』のフレーズ。
その上には小さな文字で『ふるさとのために、何ができるだろう?』の文字。

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 新しいバージョンのサッポロビールの広告。

ホームの端から当別方向を見ると、かすかに太美駅で交換する列車が見えた。
ロイズタウン駅から太美駅までは1.4km。
太美駅で北海道医療大学行き2581Mと当別始発札幌行き576Mが交換し、近づいてくる。

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 目を凝らすと隣の太美駅で交換する列車が見える。

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 721系エアポート編成が到着。

新駅開業ということで話題になり、多くの人が駆け付けたロイズタウン駅だが、ロイズ工場以外は基本的に何もない場所。
開業フィーバーが終われば日中は乗り降りする人もない、ひっそりとした駅になるのだろう。
この駅周辺が発展するにしても、まだまだ時間がかかりそうだ。
この駅の一番の活用法は、無料駐車場を設けたパークアンドライドということになりそうだ。

最後に、実質信用乗車制度の学園都市線を乗り降りしてきたわけですが、薩摩守疑惑を持たれないようにKitacaの利用履歴を貼っておきます。

DSCN5659.JPG
 Kitacaの利用履歴。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 22/03/13 | Comment(0) | 北海道の駅鉄
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