2021年 札幌グランドホテル宿泊記

札幌グランドホテルといえば札幌で知らない人はいないくらいの老舗高級ホテルです。
過去には皇室御用達だったこともあるし、国内外の著名人が泊まるホテルでもありました。

今は札幌市内にたくさんホテルがあるのでその中の1つに埋もれてしまった感がありますが、札幌に古くから住んでいる人にとってはグランドホテルが札幌で1番のホテルじゃないでしょうか。

そんな札幌を代表するホテルですが、札幌市民が利用するのはもっぱら冠婚葬祭や宴会などの社交場としてであって、宿泊したことがある人は少ないのではないでしょうか。
何か事情があって市内のホテルに泊まることがあっても、もっと安いビジネスホテルを探すでしょうしね。

まあ普段ならば泊まろうなんて思ってもみないホテルですが、そのグランドホテルに安く泊まる機会に恵まれたので、今回はその宿泊記です。


 ◆ 経緯など

GoToトラベル再開はまだ先のことになるようですが、札幌市や北海道独自の旅行支援事業は再開しています。
そんな事業のひとつが『We Love 札幌 宿泊キャンペーン』というもの。これは額面5,000円の前売りクーポンを2,000円で販売するもので、各ホテルごとの発売となっています。
たまには市内のホテルに泊まってみるのも面白いし、どうせなら普段泊まれないようなホテルにしようと札幌グランドホテルのを買ってみました。

もう1つは北海道でやっている『新しい旅のスタイル』というもの。
道からの支援で16,000円の部屋が8,500円になるものです。
さらにWe Love 札幌 宿泊キャンペーンの5,000円クーポンを併用すると1泊5,500となりました。

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 予約時に表示された金額。\3,500は現地支払い額。

1泊16,000はさすがに旅行先の宿泊先としても敬遠しますが、朝食付きで5,500円ならばビジネスホテルでも安い方ではないでしょうか。
こんな驚きの値段であのグランドホテルに泊まれるとは・・・
これらは楽天などの予約サイトは使えないので、札幌グランドホテル公式サイトから予約しました。


 ◆ 金曜日、札幌グランドホテルへ

ホテルのチェックイン開始時刻は15時となっています。
せっかくなので、チェックイン15時からチェックアウト11時まで高級ホテルを堪能するつもりです。

午後1時頃に家を出て、久しぶりに都心をウロウロと。
珍しく大丸の地下で惣菜を買ったりもしました。
15時も過ぎ、ちょっと緊張してホテルへと向かいます。

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 駅前通り、16階建ての東館側から見た札幌グランドホテル。

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 西5丁目、本館側から見た札幌グランドホテル。

グランドホテルはこうして改めて見ると重厚なダークブラウンが高級感を醸し出していますね。
周りはオフィスビルばかりなので一層目立ちます。
ちなみに、グランドホテルは1つの建物ではなく、北2条側にある8階建てがフロントがある本館で、駅前通り側の17階建てが東館、北1条側にある10階建てが別館となっています。

ここの用で来るときは駅前通りに面した東館から出入りすることが多いんじゃないでしょうか。今は地下歩行空間にも出入り口ができましたしね。
車ならば立体駐車場がある西5丁目側からの出入りでしょう。

正面玄関は、あまり目立ちませんが北2条通りに面した本館の北側になります。
一応狭いながらも車寄せがあって客待ちタクシーがいますが、ここから出入りする人は宿泊客以外はなさそうで、いつ見てもひっそりとした印象です。

今日は宿泊なので正面玄関から入ってみましょうか。

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 北2条通り側にあるメインエントランス。

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 メインエントランスから入ると正面にフロントがある。

フロントでチェックインすると女性ベルマンが案内してくれるのはさすが高級ホテル。
と思いきや「コロナ対策のためエレベーターホールまでのご案内となります」ということだった。
エレベーターに乗ったところでベルマンとはお別れ。

エレベーターは部屋のカードキーを読み取り部分にかざすと自動的にその部屋の階が選択されるシステム。
外部の人が勝手に客室フロアに出入りできないようになっているのは安心ですね。

さてカードキーを渡されたのは6階の部屋。
妙にふかふかするカーペットの廊下を歩いて部屋へ。

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 東館6階の案内板。上が駅前通り側。

予約していたプランは『【新しい旅のスタイル対象プラン】東館お約束朝食付プラン』、部屋は『東館スタンダード ラージツインルーム[禁煙]40平米 (禁煙)』というもの。
ツインルームの必要はないのですが、朝食付きではこれが一番安かったからです。

カードキーをノブにかざすとカチッと音がして青ランプが点灯。

おじゃまします・・・

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 東館スタンダード ラージツインの室内。入口側から。

これが40平米ラージツイン
広い!
広すぎるっ!

