2022年3月12日JR北海道ダイヤ改正まで2週間を切りました。
この改正で、当別町内2駅の駅名が改称されます。
石狩当別 → 当別
石狩太美 → 太美
これらの駅が旧国名を冠されていたのは、同様の駅名があったから。
国鉄時代は、貨物が間違って行ってしまうことを理由に、同じ駅名を付けることをしなかったためだ。
例外もあって、例えば白石駅は函館本線、東北本線、肥薩線に3駅存在する。
3駅とも明治時代に開業した駅なので、当時はそれぞれ官営幌内鉄道、日本鉄道、鉄道院と別々の法人が設置し、後に国有化されてもそのままになっている。
全国一律の国有化後は同じ駅名を冠することはなくなった。
この場合多くは旧国名を冠することで、別駅名としていたのである。
これは同音異字の駅名にも徹底していた。
太美は千葉県の外房線にある太海(ふとみ)という同音異字の駅があったために石狩の国名を冠することになった。
当別は江差線(現:道南いさりび鉄道)の渡島当別駅、廃止となった日高本線の日高東別駅。
全国一律の国鉄時代ならばともかく、貨物列車の発着もなくなり、JRとなって別会社となった太美、他に同じ駅名の無い当別は、当別町から駅名から『石狩』を取ってくれとの要望が以前からあった。
その理由の1つに、石狩市所在の駅と間違われるのが気に入らないということもあったようである。
そんな中、2022年3月12日にロイズと当別町が出資してロイズタウン駅が開業する。
それに合わせて、当別町の念願だった町内2駅から『石狩』の冠名を取り去ることが実現することになった。
JR北海道ニュースリリース、2021.04.14より引用。
『石狩』付き駅名は国鉄時代の事情で付いていたもので、これで実態に合った駅名になる。
しかし、石狩当別や石狩太美といった国名を冠した駅名も長らく使われていて愛着がある駅名でもあった。
今回は、その駅名を記録すべく学園都市線の列車に乗って、いまの駅名を撮影してくることにした。
乗る列車は、札幌13時40分発石狩当別行577M。
あいの里公園から先に行く昼間の列車のほとんどが北海道医療大学行きとなっている中で、数少ない石狩当別行きの列車。
『あいの里教育大・石狩当別方面』札幌駅西改札口の発車標。
北海道医療大学から来た元エアポート編成6連が到着。
13時33分、北海道医療大学から来た列車が札幌駅に到着。
この列車は折り返し石狩当別行きとなる。
『石狩当別』の方向幕を撮影しようと車体側面を見ると、こちらは早くも『当別』の表示になっていた。
LED表示の方向幕ならば改称前日まで石狩当別の表示が見られるのだろう。
721系電車の方向幕。こちらは早くも『当別』となっていた。
札幌駅改札口横に表示の混在のお知らせ。
石狩当別の表示がある10番線の発車標。
2月21、22日と続いた大雪で運休となっていた学園都市線。
今日は通常運行だが、除雪した雪山が壁のようになっていた。
学園都市線は元々単線だった線路を複線にしたために、線路と人家や道路との間に余裕がない箇所が多い。
ロータリー除雪車で雪を跳ね飛ばす空間が少なく、これが学園都市線雪害からの復旧が遅かった事情ではなかろうか。
雪の山。どれだけ降ったんだか。
石狩当別駅に到着。
駅名標は、以前あった電照式のものから光らないタイプのものに既に交換されていた。
その上から現在の石狩当別駅を表示した紙が貼られていた。
石狩当別駅の駅名標は既に新しいものに付け替えられて、上から紙が貼られていた。
これは元々あった石狩当別駅の駅名標。2016年撮影。
縦型ホーロー駅名標はそのままとなっている。
これは2022年度中に、札幌圏のものは新しいデザインのものに交換されることが決まっており、駅名改称と同時に撤去されると思われる。
ホーロー製の縦書き駅名標はまだ残っていた。
『JR石狩当別駅』の表示がある南北自由通路。
着いた列車は14時25分発札幌行きとなって折り返すが、いろいろ撮影したかったので次の列車に乗ることにする。
駅南口は雪の山。
駅舎屋上近くにある『石狩当別駅』の表示はまだ残っている。
この駅名表示は新たに付け替えられるのか、石狩部分だけ撤去されるのか。
いずれにしても、クレーンを据え付けての大工事になるのだろう。
札沼線代替バスの月形当別線『JR石狩当別駅南口』のバス停と石狩当別駅。
駅舎の屋上近くに掲げられた『JR石狩当別駅』の表示。
石狩当別駅からは2576Mで石狩太美に向かう。
こちらは735系電車。
学園都市線は電化後は721系エアポート編成が多く見られたが、721系も淘汰が進んでいるのかロングシート車両が主流になってきた。
北海道医療大学始発の札幌行き735系電車。
1駅乗って石狩太美駅で降ります。
石狩太美着。
ここの駅名標はまだ元のまま残されていた。
これも近いうちに新しいものに交換され、駅名改称前日までは上から紙を貼った状態になるのだろう。
石狩太美駅に到着。
縦長の駅名標と横長のJR北海道標準の駅名標。
無人駅とは思えない堂々としたホーム。
駅舎のホーム側にある平仮名で書かれた『いしかりふとみ』の銘板。
昭和55(1980)年に新森清治氏が寄贈したもの。
今の駅舎に改築される前の木造駅舎時代からのもの。
駅名が太美駅になっても、この銘板は残されるのだろうか?
縦書きホーロー駅名標と昭和五十五年寄贈の『いしかりふとみ』の銘板。
石狩太美駅は雪に埋もれていた。
駅前の歩道も雪の壁状態。迷路の中を歩いているようだった。
どこにも行きようがなく、また駅に戻る。
雪に埋もれた石狩太美駅の駅舎。
正面に掲げられた石狩太美駅の駅名標。
石狩太美駅の券売機と旧簡易委託駅時代の窓口跡。
学園都市線バージョンの自立型駅名標。
1番ホームにある乗車駅証明書発行機。
駅舎は2番ホーム側にあるが、反対側の1番ホームにも古くから出入口が設けられていて、南側住人の便が図られていた。
前は階段しかなかったが、いつの間にか待合室とスロープが新設されていた。
こちら側は簡易自動改札機のみ設置。
券売機が設置されていないこちら側から乗車する人は乗車駅証明書を持って下車駅で精算することになる。
DSCN4775.JPG
スウェーデンハウス風の待合室とスロープが新設された石狩太美駅1番線側の出入口。
当別町内2駅の撮影を終えたので札幌に戻ります。
北海道医療大学始発の2578Mは733系編成。
733系札幌行きが到着。
3月12日開業になるロイズタウン駅。
石狩当別駅で買ったきっぷ。
線名が札沼線から学園都市線となり、石狩当別と石狩太美駅から石狩の名が消えます。
新たに開業するロイズタウン駅。当面は田んぼの中の駅となりますが、この駅周辺もニュータウンとして生まれ変わる日が来るのでしょうか。
篠路駅の高架化も決定しています。
複線化されても電化されても、どこか垢抜けしなかった学園都市線。
その路線が、完全都市型路線に生まれ変わる日も近いようです。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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