◆ お宿 欣喜荘
おはようございます。
1月7日、晴れ。
空は青空だけど、温泉の湯気なのか町は霞んでいる。
今朝は冷え込んで、窓から見える阿寒摩周国立公園の看板にある温度計は−14.6℃を表示していた。
スマホでJR北海道の列車運行情報を見ると、今のところ道東方面は遅れや運休は無いようなのは一安心。
温泉の湯気で霧がかかったような川湯温泉の朝。
7時過ぎ、昨日の夕食と同じレストランの朝食会場へ。
バイキング形式で、焼魚、ウインナー、卵焼きといったビジネスホテルでもありきたりのおかず。
奥は実演コーナーで、何かと思ったらラーメンだった。さすがに朝からご飯食べてラーメンまでは入らないのでこれはパス。
夕食会場と同じレストランの朝食会場。バイキング形式。
ありきたりと言いながら貧乏性の私、しっかりと色々と皿に盛ってきた。
豚肉を甘辛いタレに絡めた弟子屈ポークは柔らかくて味が染みて一押しだ。
おかずはこれだけでも良かったかな?
色々皿に盛ってきました。
朝食の一押しは豚肉を甘辛く炒めた弟子屈ポーク。
やっぱり朝からたらふく詰め込んで、最後にコーヒーを飲んでフィニッシュ。
もう腹11分目。今日は多分昼食は抜きだな。
部屋に戻る前にちょっと外に出てみる。
乾燥した冷たい空気を肌で感じるといったくらいの感覚。
でもエントランスの横にある−40℃までの目盛りがある寒暖計は−13℃を指していた。
マイナス40℃まであるホテルの温度計。現在マイナス13℃。
今日は10時発のバスで川湯温泉駅へ出て、そこから網走へ向かうことにしていたので、朝はのんびりとできる。
8時ごろ朝風呂へ。
脱衣所も風呂場も貸し切り状態だった。
◆ 硫黄山、川湯温泉駅
9時、チェックアウト。
ビジネスホテルと違って、旅館は後払い制。
宿泊代はどうみん割適用後で9,950円、うち150円は入湯税。
昨夜(ゆうべ)のお酒代が1,200円。このうち1,000円分はクーポン券を2枚使った。
どうみん割のクーポンは残り2枚。有効期間は今日までなので、今日中に使い切らねばならない。
1階の売店で土産物でも買おうとあれこれ見たが、これと言って欲しいものもなく。
結局560円の福司2合ビンを買った。とにかくこれであと残り1枚になる。
1泊したお宿 欣喜湯の正面。
バスは10時なのに9時に出たのは、駅まで歩くことにしたから。
宿から駅までの距離は3.6km、時間は40分といったところ。
硫黄山があるので、そこにも寄ってみる。
温泉が流れている湯の川のそばにある立ち木は霧氷で真っ白になっていた。
歩いていると、あちこちの排水溝から湯気が噴き出して、町全体が湯気と硫黄の匂いに包まれている。
寒い朝は湯気に煙る風情ある温泉街だった。
川湯温泉の源泉が湧く湯の川。
冬に白い花が咲いたような霧氷。
湯けむり立ち上る幻想的な川湯温泉街。
町が終わりになるところにセイコーマートがあったので、買い物に寄った。
この先おそらく札幌まで買い物できるような場所はないだろうから。
セイコーマートの先のカーブを過ぎると、一直線の道路が続く。
歩道は一応除雪はされいているが、新雪が10cm近く積もっていて歩き辛い。やむなく車道の端を歩く。
道路の先にはモウモウと湯気を上げる硫黄山が見えている。
車の感覚ならば僅か1分で着いてしまうような距離に見えている山だが、行けども行けども近づかないのがもどかしい。
周りの景色も単調なので余計にそう感じる。
直線の道路の向こうに見えるはモウモウと蒸気を吹き上げる硫黄山。
セイコーマートを出発してから25分で硫黄山に着いた。
広い駐車場は1台の車もいなかったが、レストハウスは営業していた。
駐車場から足跡をたどって麓まで行ってみる。
木が生えない硫黄山。別名アトサヌプリはアイヌ語で『裸の山』の意。
麓へ行くと、勢いよく高温の蒸気を「シューーーーッ」と噴き出す噴気孔が大迫力。
周りが白と黒の世界なので、蒸気にまじる硫黄の結晶が毒々しいまでに黄色く目立つ。
地球は生きてるんだなとも思える光景だった。
黄色い硫黄のドームから蒸気が勢いよく噴き出す。
振り向いても誰もいない。
レストハウスと駐車場以外は人工物も見えず、あとはハイマツと針葉樹だけの原野が広がるだけ。
こんな風景を見ていると、3年前にオーロラを見にフィンランドに行ったときのことを思い出した。
噴煙口の後ろは岩場と原野が広がる景色。
硫黄山を見て、今度は川湯温泉駅を目指す。
国道のT字路を右に曲がるとすぐに『川湯温泉駅』を示した標識があった。
硫黄山から川湯温泉駅までは歩いて20分だった。
木漏れ日が島縞模様に見える道路。
温泉街の宿から硫黄山に寄って川湯温泉駅まで1時間といったところ。時刻は10時。
駅の中に人影が見えたので、今度の網走行きの乗客かと思ったが、車で去って行ってしまった。
再び三角屋根の川湯温泉駅。
