2021年 北東パスで北海道新幹線に乗りに3

おはようございます。
7月17日土曜日。
晴れ。今日も暑くなりそう。

ここはJRイン函館、トレインビューの部屋。

5時17分、キハ40の2両編成が入線。これが函館駅の1番列車。
5時30分、道南いさりび鉄道の2両編成入線。
5時40分、特急北斗1号入線。
5時43分、はこだてライナー入線。

朝から忙しい。
なんせ、窓から駅構内を一望できるので、出入りする列車が気になってしょうがないのだった。

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 5時45分、朝イチの列車が並んだ函館駅。


 ◆ 朝市食堂へ

朝食は、朝6時半からやっている函館朝市の食堂へ行ってみた。
昨日通りかかったときに、『500円丼』の看板を見かけて気になってたからだ。

実は昨日チェックインする際に「今日からバイキングが復活するので朝食はいかがですか」
と聞かれ、値段を訊くと2200円と言うことだった。

1200円くらいなら検討もしただろうが、朝から腹いっぱいというのもちょっとね。
海外旅行とか、出張のときは朝食のバイキングで腹いっぱいにして昼食を食べないというのはよくやるけど。

そんなわけで朝市に行ってみた。

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 函館朝市駅二市場。

その食堂は函館朝市の駅二市場の2階にあって、市場の中にある階段から上がるようだ。
店から声をかけられたら嫌だなと思って中に入ったがそんなことはなかった。

2階の食堂は7時前からお客が結構いたが、空きテーブルもあったのですぐそこに案内された。
500円丼はいくつか種類があるが、一番上にある『五目丼』にした。

出てきた五目丼は甘エビ、まぐろ、サーモン、鮭そぼろ、イクラ、トビッコ、カニ、卵焼きと8品も乗っている。
何千円もする海鮮丼には及ばないが、朝食ならばこれで十分。

それにしても、これに味噌汁と漬物付きで500円(税込み550円)とは大したもんだ。

こんな時期でなければ、朝から行列覚悟で入らなきゃならない店なんだろうな。

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 朝市食堂二番館の五目丼はなんと550円。

店を出てから朝市をちょっと覗いてみる。

爆買いの客で大忙しだったひと頃の活気はどこへやら。
ようやく戻ってきた観光客を相手に細々とやっているという感じだった。

あちこちで中国語が飛び交って、来る客来る客みんな万単位でお買い上げなんてインバウンドバブルは戻ってくるのだろうか。

まあ・・・難しいんじゃなかろうか。

バブルってのはそういうもんだ。

リスクは新型コロナ禍のようなパンデミックだけではない。
どこかの隣国からあったように、反日運動でひっくり返ってしまった例もある。

国ぐるみの舌先三寸で180度変わってしまう特定国からのインバウンド相手の商売なんて、もはやハイリスクビジネスの筆頭でしかない。


しかし、こんな静かな函館朝市ってのも初めて見るよ。
かといって、あんな呼び声でせかされるような朝市なんて御免だな。

せっかくだから何か買おうかと思ったが、観光地価格ということと、これならスーパーで買った方が・・・という思いが先に出てだめだね。

それに私はカニもメロンも興味全くなし。
地元スーパーや、道の駅の野菜直売所を眺めていた方がよほど楽しい。

これを機会に、函館朝市も市民や一般の観光客が楽しめる場所に変わることができるといいのだけれど。

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  12Fラウンジからの眺め。

朝市を一回りしてホテルへ戻って、12階のラウンジで無料のコーヒーを飲んだ。

函館山と港を一望。天気も良いし最高の眺めだった。
これはホテル宿泊者の特権。


 ◆ 函館 8:17 → 長万部 11:16【821D】

出発前に立てた予定では、函館10時55分発森行で出発することにしていたが、1つ早い8時17分発長万部行きで出発することにした。

もう行くところもすることもないこともあるけど、早く帰りたいということもあった。
7時50分にチェックアウトして函館駅へ行く。

3番ホームには1両のキハ40気動車が既に入線していた。

ドアが開いているし、ホームの電光掲示にも表示が出ているので、これが8:17発長万部行らしい。
らしいというのは、列車の側面にも前後にも行先の表記が何もないので。

側面のサボ受はカラのままだし、前面の表示器は『ワンマン』と表示してあるだけ。

ローカル線では経費削減のためサボ(行先標)を省略する列車が増えたが、特急も走る函館本線で、しかも藤城線まわりや砂原線まわりもある路線でこれはないんじゃない?