ベッドは安ホテルならばダブルとしそうな幅広のベッドが2台。
奥には丸テーブルと椅子が2つ。

デスクは座ると正面が鏡。あまり広くはなく、ちょっと書き物をしたり女性のお化粧用ですかね。飲食や仕事には向かないかな。
飲食ならば丸テーブルを使えばいいんじゃないでしょうか。

とりあえず来る途中セイコーマートで買ってきたビールを冷蔵庫に入れておきます。
それから部屋の中をあれこれ探索してみることに。

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 コンパクトな冷蔵庫。ビールを冷やすくらいなら十分余裕がある。

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 グラスとカップそれにお茶のティーバッグ。下段は電気ポット。

バスルームのドアが1つしかないのでユニットバスかと思ったら、トイレと洗面所が一緒になって、その奥が浴室という変わった造り。
あとで調べたらヨーロピアンセパレートというスタイルだそうで。
そういわれてみればヨーロッパで泊まったホテルはトイレの向こうにシャワールームってのが多かったな。

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 バス・トイレはヨーロピアンセパレートタイプ。奥が浴室。

ビジネスホテルでも新しいところは全部別々の3点セパレートの所もあるので、この辺りはちょっと古さが隠せないな・・・
それでも浴室は洗い場もあるので、バスタブにお湯を貯めてゆっくり浸かることができますね。

あとタオルに全部グランドホテルのロゴとネームが刺繍されたあたりに老舗のこだわりを感じました。

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 バスルームは洗い場付きなのでゆっくりお湯にも浸かれる。

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 タオルのロゴやネームは老舗の証。

3時過ぎにチェックインしてまだ3時半。
さっそく1杯やりたいところですが、一足先に週末のお休みをいただいているとはいえ、さすがにそれはちょっと。
外はまだ明るいし、皆さんまだ働いていらっしゃるからね。

とりあえず椅子に腰かけて部屋を見まわしてみる。
う〜んやっぱり広いなあ。
無駄に広すぎる。

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  東館スタンダード ラージツインの室内。窓側から。

デスクとベッドの間がなんだか無駄な気がしますね。
窓の前の無駄な空間も妙に苛立たしい。

ここにウェディングドレスでも置いたらちょうどいいかなとか、インバウンド氏が馬鹿でかいスーツケース何個も持ち込んで、爆買いした品を整理するんならこれくらいの空間は必要かな〜、なんて思ってみたり・・・

私ら庶民はすぐにこういうみみっちいことを考えてしまっていけませんね。
これは『無駄』じゃないの『ゆとり』なの。

効率よくとか無駄なくを100%追及したら貧しい世の中になると思いますよ。
そう、無駄こそ高級の極みなのだ。
(と思うことにしました)

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 ゆとりを感じる窓とデスクと空間。

しかし、窓の前の空間は見ていて落ち着かないな・・・
そうだ、テーブルと椅子を窓の前に持ってくればいいんじゃね?
なんでこんな暗い隅っこに置いてあるんだろう。
そう思って窓の前にずらしてみました。

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 テーブルと椅子を窓側に寄せてみた。

おお、なかなかいいね。
その代わり元あった場所が完全なデッドスペースになってしまったけど。

座ってみると、窓下にあるエアコンの噴き出し口があって風が顔面に直撃する。
そういうわけだったのか。

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 窓下にあるエアコンの噴き出し口。

風は吹き出し口のルーバーを外して逆に置けば窓側に風が行く。
ここに座っている間はそうしよう。

窓から見えるのは札幌で1番のメインストリートである札幌駅前通り。
しかし地上を歩く人も少ないし、この辺りはオフィス街なので面白い眺めではありませんな。
この東館は17階建てだが、この辺りも近頃は高層ビルが増えたから上層階でも眺めはあまり変わらなそう。

