年明けから北海道をはじめ北日本は記録的な大雪が続いておりますが、2月になってからますます激しさを増しております。
今週も月曜日から低気圧が猛烈に発達して、暴風雪に見舞われた道内。
JRは昨日に続いて全線運休状態、バスも郊外を中心に多くの路線で運休となりました。
雪に強い市電ということで先月は、
札幌市電は平常運行(2022年1月14日)
という記事にしてみましたが、2022年2月22日はまたも交通機関乱れまくりの吹雪の朝。
今日は電車通りを歩いてササラ電車を撮影しながら歩いてみましょう。
画像は中島公園通電停の横断歩道から北方向
車道も狭くなって渋滞している西7丁目電車通り。
ここに電車が来るとどうなるかというと、警笛を鳴らす→車が避ける。
避けない車や大型車の場合は、その車が動くまで待つということになる。
(沿線市電利用者の経験)

札幌市電Naviのスクショを引用(2/22朝7:50)
札幌市電Naviという便利なものがあって、PCやスマホから市電の運行状況を見ることができるし、各停留場にもモニターが設置してある。
上画像は7時50分の札幌市電Navi。
内回り電車が石山通から東本願寺前まで1台も走っていないのがわかる。
どうやら石山通で止まっている模様。
後続の電車も追いついて、8時過ぎまで石山通で止まったままになってしまった。
交通量の多い国道230号線との交差点、雪が踏み固まってしまったのだろうか。
こちらは中島公園通電停から南方向。
内回りの停留場は、来ない電車を待つ乗客が溜まってしまった。
石山通で止まっているので、まだあと10分以上は電車は来ない。
東本願寺前に停車中の1103号、通称シリウス。
外回りは今のところ通常運行中のようだ。
待ってました、ササラ電車22号。
ずっと止まっていた内回りの線路の雪を跳ね飛ばす。
ササラ電車は2人乗務。
進行左側が運転席、右側がブルームの制御席となる。
左側運転席の旋回窓が物々しい。
これは新雪の除雪だと、雪がフロントガラスを覆うまでに舞い上がるので、ワイパーじゃ追いつかないからだ。
ササラ電車のおかげかは知らないが、ずっと石山通で止まっていた内回り電車も動き出したようだ。
さっき東本願寺前停留場で市電の運行情報モニターを見たら、ずっと石山通で停止していた電車がぞろぞろと動き出す様子を見ることができた。
東本願寺前停留場の運行情報モニター。
資生館小学校前で市電は右折するが、私は直進して南1条電車通りへ出ます。
南1条の手前で、トラ縞のササラ電車が横切って行った。
前はササラ電車と言えば黄色と黒のトラ縞模様だったけど、最近はオレンジに白帯の車両ばかり見かけるので、まだ現役だったのかと思った。
ササラ電車は雪かきしながらゆっくり走る印象があるが、実はその足は意外と速く、サーっとあっという間に走り去ってしまう。
惜しいなあ、もうちょっと早ければ走ってるトラ縞ササラを撮影できたのだが。
中央区役所前電停では電車が3台停車中。
交通信号によって走る市電は、しばしこういった続行運転になることがある。
いわゆるダンゴ運転というやつ。
2台続行というのは朝ラッシュ時ならばよく目にするが、3台続行というのはさすがに珍しい。
しかし今日のは様子がおかしかった。
停留場をはみ出して停止しているのは3302号。
発進したら圧雪でスタックしたのか動けなくなった模様。
ここで運転打ち切りになるのか、乗客を降ろしていた。
朝ラッシュ時の西線方向からは2〜3分間隔で電車がやってくる。
あっという間に後続の電車が詰まってしまった。
これは朝8時35分の状況。
もうこれで運休かと思わせたが、10分ほどしたら札幌市電Navi上で、中央区役所前からぞろぞろと電車が動き出す様子を見ることができた。
その後電車マークが全部消えてしまい全線運休を思わせたが、これは札幌市電Naviの不調ということで、実際は運行していた模様。

札幌市電Naviのスクショを引用(2/22朝9:50)
今度は昼にまた電車通りへ。
雪は昨日から断続的に降り続いて、昼間でもササラ電車が走っていると思ったからだ。
電車通りに出るとさっそくササラ電車が走っていた。内回りの21号。
軌道上はきれいに除雪されても歩道は上画像の状態。
この吹雪では歩く人も少なかった。