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 8時17分発森行普通列車は1両編成。

さてこの1両の列車は全国でも北海道くらいしか残っていないと思われる非冷房車。
これに長万部までの約2時間の乗車となる。

天井に並ぶのは扇風機に代わって取り付けられたクールファン。
冷房ではないので、車内の温度を下げる役には立たない。

車内の温度計は、発車直前には30℃を指した。

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 函館始発時の車内。

ほぼボックス席が埋まったほどの乗車率で函館を発車する。
次の五稜郭でも何人か乗ってきて、ロングシートも埋まるほどになった。

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 道南いさりび鉄道の起点となる五稜郭駅。

七飯までに地元客数人が下車するが、乗る人もいるので乗車率は変わらず。
乗客はあまり地元の利用者風にも見えない。

新函館北斗で降りるのかと思ったがまた乗ってきた。

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 新函館北斗駅で貨物列車の交換待ち。

みんなどこまで行くんだろう。
長万部で乗り継いで札幌まで?
まさかね、青春18きっぷは20日から使用開始だし。

と思っていたら、大沼公園で半分くらいの人が降りた。
函館に泊まって大沼へ行く観光客だったのだろう。

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 赤井川駅で特急北斗5号に抜かれる。

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 駒ヶ岳駅手前からきれいに見えた駒ヶ岳。

大沼で特急北斗2号の交換待ち、赤井川では17分停車して北斗5号に追い抜かれ、森で14分停車で北斗4号と交換。
七飯から森までずっと単線区間なので、対向列車が現れたり後続の特急に追いつかれる度に数分停車となる。

もっとも、こちらもその度にホームに出て撮影したりできるので、趣味的には楽しい列車だ。

森からは複線区間になるので、もう数分間停車はない。
穏やかな噴火湾沿いを1両のキハ40が飛ばす。

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 ローカル線の佇まいを残す落部駅。

海沿いの区間は窓から入る風が心地よい。
たまには窓が開く列車もいいものだ。

考えたら、この区間を普通列車で通過することは意外と少なかった。
青春18きっぷを使っていたときは札幌〜函館間に夜行快速『ミッドナイト』があったし、北海道&東日本パスができてからは急行『はまなす』が利用できたからだ。

だからそれらの切符で旅行するときは、今乗っている区間は夜行で移動することがほとんどだった。

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 噴火湾は今日も穏やか。落部〜野田生間。

函館から1時間59分、終点の長万部に到着。
ここからは山線の列車を乗り継いで札幌へ向かうことになるのだが、次の列車まで2時間以上もある。

長万部で一体何をして過ごせばいいんだろうか。

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 長万部駅に到着。


 ◆ 長万部駅とかにめし

長万部駅も北海道新幹線の駅が併設されることになっている。
新幹線駅ができるのは今の側線や機関区跡の空き地となっている場所。

函館側はもう重機が入っていて、移設される新しい車庫ができていた。
駅の東側にある跨線橋から特急北斗の撮影などをしてみる。

新幹線工事が本格化したらここからの眺めも様変わりするんだろう。
新幹線の長万部駅は高架駅になることが決定したので、木古内駅に似た造りになるのだろう。

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 長万部駅を発車する281系札幌行き北斗7号。

さて、新幹線ができると並行在来線となる函館本線の運命はどうなるのか。
函館〜長万部間は第三セクターが引き継ぐことになる。
貨物列車が走り、本州〜道央間の物流の大動脈になっている路線なので廃止にはできない。