向かいのビルの窓からオフィスの様子が見えたりする。
向こうからもカーテンを開けたこの部屋が丸見えなんでしょうかね。

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 東館6階から見下ろす駅前通り。

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 チェックイン時にもらった券とクーポン。

チェックイン時に朝食券のほか館内のレストランとバーが10%引きになる優待券と2,000円分のクーポンを貰っていました。
優待券は宿泊中は何度でも使え、クーポンは館内の店ならばどこでも使えるし宿泊代の支払いにも使えるようです。

せっかくなので使わなきゃ勿体ないし、夜になったらバーにでも行ってみようかな。


 ◆ ホテル内探索と夕食の買い出し

4時過ぎ、部屋を出ます。
ホテル内の探索と夕食の買い物へ。
おっと、カードキーを忘れないように・・・

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 6階エレベーターホール。奥は本館エレベーターで、各階つながっている。

エレベーターホールに漂う高級感はさすがグランドホテルという感じがします。
最近はビジネスホテルも高級志向の所が増えてきましたが、ここまで高級なエレベーターホールは今まで見たことがないな。

どうです、この無駄に広・・・・いや、このゆとりのあるホール。
一面に敷き詰められたグランドホテルのロゴをデザインしたカーペット。

ひたすら空間だけを強調したシンプルさが高級感を一層アップさせています。
最近よく聞くミニマリズムって言葉を思い出しました。

ちょっと気になったのが、ビジネスホテルならばどこにでもある自販機がどこにもなく、製氷機もないこと。
コンビニに行くのも外の通りに出なければいけないので、新しいホテルに比べるとちょっと不便。

こういうホテルの客は、欲しいものがあればルームサービスを頼むんでしょうか。
ちなみにルームサービスの料金表を見ると、ソフトドリンク各種900円ビール小瓶1,100円・・・

・・・外に出てコンビニに行ってきますわ!

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 高級ホテルらしい重厚な1階のエレベーターホール。

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 本館エレベーターはクラシカルな内装。

あちこちウロウロ歩いてみましたが、客室フロア以外は宿泊客でなくとも入ることはできるし、またいつでも来れるのでそこそこに。

1階で見つけたのが『メモリアルライブラリー』という老舗ホテルならではのコーナー。
ここに昔のパンフレットや旧館時代の平面図、使われた食器などが展示されています。
宿泊客じゃなくとも、札幌人ならば一見の価値はあるかも。

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 メモリアルライブラリーに展示してあった戦前のパンフレット。

外に出るとすっかり暗くなっていました。

夕食の買い出しに向かうは、北2条通りを渡って2軒隣にある赤れんがテラス。
グランドホテルに泊まったら、ここの3階にある中国料理布袋ザンギを買って、部屋でビールを飲みながら食べようと思っていたのでした。

スープの冷めない距離ならぬザンギの冷めない距離ってところ。
グランドホテルでの部屋食にはおすすめです。

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 赤れんがテラス3階にある中国料理布袋赤れんがテラス店。

注文したのは布袋式ザンギ5ケ(660円)と梅ザーサイ(500円)。
ここはイートインコーナーですが各メニューはテイクアウトもできます。


 ◆ 夜は部屋で1人宴会

部屋に戻ってからバスタブにお湯を張ってひとっ風呂浴びることに。
お湯は熱めに張る。入浴剤を買っておけば良かったな。
汗をかいたら冷蔵庫に冷たいビールが待っているなんてもう最高ですね。

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 布袋のザンギと大丸で買ってきたサラダ。

丸テーブルにさっき買ってきたザンギと梅ザーサイ、それに来る途中に大丸の地下で買っておいたサラダを並べます。
広い部屋で1人宴会のスタートだ。

ビールんぐんぐ・・・
プハー、うめえ!

はぐっ・・うめえ!
でかい布袋のザンギ、衣が香ばしくてサクサク、中はプリプリ。

またビールんぐんぐ!
うめえ!

個食なのでお行儀悪く食べるのもよし。

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 衣はサクッと中はジューシーな布袋のザンギ。

ザンギはそのまま食べてもいいが、着いてくる酸っぱいタレをかけるとまた美味い。
梅ザーサイはザーサイに梅干しとかつお節をまぶしたもの。
これもザンギの合間に食べるとさっぱりとして美味いんですよ。

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 テーブルにビールと惣菜を並べて1人宴会。

ザンギ5個は1人で食べるには多すぎたかも。
それでもビール3本目あたりで全部食べてしまいました。
ほかの総菜も全部食べたので、あとはお酒だけチビチビとやっていようとテーブルの上は片づける。