石組みの土台に丸太を組んで、上半分は白樺の縁取りの凝った造りで、建築は1936(昭和11)年。
道内でも木造駅舎はすっかり少数派となってしまった今、今も残った木造駅舎の中で第1位と言ってもいいくらいの名駅舎だと思う。
国鉄末期の1986年に無人化されたのは残念だが、翌年の1987年には駅長室と貴賓室を改装したレストラン『オーチャードグラス』が営業している。
まだ時間があるのでコーヒーでも1杯飲んで行こうと思ったら、入口に『本日貸し切り』の張り紙があった。残念。
オンコの木を組んで白樺の木を飾り付けた山小屋風の駅舎。
天井が高い待合室。奥はレストラン オーチャードグラスの入口。
駅舎は最近リフォームされたようで、所どころ新しい建材が目立つ。
オホーツク海側も同じようなカフェやレストランが入居した木造駅舎があるが、あちらは駅待合室側が老朽化して荒れるがままという印象を受けるが、こちらはきちんと手入れがされているので幸せ者だ。
ただ、待合室に暖房がないのはどうかと思う。
これで列車2時間遅れですなんて知らせが入った日には凍えてしまいそう。
駅舎に併設された無料の『あし湯』。
美人の湯と呼ばれ重曹と食塩を含んでいるお湯。
ホーム側から見た集札口。
ホームでお客を出迎える鮭を持った木彫りの熊さん。
10時10分、温泉街からのバスが到着。
やっとお客さんが来るかと思ったら乗客ナシ。
川湯温泉街からのバスが到着。
駅から温泉街まで列車ダイヤに合わせて運行されている今どき貴重なバスだが、残念ながら温泉客の利用はほとんどいないようだった。
◆ 川湯温泉 10:28 → 網走 11:53【しれとこ摩周号】
バスは10時28分到着の列車を待つために小休止。
その間にホテルの送迎車がやってきて駅に人が入ってきた。今度は網走行き列車の乗客のようだ。
発車時刻になったが列車は現れず。
やはり定時運転は難しいのかなと思っていると、遠くの方からかすかに踏切の音がした。
またもや単行の『しれとこ摩周号』。
川湯温泉からの乗客は小さな子供を連れた夫婦とスーツケースを引いた旅人、それに私の5人。
到着した列車はやはりキハ54形1両列車。一応快速列車で『しれとこ摩周号』という名前も付いている。
降りてくる人が意外と多かった。
温泉街のチェックインタイムには早すぎるが、どこへ行く人たちなんだろう。
車内に入ると、昨日と同じ花咲線仕様の座席だった。
結構混んでいたが、川湯温泉で降りた人が座っていた席なのだろう、窓側の席をゲットできた。
去年の7月に釧網線の列車に乗った際に、斜里駅でこの上りしれとこ摩周号とすれ違った時に見た時はガラガラの車内だった。
だから川湯から乗るこの列車もがら空きと予想していたが、この混みように驚いた。
これも『どうみん割』の効果なのか。
観光客や鉄道ファンなどで、そこそこの乗車率だった。
真っ白になった原始林の中を走る。
真っ白な森が続く峠を越えて斜里平野へ。
一面白くなった雪原が続くが、夏はじゃがいも畑が広がっているところ。
所どころにある保線職員の手作りと思われる防雪柵が最果てらしい旅情を感じる。
夏はジャガイモ畑だが今は一面の雪原。清里町〜中斜里間。
車内は100%観光客や旅行者ばかりだったが、清里町、中斜里と停車して地元の人が何人か乗ってきた。
もうすぐ知床斜里。
続く家並みと駅前にそびえ立つ全国チェーンのホテルを見ると、人里へ戻ってきた気持ちになった。
ここまで来れば、今日中には無事に札幌に戻れるだろう。とりあえずは一安心だ。
知床斜里は久々の人里を思わせる。
下り『しれとこ摩周号』と交換。
反対側の1番ホームには下り『しれとこ摩周号』釧路行きが待っているのが見えた。
列車は知床斜里駅に到着。
ところが驚いたのが、こちら2番ホームで列車を待つ人、人、人。
知床斜里からは賑やかになった。
知床斜里で降りた人もいるが、ここから20人以上もの人が乗ってきた。
これも相席を嫌って車端のロングシートか立ち席か。
恰好や荷物から、多くが帰省のUターン客のようだ。
見た目は結構な乗車率となって発車する。
斜里からはオホーツク海を望みながら走る。
天気は良いが、風が強いのか海面は白波が目立つ。
2月と3月は運が良ければ真っ白に氷結した流氷が見られるが、正月明けのこの時期はまだ流氷の季節には遠い。
北浜駅手前から見たオホーツク海。
終点網走着は3分遅れの11時56分。
冬場で3分遅れは定時運転の範疇だろう。
何人かは向かい側の2番ホームで発車を待つ11時58分発の遠軽行き普通列車に乗り込んだ。
こちらは2両編成なのだが、1両がなんと『流氷の恵み号』。
遠軽行きの流氷の恵み号とキハ54。
この列車に乗って北見まで先行してもいいかな、なんて考えているうちにドアが閉まって発車して行った。
やはり網走から大雪4号に乗るしかなかった。
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