弘前へ来たのは弘南鉄道に乗るためだ。
弘前駅は前に来たときは1番ホームに面した駅ビルだったが、いつの間にか橋上駅になっていた。
その当時はJRの改札口ともう1つ弘南鉄道の改札口が別にあって、どっちも1番ホームに直接出て跨線橋は共用する格好だったが、今は別々の駅になっていた。
弘南鉄道の駅は城東口の階段を下りたところにちんまりとあった。橋上駅に同居はさせてもらえなかったようで、正面側からはずいぶん不便な場所に置かれてしまったものだ。新しい駅はJRと私鉄や三セクとの乗り換えが不便になる傾向にある。
ここから黒石まで往復してくる。
弘南鉄道は黒石線が廃止になる前の1997年12月に乗りに来ている。その時は川部から黒石線に乗り、黒石から弘南線で弘前に出るというものだった。
弘前に来たのはその時以来かもしれない。
13年ぶりに乗る弘南鉄道。駅は変わったが電車は変わっていなかった。
2両編成の電車は東急電車の中古で、車内はあちこちに東急時代の面影を残す。
ワンマン電車は1両目後ろのドアから乗車し、運転士後ろの運賃箱にお金やきっぷを入れて前ドアから降りる仕組み。
弘前から36分で黒石に着く。ここは改札口があって駅員が集札していた。
昼だったので『つゆ焼きそば』の看板につられて駅前の食堂(店の名前は忘れた)で食べた黒石つゆ焼きそば(600円)。
黒石はつゆ焼きそばというB級グルメがあると聞いていたので、食べて見たかったものだ。
ソース焼きそばに揚げかすを乗せて出し汁をかけたもの。
ひと口食べた感想は、ソースラーメンだね、こりゃ。
意外とボリュームもあり。
客はずっと私1人だった。観光客が来るのが珍しいのか、札幌から来たというと店主は「こんな田舎までわざわざようこそ」から始まって、
「もともとこれ(つゆ焼きそば)は昭和35年くらいにつゆそばってものから始まってね」
「津軽三年食堂で有名になってからうちでも3年前から始めたんだけどね」
よくしゃべる店主だった。
黒石駅から弘前に戻る。
電車は1時間に2本と、ローカル線というよりは都市の電車として機能している。
沿線に観光地もなく電車も観光色はないが、変に観光地化しているところよりこうした生活に根付いた電車のほうが好きだったりする。
弘南鉄道7000系の車内。
車内広告は沿線地元のものが多いが、その中に混じって北海道内の大学の広告も。
東急時代の広告がそのまま残るつり革。
非冷房のため扇風機がついている。
通気口からの外気を扇風機で車内に取り込む仕組み。夏は暑そうだな。
駅間は田んぼが広がり、その向こうには岩木山という長閑な景色。
館田駅で黒石行電車と交換。
札幌の定山渓鉄道も残っていたとしたらこんな感じだったのかと想像してみる。定鉄だったら同系列だから東急の中古電車が入ってきたかも。さすがに北海道じゃ無理かな。
終点弘前着。
電車に乗るのが目的なので、弘前観光もせず青森に戻る。
夕方青森に戻ってきた。
今年度(2010年度)延伸開業予定という東北新幹線を迎え入れるためか、駅前は工事中だった。
新幹線が来るのはここではなく新青森なのだが、青森駅もそれに合わせるためか大改造するようだ。
青森ではビジネスホテルの予約をしており1泊することになる。
この後は知人と会う約束をしている。多分飲みにいくことになるのだろう。金曜日だしね。
明日は三沢まで行き、十和田観光電鉄に乗る予定だ。
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