郊外じゃ幹線道路は大渋滞と聞くが、中央区の道路はいつもより交通量が少ないくらいだった。
南2条の歩道橋でササラ電車を待ってみる。
また雪の降りが強くなって視界が悪くなる。
やって来たのは外回り3304号。
反対側から来たのは内回り1203号通称ポラリス。
札幌市電Naviでは『現在、大雪のため電車の運行が乱れております』とテロップが流れているが、昼の時点では通常の利用に支障がない程度の運行には戻っている様子。
市電は基本的に時刻表を見てから家を出るような乗り物ではないので、等間隔で走っていればそれで良しだろう。
内回りのササラ電車は行ったばかりなので、外回りに狙いを定めて待っていると、ここへ来て2本目の外回り電車3303号の後ろを追いかけるオレンジ色のササラ電車がやって来た。
並走する車に雪をかけないように遠慮がちにブルームを回転させるササラ電車は迫力に欠けるが、昼間の運行だと仕方ないところ。
それでもこの歩道橋からはいいアングル。20分も待った甲斐があったというもの。
欄干が写り込んだのはご愛敬ということで・・・
いつの間にか雪も止んでいた。
二条歩道橋は市電がカーブしている場所にあって、直線が多い札幌市電の中では好アングルの撮影ができる数少ない場所でもある。
ところでこの歩道橋は二条小学校の前にあるのだが、今日は人が歩いた形跡は無し。
それもそのはずで、すぐ下に横断歩道があるのだからわざわざ面倒な歩道橋を使う人はいない。
札幌市は毎年歩道橋の撤去を進めており、この二条歩道橋もそのうち撤去の対象となる可能性は高い。
将来的にそうなると、このアングルからの撮影も不可能となる。
歩道橋を下りてまた南1条通りに戻ると、さっき撮影した21号に追いついた。
今度は1条線を行くササラ電車を正面から。
(南1条西14丁目横断歩道から撮影)
竹で作られたササラを束ねたブルームを高速回転させて線路上を除雪する。
この令和の時代にずいぶんと原始的な方法だが、車が雪を踏み固める併用軌道上の除雪方法は、これに勝るものは未だに出てきていない。
函館市電はササラ電車に代わってササラトラックによる除雪が主流になっている。
これはササラ電車と同じ構造のブルームをトラックに取り付けたもの。
見た目には無粋な気もするが、あちらは停車している電車を追い越して除雪できるのが大の利点。
電車だと、前の電車がスタックしたら後ろの電車はもうどうしようもなく、今朝の中央区役所前のような状態になってしまう。
今朝の立ち往生を見ると、札幌も1台くらい導入してもいいような気がする。
発進して再び雪を舞い上げるササラ21号。
雪はこの後も降ったり止んだりの繰り返しだった。
暗くなってもササラ電車は走り続け、今夜も一晩中走っていることだろう。
夜には雪も小康状態となって、天候は回復へと向かっているようです。
しかし、昼間除雪を行なわない道路は、フラットな軌道敷に比べて車道はガタガタ。特に交差点が酷い。
上画像は中島公園通電停の交差点。波打つ路面を車も荒海の小舟のように通過して、時には車の底を擦る音も。
車にとっては苦労の1日でした。
JRは朝から全列車運休、夕方から手稲〜江別間で運行を再開したようですが、それ以外の路線は終日運休となりました。
バスは郊外路線は運休が相次いで、運行しても幹線道路では渋滞に阻まれてまともに運行できず状態。
新千歳空港発着の飛行機も今日は全便欠航、高速バスも空港連絡バスを含めて運休だったようです。
朝は通勤時間帯直撃のトラブルがあって電車が立ち往生という事態になりましたが、一時的なものですぐに解消しています。
こんな大雪でも市電だけは堂々と走り続けていた印象でした。
他の交通機関が軒並みダウンという状態で、ダイヤが乱れながらも走り続けた市電は今日も通常運行だったと言えるのではないでしょうか。
札幌市電が雪に強いのはササラ電車だけではなく、耐雪ブレーキとか・・・
おっと、こんな話まで始めたら終わらなくなってしまいますね。
今日はこの辺で・・・
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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