次に長万部〜小樽間。
余市〜小樽間は結構利用者がいるので存続する可能性が高いが、長万部〜余市間、特に長万部〜俱知安間は存続は厳しいというのは誰の目にも明らかだ。

ここから左に向かってカーブする函館本線もこれが見納めだろう。

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 左に曲がるのが函館本線、右の真っすぐなのが室蘭本線。

跨線橋から長万部温泉街を通って反対側の跨線橋から今度は北斗8号を写した。

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 長万部駅を発車する函館行き北斗8号。

ぐるっと回ってまた長万部駅に戻る。
昼食は、かにめしにしようと思っていた。


特急北斗に乗って、車内販売員にかにめしの予約をしておくと、長万部を発車してからかにめしを届けてくれたのを思い出す。

この長万部のかにめしを受け取るのが特急北斗乗車の習わしだった。
昔は札幌発が午前中の特急で函館に向かうと、長万部で昼時になるものだった。

長万部はかにめしだけでなく、もりそばってのもあったな。
もりそば党は年寄りが多かった気がする。

このかにめし、長万部駅にキヨスクがあった頃はキヨスクで売っていた。
昔はホームに立売の人がいて、開いたドアから買うこともできた。

その後、ホームで立売する人がいなくなり、キヨスクが閉店してからは駅で買えるものではなくなってしまった模様。

今はどこで買えるかというと、駅の斜め向かいに駅弁直売所があってそこで買うことができる。
買ったかにめしは、隣のイートインコーナーで食べることもできる。

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 駅前にあるかにめし本舗かなや本店の駅弁直売所。

直売所には鮭めしというのもあって一瞬迷ったが、ここは素直にかにめしとした。
1個1180円。ずいぶん高くなったな。

直売所には飲み物は売っていないので脇にある自販か他所の店で調達する必要がある。

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 包装紙と経木の容器が懐かしい『かなやのかにめし』。

長万部のかにめしを食べるのもずいぶん久しぶりだ。
容器が今では絶滅危惧種になった経木なのがうれしい。

さっそくかにめしを口に入れると・・・・

なんか物足りないな。
味が落ちたとかではなく、昔からそうだった。

ご飯が味付けでなく白いご飯だからなのか。物足りなさを補うためにワカメの佃煮があるのか。

快速海峡のお古のシートに腰かけて、これも懐かしさに浸りながらかにめしを頂いた。

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 快速『海峡』で使われたシートが並ぶ自由席。

食べ終わってからもしばらく休んでいると、車でやって来た人も隣の直売所でかにめしを買ってきてここで食べていた。
物珍しさからだろう。

ここの座席は快速海峡で使われたものだが、元々は0系新幹線車両で使われていたもの。
現役当時と同じく背ずりの転換もできるし、ひじ掛け内臓のテーブルも出てくる。

普通列車の待ち合わせだけでなく、車で来てここでかにめしを食べるのもいいんじゃないだろうか。

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 インフォまんべが入居する長万部駅。

駅をぐるっと1周してきて、かにめしを食べてきたら1時間20分ほど時間をつぶすことができた。
あとの40分は駅にいることに。


 ◆ 長万部 13:18 → 倶知安 14:58【2943D】

12時55分に倶知安行の改札が始まった。

ホームに停車しているのはH100型(通称:デクモ)と呼ばれる新型気動車。
去年(2020年)春のダイヤ改正で山線に登場した。

今年のダイヤ改正では宗谷本線の旭川〜名寄間の列車に集中配置となったし、昨日は東室蘭駅でも見かけた。
キハ40形気動車の置き換えということで増備が進んでいる。

あと数年もすればキハ40形は少数派になっているのだろう。

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 長万部からの山線区間はH100型気動車(デクモ)が活躍する。

このデクモに乗るのは実は初めてだったりする。
前からいっぺん乗ってみたかったのだが、わざわざ乗りにいかない限り乗ることはできないので、今回がいい機会だった。

さてその新型車両は・・・

第一印象は、トイレにやたらとスペースを取っているということ。
バリアフリー仕様としなければならないんだろうけど、そこまで必要なんだろうか。

もう一つは、やはり新型車両の宿命なのか、ボックスシートが少ないこと。左右合わせて6区画しかない。
窓側にテーブルもなし。

基本は通勤通学仕様のようだ。

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 デクモの車内。ボックスシートは6区画だけ。

外観はかっこよくても、内装が安っぽい車両はおことわりだ。
そんなわけで、デクモは好んで乗りたい車両とは思わなかった。

同じ新型気動車でも、4年前に山陰本線で乗った車両はよくできていたな。
あと仙石東北ラインの車両に乗った時もクロスシート復活に驚いたくらいだったが、こっちはどうもだめだね。