部屋の明かりを消すと窓から夜景が良く見える。
金曜日、札幌は夜の7時。

窓の外に見えるビルは明かりが煌々と点いているところが多く、まだ残業中のオフィス、夜間営業の美容室、ダンススタジオ、居酒屋チェーン店、授業中の進学塾も。

み〜んな忙しそう。

こちらは夜のオフィスビルを眺めて、ほかにすることもなく広い部屋で1人ビールをチビチビ。

ビルの窓に映るのは、ダンスのレッスン、客と美容師、会社帰りに一杯のグループ、授業中の教室。
こちらからは全部一緒に見えるのに、向こうはそれぞれがバラバラに存在している。

パラレルワールドってのがあるとすれば、神様からはこんな風に見えるのかな・・・

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 窓から見る駅前通りの夜景。

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 窓から見る駅前通りの夜景。これは北2条西4丁目交差点。

夜になったらホテルのバーに行こうと思っていたけど、もう部屋から出るのが面倒になってしまった。
部屋着になっているので、また着替えなきゃならないしね。

出かけるのはやめて、部屋でずっと飲むことにしました。
前回の京都旅行で余った焼酎のカップを持ってきていたので、今度はそのお湯割りをチビチビと。
そのうちに眠くなったのでベッドにもぐりこんだらそのまま朝になっておりました。


 ◆ ノーザンテラスダイナーの朝食

グランドホテルの朝食会場は2か所あって、1つは和洋バイキングのノーザンテラスダイナー。もう1つがガーデンダイニング環樂で、こちらは和定食となります。

行ったのはノーザンテラスダイナーの方。
1階の駅前通りに面したレストランが朝食会場だったとは知らなかった。

混んでいたらまた出直そうと思っていましたが、空席だらけだったしブッフェコーナーも余裕でした。
コロナで宿泊客減なのか土曜日だからなのかはわかりませんが。

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 朝食会場のノーザンテラスダイナー。

さて何を食べようか。
トレイに皿をのせて、ん〜何か迷うなあ。
色々種類があって、ご飯とパンとそれぞれに合うおかずがあるのはいいんですけど、これっていうメインがないような・・・
おかず全部取ったら皿の上がとんでもないことになるし。

しいて挙げればサーモンと甘エビの刺身かな。
プレーンオムレツもありますが、これは大きく焼いたのを切り分けて置いてある。個別に焼いてくれたらポイント高いんだけどなあ。
まあ、ケチつけ出したらキリがない・・・

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 ノーザンテラスダイナーのブッフェ。

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 いろいろ取ってきたおかず。ブッフェにはこの倍以上の種類があった。

迷いだしたらブッフェコーナーに1時間は立ち尽くしてしまいそうなので、朝食なんだからこんなものだろうというのをチョイスしてきました。
変わったところではホタテのとろろ和えと釧路風ザンギなど。

最後に納豆ご飯で〆めてから席を立って今度はデザート。
アップルパイとフルーツケーキ、それにコーヒーを持って席に戻る。さっきのトレーは下げてくれていた。

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 デザートはアップルパイとフルーツケーキ。

30分くらい朝食会場にいましたが、混んでくることはなく、ゆっくりとコーヒーも飲み終えてフィニッシュ。
テーブルに置いてある札を裏返しにすれば食事修了の合図。

ここのチェックアウトは11時となっているので、それまで部屋でリッチな気分に浸っていよう。
朝食後に2度寝をむさぼるのもよし、朝風呂に入るのもよし、コンビニでビールでも買ってきて朝から1杯やるのもよし(これはあんまり良くないか)。

でもほかにすることがなくなると、どういうわけかうちに帰りたくなってきた。
無駄なまでに広い部屋・・・いや、ゆとりのある部屋ってのは貧乏性の身には逆に落ち着かない。
そんなわけで9時半にはチェックアウトすることにした。

ここグランドホテルの支払いは、ビジネスホテルとは違ってチェックアウト時の支払いとなるようです。
請求額は3,500円でしたが、結局使わなかった2000円クーポンをホテル代の支払いに充てることにしました。

支払額は1,500円。先に買っておいたクーポンの代金と合わせると1泊3,500円ということになりました。

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 札幌に・・・帰ってきました?

ホテルから駅前通りに出ると見慣れた光景、見慣れた場所。
たった1泊しただけなのに、海外旅行から帰ってきたように思ったのは何でだろう・・・

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 21/11/14 | Comment(0) | 体験記
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