2010年急行はまなすと青森の私鉄探訪3

2010年4月10日(土)

昨夜は飲み過ぎて二日酔い気味だが、今日の目的は三沢から十和田観光電鉄に乗るだけなので、遅めにチェックアウトした。
10:11発の八戸行普通列車で出発する。

私が前回この私鉄に乗ったのは1996年12月のことだった。
あのときは青春18きっぷを使用して、快速『ミッドナイト』から乗り継いで行ったものだ。

観光と名のつく路線名に観光地を連想するが、名前とは逆に沿線に観光するような所は無いようである。
この電車に乗っても十和田湖には行けない。
もともとこの鉄道は、戦前は馬産地だった十和田から農耕馬や軍馬を輸送するのが目的で開通したもので、戦後は十和田湖観光に取り組むことになり、社名を十和田鉄道から今の十和田観光電鉄に改めた経緯がある。

三沢と十和田市を結ぶ僅か15kmのローカル鉄道だが、電化されているのは立派なことだ。そんな健気な私鉄にもう一度乗りたいとこうしてやって来たわけである。今回の旅行の一番の目的がこの十和田観光電鉄だった。

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JR三沢駅の横にある十和田観光電鉄の三沢駅に入ると一気に昭和時代にタイムスリップしたような気になる。
駅前広場が整備されているせいか、場末の飲み屋ビルという気がしないでもない。

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反対側から見た駅舎。
青森県の私鉄の駅はJR駅と同居のものが多いが、ここは改札の外も中も別々の駅になっている。

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細長く奥行きのある駅舎内は駅そばもあった。これはまた戻ってきたら寄ることにする。

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きっぷ売り場。窓口と券売機がある。
券売機が2台もあるので、乗車券はそちらでかと思ったら、窓口の方では硬券を販売していた。

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窓口で記念に買った乗車券と入場券。

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十和田観光電鉄の電車は弘南鉄道と同様の東急からの譲渡車。
弘南鉄道と違うのは、こちらは冷房付き。
大手私鉄から余剰車が来るのは鉄道会社にとっては渡りに船だが、全国どこも同じような電車ばかりになり、旅行者にとってはつまらなくなる。

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車体に表示の行先表示。
基本的にこれ以外の区間運転がないためかでネジで固定してある。

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土曜日とあってか車内は閑散としていた。
乗客は終点に向かうにつれ若干増えたが、部活動へ行くと思しき高校生ばかりだった。
路線には三農校前、北里大学前、工業高校前と学校の名がつく駅が3つもあるので、普段は通学路線なのだろう。

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つり革は東急電車時代のBunkamuraの広告がそのまま。

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終点の十和田市駅は1面1線だけの素っ気ないホームだった。
国鉄時代と同じ型の駅名標があるが、字体は微妙に異なるあたりが私鉄っぽい。

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線路終端から。
商業施設内に設けられた駅から道路と川を跨いだ跨道橋でホームと結んでいる。
カーブの先に車止めがあるが、昔はこの先に旧駅があったようだが、今は郊外型の広い駐車場に店舗が並ぶショッピングセンターになっている。

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道路から見た十和田市駅ホーム。

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十和田市駅の駅ビルは以前に来たときはダイエーがあって賑わっていたのだが、今は撤退してしまった。後に新たに入るテナントもなかったようで空きビルになっていた。店舗へつづいていた通路もシャッターでふさがれ無残な姿だ。
1階はバスターミナルになっているので、人が集まるところではあるようだ。1階の立ち食いそば屋も繁盛している。
しかし2階の電車駅は電車が発車してしまうと人がいなくなりひっそりとする。

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きっぷ売り場。
三沢駅と同じ型の券売機が2台。

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十和田市駅の券売機で買った乗車券。
券売機のボタンは金額ではなく駅名が表示されていて、乗車券の行先も○○円区間ではなく行先の駅名表示となっている。
改札口ではいまだに改札鋏が健在だった。

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ワンマン運転用に運賃表示器と運賃箱が設けられた妻面。

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七百駅は車両基地も併設された十和田観光電鉄の拠点。ここで十和田市行電車と交換する。
構内には旧形電車と電気機関車が留置されていたが、出番はあるのだろうか。
この鉄道にはかつて元定山渓鉄道の電車が走っていたが、東急電車の中古が譲渡されたときに廃車、解体されたようだ。

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小牧温泉の脇を通って三沢駅に着く。

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終点三沢着。ここと十和田市駅だけは駅員がいて改札口で集札する。

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三沢駅の生そばコーナーで食べたスペシャルそば(390円)。
山菜、天ぷら、玉子入り。

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橋上駅のJR三沢駅。
十和田観光電鉄から来ると都会的だが無機質な感じもする。

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三沢からは八戸〜大湊間を運航する快速『しもきた』。これで大湊線を往復してから青森に戻ることにする。
真直ぐ青森へ戻っても明るいうちに着いてしまう。
今夜青森発の急行『はまなす』まで、列車に乗って時間をつぶす。
ここから特急を乗り継げば今日のうちには札幌に戻れるのだが、北東パス利用では『はまなす』を待つしかない。

三沢から乗った車内は意外と混んでいて、終点の大湊までずっと立ちっぱなしだった。
網棚には旅行鞄やスーツケースが並んでいたので、下北半島の人にとっては東北新幹線の『はやて』号に接続する便利な列車なのだろう。

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終点の大湊駅は堂々とした構えだった。やっぱり旧国鉄の駅は立派だなあ。
大湊から折り返し野辺地行となった列車はがら空きだった。

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大湊線からの陸奥湾。
朝の上り『はまなす』からとは反対方向から見る格好となる。
野辺地に着くころにはすっかり暗くなっていた。

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18:45に青森に着いて22:10入線の『はまなす』を待つ3時間以上の間どこで何をしていたのか全く覚えていないが、どこかで過ごしてはいたようだ。
上画像は青森駅で発車を待つ『はまなす』。大湊線内からここまで1枚も撮影していなかった。

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青森発の『はまなす』自由席も1両あたり10人もいないんじゃないかという程ガラガラだった。
札幌からの青森往復割引きっぷB寝台を利用できるし、それ以外でも510円追加すればドリームカーやカーペットカーにグレードアップできる。わざわざ自由席に乗るのは北東パス所持者か途中までの利用の人くらいだろう。
逆に寝台車は人気のようで、この日も寝台車は増結21号車を含めた3両となっていた。


2010年4月11日(日)

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6:07札幌着。
北東パスの有効期間は今日いっぱいまであるが、このまま真直ぐ帰ることにする。

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さっぽろ駅から地下鉄に乗る。
この時の真駒内行は3000系電車だった。

〜おわり



2010年春に、旅行記にするつもりで撮ってきた画像。これは私自身がホームページ上に旅行記を作成するモチベーションが失われていた頃で、画像はそのままお蔵入りとなっておりました。
この度のコロナ自粛を受けて、家に籠って書いていたブログ記事の1つとしてできたものです。
しかしこの画像も、10年後に日の目を見ることになろうとは夢にも思わなかった・・・

最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 20/05/08 | Comment(0) | 東北の旅行記
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