改札が始まった頃はがら空きだったが、だんだん席が埋まってきて、ロングシートの部分にも座る人が出てきた。

このデクモは電気式気動車という形式で、ディーゼルエンジンで発電機を回した電気でモーターを動かす仕組みらしい。
だからと言って、電車のような静寂さや滑らかな発進というわけではなく、乗っている限り違いはよくわからなかった。

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 黒松内で長万部行き2938Dと交換。

黒松内で上り列車の待ち合わせで10分停車となる。
やって来たのは同じくデクモの1両。

あちらの車内は混んでいて、立ち客の姿もあった。
しかも、小樽や札幌から長万部まで行く列車としては1番列車でもある。
今日は土曜だから一日散歩きっぷの客も多そうだ。

ニセコで何人か乗ってきて倶知安駅の3番ホームに到着。

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 倶知安駅ホームから見る羊蹄山。

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 駅裏は新幹線工事のため移転するホームの建設中。

山線の列車は、いつからか日中は倶知安駅で分断されるようになってしまった。
接続も良いとは言えず、なんでこうなっちゃたんだろう。


 ◆ 倶知安 15:18 → 小樽 16:28【1945D】

小樽行きは2番ホームからの発車で、15時07分に小樽から来た列車の折り返しとなる。
ここからは2両編成なので車内は余裕があるのは何より。

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 小樽から来たデクモ2両編成。折り返し小樽行きとなる。

倶知安から小樽までの区間は3つの峠越えがあり、ここからデクモの本領発揮を期待したいところ。

峠道をグイグイ登って行くところを期待したのだが、小沢を発車してからずいぶん速度が落ちてしまった。

登り20パーミルの連続勾配の稲穂峠越え。
キハ40形ならば30km/h台まで速度が落ちる区間だった。

スマホのアプリで速度を測定してみると50km/h前後を行ったり来たり。そのうち45km/hまで落ちてしまった。
かつてここをキハ150形の列車で通った時、70km/h近くで駆け上っていた記憶がある。

さしものデクモも、急勾配にはお手上げか。
キハ40形の置き換えならばこれで十分だんだろうけど。

峠を下って平坦になると快調に走り、仁木〜余市間では速度は91km/hにも達した。
このあたりは線形も良いし、かつては特急列車も走っていた函館本線。
さすがは腐っても鯛といったところ。

余市で乗ってくる人は多く、新幹線ができても小樽〜余市間は存続することを思わせる。

蘭島からの登り勾配もまた情けない走りっぷりになり塩谷に着く。
やれやれあと1駅かと思ったら、駅舎から続々と人が出てきた。

駅舎からの人はこれも次々と列車に乗りこんできた。
総勢20〜30人くらい?
恰好や話の内容から、登山の人たちのようだ。

通路までの立ち客や車内の喧噪を乗せて終点小樽駅4番ホームに到着。

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 小樽駅に到着。


 ◆ 小樽 16:33 → 札幌 17:07【エアポート172号】

小樽からは快速エアポート172号がすぐの接続になる。
塩谷からの一行も乗り継ぐようだし、混んでいたら次の普通列車にしようと思った。

エアポートの車内は結構混んでいた。
それでも先頭の方まで行くとガラガラだったので、このエアポートに乗ることにした。

小樽からの快速エアポートに乗るのも何年ぶりだろう。
少なくともここ7〜8年は無いなあ。

車窓から石狩湾を眺めていると、あらためてきれいな景色だなあと思った。

思えば、列車内から日本海が見える区間って、ここと宗谷本線の抜海〜南稚内間くらいになってしまった。
江差線の上ノ国〜江差間、留萌本線の留萌〜増毛間、どっちも廃止されちゃったね。
もっと古くは羽幌線というのもあった。

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 朝里〜銭函間は石狩湾を眺めながら。

函館駅を8時17分発の列車で発ってから普通列車を乗り継いで札幌まで戻ってきた。
所要時間は8時間50分の大旅行だった。

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 札幌駅に到着。

さて、北海道&東日本パスは有効日数7日間。
今日は2日目で残りは5日間。

このきっぷはまだまだ使います。
それはまた別の旅行記で近いうちに・・・

最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 21/07/25 | Comment(0) | 道南の旅行記
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